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初めましての作家さんだと思い込んでいましたら「楯岡絵麻」シリーズの作家さんでした。ということで、『連弾 』を読みました。都内の公園で死体が発見されます。被害者は前日近くのホールで行われたクラッシックコンサートに来ていたが、途中で会場を後にした客であることが判明。捜査一課の音喜多と音楽隊志望でありながら、未だに転属させてもらえない所轄の刑事鳴海が事件の解決に挑む。ベートーベン好きにお勧めです。マニアックなネタが散りばめられています。まぁ、これが一つの楽しみ方になります。が、メインの楽しみ方は、点と線がつながっていく描き方でしょうか。この物語、案外早くにというか、最初の時点で犯人はこいつだろうということは想像できてしまいます。で、その犯人の周囲に幾つかの人物が現れるのですが、それがどのようにして犯人とつながっていくのかというのが、過去と今を交錯させながら描いています。これが、なかなかこの作品の内容と上手くマッチしていて読みながら、なるほどねーーーと膝を打つ感覚。しかしです。この犯人、ほぼ天涯孤独のような環境にありながら、あそこまで自分の力でのし上がれるのか(もちろん、途中で他人も巻き込むのですが、巻き込むのも犯人自身が巻き込んでいく)はなはな疑問。とりわけ、成人してからあのように上手くいっちゃうのだとしたら、これは彼の過去の生育環境よりも、そもそも実はサイコパスだったのではないかと穿った目で見てしまいました。が、音喜多と鳴海のペアは面白くて好感持てたので、是非シリーズ化を望む!にほんブログ村
2021年09月28日
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本屋さんで平積みになっていたので、気になり読んでみました『薬も過ぎれば毒となる』。シリーズ名「薬剤師・毒島花織の名推理」。毒島さんは病院内の薬剤師ではなく、身近にある調剤薬局の薬剤師さんです。毒島さんのところに処方箋を持ってきた水尾爽太が1か月も薬を塗っているのに治らないという話をたまたましたところ、彼女は処方箋と彼の話から、一度病院を変えてみた方がいいという助言をします。それがビンゴで爽太は誤診されていたというところから二人は急接近……て程ではないのですが、何かと二人の周囲でこのような感じの緩い事件が起こります。それを毒島さんが解決するわけなのですが、このシリーズの面白さは毒島さんが語る薬の蘊蓄。代替療法の話もあったり、化学式が入ってくるような内容まで盛りだくさんです。薬ってかなり身近にありますが、病気のことよりも知らないことが案外多い。病気にかかると、その病気のことについては調べて、どんな薬が効くのかというところは分かりますが、その薬がどのように合成されているかとか、他にどのような効果があるかとか、知らないことが多いと思うのです。それが、この物語を読むとその辺りも分かってくるのです。好奇心をくすぐられるというか。現在、3シリーズ目まで出てるので、わくわくしながら、その続きも読む予定♪にほんブログ村
2021年09月25日
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「工学部ヒラノ教授」シリーズは通算何冊目になったのか定かではなくなりましたが新刊『工学部ヒラノ教授の傘寿でも徘徊老人日記 』を読みました。筆者自身、このシリーズ、何度も同じことを書いていると語っているのですが、今回は毎度おなじみの内容は少なくて、独居老人の生活をつぶさに書いていらっしゃいました。毎朝4時に起きて軽く朝食をとり、5時過ぎには散歩用の身支度を整えて、ウォーキング。その帰りにスーバーによって買い出しをし、帰宅後新聞を読み、ラジオ体操をして執筆活動。午後からは映画を観たり(DVD)読書をして過ごし、夕方軽くウォーキング。その後は夕食を取り、テレビを観たりして、20時には就寝という一日を過ごされているらしいです。起床と就寝時間はさることながら、私もこのようなゆったりとした生活をしたいものだなあと思うわけです。もちろん、今も午前中は仕事に行き、帰宅するとすぐ息子の病院。午後からは息子と一緒に昼寝という外から見ればのどかな生活を送っていることには間違いないのですが、やはり息子の介護がぴったりとくっついておりますので、外から見るほどは穏やかではありません。