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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090731-00000019-maip-pol自民党 マニフェスト発表 民主に対抗、生活支援競い合う麻生太郎首相(自民党総裁)は31日、党本部で記者会見し、衆院選に向けたマニフェスト(政権公約)を正式に発表した。子ども手当支給や高速道路無料化などを盛り込んだ民主党に対抗し、自民党は3年後の幼児教育無償化を段階的に実施するほか、低所得者の授業料無料化などを掲げ生活支援を競い合う形となった。各党のマニフェストはほぼ出そろい、18日公示-30日投票の衆院選に向けた政策論争が本格化する。自民党はマニフェストを「安心」「活力」「責任」の三つに分類。成長戦略は活力分野の冒頭部分に表記し、「大胆かつ集中的な経済対策で、2010年度後半に年率2%の経済成長を実現する」と宣言。「10年で家庭の手取りを100万円増やし、国民所得を世界トップクラスに引き上げる」ことを目指す。民主党は「中小企業の法人税率を11%に引き下げ」などを掲げているが、自民党は「経済の成長政策が欠如したまま、お金を配ることだけに着目している」(麻生首相)と批判を強めている。安心分野では、11年度までに消費税率引き上げの道筋を示す法制上の措置を講じ、「堅固で持続可能な『中福祉・中負担』の社会保障制度を構築する」としている。民主党は消費税率引き上げを凍結しており、自民党は財源問題への取り組みを強調している。また、子育て支援の強化を打ち出し、3~5歳の幼児教育の無償化や、返済義務のない奨学金制度の創設を打ち出した。さらに、育児のためいったん離職した女性の再就職に積極的に取り組む企業の支援制度創設を盛り込んだ。民主党は中学卒業まで月2万6000円の子ども手当や公立高校の授業料無償化などをうたっている。責任分野では、北朝鮮のミサイルや核への脅威などから、安全保障体制の強化を強調した。集団的自衛権の一部行使を念頭に「同盟国の米国に向かう弾道ミサイルの迎撃などが可能になるよう、必要な安全保障上の手当てを行う」などと明記。外交・安全保障分野の具体策を示していない民主党との違いを鮮明にしている。活力分野では、道州制導入を17年を念頭に目指すことや、国と地方の代表者が協議する機関の設置の法制化も盛り込んだ。一方、自民党のマニフェストは政策に必要な財源を巡り、消費税を含む税制の抜本的改革について「経済状況の好転後」とするにとどめ、引き上げの時期や上げ幅は示さなかった。31日の記者会見に同席した自民党の園田博之政調会長代理は「(当分の間は)国債発行はやむを得ないのではないか」と述べており、選挙戦での主要争点となる。------------------------いやはやしかし、「2010年度後半に年率2%の経済成長を実現すると宣言。」そんなこと宣言してしまって良いの???教育の無償化とか、子ども手当とか、高速道路の無償化とかは、政府がそういう制度を導入することで実現できるけれど、経済成長率は政府がこうすれば経済成長率はこうなる、などという単純なものでもないでしょう。そんなことができるなら、そもそも世界同時不況なんて、起こっていない。世界同時不況が防げなかった自民党に(もちろん、民主党政権だったら防げた、とも思わないけれど)2010年度後半に年率2%の経済成長を実現なんて、出来るわけがないのです。「10年で家庭の手取りを100万円増やし、国民所得を世界トップクラスに引き上げることを目指す。」これもまた、相当にすごい(不可能な)公約ですが、まあ「目指す」(目指したけど実現しなかった)というだけなら誰にでも出来ますから、「実現を宣言」に比べれば絵空事度は低いかも知れません。で、民主党のマニフェストをバラマキと批判して止まない自民党の財源論はというと、「(当分の間は)国債発行はやむを得ないのではないか」だそうで。結局は借金が頼りというわけです。というか、現に自民党政権の下で、国債発行残高はもの凄い勢いで増大しているわけですが。ま、もっともマニフェストに何を盛り込もうが、選挙に勝たなければ実現などしないわけですから、そういう意味では、自民党のマニフェストは、多分一つとして実現することはないだろうと思います。
2009.07.31
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090728-00000089-jij-soci会場使用を拒まれ教育研究全国集会を開けなかったとして、日教組がプリンスホテルと同社社長らを相手に約3億円の損害賠償などを求めた訴訟の判決で、東京地裁は28日、ホテル側に請求全額の支払いと新聞紙上に謝罪広告の掲載を命じた。-----------------当然の判決、としか言いようがありません。プリンスホテルの言い分には一分の理もありません。もしプリンスホテルが日教組の教研集会に会場を貸したくないなら、契約の前に断るべきでした。いったん契約した以上は、その契約を履行する義務があります。「右翼団体の街宣が迷惑だから」というなら、結果的に右翼団体の威圧に易々と屈し、彼らに力を貸したと言っても過言ではありません。しかも、この件は、高裁から仮処分命令が出ているのを無視しているのだから、きわめて悪質です。裁判所が謝罪広告まで認めることはきわめて稀ですが、仮処分命令無視という司法制度無視(法治主義の無視)が大きな原因となっていることは明らかです。こんなことも分からず、「日教組」という文字を見ただけで、脊髄反射のごとく「不当判決」だの「プリンスホテル支持」だのと馬鹿なことを書いているネットウヨクが、一部ネット空間でのみ異常に多いのは、不幸なことです。そういえば、公然と司法の決定を無視と言えば、訴えられた裁判のほとんど全部に負け続けながら、賠償金を全て踏み倒し続けている有名人がおります。2ちゃんねる管理人の西村博之。彼もいつか、そうやって賠償金を踏み倒し続けてきたことの報いを受けるでしょうね。
2009.07.29
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25日に演奏した動画をYouTubeで公開中ですが、同じグループの以前の演奏もYouTubeにアップしてありますので、こちらにもリンクを貼っておきます。2002年6月30日の演奏です。何を隠そう、私はその前日2002年6月29日に相棒と結婚したのでした(披露宴などやっていないので、単に籍を入れた翌日というだけです)。それから丁度7年経ちますが、公開している3曲のうち2曲は、25日のコンサートでも、ほぼ同じアレンジで演奏してます。進歩がないというか何というか・・・・・・・・私は、やはり左端にいます。チャラグアhttp://www.youtube.com/watch?v=6HpanPiRrdo&fmt=18コンドルの反乱http://www.youtube.com/watch?v=0TXqva2erv4&fmt=18峡谷のカーニバルhttp://www.youtube.com/watch?v=SNbRlzRKcRc&fmt=18その1年前の演奏「ユリ」(動画はありません、山の写真に音を載せただけ)http://www.youtube.com/watch?v=9BS5BFBSl6E&fmt=18ところで、http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=46910181&expandによると、ハゲワシの骨で作られた4万年前の「フルート」がヨーロッパの洞窟で発見されたとか。フルートとは書いてありますが、写真を見る限り縦に吹くケーナ・尺八系の笛のようです。もっとも、音の出る理屈、吹き方は横笛のフルートも縦笛のケーナも同じですが。--------------------ハゲワシの骨でできたフルートがヨーロッパの洞窟で発見された。世界最古の楽器である可能性が高く、人類による音楽の起源がさらに時代をさかのぼることになる。ヨーロッパに定住した初期の現生人類は音楽を奏でることができたため、ネアンデルタール人より戦略的優位に立つことができたとする説があるが、このたび最古と判定された4万年前のフルートは、一緒に発見されたマンモスの牙でできたフルートの破片とともに、その説を裏付ける証拠となる。ドイツにあるテュービンゲン大学の考古学者ニコラス・コナード氏率いる研究チームは2008年、ドイツ南部にある石器時代のホーレ・フェルス洞窟遺跡で骨製フルートの破片を複数発見した。フルートには5つの指穴が開けられ、送風口にはV字の切り込みが入り、楽器としてほぼ完全な形をしていた。直径はちょうど8ミリで、本来の長さは34センチほどあったとされる。--------------------- 写真を見ると、この「フルート」は、指穴が4つ開いているので、すでに「音階でメロディーを吹く」ことが可能だったようです。4万年も前にここまで完成された笛があったとは、驚きです。吹いてみたいなあ!
