法華経入門
著者:
則武
海源
法華経のすばらしさは、7つの寓喩にあると言われている。それが、法華経の真髄だろう。
髷の中の珠は、決して与えないという寓喩は、結局釈迦が「 法華経の真髄を誰にもまだ教えていない」 ということになるのだろうか?この寓喩が一番難しいような気がする。
著者は、法華経を「東洋のイソップ」と評する。
が、法華経は、能書きだけで効能がないなどという言葉も聞かれる。確かに、あと一歩がない気がする。
しかし、その一歩、つまり、百尺竿頭一歩ですな、 それは、あなたが、つまり、法華経を読誦したあなたがつっこみなさいよ 、ということではないのかなあ。
法華経を文学としてみる時、本当に素晴らしい叙情詩であると思う。これは、鳩摩羅什の名訳によるとも言われている。
法華経が素晴らしいのは、 仏教教祖世尊の一生が見事に荘厳に表されているから である。仏教徒が涙するのは、そこの部分である。
能書きたれているばかりだとの批判に対しては、結構、マジに仏教の真髄が語られている部分もあると言うことを紹介しておきたい。
たとえば、世尊が霊鷲山で説法をしているのは、一大事からだと言うこと、何が一大事かと言えば、三乗、大乗であるということ、つまり、誰でも成仏できるのであることと、人のために努力する菩薩道というものを提唱したことなどを教えるためであることがきちんと語られている点で、主張がキチンとされているのだ。
そして、日蓮は、遂に、この経そのものを信じよというわけだ。法華経は、それだけの価値があると私は見る。他にはない教えが多くちりばめられている。ある意味、仏教のエッセンスであるとも言えるのではなかろうか?
ここまでをまとめるとこうだ。
仏教信者は、きちんと法華経を解釈すべきだ。
法華経の中に仏教の真髄がこめられているからだ。法華経が、すべての基礎基本だから、きちんと学すべきである。
その上で各宗派に入り、仏教を勉強していくべきであろう。私ももう一度法華経を学ばなければならない。
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