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めづめづ和文化研究所京都小栗佐多里&トニー・ラズロ情報センター出版局 A5判並製☆☆☆☆☆ 「ダーリンは外国人」他を書いている著者とその旦那様が京都で和風文化を体験する、という旅行(?)レポート。奥さんのマンガ&イラストとご主人のコラムとの構成でとても面白く読める。取り上げられた体験レポは、香道、茶道、華道、弓道、枯山水、宮大工、精進料理、雅楽、おみくじ、町家、扇子、友禅、蒔絵、象嵌、和菓子、着物(で人力車)、投扇興と多種にわたり、他に今日言葉について、トニーと専門家との対談、風呂敷について、川遊び、曲水の宴を川床で楽しんだり…と羨ましい限りの京都レポ。 トニーのコラムは日本人のステレオタイプな発想と違うので、かなり面白い。また、下に英語が併記されているので、英語の勉強にもなる。佐多里さんの方は一般的な日本人が上記を体験したらどうなるか…というものだが、マンガなのでとっつきやすくて読みやすい。また町家などもイラストで説明があるので分かり易い。特に香道、蒔絵、象嵌、雅楽などは私自身が結構興味があったり好きだったりするので、臨場感があって読んでいて楽しめた。こういう伝統的な技を体験しつつ京都観光するっていいなぁ。やってみたい。また、読んでいて、ちょっとだけ精進料理にも興味が湧いた。
July 23, 2010
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こんとらばすのとらの巻価格:1,785円(税込、送料別)溝入敬三春秋社 四六変形?並製(190mmx130mm)☆☆☆☆☆ 昨夜書いていたら、操作を間違えて書いた分を全てなくしてしまったので今書き直し。こんばす弾きのためのこんばす弾きによるこんばす弾きの本。あとは、オケでこんばす弾きのグチを聞かされている気の毒な方々が読めば、「あいつのあの時のグチはこーゆーことだったのか」と分かっていただけるのではないかと思う。あいうえお順に「宴会芸」(この項目が何故必要か、こんばす弾きの皆様には当然お分かりですねー)とか「スコルダトゥーラ」(結構使うもんね)とか「一日十五日」(実はこんばす業界内用語なんだよね)とか「通奏低音」(ないと困るって)とかいう単語が配列されている。こんばす弾きが読むと爆笑したり、「あるある」と納得したり。場所によっては他の楽器の人に真に受けられても困るところがあるが(ま、ばす弾きはひっかからんだろう)、著者作のお話も面白いし、現代音楽やコントラバスの解説は勉強になる。また、ジャコ・パストリアスの項もあるし、ジャズ奏者の説明が多いので、ジャズを全く知らない私にはジャズベースの名盤を知る手がかりにもなった。「楽器別人間学」のうちこんばす弾きへの痴志気知識と裏怪理解を深める一書だろう。あと、この本の中で紹介されてるモーツァルトの「この美しい手のために」、弾けっこないけど楽譜探してみよ。 ちなみに、この本の中で松脂はいい匂いがして苦いというので、愛用のメロスのチェロ用ライトをちょっと舐めてみた。が、匂いはともかく、味は苦いというより油脂の味がしただけだった。つまんない。
July 23, 2010
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首塚巡礼花魁道中価格:2,415円(税込、送料別)紀和鏡 写真(本文):森田一朗現代書館 四六上製☆☆☆☆☆ 「マージナル」という雑誌に1988年から1994年の間に連載されたエッセイで、書籍初版は1998年。この著者の伝奇小説が好きで、学生時代よく読んでいたのだ。ただ、この本は積読の期間が非常に長く、先日の大掃除で発掘し読み始めた。エッセイは首塚巡礼と花魁道中(昔の花街探訪)とはっきり二つに分かれている。 首塚については、歴史的に首塚を残した人は不幸な死に方をした人に限られるが、関東、吉野、鎌倉、熊野、上方と鬼の首についてのエッセイ。個人的には吉野の南北朝時代にまつわる部分と鬼のところで触れられる桓武天皇と平安遷都にまつわる部分が特に面白かった。あと冒頭、刺青で生首を入れる、という彫師のことにも触れられていて、興味深く読んだ。まあ早い話が「首塚」にちなみ歴史的におどろおどろしい場所に対する著者の物思いや思索をエッセイに仕上げたものだ。熊野に関してはかつて読んだ「夢熊野」(2006年2月16日のブログにある)の内容が重なる。 花魁道中の方は吉原の他、洲崎、玉の井、千住など私娼がかつて商売をしていた場所にも焦点をあてて、地元の古老の人々に話を聞いている。エッセイが執筆されたのは90年代前半のため、大きく開発された洲崎のあたりや隅田川のあたりは、この本に挿入された写真の風景からも既に風景が変わっている。それに、この本のあとがきが書かれた98年当時でさえ、話を聞いた人々の何人かはもう鬼籍に入っていたそうで、今となってはどうなっていることか……。江戸から戦後にかけての花街の貴重なルポルタージュだと思う。