2009.07.28
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このところ山の話を中心に書いていますが、昨日は荻窪の杉並公会堂で「真夏のフォルクローレフェスタ」で演奏してきました。6曲とフィナーレで踊りの伴奏3曲メドレー、合わせて7曲演奏したなかから、3曲YouTubeに動画を公開しました。Ramis ラミスhttp://www.youtube.com/watch?v=Z_GBD-G1aOc&fmt=18Quisiera quererte mas きみをもっと愛せたら・・・・・・http://www.youtube.com/watch?v=pnozrOKhjZU&fmt=18Lejanias 遙かなる地http://www.youtube.com/watch?v=olAs8KJIfFE&fmt=18この曲、ちょっと大きなミスをしでかしているのですが、それは見なかったことにしておいてください^^;Carnaval del valle 峡谷のカーニバルhttp://homepage3.nifty.com/ryo-folklore/Ra/Carnavalvalle2.MP3安物のデジカメで録画したら、4曲目までで録画が止まっていました。なのでこの曲は動画がなく音源のみです。今回演奏した中では、この曲が一番演奏の出来が良かったかなと(客席の盛り上がりも)思います。私は、最初の2曲では左端、最後の1曲(遙かなる地)では左から2番目で主にサンポーニャを吹いています。(音源のみの「峡谷のカーニバル」でもサンポーニャ吹いてます)たった7曲ですが、ヘトヘトに疲れました。まあ、本番前に全曲練習で通しましたし、リハーサルもやっている(リハーサルは曲の一部しか演奏していませんが)し、フィナーレはメドレーなので実質2~3曲分の長さがあるし、実際には20曲分以上演奏している計算になるので、疲れるのも当たり前かも知れませんが。山登りもそうですが、本当に心から楽しいことと言うのは、非常に体力を使います。決して「安楽」ではありません。山登りは私の場合いつも単独ですが、音楽は単独ではできません。ギターソロとかピアノソロなら1人でできるかも知れませんが、アンサンブルは全員が呼吸を合わせることが絶対条件になります。しかし、音楽も山登りと同様、否それ以上にやめられないです。
2009.07.26
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トムラウシ岳の遭難事故について、この日記でも何度か取り上げてきました。現段階で推定できる原因は16日悪天候にもかかわらず予定通り避難小屋を出発したこと明らかにその日の目的地に到着できないペースと思われるにもかかわらず、早々に引き返さなかったことそもそも予備日がなく、日程に余裕がなかったこと参加者の体力にも、余裕がなかったこと亡くなった方の装備・雨具に不備があったらしいこと最初に動けなくなった人が出た段階で長時間停滞したことで、他の参加者にも低体温症が広がったこと救助要請が遅れたこと(おそらく)救助要請や日程変更を極端に嫌う会社の体質があったことなどの点が指摘できるかと思います。基本的には、ガイドとツアー会社の不備と判断ミスと思われます。その責任は今後追及されていくことになるでしょうし、追及されなくてはなりません。ただ、何度も書くように、会社やガイドの責任が追及されても、失われた命は戻ってきません。客だガイドだと言っても、自然の猛威は相手をえり好みしてくれるわけではありません。客だから連れていってもらう、という立場は、多分山登りでは通用しないのだと思います。さて、私は1990年頃から山登りをしています。何度か職場の同僚と一緒に山に登ったことはありますが、ほとんどの場合は単独行です。最初から単独行だったので、自分にとっての山登りはそういうものだと思っています。山登りの内容としては、ごく初歩的です。岩登りとか沢登りはせず、一般縦走路を歩くだけ。冬季も登りますが、厳冬期は八ヶ岳の硫黄岳や北八ヶ岳の山々など、ごく初歩的な雪山しか登りません。そういう意味では、限りなく「なんちゃって登山者」に近い存在です。たいていの登山口には登山者への注意書きがあって、その中には、「単独行はやめましょう」などと書いてあることもあります。遭難対策という意味では、単独行はあまり歓迎されません。実際、単独行のデメリットは、万が一の場合(体調が悪くなった、怪我をしたなど)の場合に頼れる相手がいないということに尽きます。ゴールデンウィークや夏山シーズン、秋の連休や年末年始の人気コースだったら、他の登山者はいくらでもいますから、万が一の場合に急を告げることくらいは不可能ではありませんが、ちょっとでも時期を外れれば、登り始めから下山してくるまで他の登山者には誰にも会わなかった、なんてことはいくらでもあります。当然、単独行で何か起こっても、(よほど特殊な、悪意に基づくような例は別にして)誰の責任も問えません。全て自分で責任を負うしかない。単独行のメリットは、何と言っても日程を自由自在に決められる、ということに尽きます。山に行くも中止するも自分次第ですから。ただ、かつて登山者の御用達であった中央線の急行「アルプス」は、自由席が中心だったので、行くも行かないも直前に決めることが可能でしたが、現在は快速「ムーンライト信州」や夜行バス「さわやか信州号」いずれも全席指定なので、予約をした時点で日程が拘束されてしまうようになってしまいましたけど。単独行は先に進むも引き返すも全て自分の自由です。ただし、無理して先に進んで、事故を起こして動けなくなっても助けてくれる人はいませんから、そういう意味では慎重になります。基本的には、天候が悪いときには早々に予定を変更することが多いです。しかし、20年近くも山登りをしていると、時々ひどい天候に直面することがあります。前の日記に書きましたが、稜線上の絶壁の縁で、突風が吹き荒れ(断崖絶壁側が風下)とても立って歩くことなどできず、大きな石をつたいながら、四つ足で歩いたことがあります。顔に当たる雨粒が痛い(だって、もの凄いスピードで横から降ってくるから)、ザックカバーはいつの間にか吹き飛ばされて、なくなりました。もっとも、冬山で森林限界を超える稜線上は、基本的にいつでも台風並の暴風です。しかし、稜線上でそんな凄まじい突風が吹き荒れているときでも、森林限界より下の樹林帯はそよ風が吹いているだけです。樹木の力は偉大だと、このときほど痛感することはありません。だから、基本的には暴風の時はできるだけ速やかに樹林帯に逃げ込むに尽きます。というわけで、私は厳冬期の雪山で森林限界上を終日行動するような山登りはできないのです。単独行では、歩くペースや休憩の取り方も自分で好きに決められますから、結果的には結構脚力を発揮しやすいように思います。他人のペースに合わせるのは、疲れるものですから。これも単独行のメリットです。単独行だと自然の息吹が近くに感じられます。まったく1人で夜を越すのは特に面白いものです。ただし、これは人によって好みが別れるでしょうが。そんなの怖い、と思う人もいるでしょう。(私は好きです)東京都の最高峰雲取山に、ある時期毎年冬に登っていたことがあります。いつも山頂の避難小屋に泊まるのですが、たいてい他に登山者はなく、小屋独り占めです。眼下には、夜、大東京の光の海が広がっている、その光景をたった1人で眺めるのは、実に印象的でした。ただし、冬山の単独行は、トレースがついていないことがあります。私も何度かトレースのない冬山で難渋したことがありますが、まず、ラッセルで体力を消耗する(私が単独で行く山は、ラッセルというほどの積雪ではないのですが、積雪30cmだって、1日歩けば大変な消耗です)、それに道がよく分からないので右往左往する、だから、途中で時間切れになって引き返すことはよくあります。全ての判断も、それに伴う責任も自分にある、そのことによるデメリットもあるしメリットもありますが、私は単独行はやめられないなあ。(山の中での判断に自身が持てない人にはお勧めしませんが)
2009.07.25
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冒頭のお詫び後の記事「トムラウシ遭難事件再考」にて書きましたが、「トムラウシ山遭難は何故起きたのか」(山と渓谷)の記述によれば、実際にはこの記事のような事実はなく、死者と生存者の間に装備の差はほとんどなく、亡くなった方もみんなゴアテックスなど透湿防水素材の雨具を着ていた、とのことです。以下、記事自体はそのまま残しておきます。凍死の7人は軽装、生存者は防寒上着 大雪山系遭難北海道大雪山系トムラウシ山(2141メートル)の遭難事故をめぐり、凍死したツアー客7人全員が、防寒、防水機能が低いウインドブレーカーなどの軽装だったことが道警への取材でわかった。他方、助かった10人は全員が、強い雨に長時間打たれても雨を通しにくく、防寒機能もある上着を着ていたという。事故は23日で1週間を迎えるが、道警は装備の差が生死を分けたとみて、死亡者の着衣を詳しく鑑定する方針だ。旅行社側が必要な防寒着の準備を客に求めていたか、ガイドらが客の服装に注意を払っていたかも調べる。ツアーは2泊3日で四十数キロを縦走するコースで、遭難時は55~69歳の15人に男性ガイド3人という構成だった。このうちツアー客7人、ガイド1人の8人が亡くなった。道警幹部によると、一行は登山中、ひんぱんに風雨に打たれ、遭難した最終日の16日も強い風雨にさらされた。北海道の2千メートル級の山は、夏でも風雨に見舞われれば体感温度は零下になるとされる。18人はみなフリース素材の服の上からカッパやウインドブレーカーなどの上着を着ていたが、死亡した客7人の上着は夏用とみられる生地で、発見時、雨がしみ込み、中がぬれていたという。