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記録的な大雨を伴った台風19号では21都県で5万棟以上の浸水被害が出たそうだが、被災者は住宅の損壊や自家用車の流失などで多額の出費を余儀なくされ途方に暮れることもあるといわれている。台風の大きな被害は今回だけとは限らないが、家屋が被災した場合に真っ先に確認したいのが加入している火災保険で、水害に対応する「水災補償」が補償内容に含まれていれば保険金を受け取ることができるという。その際には片付けの前にスマートフォンなどで屋内外の写真を撮影しておくと手続きを円滑に行えるそうなのだ。一方で流失家屋などのローンは生活再建に重くのしかかるわけだが、被害の頻度が多いと保険自体が今の保険料ではなりたたなくなってしまうから厳しい時代になったなという。 被災写真は損害保険ジャパン日本興亜の担当者による、表札を含む家屋の全景だけでなく、メジャーなどを活用し水がどこまで来たかを明示や、屋内の家財の状況-などが一般的な撮影のポイントだ。何より安全確保が最優先で可能な範囲で撮影すればよいのは当然だが、被災状況の撮影は損壊家屋の被災の程度を示す「罹災証明書」の取得にも必要となるため、詳細に撮影しておいて困ることはないという。証明書は市町村が調査して発行するが被災者の自主的な申請が必要で、これがなければ受けられない公的支援も多いためしっかりと手続きをするべきだという。なお「罹災証明書」を使った公的支援の1つに、家屋に深刻な被害が出た場合に国などから資金援助を受けられる「被災者生活再建支援制度」があるという。 この「被災者生活再建支援制度」は全壊で最大300万円だが、「罹災証明書」による損害割合が40%以上50%未満の大規模半壊では250万円まで給付され、過去の災害では申告漏れも目立つため注意しておきたいという。屋根や壁・柱など「生活に欠かせない部分」の損壊に役立つ公的支援は「応急修理制度」で、年収などの制限があるが大規模半壊と半壊の場合最大59万5千円が支給され、台風15号の被害を機に一部損壊でも30万円を上限に対象となったという。全国銀行協会がガイドラインをまとめた「被災ローン減免制度」では借り入れ先の金融機関から同意を得られれば、被災者が弁護士に手続きを依頼して債務の減免を受けられるそうで、手続きに費用はかからず制度を利用したために信用情報に登録されることはない。 今年の台風や大雨の被害では、佐賀県内を襲った記録的大雨で広範囲が浸水し、「佐賀鉄工所」からの油流出被害にも見舞われ被災して2カ月を迎えた。この「佐賀鉄工所」からの油流出の被害住宅は207軒で、特に油被害を受けた住民の生活再建の足取りは重いという。鉄工所からは被害住宅への補償内容が提示されたものの復旧資金や大工のあてがなく、先行きが見通せない住民は少なくないそうなのだ。「床を拭いても油がしみ出る。大工も忙しそうだし、正月までに元通りの生活を送るのは厳しかね」と下潟地区に住む老人は、畳をはがして床材がむき出しのままになった室内を見つめ淡々と話したという。再建の見積もりを取った段階だが2カ月が経過した現在でも住宅改修はできていないそうなのだ。 商工業や畜産業でも影響が出ているそうで、養鶏業を営む人では「再建にかかる費用を考えると、ここで再開することは厳しい」と話している。35年前から養鶏業を手がけてきたが今回の豪雨被害で約2千羽の鶏は処分せざるを得なかったという。農家や商工業向けの補償について「これから検討していく」としているが「長引きそうだから」と施設の解体を決めたという。順天堂病院の近くに住む板金業を営む高齢者も事業を再開できずにいるが、鉄板を加工する機械があった作業場が浸水し機械やモーターにも油が染み込み、作業場と隣接する自宅は「全壊」の判定で補償は受けられる見込みだが作業場については見通せないという。収入はなくなったままで「来年の春頃までに再開できれば」と語っている。
2019年10月31日
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教育というのは制度として平等性は担保されていても、そこにたどり着くまでの受験勉強のあり方等はさまざまなツールがあるので、そこをすべてイコールにすることは難しいという問題意識の中で、難しかろうが出来るだけイコールにするよう努めるのが文部科学省の仕事のはずなのだ。それが大学入学共通テストで導入される英語民間試験について、萩生田光一文部科学相が「自分の身の丈に合わせて勝負してもらえれば」と発言した問題を巡り、萩生田光一文部科学相は閣議後記者会見で「昨日、真意について説明した。発言を撤回した上のものだ」と述べ改めて謝罪した。発言は出演したTV番組でのものだが野党は批判を強め国会で徹底的に追及する姿勢を示しているが、「国会でただされれば、きちんと真意を説明するとしている。 英語民間試験は現在の高校2年生が初めて受験することになっているが、英検やTOEFL・GTECなどで現在の高校2年生からが対象になるという。それを高校3年生の4~12月に2回まで受験しその成績が志望大学に提供され合否の判断材料となるというのだ。 3年生の間で受けた2回までの成績が志望の大学に送られるが、1~2年生の時に練習として受験する回数に制限はないという。英語民間試験は試験料が高額なものがあるほか会場が都市部に多くなると予想され、経済・地域格差が指摘されている。大学入学共通テストで導入される英語民間試験をめぐり萩生田光一文部科学相はテレビ番組で、金銭的・地理的な条件で不公平が生じるとの懸念に対し、自分の身の丈に合わせて勝負してもらえれば」と発言したちうのだ。 教育基本法では「すべて国民は、ひとしく、その能力に応じた教育を受ける機会を与えられなければならず、人種・信条・性別・社会的身分・経済的地位又は門地によって、教育上差別されない」と定めている。萩生田光一文部科学相はTVの番組で司会者が「お金や地理的に恵まれた生徒が有利になるのではないか」と指摘したのに対し、教育機会の平等の実現にゴールはないのだとしても理念は絶対に捨ててはいけないなのに、「それを言ったら『あいつ、予備校通っていてずるいよな』と言うのと同じだ。裕福な家庭の子が回数を受けてウオーミングアップできるようなことはあるかもしれないが、そこは自分の身の丈に合わせて2回を選んで勝負してもらえれば」と発言しこのことが教育の格差ということで問題になっているのだ。 さらに萩生田光一文部科学相は「できるだけ近くに会場を作れるように業者や団体にお願いしてはいるが、人生のうち自分の志で1回や2回は故郷から出て試験を受ける、そういう緊張感も大事」などと述べたが、この発言にネット上では「地方の貧乏人は身の程を知れってことか」などと反発が相次ぎ多くの受験生から批判の声を強めている。教育関係者も中京大の大内裕和教授などは「萩生田さん、『身の丈』って何ですかと言いたい」と問題視し、ツイッターで「萩生田氏の発言は、経済格差による教育格差の容認。ここでの『身の丈』とは『本人の努力』ではなく『出身家庭の財力』を意味する。『教育の機会均等』を定めた教育基本法にも違反する問題発言である」として教育を司る文部科学省を批判している。 民間試験導入を「いいかげんな制度」と酷評し立憲民主党など野党4党は衆院に共同提出した延期法案の審議を求めているが、立憲民主党の枝野幸男代表は大学入学共通テストへの英語民間検定試験の導入を巡る萩生田光一文部科学相の発言に関し「文科相としてあるまじき発言だ」と批判し、「教育の機会をいかに均等にするかが政治の役割なのに、放棄している。責任をしっかり問うていかねばならない」と強調した。国民民主党の玉木雄一郎代表も記者会見で「格差を容認するような発言は看過できない。強く抗議したい」と述べ国会で真意をただす意向を表明した。萩生田光一文部科学相は文部科学省内で報道陣の取材に応じ「受験生に不快な思いを与えかねない説明不足な発言だった。おわびしたい」と謝罪したという。
2019年10月30日
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日本を含む世界各地を襲った異常気象が北半球のジェット気流の変化によって引き起こされた可能性が高いことが英オックスフォード大などの研究で明らかになったという。地球温暖化が進むことで日本周辺では大雨が増加し洪水や土砂災害が激甚化しているが、地方自治体の対策立案を手助けするため気象庁も支援に乗り出ている。気流の変化は近年増加傾向になっているが研究者は「気候変動や地球温暖化によって将来さらに頻繁に発生すると予想される」と警告している。研究結果によると西日本やバルカン諸国を襲った集中豪雨だけでなく北米や西欧など各地の記録的高気温が、いずれも上空1万メートル付近を吹くジェット気流の変化と強い関係があったとし、特定の気流の蛇行パターンが影響していたという。 ジェット気流の変化と強い関係で特定の気流の蛇行パターンが影響していた結果なよって、何週間も熱波が一部の地域に滞留するなどし「暖かな晴れの日は高温と干ばつに、雨の日は洪水に変わった」とされるが、異常気象に見舞われた地域が世界の穀倉地帯と重なっており、食料生産のリスクを増幅する可能性があると指摘している。環境省などが昨年まとめた「気候変動の観測・予測及び影響評価統合レポート」によると、地球温暖化により今世紀末には1時間に30ミリ以上の大雨の回数が全国的に増加しており、1回当たりの雨量も1~2割増える恐れがあるという。台風の発生しやすい海域が東に移り日本に近づく頻度は減る可能性があるとされるが、強い台風の割合は増加するとの研究結果もあるという。 雨量が増えると洪水の可能性が高まり土砂災害の頻度や規模も大きくなるが、崩れた土砂が川を一時的にふさいで深刻な洪水を引き起こしたり、大量の樹木が流出し川沿いの家屋に被害を与えたりするなど激しさを増す恐れもある。災害増加などに備えるため昨年12月に気候変動適応法が施行され、地方自治体は堤防整備などの計画策定に努めるよう定められているそうだ。策定の基礎となるデータについて気象庁は今世紀末までの変動を市町村単位で予測し提供する事業を計画しており、降雨量の増減などのデータをまとめ自治体担当者に分かりやすく伝える考えだという。温暖化に伴う異常気象が世界的な問題となり日本でも今回の関東地方の豪雨だけでなく、昨年の西日本豪雨と立て続けに激しい豪雨災害が発生している。 パリ協定は世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べ2度未満に抑える目標を掲げているといわれているが、国土交通省は河川整備の新たな方針についてこの目標を前提に検討しているそうで、過去の降雨実績を使った従来の計算手法から気候変動で今後想定される将来の降雨予測を活用する方法に転換し堤防や水門などの強化に反映させるという。その際はこの予測よりさらに降雨量が増える可能性も考慮する模様で、国土交通省は気候変動による土砂流出・流木などの形態や洪水と高潮の同時発生などのメカニズムも分析して、複合的な災害にも効果を発揮できるハード対策を検討するという。またダムや貯水池などが持つ機能を上回る洪水が起きた場合に備え被害を軽減できる施設構造の工夫も議論している。 異例の広域浸水被害をもたらした台風19号では記録破りの大雨に河川の堤防は耐え切れず次々と決壊したが、専門家は「氾濫や洪水はどこでも起きる」と警鐘を鳴らしているが、国土交通省の有識者検討会は「気候変動などの影響が治水対策の進捗を上回る新たなフェーズに突入した可能性」を指摘したそうなのだが、メンバーの新野名誉教授は「地球温暖化により、南の海で強い台風が増えるという研究結果が出ている。河川等を整備しても、決壊を招く規模の雨が降る可能性はあり、絶対大丈夫とは言えない」という。日本付近に来るかは中緯度の気圧配置によるが、勢力を弱めずにやって来る可能性が高まるとし、計画を上回る洪水に対する流域一帯での減災対策の必要性などを提言している。
2019年10月29日
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消費税が上がったのは動かしようがない現実なのだが、私たちは消費税10%時代を生きていかなければならない。消費税が上がると具体的に何が起こるのか過去の増税と何が違うのか理解している人は少ないといわれており、経済ジャーナリストの荻原博子氏は増税をいかに解釈し今後の社会をどのように生きていくべきなのかを提言している。これまでの二度の引き上げと比べてもっとも景気が落ち込むとされており、引き上げ率自体は2%でこれまでよりも大きいというわけではないが、なぜ「もっとも景気が落ち込む」と考えるのかというと10%という数字が大きな意味をもつからだという。たとえば、1万9800円の商品を買うと「さて、8%時代ならば消費税はいくらか」として即答できる人は少ないというのだ。 ところが消費税10%ならば「0」を1つ減らすだけだから消費税がいくらか子どもでもわかるというのだ。つまり消費者が何かを購入する際つねに10%の消費税率を意識してしまうということなのだ。24万円の冷蔵庫を買おうと考えても「2万4000円も消費税でとられるのならば、いまの冷蔵庫をもう少し大事に使おうかな」などと逡巡してしまうという。5%から8%に引き上げられたときは「どれくらい消費税が上がったのかな」とボーっとしていた人も、今回は具体的な数字に気が付くというのだ。そうすると必要以上に税金を支払いたくないので買い控える人が増えるのは必定だという。その結果各企業の業績は悪化してビジネスパーソンの賃金は上がらなくなってまさしく「負のスパイラル」に落ち込んでいくというのだ。 じつは企業にとっては消費増税と同じタイミングで厄介な爆弾が投げかけられており、厚生労働省が財政検証を発表した5年に一度経済状況などに鑑みて年金制度が持続できるかを検証するものなのだが、驚くべきはここに「月収が5万8000円以上ある人はパートや学生のバイトであろうが厚生年金保険料を納める必要がある」と記されていたことだというのだ。企業は従業員が厚生年金に加入すると保険料の半分を支払う義務があって、当然従業員も毎月厚生年金の保険料を支払う必要が生じるのだ。これにより企業もビジネスパーソンもさらなる苦境に立たされるのは疑いようがなく、そう考えていくとやはり日本経済の未来は明るいとはいえずこれまでの二度の引き上げの後景気は落ち込みがまた起こるというのだ。 このたびの増税による影響は消費税に対する国民の意識を変えてしまうためより破壊力があり、厳しい時代にどう暮らしを守っていくべきかを考えなくてはいけないという。答えはとにかく「徹底的にお金を使わない」ことに尽きるというのだ。先月を振り返ってみても駆け込み消費が少なかったのは、国民の多くがもはや「買う力」を失っている証拠だというのだ。消費増税を機会に家計をガッチリと締めることがお薦めで、要らない支出は切ればいいという。たとえばスマホや携帯電話等の毎月の通信費を削れる余地はないかとか、それと交際費も人生の愉しみの一つである交際を辞めろとは言えないが、金銭的余裕がないのであればお金がかからない付き合い方を考えればいいとアドバイスしている。 生活保護の受給額の基準は「健康で文化的な最低限度の生活」になっているが、これは日本国民が最底辺ながら暮らせる金額のことで、庶民の生活水準は生活保護とさほど大差がないというのが現実だという。しかも生活保護の人は医療費の本人負担がないうえ、自治体によっては水道代の免除やその他の補助も多く、実質には280万円を超える可処分所得と同等になるといわれている。もはや中流の人々にとっては働き損とすら思えてくるが「こういう国の失敗による鬱憤が、生活保護受給費の引き下げに繋がった」とも指摘されている。実際に問題があるのは生活保護より低い年金や最低賃金のはずで、今後さらに賃下げが起こりまた生活保護を下げるということになり、国民の大半が、生活保護並みで暮らす未来がもう迫っているという。
