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闇の喇叭有栖川有栖理論社 四六並製☆☆☆☆☆◎ この著者には珍しいかもしれないパラレル日本を舞台にした作品。元号は召和と平世。ストーリーの発端はパラレルの設定の説明から始まるが、それは広島に投下された原爆の完成がほぼ1ヵ月遅れたため、日本は広島・長崎だけでなく京都にまで原爆が落とされたという設定。最も、その京都の描写は出てこないが。さらに終戦記念日の設定もズレているし、北海道はソ連に占領されやがて分離独立して日ノ本共和国となっている。 そして、ストーリーの舞台はほぼ戦後60年余り経った現代の日本と同じくらいの時代。だが、この国では警察の腐敗から私立探偵が現れるが、それも平世の御世になって法律で禁止されてしまうのだ。さらに推理小説を読むことすら禁止された世の中である。そして、ストーリーの随所でどっかで聞いたことのある全体主義的な雰囲気が漂っている。「皆の役に立つために北のスパイを見つける」というおじさんまで登場する。どこかで聞いたような国内の設定だが、この作中では朝鮮半島は一つの国で「大韓共和国」となっている。 主人公はどこか関東より東あるいは北の田舎町に住む高校生、空閑(そらしず)純。彼女は失踪した母親の故郷に翻訳家の父親と二人で住んでいる。事件は妖しい女性の出現から始まり、殺人事件が起こる。硬直した世の中の田舎町で、この事件は純の友人の母親も巻き込んで展開していく。 作中、関係ないような三面記事的細かなニュースの描写や細かな謎が巧みに織り込まれいき、最後はこの小説のレーベルがYA(ヤングアダルト)となっているだけあって、それにふさわしい終わり方だと思う。私的探偵行為および推理小説が禁止された世の中という設定は、読む前は理由が分からなかったが、読んでみると、このことを通じて著者が読者に訴えたかったことは、やっぱり自由な社会の大切さということだと思う。この事件の裏にはもう一つ、自由な社会であっても偏見が伴いがちなあることが潜んでいるし。 本文にもルビがあり、若い人向きに書かれているが、内容的にちょっと小学生には難しいかもしれない。(でも5・6年生なら読める子いるんじゃないだろうか)中学生以上だと思う。大体、「喇叭」ってタイトルの漢字が難しい。そして、大人が読んでも十分読み応えのある内容だった。
October 18, 2010
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人気メニューを簡単アレンジ!ちょい足しクッキングテレビ朝日「お願い!ランキング」編祥伝社 B6判並製 左開き☆☆☆☆◎ 某テレビ番組でおなじみの本。全ページ数90ページ程の薄い本。ちなみに構成の中に鈴木おさむさん(森三中の大島さんの旦那)の名前がある。テレビで観ていて面白くて好きなので、図書館で本を借りてみた。8月6日にリクエストして手元に届いたのは、10月7日。ほぼ二ヶ月かかっている。 カップラーメンやアイスクリーム、コーンポタージュ、インスタントわかめスープなどお手軽な食材に、ある時は納得の、またある時は奇天烈な食材を投入する。しかし、インスタントのみそラーメンにチーズケーキ丸々一個投入、とか納豆ごはんにいちごジャムというのは、凄いと思う。。。試してみたいような気もするが、恐ろしい。逆にバニラアイスクリームにトマトとかハッピーターンにヨールグルトというのは分かるような気がしないでもない。こっちは機会があったらやってみよう。そして、巻末には添加した食材ごとの索引もあるので便利だ。そして、ところどころにちょい足しされた回数の一番多い食材や惜しくもランク外になった食材にも触れてあり面白い。 こういうちょい足し、気の置けない友人連中とちょっと何か家で食べる時なんかにいいかも。元の食べ物も手軽なものが多い。自分で開発するのはリスクが大きいし面白い。
October 10, 2010
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HARRY POTTER & HALF-BLOOD PRINCE:ADULT(B[洋書]価格:1,315円(税込、送料別)J.K. RowlingBloomsbury 206 x 134 (mm) Hardcover☆☆☆☆☆ かなりネタバレがあります。該当箇所は背景色と同色の文字色にしてありますが、未読で読んでみたいと思っている方は読まないで下さい。 発売日に届くように某ウェブ書店に注文したにもかかわらず、読み終わったのはン年後……。ちなみにこの表紙は大人向きエディションのカバー。こちらの方がデザインが好きなので最終巻もこちらのアダルトエディションのカバーなのだった。今となってはもう売り切れだし、値段も随分安くなってるなぁ……。 ハリーもホグワーツの6年生。しかし、彼の身辺はいよいよキナ臭くなっている。ヴォルデモートが再び勢いを増してきており、ホグワーツ校の中とてもう安心ではなくなっている。そんな中、ハリーは履修予定のなかった魔法薬の授業を取ることになり、学校の教科書を借りることになる。そして、その教科書には前の使用者か持ち主の書き込みがあり、その書き込みは恐ろしく有用だった。ハーマイオニやかつて(2巻だったかな?)