体温低下を防ぐにはニット帽やフードなどで頭部から首筋を冷やさないようにする必要もあるが、死亡した7人は機能性が低いフードしかかぶっておらず、雨が首筋などを冷やし、短時間で低体温症に陥った可能性があるという。ただし、死亡したガイド1人は防寒機能がある上着だったという。 ---やはり、生死の境目は衣服の差だったようです。それにしても、私は当然に全員がゴアテックス(あるいは、その他の透湿防水素材※)の雨具を着ていたのだと思っていたので、前の日記にまさかみんなゴアテックスの雨具は着ていたはずですが、ゴアテックスといえども万能ではない、ということですね。古くなってくるとゴアテックスの薄い皮膜が破れて浸水するようになったり、あるいは撥水性が失われたり表面に土などが付着して、換気能力が低下して蒸れるようになったりします。と書いたのですが、その「まさか」だったようです。上記の記事によると、「助かった10人は全員が、強い雨に長時間打たれても雨を通しにくく、防寒機能もある上着」で、凍死した7人は「防寒、防水機能が低いウインドブレーカー」となっています。記事には「ゴアテックス」やその他の商標名は出てきませんけれど、表現から推測するに、亡くなった方はゴアテックスなど透湿防水素材の雨具ではなかった、ということでしょう。夏山とは言え、森林限界を超える山でゴアテックスなどの雨具を持っていなかったとしたら、雨の中1日行動すれば、頭の先からつま先まで全身ずぶ濡れになるのは当然です。装備の致命的な欠陥と言えます。15人の参加者のうち7人、半数近くがそのような状態とすると、この団体はやはり大雪山を3日かけて縦走するだけの装備を欠いていたと言わざるを得ません。犠牲者はいずれも50代から60代、15万円のこのツアーに参加しているところからみて、経済的には余裕があると思われます。ゴアテックスの雨具が高くて買えなかった、とは考えられません。ということは、ツェルトは重かったから置いていった、という証言も含めて考えると、山の装備に関しての知識が欠落していたのでしょう。旅行会社は必要装備についてリストを客に渡してあるそうですが、いったいどういうリストだったのか気になるところです。いずれにしても、山には必ず透湿防水素材(ゴアテックスなど)の雨具を持っていく、これもまた山登りの際自分の命を守る知識の一つと言えるでしょう。--※透湿防水素材について例えばビニールは水を通しませんが、湿気も通しません。だから、ビニール製の雨ガッパで山に登ると、蒸れてしまって雨に濡れたのと変わらないくらいびしょ濡れになり、雨具の意味をなしません。それに対し、透湿防水素材は、液体の水よりは小さく、気体の水蒸気よりは大きな微細な穴が無数に開いた素材(1平方センチに、億単位の穴が開いている)で、水は通さずに湿気は通します。これだと、カッパを着て運動してもあまり蒸れないので、最近では登山用の雨具は、透湿防水素材製のものがほぼ全てを占めています。透湿防水素材にはいくつかの製品がありますが、圧倒的なシェアを占めているのがゴアテックスです。ほかに、エントラント、ドライテックなどもあります。ドライテックはゴアテックスに匹敵するくらいの能力があるようですが、その他の素材は透湿能力の点でゴアテックスには及ばないようです。ただし、ゴアテックスと言えども無敵ではありません。普通の衣服を着ていても、厚着に過ぎれば蒸れますから、その上にゴアテックスの雨具を着れば、やっぱり蒸れます。(裸の上に雨具を着るわけではありませんから)そして、ゴアテックスの防水能力そのものは相当の耐久性がありますが、透湿能力は年月とともに衰えます。ゴアテックスの表面は撥水加工がされているのですが、この撥水能力が次第に失われるためです。撥水性がなくなると、雨具の表面が濡れた状態になります。濡れるということは表面に水の被膜ができるわけですから、微細な穴が水で目詰まりして湿気を通さなくなり、蒸れるようになってしまうのです。低温でアイロンをかけると、撥水性は回復するようです。さらに、ゴアテックス用の撥水剤(スプレー式やつけ込み式)もあるので、これを使うことによっても撥水能力は回復します。もう一つ、ゴアテックスの表面にゴミや汚れが付着すると、これも目詰まりによって透湿能力を奪う原因となります。加えて、素材そのものは完全防水ですが、古くなると縫い目から浸水、ということも起こり得るようです。つまり、ゴアテックスと言えども万能無敵ではない、ということです。私のゴアテックスの雨具は、長年の間に表面に土埃が定着してしまっています。乾燥しているときは汚れているように見えないのですが、濡れると雨具の表面が茶色に汚れていることが分かります。完全に定着してしまっていて、洗剤で洗ってもまったく落ちません。加えて、撥水性も完全に失われており、そのせいで蒸れ蒸れの雨具となってしまっています。ただ、そんな透湿性の失われた状態でも、雨が降っていないときにウィンドブレーカーの代わりに着ると、まったく問題なく使えます。私は、年末年始に八ヶ岳に登るときすら、このゴアテックスの雨具を使っています。ペラペラのナイロン生地1枚ですが、風を通さないから、マイナス15度以下の猛吹雪の中でも、雨具の下にセーターすら着ていなくとも、歩いている限りは全然寒くないのです。足が止まってしまえば、もちろん寒いですが。
2009.07.23
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090721-00000003-jct-soci民主・鳩山代表を揶揄 自民党ネット動画が話題2009年7月21日午後の本会議で衆院が解散され、これから熾烈な選挙戦が展開されるが、そうした中で自民党が制作したネット動画が話題になっている。夜景の見えるレストランで民主・鳩山由紀夫代表に似た男性が女性にプロポーズしたところ、「お金は大丈夫?」と問い返される、といった中身で、民主党の政策を揶揄したものだ。自民党はYouTube(ユーチューブ)などの動画共有サイトに公式チャンネルを開設している。7月に入ってから総選挙を意識してか、動画を使って積極的なネット広報活動を始めた。(中略)そんな中、衆院解散直前の17日に新たに公開されたのが「プロポーズ篇」だ。長さ30秒程のアニメーション動画。レストランで男性が女性にプロポーズするシーンを描いているが、この男性の髪型、顔の作りが民主党代表・鳩山由紀夫氏そっくり。窓の外の夜景には国会議事堂も見える。「ボクに交代してみないか? 出産や子育ての費用も教育費も、老後の生活費も介護の費用も、ボクに任せれば全部OKさ!」と女性に持ちかける。「お金は大丈夫?」と質問されると「細かいことは結婚してから考えるよ!」といい、「えぇぇぇ?? 」と驚かれてしまう。最後は、「根拠のない自信に人生を預けられますか? 根拠がある。自民党」というナレーションで締めくくられている。--------------------------素晴らしいぞ、自民党。是非その動画を「製作・自民党」と明記の上、大々的に流して欲しい。どうせなら、テレビCMでも流すといいかも知れない。そうすれば、ネットウヨクだけは大喜びし、世間一般の自民党への支持は、多分更に減る。自民党の敗北を願って止まない私にとっては、実に望ましい話です。現実には、かつて郵政解散の時、社民党が「ほんどうに怖いことは、最初人気者の顔をしてやってくる」というCMを用意したところ、民放各社から放送を拒否されるという出来事がありました。人気者というのは人気絶頂の小泉を暗示していたから、特定の政治家に対する個人攻撃とみなされたのでしょう。その前例から考えて、ここまで露骨な個人攻撃を民放は放送できないでしょう。それにしても、こういうネットウヨク的感性のみをアテにした動画を作って、支持が回復できると思っているとしたら、自民党はもう絶望的にダメ。いや、ダメなのは今に始まった話ではないけど。
2009.07.22
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http://www2.asahi.com/senkyo2009/news/TKY200907210004.html衆院解散・総選挙へ 8月18日公示、30日投開票衆院は21日午後の本会議で解散された。政府はただちに臨時閣議を開き、総選挙の日程を「8月18日公示、同30日投開票」と決めた。自民、民主の2大政党が激突する「政権選択選挙」が事実上スタートする。民主党が政権を奪取するか、自民、公明両党が過半数を確保して連立政権を維持するのかが最大の焦点だ。(以下略)----------------------いよいよ、ついに解散です。世論の風は、いつ風向きが一変するか分からないので、どういう結果が出るかはまだ分かりませんが、ただ今のままの状態が続けば、自公大敗北、民主党躍進は確実と思います。私も、民主党に様々な不満はありますけれど、少なくとも自公政権には下野してほしいと、そう願っています。ところで、与謝野馨財務・金融相は21日の閣議後会見で、衆院解散に絡み、「政策的には内政、外交ともに失政はない」と麻生政権を振り返ったそうです。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090721-00000037-jij-pol世界同時不況に対して(それが起こったことについては麻生内閣の責任ではないけれど)、有効な対策を打てなかったことは失政としか言いようがないし、定額給付金なんて的はずれな政策も失政。あの財源だって結局後に負担を回しただけでしょう。ただ世界同時不況は新自由主義経済が必然的に招いた事態ですから、そういう意味では麻生1人の失政と言うより、小泉「改革」という失政の後遺症に麻生も巻き込まれた、とも言えるかも知れません。 もう一つ言えるのは、「失政がない」というなら、政権を握っていない野党にだって、まだ失政はない、ということです。でも、野党が「我が党に失政はありません」などと言っても何の魅力もありません。なぜなら、野党の存在意義は、守ることにではなく攻めることにあるからです。しかし、それは実は今の自民党にも言えると思います。だって、参議院選で民意を失ったところから、今の自民党はスタートしているんだから。「失政はない」というのは、残されたわずかな支持者の民意をつなぎ止める効果はあるかも知れませんが、支持を広げるのではなく、残された支持を守っているだけじゃ参議院選あるいは都議選同様の結果になるだけでしょう。ま、私としては、自民党がそうなることを願っていますが。そして、実は上記の話は日本共産党にも若干当てはまる部分があるかも・・・・・・。