2019年10月28日
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職場でのパワーハラスメント防止策が来春にも企業に義務づけられるのを前に、厚生労働省はパワハラ行為の定義とその具体例などを盛り込んだ指針の素案を労働政策審議会の分科会に示したそうなのだ。5月に成立した改正労働施策総合推進法はパワハラを優越的な関係を背景にした言動で、業務上必要な範囲を超えたものとし、労働者の就業環境が害されることと定義している。指針の素案ではこれら3つの要素をすべて満たすものがパワハラだとしたうえで、パワハラを「行ってはならない」と明記する一方で罰則を伴う禁止規定は見送った。この指針の素案を経営者側が賛同したのに対し、労働者側は性的指向や性自認に関するハラスメントの対応策の記載も要求し「内容が不十分」と反対したという。 企業に防止策を義務づける労働者としては正社員のほかパートタイムや契約社員など非正規雇用者も含むとしているが、一方で企業と雇用関係にないフリーランスや個人事業主にインターンなどは対象外とし、「必要な注意を払うよう配慮」を企業に求めるにとどめている。労働政策審議会の分科会に示した素案ではパワハラに該当する行為だけでなく、該当しない行為を「精神的な攻撃」や「過大な要求」など典型的な6類型に分けて例示しており、パワハラに該当する行為として職場で誰かを集団で無視して孤立させることや性的指向や性自認への侮辱や本人が望まない暴露などを挙げている。そのうえでパワハラの典型的な類型ごとに該当する例と該当しない例を初めて示しているそうなのだ。 例えば「暴言」に該当する例としては、人格を否定する発言や他の社員の前にして大声で叱責を繰り返すことなどを挙げているが、遅刻や服装の乱れなどを再三注意しても改善されない時に強く注意することは該当しないとしている。このほか「暴行」や能力や経験とかけ離れた簡単な業務をさせる「過小な要求」などの類型についても、パワハラに該当する例としない例を提示している。「誤ってぶつかる、物をぶつけてしまうなどしてケガをさせること」や、「経営上の理由で、一時的に能力に見合わない仕事をさせること」などはパワハラに「該当しない」とされているという。これに対し日本労働弁護団は「該当しない例は抽象的で、幅広く解釈されるおそれがあり、責任逃れに悪用される危険性が高い」などとして抜本的な修正を求めている。 また国家公務員によるパワーハラスメントを防ぐため新たな規則を作る方針を固めているが、該当事例や対応策などをまとめた指針も作る予定となっているそうなのだ。有識者会議で議論を進めて年内に案をまとめ来年度からの導入を目指すという。新たな人事院規則は各省庁などにパワハラに関する研修や相談体制の整備を求めることが柱となるが、指針にはパワハラになり得る言動や被害を受けた際の対応なども盛り込むとされている。人事院に国家公務員から寄せられた苦情や相談979件のうちパワハラと疑われる案件は230件あったそうだが、上司が「バカ」「頭が悪い」などの暴言を繰り返すとか、年次休暇を取得する際に上司が嫌がらせで「印鑑を押したくない」といった事例が報告されているという。 パワハラ等が横行する職場は個人の体質というより企業の体質が背景にあるとされ、だからこういった精緻な内容検討を行ってもそれは現場に届かないというのだ。パワハラの定義はこれまで本当に曖昧だったので事業者も対応しづらいところがあったのだが、パワハラ認定して懲戒にすると訴訟リスクがあったとはいえ、現場の社員としては被害者の力になりたい気持ちも強いといわれている。そう言った意味ではこうして定義を明確にしたのは良いのだが、相手が嫌な思いパワハラだと感じたらそれはもうパワハラなんていう感情論が罷り通ったら、本当にそれこそ世の中パワハラだらけで上司や上の立場の人間は、後に引き継ぐ世代の可能性ある能力を育ててやる事も引き出してやる事も出来なくなる恐れもあるという。
2019年10月27日
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菅原一秀経済産業相の公設秘書が地元選挙区の通夜で香典を手渡したとされる疑惑をめぐり進退論に発展していたが、安倍晋三首相に辞表を提出した。第4次安倍再改造内閣発足後わずか1カ月あまりで重要閣僚が事実上の更迭に追い込まれたことは政権にとって大きな痛手だ。菅原一秀経済産業相の東京都練馬区内の葬祭場に香典を持参したほか、事務所から故人の枕元に供える枕花を発注していた疑いが判明したが、香典は政治家自身が弔問して持参する場合を除き寄付に当たるとして公選法で禁止されており、日米貿易協定承認案が審議入りした衆院本会議を欠席し疑惑への説明をしていなかったという。この辞任で野党は勢いづき北村誠吾地方創生担当相らを「次の標的」と定めているそうなのだ。 総務省によると政党支部の職員や秘書が氏名の表示されていない形で金品を寄付することは直ちに禁止とはしていないが、菅原一秀経済産業相は記者団に「明日、国会で説明する」と表明していたが、説明前に辞任したということのようだ。立憲民主党の安住淳国対委員長は自民党の森山裕国対委員長と会談し国会で菅原一秀経済産業相に事実関係をただす方針を伝達しており、説明が曖昧なら「衆参両院の全ての委員会開催に応じない」と通告していた。また「事実なら責任を取ってほしい」とも述べ閣僚辞任も要求していたが、森山裕国対委員長は「政府に伝える」と応じ、「まずは首相官邸がどう判断するかだ」とし安倍首相の対応を注視する考えを示していた。公明党幹部は「法律違反だったら守り切れない」と批判していた。 菅原一秀経済産業相は「あの人ほど悪運の強い人はいない」と永田町の住人の間でそう囁かれている人物で、過去にも今回と同じようなスキャンダルが報じられてくると、なぜかその直後になぜか大きな出来事が起きて、世の関心は一議員の醜聞どころではなくなり菅原一秀経済産業相は追及を逃れてきたというのだ。10年前には選挙区の支持者らに1個約2000円の高級メロンを贈っていた疑惑が新聞で報じられたが衆院選で民主党が圧勝し、政権交代がおこり注目は一気に薄れていた。今回も野党も週刊誌の記事にある贈答品リストを入手し追及する構えを見せていたが、台風19号が上陸し永田町も台風対策一色になり、その後も国会では追及が続いているものの盛り上がりに欠けている感は否めなかったというのだ。 菅原一秀経済産業相の秘書とされる男性が香典を手渡す「現場」を押さえられたので知らないでは済まない事態に追い込まれていたという。委員会では与野党が質問を予定しており菅原氏が「調査中」などウヤムヤな説明をすれば、今後の委員会開催に応じないと自民党に伝えていたという。与党にも厳しい見方が広がる。公明党の北側一雄中央幹事会会長は記者会見で「菅原氏ご自身がしっかり説明責任を果たすことが大事だ」と指摘しており、秘書が議員名で香典を持参したとの指摘が事実なら、公選法違反に当たるとの認識も示していた。ある自民党幹部は「まず、本人の説明を聞いてからだ」と語っているが、これまで疑惑が多かった菅原一秀経済産業相が今回入閣できたのは菅官房長官の側近だからだと言われていた。 その菅義偉官房長官は記者会見で「政府として予断をもって答えることは差し控えたい。菅原氏が必要な説明をされるべきだ」と述べていた。「お友達&在庫一掃」といわれた第4次安倍再改造内閣発足からまだ40日あまりだが早くもほころび出たわけだが、安倍首相は菅原氏の後任に梶山弘志元地方創生担当相を充てたという。閣僚経験者を起用することで新たな問題が発覚するのを避ける狙いがあるとみられている。大臣就任の際は皇居で認証式が行われるが現在皇室行事が立て込み進退判断は遅れるとの分析もあったそうなのだ。安倍首相は菅原一秀経済産業相の辞任を受けて「任命責任は私にあり、こうした事態になってしまったことに対し国民の皆さまに深くおわびする」と述べたそうなのだ。
2019年10月26日
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今年の日本シリーズはソフトバンクが4連勝で3年連続の日本一を決めたが、セ・リーグ覇者の巨人は7年ぶりの日本一を目指したのに4連敗に終わった。日本シリーズといえば日本球界最高峰の戦いのはずだが、セ・リーグを制した巨人と、リーグ優勝を逃しながら勝ち上がってきたソフトバンクの戦いは戦力差が歴然としていた。こう言っては失礼だがパ・リーグ同士で戦う方が戦力差は拮抗し日本一を決める戦いにふさわしいのではないかといわれている。セ・リーグは7年連続で日本シリーズ敗退だし、交流戦の戦績を比べても例年パ・リーグが圧勝しており、巨人だけでなくセ・リーグの各球団はこの悲しい現実を受け止めなければ、日本最高峰の戦いだと胸を張れる日本シリーズとは言えないというのだ。 巨人が日本シリーズで1勝もできず4連敗を喫したのも球団史上29年ぶりの屈辱だが、この日本シリーズ4戦を振り返っても巨人の試合内容は余りにも淡白で、守備の乱れなど細かいミスから傷口を広げつまらない失点も重ねていた。「スイープ」という厳しい現実を突きつけられ一矢報いることもないままシリーズを終え、自分たちの本拠地・東京ドームで歓喜の輪を作られた巨人側のショックは計り知れないが、パ・リーグ2位からクライマックスシリーズ突破を果たし、この舞台へやって来たソフトバンクの選手面々にセ・リーグ優勝チームであるはずの巨人はチーム力の差をまざまざと見せつけられたということなのだ。これで5年ぶりに達成したリーグ優勝の余韻も一気に興ざめしてしまった感は否定できないという。 特にレギュラーシーズン優勝の原動力となっていた坂本勇人内野手と丸佳浩外野手が日本シリーズで大ブレーキになると、自慢の攻撃力も一気に機能不全に陥って得点を奪えなくなってしまっていた。特に日本シリーズで13打数1安打の打率0割7分7厘に沈んだ丸外野手に関しては、昨年までの広島東洋カープ時代から言われ続けている「逆シリーズ男」の蔑称が再びネット上で取り上げられるなど散々な言われようなのだ。ついちょっと前までチームをリーグ優勝へ導いた救世主として崇められていたにもかかわらず、いざ結果を出せなくなると手のひら返しでアッと言う間にバッシングの対象となるのは、やはりFA宣言から厚遇を保証され巨人へ移籍して来た者の宿命と言えるのかもしれない。 この丸外野手を含め「総額60億円」ともささやかれた超大型補強を昨オフに強行したものの巨人は日本一奪回を果たせなかったわけだが、しかも日本シリーズで1つの白星も奪えずに幕を閉じてしまったことで、多くの野球ファンの間からは「セ・リーグの恥さらし」といった批判や「今年で日本一3連覇を果たしたホークスには日本シリーズで昨年に対戦した広島カープ、一昨年に戦った横浜DeNAベイスターズのほうがジャイアンツよりもよっぽど健闘していた」という厳しい指摘が飛び交っている。こうした空気を巨人側も感じているようで今オフも戦力補強に動く流れは間違いないといわれている。しかしまた十八番の巨大補強で本当に強いジャイアンツは成り立つのだろうかというと個人的にはやや疑問を拭えないのだ。 ここまでエースに本塁打王だけでなくMVPと3年連続でセのライバルチームから中心選手を次々と強奪しているチーム編成に対しては、「チームを強くするためであることはもちろんだが、相手球団の戦力をそぎ落とすことも目的としてある」と、かつ広島カープの丸外野手の補強に動いた理由についてこういう言葉を耳にしたという。ルールとしては何も間違ってはいないし金に余裕がある巨人のような球団ならばフリーエージェント市場に出てきた大物の獲得に動くのは至極当然のことで、その選手が補強ポイントに見合うだけでなく今まで所属していた相手チームの戦力ダウンにつながるのだから一石二鳥となる。ただしこの「同一リーグのライバル球団の戦力をそぎ落とす」という補強方針には球団内から異論が出ているのも事実だという。 セ・リーグ王者の巨人が、球団史上29年ぶりの4連敗で完膚なきまでにたたきのめされ、原監督も「かなり、高い壁はある。我々もそれに対して、まだ積み上げていかなければいけないものはある」と完敗を認めている。昭和の頃から「人気のセ、実力のパ」と言われていたが、年でここまで実力差が歴然としていた日本シリーズは珍しい。これで日本シリーズは7年連続でパ・リーグが制覇しているし交流戦でも10年連続でパが勝ち越しており、あらためて「パ高セ低」という現実が浮き彫りとなっている。他球団からコーチや選手の引き抜きにも着々と動く巨人の2連覇が最有力だといわれるが、レベルの高い競争なくして、セの復活はあり得ないしライバル不在で、季も独り勝ちが濃厚な原監督は枕をくして眠れそうだというのだ。
2019年10月25日
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歩行者は一般的には交通弱者と考えられているが、自動車よりもバイクよりも自転車よりも弱いからだという。そのため「歩行者」と「自動車・バイク・自転車」が事故を起こした場合には多少歩行者に不注意があったとしても、自転車・バイク・自転車のほうが悪いと判断されやすくなっているという。自転車・バイク・自転車を運転する人はそれくらい歩行者に優しい運転を心がけなければならないということなのだが歩きスマホは別だと言われている。私はスマホどころか携帯電話も持っていないのだが、スマホを熱心に操作しながら街中を歩いている人が多く、その状態で交通事故を起こせばさすがに歩行者でも加害者と認定されるというのだ。これは今までの実例では歩きスマホは歩く凶器になることがあるからだという。 歩行者と自転車の交通事故では通常は「自転車側が悪い」となるが、福岡地裁は5年前の裁判において歩きながらガラケーを操作していた歩行者の過失を1割、自転車側の過失を9割とする判決を言い渡したそうなのだ。事故の内容は走行中の自転車が歩行者の直前で突然左折し衝突したのだが、これだけなら従来なら自転車に乗っていた人の過失が10割になるはずなのだが、裁判官も「十分な注意を払わずに左折した自転車が、事故の主要な発生原因」と断定しているものの、しかし裁判官は続けて「歩行者といえども、周囲の安全を確認して通行すべきだった」といったのだ。つまり歩行者というだけでどのような事故でも無罪放免になるわけではないという裁判官のメッセージが聴こえてきそうな判決だという。 街中で「歩きスマホ」をしている人とぶつかりそうになった経験のある人は多いというが、スマホに夢中の人が自分の方へ向かってきたときぶつからないようによける人が多いはずなのだ。中には「マナーが悪く危ないから、注意する意味でよけない」という声もあるが、しかしよけずにわざとぶつかると暴行罪に問われる可能性があるという。マナーの悪い人のために道を譲るのは理不尽にも思えるが、弁護士によると「わざと人にぶつかる行為は、暴行罪に問われる可能性があります。法律の上では、人の身体に対し、不法に物理的な力を行使したが、傷害結果が生じなかった場合に暴行罪が成立します。わざとぶつかる行為は、この人の身体に対する不法な有形力の行使に当てはまり暴行罪に問われる可能性がある」というのだ。 歩きスマホ」相手とぶつかった人が暴行罪に問われた事例として弁護士が言うには、「暴行罪に問われた事例とは少し違うが同様の事例として、3年前の11月に神戸地方裁判所の判決があって、事案は日頃から歩きスマホに不満を持っていたある歩行者が駅のホームで歩きスマホをしていた同じ歩行者に対し、すれ違いざまに右肩をぶつけそれにより歩きスマホをしていた歩行者が転倒し全治約1カ月を要する傷害を負わせたという内容だという。この事例では傷害結果が生じていることもあって暴行罪ではなく傷害罪が成立すると判断され、懲役1年6月、執行猶予3年の判決となりました」ということなのだ。この点においてはさすがに一般的なイメージと法律の考え方とで少しずれがあるとは言われているそうなのだ。 歩きスマホの人が法的責任を問われることがあるとはいえ、歩きスマホそのものを規制する法律はなく、条例があるのも一部の自治体にとどまっているという。現状ではスマホに夢中の人が自分の方に向かってきたとき自らよけるしかないのだが、弁護士は「混雑する駅のホームや階段、交通量や人通りの多い歩道上での歩行は、歩きスマホをしている人に限らず歩行者全員がお互いにぶつかって相手にけがをさせることのないように注意する義務があります。歩きスマホの危険性が多くの人に注目され問題意識を持つようになると、米国ハワイ州ホノルル市では、道路横断中に歩行者が、スマホなどの電子機器を使用することを禁止する条例ができており、歩きスマホを規制する条例や法律の制定が進むことになるかもしれません」という。