特に、江東区の洲崎のところは自宅の近くでもあり、読んでいて胸が痛んだ。この近くの図書館に行ったとき、くしくも3月10日だった時があり、道すがらちゃんとお供えのある東京大空襲の慰霊碑を見つけたのだが、この洲崎、東京大空襲に限らず、空襲の時、中の女性の逃亡を許さなかったため、大勢が無残な姿で亡くなったそうだ。にしても、日本人の男はロクなことをしない。 この本、つまりは歴史の闇を象徴するかのような首塚と近代・現代の、男女の闇を象徴するような遊郭・花街のルポである。遊郭・花街の方は正直私にはピンとこなかったが、首塚の方は小説で好みの題材を好みに料理してくれる方が書いているだけに、幻想・妄想への流れ方にとても親近感を感じ、非常に面白かった。桓武天皇と平安京遷都、南北朝は私自身の予備知識があまりないため、特に興味深い。今度、関連した本を読んでみよう。
July 22, 2010
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ガラクタ捨てれば自分が見えるカレン・キングストン小学館文庫☆☆☆☆ ここのところ、この読書ブログの更新が滞りがちだったのは、ず~っと部屋の大掃除に大童だったからだ。なにせン10年ぶりの掃除だったので、一週間かけて不用になった服(およそゴミ袋10袋分)、本(ダンボール10箱ほど)、粗大ゴミ(8つ…もしかしたら9つになるかも)を処分し、ベッドの床板(寝るところ)を交換した。7月2日に着手し、およそ部屋が片付いたのが8日、古本を宅本便に出したのが10日、ベッドの床板が届いたのが18日だった。ちなみに、本の整理はもう一度やったほうが部屋の収納スペースが充実すると思われるので、近日中にやろうと思っている。 そこまでやってようやく、これまで恐ろしくて読めなかった整理本を読み始めたのだ。 この本は風水を元に家にガラクタを溜め込むのだどれほど自分の内部のエネルギーの流れを滞らせ、悪いことを溜め込むことに繋がるのかを力説している。そして、いかにしてガラクタを処分するかについて気の持ちようを説明している。このあたりの気の持ちよう、気分の切り替え方は、似たようなことを拾い読みした別の整理本でも読んだ記憶があるし、大掃除の前の心構えを復習し、自分自身の大掃除へのモチベーションを高めるのに役に立つと思う。何せ筋金入りの不精者なので、大掃除には覚悟が必要なのだ。読んでいくと、結局私自身が大掃除の時に感じながら処分したことが書いてあったり、偶然同時期に家の大掃除をした叔父(大津在住)がいるのだが、やはり、1人が大掃除を始めると身近な人が似たようなことを始める、とか書いてあって「やっぱ、あるんだなー」と思いながら読んでいた。 風水を元にと書いたが、アメリカ人が書いた本を英語から訳しているので、「気」にあたる単語が「エネルギー」になったりしているそうだ。ただ、私は風水の本をこれ以外に読んだことがないので、どのくらい風水の本っぽくないのかは分からない。ただ、家の内部に風水の「定位盤」を当てはめて、ある部分にガラクタが詰まっていると、対応する物事が悪い方に向う、みたいなことが書いてある。私もちょっと心当たりがあるので、もう少し部屋の整理を続けなければならないだろう。 また、この著者は「スペースクリアリング」という建物のエネルギー浄化の専門家だそうで、巻末にそのスペースクリアリングの21のステップも掲載されている。風水が元ということで、結局は欧米の住宅に関するおまじないみたいな感じもするのだが、そんなに嫌いではないので、今度試してみようかな。 更にこの本の他、2冊ほど気になっている整理本・掃除本がある。どちらも図書館では190人待ちのリクエスト状態だったり、蔵書してなかったりしているので購入して読んでみようと思っているところだ。どのみち、我が家はまだまだまだまだ整理・整頓の余地があるのだ。とりあえず、洗面台とトイレの整理をしたいと思っているところだった。 そう、あとは、これで自室の掃除が完了したので、あとン10年は何もしないだろうという事態だけは避けたいと思う。BGM: O Lusitano; Portugese Vilancetes, Cantigas, and Romances by Gerard Lesne & Il Seminario Musicale
July 20, 2010