2009.07.21
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http://www.asahi.com/national/update/0719/TKY200907190369.html複数客、出発前にガイドに「中止を」 大雪山系遭難北海道大雪山系トムラウシ山(2141メートル)で8人が死亡した遭難事故で、パーティーが前泊した避難小屋を出発する前に、悪天候や沢の増水、疲労の蓄積などを不安に思った複数のツアー客が「中止した方がいい」とガイドに申し出ていたことが北海道警への取材でわかった。出発後も「引き返した方がいい」「救助要請を」と訴えたツアー客がいたという。(中略)捜査幹部によると、一行はひんぱんに風雨に打たれ、15日はヒサゴ沼避難小屋で眠ったが、16日早朝はかなり疲れが残っている客がいたという。さらに小屋の外は激しい風雨で、当初午前5時ごろの出発を約30分間遅らせた。この際、複数のツアー客が、ガイドに「今日は中止した方がいいのではないか」と申し出たという。しかし、ガイドは午後から天候は回復すると判断し、午前5時30分ごろ出発したという。出発してしばらくすると、「体調が非常に悪い」と訴える人が出て、それを聞いた他の客が「引き返した方がいいのではないか」「救助を求めた方がいいのではないか」とガイドに訴えたというが、ツアーは続行。昼前には山頂に近い北沼付近で女性1人が低体温症で歩行困難となり、さらに男女4人も進めなくなった。この北沼付近には客5人、ガイド2人の計7人が野営することになったが、このうち4人が凍死した。(後略)----------------------------http://www.asahi.com/national/update/0719/NGY200907190029.html登山客、ガイドに業煮やし「救援要請を」 大雪山系遭難「遭難だと認めて救援を要請しろ」。北海道大雪山系トムラウシ山の遭難事故で、なかなか救援要請をしないガイドに業を煮やし、こう求めたと、旅行会社アミューズトラベルのツアーに参加し、自力下山した愛知県清須市の戸田新介さん(65)が証言した。山頂付近で動けなくなった人が出始めて約1時間半たってからのことだ。戸田さんは「ガイドの判断は場当たり的だった」と憤る。戸田さんによると、16日午前10時半ごろ、山頂に近い北沼付近で女性が動けなくなり、ガイドが1人付きそった。戸田さんら他のメンバーは「何をしているのか」と、少し先で待っていたが、ガイドは一向に戻ってこない。風雨が強まり、「寒い。わーわー」と奇声を発し始める女性も出た。1時間半が過ぎた。戸田さんはその場にいた別のガイドに「どうするんだ。様子を見てきてくれ」と頼んだ。しかし、さらに10分が過ぎても何の反応もない。我慢出来なくなった戸田さんは大声で叫んだ。「この事態をどうするんだ。遭難だと認めて救援を要請しろ」すると、北沼付近にいたガイドが戻って来た。「歩ける人は、先に下りてもらえますか」。救援要請は聞き入れられず、違うガイドが先導して先を進むことになった。1時間半も風雨の中で立ち止まっていたため、体が思うように動かないメンバーが多い。ペースが速いガイドにはついていけなかった。(中略)戸田さん自身も体力の限界が近づいた。何とか助かったのは、山頂に近づいた時に雨がっぱの下にフリースをもう1枚、着たからだという。着替えるために雨がっぱを脱ぐと雨にぬれるが、「このままでは寒さでやられる」と思い切った。 戸田さんは指摘する。「重ね着をさせるなど、ガイドが指示を出すべきだったのではないか」。戸田さんのほかに防寒対策をする人はほとんど見られなかったという。(中略)「ツアーだとこちらから中止を言いにくい。ガイドが参加者全体のことを考えて判断を下さないと。リーダーシップをとれる人がいなかった」と悔しがった。----------------------------どう考えても、この状況でガイド(と会社)の責任は免れ得ません。昨日の日記でも、避難小屋を出てから北沼までに6時間もかかっている時点で明らかに無理な状態と書きましたが、案の定、出発してすぐに体調に変調をきたしていた客がいたようです。しかも、そんな状況にも関わらず、4人のガイドのうち1人を避難小屋に残しているのです。前の日記に書いたように、ガイドが残ったのは、後続の登山ツアーのために避難小屋を確保しておくため、無理に出発したことも、後続のツアーのために小屋を空けておく必要があったためという可能性があります。携帯が通じているのに救助要請をしなかった件も含めて、ガイドが旅行会社の営業上の都合と体面を取り繕うことを、客の生命を守ることより優先したと思えるフシがあります。一方で、ガイドが現地の判断で行程を変更すると、ガイドやツアコンが会社から大変な怒りを買うという現実もあるらしい。旅行会社の営業上の都合と体面を取り繕わないと、自分がクビになるという恐れの中での判断だとすると、会社の責任も非常に大きいです。もちろん、この背景には、予定していた山に登れないとクレームを付けるような客が少なからず存在することも事実です。ただし、あくまでも一般論の話です。今回のツアーにそういう客がいたかどうかは不明です。「岩にしがみついて四つんばいで歩くような状態」で、「それでも登らせろ」という客はいなかったのではないかと思いますが、それも推測です。客の立場なら、ことは自分の命に関わることですから、ガイドが何と言おうが避難小屋に居座る、ガイドが救急通報しないなら自分で通報する、くらいの割り切りは必要だったと思います。要するに、ガイドの言うことなんか聞いていたら命なんかいくつあっても足りないから、自分の判断で行動するしかないってことです。ただし、団体旅行でこういう割り切りをして一人で独自行動を取るのは、かなり勇気を要することです。特に、自分一人でその場に残るという選択は、最終的には自分一人で下山することにつながります。独力では行けないからツアーに参加しているのだとしたら、一人で下山というのは勇気がいるでしょう。「では置いていきます」と言われたら、怖くて「じゃあ行きます」となることは、人間の心理から言って仕方のないことです。帰りの飛行機だって、ツアーを離れてしまったら自分で改めてチケットを買わなければなりません。その飛行機代相当分のお金を持ってきているかどうかという問題もあります。で、結局のところそこまでの割り切りをするなら、ガイド付きツアー登山なんて必要なくて、個人で山に登ればいいのです。前述のとおり、私はほとんどの山歩きに単独で行っています。で、時々登山ツアーの人たちと遭遇することがありますが、常々、非常に問題があると思っていました。今回のツアーは客15人にガイド4人でしたが、客60人にガイド2人とツアコン1人という団体と遭遇したことがあります(確か南アルプスの北岳)。もう「団体」の態をなしていません。だって、参加者の脚力に大差があるから、登山口から数時間も歩いた時点で、すでに先頭から最後尾まで1時間も2時間もの距離が開いているのですから。ガイドは先頭と最後尾でしたから、団体の中間付近で何が起きたって、ガイドはどうしようもありません。こうなると、「ツアー登山」といいながら、実態は行き帰りの交通と山小屋がセットになった手配旅行のようなものです。登る部分は自力で全部やれ、と。そういう割り切りでツアー登山を使うのも一つの方法ですが、「ガイドがいるから安心」と思ったら、とてつもない勘違いです。それよりは遙かに小規模な団体でしたが、明らかに、客がその山に登れるだけの技術と体力を持ち合わせていないことが歴然としている例もありました。これは、南アルプスの甲斐駒ヶ岳でしたが、一般縦走路上のちょっとした岩場で、すでに立ち往生しているのです。さすがにガイドが適切な判断を下して、途中で引き返したようですが。--ところで、話は変わりますが、取材された方が、フリースを着たおかげで助かったと書いていますが、これはおそらく誇張ではなく事実と思います。山では、時として衣類の選択一つで生死が分かれる場合もあるのです。山に登る人にとっては常識と思いますが、一応書いておきます。山では綿の衣類はダメ、ウールか化繊にする綿は濡れたときに保温性が悪く、体温が奪われるからです。でも、綿の衣類を着ていて雨に濡れて、今回のような極限状態に至ったら肌に接するところに綿ではない衣服を着ること。下着が綿だったら、下着は脱いで、セーターなど綿ではない衣類を直接肌の上に着る。綿の下着の上に厚着をしても効果がない場合が多い。(私は、実はパンツだけは、ダメと知りつつ綿製を履いているので、いざとなったらパンツだけ脱いで直接ズボンを履くしかありません)雨か雪か迷ったら、雨に対する装備をするゴアテックスの雨具で雪は防げますが、冬山用のアウター(たとえゴアテックスを使っていても)で雨は防げません。乾雪より湿雪、みぞれ、雨の方が怖い今回の事件に似た遭難騒ぎは、実は毎年のように起こっています。本州の山では、秋の連休あたりが多くて、7月というのは珍しいですが。(7月にこんな事故が起こるのは、やはり北海道だけのことはあると思います)一番有名なのは、1989年10月の立山での中高年登山者8人凍死事故です。私の印象では、厳冬期より、むしろ秋の方がこの種の疲労凍死が多い気がします。一つには、厳冬期はあまり経験のない登山者は山には入らないためでしょう。しかし、もう一つの理由は、秋の冷たい雨やみぞれ、暖かくて湿った雪は、低温時の乾燥した雪に比べて体を濡らす可能性が高く、体温が奪われる危険も大きいためだと思います。何はともあれ、死んだ後で旅行会社やガイドの責任が指弾されても、失われた命は戻ってきませんから、山に登る際は人任せではなくくれぐれも自分でよく準備を整えましょう。何だか山の怖さばかり書いてしまいましたが大雪山の写真でも姿見の池付近から旭岳を望む裾合平の地塘大雪山・お鉢平。この谷底は有毒ガスがあって立入禁止ですお鉢平付近よりトムラウシを望む。中央やや右よりの一番奥が問題のトムラウシ岳。旭岳付近から見ると、こんなに遠いのです。富良野岳、トムラウシより更に南西、大雪山の南端に当たる山です。富良野岳は花花花、全山お花畑の山です。天気が良ければこんなに素晴らしい景色。
