“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

2021.11.28
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小雪の連続講座 2005年以降の成熟に入った外食産業の課題 その10

看板商品・スペシャリテ徹底研究
~~2012年10月度会報『四方よし通信』より

3 看板商品の具体的検証
 さあ、実際にアイテムを見ながら、検証をしてみましょう。

3-1 インパクトある見た目
 見た目の視覚的なインパクトとは非常に重要です。インパクトある見た目を構成する要素としては、“常識外の大きさ”、“ありえない食器”、“グルメ食材をふんだんに使う”、 “常識外の形状”の四つがあります。
この四要素は食文化の構成要素の中で、誰でもわかる「わかりやすい項目」と言えます。

3-1-1 デカメニュー
 見た目の凄さはデカメニュー、すなわち大きさが一番伝わりやすいです。
 デカメニューは、明らかに分かるインパクトでないと意味をなしません。
「ちょっと大きくしました」という人がよくおりますが、ちょっと大きいぐらいではお客様の心に突き刺さったままにはできません。

 例えばふつうのヒレカツでしたら、5㎝×15~20㎝ぐらいですね。
したがって、インパクトを与えるのであれば40センチ・人の顔ぐらいの大きさでないとインパクトは与えられません。


 見た目で惹かれるお客様というのは、はっきり言ってしまえば、ものを評価する多様な既知や経験がない人なのです。
先の事例 ​であげた『ふたご』の「ハミ出るカルビ」を見て、「(肉の脂などの)掃除してないから儲かるじゃないか!」など揶揄する人がおりますが、そのような要素は既知が多いプロレベルであり、『ふたご』のターゲットとするお客様はあまり求めている要素ではありません。
揶揄する人はある意味食文化を知りすぎた人になっています。

 また、デカメニューは後で出てきます接触を加えたほうが効果的です。
デカメニューは多くの場合、調理しにくかったり、美味しく調理できなかったりするので、焼いてあげる必要があります。
しかし、スタッフが焼きあげることによってよい接触ができ、その接触を通してお客様の関心に関心を持ち、お客様と近づくことができます。
その後に“お客様の教育”もできます。お客様との信頼を得て、食文化の既知や経験を広げ、次のステージに上げてゆきます。
お客様が人間関係がある店舗のスタッフを通して既知や経験をつけると、その経験や既知を下回る下の店には行かなくなります。

 『ふたご』のように「この部位をこうやって食べて欲しいですよ」というのをお客様に自然にお伝えできるといいです。
ちなみに、料理の説明は卒なくバランスよくやっていても感動しません。

最低ライン、お客様を減らさないという意味では不満をなくすことは大切です。
しかし、そういう意味での接触ではないということは補足しておきます。

DSCN5377.jpg
中目黒『​ ふたご ​』の「はみ出るカルビ」は小さなロースターの酸欠で臨場感を演出しました。
ただし、多店舗していくと、驚きも既知となり、見慣れてしまいます。


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Last updated  2021.12.01 18:08:25


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