何せ、息子の投薬時刻に合わせての起床、就寝となりますし、何よりも夜中に頻繁に起きる息子のケアが毎日襲ってきます。(と書けば、息子は人間のように見えますが、息子は猫です。でも、このような介護生活となります)とは言え、教授も望んでこのような状況になられた訳でもなく、何分にも遺伝性の難病を奥様は患い、亡くなられたということが大きいことは念頭にいれていなくてはなりません(同様の病気で娘さんもすでに亡くなっておられます)。それでも、追われることなく、読書をして映画を観て、それを文章という形でアウトプットできる傘寿に私がなれるかというと、確率的に20%。まず、アウトプットできる能力が欠落しているかもしれませんし、インプットすらできない体力になっているかも。それでも、やはりこのような生活を目標としてしまします。本書の後半では亡くなった娘さんのことが書かれています。これまでのシリーズでも書かれていたのですが、今回がいちばん長く書かれているかも。また、娘さんは亡くなるまで自分自身の手記を書き綴られていたそうで、次回はそれを含めて新刊としてどうも刊行されるみたい。娘さんが自分自身の生い立ちと病気について語っているのか、ヒラノ教授とはまた違った視点でヒラノ教授を取り巻く環境も綴られているのではないかと思うとちょっとドキドキしながら楽しみでもあります。そして、まさにあとがきには本書を脱稿した直後、持病の大腸壁室の出血を起こし、入院した顛末も書かれています。わずかなページですが、この病気に関してのことが少しでも分かり、病の不思議さを改めて学ばせてもらうのでした。にほんブログ村
2021年09月22日
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木下明美氏Blog内「kimuraの読書ノート」を更新して頂きました。(9月18日の記事)今回取り上げることになった『9月1日 母からのバトン 』は何も気に留めずに数か月前に図書館で予約して、手元に来たのが8月の下旬。タイトルとなっている「9月1日」と読む時期が偶然にも重なり、よりしみじみと感じながら読んでしまいました。今更ながらなのですが、樹木希林さんは娘「内田也哉子」さんを産み育てた功績は「親」という存在を超えたものではないかと感じます。それを丸ごと真摯に受け止め、更にそれを自分自身の糧にし、社会にも還元しようとする也哉子さん。決して、両親ほど派手さはないですが、彼女は両親の「光」を背負いながらも、決して重荷には感じていない、そのような姿も本書を読んで感じました。にほんブログ村
2021年09月18日
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柴犬及び日本犬の専門雑誌『Shi-Ba (シーバ)』の創設期から100号発行までを追いかけたルポタージュ『平成犬バカ編集部』を読了。窓際に追い込まれた編集者井上さんが、着手したのが、この雑誌。これまで自分の専門分野ではなく、我が家で飼っている柴犬がただ可愛いというだけの理由で企画し、何とかプレゼンを通過したものの、この雑誌にかける宣伝費はゼロ。それでも、口コミで読者が広がり、100号まで。もうね、笑えるのが、何分にも井上さん窓際に追い込まれた人なので、スタッフも自分で探さなけらばいけない訳ですよ。で、集まった人たちが、井上さんと雑誌に影響され、続々と柴犬を飼っていくというのが、この雑誌の雰囲気を表しているようで、くすりと笑ってしまいます。前半は井上さんのピンチの話が出てくるのですが、全般的に雰囲気はのほほんとしたエピソードです。しかし、侮ってはいけません。動物系のルポを書かせたら、右に出るものはいない(と私は思っている)著者ですから、現在のペットに関わる社会状況などを的確に示しています。そこにはかなり厳しいことも書かれています。表紙のイラストからイメージする内容半分、そこからは想像できない厳しさもきちんと併せ持ったルポタージュに仕上がっていて、読みごたえは抜群です。でも、犬バカは大切!(私は猫バカですけど、気持ちは十分に分かります)にほんブログ村
2021年09月13日