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国立歴史民俗博物館編集・発行 隔月刊A4変型(275x210)中綴じ本文4色32ページ☆☆☆☆☆ いつも書籍ばかりの読書録だが、今日は隔月刊誌のバックナンバー。特集は「前方後円墳」。古代史は大好きだし、おととしの夏は仁徳天皇陵などの百舌鳥古墳群と応神天皇陵のある古市古墳群を見学してきたのだ。(ちなみにこの二つの古墳、国道で一本道で行ける。タクシーで30分かからない)国立民俗博物館は千葉県佐倉市にある。残念ながら私は行ったことがない。この雑誌は近所の図書館で借りてきたのだ。 特集は4つの記事になっていて、総括的な記事(畿内中心)、東北地方の前方後円墳、九州地方の前方後円墳、朝鮮半島の前方後円墳だ。その他に特集に関連したコラム記事がある。知らなかったが、前方後円墳って北海道と沖縄を除く日本国内で5200くらいあるそうだ。そんなにあったんだ。畿内の記事については、およそ見当の付く内容だったが、東北・九州・朝鮮半島の記事については今まであまり読んだことがなかったので、興味深く感じた。ただ、どの地域でも共通しているように思えたのは、前方後円墳が盛んに造られたのは、上記全ての地域(朝鮮半島含めて)共通で古墳時代最盛期のような気がする。また、その時期に畿内では仁徳陵をはじめとする巨大古墳が造営されているが、他の地域でも最も大きい古墳はこの時期なのか?また、東北地方では、弥生文化と続縄文文化が混在した時期であり、この後になると、続縄文文化に属する人々は「蝦夷」と呼ばれるようになるが、この時期ではまだ並存していたようだ。また、朝鮮半島の一部でも前方後円墳は見られるそうだが、その副葬品には倭・百済・伽耶など様々な王権との関わりを示しているそうだ。ふと思ったが、この前方後円墳が造られた時代は比較的どこも平和な時代だったのかもしれない。 また、今は小山のように草木に覆われている古墳だが、かつては埴輪に取り囲まれていた。その様子を復元した古墳も最近造られているそうで写真が掲載されていた。今のコンクリートに目が慣れた人間には今ひとつピンとこないが、当時の人から見れば、超高層ビルの林立を目にするような感覚だったのだろうか。特に前方後円墳は視覚的なインパクトを強調された墳墓だったというし。そう思うと誌中では触れられていないが、多くの古墳では宮内庁が禁止しているせいで発掘調査ができない。それが残念かも。 他の記事は館内の展示の案内や映像ライブラリーの紹介。それも偶然奈良の興福寺や薬師寺の行法や祭祀を代々支えてきた周囲の家の人々の仕事。あと一つは万年筆の職人技を同じように映像化したという紹介だった。どちらも面白そうだ。 この博物館、存在は知っていたが自宅からだと少々遠いのだ。でも今ヒマだから行ってみようかな。
July 16, 2010
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バラバ価格:567円(税込、送料別)ペール・ラーゲルクヴィスト岩波文庫☆☆☆☆◎ タイトルの「バラバ」はキリストが磔刑になる時、代わりに赦免された盗賊の名前だ。バッハのマタイ受難曲では合唱(群集)が「バーラバ!(意味的にはバラバを殺せ!)」と属7の和音で絶叫するところが印象的だった。また盗賊だと思っていてウィキを見たら、福音書によって罪状が違うらしい。ラーゲルクヴィストのこの作品では、ヨハネ福音書により盗賊という設定。この小説、中学校の時に読んだ世界地理の本で紹介されていたのが、薄らぼんやりと記憶に残っているスウェーデンの小説だ。単行本での初版が1953年、岩波文庫初版が1974年(ラーゲルクヴィストの没年)である。今年15刷。文庫で読める数少ない(児童文学ではない)北欧文学の一つではないだろうか。 ストーリーはキリストの磔刑でバラバが赦免されてから、彼が死ぬまでの半生を描く。その半生でもバラバは何度か死んでいてもおかしくないところで死を免れている。聖書に詳しければ、バラバ以外の登場人物も誰が誰だか分かるかもしれないが、私はペテロくらいしか分からなかった。しかもバラバは非常に分かりにくい人物に描かれている。自分の命が助かるきっかけになったイエスに何か思うところがあるのだが、自分の奴隷としての名札にイエスの名前を彫ってもらっても、「信じているのか」という問いは否定する。それでも彼は、キリスト教徒に近いところにいて、それでも「神を信じない」。このあたりがよく分からない。彼の周囲の人間達は「神を信じ」て処刑されていくのに。そして最後、バラバも「キリスト教徒が放火してまわっている」というデマに振り回されて自分も放火して捕まり、磔刑となるのだ。読んでいると、バラバはまるで感情のない人間のように思えた。この小説に何か意味づけをすることがナンセンスなのかもしれないが、なんとなく思ったのは、バラバは「神」も「神の子」イエスも信じることは出来なかったが、ただ自分の命を助けてくれることになった、自分の代わりに死んでくれた「イエス」は信じたのか、ということだ。バラバが最初にイエスの信者でシンパシーらしきものを感じたのはイエスに生き返らせてもらった男で、彼の話に対してだけは割合強い反応を示したように描かれている。この著者は信仰深い家庭に育ったと解説に書いてあったのだが、作中のバラバの姿勢は一番純粋な形で「イエス」を信じたといえるのかもしれない。 字が小さいので意外に読みでがあるものの190ページほどの薄い本だが、内容は難解に感じた。まあ典型的日本人の信仰しか持ち合わせない私が読んでもそんな程度だろう。
July 14, 2010
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