2019年10月24日
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天皇陛下が即位を公に宣言する「即位礼正殿の儀」が皇居宮殿・松の間で行われたのだが、皇位継承に伴う一連の行事の中心儀式で日本中が祝賀ムードに包まれていた。また来月には即位をお祝いする「国民祭典」が開かれ、人気アイドルグループ「嵐」が奉祝曲を歌うことになっているし、天皇一代に一度だけ行われる重要な儀式「大嘗祭」が予定されている。この「即位礼正殿の儀」というのは天皇が自らの即位を国の内外に宣明する儀式であり、諸外国のいわゆる「戴冠式」や「即位式」に当たるとされており、天皇陛下が皇居宮殿・松の間に置かれた高御座に立ち即位を宣言するお言葉を述べられ、その後に安倍首相が「寿詞(よごと)」とよばれるお祝いの言葉を述べ万歳を三唱したそうなのだ。 古来天皇の「即位の礼」は大内裏内の大極殿で行われていたそうなのだが、大内裏が廃絶して以降は京都御所内の紫宸殿で行われていたという。明治2年の東京遷都を経た後も明治22年公布の旧皇室典範において『「即位の礼」と「大嘗祭」は京都で行う』との規定によって、大正天皇および昭和天皇の即位礼は京都行幸の上で「即位礼紫宸殿の儀(そくいれいししんでんのぎ)」として行われたという。現在の皇室典範改正では第二十四条に「皇位の継承があつたときは即位の礼を行う。」とあるのみでその斎行場所についての記述がなくなったことから、平成2年に行われた現上皇様の即位礼は東京の皇居宮殿・松の間で行われることになり名称も「即位礼正殿の儀」と改められたそうなのだ。 天皇陛下が即位を公に宣言する「即位礼正殿の儀」では陛下は「黄櫨染御袍」という最高の礼装で臨まれたが、「即位礼正殿の儀」の日は今年限りの祝日となります。このため国内外から賓客が招かれ特に国外においては国家元首あるいは首脳が参列し、その後参列者を招いて即位を祝う祝宴を行うという。祝宴は儀式の簡素化の一環として平成への代替わりに比べて3回減らし、招待者も800人減の2600人となるそうなのだ。内閣総理大臣夫妻主催晩餐会もあって狂言の野村萬斎や歌舞伎の市川海老蔵に文楽の吉田玉男が五穀豊穣を祈り「三番叟」と呼ばれる演目を共演するという。能楽師の観世清和・三郎太が親子で演目「石橋」を披露するそうで、即位礼正殿の儀に出席する外国元首や各国大使ら約900人が招かれるという。 重要な儀式である「大嘗祭」は新天皇が皇祖や神々に感謝し新穀を神々に備え、国家安寧と五穀豊穣を祈られる重要な儀式なのだが、皇居・東御苑の約90メートル四方の敷地に木造の祭殿など約40の建物が新造され、儀式に使われる新米は先月に行われた「斎田抜穂の儀」で収穫されており、斎田の耕作者「大田主」として東の悠紀地方が栃木県高根沢町の石塚毅男さんと、西の主基地方は京都府南丹市の中川久夫さんが、栃木産「とちぎの星」と京都産「キヌヒカリ」をそれぞれ精米180キロと玄米7.5キロを納めているそうなのだ。また政府は天皇陛下の即位の礼に合わせ、軽微な犯罪で罰金刑を受け医師などの資格を制限された人を救済する「政令御社」の復権令を公布し即日施行したそうなのだ。 恩赦は主に国家の慶弔時に刑事裁判で決まった刑罰を政府が消滅・軽減させたり、有罪で停止した公民権などの資格を回復させたりする制度なのだが、犯罪被害者に配慮し重大犯罪が含まれる懲役刑や禁錮刑となった人は対象から除いているという。国家の慶弔時に多い一斉実施では平成5年の天皇陛下のご結婚時以来26年ぶりで現行憲法下では11回目となり。今回の恩赦は罰金納付から3年が経過した人が対象なのだが、罰金刑になると納付から5年間は国家資格を得られないが、復権の対象になれば制限が回復され国家試験を受けられるようになるし、公選法違反で失われた公民権も回復される。ただし国会の審議を一切経ずに内閣の決定のみで犯罪者を社会復帰させてしまう現状の恩赦制度には批判の声も大きいという。
2019年10月23日
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トヨタ自動車の労使は冬の一時金について話し合う協議会を開き、経営側が組合員平均の支給額を「128万円(3・5カ月分)」と回答したそうだ。トヨタ労使は毎年春の交渉で年間合計の賞与額を決めるのが通例で延長戦を実施するという異例の事態だというのだが、今年は経営側が夏季分のみを回答し冬季分の回答は秋交渉に持ち越す異例の展開になっていたそうなのだ。組合側は春の労使交渉で夏季とあわせた年間の合計額として「6・7カ月分」を要求していたのだが、夏季の「3・2カ月分(120万円)」と冬季3・5カ月分をあわせると要求水準に相当し「満額回答」となっている。トヨタでは組合側が夏冬あわせた1年分のボーナスを春の交渉で要求し経営側も1年分を回答するのが通例で満額回答が続いてきたという。 ところが今春の労使交渉では豊田章夫社長が「今回ほど距離感を感じたことはない。こんなにかみ合っていないのか」などと発言し、トヨタが厳しい競争環境におかれているという「危機感」が社内で共有されていないと問題視していたという。その背景にはトヨタの大きな危機感があったというが、経営側は「労使ともに深く反省」として冬季ボーナスの回答を見送ったという。年間合計額での交渉になった1969年以降初の事態なのだが、トヨタの今年3月期の業績は本業のもうけを示す営業利益が2兆4675億円と高水準で、社長を含む取締役6人のボーナス総額は前年比約3%増えている。一方で課長級以上の管理職約9800人の夏のボーナスを前年比で平均4~5%減らし「危機感」を共有するとしていたというのだ。 私も労働組合の執行委員をしていた時には毎年何回も参加していたのだが、団体交渉は労働者が団結力を背景に使用者と対等の立場に立って労働条件などを交渉し取り決める場なのだが、団体交渉では要求の根拠となる資料をもとに話し方や態度に注意しながら冷静に話し合いを進めることが大切だと言われている。団体交渉の目的は労働条件などについて双方の代表者が団体的に取り決めることであり、話合いと理解が中心であることを念頭において臨むべきなのだ。団体交渉に際しては申入れを文書で行いあらかじめ交渉の日時・場所・出席者・議題等について労使で取り決めておき、これらの手続きは交渉を重ねるうちに徐々に時間をかけてルールをつくり、それを労働協 約で定めるのが望ましいあり方といえるのだ。 今年のトヨタの春の労使交渉では労使のかみ合わなさがあらわになっていたというが、13年ぶりに集中回答日まで決着がずれ込み、一時金について年間協定が結べなかったという。「夏季分のみ」という会社提案を組合がのみ結論を先延ばしにした格好だったのだが、組合側からの「モチベーションが低い」などの意見を聞いての緊迫感のなさに対して、豊田章男社長の重要なメッセージとして非組合員である会社側の幹部社員にも向けられた点にあるという。今回の労使交渉を終えた後の説明会で河合満副社長は「社長は、若手が多い組合側よりも、ベテランを含むマネジメント層に危機感を持っていたようだ」とし、「今回の労使でのやり取りの中で、労使それぞれが変わりつつあるのかを丁寧に確認した」と語っている。 トヨタ労使は春季交渉からの延長戦の中で現場の意識の確認とは別に評価制度の見直しに着手していたと言われており、労使交渉の関係者などへの取材によるとトヨタにはいまだ年次による昇格枠が設定されているそうなのだ。総合職に当たる「事技職」では40歳手前で課長となり40代後半で部長というのが出世コースで、このコースから外れると挽回はほぼ不可能とされているそうなのだ。労使交渉では組合側から「機能していない人がたくさんいるのではないか」とか、「組織に対して貢献が足りない人もいるのではないか」という率直な意見が出たというのだが、トヨタは初めて総合職の評価制度見直しの具体案を組合に提示したようで、その目玉は桑田副本部長が「見直していきたい」と発言した、年次による昇格枠の廃止にあるという。
2019年10月22日
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今回の被害を受けて政府は自然災害の復旧作業に対応すべく臨時国会中に経済対策をまとめることがいわれているが、特に経済対策の規模については今回の豪雨や台風の復旧・復興に対して大型の補正予算が組まれることが予想されている。国土交通相によれば昨年の全国の水害被害額を約1.35兆円と試算しており、発生年度に打ち出された補正予算の規模は3.6兆円となっており、今年の被害総額がそれを上回る可能性があるという。すでに国土強靭化関係3か年緊急対策として今年度予算で1.3兆円強の予算を計上しているが、それに加えて5兆円規模の復興予算が期待されている。メニューは豪雨対応以外にも台風被害や地震関連対応に加え被災地の耐久財買い替え対策等も含まれる可能性もあるという。 台風19号の広範囲な被害に対応し安倍相は補正予算の編成に言及しているが、国土強靭化計画への上乗せや増税対策も含めれば、規模は2兆円規模に上るとの民間調査機関の観測も出始めている。企業は海外減速により景気後退も視野に入れるなど既にマインドを慎重化させており、大規模対策を打っても景気の悪化を反転させるには至らないとみられている。「予備費5000億円の活用、必要であれば補正予算も検討するように」と菅官房長官は非常災害対策本部会議で安倍首相からこうした指示があったとしている。昨年の西日本豪雨などを踏まえた国土強靭化3カ年計画について改めて治水対策に取り組む姿勢を示し、経済財政諮問会議でも電柱倒壊を受け電線地中化3カ計画について議論が行われたという。 こうした動きを踏まえて野村証券チーフエコノミストは公共工事で2兆円と、日米貿易協定に対応した農家支援なども含めると3兆円規模の補正予算を予想している。大和総研シニアエコノミストも補正予算と来年度本予算での防災・減災対策として2兆円規模を見込んでいる。昨年の西日本豪雨などに関連しての補正予算9300億円規模が計上されたが、今年度は公共投資の拡大に加えて消費税対策も実施することを前提に昨年より規模は膨むと予想されているそうなのだ。消費税対策でも政府は既に予算化している軽減税率や期間限定のポイント還元などに加えて新たな対策に着手しているそうだが、増税による消費落ち込みを長引かせないために来年6月以降もマイナンバーカードを活用した消費活性化策を打ち出している。 増税による実質所得の目減りも避けられないこともあって、与党関係者からは「明らかに財布のひもは締まるだろうが、政権としては増税の誤りを認めたくない」との本音もこぼれている。そのせいか官僚の間では消費に関しては引き続き下支え効果を強調する発言も少なくないといわれている。もっとも日銀はラグビーワールドカップの経済効果は組織委員会の試算では4000億円規模だとされており、これからの日本チームの快進撃により大きく上回るとの見方があるほか、雇用・賃金も人手不足や企業の潤沢な内部留保を背景に総雇用者報酬の増加が続いているという基本的状況に変わりはないという。それでも増税に伴う予想外の駆け込みとその反動に実質所得の目減りと海外減速に加えて台風被害と強まる逆風となっているという。 建設技能労働者の過不足率は縮小して以降は安定しているため、東日本大震災からアベノミクスの初期段階に比べれば国民総生産の押し上げ効果は顕在化しやすい可能性がある。今後は東京五輪の建設特需の反動減が懸念されているが、この反動減の部分を今年度補正予算における景気対策によって緩和することが期待されている。今年の経済成長率が1年ぶりにマイナス成長となる可能性もあるし2年ぶりに賃上げ率が低下に転じたこともあり、今年の実質賃金は前年比マイナスの可能性が高いといわれている。安倍政権始まって以来最も機動的な財政政策の効果が出やすい時期といえるが、災害復旧・復興やインフラ投資に限らず教育や科学技術振興、防衛関連や貧困対策等のメニューを補正予算とするそうなのだ。
2019年10月21日
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台風15号で著しい被害が発生した千葉県だが、ほぼ1カ月後にさらに強力な台風19号が襲ったのだが、台風15号の被害が大きかった県南西部の南房総市と館山市・鋸南町では、強風でブルーシートが剥がれて損傷箇所があらわになっている住宅が多数見つかったが、剥がれたのは台風15号で被災した箇所を応急処置していたブルーシートだという。館山市で観測された台風19号の最大風速は20.7m/秒で最大瞬間風速は33.9m/秒だったが、台風15号に比べると低い観測値だが土のうごとブルーシートを吹き飛ばすには十分な風圧力で、土のうが風圧力で吹き飛んで外壁や車などを損傷させる二次被害も発生しているそうだが、ナイロンロープで重しの土のうを屋根にくくり付けていた現場ではロープが切れていたという。 著しく剥がれたのは土のうやロープで大判のブルーシートを留めていたケースだったということなのだが、南房総市では台風19号が通過すると電柱や電線に飛来したブルーシートが巻き付いていたそうで、これが通電していると漏電が発生し感電事故や火災を招きかねないので非常に危険だという。東京電力パワーグリッドの業務統括室総務広報グループでは「このようなブルーシートは自分で撤去しようとしないで、当社に連絡してほしい」と話している。瓦職人が言うには住宅の屋根に施工したブルーシートは滑りやすいので張り直し作業は極めて危険だというが、台風19号の風の吹き寄せ方が台風15号と異なったため「屋根材の飛散や雨漏りが新たな箇所で発生した」という声も多くの住民から聞かされていたという。 台風19号がもたらした大雨によって千曲川や阿武隈川といった大河川だけでなく、支流の決壊や氾濫も相次いだが、その1つが東京都心から北西に50kmほど離れた埼玉県東松山市だという。東松山市内には荒川水系の越辺川やその支流である都幾川などが流れるが、いずれも河道が大きく蛇行し広い高水敷を持つ河川で、国土交通省が都幾川の決壊を最初に発表したのは越辺川との合流点に近い下流から0.4kmの右岸だという。堤防が長さ110mにわたって崩れ住宅地や水田など1.6km2が浸水したが、国土地理院の推定によると浸水深さは最大数メートルで水没した車の中から男性が死亡しているのが見つかったという。都幾川の下流から1.6kmの地点に架かる高野橋の観測所では氾濫危険水位上回り決壊したという。 都幾川の決壊は国交省が発表するよりもはるか前から複数箇所で発生していたもようだといわれているが、下流から約6kmの地点で左岸が決壊しており、さらにそこから1.5kmほど上流に進んだ別の場所でも右岸が決壊していたそうなのだ。付近の住民によると「一段高い土地に建てた住宅の玄関先まで水が迫ってきた」と語っている。堤防の決壊のメカニズムは現時点で明らかになっていないそうだが、堤防の住宅地側にある裏法面に大きくえぐられた箇所が複数あることから越水破堤の可能性が考えられるという。堤防を乗り越えた水が裏法面を浸食して堤防を破壊する現象だが、2つの決壊箇所はいずれも旧河道に当たり水を集めやすい旧河道に盛り土して堤防を築いたことが破堤の原因となった可能性も考えられている。 台風19号による堤防の決壊は行政による情報収集が追い付かなかったとしても無理はないのだが、今後は破堤した原因を1つひとつ調べ対策に生かしていくことが求められる。もた台風19号の猛烈な雨の影響で岩手県山田町の田の浜地区は70戸以上が浸水したが、これは東日本大震災の津波を教訓に整備したはずの津波防災緑地公園の堤防が、雨水や沢水をせき止めてしまったためだという。堤防の高さは最高部で6メートルなのだが、住民によると水がたまり始めて一帯がダム湖のようになり朝には堤防から海側に越水が始まり、しばらくすると最高部が決壊したという。午後には重機を投入して決壊部を広げ強制的に海側へ排水したそうなのだが、住民からは「人災だ」と事業計画の甘さを指摘する声が相次いでいるという。 田の浜地区は東日本震災の津波で327棟が被害を受け117人が犠牲になったが、これを受けて山田町は長さ約400メートルの堤防整備に着手し緑地公園として完成しており、建設中の海岸防潮堤と合わせた多重防御で住宅地の安全を確保しようとしたという。1階の天井付近まで浸水した黒沢真吾氏は津波で家を失い新築して5年目だったが、「浸水したのは堤防のせい。堤防に扉を造ってほしいと町に要望したが『予算がない』の一点張りだった。排水口があっても大水で流木や土砂が流れ込めば、詰まるのは当たり前。人災だ」としているが、堤防を建設した山田町建設課は「水がせき止められた原因は調査中。今後の復旧方針や排水対策は、まだ答えられる状態にない」としているという。