2009.07.20
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実は、昨日の晩東京を出て北アルプスに向かったのですが・・・・・・・・何故か、もう帰宅しました。新穂高温泉から双六岳~三俣蓮華岳と回るつもりだったのですが、すごい土砂降りの中歩き出したのですが、ゴアテックスの雨具が古くなってきて、防水が切れてきた+表面が汚れで目詰まりして湿気が籠もるようになってきたため、全身ずぶ濡れ状態。登山靴の中もずぶ濡れ。気温はそんなに低くなかったのですが、稜線上に出ると気温も低いだろうし風も強いし、とにかくこんな状態でテント張っても、ただただ惨めで悲惨なテントライフだし、明日も天気悪い予報だし、というわけで、結局引き返してしまいました。何となく、大雪山の事故のことも頭をかすめました。新しい雨具と登山靴を買うことにします。登山靴は11年、雨具は多分12~3年使っています。いい加減寿命かも。というわけで、大雪山の遭難事故のニュースです。http://www.asahi.com/national/update/0717/HOK200907170002.html遭難計10人死亡 大雪山系トムラウシ山・美瑛岳北海道大雪山系のトムラウシ山(2141メートル)と美瑛岳(2052メートル)で登山客らが相次いで遭難した事故で、北海道警は17日午前までに10人の死亡を確認した。18人が遭難したトムラウシ山では17日午前までに5人が自力下山し、道警などのヘリに13人が収容されたが、8人が死亡した。このツアーとは別に男性登山者1人が死亡して見つかった。6人が遭難した美瑛岳では17日未明、1人の死亡を確認した。北海道警は二つの遭難事故について業務上過失致死容疑でツアー会社側に対する捜査を始めた。(中略)このパーティーが歩いたコースは、旭岳温泉から入山し、旭岳やトムラウシ山を2泊3日で縦走する「健脚向けのコース」。トムラウシ山はこの時期、花の山として人気があるが、山が奥深く、体力、精神力がないと登れないとされる。14日から16日にかけては雨や風が強く、気温も下がり、登山者の体力を奪ったとみられる。参加者の一人は「風が吹き荒れていたが、ツアーは計画通り出発した」と話している。(中略)札幌管区気象台によると、14~16日、道内は低気圧が通過し、大雨が降ったり強風が吹いたりした。トムラウシ山の標高2千メートル付近の16日午前9時の気温は6~7度だったと推測されるという。帯広測候所によると、山頂付近では16日、20~25メートルの強い風が吹いていたといい、同気象台は「体感温度はさらに低かったのでは」とみている。(後略)----------------------私も、大雪山周辺では、旭岳と富良野岳に登ったことがあります。大雪「山」と言いますが、大雪「山脈」と言った方が良いのではないかと思うくらい広大な山です。「富士山で山の高さを知り、大雪山で山の広さを知る」などと、よく言われます。報道によると、旭岳温泉を出発し(おそらくロープウェーで姿見の池に出たものと思います)、旭岳を経由して白雲岳避難小屋に1泊、忠別岳、五色ヶ原を経由してヒサゴ沼避難小屋に1泊、そこからトムラウシに向かおうとして遭難したようです。この長大なコースを、ヒサゴ沼避難小屋までは落伍者なく来ているようなので、ある程度以上脚力のある登山者ばかりだったことは間違いありません。ただ、この人数で避難小屋を頼りにしたコース取りは疑問を感じます。私だったら、たとえ避難小屋宿泊を前提としていたとしても、テントを持っていくでしょうね。なぜなら、行ってみたら避難小屋がいっぱいだった、という事態が考えられるし、避難小屋までたどり着けない事態も考えられるからです。せめて、ツェルトはもっていなかったのでしょうか。(私は、営業山小屋利用あるいは日帰りのときは、必ずツェルトを持ちます)あるいは、避難小屋利用でもシュラフか(夏山にはシュラフは持ち歩かないとしても)シュラフカバーくらいは持っていたはずです。動けなくなったとき、シュラフカバーとツェルトにくるまっていれば、かなりの人が助かったのではないかと思うのですが。夏とは言え、セーターはもっていなかったのでしょうか。とは言え、まさかみんなゴアテックスの雨具は着ていたはずですが、ゴアテックスといえども万能ではない、ということですね。古くなってくるとゴアテックスの薄い皮膜が破れて浸水するようになったり、あるいは撥水性が失われたり表面に土などが付着して、換気能力が低下して蒸れるようになったりします。そうすると、ゴアテックスの雨具を着ていても、中がずぶ濡れということは起こり得ます。(私の雨具が、まさしくそうなってしまった)※追記 テントは持っていたようです。http://www.asahi.com/national/update/0718/TKY200907170469.htmlによると、5人はテントを張って野営したようです。このうち何人が亡くなったかは分かりませんが。もう一つ、遭難した日にヒサゴ沼避難小屋を出たときは大変な強風で、「こんなので大丈夫なのか」と不安に思った登山客もいたようです。別の報道によると「雨と風で体感気温は相当低く、リュックカバーが風で吹き飛ばされ、岩にしがみついて四つんばいで歩くような状態だった」という証言もあります。どの程度の風雨か、ある程度想像がつきます。私も、南アルプスの農鳥岳近辺で、夏場そういう事態に出会ったことがあります。稜線上で片側が絶壁になっているところで、突風が吹き荒れ(断崖絶壁側が風下・・・・・・)とても立って歩くことなどできず、大きな石をつたいながら、まさに四つ足で歩きました。雨のつぶてが顔に当たると痛いのです。ザックカバーに気を使う余裕なんてなくて、いつ吹き飛ばされたのかも分かりません、気が付いたらなくなっていました。基本的にはそういう時は引き返すのですが、そのときはそこを突破しないことには下山できなかったので、強行突破するしかありませんでした。多分、長く山登りをしていれば、かなりの人がそういう事態に直面したことがあると思います。というか、夏山でそこまでの強風は珍しいですが、冬山ではかなり当たり前です。その状態で、何故小屋に停滞するか、あるいはせめてトムラウシは諦めて下山する(ヒサゴ沼避難小屋からは化雲岳を経て天人峡に下山するルートがある)選択が取れなかったのかと思います。追記 ただし、標準コースタイムで見て、天人峡へ直接下るルートも7時間弱かかり、トムラウシを越えてトムラウシ温泉までの8時間強と大差のないロングコースです。やはり停滞がベストだったと思われます。どうやら、後続の団体客が翌日宿泊の予定で、どうしても避難小屋を空ける必要があったというのが真相のようですが(そのために、場所取りでガイドが一人小屋に残っています)、事実とすると、この会社は避難小屋を自らの営業のために私物化していた、とも言えますし、営業の都合で客を暴風雨の中に追い出した、とも言えます。いずれにしても、山では日程や予定通りには行かないことがある、ということを前提にしないツアー運営だったように思えてなりません。報道によると、一行は朝5時半に避難小屋に出て、最初の落伍者が出た北沼付近にたどり着いたのが昼前だそうです。ここまで6時間以上の時間がかかっています。登山地図によると、このルートの標準タイムは2時間半です。登山地図の標準タイムなんてアテにはなりませんが、それでも、その倍以上の時間がかかっているというのは、明らかに登るのが無理な状態です。私はほとんどの登山が単独ですが、職場の同僚と一緒に山に登ったことも何度かあります。単独の時は自分の意志が全てですから、「もう引き返そう」と思えば、いつでも引き返すことが出来ます。ところが、団体の時はどうしても他の人に引きずられます。自分自身は体力的に限界でも、あるいは技術的に無理でも、「登りたい」という人がいると、それに引きずられてしまうことがありがちです。それに、他人に依存的になってしまう。自分一人なら自分でルートを確認して地図を見なければ始まりませんが、団体だと「誰かに付いていけばいい」になってしまう。単独登山にはデメリットもありますが、こういう場面では団体のデメリットもあるように感じます。客に対してガイドの数が圧倒的に少ない(それでも、私の知る限り、今回のツアーは客に対するガイドの数は、このようなツアー登山の中ではかなり多い部類だと思います)ので、ガイドとはぐれてしまうと、個々の登山客は容易に孤立して、身動きできなくなってしまったのかもしれません。
2009.07.18
