“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

2024.05.01
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GW連続講座 価値観経営を成功させるための価格の決め方 その1

 “価値の尺度”となります価格について掘り下げたいと思います。
座学でも現場でも価格をどうつけるかについてのレクチャーを受けたことがあるかたはまれだと思います。況や、高い価格をどうつけ高付加価値経営を成功させるかについての講演を聞いたことは私でもありません。
 今回は、ビジネススクールで教えてくれる価格についてのお話しはもちろん、実践的なプライシングの基礎知識について深堀りしたいと思います。

1 価格とは
 あなたは価格とは何か考えてことがありますか?
生産年齢人口の激減や人口減少が始まり、日本のマーケットはどのマーケットでも需要と供給の乖離(需要<<供給の状況)がおこっています。
したがって、価格競争も激化しており、現在の状況下では、価格をどうつけるかは重要なテーマになっております。逆の見方をすれば、価格のつけ方を知らないと、限りないデフレ・スパイラルに巻きこまれてしまうと言えるでしょう。
繰り返しになりますが、日本の食料品や外食産業のような内需は、人口や生産年齢人口の激減で需給関係が崩れデフレ下にあります。しかし、円安による輸入原料の値上がりや消費税率アップなどの厳しい環境にあるのです。
価格のつけかたを誤ると店の存亡にも影響を与えかねないと言えるでしょう。

まず、私なりの価格の定義をしてみましょう。下記のとおりです。

価格の定義
価格とは、商業活動における財物の交換における自身が定義づけした相対的価値観

 この定義づけした相対的価値観に対して交換を希望する人間が高い便益(ベネフィット)を感じれば“安い”と感じますし、便益がないと感じますと“高い”と感じます。
後程P10で詳しく説明しますが、便益は他と比較しやすい機能的な便益(ものとしての価値)と感情的な便益にわかれます。
この定義づけられた価値観に対する評価は交換希望者(買い手)の状況で異なります。
高く評価される背景には、死や危険に直面したり、財物を失ったりするような状況下における差し迫った火急的必要性があるか、ないかは非常に大きな要素となります。(⇒P18)
マスコミなどの巷には、恐怖心をあおるようなマーケティングが多数存在します。
「病気には薬を、死にそうな人は手術を、手遅れには奇跡を、未来の不安には保険を」という高い商品を売りやすい環境があります。特に、死にそうな人に特効薬を売るというのが一番高い価格をつける簡単な方法です。差し迫った必要性があり、命は財物に代えがたい価値があるからです。
私のように行動経済学を学んできた人間にとって、価格はとても興味深いテーマであり、商業を営む皆様にとてもお役にたてるものだと確信し、ファンクラブの皆様に講義しようと思ったわけです。
続く



大久保一彦の本



善の循環経営【電子書籍】[ 大久保一彦 ]







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Last updated  2024.05.13 10:45:20


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