2019年10月20日
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台風19号は本格的な紅葉シーズンを前にした観光地の鉄道も直撃したそうで、栃木県日光市では世界文化遺産の日光東照宮の秋季大祭がある。昨年は計4万7千人の観光客でにぎわったが東武鉄道によると日光線は栗橋―栃木と新鹿沼―下今市の運転を見合わせているが復旧には相当な日数がかかるという。日光市は「行楽シーズンの時期に鉄道がストップするのは痛い。一日も早い復旧を望みたい」と話した。神奈川県箱根町の箱根登山鉄道は箱根湯本―強羅が運休し年内の全線復旧は困難との見方を示すが、被害が大きいのは宮ノ下―小涌谷間で土砂崩れよって陸橋の一部が渓谷に押し流されたという。陸橋の再建と線路の敷設だけでなく再び土砂が崩れるのを防ぐため傾斜地ののり面の補強工事も必要になるという。 私は来月の初めに高速道路を利用して東京へ行くつもりなのだが、台風19号で土砂が流入するなどした高速道路や鉄道は寸断された状態が続いており、多くの区間で復旧にはなお時間がかかる見込みとなっているそうなのだが、中日本高速道路などによると中央道は八王子ジャンクション―大月インターチェンジが上下線とも通行止めで復旧には1週間ほどかかる見通しだという。西湘バイパスも上りが早川分岐―大磯東インターチェンジで、下りが大磯東インターチェンジ―国府津インターチェンジで通行止めのままで解除のめどは今週中だという。東日本高速道路によると上信越道は松井田妙義インターチェンジ―佐久インターチェンジの上下線が通行止めで復旧には10日間ほどかかるという。 河川の氾濫というと台風19号の大雨で茨城県では国が管理する久慈川と那珂川の堤防が決壊するなど甚大な被害が生じている。茨城県管轄の河川では藤井川の堤防決壊をはじめ34河川で越水や漏水に護岸の崩壊などが発生したことが分かっている。茨城県は常陸大宮市で538棟の浸水を確認しているが、広範囲で浸水した水戸市や大子町についても被害の全容の把握を急いでいる。大子町や常陸大宮市に浸水被害をもたらした久慈川では常陸大宮市の富岡地区や塩原地区・下町地区で堤防が決壊しているそうなのだ。国土交通省関東地方整備局常陸河川国道事務所は緊急復旧工事に着手している。また大子町ではJR水郡線の袋田―常陸大子間にある第6久慈川橋梁が増水した川に流されたという。 那珂川では常陸大宮市の野口地区やその対岸の伊勢畑地区で堤防が決壊したが、那珂川水系流域ではこれまでも前にも豪雨の際に浸水被害が頻発している。那珂川の支流である藤井川などの流域でも氾濫が相次いでおり、水戸市飯富町では農地や住宅地が大規模に浸水。10月14日になっても国道123号線の一部や常磐自動車道の水戸北スマートインターチェンジ付近で通行止めが続いていた。国土地理院は航空写真や交流サイトに投稿された写真から、那珂川の氾濫で水戸市が最大約7mの深さまで浸水したと推定した。水戸市藤井町で決壊した藤井川の堤防は西田川との合流地点の近くだったが、那珂川や藤井川の氾濫で水戸市の藤井町や飯富町が浸水したという。 家屋の被害は東京都と神奈川県に多かったとされるが住戸の一部損壊に加えて床上・床下浸水も多かったという。住民は「多摩川の近くに暮らして40年ほどになるが、これほど怖い思いをしたのは初めてだ」語っているが、川崎市高津区に暮らす男性も台風19号が上陸した夜を振り返って、この人は台風上陸時の夕方には近くの中学校へと避難していたが、日付が変わって暴風雨がやや落ち着いたころに自宅に戻ったという。「帰り道は停電で真っ暗だった。それでも多摩川に合流する平瀬川から『ごうごう』という音がとどろいていた。増水している様子はよく分かった」と話している。周辺一帯は河川の氾濫時に標準的な木造家屋が流失や倒壊する危険性のある「家屋倒壊等氾濫想定区域」にも指定されている。
2019年10月19日
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ラグビー・ワールドカップ日本大会は1次リーグを終え国際統括団体ワールドラグビーと大会組織委員会が記者会見し37試合に128万人が来場したと発表したそうなのだが、日本代表が初めて決勝トーナメントに進みテレビ中継も高視聴率を記録という。国際統括団体ワールドラグビーのビル・ボーモント会長は「日本開催に全く後悔はない。日本チームの結果も素晴らしい」と評価し、「将来的に再びW杯が日本に戻ってくることにちゅうちょはない。この国の反応は格別だ」と述べ、アジア初開催の今大会における日本代表の躍進と国内の盛り上がりを高く評価したという。台風19号の影響で1次リーグは3試合が実施できずW杯初の試合中止を余儀なくされたが、37試合の観客数は128万38人に達したという。 台風19号の影響でニュージーランド―イタリアとイングランド―フランスだけでなく、翌日のナミビア―カナダの3試合を中止したことについて、国際統括団体ワールドラグビーのアラン・ギルピン最高執行責任者は「正しい決断をしたという気持ちに変わりはない。人の安全を第一に判断した」と説明した。一時は開催が危ぶまれた日本―スコットランドは実施され日本が28―21で勝利して1次リーグを突破した。ボーモント会長は「横浜と日本の人々への贈り物になった。この国に比類のない感動を届けられた」と祝福した。大会組織委員会によると中止の試合を含む全48試合のチケット182万枚のうち99%に当たる180万枚以上を販売されていたそうなのだが、国内16カ所の「ファンゾーン」には86万4000人が来場したという。 台風による公共交通機関の運休で観戦できなかったチケット購入者への払い戻しを検討しているというが、生中継された日本―スコットランド戦の平均世帯視聴率が関東地区39.2%だったそうなのだ。菅義偉官房長官は記者会見においてラグビーW杯日本大会で初めて決勝トーナメントに臨む日本代表に「厳しい戦いになると思うが、勇敢な桜戦士たちがベストの力を発揮し、国民や世界のラグビーを愛する人たちに夢、感動を与えてくれることを期待したい」とエールを送ったという。そのうえで菅義偉官房長官は台風19号の影響が残る中で一部を除く試合が開催されたことについて、「世界から迎えた多くのラグビーファンの期待に応えようとする関係者の多大な努力のたまものだ」と評価したそうなのだ。 その台風19号の影響でラグビーW杯の釜石鵜住居復興スタジアムでのナイロビ戦が中止になったカナダ代表が、滞在中の岩手県釜石市で土砂を取り除くなどのボランティア活動に汗を流したそうなのだ。カナダは最終戦のナミビア戦で今大会初勝利を狙ったが試合中止で引き分け扱いとなりB組最下位が決まったにだが、その去り際はスポーツマンらしい粋なものだったという。選手たちは釜石に残り大雨で路上にたまった土砂や泥をスコップでかき出したりゴミ袋に集めたりしたそうで、住民からは「紳士すぎて感謝しかない」とか「胸が熱くなった」など選手をたたえる声が相次いでいるという。またW杯初勝利を目指していたナミビアも滞在先の宮古市で「台風被害を受けた市民を元気づけたい」と自らファン交流会を開催したそうなのだ。 大会組織委員会の嶋津昭事務総長は1次リーグを「ラグビーファンの支えが大きかった」と総括していたが、台風の影響で史上初めて中止になった試合があったことには「3試合が中止となり、関係した6チームには心からおわび申し上げたい」と述べ、試合終了後に選手が客席に向かってお辞儀するなどの立ち振る舞いには感謝の意を示したという。観客は37試合で延べ128万人を超え日本-スコットランド戦は最多の6万7666人を集め、チケットは販売可能席の約99%が売れているという。国際統括団体ワールドラグビーのビル・ボーモント会長は「日本の勝利もあり、特別なW杯となっている」との印象を述べたそうなのだ。そして嶋津事務総長は「大会成功のために最大の努力をしたい」と決意を新たに話したそうなのだ。
2019年10月18日
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台風19号の通過による猛烈な降雨で各地では堤防が決壊するなどして河川が氾濫し、貯水量が増えたダムは流入量と同じ水量を下流に流す「緊急放流」を行うなど重大な事態が相次いだ。国土交通省によると国や県が管理する少なくとも計17の河川で堤防が決壊しており、赤羽一嘉国交相は災害対策本部会議で「決壊は今後も増える可能性がある」とした。長野市の千曲川では堤防決壊により住宅地で大規模な洪水が起き住民らが孤立し、神奈川県は相模川上流部の城山ダムでは貯水量の急増による決壊を防ぐための「緊急放流」を実施したそうなのだ。緊急放流」の情報が入ると職員が川沿いの家々を回り避難を呼びかけたそうで、放流に伴う下流域での大規模水害は起きなかったが課題も浮かんだという。 神奈川県は気象庁の雨量データなどを踏まえ下流域の自治体に緊急放流実施の可能性を示唆していたそうだが、下流域の多くの住民に避難を促すのは影響が大きいことから、担当者は「難しい判断を迫られたが、最後は『緊急放流をやろう』とまとまった」と語った。ダムの下流の厚木市は緊急放流による水害を懸念し緊迫した対応を続けたという。神奈川県のウェブサイトで相模川の水位予測を確認した厚木市の担当者は、その情報として堤防の高さが約10メートルの厚木市上依知の水位観測地点で、水位が13・85メートルに達すると予測されていたことから驚いたという。厚木市が独自に相模川の岸に派遣していた職員が水位を監視し続け、相模川の近くに住む市民に避難指示を発令していたそうなのだ。 一般的に洪水で被害が起こらないような対策を「治水」というが、川の堤防を造る「築堤」や川幅を広げる「拡幅」に川底を下げる「河床掘削」だけでなく、ダムに流れ込む水の一部を貯める「洪水調節」や一時的に川から洪水をあふれさせて貯めておく「遊水地」などの方法がありのだという。ダムによる洪水調節は洪水時に川からあふれる量をダムで貯めるもので、下流河川が安全に流せる量を見込んでダムから放流する。つまりダムでは洪水の全部を貯めるのではなく洪水の最中でもダムから放流しており、台風や大雨による洪水の起きやすい季節には洪水に備え前もってダムの貯水位を下げ貯水できる容量を空けておくという。そして洪水時以外はこの貯水位を「常時満水位」ということで保つよう管理しているというのだ。 大雨が降り洪水になる、ダムへ流入してきた洪水の一部を貯水池に貯めこみ、下流河川が安全に流せる量を見込んでダムから流すわけだが、どれだけ貯めこみどれだけ流すかはダム毎のルールである「操作規則」が事前に決められているという。洪水の大きさや継続時間は現状の気象予測では確実でないため実際の流入量の数値を見て、ルールによる放流量をダムから流すこととなっているが、異常な豪雨により計画よりも大きい量の洪水がダム貯水池へ流れ込むことがあれば、ダムでも精一杯洪水を貯めつつ下流へ流す操作を行うがダムに貯めることができる水量には限界があり、このような場合には下流に流す量を徐々に増加させ最後は貯水池に入ってくる水量と同じ量を下流に流すようにするというのだ。 国が来春の完成を目指し利根川上流の吾妻川で試験貯水中の八ツ場ダムでは、一昼夜でほぼ満水になったそうなのだが、これは台風19号による記録的な大雨の影響だという。ダムの一夜城のような変貌ぶりに周辺には観光客らの人だかりができたそうなのだが、前橋地方気象台によるとダム上流で48時間に年間降水量の3分の1相当で観測史上1位の442ミリを観測するなど記録的な雨が降ったそうなのだ。国土交通省の発表では八ツ場ダムには約7500万立方メートルの水が流入したそうなのだが、この結果水位は54メートルも上昇し今月1日からの試験貯水では3~4カ月で満水位まで水をためる予定だったのが、天候次第であと数日で満水になる可能性があるというくらいまで水位が上がったそうなのだ。
2019年10月17日