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http://www.asahi.com/politics/update/0714/TKY200907140190.html自民・古賀氏、選対委員長を辞任へ 地方選敗北を引責自民党の古賀誠選挙対策委員長は14日の党総務会で、静岡県知事選や東京都議会議員選挙などでの与党敗北の責任を取り、委員長を辞任する意向を明らかにした。細田博之幹事長は慰留している。麻生首相が21日にも衆院を解散すると表明したことに反発する声が噴き出すなど、自民党内の混乱は収まらない。 (以下略)------------------総選挙を間近に控えたこの時期にこんな話が起こること自体、自民党の「たが」が壊れてしまった証明のように思えます。沈みゆく船からみんな逃げ出し始めたという印象です。↓こんな発言も飛び出しました。http://www.asahi.com/politics/update/0715/TKY200907150348.html--------------------「突入ではガダルカナル」 小池元防衛相、首相を批判「戦いを総括し、戦略・戦術を見直すことなく、そのまま『突入!』ではガダルカナルではないか」。自民党の小池百合子元防衛相は15日、自身のメルマガで、麻生首相による解散をガダルカナルの玉砕戦になぞらえ、痛烈に批判した。小池氏は「開戦日程だけが設定され、マニフェスト(政権公約)という武器もなく、赤紙一枚で戦場に赴く兵士の思いは複雑だ」と心情を吐露。麻生首相について「戦後処理にあたった吉田茂の孫は、『失敗の本質』をご存じではないようだ」と皮肉った。小池氏は5日に出演したテレビ番組で「首相指名では麻生太郎と書いている。製造者責任がある。しっかり支えることが基本だと思う」と語り、「麻生降ろし」とは一線を画してきた。 --------------------確かにそのとおりですが、今の自民党に「戦いを総括し、戦略・戦術を見直す」だけの能力があるかどうか。もう残っていないのでは。民主党が素晴らしく良いかというと、私は必ずしもそうは思わないのですが、少なくとも自民党はダメだ、ということだけは言えそうです。
2009.07.15
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昨日の都議選、私も都民なので投票しました。ふだん、私と相棒は、投票前に「どこに投票する」と相談することは一切ないのですが、投票後に聞いてみると、だいたい8割方私の投票先と一致しています。さすがに何十人も候補者がいる区議選とか衆参の比例区の個人名まで一致したことはありませんが、何党というレベルまでならだいたい一致することが多いです。私も相棒も自民党が嫌いですから。でも、今回は投票先が割れました。いずれにしても、自民公明には投票しない、という意味では同じですけど。結論はご存じのとおり、民主が54議席(現有34議席)、自民が38議席(同48議席)、公明が23議席(同22議席)、共産が8議席(同13議席)、東京・生活者ネットワークが2議席(同4議席)、無所属が2議席(同3議席)。都議会野党が過半数を占めました。感想は色々あり、不満も残りますが、まあ基本的には満足すべき結果だったと思います。共産党が減ったのが・・・・・・・、ということと、公明党がこの期に及んでもまだ全員当選というのがね。(きっと、例によって「あの作戦」をやったんだろうなあ)もっとも、議席数はともかく、公明党の得票数は前回と比べてどうなんでしょう。少しは減ったのかな。十年以上前には選挙になると、記憶にもない「同窓生」がよく投票依頼の電話をかけてきたものですが、最近はそういう電話をまったく受けなくなりました。組織の力が落ちてきて電話をかけられなくなったのか、それとも、私が誤解の余地なくはっきりと「公明党なんか絶対に投票しない」と答え続けたから、勧誘するだけ無駄な「仏敵リスト」にでも名前が載ったか、さてどちらでしょうね。そして今日、今月21日解散、8月30日総選挙と麻生首相が表明したようです。http://www.asahi.com/politics/update/0713/TKY200907130179.html?ref=recaつまり、自公政権最後の日が8月30日になった、ということですね。いや、まだそう決めてかかるのは早いか、まだ何があるか分かりません。それにしても、自民党の立候補予定者たちはこの決定にかなり反発しているようです。------------------http://www.asahi.com/politics/update/0713/TKY200907130219.html「最悪のタイミングだ。こんなときに決断すべきじゃない。冷静さを取り戻して、判断すべきだ。麻生首相のもとで解散したいとはだれも思っていない」。「解散合意」の知らせに、千葉8区から立候補する予定の自民党の桜田義孝衆院議員は言った。 (中略)正午前、次期衆院選に向けて地元であいさつまわりをしていた自民党ベテラン衆院議員は、8月30日投開票と聞き、「え? 誰の手で解散するの?」と驚いた。自民党への風当たりは厳しい。麻生首相のままでは戦えないと感じている。「信じられない決定だ。そんなことしていいんですか? 麻生さんでないなら、まだ分かるが、都議選の敗戦責任も明確でないままだ。けじめもつけずに、党内世論がおさまるわけがない」と話した。 ------------------今から麻生のクビをすげ替えればもう少しマシな戦いが出来ると、本当にそう彼らは思っているんでしょうか。だとしたら、最初から麻生なんか選ばないでおけば良かったのに。たった9ヶ月前に「麻生なら選挙に勝てる」と圧倒的な大差で麻生を総裁に選んでおいて、今更なんたる言いぐさ。もう一つ、相変わらずヤフーニュースのコメント欄だけはネットウヨクの羽振りが良いようです。ネットだけ見れば、都議選の自民党の圧勝、衆議院選も自民党圧勝間違いなし(爆)。いかにネット「世論」が信用ならないか、よく分かります。
2009.07.13
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最近、マイブームは本田美奈子の歌です。なくなって4年近くも経つのに何で今更かというと、実は、最近まで私は本田美奈子の歌を聴いたことがなかったのです。いや、アイドル時代の歌は聴いたことがありますが、最近の歌を聴いたことがなかったのです。最近になって、ふとしたきっかけでYouTubeで彼女の歌を聴いてしまったのです。仰天しました。こんな、もの凄い歌手だったのか。すぐにCDを買いに走りました。「本田美奈子.クラシカル・ベスト」というCDを買ってきて、ひととおり聞いたら、改めてファンになりました。しかし、ファンになるのが遅すぎました。彼女が活躍していた頃に歌声を知っていれば、何としても生で聞きに行ったと思いますが、今からでは、もはや彼女の歌声を生で聞くことは絶対に出来ないですから。それにしても、美貌と素晴らしい歌声、天は彼女に二物を与えたんだなあと思います。もっとも、歌に関しては才能だけでなく、大変な努力の賜でもあるわけですが。しかし、天は彼女に健康と長寿は与えてくれなかったんですね・・・・・・・。1986年のマリリン~命を上げるよ~誰も寝てはならぬホルスト、組曲「惑星」よりジュピター(その1)ジュピター(その2)アメージング・グレイスタイム・トゥー・セイ・グッドバイサン・サーンスの「白鳥」最初にリンクを貼ったメドレー、収録が2004年11月で放送は翌2005年1月末だったそうです。放送時にはすでに本人は入院されていました。その後の運命を考えると、「命をあげよう」という歌は、何というか、文字どおり自分の命を削って自らの運命を歌い上げたかのような印象です。そういえば、司会の羽田健太郎もまた、この世の人ではなくなってしまいました・・・・・・・。
2009.07.12
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7月25日(土)午後3時~6時会場 杉並公会堂 グランサロン中央線・丸の内線荻窪駅北口より青梅街道を徒歩7分東京都杉並区上荻1-23-15料金 2000円 出演フォルクローレの演奏と踊りの6グループ。「カクトゥス」「asitaba」「グルーポ・バホ」「ブランカ・ロサ」「キラ・ウィルカ」「ロス・ボラーチョス」私は「キラ・ウィルカ」のメンバーとして出演します。全6曲+αを演奏します。ボリビアの曲が中心で、私は一部ケーナを吹きますが、だいたいの曲でサンポーニャを吹く予定です。キラ・ウィルカhttp://www.youtube.com/watch?v=6HpanPiRrdohttp://www.youtube.com/watch?v=0TXqva2erv4
2009.07.11
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090710-00000021-maip-polクラスター 禁止法が可決、成立日本国内でのクラスター爆弾の保有を禁じる「クラスター爆弾禁止法」が10日、参院本会議で全会一致で可決され、成立した。先月10日には「クラスター爆弾禁止条約」批准案が参院で承認されており、同爆弾の規制に関する一連の国内手続きが終了した。同法は、来年にも発効が見込まれる同条約の禁止事項について、国内で効力を持たせるために制定された。同爆弾の製造や使用を禁止し、自衛隊には国内で保有する爆弾の廃棄を義務づけている。政府は14日の閣議で、同条約の批准を正式決定する見通し。同日中にニューヨークの国連本部に批准書を寄託する。------------------日本がクラスター爆弾禁止条約に署名したのは去年のことでしたが、1年かかってやっと批准、そして関連法の成立にこぎ着けました。米ロ中国が条約に参加していないなど、欠点はありますが、ともかくも大きな前進ではあります。兵器(特に弾薬)は、作るより解体する方が手間がかかります。こんな兵器を自衛隊が持っていなければよかったのですが、実際には、結構な数のクラスター爆弾をもっているようです。どのくらいの期間で解体が終了するのかは分かりませんが、できるだけ急いでもらいたいものです。そういえば、クラスター爆弾禁止条約にはネットウヨクの反発が強かったようですが、現実世界では衆参とも全会一致。ということは、かの西村真悟や稲田朋美すらも反対はしなかったようです。賛成したのか退席したのかは知りませんが。
