“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

2006.07.23
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繁盛店のためのビデオセミナー(毎月繁盛店を映像でレポートします)、カフェのようなメニューブック、映像で集客する看板「呼び込み名人」、フラッシュでなく映像つきのホームページ、印象に残るショップカード、地域密着のポスティングチラシ、


大久保一彦 のゴルフ場経営誌連載ホールアウト記念、全原稿連続アップ!

大久保一彦のホームページはこちらからどうぞ

今回は5回目の原稿です!


「ストーリーを落とし込む」


<リード>
前回はもはやゴルフ場に限らず、よっぽど便利な場所にある場合以外、ストーリーが大切であると話した。しかし、ストーリーへの落としこみは非常に難しい。なぜならば、トータルコーディネートが必要だからだ。論理より、感覚、感性が求められ、数値化や法則化が難しい。しかし、ある程度鍛えれば、その感覚の感度をより敏感にすることができる。これから、数回にわたって、実際に、具体例を見ながら、その困難な法則化にチャレンジしたい。


<本文>
 ストーリーとは、わかりやすい言葉で申し上げますと「話の筋立て」です。つまり、レストランにストーリーを落としこむとは、お客様があなたのレストランでする食事の筋立てをしっかり考えなければならないということになります。
「なぜ、あなたのレストランで食事をするのか?」 あなたは考えたことがありますか?
レストランを指導するとき、「あなたの店に店で食事をする理由はなんですか?」 私はよく質問します。でも、なかなかうまく答えがいただけない場合が多いんですね。なぜならば、店に来る筋立てを考えて営業されている場合が多いからなんです。売れそうな商品を考えて、“数打ちゃあたる“という感じでアプローチしたほうが楽ですからね。

「ほどほどにおいしくて、ほどほどに安い」とか、「メニュー数やメニューバラエティがある」など、お客様にとって便利な店であるのがひとつです。もうひとつが、「納豆ソースのハンバーグを食べに来る」とか、「従業員の○○さんに会いに来る」と言った答えです。
前者はお客様になんらかの生活のシーンにおける便利さを提供しているわけで、競合の状況、来場者数など、あなたの施設の回りの環境があなたのレストランの営業成績を左右します。便利さを売るには、数的優位が必須条件となるからです。
逆に、後者の場合は、あなたの店に感じるなんらかの魅力や価値でお客様に来店ただいているわけで、他の店を圧倒する何か、あるいは、他の店に無い希少性が必要となります。つまり、あなたのレストランへの来店を強く動機付ける何かが必要となるわけです。前回からお話しているストーリー作りとは、このより強く動機付ける何かを作っていく作業そのものを指しているのです。
便利さで売るには、立地や来場者数や競合などの商業環境がもっとも重要なポイントです。しかし、ストーリーで売る場合は、立地や環境に恵まれることは必ずしも必要としないのです。辺鄙な場所やわかりづらい場所にあること自体、ストーリーの一部になるからなのです。現に、風俗ビルにあり、“呼び込み“がいてとても入店しづらかった焼肉店を「呼び込み男が目印」ですというストーリーの一部にすることによって、月商140万円から今では400万円弱まで売上があがるようになりました。
しかし、話を筋立てて目的物に向かわせるには、ひとつひとつのことを商品単品単位でバラバラに考えるのではなく、全体の筋から発想することが必要です。今まであなたがとってきました思考パターンを変更しないとストーリーを作れないのです。

例えば、レストランを開く場合、お客様に便利さを売るならば、立地条件などを考慮して、来店してくれそうなお客様を想定してメニューを考えるでしょう。なるべく多くのお客様に受け入れられるようにある程度幅広い品揃えをするでしょう。そのために、ある程度の人がおいしいと感じるものを作って、好き嫌いの出にくいメニューをラインナップすると思います。
つまり、いろいろなお客様から商品を主体に考えて、全体に統一感を出すような思考パターンで店を考えると思います。
しかし、今の世の中は、商品や店が溢れる時代で、このやり方は環境に大きく左右され、限界があります。あなたのゴルフ場から、インターまで車で走っている途中に、どれくらいのレストランやコンビニ、すなわちお客様にとっての選択肢があるか考えたことがありますか?もう、昔のように、普通に営業していたのでは、あえて、あなたのレストランで食事をする必要は感じないくらいお客様の選択肢はあるのです。それに、もしかしたら、あなたのレストランが選択肢にすら上っていないことすら多いのです。
今、あなたが、お客様の需要に応じて幅広い商品を用意することは、少しの売上を上げるにはいい方法かもしれませんが、必ずしも、売上を上げる抜本的な方法とはいえません。ストーリーを作るには、商品をいろいろ考えてまとめるという、これまでの売れそうなことから発想する習慣を断ち切らないといけません。ではどうしたら良いのでしょう?あなたのレストランに来店する理由作りから始めればよいのです。
 前回もふれましたように、お客様があなたの店に訪れる理由、明確に違うそこにしかない何かがある店にならないといけません。これをオンリーワンと言います。
「このエリアの特産品で、日本一の蒟蒻料理を食べに来る」、「このレストランでしか食べられない納豆ソースのハンバーグを食べに来る」、「このハンバーガーに出会ったたら他のハンバーガーが食べられなくなった」など様々なオンリーワンが存在しています。


 違いの作り方は次の三つです。日常で食べるラーメン、ハンバーグやとんかつなど利用頻度の高いわかりやすいものをベースにして納豆ソースのような奇抜な組み合わせをするという方法。次に、奇抜な聞いたこともない料理をベースに良く知っている食材で調理をする。そして、まったく、奇抜なものにするのどれかです。この中で一番ベストなのがわかりやすいものをベースに、奇抜にひねる方法でしょう。よく、発想力豊かな人は、後ろのふたつを選んでしまいますが、情報をうまく伝える能力がないと、時間がかかるので、忍耐力が必要であることを頭に入れておいてください。
 ただ、注意点があります。保守的にならないことです。常識にとらわれると奇抜な商品は生まれません。
まずは、ストー作りの手始めに、あなたの店に来なければならない理由作りをしっかり行ってください。

好評!大久保一彦のメニュー作りのビデオはこちらからどうぞ!






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Last updated  2006.08.14 15:00:24
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