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今回大きな被害を出した台風19号の接近に伴いスーパーや携帯電話販売店は、早々と12日の休業を決めるなどの危機対応を講じたという。従来は「顧客重視」の観点から台風が近づいても開店する努力をしてきた各社だが、交通機関の計画運休などで従業員が出社できないなどの物理的制約と併せ、企業の意識が収益重視から安全重視に傾いていることあって計画休業の動きを強めている。百貨店では三越伊勢丹が三越日本橋本店などの臨時休業を前日までに決めたほか高島屋や大丸松坂屋百貨店なども同様の動きを見せたが、スーパーのイトーヨーカ堂が100店舗以上の休業を発表したのも前日の早い時間帯だ。ソフトバンクは23都府県で携帯電話の販売店を臨時休業にしたという。 ソフトバンクでは広域で災害に備えて一斉休業したのは初めてというが、「24時間営業、年中無休などのルールを死守するという企業や社会風土は変化している。休業に対する企業の抵抗感も低下してきた」と第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは潮目の変化を語っているそうなのだ。小売り関係の現場でも「これまで社会的責任として営業継続にこだわってきたが、最近は従業員への配慮を重視する空気がある」という。先月の台風15号による甚大な被害がまだ記憶に新しい中で「大きな被害がある程度見えている災害に対しての計画的な休業は、「社会全体の動き」として容認する流れが強まってきているが、大手百貨店の担当者は「交通機関の計画運休で判断の見通しが立てやすかった」と話している。 台風の接近前に食料品や生活用品を買い求める人がスーパーマーケットを訪れていて、品物が売り切れたりレジに並ぶ長い列ができていたりする様子の放送されていた。消費者からも「どこいってもみんな買い占めしてるからパンとか非常食系何も無い」とか、「お水とパンとカップ麺が売り切れてるとこ多すぎて3件はしごした」や、「レジに並んで会計終わるまでに30分かかった」に「東日本大震災のときの買い占めを思い出した」などの意見が多かったという。路線バス運営の各社も相次いで運休を決定したが、一方でマイカーによる移動の足を確保しようと前橋市内のガソリンスタンドには給油待ちの長い列ができたし、博物館や世界遺産など各地の文化施設も相次いで休館や休業を決めたという。 また都内の30代の女性が撮影した画像ではスーパーのインスタント麺を売る棚がほとんど空になっていたそうなのだが、この女性は「週末なので買い物に来たら、棚から商品がなくなっていてお菓子もなくなっていて驚きました。こんなことは、はじめてです」と話していたという。スーパーマーケットの担当者によると台風19号が接近する前からミネラルウォーターやパンにインスタント麺だけでなく、ガスボンベなどを買い求める人が増えていて品切れになる店舗も出ているということだった。台風の影響でスーパーやコンビニでも営業を短縮したり取りやめたりする店舗もあり、こうした動きの前に買い物を済ませたいという人が多かったという。またこれほど被害が予想される事態だったのだから企業側も対策を講じるべきだという。 不要不急の社員を週末に出社させるべきではなく、リモートワークできる社員は自宅など安全な場所で仕事させるべきだという。店舗経営をしている事業主なら店舗ごと休業させるぐらいでいいそうで、その理由は社員の安全を守るという点だけではないという。警察や医療従事者に自治体などどんなに非常事態でも職場に移動しなければならない人たちがいるので、その方々の移動をスムーズにさせるためにも移動しなくてもいい人や、移動を我慢できる人に対しては出社させるべきではないというのだ。個人の判断に委ねると状況を読めない社員は「私は大丈夫です」と言って無邪気に通常出勤しようとするし、会社への忠誠心を示すうってつけのアピール材料になると受け止め張り切って出社しようする社員もいるというのだ。
2019年10月16日
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今回の台風19号による記録的大雨の影響では被害が全国的に及んでいるが、福島県で男児の死亡が確認されるなど犠牲者は11県で56人となった。浸水被害は東日本の広範囲にわたっており、各地で警察や消防による行方不明者の捜索などが続けられた。国土交通省などによると少なくとも35の河川で堤防50カ所の決壊が確認されているという。総務省消防庁によると行方不明者は宮城県や福島県に神奈川各県などで9人もいるそうでこれからも増加するかの性があると言われている。7県の約76万人に避難指示が続き被災3日目になっても約3万8000人が避難所に身を寄せているそうで、そのうえ床上浸水や床下浸水などの住宅被害は埼玉県をはじめ栃木県や長野各県を中心に約4400棟に上っているという。 土砂災害は各地で140件確認されこれまでの大雨で地盤が緩む中で、被災後も雨が降った所があって国土交通省は引き続き土砂災害への警戒や河川の増水に注意を呼び掛けているという。13都県で13万戸以上が断水し約5万2千戸で停電が続くなど、一部の地域でインフラ復旧に時間がかかっている。道路の寸断で孤立する障害者施設や病院もあって自衛隊による物資の輸送が続けられているそうなのだ。長野県によると千曲川の堤防決壊による長野市内の大規模な冠水は水位が下がったものの一部地域で続いているが、長野県は大規模な救助・捜索活動を終了したと発表している。宮城県によると浸水で電話のつながらない丸森町では警察や自衛隊に消防隊がボートなどで孤立している住民がいないか確認を進めている。 そのような中で自民党の二階幹事長は台風19号の被害を受けて開いた党の緊急役員会のあいさつで、「予測されて色々言われていたことから比べると、まずまずで収まったという感じだ」と語ったという。死者が50人を超え行方不明者の捜索も続く中での発言に批判が出ているそうなのだ。二階幹事長は会合後に「日本がひっくり返されるような災害、そういうことに比べれば、という意味だ。1人亡くなったって大変なことだ」と釈明したそうで、さらに二階幹事長は「一両日中にも激甚災害に指定することを政府は明らかにしてもらいたい。党としても必要な大型補正予算の編成を行うべく、政府を全力で支えていく決意だ」とも語ったという。その二階幹事長の地元である和歌山県串本町では防波堤が崩れるなど被害が出ているという。 新聞報道によると和歌山県串本町では高波で防波堤が約70mにわたって崩れ、この影響で近くにある魚の加工場では波が打ちつけてガラスが割れ浸水したという。地元の香工場経営者によると「ここまで波が入ったのは初めて。全滅です。ガラスも全部割れています」そうだが、激甚災害は農林水産関連施設などの被害額が一定基準を上回る場合に政府が指定し、自治体の財政負担を軽くして早期の復旧・復興を支援するとされている。この自民党の二階幹事長の発言を聞いたのか安倍晋三首相は首相官邸で開いた台風19号の非常災害対策本部の会合で「被災地が躊躇せず、全力で応急対策や復旧対策に取り組めるよう、激甚災害に指定する方向で調査を進める」との方針を示したそうなのだ。 今回の台風19号について自民党の二階俊博幹事長が「まずまずでおさまった」と発言したことや「日本がひっくり返されるような災害に比べれば」と弁明したことに対して、被災地である埼玉県選出の枝野幸男立憲民主党代表は「信じられない話。私は、今回の災害は『日本がひっくり返る』という表現が適切であるかどうかは別として、東日本大震災以降、最も大きな災害になりつつあるのではないかと思っている。それぐらいの危機感を持って、あるいは今すでに伝えられているだけでも広範な地域に多大な影響を与えているので、それぐらいの問題意識を持つ必要があるんじゃないかと思っている」と発言し、被災がまずまずでおさまっている和歌山県選出の自民党の二階幹事長の発言を非難している。
2019年10月15日
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台風19号は関東を縦断し三陸沖に進んで温帯低気圧になったが、記録的大雨をもたらし長野市では千曲川が福島県では阿武隈川に栃木県では秋山川の堤防が決壊し、住宅街などに水が流れ込んだため1都10県が自衛隊に災害派遣を要請したという。大手新聞社のまとめでは35人が死亡し18人以上が行方不明になっている。北陸地方整備局によると長野市穂保の千曲川が氾濫し水が堤防からあふれ出しその後約70メートルにわたって堤防が決壊して住宅地などに広範囲にわたって水が押し寄せたという。自衛隊のヘリが取り残された住民の救助にあたり、長野市によるとグループホームなど高齢者向けの2施設で入所者ら計100人弱が孤立したが、北陸地方整備局も排水ポンプ車を派遣するなどの対応を行ったという。 JR東日本によると長野市にある長野新幹線車両センターが水没し、新幹線が水につかっているのを確認されたが千曲川の堤防決壊の影響とみられている。台風19号は東京都の多摩川沿いの住宅地にも爪痕を残しており、世田谷区玉堤の堤防沿いでは暗闇の中で一帯の住宅の1階部分や車が水につかり歩いて回ることはできなかったという。ライトを手にした警察官らが1軒ずつ住宅を回り安否確認をする姿も見られたそうだが、建設業の男性が水につかった道路の手前に立ち1階に自宅があるマンションを見つめていたが、深夜に戻ると自宅は水につかり近づけなかったと語っている。この男性は「30年近くいるが、こんな経験は初めてだ。いつになったら水が引くのか」と不安な様子だったという。 気象庁は静岡県・神奈川県・東京都・埼玉県・群馬県・山梨県・長野県だけでなく、茨城県に栃木県など1都12県に大雨特別警報を発表していたが、一つの災害で大雨特別警報を発表した都道府県数としては過去最多という。防衛省は陸海空自衛隊約3万1000人による「統合任務部隊」を編成しているが、災害派遣での編成は東日本大震災や伊豆大島土砂災害に熊本地震に続き4例目だという。災害派遣を要請したのは1都10県で被害が広範囲に及ぶため陸上総隊司令官に指揮系統を一元化し、自衛隊の航空機約130機と艦艇8隻で人命救助や孤立者の搬送などを行ったそうなのだ。自衛隊や消防に警察などが懸命の救出作業を進めているが、水が引いていない場所があり被害の全容は分かっていないという。 また福島県南相馬市によると南相馬市小高区の県道交差点で台風への対応を終えて車で帰宅していた市職員の男性から「車が道路の冠水地帯に水没した。車からは脱出した」と職場に電話があった。しかし男性は帰宅せず福島県警南相馬署や消防などで捜索したところ、男性とみられる遺体が見つかったという。男性は直前まで避難所の開設準備などを行い車で帰宅中に巻き込まれたとみられる。車からは抜け出した時に周辺の街灯が死んでいたことから方向もわからず真っ暗だったという。危険地帯を見分けることは 至難の技だっただろう。公務員も1人の人間で自分の命を守るための行動とは彼らのことも含まれる。私も災害時には役場の人達と災害現場で処置等を行ってきたが、管理・監督する自治体は彼らを1人の人間として見ているのかということが問われている。 安倍首相は首相官邸で関係閣僚会議を開き「今般の極めて広範囲に渡る甚大な被害を踏まえ、本日、『非常災害対策本部』を設置する」と表明した。閣僚らに被害の全容把握や人命第一での災害応急対策を行い迅速で分かりやすい情報発信の継続を指示したという。長野県と福島県に「情報先遣チーム」を送ることを表明し「武田良太防災担当相を現地に派遣する」と語ったそうなのだが、自民党の二階俊博幹事長は台風19号の被害を受けて開いた党の緊急役員会のあいさつで、「予測されて色々言われていたことから比べると、まずまずで収まったという感じだ」と語ったそうなのだ。死者が30人を超え行方不明者の捜索も続く中でのこんな軽はずみな発言を行ったことに対して当然ながら批判が出ているという。
2019年10月14日
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厚生労働省が発表した今年の8月の毎月勤労統計調査によると、現金給与総額である「名目賃金」は前年同月比0.2%減の27万6296円と2カ月連続で減少したそうなのだ。物価変動の影響を除いた実質賃金は0.6%減と8カ月連続のマイナスで、現金給与のうち基本給などの所定内給与は0.3%増と賃上げの基調は続いているが、ボーナスなどの特別に支払われた給与が11.4%減と落ち込み夏のボーナスは7年ぶりの減少となったという。そのうえ給与水準の低いパートタイム労働者の比率が上昇したことが影響しており、パートタイム労働者の雇用環境は引き続き堅調で時間あたり給与は前年同月比3.4%増の1177円だったという。そすてパートタイム労働者比率は0.49ポイント上昇の31.39%となったそうなのだ。 最近の日本企業の動きを見ると給与総額が賞与に左右される状況は今後も続きそで、日本企業全体で見れば賞与の増額を後押しする利益水準は頭打ちになっているという。ある新聞によると日本企業全体の今年の3月期の純利益は前の期比で減益だったそうなのだが、これに伴う賞与の減少が今回の統計に反映された形となっているというのだ。来年の3月期に増益を見込むが米中貿易摩擦などの影響を考えれば不透明さがなお残っている。この夏のボーナスに関しては前期に営業増益だったトヨタ自動車が管理職以上のボーナスを減額することを決めて話題となっているが、「トヨタが大丈夫だという慢心を取り除く」という豊田章男社長の狙いだが、増益でもボーナスが減る現実は「正直こたえる」との声が聞かれているそうなのだ。 今回は賞与の減少が響いた給与の減少は、賞与以外の部分で増えることに期待がかかるが「すでに大企業では働き方改革のために総労働時間を減らしている」と第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストのいうとおり毎月の給与自体はそう増えないという。内部留保を国内に還流し賃金の持続的な上昇に反映させてもらいたいというのが多くの国民の願いだが、物価がじわりと上がる中今月には消費税率が10%に上がり家計の負担は増している。こうした間接税は低所得層を直撃しさらなる格差拡大が懸念され、こうした状況で給与総額が伸びなければ景気への影響も懸念されている。その影響を最小限にするには企業が利益水準を高め従業員への配分を増やしていくことが欠かせないというのだ。 要するに先進国の中でダントツに賃金が低く唯一経済成長もしておらず、デフレが続く日本経済をどうにかして活性化させるという「根治治療」に切り替えるしかないという。「それができりゃ苦労ないよ」とあきらめムードに包まれる人も多いかもしれないが、そんな「日本病」に対して有効なのではないかと期待されている「治療法」があるという。具体的な手法というのはこの10月に引き上げになった最低賃金をさらに年5%ずつあげていくというもので、最低賃金が一律で上がっていけば全国の中小企業は大企業からの無茶なリクエストを拒むしかなくなる。小企業は廃業か倒産に追い込まれるわけだが、経営者にとってはお気の毒だがこの経営者に最低賃金労働でコキ使われていた従業員は解放されるのでむしろ喜ばしい話という。 中小企業経営者の団体である日本商工会議所などは最低賃金のアップについて、「事業者の自主性に任せるべきだ」と主張しているが、事業者の自主性に任せてきた結果が「先進国で最低の賃金」と「ブラック労働」であることは動かしがたい事実となっている。それはつまり労働者という「下」に事業コストを押し付けるスタイルを続けてきた結果が、「失われた20年」をつくったということでもあるのだ。「外国人労働者の活用」や「女性活躍」という新たな「下」をつくろうとしている限りは「失われた30年」になるのも近いといわれており、要するに我々がこれまで通りの生活をキープするには、先進国のなかでも際立って低い賃金でも文句を言わずに働く「低賃金奴隷」が必要ですよといわれているのだ。
2019年10月13日
