“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

2010.07.29
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 1970年代からの市場成長で2005年くらいまでの間に急激に小商圏化が進みました。

お客様のやってくる範囲が店が増えることによって縮小することです。
 小商圏化が進むと今までのやりかたをしていたらお客様は減少するので、
何らかの対応が求められます。

 ひとつが、小さくなった範囲で成り立つ商売にシフトしていく方法です。
見込み客が少なくなる分、日常生活のあらゆる場面でできるように利用動機を増やします。
そして、日常生活に溶け込み、変幻自在の営業をする方法です。
 例えば、成長の時代、旧来のチェーンは主に食事需要に絞り込んで

夜の宴会や通過儀礼行事もとれるようにします。
そうなると、ランチなどの食事需要に対して、
低価格ではギャップができてしまうので、
あえてプライスゾーン的には980円くらいから1400円くらいの
プライスゾーンで営業をします。
そうすることで、ゆったりとしたイメージを損なうことなく、
食事客を取り込むことができます。

 小商圏化が進むと成長の時代のように新規客が増えなくなり、
決まった人を相手にせざるをえなくなります。
ある限られた利用動機で来店頻度をある一定以上上げることは難しいです。
この現象に対応する場合、ふたつの選択肢が考えられます。


しないいけなくなります。
 もうひとつは、来店のスタイルを目的来店型にして商圏を広げる方法です。
この場合は、目的をもってわざわざ遠くからやってくる店作りをしなければ
ならなくなります。

 例えば蕎麦屋でしたら、

わざわざやってくるお客様に向かなくなります。
したがって、利用動機が「近いから」という顧客に限定して
裏メニュー的な位置づけで営業する分にはいいですが、
売上構成比が高いからとPOPやメニューブック上で目立つようにしてしまうと、
遠くからお客様をとれなくなります。
 蕎麦屋で目的来店を狙いたいなら、その店にしかない蕎麦開発し、
なるべく特殊な提供方法で提供し、お客様の目的意識を刺激すべきなのです。
横浜に田中屋という繁盛蕎麦店があります。この店の人気メニューは板そばです。
大きな杉板で提供します。
 この板そばは見た目にインパクトあるためにわざわざお客様がやってきます。
そして、つけ汁を選べるために、家族や大人数で食べられます。
そして、ざる蕎麦の大盛りと商品設計は同じなので、
慣れると日常の昼食という位置づけに近いかたちでも食べることができます。

 さて、遠くからお客様をひっぱるには、先行した情報が重要です。
はまりそうな評判を先にある程度浸透させておくのです。

 次にどう発見してもらうかを考えます。
「商品が一番の販売促進」と考えにかなり原価をかけていて集客できているなら
いいのですが、そうでない場合は、
いかにメディアに載せ見込み客に知らしめるか、
しっかり見込み客に知ってもらうための営業戦略をたてないといけません。
そして、気長に浸透させる一方で追い風が吹くのを待たねばなりません。
追い風が無いときに無理に羽ばたこうとすると、墜落してしまうことがあります。
「いい風が吹いたな」と思ったら、思い切り、いち早く飛び立つのです。
しかし、多くの場合、ブレイクする前に店をやめてしまうか、
売るものを変えてしまうというケースが多いです。
それだけ我慢強く信じて待つことは常人にはできないことなのです。
 時代の狭間は、大きなチャンスです。何かを感じたら、
先行した情報を仕込み風が吹いたら先んじて一気に羽ばたいてください。


大久保一彦の本もよろしゅう


小さな飲食店が成功するための30の教え





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Last updated  2010.08.04 11:40:13


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