あゝ平凡なる我が人生に幸あれ

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2006年04月20日
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今日は朝から変な天気である

そんな繰り返しである

郵便局に私用があるので昼休憩の時に出かける
空模様はどんよりとしていた
念のため傘を持っていく
橋を渡り、運河の対岸にある郵便局へ

用事を済ませたころ、雨が降り始めた
風も強く吹いている


そして、行きに渡ってきた橋にさしかかった時である
数十分前とその光景は変わっていた
雨が降るなか、あまりにも風が強く吹きつける為に、通行人が必死の思いで渡っているではないか
運河沿いに植えられている柳の枝は、何かに取り憑かれたかのごとく、枝を振り乱していて、風の強さを見せつけている

♪行きはよいよい、帰りは怖い~

しかし、この橋を渡らなければ、ものすごく遠回りしなければ帰れない
そんな時間はない
決死の覚悟で、いざ橋へ

自分の身体にたたきつけてるかのように、風が吹きつける
自分では真っ直ぐ歩いているつもりでも、 風に流されて真っ直ぐに歩けない
いつしか、手に持つ傘は、雨から身を守る為ではなく、風から身を守る為に、風に向かってさしていた
傘を押し退けようと吹く風は止めどなく吹き、一瞬の隙をも与えてはくれない
戦いに敗れて無惨にも散っていった傘たちの残骸 があちこちに見受けられる
大人の自分でもこれだけ身体が揺さぶられるのだから、子供や女性は恐怖すら感じるのではないだろうか
全長160メートルちょっとの橋ではあるが、渡りきるまでこれほど長く感じたことはなかったのだった

橋のたもとでボサボサになった髪や濡れた服を整えていると、橋を渡る為に二人の通行人が自分の横を通り過ぎていった
一人は老女、もう一人は中年の男性である

お婆さん、大丈夫なのだろうか?

横風に煽られているその姿を見ると、なんとも痛ましい光景である

さて、もう一人の中年の男性はというと、くわえ煙草に折りたたみ傘を持っている
今から待ち受けている恐怖を知っているのだろうか?
案の定、渡ってすぐに洗礼を受けることとなる
風に煽られ、折りたたみ傘は壊れてしまった

その姿を見てから、自分は橋を後にした……







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最終更新日  2006年09月06日 09時11分18秒
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