一代かけての勝負をする
勘八は用心棒の南郷と大勢の子分を連れ弥陀ヶ原に集結しおもんを待っています。弥陀ヶ原の果し合いに行くおもんは、政吉達と半次郎が通るのを待っています。
半次郎は、一人足の向くままに旅に出ようと 街道を行く途中おもんの姿を
見て一旦立止まり躊躇しましたが、通り過ぎようとしたとき、 おもんが「半次郎さん」と声を
かけてきました。
呼び止められては、草間の半次郎、おもんに未練があるのですから立止まります。
おもん「一言、 一言だけお別れを
言おうと待っていました」
半次郎はおもんのほうを振り向きません。
おもん「 さよなら、達者でお暮し
」
半次郎はそのまま行こうと思いましたが、 振り返り政吉に言うのです
。
半次郎「政吉さん、悪くとっておくんなさるな。おれは、おもんさんと口をきかね
えと約束した。したからには俺の性分で、約束通りにするほかねえが、
・・旅のどっかで風の便りに、金平さんの跡目がたったと聞きゃ シンから
俺は喜ぶぜ
。・・・短気を起こさず無理をせず、 巡る時節を待ちなせい
」
おもんの気持ちを知りながら行こうとする半次郎に宗太が「後で後悔するような強情は・・」という言葉に、例の通り「うるせい」と行ってしまいます。
藤五郎と宗太は、上諏訪宿で落ち合うように半次郎に言い、おもんと政吉についてゆきます。途中、おもんと政吉は、昨日甲州屋勘八に果たし状を付きつけ、今日これから弥陀ヶ原で勝負をする、ということを藤五郎と宗太に言うと分かれて行きます。
そのことを聞かされて、藤五郎は、乗り掛かった舟だ、とおもんについて行くことに、宗太は半次郎に知らせるとひき返し走って追いつきます。
宗太 「半次郎さん、待ってくれ・・・早く、早く行ってやっておくんなさい。
おもんさんが弥陀ヶ原というところで 甲州屋一家と果し合いだ
」
半次郎「 なに、果し合いだと
」
宗太から事情を聞いて、
半次郎「そうかい・・ そうだったのかい
」
そう言うと、 三度笠と合羽を捨てて、走って行きます
。
おもん達か危うくなってきたとき、「待て待てーっ」と半次郎がかけつけました。
勘八の「誰だ、てめえは」に「やかましい」という半次郎。
来てくれて嬉しいと近寄るおもんに、
半次郎「おっと、喜ぶのはまだ早えや。 おれは、おめえのためにやるんじゃねえ
、
非業に死んだお藤さんを行くところへ生かしてやりてえから、 こうやっ
て命を張りにやって来たんだ
。・・・やい、浮世あぶれたこの草間の半
次郎が、お天道様の真下で、 一代かけての勝負をするから
、覚悟しろい」
用心棒の南郷がかかって行き、 (
立廻りとなります )
斬って斬って斬りまくる・・胸のすく大立廻りです 。
(
ロケの川原とスタジオセットが交互に斬り替わっての大立廻りとなります )
南郷を倒し勘八に止めを刺し、政吉、藤太郎、宗太が半次郎に駆け寄りますが、おもんは遠くから半次郎の様子を伺いながらお礼の頭を下げます。半次郎の表情には笑みはありませんでしたが、二人の間には何かが通い合ったのでしょう。おもんが明るい笑みの顔になりました。それを見て半次郎達に晴れ晴れとした笑顔がみえました。和田山の家も政吉、藤五郎、宗太という子分が、おもんを守っていくので、半次郎も安心して旅にまた出かけるようです。
(
ここから三波春夫さんの「おしどり道中」 3
番が流れます )
♪馴れた草鞋も日暮れにゃ緩む ましておしどり二人旅
♪聞いてくれるな草鞋のことは 何処で解こうと結ぼうと
( 最初は歌のように、弥陀ヶ原から峠道を半次郎とおもんのおしどり姿があった、という脚本だったようですね・・・見る方からすると二人が一緒にというハッピーエンドがよかった ? 、それとも旅に出るが、また和田山一家に草鞋をぬぐときに一緒になるかも・・と含みを持たせてのこのラスト・・と考えて、半次郎とおもんが幸せになることを願いたいものです )
( 完 )
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