“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

2006.07.23
XML
繁盛店のためのビデオセミナー(毎月繁盛店を映像でレポートします)、カフェのようなメニューブック、映像で集客する看板「呼び込み名人」、フラッシュでなく映像つきのホームページ、印象に残るショップカード、地域密着のポスティングチラシ、


大久保一彦 のゴルフ場経営誌連載ホールアウト記念、全原稿連続アップ!

大久保一彦のホームページはこちらからどうぞ

今回は7回目の原稿です!

「価格の話」

「カレーの話」


<リード>
ここのところストーリーの話をしてきた。今回は、ちょっと、コーヒーブレイクのような講義をしたいと思う。カレーについてお話をしたい。あなたの店はカレーを軽んじていないだろうか?カレーと言うと、お客様が何気なく、気軽に食べる日常食だ。そして、レストランも何気なく販売している。実は、カレーはストーリーを作りやすい最たるものなのである。今日は、ほとんどのレストランが何気なくおいている、実はダイヤの原石であるあるカレーの売り方を通し、あなたのレストランの特色の出し方を考えていきたい。

<本文>
 「○○カントリーグループ行くとほとんどの人がカレーを食べているんだよ。○○はカレーで有名だからな」
先日、私の友人が、カレーを食べながら、つぶやきました。

まず、質問です。次の質問に答えてみてください。
「あなたのレストランのカレーってどんなカレーですか?」
「あなたは、カレーについて考えたことがありますか?」
「あなたがもっともおいしいと思うカレーってどんなカレーですか?」
 これらの問いに明確な答えが頭に浮かんだ方はすでに伝説を生んでいるのかもしれません。でも、ある程度売れているにもかかわらず、あまり戦略的に考えられて売られていないのがカレーの現実ではないでしょうか。これらの質問の答えこそが、あなたの店のストーリー作りのきっかけとなるかも知れないのです。
 まず、カレーにはいくつかのパターンがあります。インド風、マレーシア風、タイ風、欧風などの味もいろいろありますが、まず、考えなければならないのは、オペレーションです。商品として提供されるまでにどのように調理するかが大切になります。なぜならば、味や提供できる価格などが決まってしまうからです。では、どんなオペレーションがあるかみてみましょう。
 まず、レトルトを用いるオペレーションです。自家製カレーと言うのは、なかなか、味を安定させることができません。それはそれで良さがあるわけなんですが、調理の素人がいつも同じ味で商品を提供するには難しいものがあります。品質を安定させたり、アルバイト・パートさんで運営したりするためにレトルトのカレーを用いるやりかた、これがひとつめのパターンです。レトルトは、ゴルフ場はおろか多くの飲食店で使用されています。アルバイト・パートで運営する場合だけでなく、幅広い品揃えでお客様に便利さを提供している店にとっては、カレーのような時間のかかる調理操作がいくつもあると大変です。調理操作、すなわち、生産とサービスを分けることで合理的な経営を行っています。レトルトにすれば、商品にかかった原価や人件費が明確になり、管理がしやすいのです。ただし、レトルトは技術が発達したとはいえ、殺菌工程を経るので、どうしても風味に欠けます。低価格の店以外にはあまり向かないでしょう。
レトルトの対極にあるのが、素材からの手作りにこだわるという方法です。玉葱や野菜を炒めて、カレーパウダーを使ってカレーを作る、これが二番目のやり方です。インドやパキスタンなど各家庭にはお母さんのスパイスがあるそうです。各家庭独自の味があるように、本来カレーはオリジナリティがあるものです。これが、手作りの原点でしょう。手作りで作れば、あとは、お客様にじっくり違いを感じていただければ、ストーリーとなるでしょう。ただし、万人受けをするのは難しいかもしれません。だれかの好みを優先すると誰かが好きでないというかもしれません。ですので、どこか目標にする味が必要になります。レトルトでカレー粉を使う場合、通常は三年くらい熟成させたものを使います。しかし、味にこだわる手作りの場合もっと熟成したものを使用します。中には七年ものと言って、かなり香辛料の辛さがこなれて、旨みのあるものを使う店もあります。ここまでこだわると、癖になるのは間違いないです。もちろん、カレーのスパイスにこだわる方法以外にも、生クリームやバターをたっぷりして、コクのある味で人気の店もあります。
手作りと言っても、味を安定させるためにカレールーを使う方法があります。
カレールーは各メーカーの特徴があるので、家庭と同じようなどこかなつかしい味になる場合があります。家庭の味という聞こえはいいですが、お金をいただくと考えると、なかなか高い価格では納得してもらえないのが現状です。動物性の出汁などを用いて、家庭では食べられない味に仕上げることが最大のポイントとなります。

 カレーのオペレーションを決めたら、売り方を考えます。一般に、レトルトやルーを用いた場合は他のメニューの品揃えもしっかりして、リーズナブルプライスで売るのが一番です。リーズナブルプライスは、ゴルフ場のプレイ料金とも関係がありますので、500円くらいから900円くらいが妥当でしょう。価格を取ろうとする場合は、野菜やカツなどフライヤーで揚げてトッピングしましょう。一般の飲食店では、大判のカツをのせて個性のあるルーで人気になっている場合もあります。ただし、大衆的なイメージがありますので、1000円を切る価格が妥当だと思います。

