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ソノラマMOOK朝日ソノラマ A5並製☆☆☆☆☆ 知っている人は知っていると思うが、ホラーマンガのシリーズに出てくる(多分実在の)霊能者の方が日本史上有名な場所に行って、その場所を霊視(?)する、という旅行記というかムック。他にも「出る」といわれる場所に行ったという記述もある。この巻では壬申の乱、高松塚古墳、平清盛、白虎隊、日光、天海僧正、京都、細川ガラシャ、上杉謙信、吉野が扱われている。マンガのシリーズも好きだし、結構興味のある場所が扱われているので読んでみた。といっても、もう何年も積読だった本だ。高松塚古墳のあたりでは、マンガでも扱われており、フィクションなのかノンフィクションなのかは考えずに読んで、かなり面白い内容だった。凡人の身ではあまり実感として怖くないし。難しいことは考えず(失礼かもしれないけど)歴史のトンデモ解釈、色々解釈系の本の一つとして読んで面白かった。ちなみにこの本が書かれた後、つい最近になって、新しい発見で古墳の位置が違うのでは、と書かれた天皇についても、宮内庁が比定した古墳の方で、もっともらしい人物像が述べられていたりする。日本史をオカルト的に捉えた視点はトンデモ系かもしれないが、オカルト(呪術)絡みのこと以外(歴史上の人物の人物像についてなど)は結構マトモというか、オカルト的にアプローチしているが、出た結論は常識的で、とんでもなくはないと思う。占い師の言葉と似ているといったらいいだろうか。それとも資料を渉猟した歴史小説家の視点にも似ているというか……。とはいえ、古代呪術の方法なんかを読んでいると、後世では動物を使ったと本で読んだことのある呪術で、人間(奴婢)を使ったのか、とぞっとしたところもあった。 日本史が好きで、オカルトや新耳袋などの怪談系の話が好きであれば楽しめるだろうが、真面目に考察した歴史以外はくだらない、興味がないという人はやめておいたほうがいい本なのはいうまでもない。私はこういう本や話って好きなのだ。多分他の巻も機会があれば読むと思う。
September 17, 2010
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ニッポン聖地案内松岡絵里情報センター出版局 A5並製カバーなし、帯あり☆☆☆◎ 本文オールカラーでありながら、一部、茶色の文字色一色のページもある、結構贅沢なブックデザインの本。新婚旅行で世界中を回った著者が日本のパワースポットとか聖地とか呼ばれる場所を旅した本で、富士山、宮島、恐山、戸隠、高千穂、阿蘇、久高島と斎場御嶽などメジャーなスポットが取り上げられている。 今まで、博覧強記の大作家、ライフワークとしてコツコツと取材に取り組んだ歴史小説家、その道の人間国宝クラスの大家、碩学の学者などが書いた旅行記ばかり読んでいたので、自分と年齢の近い著者の旅行記ははじめて?くらいだ。自分が行ったことのない場所の感想などを読んでいると、大体自分もそんな風に感じるんだろうなあと思いつつ読んだ。が、ちょ~っと編集・校正ミスと著者の言葉の誤用が気になった箇所もある。フォトタイトル「源寺山」そのすぐ下のキャプションで「源氏山」はさすがにみっともないぞ。これは編集・校正の問題。それに個人名を挙げて「垂涎」という表現はいかがなものか。垂涎ってヨダレをたらすって意味だぞ。失礼じゃないの?個人名だって、明らかにこの著者より年齢もキャリアも上の人だぞ。私はこの著者の名前は知らなかったが、著者が「垂涎」として名前を挙げていた人の1人は知ってたし。また、聖山の草木を採ってはならぬ、採った者は死罪に処す、とした戦国武将のことを「アヴァンギャルド」って……アヴァンギャルド=前衛(芸術)→「過激」の連想からきた、明らかな誤用だろう。過激=「ラジカル」とすべきところじゃないのか?著者の略歴をちょっと見たが、編集やってたってホント?という感じだ。あと、「30代女子」という言葉の多用もなんだかなー。私は全く当てはまらないからいいのだが、これを恥ずかしげもなく使うのも首を傾げてしまう。ゆとりちゃんかなと思って年齢を見てみたらギリギリちょっと上の年齢みたいだし。偏見かもしれないが、バックパッカーの人が書く世界旅行の本のノリで日本の旅行記書いたらこうなるのかもしれない。 親しみやすくて、一つ一つのスポットがコンパクトにまとまっているといえばそうなのだが、広く(ごく)浅くという表現も可能。博識な人々が書いたら、おそらくこの何倍にもなる内容だとは思う。内容自体は好きなのだが、もう少しコトバを考えてくれよ……という感想を持った本だった。まあ、でも自分も旅行して抱く感想もこの人と大差ないんだけどね。でも少なくとも個人名を挙げて「垂涎」なんて書かないぞ。
September 15, 2010
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ラットマン道尾秀介光文社文庫☆☆☆☆◎ *結末に関係のある部分は、背景色と同色の文字色になっています。 最初、タイトルから思いっきり某妖怪漫画のレギュラーキャラクターを思い出してしまったが、全く違う内容。心理テストの絵のように、見方によって様々に見える絵柄で、人の顔にもネズミにも見える絵柄だ。作中にイラストが掲載されている。 30歳くらいの社会人バンドのメンバーが高校時代から使っているスタジオで、事件が起きる。その事件と主人公の身に起こった過去の事件がオーバーラップしていく。そして、最後にこの「ラットマン」が非常に効果的に使われていることが判明する。とはいえ、結末へは逆転に次ぐ逆転が起こり、感動的といえば感動的な終わり方なのだが、どーも綺麗事過ぎるような気がしないでもない。
