“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

2010.08.06
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 経営の目的をとりあえずでも考えたら、その心を忘れないでください。

でも、これは覚えていてください。
商売はうまくいかないことのほうが多いということを。
商売は思った通りになるほうが少ないと思っていたほうがいいです。
したがって、何かやりたいことをやろうとするとかならず失敗に直面するでしょう。
でも、それで良いんです。
その失敗はその時は失敗に見えて落ち込みそうですが、
気持ちが前にあれば後ろに進んでいるように見えますが、必ず前に進みます。

「うまくいかないのは自分が未熟だから」
「自分が未熟だから」というのは一種の諦めの境地ですが、
前向きな諦めの境地を指します。
「最初からうまくいっているようだったら、みんなうまくいっている」
そう思って、見る角度を変え、やったことを細かく分析して、
先入観を捨てて、そしてもう一度トライするのです。
3回でうまくいったら天才、10回なら秀才、
100回なら凡人、1000回ならぶきっちょそう思うのです。
今の世の中、多くの人が自身が持っている引き出しと経験のわりに
「できる」と思い込んでいる人が多すぎると思います。

 この時にあなたに守るべきものがあれば強いです。

そして、妥協して仕事をしていた部分を排除しました。
それは守るべきものができからで、
だからこそ是が非でもやりとげようと思う気持ちなるのです。

 老舗のオーナーも同じような気概でやっている人が多いです。
今までの時代は成長の時代ですから100年~200年くらいの老舗の中には

受け継ぐものを失った人は多いです。

しかし、運よくというか、人口が減少して
国内の経済は低成長の時代になりました。
そうなると、このように先祖から受け継いだものが以外と強く、
そのことが大きなモチベーションになる時代になるのです。

 今やっていることについて、
あなたは「ちっぽけな店だ」とか「つまらない商売だ」と
思っているかもれません。
しかし、超成熟時代の2020年~2035年以降に
見直される可能性は高いです。
なぜなら、人口減少で仕事は減り、就職先は激減して、
あなたのやっていることがとりでになるかもしれません。

 京都の老舗の「平八茶屋」があります。
その平八茶屋の家訓に「当主たるもの料理人たれ」という言葉があります。
平八茶屋は応仁の乱や幕末、第二次大戦後の混乱期などに、
商売などとてもできないようなたいへんな時期を経験しました。
そんなときに雇いの人に暇を与え、
当主自身ひとりで暖簾を守るという苦汁の決断をしないといけないことがあります。
それぐらい長く商売を続けるのは厳しいことなのですが、
次のような含みがあると私は推察します。(これはわたしの推察ですのであしからず)

1 長い目でみれば、商売の環境としては悪すぎることが10年、
いや数十年続くことがある。
そんなときは、ひっそりやるしかない。
ただ、失っていけないのは店の存在意義、つまり理念だ。
少なくとも先祖が築いた名誉は逸していけない。
2 長い目でみれば、優秀でない代もあるだろう。
しかし、それは何代か先には物凄く優秀な代もあるという裏返しである。
だから、才能がない経営者は愚直になり、こつこつと経営し、その代を待てばいい。

 今のあなたは時期が悪かったかもしれません。
あるいは、あなたに才能が無かったのかもしれません。
その場合は、「将来こうしたい」「将来、お客様にこうなってもらいたい」
という思いは継承し、将来に託せばいいのです。
ただ、あなたはやる気を持ち続ければいい。
希望を持ち続ければいいのです。

 商売の炎をあなたのやる気で常に燃やし続けてください。
あなたのため、あなたのかかわっているスタッフのため、
そしてお客様のため、商圏のため、地域のために、
そして、未来の継承者のため、
さらには日本のために。
ときたまそのことを思い出してもらえば、あなたは変わるはずです。





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Last updated  2010.08.07 09:03:48


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