“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

2006.07.25
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繁盛店のためのビデオセミナー(毎月繁盛店を映像でレポートします)、カフェのようなメニューブック、映像で集客する看板「呼び込み名人」、フラッシュでなく映像つきのホームページ、印象に残るショップカード、地域密着のポスティングチラシ、


大久保一彦 のゴルフ場経営誌連載ホールアウト記念、全原稿連続アップ!9回目

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「ドボ漬けメニュー価格決定法」


<リード>
おいしさにはふたつある。以前もお話したように、体で感じるおいしさと、心で感じるおいしさのふたつである。前者は、調味料による満腹感への刺激であり、後者は、過ぎ行く時間を楽しむことであった。この選択で店の繁盛は変わると言っていいだろう。この選択で客層や利用シーンが変わってしまうからだ。このずれのせいで、繁盛していない店は多い。今回はドボ漬けメニューを考えて、どんな価格を付けたらよいのか、ドボ漬けメニューの価格決定法についてお話したい。


<本文>
 東京で仕事をして忙しい生活を送るもの、肉体労働に従事するもの、ストレスが溜まる環境下にいるもの、これらの人が共通して求めるもの、それは、塩分による刺激であります。これらの人は、一見、それぞれの食材を食べているように見えましても、実際は、タレの刺激によるや満腹感のことを“おいしさ”と感じているのです。
以前もお話しましたが、これは「おいしさはふたつある」のくだりであります。その救世主となりますのが、ドボ漬けとぶっかけです。これらふたつの手法の目的は簡単でして、お客様にタレやソース、ドレッシングなどを飲んでいただき、血中での極端な濃度の変化で、満腹感への刺激を行うためなのです。それに付随して、サクサクな食感、カリカリの食感など、食感にメリハリを出すのが外食業界の流行となっています。あわせて、辛い味にして、濃い塩分を摂取させているのが外食のトレンドですね。
 本来、ドボ漬けの商品というのは、お客様に過剰な塩分や糖分を摂取させて、摂取後に起こる血中への急激な塩分や糖分の吸収による刺激を記憶させるのが目的なのです。もし、楽しかったとかおいしかったとかという快楽とこの調味料の刺激が結びちきましたら、それは強烈な関係になります。例えば、ゴルフ場のレストランでしたら、そのレストランを見るたびに知らず知らずのうちにこの記憶を思い出してしまうのです。結果、自然にレストランに足が向かうことになるのです。ハンバーガーの大手チェーンがなぜ、子供相手にするのか?そして、店に遊園地を作るのか?それは、子供のときに感じた楽しい思い出を、大人になってから知らず知らずのうちに思い出すからなのです。

 さて、これらのドボ漬けメニューを考えたらどのように価格を付けるのか?それが、今日の本題であります。

 ドボ漬けの価格の付け方は、極端にふたつにわかれます。ひとつは、高めの価格付けです。
ドボ漬けメニューを名物メニュー化して、カレーならカレーの市場価格に対して、1.4倍以上の価格を付ける。これが、ひとつめのやり方であります。
例えば、普通のニーズに応えている市場価格が800円なら、1.4倍の1120円以上、例えば、1200円をつけるわけです。場合によっては、コースのような形で提供し、1800円くらいで提供することも可能です。
高い価格をつけることにより、その商品が優れているという印象を与えます。極端に高い価格はおいしさなどを暗示するのです。
ただし、高い価格になればなるほど、お客様の厳しい目にさらされるために、その価格イメージを上回る伝説作りが大切となってきます。つまり、ブランド力がものを言うわけです。ブランディングのテクニックなしに、高価格をつけることはありえません。
ですので、この価格の付け方はブランドマネージメントを得意とする専門家のアドバスなしにはしないほうが良いでしょう。素人がこの方法でやった場合、9割が破滅への道を突き進みます。それだけに、ブランディングに長けた人間は、ドボ漬けとこの高いか格付けを併用して一人勝ちをするのです。
 もうひとつは、普通の価格ないし、少々、低めの価格を付ける方法です。低い価格付けは、市場価格の70%以下の価格をつけます。例えば、100円で販売しているものでしたら、70円以下の価格をつけるのです。低い価格をつけることで、来店や商品購入の障壁を減らし、知らず知らずのうち来店ないし、注文し、知らず知らずのうちに調味料の刺激で食べる習慣をつけます。
この知らず知らずというのが、味噌でして、
「すごくおいしいわけでもないんだけど、行ってしまうんだよね・・」
こんな言葉を良く耳にすると思いますが、この言葉が、ドボ漬けと価格設定がうまく機能している証拠なのです。
この言葉は、価格が割高感を感じさせないところに生まれる言葉なのです。

