“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

2006.07.22
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繁盛店のためのビデオセミナー(毎月繁盛店を映像でレポートします)、カフェのようなメニューブック、映像で集客する看板「呼び込み名人」、フラッシュでなく映像つきのホームページ、印象に残るショップカード、地域密着のポスティングチラシ、


大久保一彦 のゴルフ場経営誌連載ホールアウト記念、全原稿連続アップ!

大久保一彦のホームページはこちらからどうぞ

今回は4回目の原稿です!


「お客様をどう店に入れるか」


<リード>
前回は飲食店ビジネスの衝動来店のメカニズムについてふれた。しかし、お客様の入り口の目の前を通ることも少なく、二階に位置するゴルフ場のレストランの場合、どのよう客様を見せに引き込むのか?今回は、このような条件下で、施設自体、閉鎖的な空間であるという強みを生かして店の集客に繋げ、売上アップをはかるポイントを考察する。


<本文>
 前回は来店のメカニズムをお話しました。しかし、実際ゴルフ場の中にあるレストランは衝動来店を取れるような環境でないほうが多いのではないかと思います。
では、「それを承知でなぜ書いたのか?」と、皆様はお思いでしょう。実は、店と言うのは一種の仕掛けであって、前回お話したお客様との“境目”を作って距離感をわざと作るとか、逆にお客様との“境目”を敢えて無くして入りやすそうにするとかの原理を知らないと、より高度な仕掛けを作ることができないんです。
今月はゴルフ場にぽつんとあるクラブハウスや二階に立地していてお客様を引きこまなければならないレストランの集客、すなわち、仕掛けの作り方についてお話したいと思います。


現状の日本のゴルフ場はひとり客が少ないということからもこの要素は使えそうです。
実際、町にあるレストランでも最近よくやるようになった方法で、女性客を取り込むために、わざと道路から店内が見えないようにしたり、二階に立地する店に出店したりするようになりました。定食チェーンの“大戸屋“などがいい例です。「裏路地や二階など、落ち着いた雰囲気が演出できる場所で食事をしながら時間を過ごす」それが大戸屋のコンセプトなのです。目立たない場所にある分、集客には時間がかかりますが、落ち着いて時間を過ごせるということでお客様が目的来店するようになります。
 ただ、お腹を満たす要素は商品に残さないといけません。でないと、食事の時間がまったりとしすぎるからなのです。この点は、以前の連載でもお話しましたが、満腹中枢を刺激するために多少塩分は強めにしておかなければなりません。フランス料理のレストランとは異なるのです。
 予断ですが、二階に立地しているゴルフ場のレストラン打ち上げをやるのには最適です。もともとゆったり感が出る場所にありますからね。ただ、飲酒運転で捕まるという恐怖感が、この落ち着いたイメージを打ち消してしまうのです。
 さて、二階にあるレストランに上がってきてもらうには何か来店を動機付ける大きな理由が必要です。ゴルフのプレイの合間ですと、「ここで食べるしかない」と言う理由が存在します。逆に、プレイ終了後の場合は、選択肢がありますので、火急的な必要性がない場合は難しくなるのです。
ですので、まず、考えなければならないのは、理由作りです。
 理由作りをする場合は、シーンを考える必要があります。
 先日、海外から戻ってきた、ゴルフが三度の食事より好きな友人と食事をしました。彼が言うには「日本のゴルフ場が異常なんじゃない。海外なんて、レストランと呼べるようなものはほとんどないよ。プレイするだけだよ。ゴルフする目的が違うんじゃない」
その話を聞いて思わず「なるほど」と思ってしまいました。だとするなら、レストランのメニューだけとか、ポスターを貼るとか、サービス券を配るようなことではだめだなと思ったわけです。もしかしたらお分かりになった方もいるかと思いますが、レストランを、ゴルフを楽しんでいるシーンの一部としてストーリーを作らないとだめだと言うことなんです。でなければ、回ったら、すぐ帰れば良いということですから。
 確かに日本ではゴルフは仕事の一部とか人付き合いの嗜みとかという面が多いはずです。ですので、レストランはお客様、それぞれがプレイを楽しんでいる場面で、それぞれのシーンの一部になるようにストーリーを考えなければならないのです。
 では、ストーリーの起爆剤になるもの何でしょうか?私はふたつのものがあると思います。ひとつは名物料理、あるいは、癖になってしまう料理、あなたのゴルフ場を思い出してしまう料理があげられるでしょう。もうひとつが、従業員とのコミュニケーションです。

記憶に留まる料理とはどんなものか?それは、万人受けする無難な品揃えでなく、好き嫌いの出やすいメニューなのです。これが歴史を作り、名物料理となります。
今まで、ゴルフ場は、より多くのお客様の要望に応えるために幅広い品揃えをすることが是とされてきたと思います。しかし、それは、ゴルフ場のレストランの営業条件を考えると必ずしも売上増につながるストーリーを作ってお客様に目的来店をしていただく、良い方法とは言えないのです。
 お客様の記憶に留める方法にはいろいろな方法があります。私の友人に辺鄙な場所でシャーロックホームズというハンバーグレストランをやっている人間がいますが、彼が売りにしているのは、生で提供されるハンバーグと納豆ソース、そして、女性を亜感動させるデザートです。で、実はもう一点特徴があって、彼は、1980円と、コースでしか食べられないようにしている点です。そうすることによって、「高いけどおいしい」とか、「高いけど、ちょっとおいしいもの食べたいなら」など「他より高い」という点を利用して、特別な感情を起こさせて、お客様に勝手にストーリーを描かせているのです。
 山奥なら、きのこのコースでコースを考えるといいでしょう。そして、きのこで、お客様をうならせるメニューを作る。「きのこハンバーグ」程度ではだめなんです。
そのために、徹底してひとつのことを掘り下げる必要があります。博学といわれるくらいみんなで研究して、そしてレストランの営業に哲学を持って、商品という作品に思いを込めるのです!「これだ」というものでなければ、お客様は、よっぽどのことが無い限り、積極的にレストランにはやってきません。絶対これだったら負けないものを情熱を込めて考えてください。それさえあれば、どんな理由をかこつけてもゴルフをしに来ます。

商品に飽きが来ますが、人との絆は長い良好な関係を築くことができます。
お客様をレストランにひっぱってくる目的になっている場合に、「あの人に会いたい」というのは決して少なくないのです。
「そうだ、あのレストランに行くために、あのゴルフ場に行こう」こういってもらえるために、考えることは多いはずです。
売上が上がらないんじゃないんです。レストランに行くほどの魅力がないんです。
ぜひ、これを機会に、根本的な仕掛けを作ってください。
商品に心を、店に哲学を!

好評!大久保一彦のメニュー作りのビデオはこちらからどうぞ!








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Last updated  2006.08.14 15:02:05
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