2009.07.10
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「地球の長い午後」というSFを昔読んだことがありますが、現実の人類も、そろそろ「長い午後」の時代に入らなければならないのかも知れません。http://www.asahi.com/science/update/0708/TKY200907080201.html北極海の氷、薄く薄く… NASA、衛星で確認面積が年々小さくなる傾向にある北極海の海氷が、厚さも薄くなっていることがわかった。米航空宇宙局(NASA)のジェット推進研究所が7日、発表した。人工衛星によって観測した。研究チームが、氷の上面と海面を区別して氷の厚さを測る地球観測衛星ICESat(アイスサット)のデータを使い、冬季(2~3月)の氷の厚さを調べた。その結果、全体の厚さを平均すると04~08年の4年間で68センチ薄くなった。地球温暖化や北極海の氷の循環パターンに異常があるため、とみている。海氷には、厚さが3メートルほどあって夏でも解けない厚い氷と、厚さ2メートル以下で夏になると消えてしまう薄い氷があるが、この4年間で、厚い氷の面積はアラスカ州の広さに匹敵する154万平方キロも減った。夏の間、薄い氷が解けて開いた海面は太陽熱をよく吸収するため暖まり、氷がさらに解けることになる。 (以下略)---------------------------北極の氷が消滅したら、おそらくかなり大きな気候変動が地球を襲います。特にグリーンランドの氷が溶解した場合は、急激な再寒冷化が起こる可能性があることは、以前の日記に触れたとおりです。温暖化が寒冷化を招く、なにか頓知のような話ですが、実際に最終氷期の末期に起こったと考えられている出来事です。グリーンランドの氷河が溶解することによって生じる気候変動は、かつて最終氷期に起こった激しい気象変動に比べれば、ごく小規模なものにすぎないと思われます。ただし、有史以降の人間の歴史の中では、かつてない規模の気候変動になるでしょう。最終氷期が終わって以降の最近1万年は、それ以前とは比較にならないくらい、気候の安定した時代なのです。人類の文明も、その基盤となる農業や牧畜も、安定した気候という前提条件の上で築かれています。気候の安定性が失われれば、農業が成り立たなくなります。そうなると、何十億という人間がこの地球上で生きていくこと自体が不可能となります。地獄絵図のような未来です。人類の文明がひたすら拡大方向に突き進んでいる限り、いつかは破綻の時が来るでしょう。そんな未来図は、私は見たくない。
2009.07.09
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090707-00000856-yom-soci地球の気温上昇「2度以内に」…サミットで合意目指す欧州連合(EU)のバローゾ欧州委員会委員長は7日、地球温暖化防止に向け、イタリア・ラクイラで8日開幕する主要国首脳会議(サミット)で、産業革命以降の地球の気温上昇を2度以内に抑える目標で合意を目指す考えを明らかにした。バローゾ委員長は、ブリュッセルで行われた記者会見で、気温上昇の抑制に関する合意を今回のサミットの「重点目標」と位置づけた。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、気温上昇が2度を超えれば人類の暮らしに深刻な影響が出ると警告している。バローゾ委員長はまた、「先進国は(温室効果ガス削減を)先導する特別な責務を負うが、それだけでは十分ではない」と述べ、中国やインドなど途上国を含む9日の主要経済国フォーラムで「世界全体で2050年までに50%の排出削減」を主張する考えを示した。----------------------2度というと、たいした違いではないような印象を受ける人もいるかも知れませんが、そうではありません。全世界の年間の平均気温が2度違うというのは、これはかなり大きな違いです。例えば、東京の年平均気温は15.9度です。一方、南国鹿児島の年平均気温は18.3度、東京と2.3度しか違いません。東京の気温が鹿児島並になったら、やはり様々な問題が生じるでしょう。もっとも単純な例で言うと、降雪量が激減します。雪の量が減ると何が困るかというと、水不足が生じる可能性が高まります。東京都水道局が貯水量の推移を公表しています。利根川水系の貯水量を見ると分かりますが、3月中旬から4月にかけて、どの年も貯水量が急増しています。この時期は、梅雨時や台風シーズンのように、雨が大量に降る季節ではありません。それなのに何故貯水量が急増するのかというと、この時期に雪解け水がダムにたまるからです。従って、もし積雪量が激減すれば、利根川水系の春先の貯水量に大きな影響が生じます。荒川水系や多摩川水系は、水源地が豪雪地帯ではないので、3月4月にそれほど貯水量は増えていませんが、貯水量は荒川水系と多摩川水系を合わせても、利根川水系の半分にしかなりません。そのほかにも、農業には多大な影響が生じることは間違いありません。以前にも書いたことがありますが、農業というシステムそのものが、気温や降水量が年によってあまり激しく変動しない前提で作り上げられている技術です。短期間の間に気温が2度も変動したら(気温上昇であれ下降であれ)、相当大きな打撃があるでしょう。
2009.07.07
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静岡県知事選の話題もありますが、当選した川勝平太は民主党推薦とは言え右派で、「新しい歴史教科書をつくる会」の賛同者でもあります。自民党の敗北はうれしいけど、いささか複雑な心境です。ところでhttp://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090705-OYT1T00775.htmホンジュラス大統領、5日に帰国…暫定政権と衝突の恐れ中米ホンジュラスでクーデターにより国外追放されたセラヤ大統領は4日、外国メディアを通じて「5日に帰国する」と表明し、支持者に首都テグシガルパの国際空港へ出迎えるよう呼びかけた。暫定政権側はセラヤ氏を国家反逆容疑などで逮捕する方針を示しており、支持者と治安当局が衝突し、情勢が緊迫化する恐れもある。セラヤ氏は4日、スペイン通信に対し、「世界中がクーデターを非難しており、(帰国後の復権は)楽観している」と述べた。滞在先の米ワシントンから帰国の途に就く予定で、アルゼンチンのフェルナンデス大統領やエクアドルのコレア大統領のほか、約300人の記者団も同行する。ホンジュラス国内ではここ数日、セラヤ氏と暫定政権の各支持者が、大規模なデモを展開している。一方、米州機構(OAS)は同日、暫定政権側に求めていたセラヤ氏の復権が、通告期限内に受け入れられなかったため、ワシントンで緊急外相会議を開き、OASへのホンジュラスの参加資格停止を決議した。ただ、象徴的な意味合いにとどまり、経済面などで実質的な打撃はないとみられる。-----------------------------情報筋によると、「新政権」は空港に狙撃手を配置したようですが、いくら何でもアルゼンチンとエクアドルの大統領、300人の記者団が同行しているところに、狙撃はできないでしょう。そんなことをやったら、国際問題というレベルを通り越して、今度こそ国際社会は本気で「新政権」をひっくり返そうとするでしょうから。すでに、ベネズエラのチャベス大統領はホンジュラスへの石油輸出停止を言い始めているようです。右派系政権の国も含めて、「新政権」を支持する国は皆無となっています。日本時間では明日の今頃にはもうセラヤ大統領が帰国しているでしょうが、さて、どうなることか。追記http://www.asahi.com/international/update/0706/TKY200907060173.htmlホンジュラス大統領、帰国できず 新政権が着陸拒否軍により国外追放された中米ホンジュラスのセラヤ大統領は5日、帰国のため滞在先のワシントンから、チャーター機で首都テグシガルパに向かった。だが、軍が滑走路にトラックを配置したため着陸できず、隣国ニカラグアを経由してエルサルバドルの首都サンサルバドルに到着した。6日か7日に再度帰国を試みる、としている。AP通信や地元の報道などによると、セラヤ氏はベネズエラのチャーター機に乗ってホンジュラスに向かった。別のチャーター機にアルゼンチンやエクアドルの大統領らも乗り込み、ホンジュラスで合流する計画だったという。だが、ホンジュラスの新政権はいずれの着陸も拒否。セラヤ氏を乗せたチャーター機は空港上空を旋回した後、ニカラグアに向かった。セラヤ氏は上空からベネズエラのテレビ局のインタビューに答え、「管制塔から、着陸を強行したら撃ち落とすと脅された」などと語った。テグシガルパの国際空港前では、セラヤ氏を出迎えようと全国から集まった数万人の支持者らが、「セラヤ氏は貧乏人のために闘ってくれた唯一の大統領だ」などと叫んだ。AP通信などによると、治安部隊の発砲などで支持者1人が死亡。新政権は5日、午後10時からの外出禁止令を午後6時半からに早めた。 (以下略)-------------------------滑走路にトラックを並べて着陸拒否、というのがすごいです。国際空港を閉鎖して、交通マヒ状態が続けば、経済が混乱して、ますます自分たちの「政権」を危うくするという計算も出来なくなっているようです。これを受けて、国内でも「新政権」を支持していた政治家などが、支持を撤回する動きが出ているようです。