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2度の延期を経て今月から消費税が10%になったのだが、こうした間接税は低所得層を直撃しさらなる格差拡大が懸念されている。しかも消費税の限界はせいぜい20%台だといわれているし、そうなるとこれから税収はなかなか増やせないという。経済評論家によると一番気になっているのは日本の貧富の差の拡大で、「このままだと日本で暴動が起きますよ。リーマン・ショックの後に米ウォール街で暴動が起きたのと同じことが日本でも起きます。だから貧富の格差を解消しなければいけない。格差は本当に怖い。ない方が絶対いいに決まっている。格差がなく、みんなが割と穏やかに幸せに暮らせる国にすることが、行政にとっても政治にとっても一番求められることなのです。そうしないと国に安定感が出ません」とまでいうのだ。 この経済評論家がここ1~2年に訴えているのが資産課税で、富裕層や企業の持つお金や株などの金融資産に課税する方法だという。つまりフローではなくストックに課税するということでこれは消費税より取りやすく取ることに意味もあるというのだ。まずは企業の内部保留のようにお金の流れを止めているところにピンポイントで課税するので、ため込んでいても意味がないと家計や企業が資金を投資などに回すようになるという。資産つまり寝ているお金が動くつまり回ると経済は必ず良くなるということなのだ。また「お金は使わなければ意味がないと思っているので、ですが貧富の格差があるとお金が回らなくなり、経済自体が悪くなります。そしていずれ暴動が起きるのです」と語っている。 資産課税とは預貯金や株式などの流動資産と不動産などの固定資産に対し一律に課税するもので、経済が活性化されて社会も安定するから投資という観点で見ても長い目で見れば社会全体が得をすると言われている。今度の税制改革では給与所得控除を減額して年収850万円を超える会社員への所得増税やたばこ増税・森林保護や観光インフラ整備の財源とする新税創設などが盛り込まれ、差し引き約2800億円の増税となるといわれている。月内に閣議決定し来年1月召集の通常国会に関連法案を提出するそうだが、この税制改正大綱では850万円以上の年収の人を勝手に「金持ち」と定義していることで、米グーグルなどのエンジニアの初任給は約1500万円で、世界に年収850万円を金持ちとしている先進国はないという。 実質賃金は減少し続けているしこれから先も給料が上がることが期待できない日本は、基本的には所得や消費を課税対象とするフロー課税である所得税・法人税・消費税などではなく、不動産や金融資産を課税対象にするストック課税にしなければ立ち行かなくなるというのだ。個人や企業の現金や預金の保有額は長期不況といわれながらずっと増えており、国民の固定資産だけでなく金融資産と企業の固定資産や内部留保などを全部合わせると5000兆円を超えることから、これに1%課税するだけで税収は50兆円になるといわれている。財務省や与党議員は「金持ちに課税しろ」と叫んでいるが本当の金持ちは資産を持っており、その部分に課税することが正しい道ということで日本はストック課税にするしかないというのだ。 東京国税局管内の税務署から資産税係長が集まった会議でのことで「現金、宝石などを隠す者は徹底調査し、脱税する者はこれを起訴せよ」訓話がなされてというが、資産の多い人はもちろん資産が少ない人であっても、他の銀行に口座が残っていないかだけでなく、証券・貴金属やへそくりがどこかに隠されてないかなどなど、本当に他に財産が無いかということをきっちり確認するのは一苦労するという。それでも資産税として100兆円徴収できれば、歳費を少し倹約すれば毎年20兆円ぐらいの借金を返していける計算となる。資産税にすれば100億円の資産を相続した人は2パーセントとして例外なく年間2億円の資産税を払うことなるし、資産を持っているほど課税されるから金持ちはカネをどんどん使おうとするというのだ。
2019年10月12日
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牛丼チェーン大手の吉野家ホールディングスが発表した今年の8月中間決算は売上高が前年同期比6・7%増の1070億円となり、純損益が18億円の黒字になったそうなのだ。前年同期は8億円の赤字だったのが牛丼の「超特盛」や期間限定メニューが好調で黒字に転換したという。吉野家は3月に看板商品の牛丼で1991年に「特盛」を始めて以来28年ぶりに新しいサイズとなる「超特盛」と「小盛」を導入したが、肉の量は「超特盛」が「大盛」の2倍で「小盛」は「並盛」の4分の3となっているという。「超特盛」は牛肉が「大盛」の2倍にご飯は「大盛」や「特盛」と同様のボリュームだし、。「小盛」は「並盛」のおよそ4分の3のボリュームでご飯は茶碗1杯分の量目だという。価格は「超特盛」が780円で小盛が360円となっているそうなのだ。 しかも本業のもうけを示す営業利益は29億円で前年の5500万円から大きく改善しているが通期の業績予想は据え置いた。消費増税の影響が見通せないことが一因だそうで、この「超特盛」は税込み価格で並盛より400円高い780円だが発売後1カ月で100万食を達成したという。吉野家の広報担当者は「創業120周年の目玉商品として投入したが、ここまでヒットすると思わなかった」と話しており、さらに5月から提供を始めた「ライザップ牛サラダ」も好調だという。食べ応えを求める若年層を狙った「超特盛」と健康志向の中高年層や女性らを狙った「ライザップ牛サラダ」や「小盛」を投入する二兎を追う戦略が奏功したそうだが、「超特盛」と「ライザップ牛サラダ」については顧客層の拡大に加え客単価の向上にも寄与したという。 そのうえ「超特盛」には現場のオペレーションが変わらないという利点もあって、メニューを増やせば新たな顧客を呼び込める可能性はあるが一方でオペレーションが複雑になる。人手不足による人件費上昇が外食企業の大きな問題になる中で、さらに従業員を増やすのは簡単ではない。その打開策がコメの量が「大盛」や「特盛」と同じで肉の量が「大盛」の2倍の「超特盛」だというわけなのだ。現場の従業員に大きな負担をかけずにメニューの幅を増やすことを実現し客単価もアップした。原材料費や人件費の高騰にいかに対応するかは外食業界に共通の悩みだが、対応策として値上げをする企業も増えられるが単純な値上げは客離れを引き起こしかねない。そこで客単価を上げることは大切だが値上げはその一手段にすぎないという。 さらに消費税率の10%への引き上げがある中で「超特盛」で業績回復を果たした吉野家の手法には他の企業が参考にできる部分もあるという。牛丼業界はその軽減税率への対応は牛丼大手3社で分かれるそうで、すき家本部は牛丼並盛の店内飲食時の税込み価格と持ち帰り時の税込み価格を統一すると発表している。吉野家は本体価格を表記し持ち帰り(税率8%)と店内飲食(同10%)の支払価格を別にしているそうなのだ。一方松屋を運営する松屋フーズホールディングスは「券売機精算では1円単位の計算が困難」という理由から客の利便性を考え10円単位の価格設定として、券売機は従来通り税込価格を表示し店内・持ち帰りを同一価格で提供しているが、一部メニューについては税込価格の変更を検討しているという。 吉野家は「本体価格を2つにしてしまえば、同じ商品なのに価格が異なる一物二価ということになってしまう」と、すき家や松屋の手法に異論を唱えているが、本体価格表示とする方針については「牛丼並盛の価値が変わらないことを伝えたい」と説明している。「分かりやすさ」を前面に出したすき家や松屋と「商品の価値は1つ」という思いを込めた吉野家では、軽減税率への対応によって牛丼各社の価格に対する思想の違いが浮かび上がった格好だが、消費者は果たしてどちらに軍配を上げるのだろうかといったところのようなのだ。さて「超特盛」780円と「並盛」2杯食べて760円だとどちらがお得かという点では、カロリーだけでみると「並盛」2杯食べたほうが安くてかつ高い栄養を得ることができるそうなのだ。
2019年10月11日
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長寿化が進む人生100年時代といわれるが、今年6月には夫65歳以上で妻60歳以上の夫婦のみ無職世帯では、単純計算で約2000万円の貯蓄が必要という金融庁の試算が話題になった。老後の生活はそれぞれの世帯によって千差万別であり、こうした調査の平均値だけで一律に語ることは難しいというが、ただし調査をもう少し細かく見ていくことでそれぞれの世帯が自分の老後の生活について考えていく際のきっかけや参考にはなるという。そこで最新の家計調査に基づいて第1に世代別に見た高齢無職世帯の収支状況を調べつと共に、第2に高齢者世帯の支出の特徴と変化を示した指標を見つけた。家計調査によれば高齢夫婦無職世帯の実収入は年金受給が主体で月平均では22万2834円となっているという。 一方で消費支出が23万5615円に税金や社会保険料等の非消費支出が2万9092円となっており、月間の収支では4万1873円の不足が発生している。そして月平均の不足額は前年比で大幅に減少し過去3年で見ても減少傾向にあるという。平均的な高齢無職世帯の調査に基づくと今のシニア世帯は夫婦世帯で不足額が減少傾向にあるが、2人以上の高齢無職世帯の実支出は世帯主の年齢で変化していることには注意が必要だというのだ。毎月の不足分は世帯主の年齢階層別によって変わってくる可能性があって、世帯主が60代前半まで働き60代後半からは無職になり、それまでの貯蓄を切り崩して30年間生活すると仮定すれば今後の年金支給額が不変として概算すると1029万円の貯蓄が必要と試算されている。 高齢者世帯の消費支出の特徴と変化を見てみると、家計調査の消費支出は「食料」・「住居」「光熱・水道」・「家具・事用品」・「被服及び履物」・「保健医療」・「交通・通信」・「教育」・「教養娯楽」・「その他」の10大費目別に分けて見ることができるそうで、このため消費支出の10大費目別に分けて2人以上の世帯平均に対する倍率を計算すれば高齢者世帯の消費支出の傾向がわかるという。10大費目別に2人以上世帯平均に対する倍率を計算すると高齢者世帯は「保健医療費」への支出が多く、世帯主が60~69歳の世帯で平均より1.11倍で世帯主が70歳以上の世帯で平均より1.14倍も支出しているという。さらに細かい費目別に見ると特に「保健医療サービス」や「医薬品」・「健康保持用摂取品」への支出が多いという。 高齢者世帯では「教育費」への支出が圧倒的に少なく、世帯主が60~69歳の世帯で平均に対して0.16倍だし、世帯主が70歳以上の世帯で平均に対して0.04倍しか支出していないそうなのだ。60歳前後には子育てを終え授業料などを中心に教育費が大きく減る姿が見て取れるわけだが、これを金額で見ても高齢者世帯の教育費支出は世帯主が60代世帯で月1866円だし、世帯主が70代以降世代に至っては月482円となっており、平均世帯の1万1785円よりも月1万1000円以上も支出が少なくなっている。高齢者世帯の「その他の消費支出」も金額的にはかなり減るが内訳を見ると「仕送り金」が最大の減少要因となっているため、こちらも幅広い意味で子供にかかる負担が減ることを示しているという。 10大費目の中で特に世帯主が70代以上の高齢者世帯の支出額が平均より月4000円以上減るのが「食料」・「被服及び履物」・「教養娯楽」となっているが、それぞれの支出減のけん引役となっているのが「外食」や「洋服」に「教養娯楽サービス」となっており、主に外出を伴う負担が減る要因が大きいという。特に世帯主が70代以上の2人以上高齢者世帯の支出としてはトータルで月23万7000円と、平均世帯の月28万7000円から5万円以上も支出が減るというのだ。このような支出の特徴や変化を知っておくことは自らの支出を見直す際の参考となるはずで、収入に併せて支出も見直すことも必要だがこうしたライフサイクルとともに家計の収入・支出の構造変化が生じることを理解することが老後の備えの第一歩というのだ。
2019年10月10日
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回転寿司で客に一番人気の商品は「サーモン」だと言われているが、次に人気なのは「マグロ」だという。「サーモン」が女性や子供に支持されているのに対して、マグロは男性の客の人気が高く男性の客だけでは人気ナンバー1のネタとなっているそうなのだ。そしてご存じのとおり「マグロ」は「赤身」・「中トロ」・「大トロ」と部位によって呼び名が変わり、値段も100円から500円くらいまで大きく変わるのだ。生の本マグロの大トロが1貫2千円とか3千円という高級なお店も結構あり、毎年年始にはマグロの初競りで1億円超の値が付いたというニュースもTVなどでは流れてくる。一口にマグロと言っても本マグロと呼ばれるクロマグロからミナミマグロ・メバチマグロにキハダマグロ・ビンチョウマグロといろんな種類のマグロがあるという。 中でも北半球の熱帯から温帯域に生息しているクロマグロと南半球の熱帯から亜熱帯海域に生息するミナミマグロが高級魚として人気を集めているのだが、特にクロマグロは大きいものは数百キロ級にまで育つそうなのだ。大きい魚体はそれだけ餌を多く食べているので身の脂の乗りもよく人気のトロの部分も大きいと言われていることから、需要が高くその分値段も高くなっているというわけなのだ。年始に話題を集める大間のマグロもこのクロマグロなのだが、ただクロマグロやミナミマグロは絶滅危惧種に指定されるほど資源量が少なくなっており、それに加えて中国やアメリカ等の日本以外の国でもマグロの人気が高まり、ドンドン需要が増えていることも価格高騰の原因となっているというのだ。 近畿大学がクロマグロの完全養殖に成功したというニュースが大々的に報じられ、これでクロマグロが安く食べられると喜んだ方も多いと思うのだが、残念ながら完全養殖のクロマグロも市場の価格を下げることはできていないという。我々日本人が年間に消費するマグロは約40万トンと言われている中で養殖のマグロは1万トン程度とごくわずかだし、さらにマグロを1キロ太らせるために必要なイワシなどのエサの量は15キロと言われ、決して養殖魚としての効率はよくはないというのだ。魚粉などを原料とした人工餌での養殖はまだ商業ベースには乗っていないようということですので、人工餌を使ってコストを抑えた養殖が商業ベースにのるまでは資源量に気を使いながら天然のマグロに頼っていくしかないという。 我々庶民では日本の近海で獲れる生のクロマグロは非常に高価で簡単に食べるというわけにはいかないのだが、そこでクロマグロやミナミマグロに比べて比較的安価で入手できる冷凍のメバチマグロやキハダマグロを食べることも多くなってくる。ところがほどよく脂がのった赤味はまさに極上のひと言に尽きるマグロも、実は「アカマンボウ」という魚かもしれないと一部で噂があるというのだ。このマグロの新ポスト「アカマンボウ」は世界各国の熱帯地域の水深500mの薄暗い場所に広く生息している深海魚で、すべての店が「アカマンボウ」を提供しているわけではないようなのだが、なぜ代用されているという「アカマンボウ」の存在が際立つネタは老若男女問わず不動の人気を誇る「ネギトロ」だというのだ。 赤味の「アカマンボウ」に植物油やラードそれから添加物を練り合わせたネタが不動の人気メニュー「ネギトロ」になるわけだが、その比率は店舗によって異なるがほとんどのお店がマグロ対アカマンボウを5:5の割合でブレンドしているという。なかにはマグロを使わず大胆にオールアカマンボウで勝負しているところもあるというのだ。マグロに匹敵する旨味たっぷりのこの「アカマンボウ」を回転寿司以外で食べたいのであれば、沖縄県石垣島ではスーパーや魚屋で切り身が販売されているそうなのだ。基本的な食べ方としては刺し身で食べることが多いそうなのだが、生息している地域が熱帯地域の水深500mとかなり限られるうえ「アカマンボウ」は人の前に姿を現すことはほぼないため切り身にめぐり会える機会もほぼ皆無だというのだ。
2019年10月09日
