たからくんが大人になるまで生きていたい日記

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2007.05.24
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カテゴリ: 家族




 喪主の夫がいて、次に姑が「故人の妻」として居て、
そしてその横に私が「喪主の妻」として居て、その横に宝良ちゃんがいる。

 朝、熱は取り敢えず下がっていたものの、
調子がいいわけがない宝良ちゃん。


 それより、私は姑の隣になんか座りたくない。
私はちょっとでも椅子をずらして、姑の椅子との間に隙間を拡げ、
ちょっとでも肩さえ触れないようにと、思った。


 弔問客に姑が答えている言葉が聞こえてくるたびに、



 お通夜の晩、
親戚のおじさんたちに様子を聞かれた同居していた中学生の孫は、
何と言っても、亡くなる前夜にやっと病室へ連れてきて貰っただけで、全然状況は知らないが、
それまで、家で姑からどんな風にされてきたかは
一番近くで見て良く知っている。

 わきまえているから、親戚の大人たちにそんなことは言わないけれど、
あとで、私と孫のお姉ちゃんたちだけになったとき、
彼はぽつりとこういった。

「出会わなかったら良かったんだよね。
じいちゃん、
車も、トラクターも、運転免許証も、お金も、健康保険証も、(命も)、大事なものは全部、ばーちゃんに取りあげられた。



 中学一年生だもの、全部分かって居るんだよね。
そんな毎日を目撃させられていた孫もかわいそうだ。
でも、夫婦って、それも50年金婚式さえ迎えた夫婦って、
他人には分からない。

 私は、意識が混濁したときの話を彼に伝えて、

夫婦のことは、他の人にはわからないんだよ。
だから、ばあちゃんのことをそんな風に言ってはいけないと思うよ。
多分、じいちゃんはばあちゃんのことをそんな風に言って欲しくないと思うんだよ。」と言ったものの、
内心、口には出さないけど、
私だって、はらわた煮えくりかえっている。
はっきり言って、
お舅さんは姑に殺されたと、
私は思っているし。


 ただ、それを聞くと傷つく人がいることを、
(それは多分、私の夫やその兄弟やお舅さん自身)中学生よりは分かっているから、
思っていても、家族の前では面と向かって口には出さないんだ。

(だから、王様の耳はロバの耳、匿名性のあるこんな場所に吐き捨てるんだよ)



 葬儀では、私は姑が不愉快で、
何を思って泣けるのか、
どの面下げて、この場に居られるのか、
私は不思議で仕方なかったため、
私自身はちっとも泣かなかった。


 お葬式が終わり、火葬された遺骨が戻り、
繰り上げの初七日が執り行われた後、

さて、49日(満中陰)までの毎週、7日ごとに中陰の法要があるのを、どこでどうするかという話が佳境になり、

自分の家が汚くしすぎていて、
それを何とか取り繕うことはできないと考えた姑は、
毎週どこか会場を借りて法要をおするから、
その費用を全部出せとか勝手なことを言っていたと思ったら、

 最終的に、
「お前がお父さんを連れて行ったんだし、勝手に最期まで面倒を見ろ」と、
法要は全部我が家でやるから、と、
親戚にもお寺さんにも言ったそうな。


 で、びっくりあんぐり。
葬祭会館の初七日の会場から、
夫の(お舅さんの)

「お写真(遺影)も、お位牌も、そして、お骨(遺骨)も
持って帰らない」と言いだし、

「お前が全部しろ、
私はお前の家なんか行かないから、法要には行かない」と言い放った。


 駐車場にいた私のところへ夫が、
おかあさんがこんなことを言い出したからと言いに来たので、

「もういいよ、
全部するから、そのかわり、もう一切姑とは関わりたくない。」と
即答。


 そして、
お舅さんの遺骨も全部、我が家へ連れて帰ることになった。
これにはびっくりだ。


 しかし、家に帰って、
お舅さんが退院してきたら使うために買った、
プラスチックの衣装引き出しの上に、
白い布をかけて、
取り敢えずの中陰段をつくり、
お舅さんの遺影と遺骨とお位牌を奉り、
ふと、夫と、

「そう言えば、おとうさん、
病院で、退院してももうあの家には帰れないから、
お前の家に世話にならせてくれって言って、
住民票まで移したんだよ。
おとうさん、この家に帰ってくるんでよかったんだよね。」と言うと、
夫の顔が明るくなって、
そうだねと、
「お父さん静かなところで、ゆっくりすればいいよ」と言った。


 はぁ、疲れた~と、ソファーに腰を下ろし、テレビをつけて、
新聞のテレビ欄を拡げたら、
その下欄に、
墓石を扱っている石材屋さんがこれから新たにお仏壇も、
扱うことになり、
明後日の土曜日から、オープニングセールをで、
大々的にイベントをして、大特価販売すると
大きな広告が載っていた。


 私たちがローンを払い続けている部屋数10もの大きな家には、
仏間に一間幅のどデカイお仏壇があるけれど、
この借家にやってきたお舅さんに、
ワンルームマンションくらいのお仏壇でもいいから、
お仏壇を買いに行かなくちゃね。


 それにしても、
この我が家で、これから毎週
二七日
三七日
四七日
五七日
六七日と、30人規模の中陰法要をしなくちゃいけなくなって、

とにかくお葬式が済むまで頑張ろうと思っていた私は、
その先の方が、もっと途方に暮れるハードな日になった。


 何たって、年末大掃除どころじゃない。
スペース作るために、ダイニングテーブルから何から全部取っ払い、
その分、寝室などあちこちは、
物置となり、
座布団を買いそろえ、湯飲みを買いそろえ、
お経本を揃え、
うどんの準備にそれ以外の食べ物の準備に、
お茶菓子に……、
親戚への説明と案内回りに、
お寺さんへの挨拶、

まだ、お香典返しの準備は済んでないけど、
葬祭会館なんかのお支払いのことは追いかけてくるし、

部屋が広くなったら、
宝良ちゃんが喜んで、あーーーーーーって言ったけど間に合わず、
障子に両腕が突き刺さり、
この上、障子の張り替えかよ! と思った瞬間、
ぎゃーーーーー、と大声を張り上げて宝良ちゃんを叱ってしまった。

 ごめん、
大人の都合で、八つ当たりした。

 ふぅ~。


 というわけで、怒濤の日々はつづく。







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Last updated  2007.06.08 18:41:08
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