2009.07.05
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090704-00000747-yom-pol「自民に政権担当能力」56%に急落…読売・早大調査読売新聞社と早稲田大学が6月27~28日に共同実施した面接方式の全国世論調査で、自民党に政権担当能力があると答えた人は56%で、前回4月調査の69%から急落した。日本郵政の社長人事などを巡る混乱が政権担当能力への評価を後退させたようだ。民主党に政権担当能力があるとの答えは51%(前回49%)で、自民との差は縮まった。読売・早大共同世論調査は、自民、民主に対する有権者意識の変化が、次期衆院選の投票行動にどう結びつくのかを探るのが狙いだ。昨年10月から継続実施し、今回は6回目となる。今回の調査で、自民に「期待している」は36%(同46%)に下がり、「失望している」は73%(同67%)に上がった。自民に対する有権者意識が悪化したのは明らかだ。民主については「失望している」が52%(同58%)に下がるなど、有権者の意識は改善された。民主に一度、政権を任せてもよいという人は62%(同60%)に上がった。ただ、自民と民主の政策に「はっきりとした違いがある」と思う人は28%で、「あまり違いはない」は64%に上った。「民主党政権」で日本の政治は「良くなる」は26%、「悪くなる」9%で、「変わらない」59%が最も多かった。有権者は政権交代に積極的な期待を抱いてはいないようだ。次期衆院選の投票先は小選挙区が「民主32%-自民25%」、比例が「民主33%-自民24%」で、いずれも民主が自民を上回った。争点として取り上げてほしい問題(複数回答)は「景気対策」75%、「年金問題」59%、「雇用対策」48%などの順に多かった。衆院選への関心は「大いにある」49%、「多少はある」30%、「あまりない」15%、「全くない」5%だった。 -------------------なるほどね。これだけの逆風の中でも、自民党に政権担当能力があると思っている人がまだ過半数もいて、自民党に期待している人も1/3以上を占めるんですね。ある意味で、やはり自民党の持つ底力というのは侮りがたいものがあります。自民党に「失望している」は73%だそうですが、私はもともと自民党に何の期待も抱いていませんので、当然失望もしていません。一方で、自民党と民主党の政策にあまり違いはないと思う人が64%、民主党政権で日本の政治は「変わらない」と思う人は59%、このあたりの感覚は私も同じです。ま、「あまり変わらないけど、多少はマシになるかな」程度のわずかな期待は持っていますけど。
2009.07.04
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http://www.asahi.com/international/update/0629/TKY200906290091.htmlホンジュラス、暫定大統領に国会議長 夜間外出禁止令中米ホンジュラスからの報道によると、ホンジュラス国会は28日、同日朝に軍によって拘束され国外追放されたセラヤ大統領を解任し、ロベルト・ミチェレッティ国会議長を暫定大統領に任命した。国会で同日、セラヤ氏が書いたとされる辞表が読み上げられ、ミチェレッティ氏が大統領の就任宣誓を行った。ミチェレッティ氏は記者会見で29日までの2日間について夜間外出禁止令を発したことを明らかにした。一方、セラヤ氏は追放先のコスタリカで28日、「辞表は偽物だ。今も自分が大統領だ」と述べた。AP通信によると、首都テグシガルパの大統領官邸周辺にはセラヤ氏の復帰を求めて約100人の市民が集まり、兵士に向かって「裏切り者」と叫ぶなどしている。ホンジュラス最高裁は28日、「今日の出来事は、裁判所の命令に沿ったものだ」と述べ、セラヤ氏排除を最高裁が命令していたことを明らかにした。任期満了に伴う大統領選を11月に控えたセラヤ大統領は、再選を禁じた憲法を改正しようと、制憲議会招集の是非を国民にはかる国民投票を計画。憲法には「大統領の任期に関する規定は改正できない」との決まりがあり、最高裁は国民投票は違憲と判断したが、セラヤ氏は強行する考えを変えず、28日が投票日だった。最高裁は憲法違反の行動を起こさせないため非常手段を取ったことになる。セラヤ氏は06年1月の就任以来、反米左派を掲げるベネズエラのチャベス大統領ら左派勢力と関係を深めてきた。チャベス大統領も今年2月、3選禁止を撤廃する憲法改正を国民投票で通しており、ホンジュラス国民の多くは、セラヤ大統領の動きを「チャビスモ」(チャベス流)と呼んで嫌っていた。軍にも、違法な国民投票を阻止するための武力行使なら国民の理解が得られるという計算があったとみられる。 -------------------------http://www.asahi.com/international/update/0701/TKY200907010264.html追放のホンジュラス大統領に逮捕状 2日に帰国の意向中米ホンジュラスのルビ検事総長は6月30日、クーデターで国外追放され、2日に帰国する意向を示しているセラヤ大統領に対する逮捕状を取ったことを明らかにした。同国メディアが伝えた。帰国に向け、セラヤ派と反セラヤ派の間で緊張が高まっている。首都テグシガルパや第2の都市サンペドロスラでは30日、セラヤ氏追放を支持する市民が国旗を手にデモ行進した。ホンジュラスの新聞は、セラヤ派の市民との間で小競り合いが起きたと伝えている。同日、記者会見した検事総長によると、逮捕容疑は国家反逆や権力乱用など。憲法が禁止している大統領任期の延長を画策したことが容疑事実に含まれているとみられる。有罪になれば最短で20年の禁固刑に相当するという。「新大統領」を名乗るミチェレッティ氏も「帰国すれば逮捕状を持って迎える」と警告した。一方のセラヤ氏は、帰国強行の意思を変えていない。30日にはニューヨークの国連総会に現職大統領として出席、「私はパジャマ姿のまま自宅で銃を突きつけられ、車に押し込まれ、飛行機でそのまま国外に連れ出された。これは許されない違法行為だ」などと力説した。セラヤ氏に近いニカラグアが議長国を務める国連総会は「セラヤ政権を唯一のホンジュラス政府と認める」とする決議を採択し、セラヤ氏を後押しした。「新政権」は国際社会の批判をかわすのに懸命だ。ミチェレッティ氏に「新外相」に任命されたオルテス氏はCNNスペイン語放送で「セラヤ氏はコロンビアから米国へのコカイン密輸に関与していた」と主張。中南米からの麻薬流入に神経質になっている米国にセラヤ氏追放の正当性を訴える狙いなのは明らかだ。-------------------------クーデターで追放されたセラヤ大統領は、ホンジュラスのに大政党の一つ、自由党の出身で、2006年1月に大統領に就任しています。もともとは右派の政治家でしたが、大統領に当選以降急激に左傾化し、従来の支持者や与党内で反発を呼んでいたようです。なぜそうなったのか。もともとホンジュラスはラテンアメリカでも随一の親米国でした。ニカラグアがサンディニスタ政権対コントラ(親米右翼ゲリラ)の激しい内戦に揺れていた頃、コントラはホンジュラスに拠点をもっていて、そこからニカラグアに出撃していたのです。ところが、東西冷戦が終わり、一時期ラテンアメリカ中が新自由主義に染められ、各国が「親米競争」に狂奔し始めると、相対的にホンジュラスの米国にとっての重要性が低下しました。ホンジュラスにとって、「親米である」ことのメリットが減少したのです。その後、新自由主義の破綻からラテンアメリカに左翼政権が増えてくると、むしろ左翼政権の国々と親密になった方がメリットが大きくなってきたのです。何しろ、ラテンアメリカ左翼の新たなリーダー、ウーゴ・チャベスのベネズエラには豊富な石油があります。一方で、東西冷戦の終結は、ラテンアメリカの右翼・左翼の区別を曖昧なものにしました。ニカラグアでは、サンディニスタのダニエル・オルテガが16年ぶりに政権に返り咲きましたが、副大統領に据えたのは、元コントラの司令官の一人ハイメ・モラレスでした。ニカラグアの左翼が、政権奪還のためならそこまで節を曲げるくらいですから、ホンジュラスの右翼が、自国の生き残りのために左旋回を遂げたって不思議でも何でもないわけです。そういう意味で、セラヤ大統領の左旋回は、政治的信念というより、自国の生き残りを賭けて「勝ち馬に付いた」結果なのかも知れません。ただ、従来の支持者や与党からは裏切り者とみなされて孤立していたようです。その挙げ句、軍、議会多数派、最高裁判所などがグルになってクーデターを起こして追放した、というわけです。ただし、「新政権」は国際的にまったく孤立しています。彼らにとって頼みの綱だった米国も、クーデターを非難してセラヤ氏を支持しているくらいですから、「新政権」を支持している国など一つもありません。「新政権」は、セラヤ大統領が強行帰国したら逮捕すると言っていますが、そんなことをしたら、ますます国際社会の反発が強まることは明らかです。結局は「新政権」が政権を投げ出すことでしか、解決できないのでは。
2009.07.01
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