読売新聞の世論調査でオリンピック反対が6割だったそうです。科学的な根拠よりも世論や支持率を優先するガースー政権は一体どんな感じで迷走していくんでしょうか。飲食店による酒の提供を禁止した件、我々一般市民はカナリ根に持ってますよ〜 ま、いっか。
さて、昨日記事にした蓄電池発電所の件に絡み、読者さんより以下のコメントを頂きましたので、考察してみたいと思います。
「蓄電池発電所との事で気になりコメントさせていただきました九州で103kwの発電所を持つ者です。九州では出力制御により大幅な減収となっております。4月は当初の予定より3割減の発電量となっております。このペースで制御されると年間で25〜30万程の減収になるのではと思います。そこで蓄電池を使用し出力制御に対応出来ないかと考えています。既存の発電所に蓄電池を設置し、ピークカット分や、出力制御分を夜間や天気が悪い日に売電する事も可能なのでしょうか?流石に何か対策を考えないと今後維持が難しいのではと思っています。無知で申し訳ありませんが御教授をお願いします」
なるほどですね。当方も九州で1基だけ発電所を持ってますが、出力抑制のメールがバシバシ来ております。気分が悪いので速攻削除してしまいますが、発電所によっては3割減となっているようです。コレは九州地方を中心に事業をされている方にとってはまさに死活問題ですね。ってか、ソモソモ、我が国のエネルギー政策は、完全に脱酸素、再エネメインとなっているにも関わらず、その再エネを抑制、つまりは、捨ててしまうという事業姿勢、体制を取っている九州電力とかいう会社は何とかなりませんかねぇ。どーせ原発用にとって置いている系統は空いているはずで、抑制しなくても問題ないのではないでしょうか。本当に摩訶不思議な現象でございます。
で、本題に入ります。
ご質問の件は、簡単に言うと、「既に稼働済みの発電所に蓄電池を事後的に設置したい」というお話かと思います。結論から申し上げますと、技術的には「可能」です。そりゃそうですよね。当方の蓄電池発電所と同じ構成、配線にしてしまえば良いので。ただし、ポイントはこーいった事後的な変更によってFIT単価が変わってしまう、FIT事業から外れてしまう、というリスクが気になりますよね。
とゆーコトで、経産省が定義している以下の資料を確認してみましょう。
事業計画策定ガイドライン(太陽光発電)
この資料はその名の通り、FITによる太陽光発電事業を実施する際の守るべきガイドラインとなっておりまして、いわゆるルールブック的なものとなります。発電家の皆さんに置かれましては必読書となっておりますので、よろしくお願いします。
で、蓄電池設置の部分については8ページに記載がございます。
上記の表をよーく見てみましょう。この表の左側に発電所に対する変更要素が並んでいて、右側にFIT単価が変更になるかどうかが書いてあります。例えばパネルを3%以上後から増設したら現在のFIT単価12円になってしまうという感じです。もしかしたら自家消費型の地域活用要件も設定される可能性があり、そーなったら事業とん挫、というお話になろうかと思います。ダマで増設されている方は見つかったら一発アウトなのでお気を付けくださいw で、蓄電池に掛かる部分は表の下から2番目、「自家発電設備等の設置の有無(※4) 」に該当し、右側には「変更あり」となってますので、普通に考えると、パネルの増設と一緒で、FIT事業のとん挫、という形になろうかと思いますが、「※4」に何やら書いてますので、見てみましょう。
「※4 太陽電池の合計出力が発電設備の出力よりも大きい場合かつ、自家発電設備等が蓄電池の場合であって、当該蓄電池を PCS よりも太陽電池側に新設又は増設する変更に限る。また、当該自家発電設備等が電気事業者に供給する電気の量を区分計量できる場合であって当該電気を特定契約によらないで供給する場合を除く。」
フムフム。ゴチャゴチャ書いてますが、当方の理解としては、「蓄電池をパワコンよりもパネル側に設置するのは事業とん挫だけど、パワコンよりも電柱側に設置するのはオッケー」と、どうやら書いてあるようです。
コレはどーゆーことかというと、簡単に図にしてみましょう。
当方の蓄電池発電所はパターン?@に該当するんですが、この形であればピークカット分をうまく蓄電地に流す事ができ、発電量の最大化が見込めます。当然FIT申請の際に所定の手続きを踏んだ上で事業開始したんですが、コレを事後的にやると、後出しジャンケンで利潤が得られ、FITの理念から外れるのでNGですよ、というお話です。一方、パターン?Aの方はピークカット分はパワコンの方で絞られてしまうので、相変わらず捨てられてしまうことになります。なので後出しジャンケンではないのでOKですよ、というお話になります。普通に考えるとこの構成にしても何も旨味は無いんですが、例の出力抑制のことを考えた場合、パワコンの制御が上手くできれば、抑制が入った場合のみ、蓄電池に電気を滞留させ、抑制が解除された瞬間に蓄電池から逆潮流させる、というコトも技術的には可能にできる気がします。
ということで、久々に長文になってしまいましたが、ご質問の答えを書くと、、、
「蓄電池をパワコンよりも電柱側に設置するのであればどうやら大丈夫そう」
という感じになります。ただ、大丈夫そう、と書いたのは、、
「パワコンに抑制指示が入った瞬間に電気の流れを蓄電池に切り替える」
という部分の技術的な検証が必要です。
結果、「できない」という形になる可能性もございます旨、ご了承ください。
ということで、蓄電池の事後設置について、イロイロ書いてみました。
もしご興味ある方は当方の蓄電池業者に見積や技術検証をさせてみますので、tokyonomadclub@gmail.comまでご連絡をお願いいたします。
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※編集後記※
当方の個人的な観測としては、再エネの主力電源化というお話は鉄板であり、出力抑制は今後徐々になくなっていくのでは?といった楽観観測を持っております。再エネ電気を捨てるなど、明らかに時代に逆行していて、世界から笑われちゃいますからね。
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PCS含めて、50KWを超えて、高圧扱い、さらには、出力の増加の変更になりますので買取価格の変更で事業的にアウトです。
ちなみに、余剰に切り替えて、マイニングマシン用の蓄電池なら逆潮流ないんでOKです。
電力を貯めずに他を生成するのはセーフですので。