で日記帳だかノートだかの書き込みからヴォルデモートに操られた経験のあるジニーは危険だと反対するが、恐ろしく授業に役立つのでハリーは聞き入れず、自分の教科書が届いても、カバーをかけかえて使ってしまう。ちなみにその教科書にはタイトルでもある"Half Blood Prince"の署名があるのだ。無論Half Blood が混血だという意味は分かるから、読者はこの人物だ誰か気を揉むことになる。ちなみに魔法薬の授業の担当はスネイプから新任のスラッグホーンという人物に変更になる。そして、スネイプが念願の闇の魔法への対抗魔術の教授になる。 色々あるものの、ハリーの学校生活は開始されるわけだが、ハリーはダンブルドアから個人授業を受けることになる。それは、ヴォルデモートの半生を辿るものでもあった。ダンブルドアはどういうことか、右手を真っ黒に火傷してしまっていて不自由そうだ。。。。 実は以前、読んでいて最初の半分を過ぎたところで投げ出したので、今度が二度目。そして、読んでから分かったが、挫折した後からが凄いページターナーだった。ちなみにザセツしたのはロンが媚薬というか(そんな色っぽいもんじゃない)惚れ薬を飲んだところ。この後からが、一気にクライマックスに突入する。 今回、ヴォルデモート本人は直接参戦しないが、彼の配下死喰い人(デスイーター)たちが、マルフォイの手引きでホグワーツに侵入する。駆けつけたオーラーたちとの死闘が展開されるが、その中でついにスネイプがダンブルドアを裏切り、彼に死の呪文をかける。さらに、ビル・ウィーズリーが狼男に噛まれるが、幸い、変身中ではなかったので、この巻ではあまり酷いことになっていないし、嫁vs姑&小姑(フルールvsモリー&ジニー)の争いがこのショックで少し落ち着きそうな雰囲気になるのだ。それにルーピンは(ビルの病室で)トンクスから逆プロポーズされる。その時彼は、「私は年上過ぎるし、若くハンサムでもないし、貧乏だし…」とgdgd言い出すが、その時のウィーズリー氏の言い分がいい。「若くてハンサムだからっていつまでもそうじゃない」と言って、顔を狼男に引っかかれて眠っているビルを指すのだから。 ちなみに、"Half Blood Prince"の正体については、読者の多くがヴォルデモートではないかと予想したのではと思うのだが、実は、母親が魔女で父親が人間というのがヴォルデモートと一緒だったスネイプだったのだ。これは、次巻で何かありそうな伏線のような気がしているがどうなんだろうか。 そして、ヴォルデモートに対抗するために、ダンブルドアが文字通り命がけで獲得したロケットペンダントの中にはヴォルデモートの魂(?)分身(?)は既に掠め取られた後で、その人物のイニシャルがあるだけ。ハリーはヴォルデモートを倒すために、荘厳なダンブルドアの葬儀の後、一人旅立つことを決心する。 正直、5巻までを読んだのが数年前なため、かなり記憶があやふやになっていたし、まだ日本語版を読んでいないので、細かいところでちょっとはっきりしないところもあるが、今回も見事に予想を裏切られ続ける展開だった。とはいえ、ルーピンへのプロポーズはちょ~っとザンネンだったなあ。個人的にハリポタは奇数巻同士、偶数巻同士で内容に繋がりがあると思っている。今回も二巻で起こった事件が出てくるのだが、もうよく覚えていなかった……。次巻が最終巻。もう少し読み始めているのだが、どう展開していくか楽しみだ。
October 10, 2010
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深淵のガランス北森鴻文藝春秋 四六並製☆☆☆☆☆◎ 表題作「深淵のガランス」と「血色夢」の中編2編収録。私は「血色夢」の方が好みの題材。銀座の花師(本文中のニュアンスはちと違うが、およそ生け花を生ける人という意味)であり絵画修復師でもある左月恭壱が主人公。このシリーズの次の本を先に読んでしまったが、特に問題はなかった。 「深淵のガランス」の方は明治だか大正だかの日本人作家の油絵の下に潜んでいるものを絵画修復師の主人公が見つけるのだが、何せいわく付きの絵に持ち主にもいわくつき。挙句、画家にもいわくがある。ミステリおよび人間ドラマとしては面白いのだが、やっぱり時代的に興味がないのだ。ちなみにガランスとはフランス語で茜色のことだそうだ。電子辞書にも載っていなくて、パソコンで検索したら、あっけなく出てきた。もう、電子辞書もいらないご時世なのかね。 一方「血色夢」は、縄文か新石器時代の洞窟の壁画の修復依頼。しかし、ここにはそのか~るく700年はあとの時代に用いられた技法が用いられており、これが発表されれば学界がひっくりかえるほどのネタが潜んでいた。さらに、別のややこしい絵画の修復までもかかえる。様々な人、それも揃いも揃って一筋縄ではいかない連中が出てくるが、主人公はただ与えられた絵画を修復するだけ。やはり私は古代史ヲタらしく、壁画の修復で基材の分析や顔料の分析の描写が面白かった。それに、この作品で、シリーズの黒幕ともいえる人物に詳細な描写があるのだが、この人物とこの人物が左月を紹介した人物が一癖も二癖もある人物なのだが、不思議と憎めない。読んでいて楽しかった。 もう、このシリーズの続巻が読める日は永遠にこない。やっぱり悲しいな。
October 3, 2010
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