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2008年12月08日

再開直後のスワンナプーム空港

(8)

カテゴリ：スワンナプーム空港閉鎖

「夜中はベンチで斜めに傾いて爆睡する頼りないガードマン」に、「タクシー通らないからよんで！」と初めて頼みごとをしてみた。よだれを拭きつつ、やつはこう言った。「カッポム！（かしこまりました！）。パイ、ティナイカップ？（どこに行くのですか？）」

おいら胸を張ってこういいました。「サナームビン、スワンナプーム（スワンナプーム空港）！」

ガードマンは「ディアウニーーー？？？？？（今？？？）」

ええ、今です。今ですよ。あんた。

へたれガードマンのよんでくれたタクシーもやる気ゼロの人で、スワンナプーム空港と聞いて時計をちらり。しかたがねえなあ、という顔で、こくりと頷いてくれた。知らない人に言っておくと、タイのタクシーってば、乗車拒否当たり前。自分の仕事終わりに自分の帰りたい方向に行かないと、平気で断るし、お金になるのに渋滞する道には行きたくない。

んでもって１４０キロ代を普通の道で常にキープしながら、車は２０分で空港へ。
あのう。。。２０分で着いちゃうなんて。あんた。

閉鎖前との唯一の違いは途中で警察官の検問があったこと。「おおっ！頼むよあんたたち、もう二度と空港を簡単にのっとらせんじゃねーよ！」・・・って運ちゃん舌打ちしてるぅうう！それくらい協力しなさい！
しかしおまわりに緊迫感はまったくなく、全員、にっこりと微笑んでくれた。それだけ（脱力）？？？？

そして圧倒的なブルーの光をまとった美しいスワンナプーム空港が見えてきた。いつもは帰国前、この光を見ると「かえりたくねーよー！」と泣けてくるのですが、今日の光はものすごく力強い。「生きてる！おれ、生きてるぜ！」って強烈なアピールが感じられちゃう！

んで、この運ちゃん、間違って出発ゲートへ送り届けてくれまして、しかも国内線でおりちゃったあたし。まあ、まだ時間がある。そう思っててくてく歩き始めると、これも閉鎖前とは違って「どこにいくんですか？パスポートを見せてください！」と空港のガードマン！

うっ！そうですね。ちっちゃな小バックひとつでがらんがらんの出発ゲートに降り立っていきなり国際線に突っ切ろうとしたアタス、止められて当然です。

「友達、迎えにきたんだよー！国際線の到着ゲートに行かせておくれーーー！」
念のために持ってきたパスポートを見せると、タイ人特有の百万ドルの笑顔で通してくれた。ありがとう。

それにしても・・・人が少ない。少なすぎる。
全てのフロアががらーんとして、売店のねーちゃん鼻くそほじってる。

うーん、その売り場のぬいぐるみ、買いたくないからね。そして、今日から再開っていう緊張感もゼロ。
客がいないのをいいことに、みんなだらーっとしています。今すぐあたし１人でも占拠できそうで恐い。

みんな！今日から再開なのよ！張り切るのよ！そんな願いは消火器で消されてしまいそうだ。

で、約束のＣ出口で待つ。

が、全面再開とはいえ、飛行機は全面ウエルカムではないどころか、まだほとんど来てないのが現実で、あたしがひたすら待ってる間、ちょろ、ちょろろ、と空港職員しか人が出てこない。
いつもこの到着ゲートは何時だろうが人がごった返していて、ものすんごい活気なんです。信じてください。

しかし、成田を１０分おくれで出たＡＮＡ、到着のサインは出てるけど、まだなんの人の気配もない。暇なのでうろちょろしていると、職員、売店店員、銀行の人の目が、全部あたしに来る。

まあ、美人なのはわかっているので、みんなそんなに見る気持ちはわか・・・ぎゃーっ、今さされた気がする。ってかこのフロアにあたしと職員しかいねーんだもん。

暇で死にそうになりかけた頃、Ｂ出口の方から、スーツに、冷え性のせいか、レッグウォーマーという、冬場のある人物特有のスタイルが近付いてくる。
毎日会ってたＳたん。しばらく会わないうちに、髭が生えたり、アフロになったり、身長が５メートルになってないかな？と思ってたけど、あの格好は世界に１人しかいないだろう。Ｓたんだ！間違いない！
思わず、泣きそうになって走り出す、あたし、むこうも「あっ！」という顔で走り出した。

「きたぁあああああ！よくきた！よくきたーーー！」

はっきりいって天然の性格がなければ、美人の自覚があれば、絶世の美女としてもてはやされているはずのＳたん、まるでドラマのワンシーンのようにわめきながら（ドラマはわめかない）駆け寄る二人に、空港職員の目はほぼ全員、点。

いやー、この瞬間をどれだけ待ったことか。
「飛行機が、飛行機がゆれて、死ぬところだったんですよ！」と再会の喜びより飛行機の恐怖をひたすら話すＳたんと、「空港が、空港が開かないかと、思ったんだよ！」と閉鎖の間の悩みをひたすら話すあたし。・・・あいかわらず話し始めてしばらくかみ合わないこのテンポは３ヶ月会ってなくても全くかわんなかった。

というわけで、無事、再開直後のスワンナプームにて、親友を迎えたのでした・・・。

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