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温泉というのは自宅のお風呂とは違い色々な方と一緒に入る公共の場なのだが、お互いマナーを守ってこそ楽しめるものだと言われている。マナー違反というのも色々あるが、大きく分けると「大人のマナー違反」と「子供のマナー違反」に大きく分かれるという。まず「大人のマナー違反」というと大人になると若い時よりも心に余裕ができてくるのでその心の余裕がいきすぎると図々しくなるという。「マイ桶などを置いて、入浴中も洗い場を独占する」などは典型的な例なのだ。「子供のマナー違反」では銭湯を利用することが少なくなった昨今自宅のお風呂に慣れてしまい、温泉などの公衆浴場の使い方を知らないことによるマナー違反で、「浴室で体をよく拭かずに脱衣場にもどる」などが典型的な例だという。 いずれにしても「他の人のことも考えて、みんなで温泉を楽しもうという気持ち」が大切で、今年はラグビーW杯が日本で開催され来年には東京五輪が開催され、外国人旅行者と接する機会も増えて行く中で温泉や旅館でのマナーについて考える放送がTVであったのだ。そのなかで「温泉マナー」に関するアンケート調査の結果を発表されていたが、調査は20代~70代の男女1142人を対象に行ったという。「温泉は好きですか」と聞いたところ「好き」と回答した人の割合は90.6%で、全体の9割以上が支持され温泉の人気ぶりに改めて驚かされ、温泉が嫌いな人はとても少ないということが明らかになったという。また異性の湯に入っていいのは概ね小学校に入学するまでの子供くらいまでというのが一般的な感覚だというのだ。 入浴にまつわるいくつかの行為について「あり」・「なし」・「なしだけど経験あり」のいずれかを選んでもらったところ、「タオルを巻いての入浴」は88.1%と最も「なし」が多かった。これは衛生上の配慮なのだが未使用のタオルであっても、他の方にはそれがわからないので不快感を持たれるという。他人が不快に思うなら清潔なタオルであっても浴槽につけるべきではなく、タオルを持って入浴したときはどこか決めた場所にタオルを置いておいた方がいいというのだ。体を濡らしたまま脱衣場に入ってバスタオルで体を拭くのも典型的なマナー違反で、自宅ではすぐに手の届くところにバスタオルがあるからよいのだが、脱衣場を歩いてバスタオルを取らなければいけない状況であれば浴室で体はしっかり拭いておくべきだという。 「赤ちゃんに水遊び用の紙パンツをはかせて湯船につかっていたので思わず上がりました」という声が寄せられたが、テレビや雑誌でバスタオルなどを巻いて入浴しているのはあくまでテレビや雑誌での入浴シーンを公開するためのものだという。ただし混浴の場合でその施設が許している範囲でやるのはかまわないが、その場合も水着はできるだけ避けるべきでその場合は「湯浴み着」がおすすめだという。温泉を楽しむ方の集まりの中で温泉地を海水浴場のような雰囲気にするのはあまり良いことではなく、あくまで混浴であっても本来温泉は裸で入浴すべきものであることを覚えておくべきだという。混浴の素晴らしさをより多くの方に知っていただくために「湯浴み着」をうまく利用するのは意義のあることだというのだ。 「刺青、タトゥーのある人の入浴についてどう思いますか」という質問に、最も多かった意見は「全員入浴禁止にすべき」だった。一方で「ファッションタトゥーの場合は入浴可にすべき」とか、「隠せば入浴可にすべき」や「みんな入浴可にすべき」という意見もあったという。大きく「入浴可」でくくれば47.1%と「全員入浴禁止」にすべきより15%程高くなっていた。このように利用者の意見が分かれている以上より多くの人が納得する基準を設ける必要があるだろうが、「入浴可」の中でもその基準にグラデーションがあることから、なかなか簡単にはいかないかもしれないということだろう。今回の調査対象の多くは日本人であるので今後は日本に更に多くの外国人が訪日することが予想されているので、外国人にも意見を聞く必要があるということのようだ。
2019年10月08日
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「ただ寝られるだけでいい」そんな場所として扱われていた「カプセルホテル」に、近年ではそのイメージを覆す革命が起きているという。カプセルホテルの客室といえばプラスチック製の狭い空間で身動きもままならずビジネスホテルに比べて居心地は悪かった。それが「カプセルホテルに泊まりたい」と思う人が続出しているというのは、価格的にも空間的にもビジネスホテルとカプセルホテルの中間的な宿泊施設が欲しいという要望が強かったからだというのだ。大都市部に限っていえばビジネスホテルの宿泊費は地方企業や個人旅行者にとっては負担が大きい、そうした声に応えるように快適性が高いカプセルホテルが生まれ、それに加え個性的な室内をウリにしているホテルも急増しているというのだ。 例えば「禅」をテーマにした「ホテル・ゼン・トウキョウ」は、各部屋を「千利休の茶室」に見立てた今までにないコンセプトのカプセルホテルで、体格のいい外国人にも決して狭さを感じさせない室内になっており、高さは2.2㍍の幅は1.5㍍前後と従来のカプセルよりもゆったりしベッドもセミダブルを採用して快適性も高いという。「ホテル・ゼン・トウキョウを運営する会社の代表取締役は「宿泊費は一泊6000~1万円前後とビジネスホテルよりも割安です。場所も人形町のため、観光名所やビジネス街に近く、すでにサラリーマンや訪日外国人からオープン前だというのに注目を集めていますね」と語り、世界中の大都市の地価が高騰していることがホテル業の大きな課題だとし、空間を活かせるカプセルホテルに注目したという。 さらにカプセルホテル業界は異業種からの参入も増えているそうで、全国の高級ホテル内でコスチュームジュエリーや時計等のインポート商品を扱う会社はカプセルホテル「アルビダホテル青山」をオープンしたが、「このホテルは女性専用になっていて、アメニティや美容機器などが充実しています。これまでのカプセルホテルは男性がメーンの客層でしたが、このように最近は女性客も利用しやすいホテルが増えているのです」という。カプセルホテルに似ているが「カプセルホテルでもなく、ビジネスホテルでもない、新しいスタイルのホテル」をキャッチフレーズにコンパクトな快適空間を提供しているのが「ファーストキャビン」だとして、宿泊費はおよそ5000円前後からとやはり低料金でサラリーマンを中心に人気を得ているという。 カプセルホテルは終電に乗り遅れたサラリーマンの緊急避難的な施設という認識だったが、一部の施設ではステイすることが目的となるようなデザイン性の高さや秀逸なサービスで、それまで抱いていたイメージが覆されてきているという。以来そのようなカプセルホテルを「進化型カプセルホテル」というワードでマスコミ等でも積極的に発信され、テレビや雑誌などメジャーな媒体で数え切れないほど取り上げてきたという。訪日外国人旅行者の激増を起因とするホテル活況もあり、様々な業界からのカプセルホテル事業参入は増加の一途を辿っているという。続々と誕生した進化型は広めのキャビンや女性専用エリアを設けるなど差別化がすすめられてきたが、それでもやはり当初の想定よりも伸び率は鈍化してきたという。 巷間では相変わらずホテル活況が叫ばれており、都心や観光都市でのホテル建設ラッシュはもはや見慣れた光景だという。現在はカプセルホテルというとは全国では約300軒で客室数ベースななると3万2000超といわれるが、東京都内が100軒ほどと3分の1を占めている。ここ数年の推移を見ると増加傾向は顕著となっており、宿泊施設全体をカテゴリー別に5年前と比較すると旅館は15.8%減少しているのにホテルは5.8%増で厚生労働省の衛生行政報告例よりとカプセルホテルも含まれる簡易宿所の増加率は29.4%増と増加率の高さが目立つという。 その傾向は続いておりたとえば東京都心のカプセルホテルでいえば、ここ3年間だけでも概ね2割ほど増えているそうなのだ。
2019年10月07日
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毎年10月1日が「日本酒の日」として定められているのだが、「日本酒の日」はなぜ10月1日に制定されたのかというと、その由来は2つあってひとつは多くの蔵で酒造りが始まる時期だということで、10月に入ると新米の収穫が始まり全国各地の蔵が日本酒造りを始めるいう。日本酒業界では一般的な年度とは異なる「酒造年度」という暦が採用されており、毎年7月から翌6月までがひとつの年度として定められているが、従来は毎年10月から翌9月までとされていたそうで、もともと10月1日は日本酒にとっての年明けだったというのだ。もうひとつの理由には十二支が関連してそれぞれの干支は各月にも当てはめられており、10月は「酉」でこの「酉」という漢字はもともと酒壺や酒そのものを意味しているのだというのだ。 このような理由から10月1日が「日本酒の日」として制定されたわけだが、日本の國酒である日本酒を後世に伝えるという思いを新たにするとともに、一層の愛情とご理解をという願いを込めて1978年に日本酒造組合中央会が「10月1日は日本酒の日」と定めたそうなのだ。 「乾杯」には神様の前で人々が心をひとつにする願いが込められており、日本酒造組合中央会は「日本酒の日」に日本酒での乾杯を推奨しているそうなのだ。各都道府県の酒造組合はもちろん関連団体や飲食店が全国各地でイベントを開催しているのだが。現在では10月1日の19:00に日本酒で乾杯するのが通例となっているようで、都内では日本酒造組合中央会が主催する大規模なイベントが開催されているというのだ。 日本酒の国内需要は人口減少で減り続けるが海外では愛好者が着実に増えているとされ、一方で「甘口」とか「淡麗」といった味をどう海外に伝えるかが課題だという。日本酒はワインのように国際的な酒になれるのかということでは、日本酒の利き酒を競う「第5回 世界〓酒師コンクール」が東京都内のホテルであり、台湾から出場した張鴻亮さんが外国人として初めて総合優勝を果たしたという。張さんも「本当にうれしかったですね。国際化に向け、日本酒は新たな時代に入ったと言っていいのではないでしょうか。1杯1000円と3000円の日本酒の違いが分かる外国人を一人でも多く増やしたい」という。日本酒も中華料理も米の文化の中で生まれていることから、酒のプロとしてどんな日本酒が中華料理と合うのかわかるという。 またフランス人のローレ・アルノさんは日本酒の輸出事業に取り組んでいるが、ワインの国での日本酒の現状について「以前に比べ人気は高まり、輸入量も増えてきました。日本料理や文化に興味を持つ人は多く、この流れは続くでしょう」という。それでもフランスで「SAKE」と言えばアルコール度数が高い中国の白酒を思い浮かべる人が多いそうで、「フランスの日本食レストランのオーナーは中国人であることが多く、白酒を日本酒と勘違いして飲んでいる。試飲会で私が本物の日本酒を体験させると、みんなが驚きます」と語っている。そして「日本酒のうまみはワイン以上ですから。フランスでチーズとカップリングさせて日本酒を売り、逆に日本では日本酒に合うチーズを売りたい」と意気込んでいる。 日本酒を海外に紹介することについてなのだが、日本酒は各県・各地域に蔵元があって土地の歴史だけでなく水や風土といったものと密接に関わっているが、そうした背景こそが日本酒の持つストーリーだという。一例が欧米での人気が日本に伝わりブームを巻き起こし、サミットでも使用された山口県の「獺祭」なのだが、「カワウソが捕らえた魚を岸に並べる様子が祭りのように見えること」が名前の由来で、そのストーリーが欧米では分かりやすいというのだ。欧米人はラベルに書かれた漢字が読めないので帰国後に特定の日本酒が飲みたいと思っても「あのお酒がほしい」と言い出すことができないという。そこで「こんな背景や物語がある日本酒」と伝えた方が分かりやすいはずだというのだ。
2019年10月06日
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大阪市のほとんどの上水道工事で指定した資材が使われていなかった問題で、大阪市は施工業者400社以上に総額6億円以上の損害金を請求すると発表したそうだ。大阪市が発注した上水道工事で2012年度以降に完成した9割以上の工事では、大阪市が指定する資材ではなくより安い別の資材が使われていたというのだ。この問題を受け大阪市は施工業者438社に対して正規の工事材料費との差額や遅延金など総額6億円以上の損害金を請求すると発表しているが、大阪市の調査で不正が判明した工事は1117件に上るという。そのうち正規の埋め戻し材への入れ替え工事を終えた8件と入れ替え工事中の1件を除く1108件に対し、路面に異常がないかどうか確認した後に賠償請求するよていだという。 具体的には正規の埋め戻し材で入れ替え工事を実施だけでなく、今後10年間の瑕疵担保責任を負ったうえで使用した材料と正規の材料との差額を負担のいずれかの対応を求めるという。どちらの場合も路面状況の確認に要した費用と年5%の遅延利息を併せて請求するそうなのだが、舗装の修繕工事は負担が大きいのでほぼ全ての会社が10年の瑕疵担保を選ぶとみられている。大阪市は不正があった工事に対し目視による確認の他に路面に重りを落として生じるたわみの量を測定する「FWD試験」を実施して舗装の健全性を調査している。今年の8月末時点で66件の調査を終え異常がないことを確認しているが、今後異常が見つかった場合はその工事の施工者に対して即座に入れ替え工事を実施するよう求めるという。 大阪市が調査した66件の調査費用は429万円で、使用された材料と正規の材料との差額は約1800万円に上るという。大阪市はまずこの66件を施工した53社に損害賠償を請求するというのだ。さらに今後10年間に不具合が起きた場合は工事のやり直しを求めるという。不正が発覚した3年前の時点で条例に基づいて工事関係書類を保管している8年間に完成または完成予定の水道工事のうち、埋め戻しを伴う1445件を対象に調査したそうなのだ。不正が判明した工事の施工者452社のうち大阪市の入札参加資格を現在も保有するのは408社で、全有資格業者1079社の約4割に相当するという。このうち早期に不正が判明して既に指名停止を受けた事業者以外の会社が今回の措置の対象となったそうなのだ。 大阪市水道局は水道管の取り換え工事などの埋め戻しで上層路盤部に粒度調整砕石を使用し、下層路盤部には再生砕石を使用し埋め戻し土部に改良土と3種類の材料を用いるよう仕様書で定めている。しかし実際は再生砕石だけで埋め戻したり大阪市に報告したものと異なる改良土を使ったりしている現場が大半を占めたというのだ。大阪市は仕様と異なる材料で埋め戻された現場の安全性を継続的に調査し、道路に異常や損傷が生じた時点で材料を入れ替える是正工事を実施する方針だ。調査に要する費用は損害賠償として該当現場の施工者に請求するが、大阪市のヒアリングに対し施工者は「埋め戻し材料を仕様書通りに使用しなくても、締め固めさえしっかりしていれば問題ないと考えていた」などと語っているという。 大阪市によると布設された水道管自体に問題はないため、水道水質に影響を与える心配はなく水道水は安心して使用が可能であることとしている。通水時の水質確認のほか遠隔監視装置による水道水質の連続監視を実施しているが異常は確認されていないという。道路の路面状況について現地にて目視点検を実施して異常がないことを確認するし、今後とも引き続き目視点検を実施しているという。大阪市発注の水道工事を巡り市職員の関与の有無なども含め弁護士らによる第三者委員会で調査する方針を明らかにしている。「極めて悪質で重大な問題と認識している」と述べているが、大阪市の職員が不正に関わったかどうかについては第三者委員会が近く調査結果をまとめる方針となっている。
2019年10月05日