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ここ数年、新聞でも児童相談所にまつわる記事を目にすることが多いです。その多くが、児相のミスだったり、失態だったりを扱うものが多く、正直そこまで児相はやっていることがめちゃくちゃなのかと思ったりしますが、私自身、以前の職場で児相と関わったこともありましたので(何せ、今も昔も子どもに関わる仕事をしていますので)、新聞の記事に掲載されることってどこまで正確なのだろうと思ったりもするのです。で、先日『ジソウのお仕事』という本が出版されていることを知り、手にしてみました。この本秀逸です。児相関連の本の多くが、データを多く掲載したものだったり、一般論的な児相の仕事が事務的に書かれたもがほとんどという印象だったのですが、こちらは50の子どもたちの事例を1つ4ページほどに書かれていて、その中で職員はどのような対応をして結果がどうなったのか、どう考えたのかというものが綴られています。イメージ的には日記。この50がどれ一つ同じ事例がないんですよ。目も当てられない環境に置かれている子の多いこと。そのような中で奮闘しても上手くいかないケースもてんこ盛り。そこも赤裸々に書かれています。このケースを読んでいると、そりゃ上手くいかないことの方が多いわと納得してしまいます。いや、上手くいかないことを奨励しているのではありません。それくらい、根深くて、数日で解決するものではないことがよくわかります。子どもによっては親の代から児相とかかわりのある家庭もあり、その家庭の歴史が児相の書類を読むと一目瞭然というケースも多々。で、ここで分かることは、児相にはその家庭の個人情報が満載なわけです。児相に子どもが関わっていながらも、子どもが虐待死してしまうケースでよく児相の所長さんが記者会見を行っていますが、たいてい、しどろもどもの会見となり、記者の人たちにたたかれています。いやーーー、しどろもどろになるわ。世間一般の知りたいことを会見で話すとなれば、その子ども及び家庭の個人情報を話さなければならなくなり、そうすると個人情報が守られなくなるわけです。そこの家庭の状況をぶちまけるわけにはいかないですものね。本書を読むとそれが一目瞭然です。この本は個人情報が特定されないように、様々なケースを組み合わせて特定されないように脚色されているから、刊行できるわけで、でも、それは全て嘘ではなく、現実の出来事なのです。しかし、記者会見はすでに個人名は特定されているわけなので、それ以上の家庭状況を話すことはできません。脚色するとそれこそ事実とは反するわけですし。これは、かなり児相にとっては悩ましい問題であり、課題なのだろうなと思います。自治体もこのような記者会見向けにアドバイスする専門家を児相に投入すればいいのにと思ってしまいます。とまぁ、そんなことを様々なケースを知れば知るほど思ってしまうわけです。それと同時に子どもを取り巻く環境は今も昔も決していいものではなく、ただそれでも日本が何とかかんとか子どもの権利条約に批准し、「虐待」という概念を持ったことにより、表に出てくる「虐待」が増えたことは、子ども達にとっては良かったのではと思います。にほんブログ村
2021年09月11日
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作者の櫛木理宇さんは私の中では気になる作家さんの一人です。そのため、ぼちぼちと出会った時に読み進めています。この作品『死刑にいたる病 』は、先日とある記事で映画化されるということを目にしました。しかも、監督が「孤狼の血」の監督!それは善は急げというもの。偶然にも友達が持っていましたので、借りて速攻読み。かつて近所でパン屋を開いていた店主が連続殺人で逮捕。調べによると20人以上を殺したのだが、立件できるのは9件。その店主が大学生筧井雅也に1通の手紙を送る。その内容は立件されたうち8件は自分がやったことだが、最後の1件は自分で殺したものではない。この1件については冤罪なので調査して無罪を証明して欲しいというものであった。雅也はそれを受け、彼の過去を探っていく。この作家さんのすごいところは一人にスポットライトを当てるだけで、その何代か前まで遡った複雑系の負の連鎖を楽々とあぶりだしていく点です。しかし、内容はかなり重たい。なのに、素人の私からみればひょうひょうと描いているようにも思えます。一部には彼女の作品はホラーとカテゴライズしているところもありますが、全くホラーじゃないんですよね。普通の日常を送っているとあまり表にでない部分なだけで、けっこう社会問題にもなっている内容ではあります。で、今回は私としては「犯罪心理学」的な内容だなと思いました。しかも、最後まで。大風呂敷を広げるのではなくて、この作品に関しては徐々に風呂敷を広げていくような感覚。そして、最後はなるほどと思わせてくれました。犯罪を犯す人の一つのパターンなのだなと。これを白石監督はどのように映像化していくのかかなり興味あります。そもそもこの作品で行われた殺人もかなりえぐいです。「孤狼の血」のようにまんま、しかもズームアップして映すのか、オブラードに隠すのか、そこからして注目すべき点かも。来年公開されるらしいですが、観に行きたいなと思っています。にほんブログ村