September 14, 2010
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神々の乱心(上)神々の乱心(下)松本清張文春文庫☆☆☆☆☆◎ 未完の遺作。とはいっても、連載はあと10回もかからず終わる、(それでも一年近くかかるわけか…)と著者が予告していたそうで、最後の解決編残しになっているだけで殺人の理由などは明らかにされている。とはいえ、昭和8年頃の満州、東京、三次、茨城など各地を舞台に新興宗教、特務機関、関東軍、有閑華族、特高警察、憲兵隊、古墳盗掘、宮中の女官とその内部などさまざまな事件や事柄が絡み合う。登場人物も多いし、舞台は昭和8年だが、その15年くらい前にもストーリーが及ぶ。かなり込み入ったストーリーで読み応えのある内容だ。でも、最後まで解決していたら代表作になったのではないかと思う。やっぱり未完なのは残念だ。 冒頭は、特高警察の係長、吉屋が怪しげな研究団体を自称するが、どう見ても新興宗教ではないかという団体から出てくる若い女性を尋問することから始まる。彼女は宮中の女官で、やがて自殺してしまう。それに責任を感じた吉屋は吉野の古い神社である彼女の実家で行われた葬儀に参列、そこで彼女が仕えてきた宮中の女官の弟である有閑華族と彼女の兄と出会う。さらにこの有閑華族、萩園泰之も事件について調べていく。一方では吉屋も捜査を進めており、時には泰之ともすれ違ったりしていく。正直、この二人が協力すれば解決も近いのではと思わせる。が、そうなるまえに終わってしまっている。巻末にこの後の展開を予想する材料となる著者と編集者とのやりとりがあるのだが、この中にまだ作中に出てこないが解決には重要と思われるネタが残っているし。昭和8年、日本がどんどん軍国化していく時勢が背景だが、吉屋の行動を読んでいると、この人、この後の日本の歴史を生きていけないんじゃないかと思ってしまう。だいたい、こんな押し出しの弱い特高なんていたんだろうか、という気分になってしまった。
September 12, 2010
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MummyWritten by James Putnam, Photographed by Peter HaynanIn association with The British MuseumDorling Kindersley Book Soft cover, 280 x 217(mm)☆☆☆☆ 洋書。Eyewitnessというシリーズの一冊。大英博物館の協力のもと書かれた子供向きのミイラの本。判型が大きい上に表紙・裏表紙にはこれでもかとミイラの写真が載っているので、絶対に電車の中では読めない。私も夜中に読んでいて少々気持ち悪くなった。本文は70ページあまりで、子供向きの本なのだが、情けないことにちょっと読むのに時間がかかってしまった。写真が非常に多く単語も私が殆ど辞書を引かずに読めたくらいなので、そんなに難しくない。洋書の入門に興味のある方にはいいと思う。ただ、書いてあることは大体私も知っているようなことが多い。そして全体のページのうち半分がエジプトのミイラに割かれている。ツタンカーメンのことも出てくるが、ツタンカーメンは最近の研究でDNAの解析ができたか何かで新しい事実が沢山出てきているので、日本語のサイトでそのあたりを確認すると面白いかもしれない。エジプトのミイラのほかは、アンデスのミイラ、氷河の中に閉じ込められてミイラ化した遺体、泥炭層の中でミイラ化した遺体、シチリア島のミイラ、そして少しだけ日本の即身仏や赤の広場にあるレーニンの遺体についても触れられていた。そういえば、ミイラへの加工作業もこの本では"embalm"という単語が使われている。現代のエンバーミングもミイラの範疇に入れられているようだ。また、気象条件により自然にミイラ化した遺体と気象条件を利用して人工的に作られたミイラとが扱われている。私が一番面白いと思ったのは巻末のタイムライン。本の中で扱われているミイラがいつくらいに作られた/できたものかが西暦に沿って並べられていた。一番古いミイラはアルプスの氷河の中で発見された紀元前3500年前後の男性のミイラだそうだ。エジプトでミイラが作られ始めたのはその後。しかし、この氷河の中で見つかった男性、まさか約5500年後に自分が研究対象になるなんて思わなかっただろうなあ。そういえば、19世紀に北極で葬られ、自然にミイラ化した船乗りの死因が缶詰技術の不備による鉛中毒で、精神的にもおかしくなっていたんじゃないかとか、聞いたことはあったが、泥炭層で発見される古代ゲルマンのミイラは大抵真冬に殺されており生贄でなんらかの宗教的儀式に則ってのことだろう、といった記述は興味深かった。それにちょっとビックリしたのは、1920年代くらいまではシチリア島でもミイラが作られていたし、現在でも依頼すればミイラを作ってくれるところがあるそうだ。鉄器時代から現代までの歴史の流れの中でミイラを説明しているのは面白い視点だと思う。
September 9, 2010
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