頭領だからこそ行くのだ
寿賀も鹿門に驚き
、 鹿門は目のやりどころに困り
、 急いでそこから立ち去ろうと
したとき、
寿賀が「鹿門様」と呼び止めます。 寿賀のほうを見た鹿門
に、「さっきは有難う、 すっかり元気よ
」と明るい寿賀に何もいえず、恥 ずかしそうな表情をして行こうとする鹿門
に、寿賀は「待って・・いま行くわよ」と声をかけます。
二人は 楽しそうに歩いています
。
鹿門「そなたは 何でもできるんだなあ
」
寿賀「男勝りのお転婆といいたいんでしょ」
鹿門「いや、褒めてるんだよ」
鹿門「妹の小静も泳ぎが上手かった」
寿賀「お可哀想に・・・早く見つかるといいのにね。・・・ でも
、小静さんが見つ
かったら、鹿門様は 堺に帰っておしまいになるんでしょ
」
鹿門は笑みを湛え
鹿門「・・・ 俺が帰ると思うか
」
といった鹿門に寿賀は嬉しそうに、
寿賀「 帰るような人だったら
、・・ もう
、 めっちゃくちゃに
・・・」
と、鹿門に寄っていくと、鹿門のほうも寿賀がすがって来るのをうれしそうによけながら、
鹿門「ほれ、 また激しいのがはじまった
、・・・ さっき褒めたばかりじゃないか
」
寿賀「・・・あたし・・・鹿門様に、もう・・・意地悪いえなくなっちゃった」
そのとき、鹿門は何かに気づいたようで、さっきまでの表情とは違い、 険しさのある顔で寿賀に寄って行きます
。
そして、 寿賀を見つめると
、
鹿門「 寿賀さん
・・・・・」
そういうと、寿賀を押し倒します。寿賀は「なにすんのよ」と 突然の鹿門の行為に驚きと抵抗します
と、鹿門が寿賀に「見ろ」といった方向の木に矢が飛んできたのです。
二人は急いで安全なところに 身を隠します
。そして、鹿門が短刀を木の茂みに向かって投げますと、地面に咲いている花に 血が垂れ
、 太鼓の音が
聞こえたかと思うと 死体が落ちてきました
。周りを見て逃げます。太鼓の音が遠く鳴り響くなり響き、新蔵人、黒白斎はじめ八幡船の乗組員達は、バランガ族に囲まれていることがわかりました。
翌日、バランガ族が獰猛な土人だということを黒白斎から聞いても、
鹿門「俺は、 何としても行く
」
頭領の鹿門に万一のことがあっては、という黒白斎に、
鹿門「いうな。 頭領だからこそ行くのだ
」
新蔵人は、修理の材木がなくてこれから先の航海をどうするのだ、といった 鹿門が気に入り一緒に
行くといいます。
「 舟を出せ
」と鹿門がいいます。
続きます
。
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