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東京商工リサーチが自社の調査データを基に実情を解説した記事によれば、今年の1月から8月の「喫茶店」の倒産総数は42件で、前年同期比35.4%増と大幅に増加「このままのペースで推移する、過去20年で年間最多を記録した2011年の70件に迫る勢いだ」という。ちなみに現在メディアは「カフェ」を使うことが多いが喫茶店もカフェも似た意味で使われることが多く各種調査では今も「喫茶店」が用いられるという。コーヒー業界は拡大しているそうで例えばコーヒー輸入量は直近では45万2585トンだが、この数字は40年前の2倍以上で18年前に40万トンの大台に乗ってからは連続で40万トン超となり、コーヒー輸入量は40年前と現在では約2倍になったのに対し喫茶店の数は逆に半減になっているというのだ。 喫茶店減少の最大の理由は「コーヒーを飲む場所」が増えたからだが、イートインも目立つ「コンビニコーヒー」が拡大しレストランやファストフードもコーヒーは欠かせないという。自動販売機や全国各地のカラオケボックスでもコーヒーは必需品で、近年「カフェ」に対する消費者意識が大きく変わったというのだ。理屈でなく感性で行動する若い世代に顕著で「ドリンクを座って飲めばカフェ」と考える人も目立つが大きな理由は「コンビニコーヒー」だ。セブン-イレブン・ジャパンが仕掛けた「セブンカフェ」が成功し初年度で4億5000万杯も出たが、昨年の統計によると10億杯超に伸び競合もコーヒーを強化した結果、コンビニコーヒーの市場規模は推定2300億円台といわれる大産業になっているそうなのだ。。 喫茶店市場が1兆円規模なのでたった5年でその2割の規模に拡大したわけだが、イートインできる店も増えたコンビニ店内のイスに座ってドリンクを飲む消費者は、無意識のうちに「小売店」ではなく「カフェ」だと思っているというのだ。それでも「戦後の日本の喫茶業界は10~15年周期で人気業態の潮流が変わってきました。今回も同じ。スターバックスに代表されるシアトル系カフェが主流となって約15年たち、昔ながらの喫茶店が復活しています」といわれこれは、消費者心理や活動場所とも関連しているそうなのだ。近年の喫茶業態で人気の「大正ロマン」や「昭和レトロ」を取り入れた焦げ茶色が基調のデザインの落ち着いた店内は多くの店に共通しているし平日午後には満席で客層はビジネスマンが目立っているという。 コーヒー代は安いが硬いイスや座席間の狭い店では落ち着けず少し割高でも「店で過ごす居心地」を重視する人が増えたことや、人口の多い団塊世代が退職期に達し活動拠点を自宅に近いところに移したことだという。人気の「大正ロマン」や「昭和レトロ」を取り入れた店によって価格は違うが、一杯ずつ手で淹れるブレンドコーヒーは600円とドトールコーヒー220円の3倍近いという。街の喫茶店.を再現した都内の繁華街では「コンセプトは昭和時代の喫茶店で、避暑地の別荘をイメージしました。間仕切り席を多くして、グループで来られた方にも使いやすくしています」と説明している。担当者も「チェーン店にない温かみやこだわりを残しつつ、消費者の好みに合わせた商品を提供している」と説明している。 また話題のキーワードに米国発のコンセプト「サードウェーブコーヒー」があって、スターバックスなどシアトル系に続く第3の波という意味で、コーヒーの淹れ方や豆の買い付け法にこだわり本格的なコーヒーを提供する店である。海外のカフェチェーンが日本に入ってきたころから喫茶店は停滞していたのだが、最近は復活の兆しを見せている。コーヒーが1杯1000円近くする高級喫茶店も増えてきたという。コーヒーのおいしさの基本である「煎りたて」・「挽きたて」・「淹れたて」にこだわったからだというのだ。専用マシンがそれを可能にしているうえ焙煎豆については販売量の多さから回転が早いため常に高い鮮度が維持でき、一般的に外食チェーンではドリップコーヒーは抽出後30分経過したら廃棄する喫茶店まであるという。
2019年10月04日
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ラグビーワールドカップでは11月2日までの開催期間中に欧州やオーストラリアなどから延べ約50万人に上る観客が訪れるとされているが、ビール業界や全国12会場の周辺飲食店では「サッカーの試合の6倍」とされる海外ファンの桁違いのビール特需に沸いており、「品切れ回避」を合言葉に増産体制などを敷いて乗り切る構えだという。海外を含むラグビーファンのビールの「飲みっぷり」にも注目が集まるわけだが、静岡市のファンゾーンでは3日分のビールが一晩で底を突いたといい、九州最多の5試合がある大分県の関係者はビールの確保に奔走している。アイルランド戦で日本代表が大金星を挙げ列島が沸く中で、大分県内の飲食店は普段の4倍の量を準備したり巨大サーバーを用意したりと余念がないという。 英国などではラグビーの観戦前から終了後までビール片手にラグビー談議に花を咲かせることで知られるそうで、大会組織委員会では競技会場だけで1試合に10万杯が消費されるケースもあるとみており、事前に開催自治体や飲食店関係者らに品切れは海外ファンの苦情を招きかねないとして万全の備えを呼び掛けている。ビール・飲食店業界は既に臨戦態勢に入っており、公式スポンサー「ハイネケン」を国内向けに生産するキリンビールは9~11月で前年比2.2倍の販売を目標に9月は「ハイネケン」を前年比3.4倍増産するなどフル稼働で開幕を迎えるというのだ。英国風パブを全国展開する都内の店でもは「満員の客入り」を見越し、競技会場の近隣店舗などで通常より最大7倍程度のビール樽を準備するという。 日本が開幕試合でロシアを下した静岡市のファンゾーンには日本人客を中心に約7千人が来場したそうだが、大会公式スポンサー「ハイネケン」ブースで3日分のビール677リットルが完売したそうなのだ。「想定を上回った」と静岡県W杯推進課なのだが、静岡県で日本-アイルランド戦が行われた日には約3倍の2250リットルを備えて臨んだという。大分県ではニュージーランド-カナダ戦を皮切りに5試合が行われるが、大分県W杯推進課の秦拓真氏はオーストラリア-フィジー戦とイングランド-トンガ戦があった日に札幌市を視察したそうだ。サッポロ市中心部のアイリッシュパブではビールが飛ぶように売れ消費量は平時の8~10倍で、ジョッキが足らずプラスチックコップで対応する飲食店もあったという。 ラグビーは、「パブ」と呼ばれる地元の酒場でお酒を酌み交わす文化が根づくイギリス発祥のスポーツなのだが、そのためラグビーの試合となればビールを片手に観戦するのが世界共通のスタイルとなっている。試合開始の数時間前からパブで飲み始めスタジアムでも豪快に喉に流し込み試合が終わればまたパブに繰り出して延々とグラスを傾ける。大会組織委員会によれば前回のイングランド大会では同じ会場で行われたサッカーの試合に比べて平均で6倍以上のビールが消費され、スタジアムとファンゾーンだけで190万リットルが飲み尽くされたという。大分県ではウェールズなどビール消費大国とされる英語圏チームが出場するため「確保している量では足りない可能性も出てきた」というのだ。 ラグビーでは戦いが終われば敵味方のサイドが無くなるという考え方から試合終了を「ノーサイド」という言葉で表現し、試合後は勝敗に関係なくお互いを称え合う文化がどの国でも深く浸透しているが、そんなラグビー選手の間にはお酒を飲む際の「独自のルール」があって、たとえば「右手でグラスを持ってはいけない」という。これは世界共通のルールでいつでも握手できるように右手を空けておかなければならず、グラスを持って手が冷えたり濡れたりするのは失礼にあたるという理由からだ。右手でグラスを持つとすかさず周囲から「バッファロー」の声がかかり、持っていた人は直ちにグラスの中身を飲み干さなければならないという。ちなみに「バッファロー」の由来はグラスを持った右手がバッファローの蹄のように冷たいからだというそうだ。
2019年10月03日
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今月からの消費増税に合わせて導入される軽減税率だが、消費税引き上げになっても連日消費者や小売店の混乱ぶりが報道されている。その原因は消費税率の引き上げというより「酒類・外食を除く飲食料品と新聞購読料」に対して導入される軽減税率で、中央大学法科大学院の森信茂樹特任教授は「平成以降最悪の経済政策だ。政治の介入により安易に軽減税率の適用範囲が拡大されるようなことがあれば、経済のゆがみや、国民のアンチ消費税の感情を増幅しかねない」という。軽減税率導入には自民党と公明党の幹事長レベルでの話し合いが進まず最終的に安倍総理が、当時安倍政権最大の課題であった安保法制協力へのお礼として、軽減税率を主張してきた公明党の主張を取り入れたものといわれている。 経済協力開発機構は先進国が消費税によりいかに効率的に税収を調達しているかということを数値化して公表しているが、「消費税収をその課税対象となる消費支出額で割った実際の消費税負担割合」と「標準税率」とを比べた指標がある。経済協力開発機構はこの指標を公表し各国の消費税率の効率性を高めるように求めてきたのだが、軽減税率や非課税品目が多く設けられたり事業者免税点制度の範囲が広かったりするとこの数値は悪化するという。わが国の消費税の有効度は世界で6番目に高いという評価がなされてきたが、軽減税率の導入により経済に与えるゆがみが少ないという消費税の長所を損なうことになるが、これだけではなく軽減税率のデメリットは数多く指摘されているというのだ。 軽減税率に全くメリットはないのだろうかというと、政府の立場になって考えるメリットは今後消費税率の引き上げが議論となる際に軽減税率を据え置くことで、消費税率引き上げに対する国民の反対が緩和されるという効果が期待できるという。ドイツではメルケル大連立政権の下で消費税の標準税率の16%から19%に引き上げられたが、スムーズに行われた理由の一つに生活必需品の軽減税率を据え置いたことが指摘されている。また軽減税率制度が始まるのに伴ってインボイスが導入されるの、消費税制度に対する信頼性が高くなるということである。インボイスとは取引に際して発行される書類で、取引事業者の住所氏名等に税率ごとに合計した対価の額だけでなく適用税率・消費税額等が記された書類のことである。 課税事業者だけが発行でき今後はこれを保存していなければ消費税の仕入れ税額控除はできないとされている。免税事業者からの仕入れについても仕入税額控除ができるので、益税を発生させていたが、これができなくなり益税防止につながるので、消費税制度の信頼を高める効果があるという。さらに大きな効果は事業者間の取引がインボイスにより消費税を別記して取引されることになるので、事業者間の価格転嫁が容易になるという点だという。3番目にレジの普及により小売り事業の生産性向上が見込まれるという効果が期待できる点で、わが国の小売業界は小規模な小売事業者が多く生産性が諸外国に比べて低いことが指摘されてきた。それがレジの導入はその流れを変えていくと予想されているというのだ。 一般消費者の立場から見たメリットは出費の軽減で、たとえば3万円を毎月の食費としている家庭では消費税が8%の場合、27,778円まで買い物ができたのに、消費税が10%になると3万円以内に収めるためには27,272円までしか買い物ができないのだ。食費3万円の場合には消費税8%と10%の差額は505円発生する。もし軽減税率が食料品に導入されなければ505円分の買い物ができなくなるわけですごい損となるというのだ。それにいままで店内での「お召し上がり」のみを行っていたお店でも、テイクアウトや出前サービスを積極的に展開するチャンスが考えられることから、軽減税率を意識した消費者が外食よりもテイクアウトや出前を利用する頻度が増える可能性が大きいとされている。
2019年10月02日
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原発を運営する電力会社と立地する地元との金を巡る後ろくらい関係が明らかになってきているが、関西電力の役員ら20人が7年間に高浜原発がある福井県高浜町の故人となった森山栄治元助役から計約3億2千万円分の金品を受け取っていた問題で、八木誠会長がそれ以前から金品を受け取っていたことがわかったという。10年までの4年間にわたって複数回金品を受け取り金沢国税局の調査が入るころまで自宅で保管していたという。関西電力の岩根茂樹社長も「社長就任時にお祝いというか、手荷物をいただいて。あとで見ると、非常に高額なものなので」と語っていたが、森山元助役は原発関連の工事を請け負う建設会社から金を受け取りその一部が関西電力の経営陣らに流れたとみられている。 この件に関して菅官房長官は記者会見で関西電力の役員らが高浜原発のある福井県高浜町の故人となった森山栄治元助役から金品を受領していた問題を強く批判し、「公益事業を担う事業者は、地元や国民からの信頼が何よりも不可欠だ。不透明な形で長年にわたり金品を受領していたのは大変な問題だ」と述べた。今後の対応について「経済産業が関西電力から詳細に事情聴取し、類似の事例がないかを徹底調査する」と強調し、関西電力には「しっかりと説明責任を果たし、信頼回復を図ることが必要だ」と求めた。経団連の中西宏明会長も記者会見で「詳細な情報が分かっていない」としたうえで、「八木さんも岩根さんもお友達で、うっかり変な悪口も言えないし、いいことも言えない。コメントは勘弁してください」と語ったという。 故人となった森山栄治元助役森山氏に約3億円を提供した地元の建設会社は、原発関連工事の受注により売上高を急増させ、5年間に少なくとも約6倍伸ばしたことが新聞社の取材で分かったそうなのだ。関電原子力事業本部では以前から森山元助役を関西電力の勉強会の講師として招き社内では「先生」などと呼んでいたと説明しているが、勉強会の際には福井県職員も同席していたというから地方行政もこの事件に少しは関係があったようなのだ。森山元助役に資金提供をしていたのは地元の「止した開発」という会社だというが、関西電力の原発関連工事が業務の多くを占め、工事経歴書によると高浜原発や大飯原発の関連工事を少なくとも二十五億円受注していたそうなのだ。 それだけではなく他に調査会社が把握していない売り上げが存在する可能性もあるという。また森山元助役は高浜町役場の助役を務めた後は地元の建設会社の顧問として町内の様々な工事に関わり影響力を持っていたそうで、ある地元の関係者は関西電力としても原発がある町の地元対策を行う上で森山元助役の協力が必要だったという。高浜町の元町議の男性は「吉田開発と森山さんの関係は地元では有名だった。森山さんがいなければ吉田開発は関電関係の工事をここまで受注できなかっただろう」と証言している。吉田開発から森山氏に対しては工事受注に絡む手数料として約三億円が流れていたことが税務調査で判明しているが、さらに森山氏が関電役員らに多額の金品を送っていたことが確認されているそうなのだ。 菅原一秀経済産業相は閣議後の記者会見で「事実だとすれば極めて言語道断。ゆゆしき事態」と関電を非難し、公益事業を担う大手電力会社が起こした今回の事案を問題視し徹底調査などを求めたという。立憲民主党の枝野幸男代表は「関西電力の役員らに対する不正、不当と思われる約3億2千万円の支出の問題は大きな政治課題ではないか。原発マネーという言葉が言われ、原発にまつわる金の話は昔から問題視されてきたが、基本的には原発をつくりたい電力会社側から色んなところに流れていく問題だと思っていた。今回はそのお金の一部がバックマージンとして入ってきているみたいな話。原発推進をしてきた電力会社とそれを後押ししてきた自民党政府の姿勢そのもの、本質にも関わる問題ではないか」と話している。
2019年10月01日
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