生涯を、八幡大菩薩の旗の下で暮らすのだ
そして、その大砲の音を聞き、対岸に待機していた 鹿門は
「 いまだッ
」というと、
鹿門「 それッ
」
といい、先頭で海に飛び込みます。
青影丸、住吉丸の攻撃に気を取られている間に、 泳いでニセめくら船に乗りこもう
というのです。
帆をあげている船員に気がつかれたので、鹿門は「 潜れ
」と指示します。 海中めがけ飛んでくる銛をかわし
ながら
船まで近づくと、 投げたかぎ縄を伝って船
に上ります。
ここから、双方入り乱れての 船上での立廻り
になります。青影丸や住吉丸が応援に来ると新蔵人の名を呼ぶ鹿門がいました。寿賀、与太夫、も応援に右衛門太夫の船に斬り込んでいきます。
大混乱のなかでの、 鹿門と右衛門太夫の一騎打ち
が始まります。色んな手段でかかってくる右衛門太夫に応戦する鹿門。右衛門太夫は剣を振り払らわれ追い込まれ、鉄砲を鹿門にむけますが、新蔵人により鉄砲も蹴落とされ、帆柱に上って行きます。鹿門は 蹴落とされそうになりながらも
、右衛門太夫が 上りきったところで
一刺
し、仇を討ちました。右衛門太夫は海へ落ちていきます。
小静と五兵衛は助かり、 無事会うことができました
。
澄みきった青空のもと、八幡船団は帆にいっぱいの風を受けて、 一路目的地に向かって進んでいきます
。
めくら船の先端に、大海原をじっと見つめている鹿門の姿があります。 寿賀が鹿門に近づきます
。 鹿門と寿賀のにこやかな表情がとても素敵
です。
寿賀「とうとう、海の男、 八幡船の男になってしまったわね
」
鹿門「寿賀さん、俺は入道殿や父君の意志を継ぎ、 八幡船の頭領として働くぞ
」
寿賀は 優しく鹿門を見つめます
。
鹿門「・・・ 生涯を
、 八幡大菩薩の旗の下で暮らすのだ
」
そういって、 風になびく八幡大菩薩の旗を見あげる鹿門
の顔には、海の男の力強い誇らしさが溢れています。
(終)
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