また、知らず知らずのうちに食べさせるうまい方法にセットメニューがあります。セットメニューはトータルで、安い価格を演出します。例えば、ファーストフードはフライド・ポテトとコーラをセットで売りますが、セット売りにすることで、フライド・ポテトが塩を、コーラが糖を、大量にかつ一気に血中へ流しこみ、ドボ漬けの効果を出しているのです。
以前のマクドナルドのように、おとりとなる商品を65円のように安くして、ドボ漬け商品で、かつ、利益の出やすいコーラとポテトを抱き合わせるやりかたは、これ以上ないうまいやり方でした。ただ、急速に販売しすぎてしまったために、飽きが来ました。
このようにドボ漬け商品の安い価格付けをした場合は、急激に拡販すると飽きが来るというデメリットを押さえておいていただきたいです。現状、ファーストフード店は店を増やしすぎたために、この売り方があだになっています。この快楽は強烈ですので、あまり、店が多くて、頻繁に利用するようになると飽きが来やすくなるのです。ある意味、強い刺激は、お客様を虜にし、あなたの店を忘れられなくするのですが、あまり店舗が多く、利用頻度が高いとあだになるのです。
しかしながら、ゴルフ場のレストランはファーストフードに比べれば、格段に利用頻度が低いので、低い価格付けがあだになることはないでしょう。ほとんどのお客様は、“楽しい思い出の一環の強い刺激の料理”として認識してくれます。
私がお奨めするのは、コーラの飲み放題です。有名な中華料理ではふかひれラーメンがウリです。このふかひれラーメンは1400円で、ふかひれラーメンとしてかなり休めです。細かく切ってあるふかひれは高級食材ですので、お客様はふかひれスープを飲みきるように、ラーメンを食べた後、スープを飲みきります。実際はかなりの塩分なのですが、もし、ここで、コーラを大量に飲んでいただけば、結果としてとっているこの塩分とコーラの砂糖で、血圧を最高までに押し上げ、心臓をバクつかせ、食欲刺激の最高潮に押し上げるのです。しかし、コーラを一杯売りすると、がぶ飲みさせることはできません。実は、コーラの果てしないガブ飲みこそが、お客様の食欲を満たす刺激に溺れさせるテクニックに他ならないのです。そのためには、何がなんでも、コーラをガブ飲みさせなければならず、サービスにしてしまうこと、それこそが、最高の方法なのです。そして、そのとき、飲み放題にするのは、糖分の多いジュースにしてください。サービスで提供するものは、甘く感じるとかではなく、酸味料などで、甘さが押さえてあって、量目あたり砂糖が多いという基準で選ぶべきです。ゴルフは歩きますので、糖分や塩分を消費します。着席時に、水を出すより、あらかじめ、料理の代金を考慮して、コーラをがぶ飲みさせるのです。もちろん、塩分の多い、ナチョスの食べ放題を付け加えれば、お客様の心臓はバクバクするでしょう。結果、知らず知らずのうちにあなたの店に虜になると思います。


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Last updated  2006.08.14 14:54:13
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