2021年09月09日
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このミス大賞は逃したものの、隠し玉ということでデビューとなった高野結史さんの『臨床法医学者・真壁天』を読みました。法医学は分かりますが、臨床法医学って何ぞやということですが、生きている子どもの体の傷やあざを診断して、それらの外傷が虐待からつけられたものか、否かを判断するようです。もちろん、主人公の真壁天はただの法医学者なのですが、上司である教授が児相からこのようなことをやってくれないかと懇願され、それを真壁にふって成り行き上やることになったという設定です。この物語の殺人は全て首つりとなっていて、それがもちろんキーワード。そして、なぜか彼がかかわった案件の関係者が被害者となっています。エンターテイメント的に面白かったですが、伏線的なことが案外分かりやすく描かれていたので、犯人やら、その他の謎めいたところが、途中で分かってしまいました。ただ、そこを心理学的なことを含めてうまく最後畳めたなという印象。雰囲気的にはこれはシリーズ化になるのかもと軽く期待。次回作を楽しみに待ってます♪にほんブログ村
2021年09月06日
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矢部太郎さんの新作『ぼくのお父さん 』を読みました。今回はオールカラーです。でも、色調がとっても淡くて、目にも優しく違和感なく読むことができました。私の場合カラーだと、色合いによっては目に刺激が強すぎて読みづらくなることがあるのです。そのため、コミックの場合はカラーなしの白黒がいちばんいいんですけどね。しかし、今回は全く問題なく、逆に矢部太郎さんのほんわか筆力にマッチしていた位。これはおそらく編集者さんのGood job !タイトル通り、作者の幼い頃のお父さんの行動をコミックにしているのですが、芸術家だからでしょうか。あまりステレオタイプ的に見てはいけないとは思いますが、お父さんの言動には突っ込みどころ満載です。そこを作品にしているのですが、一読者としてもお父さんにはかなり突っ込みたくなる位ですから、当事者は突っ込むというよりはかなり振り回されたのかもしれません。印象的だったのは、お父さんがサラリーマンでないことを上手くお友達に説明できない作者。毎日自宅にお父さんがいることを幼心に引け目すら感じていたようですが、お友達たちの反応が「毎日いていいなーー」というもの。小学生の頃はまだ父親というのは疎ましく感じる手前。逆にもっとそばにいて欲しいという一般論としての子どもたちの気持ちがそこには当たり前のようにあり、描かれ、そしてすーーーと読んでいても心に入っていき、ほっこりするエピソードでした。突っ込みどころ満載のお父さんの奇行は読んでもらってからのお楽しみということになりますが、お父さんの奇行が多すぎて、父、息子の軋轢ってあまりなかったのかもと思うと大人になっている私としてはちょっと羨ましい感じがしました。にほんブログ村
2021年09月05日
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木下明美氏Blog内「kimuraの読書ノート」を更新して頂きました。(9月2日の記事)先日映画『孤狼の血』の感想をつらつらと並べましたが、もちろんノベライズ版も読みました。今回はそのノベライズ版『小説 孤狼の血 LEVEL2』を取り上げています(私が読んだのは紙の本です)映像では目を伏せてしまった部分も文字だとかなり緩和されてじっくりと味わうことができます。そして、再度自分のペースでこの作品を読むと様々なところに広島の歴史を深堀されていることも分かりました。その象徴がやはり上林とチンタ。つまり、日岡はこの意味においても負け戦ということになるんだーーー、ふむふむ。にほんブログ村
2021年09月02日
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