“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

2022.12.28
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冬至の連続講座  接触して密着
~2012年7月号会報から・・

3 業績のよい店舗の三つの特徴
3-3 接触して密着
 接触して密着したサービスをすることによってお客様とつながった関係を作って、生涯顧客としてお付き合いを試みる。これも、最近人気店にあるパターンです。
 私はよく、中目黒にあります「ふたご」の話をしますが、「ふたご」は密着したサービスが特徴のお店です。
人間関係を築いたら、気が利く、地元にあるお店というポジショニングで存続を続けるというお店なんですけれども、「ふたご」は今までの焼肉屋と違うタイプです。

 今までの焼肉屋は焼き肉の美味しさを追求してきました。
ふたごというのは、焼肉屋に求める醍醐味というのを追求していると思うのです。焼肉をどう楽しむか、商品の味付けもインパクトがあります。
飽きやすいとおっしゃる方もいます。確かに味自体は飽きやすいのですけれども、「ふたご」はそこにいるある程度定着したメンバーとの接触を意図的に作り、かなり密着した関係を作ります。
いずれにしろ食べ物は味が濃くても薄くても飽きるので、人間という繋がりの部分で飽きさせないようにしています。

 もうひとつ、自分の生活環境に比べてインパクトがある環境にいると飽きやすいです。

雰囲気を削った気軽な空間を作ることによって若者や豪華なマンションに住んでいない人にとってみると安心感をしっかり醸し出していると思います。

 先日、コンサルタントをしている友人と話していて、とあるとチェーン店について「店が汚くて」という話題になりました。
私が、「家がゴミ屋敷みたいなところに住んでいる人は逆に散らかっていないと、かえって、居心地が悪い、綺麗すぎると居心地が悪いのですよ」と話をすると友人は驚いておりました。
今その人が日常生活をしている環境と違う環境だと居心地がわるいのです。
確かに、我々飲食業界の人間は、まだつい最近の外食市場成長期の幻影が残っていますから、QSCという過去の概念をつねに追求する習慣があり、店は綺麗でないといけないという既成概念を持ってしまっています。
確かに、昔は飲食店がハレの利用でしたから綺麗である必要性は高かったです。
しかし、普通の人の生活水準というところを落としていくと、日常の中の日常で使う場合は汚くてもその人の生活環境にフィットしているほうが違和感ないともみることができます。
よくお話しする「ふたご」もクレンリネスはしっかりして綺麗にしていますが、良く見せすぎないというところがミソなのではないかと思います。
地を這うような雰囲気があったほうがいいと思う人が世の中には多いのです。まして今のような就職ができない時代、一人暮らしの人が増えている時代というは、なつかしき良き時代とは価値観が変わってきます。
 したがって、たまにみなさんも綺麗好きじゃないバイトの家に行ってみてください。
多分汚いと思うのです。

だから、一概に自分の価値観が他の人にもいいかというと、そうではないということは頭にいれておかなくてはなりません。これも価値の多様性です。
だから、多様な価値観という部分が受け入れられるかどうか、ここが重要で、そのような見地でマーケットを見ていくとまだまだ我々飲食業が切り込んでなかったマーケットは沢山あるように感じます。
少々脱線してしまいましたが、「ふたご」は今まで受けたことのない焼肉屋の印象を与えています。ほかの焼肉屋さんは焼肉通の人を相手にしています。「ふたご」ある程度、幅広く、今まで焼肉屋さんが相手にしたくなかったファミリー焼肉の層も来ているかもしれませんし、面白さという意味でもっと上の人たちも来ているかもしれません。
そういうところで、考え方というのはいろいろあるということで特徴というところで、この三つがあるということを覚えておいてください。


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Last updated  2022.12.28 10:53:57


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