2-2-2 文化的なおいしさ
以前、私の著書で「文化の階段」という言葉を使いましたが、研究すればするほど、「単純な階段なのかな・・」という疑問を持つようになったという話を以前しました。
そこで、いろいろ試行錯誤した結果、「おいしさを理解するときに、満腹中枢を刺激する“餌性”を他の要素と分けて考えて、その他は要素を車のオプションのように考えるといいのでは」と考えるようになりました。
そうすれば、それぞれが置かれた環境などにより個別に習得した要素がかみ合って、それぞれの食文化が構築されたのではないかという仮説をたててみました。そう考えるようになり、私はいろいろなことが腑に落ちるようになりました。
もう一度、おいしさの違いの図をご覧ください。
後天的に得る“餌性”以外の要素には、マスコミの情報、見た目の凄さ、グルメ食材(トロ、霜降り和牛、最高食材)、楽しさ、趣味、行事、病気の回避、後天的な知識、お金の価値観、ストーリー、想い・共感、社交、見た目の美、こだわり・信条、調理技術の理解などがあります。(以降、文化的な要素と言います)
私たちは生活をしながらこのような“餌性”以外の要素を体験して身に着け、食習慣としていきます。そうなると食物である餌も違う意味でのおいしさで判断するようになります。
これららの要素は、それぞれのおかれた環境で選択的に餌に積み重なり、 “既知” となります。そして、個々人の食文化となりますので、“おいしさ”のバリエーションができるのです。
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