“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

2006.08.02
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繁盛店のためのビデオセミナー(毎月繁盛店を映像でレポートします)、カフェのようなメニューブック、映像で集客する看板「呼び込み名人」、フラッシュでなく映像つきのホームページ、印象に残るショップカード、地域密着のポスティングチラシ、


大久保一彦 のゴルフ場経営誌連載ホールアウト記念、全原稿連続アップ!

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今回は13回目の原稿です!

女性客に受ける盛り付けとは


<リード>
ゴルフ場としては、女性ゴルファーとシニアと並んで平日の集客対策の核としたいと考えているだろう。特に、女性客を獲得していくには、食は大切な要素といえる。現実問題、食で釣ろうと、あの手この手を考えているゴルフ場も多い。今回は、ゴルフ場と連動してどのように女性客を取り込むのか?今回はそのひとつの切り口である盛り付けについてお話しよう。


<本文>
 女性が料理の評価する場合盛り付けは大切な要素です。ですので、盛り付けのセンス、そして、創意工夫を日ごろから怠ることはできません。
今回は、盛り付けのポイントについてお話しましょう。
 女性は見た目にこだわります。そして、感覚的です。感覚的ということで、理屈で解決できないことも多いのですが、なるべくわかりやすく説明したいと思います。

まあ、日本人ならと付言しておいたほうがいいかもしれませんが・・
さて、どちらの向きかわかりますか?
 答えは頭が左でお腹が前です。別に右側に頭を置いてもいいと思うんですが、これが感覚的というところなんですね。
 なぜかと聞かれるとはっきりしたことはわかりませんが、おそらく日本の食文化に関係があるんだと思います。
日本の食文化は古の時代は律令政治下における宮廷での儀式として発達しました。
この発達した儀式の一部である料理について、まとめたのが、孝行天皇の姻戚関係にある四條藤原山陰卿でした。
当時は、中国の医食同源の考え方の礎になっている、陰陽五行が流行しており、これらの儀式も陰陽五行に基づいて発展しています。
 この藤原山陰卿がまとめたのが、四條流の包丁書です。四條流の包丁書は盛り付けの美しさやを陰陽五行の考え方で、バランスに力点を置き書かれています。
日本の食はこの四條流をベースに発展してきたと言えるでしょう。
四條流にこの頭が左でお腹が前でお皿は四角いお皿と定められておりますから、それを考えますと、1000年以上もの間、このような風習が続いたわけで、そうでなかったら感覚的におさまりが悪いのもわからなくもありません。
四條流を知ることは、盛り付けの美しさに訴えかける何かを知ることができるのです。

 例えば、食器と料理のバランス。30%くらいの空間を設けたほうが美しいとしています。これを応用して、夏場は、40%くらい食器に空間をあけると少なく見え、食欲ない時期に気持ちよく食べられます。
左から食べ、右を食べ、後ろという順番も決めています。
ここから、二種類の刺身を盛り付ける場合は、紅白の食材を選び、白身を左、赤身を右に盛り付けるという暗黙の発想が生まれます。なぜならば、味の濃い赤身魚を先に食べると白身魚の微妙な味わいが感じなくなるからです。
同様に、三種類の刺身は紅白黄の三点となっています。黄色は貝類を表しますが、白身が左、貝類が右、赤身が奥という順番になるわけです。
 さらに、山水の法則というものがあります。

 五味、五色、五法というものもあり、献立の中で健康面から味付け、調理法や、食欲が湧くように見た目などバランスよく食事ができるようになっています。
 五味というのは甘さ、しょっぱさ、辛さ、苦さ、酸っぱさの五つの味です。
五色は食材の色をいろいろ入れるという意味で、白、黒、青、赤、黄。
五法と調理法で、生、焼き物、煮物、蒸し物、揚げ物を意味します。
いろいろなものをお弁当などに盛り合わせる際、この点にを配慮すれば、華やかで健康的な印象を与えます。
 料理の品数も決まっており、陽数と呼ばれる、三、五、七の奇数が好まれます。
中国料理では前菜などは四品が良いとされています。日本では四が死に通じるために縁起が悪いとされ、三品が良いとされてきたわけです。
ですので、中国人の料理人が盛り付けると四品なんですが、日本人が盛り付けると三品しか盛り付けない人が出てしまうくらいです。
ただし、ピザなどでも四種類のフレーバーが人気ですので、いくつ盛り付けるかより、見た目の彩りや、いろいろなものがのっている感じることのほうが重要なのかもしれません。
 最近、フランスで食事をしていると、シェフが、日本の懐石料理の影響を受けたということで繊細な盛り付けが流行しています。
 今までは、器にボリュームを感じるように食材をいろいろ載せるというスタイルが多かったのですが、山水の法則の要素も取り入れられています。
 また、小さな器をいっぱい使い、色とりどりきれいまとめています。
今の西洋人の感覚は日本の女性の感覚に近く、美しいものの評価は万国相通じるものだと驚かされます。
日本が永年育んできた食文化は非常に美的な感覚に認知する基礎として重要で、この日本文化の基礎を良く知った上で創意工夫してください。







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Last updated  2006.08.14 10:44:10
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