バンコクに戻ると、必ず会わなければならない、と思う人がいる。友達、先生、いろいろいるけれど、あたしはまず初日と、最終日にネイルをするのが、タイ滞在での決まりになっていて・・・結局一番真っ先にあの女に会う運命になってきている。
タイ人お嬢Tから「あそこが一番安くて上手」と言われて教わってから、ずーっと通っているお店、さらに、がりがりにやせた、異常にワイルドで、めちゃくちゃ 無愛想なネイリスト、アネゴ については時々こちらで紹介してきたので、読み覚えのある人もいることでございましょう。
そう、あたしは、あの女に、爪を美しくしてもらいたいのでございます。
しかしこれだけ訪ねても、運が悪くも良くも、必ずアネゴにあたってしまうあたし・・・一度も彼女のお休みにも当たったことがなく、居るものだと考えて行ってるけど、大丈夫なのかしら。
あたしったら生き返って初のバンコクでの彼女との再会になるので、あの三白眼でにらまれることが、実はなかったのかもしれないと思うと感慨もひとしお。わくわくしながらボナンザモールのお店をのぞくと・・・あ、あれ?
アネゴが居ない!
あの恐そうなノーメークでがりがりにやせた、言っちゃ悪いけど野ザルのような風体の人が居ない。仕方がないので店先のショートカットのメイクの濃い目のおねーさんに声をかける。その時、よっしぃは気がついた。
その 化粧濃い目のおねーちゃんが、アネゴ だということを・・・。
明らかに昨年よりふっくらとして、ピンクを基調にしたメイクを施し、絶対に昔は着なかったであろう、花柄のふりふりのスカートをはいているじゃないか。
だがしかし・・・ 「ぎろっ」と睨む鋭い眼光、そして、有無を言わせず顎をしゃくって座らせる芸当はほぼ同じ。 間違いない、こいつだ。思わずよっしぃ、言ってしまいました。
「たっぽむちゃいまい?(髪切った?)」
あたしゃタモリか?
「あ?」
あたしの発音を聞き取れなかったねぇさんは、ものすんごい恐い目であたしをにらむ。ひぃいいい。しかしよっしぃはめげない。
「た、た、た、たっぽむ、ちゃいまい?」
険しい表情をしていたアネゴはしばらく硬直していたが、急に表情をほころばせ「こくん」と頷いた。
おおー!なんだ、あんた。女の子じゃないか(元々女だけど)。さらに覚えていてくれたのかもう、この店の勝手を知っているのだろうと、ずらりと並ぶマネキュアから「あんた、どのピンクにするの?選びなさいよ。あたしゃこれがいいと思うんだけど。あ、それ、取って!」・・・と言いように使われるのであった。
塗り始めてきがついたけど・・・ すげえピンクだな(涙)。 タイと、古いアメリカの映画の女優さんの口紅でしか見たことがないよ、こんなピンク。今更「あ、やっぱりやめた」とも言えず(アネゴが恐いから)小刻みに震える。今回は失敗だなあ・・・。
そして気になるのは・・・ アネゴ、すごく携帯を気にしている。
しかも何度か自分からメールしたり、かけている。仕事中にこんなことする人じゃなかったんだけど・・・メイクといい服装の感じが変わり、なんか表情が女の子らしくなったことといい
あんた恋をしているね!
なんだか・・・ちょっと嬉しくなった。あんな凶暴で女の子らしさがなかった女の子が、ちょっとふっくらした、女の子フェロモン持ったかわいらしい女の子になっちゃうんだもの。やっぱし恋の力ってすごいんだね。うんうん
・・・え?ねぇさんどこいくの?しかも携帯持って。
「あたし、トイレいってくるから!」
「・・・」
下地のピンクが乾くまで、どうやらあたしは放置らしい。うーん、さすがドSだぜ。ねぇさん。
しばらくして出勤してきた初お目見えのオナベ系ねえさん、この店に昔からいるゲイキャラにぃさんも店先で、スタッフが一人も居ない状態で放置されている一人の客を見て驚愕!
オナベ「ちょっと●●はどこ行ったの!?」
隣の店の人「さあ?」
オナベ、怒り心頭で首をかしげている。この人は仕事に厳しい人のようだが、確かにスタッフ一人も居ないの客を残して居なくなるのは、凄いことだと思う。
よっしぃ「トイレに行ったよ。」
オナベ「あらー・・・ごめんなさい。今他のスタッフがやるから。」
よっしぃ「大丈夫。待てます。」
しかしあたしも、このねーさんと、この店に慣れたもんだなー・・・(笑)。昔だったら「ふっざけんな!」って感じだと思うんだけどさ。いや、なんだか携帯片手に「トイレ」と嘘ついていそいそ出て行くかわいくなったアネゴを応援したくなっちゃってさ。
そいでもっていそいそ戻ってきたアネゴは誰にも謝ることなく(爆笑)作業開始。そして今日もこれから食べるであろう、ランチの話に夢中だ。
このお店の人は、屋台で自分たちでもろもろのランチや麺を、ビニール袋似いれた状態で買ってきて、お店においてあるお皿に移して食べるんだけどね・・・お店の壁にかけてあるフックにおかずを引っ掛けて作業するの。で、微妙にその位置が、顔のそばにあって、たまにあたるんだよね(爆笑)。 あたしなんざ一度、生暖かいウクイティオのスープが頭にずっとのっていたことがあるんだから(自慢)。今日も微妙にガパオがおでこにぴたぴた当たるけど、まあいいか。
しかし出来上がったネイルは・・・さすがアネゴ。ひどくどきついピンクを選ばれたと思ったけど、シルバーのラインに黒を乗せるので、ぱきっとしたピンクのほうがメリハリがあっていい感じ。それなりに黒で落ち着いた。ふぅ、良かった。
この日はなんだか和やかな雰囲気だったので、いつも言ったらぶっ殺されそうなので言わなかったけど・・・おずおずと言ってみた。
よっしぃ「あ、あのう・・・写真撮っても・・・いいでげすか」
アネゴ「たいるーぷ(撮影)。ぎゃははは!おーけー、おーけー」
えー、いいんですかアネゴ!しかも何気に髪とか整えちゃって、やっぱす女の子でげすなア。
というわけで・・・隣のもろにヤンキーなねーさんも一緒にぱちり。
左がアネゴ。表情が柔らかくなって、すごいなあと思ったよ。しかし右のねーちゃんはなかなかのやさぐれ具合。
この店、いいなー。いわゆる「スパでネイル」「素敵なネイルスタジオでリラックスしながら」なんて嘘みたいな硬い丸い椅子ですごさなきゃいけないけど、これぞタイ。お客さん同士で「あ、その爪いいね」なんて話にもなるし、ほんとタイらしさ爆発。また会おうぜ、アネゴ!
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