8種類の前菜は創作料理で、いろいろなものを少しずつという提供のしかたが、女性に人気があります。例えば、手毬寿司やフルーツを胡麻のソースで食べさせるものなどユニークなアレンジがしてあり、小さな器などにのせてあり、目で楽しませます。
カレーも、フルーツのカレーで個性があります。例えば、トマトのソースのカレーや、アボガドのカレーなどで、見た目も、赤だったり、緑だったり鮮やかです。
自家製シャーベットもユニークで、トマトやバジルなどの変わったものが提供されています。いずれにせよ、印象に残り、どこでも食べられない組み合わせゆえに、1680円でもお客様が納得してお召し上がりになっています。
いずれにせよ、手作りでカレーを出す場合個性のある商品設計が重要となります。
そして、自家製の場合は入り口や、メニュー上に、「うちの店のウリはこの○○カレー」だと認識していただけるように、写真や文章で伝えていく必要あります。

ぜひ、カレーを見直してみてください。


好評!大久保一彦のメニュー作りのビデオはこちらからどうぞ!






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2006.08.14 14:57:53
[大久保一彦の商人のための情報] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Freepage List

Profile

四方よし通信

四方よし通信

Calendar

Keyword Search

▼キーワード検索

Favorite Blog

【お台場】ひるがお… New! TOMITさん

昨晩の握り寿司! New! てくてく7281さん

プロフィール 食の匠のお助けまんさん

「夏の月」 丁寧な暮らしさかもとこーひーさん

食べ歩き紀 ByeByeさん
竹田陽一ランチェス… ★竹田陽一ランチェスター 東京・西村のNo.1経営・裏のブログさん
釣って満腹! ~ボ… 秀龍さん
うまい営業・へたな… なにわの進藤さん
●Hokkaido & Travel … wind0625さん
HACCPコンサルと美味… HACCP加藤さん

Category

大久保一彦のひとこと情報

(1842)

ワイン会、フードなど大久保の教室

(141)

大久保一彦おすすめのおいしい店の情報

(214)

大久保一彦の商人のための情報

(171)

おいしい料理情報

(84)

食を考える

(73)

雑誌などメディア出演

(27)

大久保一彦が見たエンターテイメント

(34)

愛犬日記

(51)

(162)

よっしー

(97)

よっしーパート2

(112)

よっしーパート3

(179)

よっしーパート4(2010年3月17日以降)

(375)

よっち&こーちゃん

(369)

海外視察

(104)

カリフォルニアクイジーヌ

(5)

フランスの店

(30)

ジェームズオオクボセレクション【怪人のいる店】

(9)

世界のベストレストラン&ホテル100

(77)

世界のベストレストラン更新前の記事

(227)

大久保一彦の二つ星と三つ星の間

(276)

大久保一彦的二つ星のレストラン&ホテル

(221)

大久保一彦の二つ星西日本

(232)

大久保一彦の二つ星ワールド

(22)

大久保一彦の一つ星の店、ホテル

(266)

大久保の一つ星(愛知より西)

(241)

大久保一彦の一つ星の店、ホテル(海外編)

(22)

北海道のうまい店

(72)

東北のうまい店

(41)

関東のうまい店

(133)

東京のうまい店

(269)

目白・雑司が谷界隈の店

(27)

甲信越と東海地方のうまい店

(140)

北陸のうまい店

(76)

関西のおすすめ

(159)

四国と山陰、中国地方のうまい店

(75)

九州のうまい店

(101)

沖縄のうまい店

(28)

スイーツ研究所

(235)

Cafe研究所

(84)

カレー・スパイスの研究所

(4)

すし協同研究所

(38)

すし協同研究所・現地勉強会

(121)

会員向け日本料理研究会

(23)

魚アカデミー

(278)

鮨行天

(56)

『ラ・フィネス』『ミチノ・ル・トゥールビヨン』勉強会議事録

(32)

フランス料理店経営研究室

(33)

蕎麦店開業協同研究所

(71)

料理の技法や食の知識

(2)

ジェームズオオクボ的視点で選んだ心に残るあの店のあの料理(名物料理百選)

(19)

各地名産品及び各地名物料理

(176)

大久保一彦の野草のワークショップ

(30)

産地・生産者訪問

(127)

今日の大久保一彦のしごと

(1100)

経営者のための連続コラム

(1657)

飲食店は人づくり

(4)

修行について コーチの予備軍の方へ

(8)

これから開業の方向けコラム

(290)

飲食店開業講座

(65)

子供たちのためにコラム

(42)

偉人の言葉、今日の親父からの言葉

(28)

“経営思想家”大久保一彦の次の世代への哲学

(51)

補足◆【いつも予約でいっぱいの「評価の高い飲食店」は何をしているのか】補足◆解説

(11)

残念ながらブログ掲載後閉店してしまったお店

(159)

ジェームズオオクボのホテル&お宿見聞録

(277)

長山一夫器美術館(解説付き)

(107)

会員・塾生訪問

(124)

何でも食材ランキング(ブログ掘り下げ編)

(2)

ジェームズ昆虫記&ジェームズ植物記

(474)

中国料理研究

(63)

BAR研究

(1)

外食調査録

(80)

業態研究

(82)

ジェームズオオクボ書店

(12)

惣菜・弁当・食品売場研究

(369)

寿司盛り合せ研究

(67)

商品研究・料理研究

(842)

素材・材料開発研究

(45)

焼肉店訪問

(8)

ラーメン研究

(2)

スパイスカレー店・インド料理店・ネパール料理店研究

(29)

別冊四方よし通信

(7)

© Rakuten Group, Inc.

Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: