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昭和から学べ 4月29日今年の新入社員の経歴が、社内報で紹介されていた。当然のことながら、ほとんどが平成生まれの若者である。改めて、昭和が遠くなるのを感じる。彼らはまた10代の中頃まで、ゴールデンウイークの初日に当たるきょうを、「みどりの日」として迎えていた世代でもある。言うまでもなく4月29日は、もともと昭和の「天皇誕生日」であった。昭和天皇の崩御の後、「みどりの日」となったのは、この日を祝日として残すための緊急避難的な措置だったという。本来ならすぐにも、昭和天皇のご聖徳をしのぶのにふさわしい「昭和の日」とすべきだった。実現に手間取った理由は、政局の混乱だった。当初反対していた民主党は、後に賛成に転じ、社民党と共産党は最後まで反対した。背景にあるのは、昭和前半の日本を「暗黒」「軍国主義」と決めつける、歴史観だ。日本人から、自国の歴史に対する愛着や誇りを失わせるのが目的らしい。中国や韓国から、戦前の日本人の行為について攻撃されると、事実を確認することなく「ごもっとも」と受け入れる風潮にもつながっている。勢いを得た両国は、やりたい放題だ。中国を訪問中のデンマーク女王が、「南京大虐殺記念館」を参観したという。どうやら中国は、対日「歴史戦」で、欧州までも巻き込むつもりのようだ。それに対抗するには、まず日本人が昭和の歴史と真摯に向かい合うしかない。足かけ64年に及んだ昭和という時代に、日本人は有史以来の最大の戦争を体験し、敗戦から経済大国へと、奇跡の復活を成し遂げた。そこから何を学び、日本の将来のためにどのように役立てたらいいのか。「バブル」さえ知らずに育った新入社員諸君と、一度語り合いたいものである。---例によって、産経新聞のコラムです。今日4月29日は昭和天皇の誕生日だったわけですが、現在の天皇誕生日は12月23日です。その次の天皇誕生後は、2月23日(皇太子の誕生日)になるのでしょう。その次は、現状の皇室典範の規定に基づけば11月30日(秋篠宮)、その次が9月6日(悠仁親王)ということになります。もっとも、皇室典範が今後も不変なのかどうかは分かりませんが。結局、新たな天皇が即位する度に、その誕生日を天皇誕生日として祝日化していく一方、過去の天皇誕生日を祝日のままにしておけば、祝日がどんどん増える一方ということになってしまいます。天皇誕生日に起源を持つ祝日が、すでに3日あります。現在の天皇誕生日と、昭和の日、文化の日(明治天皇の誕生日)です。過去の天皇誕生日は整理していくか、または、今後は天皇が代わっても新しい天皇誕生日は作らない、というふうにしないと、祝日が増殖する一方、ということになってしまいます。何にしても、「昭和天皇のご聖徳」とは、時代錯誤的感覚も甚だしいと私は思ってしまいます。もっとも、昨今は日本全体が時代錯誤的状況に陥りつつあるようにも思えるのですが。背景にあるのは、昭和前半の日本を「暗黒」「軍国主義」と決めつける、歴史観だ。日本人から、自国の歴史に対する愛着や誇りを失わせるのが目的らしい。これもまた、いかにも産経らしい言説です。日本だけでも300万人以上の犠牲者を出してしまった戦争、それが暗黒でなくて何なのか。自国の歴史に対する「愛着」「誇り」というのは、誤りを誤りと認めない、失敗を失敗と認めないことを言うのか。だとすれば、「盲従」と何が違うのか。中国や韓国から、戦前の日本人の行為について攻撃されると、事実を確認することなく「ごもっとも」と受け入れる風潮にもつながっている。産経(やネットウヨク全般)は、戦前の日本の行為について攻撃されると、事実を確認することなく反発して、「捏造だ」「反日だ」と叫ぶ傾向が著しいように私には思えます。中国訪問中のデンマーク女王が「南京大虐殺記念館」を参観したことが、何で中国が「やりたい放題」ということになるのか。外国の要人がどこを訪問するか、最終的にそれを決めるのは訪問者自身です。デンマークの女王が南京の記念館を訪問したことについて、中国側の要望があったのかどうかは知りませんが、少なくともそれを決めたのはデンマーク側であることは明らかでしょう。だいたい、日本から南京大虐殺記念館を訪問した政治家は少なくありません。首相経験者では海部俊樹、村山富一、鳩山由紀夫が行っているし、後に首相になる人物としては菅直人も行っているらしい。自民党の幹事長、官房長官を歴任した野中広務も行っているし、野中は献花もしています。安倍首相の奥さんも訪問をしている。もっとも、産経新聞の手にかかれば、彼らはいずれも「売国政治家」ということになるのでしょうがね。しかし、「歴史戦」とは、実におどろおどろしい言い方です。自国の非を認めるのは敗北で、そんな敗北主義は絶対認めないぞ、ということでしょうか。その戦争に背を向ける「売国奴」は粛清してやる、とでも言い出しかねないような恐ろしさを感じます。少なくともこの日本において、国を破滅に追いやったのは自称「愛国者」たちです。そのことに対する本質的な反省は、産経新聞にはないらしい。
2014.04.29
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昨日は、エストレージャ・アンディーナというグループの練習でした。このグループの練習は4ヶ月ぶりだったので、ミスもたくさんあったのですが、録音してしまいました。きみをのせて(天空の城ラピュタより)3回練習した3回目の録音です。何箇所かミスはありますが、フルメンバー(5人)が全員揃ってこの曲を演奏したのは初めて(1年くらい前に4人でこの曲を練習したことはある)なので、その割には、まあまあ悪くない出来かな、と。(でも、えてしてこの先どれだけ演奏しても、これ以上うまくならなかったりするのですが)ちなみに、YouTubeではこれまでジブリ関係の曲を7曲公開していますが、すべて私一人で全楽器を多重録音したものです。今回初めて、グループで演奏(人前の演奏ではなく練習の録音ですが)してみました。---話は変わりますが、5月3日に横浜で開催される、ザよこはまパレードに、「アンデスむらまつり隊」として出場します。場所 横浜・山下公園前~赤レンガ倉庫前~馬車道~伊勢佐木町6丁目(全長3kmあまりのパレードコース)時間 アンデスむらまつり隊の山下公園前出発は12時20分頃、伊勢佐木町6丁目到着は13時30分頃の予定第62回 横浜開港記念みなと祭 ザよこはまパレード過去の演奏よりところで、このイベントは、吹奏楽関係の参加団体が多く、過去には前後を吹奏楽に挟まれたこともあります。そういうときに痛感するのは、フォルクローレの楽器は音量がない、ということです。前後を吹奏楽に挟まれると、音量で圧倒されちゃうんです。サンポーニャは、フルパワーで吹くとかなりの音量が出ます。ケーナも2オクターブの上の方や3オクターブはかなりの音量です(このイベントではサンポーニャしか使いませんが)。少なくとも、自宅で練習するときはそう感じます。でも、金管楽器の音量には負けるんです。その証拠に、自宅で練習できる。いや、まじめな話、我が家は音出しに関してはかなり恵まれた環境だと思いますけど、それでも金管楽器を自宅で練習することは不可能です。それこそ、「天空の城ラピュタ」に出てくるパズーのトランペットみたいに、町からちょっと離れた一軒屋、みたいなところじゃないとね。本物(?)のアンデスのまつりで使われる音楽も、サンポーニャの合奏(シクリアーダと呼ばれます)から金管楽器の合奏(バンダと呼ばれる)に置き換わる傾向があるといわれます。音量の差の問題が原因のようです。それでも、ビルの谷間でちゃんと音出しをすると、音がビルの壁に跳ね返って返ってくる。これは、なかなか気持ちがいいものです。その代わり、フルパワーの演奏は体力を消耗します。1時間以上も全力で吹き続けるのは、体力的には不可能に近い。毎回、終わるとヘトヘトです。まあ、それは他のジャンルの音楽でも同じでしょうが。
2014.04.28
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このブログでは、ケーナ、サンポーニャ、フルートなど、笛類に関しては度々紹介していますけど、弦楽器に関しては、ギター以外はあまり紹介したことがありません。笛は頻繁に演奏していますけど、ギター以外の弦楽器は、ほとんど人前での演奏に使ったことがないから(それどころか、練習すること自体がまれだったりして)それも当然かもしれません。しかし、もったいないので、せめてこのブログで写真だけでも紹介することにます。チャランゴです。1991年か2年頃購入したもので、もう20年以上使っています。いわゆるアンデスのフォルクローレの中で、チャランゴは私がもっとも不得手とする楽器。ギターは結構人前で弾きますが、チャランゴは数えるほどの回数しか人前で演奏したことがありません。それでも、昔は、弾く機会もあったのですが、最近はすっかりご無沙汰。この楽器はボリビア製です。5コース複弦で、ナイロン弦が10本です。調弦は上から順にソドミラミで、真ん中のミはオクターブ差、つまり2本の束の下側の弦が低音のミ、上側弦は1オクターブ上のミになっています。ギターと違い、弦の配置は音の逆さの順にはなっていません。弦が多い、日本はボリビアの高地より夏の湿気と気温が高い、接着がいい加減な場合がある、などの理由で、チャランゴはブリッジがはがれる事故が多いのです。私がもっていたチャランゴの仲間が4台の3台はブリッジがはがれました。剥がれたことがないのはこのチャランゴだけです。ただ、表面板が盛り上がってきています。裏側は丸底です。チャランゴの胴体は、ギターなど平底の弦楽器とは違い、かたまりの材木をくりぬいて、胴体の形にします。チャランゴというと、胴体にアルマジロの甲羅を使ったものが有名ですが、音量、音色、耐久性など楽器としての品質はアルマジロ製より木製のほうが高い。ワシントン条約で輸出入が制限されていることもあって、近年はほとんどが木製です。でも、木製ではあったも、この形、やっぱりアルマジロに似せています。糸巻きは、多分日本製だと思います。10弦もあると、糸巻きも重い。製作者、レネ・ガンボアのラベル。本人の作か、下請けが製作したものかは、知る由もありません。日本に輸入されている楽器は、指板が黒檀のものとハカランダのものがあり、ハカランダのほうが安い。私のは、指板がハカランダの安いほうです。ただ、前述のとおり、このチャランゴだけは二十数年壊れたことがないので、つくりはしっかりしているようです。おまけで、チャランゴ弦。左側は、たまたま家にあった弦です。誰かからもらったのかなあ、よく覚えていません。Made in USAとあります。右側はメディナ・アルティガス弦。アルゼンチンのメーカーで、クラシックギターの弦で有名ですが、チャランゴ弦でも(多分)一番品質の高い弦です。この他に使ったことがある弦は、イスパナ(アルゼンチン製)とイリマニ(日本製)。続いて、チャランゴの兄貴分みたいな楽器、ロンロコです。これもチャランゴと同様ソドミラミの調弦ですが、オクターブの配置が異なります。チャランゴは3弦がオクターブ差ですが、ロンロコは4弦と5弦がオクターブ差。チャランゴほど一般的な楽器ではありませんが、ボリビアでかつて史上空前の人気を誇ったカルカスというグループが、ロンロコを好んで使っていました。裏面にはケーナを吹く人の彫刻入りです。チャランゴの演奏者としても有名な、クラルケン・オロスコの工房で購入しました。作りかけのものを見て、私がボリビアに滞在しているあいだに完成するというので、それを待って購入しました。だから、間違いなくオロスコの工房製です。ただし、工房には弟子がいたので、オロスコ本人が作ったのか、弟子が作ったのかは知りません。前述のとおり、チャランゴの仲間はブリッジ剥がれの事故が多いのです。この楽器も剥がれました。ブリッジの両端がネジで表面板に固定されていたのですが、まるで効果がなかった。ネジの部分だけ固定されて、真ん中の部分が持ち上がってしまいました。ネジは意味がないので、修理に出した際に、ネジ穴は埋めてしまいました。この楽器も1994年の購入なので、ちょうど20年。ブリッジが剥がれたのは、購入の1~2年後だったと思います。修理して以降はトラブルなしです。チャランゴとロンロコを並べてみました。ロンロコのほうがだいぶ大きいですが、もちろんギターよりは小さいです。ボリビアのマンドリンです。フォルクローレでも、マンドリンはしばしば使われます。もっとも典型的なスタイルのボリビア・スタイルの演奏で使われることはあまり多くありませんが、ペルーやエクアドルの曲はマンドリンがないとはじまらない。クラシックのマンドリンは4コース複弦で8本の弦が張られていますが、ペルーやボリビアのマンドリンは、たいていの場合は低音側の2コースは複弦、高音側2コースは三複弦で10本の弦が張られています。このマンドリンは、もっと多くて、全部三複弦で12本の弦です。調律自体は普通のマンドリンと同じです。裏側です。クラシックのマンドリンは丸底ですが、南米のマンドリンはフラットマンドリン、つまり裏側はギターと同様の平底になっています。マンドリンは、ギターやチャランゴのようにブリッジで弦を支えているのではなく、バイオリンと同じく胴体の後端で弦を支えています。だから、ブリッジには弦に引っ張られる力はかかっていません。(上から押し付けられる力はかかっている)このマンドリンは、2001年にボリビアに行ったときに買ってきたものです。その時に交換弦を何組か買ってきて、缶に乾燥剤を入れて保管していのですが、数年後、いざ弦を交換しようとしたら、みんな切れてしまいました。なので、日本で買ったマンドリン弦に張り替えました。それ以来弦は交換していません。つまり、購入以来12年以上のあいだに、弦は1回しか交換していないわけです。上記のロンロコも、20年間で弦は2回しか交換していませんし、チャランゴも22~23年で、多分4回しか交換していません。どれだけ弾いていないか、ってことですね。これは、私のではなく、相棒の楽器です。南米の楽器ではありません。ロシアのバラライカです。相棒は、ロシア民謡も好きで、一時はバラライカも習っていました。今は、まったく押入れの肥やしになっていますが。これもなかなか面白い楽器です。調弦はミミラ、2弦と3弦がまったく同じ音程です。この2本はナイロン弦で、1弦だけスチール弦です。これは、以前に紹介したことがありますが、見て分かるとおり、バイオリンです。御茶ノ水の某楽器店で、セット価格5万円か6万円くらいでした。買って最初の1週間は猛練習したのですが、それ以降は押入れの肥やし化しています。やっぱり、ケーナ、サンポーニャ、フルート、ギターの練習をして、更にバイオリンの練習までは時間が取れません。それでも、休みの日、1~2ヶ月に1回くらい、急に思い出したように練習することがあります。かろうじて音階と童謡(どんぐりコロコロとか、赤とんぼとか)が弾ける程度です。最後はギターです。ギターについては、このブログで何度か紹介していますね。フォルクローレの中で、もっとも地味だけどもっとも重要な楽器です。我が家にはギターが3本あります。2本は私ので、1本は相棒のもの。私は普段メキシコで買ってきたギターを愛用しています。このギターは日本円で3万円でした。もう1本(松岡ギター)は5万円。それに対して、我が家にあるすべての楽器の中で、もっとも高価なのが、相棒のギターです。何しろ、私のフルート、ムラマツEXより高い。だけど、このギター、指に力のない女性が弾きやすいように、弦高がギリギリまで下げてある。私が弾くと、ひどくビリつきます。自分のギターだったら、サドルをかさ上げして弦高を上げるのですが、相棒のギターだからなあ・・・・・。話は変わりますが、先日、御茶ノ水の某楽器店でギター弦を購入した際、勧められて、スペイン製ギター(オール単板、中古で8万円、元の定価16万円)を試奏しました。これがなかなかいい音色で、低音の音量もある。(フォルクローレの伴奏は、低音の音量が求められます)これは、フォルクローレに使えるぞと、その時は思ったのですが、家に帰って自分のギターを弾いたら、低音の音量は、やっぱりこっちの方が大きいのです。音色も、私のギターの方が深い感じ。試奏した楽器は、比較すると低音の音色がやや軽い感じ。試奏したギターも、フォルクローレ向きとは思いましたが、比較すると私の今のギターのほうが、やっぱり良いのです。このギターから浮気するんじゃない、ということなのでしょう。表面板も傷だらけで、ボロボロなんですけどね。私のギターも、これまでちゃんと確認したことがなかったけれど、先日修理に出した際、オール単板のギターであることが判明しました。日本で3万円でオール単板ギターは絶対買えませんが、メキシコで買ったものですから。
2014.04.26
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ソウルでオバマ氏、慰安婦は「ひどい人権侵害」訪韓中のオバマ米大統領は25日、韓国の朴槿恵大統領とソウルの青瓦台(大統領府)で会談した。両首脳は会談で、北朝鮮が準備を完了した4回目の核実験をはじめ、「挑発を阻止するための米韓協力を強化する」ことで一致した。朴氏は会談後の共同記者会見で、いわゆる従軍慰安婦問題で朴氏が安倍首相に「誠意ある実践」を求めた。オバマ氏は「実にひどい人権侵害だ。安倍首相と日本国民も過去について、より公正に理解しなければならないと認識しているだろう」と語り、「過去を振り返りながら未来に向かうべきだ」と日韓双方に対して関係改善を促した。両首脳は会談の冒頭、韓国・珍島沖で起きた旅客船沈没事故の犠牲者に黙とうをささげた。---周知の事実に関して、当たり前に言及したに過ぎませんが、この報道に日本のウヨク連中は吹き上がっちゃっているようです。例えば・・・・・・池田信夫のツィッターより慰安婦が「人権侵害」だというオバマ大統領の話は、今の法律を基準にすれば正しい。しかしそうやって法律を遡及適用するなら、米国人がアフリカから「強制連行」してきた(彼の祖先を含む)1200万人の黒人奴隷はどうなのか。 RT 資本主義の原罪 http://ow.ly/wa7Yx---まず、「(彼の祖先を含む)1200万人の黒人奴隷」というのが事実認識として過ちです。オバマの父親はケニアから留学生として米国に渡ってきたのであって、黒人奴隷として連れてこられた人たちの子孫ではない。(オバマは、父親は黒人だが母親は白人)ま、しかしそれはこの際それほど本質的な問題ではないでしょう。より本質的なのは、「1200万人の黒人奴隷はどうなのか。」という認識の部分です。これに対する回答は、「もちろん非道な行為だった。だから、米国はそれについて国会で謝罪決議を行っていますよ」ということに尽きます。米下院、奴隷制謝罪を初決議 黒人差別も米下院本会議は29日、米国が過去に行った奴隷制と人種隔離政策について、黒人に謝罪する決議を発声投票によって初めて採択した。30日付ワシントン・ポスト紙などによると、これまでにバージニアやノースカロライナなど5州が奴隷制を謝罪しているが、損害賠償につながる可能性があるなどの理由から、連邦議会では謝罪決議は採択されていなかった。今回の決議は損害賠償には触れていない。下院の決議は、南部テネシー州選出で白人のコーエン議員(民主)らが共同で提出。アフリカから強制的に黒人を連行して奴隷にしたことを「彼らの名前や運命を奪った、残虐で恥ずべき非人間的行為」と批判。米国の黒人は奴隷制やその後の人種隔離政策によって今日も苦しみが続いていると指摘した。その上で「米国民を代表して奴隷にされた黒人とその子孫に謝罪する」とした。2008/07/30 17:42---もちろん、謝罪決議を行ったところで、今も米国に黒人差別が残っている実態は否定しようがないにしても、少なくとも「当時黒人奴隷は合法だった」などとは、KKKの活動家でもなければ、共和党のゴリゴリの右派政治家といえども公の場で口にはしないでしょう。当時の法律上は合法だったという言い方をするなら、ナチスのユダヤ人虐殺だろうが、スターリンの大粛清だろうが、もちろん北朝鮮の粛清劇だろうが、その時点のそれぞれの国の法律にのっとれば、合法ということになる。むしろ、それらの行為を合法にしていた、ということ自体が批判の対象なのだ、ということに気がつくべきでしょう。
2014.04.25
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オバマ大統領、銀座のすし店で安倍首相と夕食オバマ米大統領が23日夜、アジア歴訪最初の訪問地として、専用機で来日した。米大統領が国賓として来日するのは、クリントン氏以来18年ぶり。24日の安倍首相とオバマ氏の首脳会談では、安全保障と経済両面で強固な同盟関係を確認し、日米両国がアジア太平洋地域の安定に主導的役割を果たすことを打ち出す。オバマ氏は到着直後の23日夜、東京・銀座のすし店で、首相主催の非公式夕食会に出席し、個人的な親交を深めた。日本側から谷内正太郎国家安全保障局長と佐々江賢一郎駐米大使、米側からはスーザン・ライス大統領補佐官、キャロライン・ケネディ駐日大使が同席した。夕食会終了後、首相は記者団に対し、「日米同盟関係は揺るぎない強固なものだというメッセージを、世界に発信するような首脳会談にしたい」と意欲を語った。24日に東京・元赤坂の迎賓館で行われる日米首脳会談では、日米同盟の強化やTPPを含めたアジア太平洋地域の日米協力などが主要な議題となる。---こういうのも、「非公式」夕食会と言うのだ、ということを初めて知りました。どこからどう見ても、「公式」としか思えませんけど。「個人的な親交を深めた」という文章には、笑ってしまいましたけど。個人的な親交のわけないじゃん。お店は、「すきやばし二郎」だそうで、私でも名前だけは知っています。入ったことはないし、行きたいとも特には思わないけど。世界一高いって言われるお店で、きっと味もそりゃおいしいんでしょうけど。それにしても、オバマ来日の日程って、二転三転して、かなり直前に決まったので、このお店で夕食会というのも、そんなに以前から決まっていたとは思えないので、きっと他の予約がすでに入っていたんじゃないかと思うのですが、それはキャンセルさせたんでしょうね。値段もご立派なんでしょうが、さすがに米国大統領との夕食会の値段を槍玉に挙げようとは思いません。ただ、お互いにかなりギクシャクした関係の2人の首脳の「手打ち」(になるかどうかは知りませんけど)の夕食会なんて、おいしい料理を楽しむような心理状態とも思えません。そんな雰囲気で「最高の寿司」を食べても、おいしいものなのかな、なんてね。もっとも、政治家なんて、そんな種類の会食ばかりかもしれません。おいしいものは食べているけど、あまりおいしく食べられる環境じゃなさそうです。ま、どんな雰囲気でもおいしいものは平然とおいしく食べられるのも政治家という職業の条件なのかな。私には、とてもできない仕事だなと思いますね。それにしても、今回日本政府は、オバマの「国賓待遇」にやたらとこだわっていましたが、国賓待遇にすることがそんなに大事なんでしょうか。そもそも、引用記事によれば、国賓待遇は18年ぶりだそうで、ということは、すべての米大統領が国賓待遇で来日しているわけでもないようです。少なくともブッシュ(ジュニア)は国賓待遇では来日していない、ということですね(それは知りませんでした)。何故国賓待遇にそれほどこだわったのかはともかく、本質的に日本はやっぱり米国の属国なのだ、ということを一連の経緯で改めて痛感しましたね。
2014.04.23
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残業代ゼロ、一般社員に広げる議論開始 産業競争力会議政府は22日の産業競争力会議(議長・安倍晋三首相)で、労働規制を緩和し、労働時間にかかわらず、賃金が同じになる働き方を一般社員に広げる議論を始めた。働き手の同意が条件だが、法律で定められた時間より働いても「残業代ゼロ」になる恐れがある。これに対し、厚生労働省は「働き手の立場は弱い」として慎重な考えを示した。長時間労働の拡大を招きかねず、大きな議論を呼びそうだ。民間議員の長谷川閑史(やすちか)・経済同友会代表幹事が22日、労働時間ではなく、成果をベースに賃金を支払う仕組みを提案した。例えば、子育て中の女性が退社後に自宅に持ち帰って仕事ができれば、子育て・介護世代も活用しやすくなり、雇用が増えると主張した。今回の提案は、本人の同意を条件にして、年収が1千万円以上など高収入の社員のほか、一般社員も対象とする。長時間労働の拡大を防ぐために、政府が労働時間の上限の基準を示し、労使で最終決定することも盛り込んだ。---第一次安倍政権の時代にも、ホワイトカラー・エグゼンプションという名前で、労働時間に関する規制を緩和する制度が検討されたことがあります。労働時間の規制緩和と言えば聞こえがいいですが、実質的には、残業手当の支払い義務をなくす制度で、反対が多く導入されませんでした。あれから8年、再び安倍政権は同じことをたくらんでいるようです。「成果をベースに賃金を支払う仕組み」と口で言うのは簡単ですが、「成果」を客観的に比較できるような仕事は、そう多くはありません。営業マンと経理担当者の仕事の「成果」を、どうやって比較するんですか。「子育て中の女性が退社後に自宅に持ち帰って仕事ができれば」なんて例も書かれていますが、今の時代、情報管理などの面から、持ち帰り残業は多くの企業で規制されつつあるはずです。私も、仕事がどうにもならなくなって、家にもって帰って半徹夜で片付けたことが昔はありましたけど、今はそんなことはまったく不可能です。つまり、いろいろな美辞麗句を並べても、本質的には残業しても残業代を出さないことを公認する制度であることは、以前のホワイトカラー・エグゼンプションと変わっていません。で、そういうことを検討するのが「産業競争力会議」なのだというのです。なるほど、残業代を踏み倒す制度を作ってでも、労働者の給料を引き下げることが「産業競争力」だと思っている人が多い、ということですね。引用記事によれば、年収が1千万円以上など高収入の社員のほか、一般社員も対象とするとのこと。年収1千万以上と言えば、現状でもほとんどの場合は残業手当の出ない管理職などがほとんどだろうと推測されます(超高給の会社はそうでもないのかな)。だから、目玉は一般社員のほう、ということになるのでしょう。前回のホワイトカラー・エグゼンプションは年収400万以上を対象にしていましたが、今回はいくら以上を標的にするつもりなのでしょうか。いずれにしても、こんな制度を導入して、働く人にとって得になることは、ほとんどないと思われるので、私は断固として反対です。
2014.04.22
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中国 商船三井の船差し押さえ 戦後補償訴訟初の強制執行中国上海市当局は20日、商船三井が所有する貨物船1隻を差し押さえたと発表した。日中戦争が始まる前年の1936年に日本の海運会社に船舶を貸し出した中国企業の経営者の親族が、当時未払いだった賃貸料などの支払いを同海運会社の流れをくむ商船三井に求めていた。中国の裁判所では親族側の勝訴が確定していたが、商船三井が賠償に応じないとして、上海海事法院が19日に浙江省の港で差し押さえた。戦後補償をめぐる裁判で、日本企業の資産が中国側に差し押さえられたのは初めてとみられる。戦時中に日本に強制連行されたと主張する中国人元労働者らの訴えも相次いでおり、被告となった日本企業を揺さぶる狙いがありそうだ。海事法院に差し押さえられた商船三井の船舶は、中国向けに鉱石を輸送する大型ばら積み船「バオスティール・エモーション」。中国側によると、当時の船舶会社「中威輪船公司」が日本の「大同海運」に船舶2隻を貸し出したが、大同側は用船料を支払わず、船舶はその後、旧日本海軍が使用し、沈没したという。88年に「中威」の創業者親族が20億元の損害賠償を求めて提訴。大同の流れをくむ商船三井側は、「船舶は旧日本軍に徴用されており、賠償責任はない」と主張したが、海事法院は大同が船舶を不法占有したと認定、2007年に約29億2千万円の賠償を商船三井に対して命じ、判決は10年に確定した。---タイトルと記事に「戦後補償訴訟」という言葉が踊っていますが、これは戦後補償とは関係ありません。戦後補償とは、戦争行為によって損害を与えた人々に対して行われる補償のことですが、引用記事をよく読んでください。日中戦争が始まる前年の1936年に~当時の船舶会社「中威輪船公司」が日本の「大同海運」に船舶2隻を貸し出したが、大同側は用船料を支払わず、船舶はその後、旧日本海軍が使用し、沈没つまり、戦争以前に生じていた紛争なのです。日本側で、菅官房長官が記者会見で「極めて遺憾だ。1972年の日中共同声明に示された国交正常化の精神を根底から揺るがしかねない」とコメントしたと報じられていますが、的外れな主張と言うしかありません。日本国政府と中華人民共和国政府の共同声明五 中華人民共和国政府は、中日両国国民の友好のために、日本国に対する戦争賠償の請求を放棄することを宣言する。中国「政府」は、「日本国」に対して「戦争賠償」の請求を放棄、なのです。この事件の原告は「中威輪船公司」創業者遺族という個人であって、中国政府ではない。被告も商船三井という民間企業であって、日本国ではない。損害賠償の内容は戦争被害ではなく、戦争以前に「借り逃げ」した船です。つまり、日中共同宣言で放棄した戦争賠償の請求権とは無関係なのです。では、時効はどうなっているのか。当事者である商船三井のホームページに、そのあたりの経緯が載っています。中国当局による当社船差し押さえの件1 商船三井の前身の一社である大同海運は、1936年6月及び10月に中威輪船公司から順豊号及び新太平号を定期傭船する契約を締結したが、傭船期間未了のまま日本政府が徴用。両船とも徴用中に沈没或いは消息不明になった。2 1964年、中威輪船公司代表者の相続人が日本政府を相手として東京簡易裁判所に調停を申し立てたが、1967年不調に終わった。1970年には原告は東京地方裁判所に損害賠償請求を提訴したが、東京地裁は1974年に消滅時効の成立を理由として棄却した。その後、原告は東京高等裁判所に控訴したが、1976年に取り下げ、東京地裁の判決が確定した。3 1987年初に中国の民法における時効制度が通知され、1988年末が損害賠償の提訴の期限となったため、中威輪船公司代表者の相続人が、1988年末に大同海運の後継会社であるナビックスライン(株)(現在の商船三井)を被告として、上海海事法院に定期傭船契約上の債務不履行等による損害賠償請求を提起した。4 2007年12月7日上海海事法院にて、原告中威輪船公司に対して約29.2億円の損害賠償を当社に命ずる一審判決が出された。当社は、同判決を不服として上海市高級人民法院(第二審)に控訴した。5 2010年8月6日、上海市高級人民法院より第一審判決を支持する第二審判決が出された。当社は、最高人民法院に本件の再審申立てを行ったが、2011年1月17日に、同申立てを却下する旨の決定を受けた。6 これを受け、当社は上海海事法院と連絡を取りつつ、和解解決を実現すべく原告側に示談交渉を働きかけていたが、今般、突然差し押さえの執行を受けた。日本の民法では、時効ということで敗訴したようですが、中国の民法では、時効成立前に提訴しているわけです。ただし、これに関しては、別の視点で、詳しいツィートを行っている方がいます。ktgohan@骨折中 @ktgohan商船三井の貨物船差し押さえ事件:「時効じゃないの?」 該船は拿捕され速攻で海軍徴用船になってしまったので、船の事実上の所有者は日本海軍として見られてもおかしくない状態でした。これは法的には「他主占有」という状態であり、これでは取得時効が完成しないのです。ktgohan@骨折中 @ktgohan商船三井の貨物船差し押さえ事件:「でもさすがに取得時効完成してね?」ここが大変にややこしいところなのですが、たとえば日本法で取得時効が完成するためにはこれが「自主占有」である必要があります。自分のものにするために占有した、という意味です。で、実情をみるとここ超つらい。なるほどね。他主占有とは、所有の意思をもたない占有。賃借人・質権者などの占有がこれにあたる。とのことです。確かに、大同海運は中国の船主から船を借りた、自ら占有する意思があったのではなく、そのまま海軍に徴用された、ということは、まさしく他主占有に当たるでしょう。そのような場合には、そもそも時効がないわけです。ただし、これは日本の民法での規定なので、中国ではどうなっているのか分かりませんけど。で、同じような事例は、他にも山ほどあると思われます。そもそも、戦時中の商船徴用に関しては、他でもない日本の商船会社自身も、軍に徴用された商船を軒並み撃沈された上、事実上その補償を踏み倒されているのです。日本政府は、徴用船舶の喪失に対する補償金を、形の上では払ったものの、実際には、補償金に税率100%で課税して、全額を回収してしまっているので、まったく払わなかったのと同じなのです。太平洋戦争中の商船乗組員の死亡率は、陸海軍軍人の死亡率の2倍にも達しています。にもかかわらず、軍人ではない商船員には軍人恩給もない。その上、補償金を事実上踏み倒す仕打ちを行ったことから、各船会社の潜在的な旧軍、日本政府に対する不信は現在に至るまできわめて強いものがあると言われます。商船三井だって、ホンネでは「我々こそ日本政府を訴えたい」と思っているかもしれません。以下追記この騒動の最初からの経緯をまとめた報道があります。中国側が報じた2隻の船の歴史(要約)1936年6月と10月に、大同海運は「中国の初代船王」陳順通氏が設立した中威輪船公司から「順豊」と「新太平」を1年の期間で定期傭船。中威側は船に保険をかけていた。しかし、傭船期間満了後、2隻の行方を中威側は把握できず。1939年、大同側は2隻が日本政府により戦時徴用されたと連絡。翌年、陳氏は訪日し大同側に説明を求めると、同社は「1938年8月22日に日本政府により2隻の船は戦時徴用された」と正式に通告。2隻の所有権は逓信省に移った。逓信省は大同海運に2隻を借し出す形にして、大同側が引き続き運用。大同側は日本政府に傭船料を支払っていた。1938年12月21日、「新太平」が北海道沖で座礁し沈没。中威側がかけていた船体保険の保険料は大同側が受け取った。「順豊」も1944年12月25日、西南太平洋沖で連合国側に雷撃され沈没。1947年、陳氏は2隻とも沈没していたことを知る。2年後、陳氏は上海市内で逝去。遺言で「引き続き日本に損害賠償を求めるよう」息子の陳洽群氏に託す。1960~70年代にかけ、香港に移民した陳洽群氏は日本政府に調停を申し立てたり、損害賠償請求を起こしたが棄却。中国で1987年に民法の時効がはじめて設定され、この一件も1988年末に時効になることから、陳洽群氏は上海海事法院に債務不履行等による損害賠償請求を提起。1992年、陳洽群氏が逝去。長男・陳震氏、次女・陳春秉氏が父と祖父の遺志を継ぎ、訴訟を引き継ぐ。---徴用というのは、軍や政府が船を強制的に借り上げることだから、傭船料は当然に軍が船主に払うものです。ところが、この例は何故か大同海運が日本政府(逓信省)に傭船料を払うという不思議な現象が起きている。名目上「戦時徴用された」と称して所有権を逓信省に移して、実際は大同海運の運送事業に使っていたのでしょう。大同海運と逓信省がグルになって船を詐取した、としか言いようがない。しかも、中威輪船公司がかけていた保険金までネコババしている。なお、1隻は太平洋戦争中に撃沈されていますが、もう1隻は船舶保険が支払われていることからも分かるように、戦争とはまったく無関係の事故で沈んでいます。それにもかかわらず、例によって例の新聞が、こんなことを書いています。以下はコメント欄に書いた内容の再掲になりますが【主張】 日本船差し押さえ 戦後補償は決着している菅義偉官房長官は会見で「日中共同声明に示された日中国交正常化の精神を根底から揺るがしかねない」と遺憾の意を示した。当然である。サンフランシスコ平和条約は個人の請求権を含めて放棄することを定めており、日中共同声明もその枠組みに沿ったものだという判断を、最高裁は平成19年に明示している。---サンフランシスコ条約には、以下の条文があります。日本国との平和条約(昭和27年条約第5号)第五章 請求権及び財産第十八条(a) 戦争状態の介在は、戦争状態の存在前に存在した債務及び契約(債券に関するものを含む。)並びに戦争状態の存在前に取得された権利から生ずる金銭債務で、日本国の政府若しくは国民が連合国の一国の政府若しくは国民に対して、又は連合国の一国の政府若しくは国民が日本国の政府若しくは国民に対して負つているものを支払う義務に影響を及ぼさなかつたものと認める。戦争状態の介在は、また、戦争状態の存在前に財産の滅失若しくは損害又は身体傷害若しくは死亡に関して生じた請求権で、連合国の一国の政府が日本国の政府に対して、又は日本国政府が連合国政府のいずれかに対して提起し又は再提起するものの当否を審議する義務に影響を及ぼすものとみなしてはならない。この項の規定は、第十四条によつて与えられる権利を害するものではない。請求権の放棄に関して、わざわざ条文を設けて「戦前から存在した債権や損害賠償請求は戦争賠償とは別」としているのだから、産経新聞の言い分はまったく的外れです。
2014.04.21
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エベレストで雪崩、死者も世界最高峰エベレスト(8848メートル)で18日、雪崩が発生し、当局によるとガイドのシェルパ12人が死亡、3人が重傷を負った。行方不明者もいるとみられるが正確な数は分かっていない。雪崩はクンブ氷瀑(ひょうばく)にあるベースキャンプの上、標高6000メートル超の地点で発生し、山を登っていた約50人の集団を襲った。集団は大半がネパール人のシェルパだという。当局者は「救助チームが行方不明者の捜索に向かった」と語った。エベレスト登頂には5月15~30日の期間が最適の時期とされる。今後2カ月で外国人登山者334人が登る見込みで、約400人のシェルパが同伴する。---別ソースによると、行方不明者は4人のようです。また、雪崩の発生位置は、この記事では6000メートル超となっていますが、標高5300メートルのベースキャンプと6000メートルのキャンプ1の間、という報道もあります。いずれにしても、チョモランマ(エベレスト)での一度の遭難としては、過去最大級の犠牲者となってしまったようです。もっとも、近年は公募登山隊の増加によって、1パーテイーあたりの人数が増えたため、毎年のように10人単位の遭難事故が起こっているようですが。で、この件が日本で大きく取り上げられたのは、ちょうど日本のタレントが2人、チョモランマを目指して入山中だったからです。え???2人?イモトアヤコがアタック中であることは知っていましたが、もう一人は誰?“エベレスト挑戦”なすび、無事を報告 イモトもツイッター更新世界最高峰エベレスト(8848メートル)で18日早朝、雪崩があったことを受け、現地で登頂に挑戦する、元お笑いタレントで俳優のなすびが自身のフェイスブックで「元気です」と報告。また、イモトアヤコもツイッターを更新している。現在、ディンボチェ(標高:4400m)に滞在しているというなすびは、「エベレストの上部キャンプで、大きな雪崩事故が有ったとの事」と状況を説明。「勿論、私も、(片山)右京さんも、近藤謙司隊長始めAG隊の皆さんも元気です」と無事を報告し、「明日は6000mのロブチェ登頂を目指しまして、ロブチェのベースキャンプに向けて出発致します」と明かしている。一方、イモトは雪崩事故については触れてないものの、「エベレスト登頂前にただいま高所で順応中」と報告し、「恒例の登山ヘアーにしました まだお見せ出来ませんがお楽しみに」と呼びかけている。(以下略) ---恥ずかしながら、なすびがチョモランマに挑戦していた(昨年一度失敗して、今回2度目の挑戦)ということは知りませんでした。しかし、彼の登山歴を見て、私はのけぞりそうになってしまいました。イモトアヤコの場合は、周知のとおり、いきなりチョモランマを目指したわけではなく、「イッテQ登山部」として、最初はキリマンジャロ(アフリカ最高峰で5000m峰だが、技術的には誰でも登れる)からはじまって、モンブラン、アコンカグア(敗退)、マッターホルン(下山はヘリ)、マナスルと登山を繰り返し、その間も日本の山でもトレーニングを積んで、最初のキリマンジャロから5年の期間をかけてチョモランマ挑戦中です。テレビ局の資金力をバックに、一流登山家を何人も同伴させての充実したバックアップ体制がそれを可能にさせているにしても、彼女自身もそれなりに必要な経験も積んではきている。しかし、なすびの「えべちゃれ日記」というのを見ると、昨年2月に八ヶ岳の天狗岳に登っているのですが、それが雪山を登るのが二回目(昨年2月の愛媛県・石鎚山)で、日本の山自体を登るのでも三回目(昨年8月の富士山)なのだというのです(昨年というのは去年の時点での記述)。他に、富士山の後にヒマラヤトレッキングに行き、マナスルのBC(4700m)までは登ったようですが、ベースキャンプまでは、技術的には誰でも歩ける道です。その次は3月に谷川岳に登っている。そして、その次はもうチョモランマなのです。天狗岳も谷川岳も、登山コースはいくつかあり、特に谷川岳はかの有名な一ノ倉沢をはじめとした困難なルートもありますが、天狗岳は黒百合平経由、谷川岳は、ルートが明示されていないのですが、ロープウェーで下山していることから、天神平経由のようです。どちらも、私は登ったことがありますが(特に天狗岳は何回も登っている)、冬山としてはかなり簡単な山の部類です。石鎚山は登ったことがないので、はっきりとは分かりませんが、難易度が高い山とは見られていません。正直言って、この程度の登山経験、冬山経験でチョモランマにどこまで登れるのかと思いきや、敗退はしたものの、頂上100m手前の南峰まで行った、というのです。どうやら、8760mのヒラリーステップが突破できずに引き返したようです。しかし、今やチョモランマは、信頼できるガイドのバックアップがあれば、このくらいの冬山経験でも、少なくともヒラリーステップの手前までは登れ、ちゃんと帰ってこられる状況になっているということでもあります。これは新鮮な驚きでした。そのヒラリーステップ(チョモランマ登山の最後かつ最大の難所)には、今や固定ザイルが何本もかけられているそうで、しかし登山者の数が多いため、ピーク時にはここで渋滞が発生し、何時間も待たされることがあるとか。まるで、日本の夏山みたいな状況ですが、そこはやっぱり8000m超の高さ。いるだけで体力を消耗し、もちろん酸素ボンベの酸素を消耗する。この待ち時間が非常に危険なので、ネパール政府はヒラリーステップにはしごをかけることを検討しているようです。そうすると、なおさら日本の山みたいになってしまいますが・・・・・・。というわけで、なすびの登山歴とわたし自身のそれとを比較すると、お金さえあれば、私でもチョモランマに登れてしまうんだろうか。ま、でも私は挑戦しないですけどね。何しろ、冒頭の引用記事によれば、今シーズンのチョモランマには、外国人334人と同伴するシェルパ400人以上、つまり7000人以上が登る予定だというのです(全員は山頂に到着できないでしょうが)。とはいえ、どんなに多くの人が登るようになっても、極めて危険な山であることに違いはありません。今回の雪崩が、まさしくそれを証明している。このサイトによると、2010年までの時点で、チョモランマの登頂成功者は4400人以上に対して、遭難死者206名だそうです。登頂成功者に対する死者の割合は5%弱。全登山者に対する死者の割合だと、1990年以降で約1%程度のようです。かなりの危険度であることは間違いありません。イモトアヤコもなすびも、遭難しなければいいけど。今後も、芸能人がテレビ企画で次々とチョモランマを目指すようだと、いつかは最悪の事態が起こってしまうでしょうね。本人が山が好きで、望んで登った末に遭難するならまだしも、テレビの企画のために登って遭難するのでは、救いがない。もっとも、チョモランマは世界一高い山ではあるけれど、世界一危険な山というわけではありません。危険性を客観的に比較する指標はありませんけど、たとえば世界第2位の標高をもつK2は、明らかにチョモランマより危険な山です。2003年までの時点で登頂成功者は300人あまりしかおらず、遭難死者は53名。全登山者数に対する死亡率は分かりませんが、チョモランマよりはるかに死亡率が高いのは明らかです。さすがに、テレビ局もK2にタレントを送り込むようなまねはしないでしょう。
2014.04.20
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スマホ、半数以上の家庭に…タブレット2割だけ内閣府が17日発表した消費動向調査によると、3月末時点で、スマートフォンを持っている世帯の割合は54・7%だった。100世帯あたりの保有台数は101・5台で、半数の世帯が2台程度を持っていることになる。内閣府は年に1度、家電や自動車といった主な耐久消費財の普及状況を調べており、今回初めてスマートフォンとタブレット端末を対象に加えた。タブレット端末は20・9%だった。一方、過去1年間に買い替えた耐久消費財の使用年数を聞いたところ、ルームエアコンが10・6年、電気冷蔵庫が10・1年、電気洗濯機が8・3年など。いずれも昨年調査より短く、消費税率引き上げ前の駆け込み需要があったとみられる。---スマホの世帯普及率が5割を超えている一方、タブレットは2割に過ぎないそうです。我が家は、3人世帯でガラケーが2台とタブレット1台。個人的には、スマホのあの画面でインターネットを見るのは面倒くさそうで、通話専門のガラケーとネット専用のタブレットの2台持ちが一番使い勝手がいいと思っています。もっとも、複数台の通信機器を持ち歩くと、どうしても荷物が重くなる。それを重いと感じるかどうか、というところですね。全部を1台で済まそうと思えば、確かにスマートホンに限るかもしれません。そういえば、携帯電話も、今使っているのはもう5年半使っています。バッテリーを昨年新しいものに換えたので、まだあと4~5年使えそうです。ところで、「過去1年間に買い替えた耐久消費財の使用年数を聞いたところ、ルームエアコンが10・6年、電気冷蔵庫が10・1年、電気洗濯機が8・3年」だそうです。我が家の場合、エアコンはまもなく12年(2台同時購入)、冷蔵庫は10年使ったものを一昨年に買い替え、洗濯機は、2005年か2006年に買い替え(その前の洗濯機は14~5年使い、今の洗濯機は8~9年使っている)なので、概ね世の平均並み以上には、電気製品を長持ちさせているようです。電気製品は、新しいものほど消費電力が減っているので、節電にはなるようです。ただ、それによる電気代の節約と、まだ使える電気製品を早く取り替えてしまうことによる余計な出費の、どちらのほうが大きいかは何ともいえません。結局は、使えるものは使い切ってから新しい(消費電力の小さな)製品に買い換えるのが、一番得で、省エネになっているだろうと思うのです。ただ、洗濯機や冷蔵庫は、動かなくなってしまうと日常生活に難渋してしまうので、どうしても「壊れる前に買い替え」を考えざるを得ないところはあります※。エアコンも、去年夏みたいな酷暑の真っ盛りに壊れると、やはりかなり困ります。もっとも、我が家の場合はエアコンが2台あるので、2台が同時に壊れるのでない限り逃げ道はありますけど。※洗濯機は、実は自分では「壊れる前に余裕を持って」買い換えたつもりだったのですが、前の洗濯機を引き取ってもらったとき、背面の外板が半ば外れかかっていて、中から配線がはみ出したりして、壊れる一歩手前だったことに気がつきました。何しろ、裏側の状態は見えていませんでしたから。今気になっているのは、ガスファンヒーターなのです。ほとんど点検もなく、20年以上使っているのですが、いい加減点検してもらうべき、場合によっては買い換えるべきなのかな、と。電気製品は新しいものほど節電が進んでいますが、ガスファンヒーターはどうなのでしょう。新しい製品ほどガスの節約になる、というようなことがあるのでしょうか。風呂釜は、先熱回収型の省エネタイプに変えたのですが、暖房にもそういうものがないのかな。
2014.04.18
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韓国客船沈没、死者9人不明287人 悪天候で捜索難航韓国南西部・珍島(チンド)付近で起きた旅客船セウォル号の沈没事故は17日午後1時現在、死者が9人、安否不明者は287人に上っている。16日朝の発生から丸1日。現場では大勢の潜水士らが懸命の捜索を続けているが、強い潮流などで難航。天候も悪化し、状況は厳しさを増している。安否不明者の家族らは夜を徹して無事を祈り続けた。韓国の海洋警察庁は17日未明、乗客乗員数を462人から475人に訂正。これに伴い、安否不明者の数が増えた。これまでに179人が救助されたが、まだ多くが船内に閉じ込められているとみられる。安全行政省によると、捜索には延べ555人の潜水要員のほか、169隻の船舶、29機の航空機などを動員。18日には船体を引き揚げるためのクレーン3台が到着する予定だ。潜水士らは17日未明から十数回にわたり水深37メートルの海で船内の捜索を試みたが、強い潮流と濁った水に阻まれて難航しているという。朝からやや強い風が吹き始めており、雨も降り出した。17日午後からは、船内に空気を送り込む作業も始まる予定だ。こうしたなか、安否不明者の家族らは相次いで船で現場海域に近づき、悲壮な表情で捜索を見守った。一方、海洋警察庁は業務上過失致死傷の疑いで、沈没船の船長から事情を聴き始めた。当局は原因究明にも着手している。韓国政府関係者によると、当局が勧告している航路からはやや外れていたといい、韓国メディアは急な針路変更が原因になった可能性も指摘。何らかの爆発や岩礁などとの衝突説も依然として出ている。---行方不明者の多くが修学旅行中の高校生だったようです。何とも痛ましい事故です。問題の船は、船首のごく一部を除いて沈没してしまっており、行方不明者のほとんどは船内に閉じ込められているようです。ということは、非常に残念なことですが、行方不明者の大半は、生存は絶望的と考えざるを得ません。浸水を免れた区画で生き残っている人が残ってい可能性もありますが、その数が多いては思えないし、それもどこまで酸素が保つか、というところです。それにしても、なぜこれほどの犠牲者、いや、まだ行方不明者ですが、それが出てしまったのか。報道によれば、衝突音が起こってから船体が横倒しになるまでに30~40分、そこからさらに沈没するまでに1時間半程度かかっているようです。充分とは言いませんが、逃げる時間がないわけではなかったはずです。それなのに乗員乗客の半分以上が行方不明、というのは、避難誘導に極めて問題があった、ということです。事故の直後、「動かずに救助を待て」と船内放送があって、そのまま船長をはじめとした乗組員が先に逃げてしまい、避難誘導を行う者がいなかったようで、それが大量の行方不明者を招く原因だったのでしょう。つまり、人災の気配が濃厚、ということです。船長が真っ先に逃げ出したとも報じられているようです。何か、よく似た船長が何年か前にイタリアでいたような記憶がありますけど。あの事故のときの「コスタ・コンコルディア」の船長は、その後裁判で検察から禁固2697年が求刑されたことが報じられていますが、判決は報じられていないので、まだ判決は出ていないのでしょう。今回の船長も、真っ先に逃げ出したばかりでなく、病院で一船員だと身分を偽った、真っ先に濡れた紙幣を乾かしていた、など(真偽のほどは知りませんけど)、あのイタリアの船長に負けず劣らずのことが報じられており、まあいずれ裁判の被告になることは確実でしょう。何にしても、こういう事故に遭遇したとき、船底のほうに留まっているのは非常に危険なんだな、と思います。むやみやたらと海に飛び込むわけには行かない(そんなことをしたら、それはそれで水死の可能性が高まる)けれど、いつでも逃げ出せるように、救命ボートの近い上層階のオープンスペースで待機しておくべきなのでしょう。もちろんこんな事態がそうそう頻繁に起こってもらっては困りますが。船舶の事故は、日本も含めて案外頻繁に起こっています。日本では、近年は大型旅客船の事故は記憶にありませんが、貨物船の事故は少なくない。事故発生率が飛行機や車と比べてどうかは分かりませんが、大型客船の事故だと、非常に多くの犠牲者が出ることがあります。1954年洞爺丸転覆事故では、1100人の死者が出ており、これは飛行機事故・鉄道事故の最悪記録より犠牲者数が多いのです。一部報道で、沈没した船内から救助を求めるメールが届いたとありますが、水は電波をほとんど通しません。たとえ水深1メートルでも、水の下から携帯はつながらない。したがって、それらのメールはすべて、船が沈没する以前に発せられたもの、および偽メールであって、水面下に没したあとの船内から送信されたものでないことだけは、残念ながら、間違いありません。そういえば、私は船旅の経験はあまり多くないのですが、外洋の大型客船に乗ったのは、高校を卒業した春休みに、高校の仲間と八丈島に行ったとき(東海汽船)、大学2年のとき、北海道に行ったときの函連絡船、17~8年前にフォルクローレの仲間と佐渡に行ったときの3度(いずれも往復とも船だったので6回乗った)です。外洋とはいえ、新潟-佐渡間は2時間半、青函連絡船は4時間、一番長い竹芝-八丈島間(三宅島経由)は、10時間あまりでした。それでも、船酔いに苦しんでいた人はいました。私は、まったく平気でしたけど。
2014.04.17
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袴田事件の「補償額」は2億円を超える? 「冤罪事件」の金銭補償はどうなっているか冤罪(えんざい)で何十年も収監され、人生を奪われたら――。米ルイジアナ州で、死刑囚として約30年間収監されていた男性がこのほど釈放された。1983年に起きた強盗殺人事件で有罪となっていたが、無実を証明する新しい証拠が見つかって、裁判所により有罪判決が取り消された。報道によると、ルイジアナ州法の刑事補償の規程により、このような場合、33万ドル(約3300万円)が補償金として支払われることになるという。もちろん金銭をもらっても、奪われた時間は返ってこないわけだが・・・日本でも、足利事件や布川事件など、無罪判決となるまで数十年もかかる「冤罪事件」が少なからず発生している。最近は、長らく冤罪だといわれてきた袴田事件について、再審を認める決定が出たのが記憶に新しい。では、無実の罪で収監されてしまった人の補償はどうなっているのか。刑事司法制度にくわしい星野学弁護士に聞いた。●1日あたり「1000円から1万2500円」――袴田事件は、まだ無罪判決が出たわけではないが、もし再審で無罪となった場合、補償はどうなるのだろうか。「冤罪により有罪判決が下されたけれども、後日、再審により無罪であることが認められた場合、当人は補償を受けることができます。具体的には、身柄拘束された日数に応じて、1日あたり1000円から1万2500円の範囲で、国に対して補償を求めることができます(刑事補償法4条1項)」――1日あたり1000円から1万2500円とは、かなり大きな幅があるが。「補償額は、拘束期間の長短、精神上の苦痛や身体上の損傷、警察・検察および裁判の各機関の故意・過失の有無をはじめ、その他一切の事情を考慮して決定されます(同条2項)」――袴田事件の袴田巌さんが無罪になったら、補償額は?「足利事件や東電OL殺人事件など、最近の冤罪事件では、おおむね日額1万2500円が認められています。袴田事件は、警察による取調べの問題や証拠の捏造などが指摘されています。袴田さんの場合には、48年分で2億円超の補償が認められる可能性が大きいでしょう」(以下略)---2億円と聞くと、すごい金額のように思えますが、実際にはこの全額が本人の手に渡ることはないだろうと思います。なんといっても裁判費用がかかる。こういった冤罪事件に取り組む弁護士は、ほとんど無報酬で、それどころか、諸費用持ち出しで取り組んでいる例が多いのです。どう考えたって、無実の罪でとらわれている人や、その親族が充分な金銭を持っているはずがないですから。しかし、それだけに補償金が入った場合は、それに一切手をつけずに本人に、というわけには行かないでしょう。それに、今回の例では袴田さんのお姉さんの支援が大きかったわけですが、彼女も、一銭もお金を受け取らず、というわけにも行かないだろうと思います。それでも、相当の額の補償金が本人の手元に残るであろうことは、間違いありません。しかし、いくらお金を積んでも、48年という時と、健康な体を取り戻すことはできません。5年前の足利事件の際は、補償金として8000万円が支払われたそうです。もちろん、菅谷さんの失われた時間は8000万円で取り返すことはできませんけど、それでもまだ60代前半の健康な体で社会に出てきて、足利市の臨時職員として就労したと報じられています(臨時職員では、給料は安いだろうけど)。講演会なども行い、それなりに自立的で充実した、かつ自由な生活を送っているようです。だから、完全とはいえないまでも、奪われた時間の一部は、取り戻すことができたと言えるかもしれません。だけど、袴田事件はそうではない。本人はすでに78歳、健康状態は悪く、車椅子を要する状態で、しかも精神に障害を負っていると伝えられています(認知症でしょうか)。自由の身になったと言っても、好きなところに出歩くことも、自分で物事を決めて自由な生活を送ることは、もはや不可能な健康状態です。その状況で莫大な補償金をもらっても、もう何も取り戻せません。金に糸目をつけず、手厚い介護が受けられます・・・・・・って、あまりにむなしすぎる話です。結局、釈放された日に姉と一緒にホテルに泊まって、ちょっと贅沢な食事を楽しんだ、それだけが唯一の自由な生活だった、ということになってしまいそうです。つまり、袴田事件の場合は、冤罪が認められて釈放されるのが遅きに失したのです。飯塚事件のように、冤罪が疑われる中で処刑されたり、帝銀事件のように獄中で亡くなるよりは、それでも多少はマシですが。冤罪は、避けなければなりません。そのためにこそ、「疑わしきは罰せず」という刑事裁判の鉄則があるわけですが、現実には、「疑わしきは罰する」という運用になっているような気がしてなりません。それに加えて、冤罪を冤罪と認めるのに、何でこんなに時間がかかるのか。もっと早く冤罪が認められて釈放されていれば、まだ失われた時間の一部は取り戻すことはできたかもしれない。しかし、何十年も拘束して、再審請求を却下し続けて、冤罪を冤罪と認めることを引き伸ばした結果が、健康を失った状態で釈放、という事態を招いたわけです。袴田さんは補償金を受け取っても、それをまったく使い切らないうちに人生を終えることになるでしょう。しかし、長期間拘留された冤罪被害者の老後は、経済的に困窮する例が多いのです。なぜなら、交流されていた間は年金に加入していないからです。かなり高額の補償金を受け取った人でも、裁判費用の返済などに消えて、晩年は生活保護になった人もいる。足利事件の菅谷さんの場合は、年金受給権があるかどうかは定かではありません。逮捕当時44歳、それまでにずっと年金加入していれば、釈放後は支援者がそういう手続きはちゃんとやらせるでしょうから、年金加入歴25年に達するでしょう。しかし、もともと知的ボーダー※と言われているところから、年金未加入の期間があるかもしれない。年金に加入していなかった期間次第で、菅谷さんも無年金の可能性があります。そうすると、仕事が何歳まで続けられるかにもよりますが、最後は生活保護ということもあり得ます。※知的障害ともいわれますが、愛の手帳が取れるレベルの完全な知的障害だと運転免許の取得は無理なので、おそらく健常と知的障害の境界線あたり、いわゆる知的ボーダーではないかと推測していますこういう状況で、不幸にして無年金にならざるを得なかった人を救済する手段が生活保護しかない、というのも、何だかなー、と思います。冤罪ではなく犯罪を犯して服役した人も、釈放後は生活保護を受ける例があると言います。もちろん、再犯防止という観点から考えても、出所した人が生活保護を受給するのはやむを得ないことでしょうが、それだけに、本当の犯罪者も冤罪被害者も、最後は同じ制度、というのは、もう少し、その状態を避けるための別の制度があればいいのに、と思います。
2014.04.15
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エネルギー基本計画:「原発に回帰」閣議決定政府は11日午前、中長期的なエネルギー政策の方向性を示す「エネルギー基本計画」を閣議決定した。原子力発電を「重要なベースロード電源」と位置付け、将来的に原発稼働を継続させる方針を明記。東京電力福島第1原発事故を踏まえ、民主党政権が策定した「原発ゼロ」政策を転換した。太陽光や水力など再生可能エネルギーの導入推進も盛り込んだが、電源別の具体的な比率は「速やかに示す」と結論を先送りした。政府はこの日、基本計画に基づいて設置した「再生可能エネルギー等関係閣僚会議」(議長・菅義偉官房長官)の初会合を開き、関係省庁が連携して再生可能エネルギーの導入を促進する方針を確認。菅長官は同日午前の記者会見で、再生エネの導入目標について、「現時点で(導入目標を)設定することは困難」と述べ、時間がかかるとの見方を示した。一方、茂木敏充経済産業相は「できるだけ早く目標を設定したい。2年や3年はかからない」と述べ、再生エネの導入状況や、原発再稼働の進捗をみて決める考えを示した。基本計画は、原子力規制委員会の安全審査をクリアした原発の「再稼働を進める」と明記。原発が立地する地元の理解を得るために「国も前面に立つ」と再稼働を国が後押しする姿勢を強調した。総発電量に占める原発の割合は、原発事故への「深い反省」から「可能な限り低減させる」とした。一方で「原発の新増設は行わない」とした前政権の原則は盛り込まず、将来的な新増設や建て替えに含みを残した。再生可能エネルギーは、過去に策定された目標水準を「さらに上回る水準の導入を目指す」との方向性を提示。2009年と10年に政府が示した「20年に13.5%」「30年に約2割」の目標を参考として注記に示した。基本計画はエネルギー政策基本法に基づき3年ごとに改定され、今回は3回目の改定にあたる。---結局、原発は「重要なベースロード電源」で、原発の割合は「可能な限り低減させる」と言いつつ具体的な数値は盛り込まず、しかも原発の将来的な新増設や建て替えも否定しない、というのです。これを元の木阿弥、と言わずして何と言う。原発の新増設や立替を否定しないということは、今後も何永久的に原発を維持し続けるつもり、ということです。結局、「喉元過ぎれば暑さ忘るる」なのでしょうか。震災から3年経って、もう原発事故のことなんか、みんな忘れてしまったのでしょうか。必ずしもそうではない、と思うんですけどね。我が家は震災のあと、一度減らした消費電力は、震災前の数字には戻っていません。しかし、これは必ずしも我が家だけのことではないように思われます。東京電力管内の電力は、昨年夏の、あの歴史的猛暑でも、震災前よりはるかに低い数値に留まっています。要するに、節電は社会的に完全に定着してしまっている、というところでしょう。昨年一昨年と、2年続けて猛烈な酷暑でしたが、今年はエル・ニーニョ現象の発生が予想されており、事実であれば冷夏になる可能性が高そうです。(エル・ニーニョ現象が発生すると、夏は冷夏となり、冬は暖冬、かつ日本海側の雪が少なく、太平洋側の雪雨がふえる傾向がある)したがって、可能性としては、この夏の電力消費は過去2年間より更に下がる可能性が高いように思われます。※前回エル・ニーニョ現象現象が発生したのは2009年だったそうです。そういえば、2009年は涼しい夏で、震災前なので特に節電を意識していたわけでもないのに、ひと夏に数日しかエアコンを稼動しなかった記憶があります。その年の8月の我が家の消費電力は、震災以降の3年間のどの夏より少なかった。別報道によると、2013年度の原発利用率は2.3%で、史上最低を更新したそうです。できることなら、0%で史上最低を更新してほしいところですが、安倍政権の姿勢から考えると、その望みは薄そうです。それにしても、追加燃料費がどうの、という話はありますけど、電力供給の不安は、震災直後の夏を除けば、ほとんど現実化することはありませんでした。原発推進派の主張によれば、原発がなければ夏場は必ず電力が足りなくなるはずでしたが、実際はそうなっていないません。理由はいろいろあるでしょうが、節電意識の浸透は、大きな理由のひとつだろうと思います。再生エネルギーの導入拡大も大事ですが、エネルギー基本計画の中で、節電・省エネについては触れていないのでしょうか。それとも、触れているけど新聞報道がそれについて省いているだけなのでしょうか。エネルギーの供給をいかに確保するか、だけでなく、エネルギー消費をいかに減らすか、ということもエネルギー基本計画として、大切なことなんじゃないかと思うのです。
2014.04.14
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リニア技術を米に無償提供 首相、首脳会談で表明へ24日に予定される日米首脳会談において、日本の超電導リニア新幹線の米国への技術導入で合意することで、日米両政府が最終調整に入ったことが12日、分かった。対象となっている区間は、ワシントン-ボルティモア間(約66キロ)。政府関係者が明らかにした。首脳会談で安倍晋三首相は、リニア受注を実現するために、リニア技術は無償提供することを表明する。JR東海も政府と足並みをそろえている。技術提供の場合、「ライセンス料」を受け取るのが一般的だが、短期的な資金回収よりも、リニア新幹線を米に確実に売り込むことを優先する。無償提供であっても、車両や部品の量産効果に伴うコスト削減、世界的な知名度の高まりによる販路開拓で、十分に利益を得られると見込んでいる。首相は首脳会談で、ワシントン-ボルティモア間だけでなく、新たにワシントン-ニューヨーク間(約360キロ)にもリニア新幹線を採用するよう打診する。首相は「インフラ輸出」を、成長戦略の目玉に位置付けている。日本の独自技術によるリニア新幹線の米国への売り込みが成功すれば、米国や他の海外市場開拓への大きな弾みとなる。昨年2月の日米首脳会談で首相は、JR東海が独自開発したリニア新幹線に関し、「技術の米側への導入で、日米協力の象徴としたい」と伝えた。オバマ米大統領から明確な回答はなかったが、日米間で調整が進んできた。首相とケネディ駐日米大使は12日、山梨県都留市のJR東海の山梨リニア実験センターを視察し、試乗を行った。2人は42・8キロの実験線を最高時速約500キロで1往復半、試乗した。首相は試乗後、記者団に「ケネディ氏は『(リニアが)快適だったとオバマ大統領に伝える』と言っていた」ことを明らかにした。さらに「トップセールスで日本の技術を米国はじめ世界に提供していきたい。それを日本の成長につなげていきたい。特に同盟国の米国には活用してもらいたい」と語った。---この話は、以前にも報じられたことがあって、その時にも記事を書いたことがあります。取らぬ狸の皮算用純工学技術的には実用化の目処は立っているにしても、総合的に見て事業として成り立つか否かも判然としない段階で、しかも鉄道事業の基盤が脆弱な米国に「ライセンス料はタダにします。建設費の一部融資します※」と言われても、当の米国自身がどこまで喜ぶかは、大いに疑問の余地ありです。※以前の報道では、米国にリニア建設費として5000億円を融資、とも報じられました。で、そのあたりのところは繰り返しは書きません。私が非常に気になるのは、この気前の良さの裏にあるものです。前述のとおり、米国の鉄道事業の基盤は脆弱で、リニアモーターカーの経営が米国で成り立つかどうかの不確定要素はかなり大きい。ライセンス料をタダにしても、長い目で見てそれが回収できるほどの商売になるかどうかは、いささか怪しいと思われます。にもかかわらず、「ライセンス料無料」などと日本政府が言って、一民間企業のJR東海がそれに嬉々として応じる。何かおかしい。リニア中央新幹線は、国費を使わず、JR東海の自己資金で建設することが決まっています。ひょっとして、お国のためにライセンスは無償で提供します、その代わり中央新幹線の建設費は一部国が出してください-というような裏取引の結果としてのライセンス料無償なんじゃないか、という気がしてならないのです。もちろん、現時点でそれをうかがわせるようなほかの証拠があるわけではないのですが、どうも怪しいなという気がしてしまいます。タダより高いものはない、と言いますからね。私はリニアモーターカーの経営が成り立つのかどうか、交通網として既存の鉄道を置き換えられることが可能か、といったあたりには非常に疑問を感じており、過去にも何回かリニアモーターカーについて批判的な記事を書いたことがあります。民間企業であるJR東海が自己資金のみで建設するものであれば、自社の経営判断だけの問題ですから、(環境に対する影響の側面をのぞけば)「建設反対」なんてことは言いませんけど、国費投入ということになれば話は別です。これだけの財政赤字がある中で、経営的に成り立つかどうかも分からないリニアモーターカーに国費を投入するのは、いかがなものかと思います。
2014.04.13
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こういう案内がきておりますので、紹介します。ジョン・ラーベ 南京のシンドラー-その時、1人のドイツ人が南京を救うために立ち上がった-5月17日(土)江戸東京博物館ホール第1回 12時開場・12時30分上映(上映後シンポジウムあり)第2回 16時30分開場・17時上映(映画のみ)料金 第1回 前売り1500円・当日1800円/第2回 前売り1200円・当日1500円予告編※予告編は字幕がありませんが、上映当日は日本語字幕が付くとのことです。日中戦争が始まって間もない1937年12月。日本軍は中華民国(蒋介石)の首都南京へ侵攻し陥落させた。首都機能はすでに重慶へ移転しており、数十万の市民と中国兵士、そして十数人の欧米人が南京に残留した。残った欧米人たちは、迫りくる日本軍から市民を保護する為、南京安全区国際委員会を設立、その委員長に選ばれたのがシーメンス南京支社長のジョン・ラーベだった。本作品は、ラーベと国際委員会メンバーの人道的活動を史実を基に描く。ドイツ映画賞で主演男優賞・作品賞・美術賞・衣装賞を受賞、バイエルン映画賞では最優秀男優賞・最優秀作品賞を受賞した傑作。日本では上映不可能とまで言われた本作品がついに日本初公開!南京事件70周年(2007年)に合わせて、世界中では南京事件に関する映画作品が多く作られました。しかし、日本ではそのほとんどが一般公開されてません。私たち「南京・史実を守る映画祭」実行委員会では、日本で上映されることが無かった「南京事件」映画の上映を敢行してきましたが、今回、5年に渡る交渉の結果、本作品の上映にたどり着くことが出来ました。世界中で認められた映画が上映できない、そんなことはあってはならない。そういう素朴かつ当たり前の思いが、私たちの原点です。
2014.04.12
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竹富町教科書問題 下村文科相、協議会離脱の動きに「法の趣旨伝えたい」沖縄県竹富町が法に反し、教科書採択地区協議会の答申とは別の中学公民教科書を使用している問題で、竹富町教委が教科書の独自採択に向けて、地区協議会からの離脱を検討していることについて、下村博文文部科学相は11日の閣議後会見で、「八重山地区は一体となって、共同採択地区として教科書を選定することが、法の趣旨からいって望ましい。法の趣旨を文部科学省として、しっかり伝える必要がある」と述べた。今国会で成立した改正教科書無償措置法では、採択地区の範囲をこれまでの「市郡」単位から「市町村」単位に細分化。このため竹富町教委は、地区協議会から離脱すれば、独自に教科書採択ができると判断している。一方、下村文科相は「小規模の自治体が独自に膨大な教科書を全部読み込んで適切な教科書を採択するのは、相当負担が大きい」と強調。「八重山地区は共同採択地区を設けるエリアに該当する」との認識を示した。改正法では、採択地区を決める権限は都道府県教委にあり、竹富町が離脱するかどうかは、沖縄県教委の判断に委ねられる。下村文科相は「竹富町や県教委から報告や相談があれば、その時点で対応していきたい」と述べた。---義務教育の教科書は、「義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律」によって無償とされています。各教科書採択地区ごとに協議して、検定済教科書の中から、どの教科書を使うか選んでいるわけです。教科書採択地区は、現在の法律では、「市若しくは郡の区域又はこれらの区域をあわせた地域に、教科用図書採択地区を設定しなければならない」とされています。実際の採択区は、複数の市、複数の郡にまたがっている場合もあれば、政令指定都市の場合は一つの市内に複数の採択地区がある(例えば、大阪や横浜の行政区ごと、など)場合もあります。で、一連の問題は、石垣市・与那国町・竹富町からなる八重山教科書採択区で、2011年に教科書選定を巡る協議が決裂したことに端を発しています。石垣市と与那国町は、右翼系の育鵬社版を希望、竹富町は東京書籍版を希望。協議会としては、最初は育鵬社版を選んだものの、竹富町が拒否、再協議では東京書籍版を選んだものの、今度は石垣市と与那国町が拒否しています。再協議の際は、3市町の全教育委員による多数決で東京書籍版を選んだそうなので、こちらのほうがより公正な選定と思われるのですが※、文科省が介入して、育鵬社版を選定した最初の協議を有効としたため、竹富町がこれに従わなかったわけです。※教育委員の数は、石垣市と竹富町が5人、与那国町が3人だそうです。ということは、過半数は7ですから、竹富町の委員以外にも、育鵬社版に反対する委員が複数存在した計算になります。この騒動が起きたときは、民主党政権の時代です。文科省は、育鵬社版を後押しするような介入を行ったのですが、採択区の選定と異なる教科書を選んだ場合、国が教科書を無償給与できないものの、自治体が教科書を購入して生徒に無償で給与することまでは法令上禁止されていない、という解釈も示したため、竹富町が東京書籍版の教科書を使うことになりました。実際には、寄付金で購入されているので、竹富町の公費は使われていないようですが。ところが、極右的な安部政権に変わると、対応が一変して、政府は竹富町に対して育鵬社版を使えとごり押しを始めたわけです。で、上記の引用記事には、「沖縄県竹富町が法に反し~」と書いていますが、例によって産経新聞の言い分です。しかも、育鵬社ってのは産経の子会社ですから、およそ客観性のかけらもない視点で「法に反し」と言っているに過ぎません。問題の法律、「義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律」(教科書無償措置法)には、確かに(教科用図書の採択)第13条4 第1項の場合において、採択地区が2以上の市町村の区域をあわせた地域であるときは、当該採択地区内の市町村立の小学校及び中学校において使用する教科用図書については、当該採択地区内の市町村の教育委員会は、協議して種目ごとに同一の教科用図書を採択しなければならない。という規定があります。でも、法律の名称をよく読むべきです。これは、あくまでも「無償措置に関する法律」です。(この法律の目的)第1条 この法律は、教科用図書の無償給付その他義務教育諸学校の教科用図書を無償とする措置について必要な事項を定めるとともに、当該措置の円滑な実施に資するため、義務教育諸学校の教科用図書の採択及び発行の制度を整備し、もつて義務教育の充実を図ることを目的とする。と書いてあります。無償給付は受けない、教科書は国費によらず独自財源で(今回の例では寄付金を財源としたわけですが)購入する、となれば、この法律に縛られるいわれはない。実際、民主党政権時代の文科省は、そういう法令解釈をしたわけです。ところが、自民党政権は、竹富町の反乱を粉砕しようとばかりに、教科書無償措置法を改正して、採択区内で同じ教科書を使うことを義務付けるようにしたのです。でも、そういう改正を行った、ということは、逆にいえば今までは義務はなかった、ということですから、やっぱり今までは違法ではなかった、ということになるでしょう。それはともかく、これまでは、採択区の範囲は「市または郡」となっていましたが、今回の改正で「市町村」となったので、竹富町が単独で採択区となることも可能になりました。文科相は「八重山地区は一体となって、共同採択地区として教科書を選定することが、法の趣旨からいって望ましい。」などと言っているようですが、どの地区がどのように教科書採択区を構成すべきか、なんてことは、それぞれの地域の特性に合わせて地元で決めるべき問題であって、文科省が指図すべき問題ではない。実際、法律では採択区の決定権は都道府県の教育委員会にあります。別報道によれば、沖縄県教委は竹富町が単独で教科書採択区となることを認める方針だそうで、そうなればまったく問題なく、竹富町は堂々と育鵬社版以外の教科書を使えるようになるわけです。下村文科相は「小規模の自治体が独自に膨大な教科書を全部読み込んで適切な教科書を採択するのは、相当負担が大きい」とも言っているそうですが、負担が大きいか否かを判断するのは、当該の「小規模な自治体」自身であって、文科省ではないでしょう。私としては、国を相手に小さな自治体が一歩も退かずに頑張っている姿は、大いに応援したいです。
2014.04.11
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講演で「愛人かこって」と橋下氏日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長は7日、大阪市内で講演し、御堂筋沿いにマンションを含む高層ビルが建設されるとした上で「愛人の2、3人を住まわせてもらいたい」と述べた。「レジデンス(居住部分)に愛人をかこう経営者も出てくる。(周辺に)愛人専用の宝石店ができる」とも発言。愛人を容認した発言で反発を呼びそうだ。---この発言が報じられて批判が集まると、今度はこんなことを言い出しました。橋下市長、愛人発言「シャレ、冗談の極みだ」橋下徹大阪市長は8日、同市のメインストリート・御堂筋沿いに建設される高級賃貸マンションに「愛人を住まわせて」と経済人らの会合で発言したことについて、「シャレ、冗談の極みで、(報道したメディアは)ばかそのもの。冗談もシャレも分からないんだったら、これから一切、講演会に(報道各社を)呼びません」と語った。---以前の、「風俗活用」発言もそうですが、今の社会で通用しないような価値観に基づく発言をポンポンしてしまうのは何故なんでしょう。批判を浴びたとたんに「シャレ、冗談」と言い出したそうですが、報じたマスコミだって、質の悪い冗談であることくらいは分かっていたでしょうし、読んだ私もそのように認識しています。しかし、それが冗談としてあまりに質が悪すぎて、冗談では済まないレベルだから、記事になったわけです。なんでも「冗談」と言えば免罪できるわけではありません。冗談でも許されないことはある。私自身の肌感覚でいって(肌感覚なので、明確な根拠や厳密性はありませんが)、こういう「冗談」は、アウトです。相手が男性のみならまだしも、特に女性の前ではこんな「冗談」はまずい。橋下の講演会は、聴衆が全員男性だったのでしょうか。おそらくそんなことはないでしょう。女性だって聞いていたはずです。こういう発言が(冗談でも)マズイ、ということを、橋下は肌感覚では理解していないのでしょう。要するに、世のセクハラおやじと同じ感性の持ち主が、男ばかりを前にした床屋政談と同じレベルで放言して、それが問題発言だという認識すらないのだから、話になりません。
2014.04.09
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韓国人ベトナム戦争の蛮行知らないのは「言論封殺」の結果ベトナム戦争時に韓国軍が行なった蛮行。それは、韓国国民こそ向き合うべき問題だ。だが、彼らの社会ではそれが語られることは“タブー“になっている。1999年5月、ハンギョレ新聞社が発行する週刊誌『ハンギョレ21』(1999年5月6日号)で、ベトナム通信員として活動していた韓国人の女性研究者が、ベトナム当局から資料を入手し現地取材と生存者への接触を重ね、韓国軍による殺戮の実態を白日の下に晒した。同誌はその後も定期的に続報を打ちキャンペーンを張ったが、ベトナム戦争に参加した退役軍人たちは同誌に対し、猛烈な抗議活動を行なった。彼らの怒りが頂点を迎えたのが翌年(2000年)の6月だった。迷彩の戦闘服を着た約2400人もの退役軍人が、ハンギョレ新聞社の前に集結した角材などを振り回しながら新聞社の社屋に突撃。窓ガラスを割り、デスクやパソコンなど編集部内の物を次々に破壊したのだ。ベトナム戦争ではのべ32万人の韓国兵が派兵され、ベトナム人を大量殺戮した彼ら自身も無傷ではなかった。米軍機がベトコンを密林からあぶり出すために上空から散布した枯葉剤を浴び、後遺症に苦しむ元軍人たちが集まり枯葉剤戦友会が結成された。会員数は現在約14万人。韓国政府により「枯葉剤後遺症」として認定された約6万人と、その疑いがある「後遺疑症」とされる約8万人からなる。ただし、彼らは単なる「被害者団体」ではない。韓国国内における政治団体としては、最右翼、最保守団体に位置づけられ、たびたび暴力を辞さない過激なデモ行為を行なってきた。韓国人ジャーナリストが声を潜めていう。「団体を構成するメンバーは最前線で戦った海兵隊出身者が多く、ハンギョレ新聞社襲撃のように武力行使も辞さない。どんな報復をされるかわからないので、舌鋒鋭いジャーナリストでも、この団体を敵に回すことは絶対にしない。ハンギョレ新聞社の報道後、韓国でもベトナム戦争の真実を追求するシンポジウムが開催されることがあった。しかし、会場は迷彩服を着た同団体関係者と思しき人で埋め尽くされ、実行委員会側の人間に対して“ベトナムでは民間人でもベトコンを支持した人間は殺さなくてはいけなかった。それに異を唱えるお前らも戦場で会えば殺している”という脅迫を行なっていた。警察当局ですら尻込みするような屈強な男たちに脅されて怖くないはずがない」先の『ハンギョレ21』で記事を執筆した女性研究者は、母国での活動に危険を感じ、ベトナムに移住している。本誌は電話やメールなどで彼女への接触を試みたが、締め切りまでに返信はなかった。このように、韓国軍が行なった「ベトナム戦争での蛮行」は韓国社会にとっては、最大のタブーといえるのだ。韓国人の多くがベトナム戦争での虐殺と陵辱に対しての知識が少ないのは、保守派の「言論封殺」の結果なのである。---この記事に書かれていること自体は、おおむね事実であると思います。ただし、こういう記事を書いて、「韓国は異常だ」と溜飲を下げるのはどんなものでしょうか。ベトナム戦争中の韓国軍の蛮行を敢然と報じたハンギョレ新聞は、韓国で最左派の新聞です。日本の日刊紙で言えば、赤旗、と言いたいところですが、ハンギョレは政党機関紙ではないので、赤旗にたとえるのは不適切かもしれません。週刊誌ですが、おそらく週刊金曜日がハンギョレに最も近い立ち位置の日本のメディアでしょう。韓洪九という歴史学者が、ハンギョレ新聞に連載したコラムを書籍化した『韓洪九の韓国現代史』という本があります。私は日本語訳で読みました。この本が(そして、おそらくハンギョレ新聞が)一貫して主張しているのは(現在手元にないので正確な引用ではないことをお断りしておきます)、韓国の近現代史の失敗を、何でもかんでも日本のせいにするのは間違いである。韓国にも、日本の支配に積極的に加担しようとするものがいたではないか、韓国自身も外国に対する侵略に加担したではないか」という趣旨です。その主張の表層の字面だけを見れば、日本のネットウヨクが手を叩いて喜びそうな内容、ということになります。だから、こうやって韓国嫌いな右翼マスコミが、嬉々として引用しているわけです。でも、主張の本質的な部分ではどうか。ハンギョレ新聞(をはじめとする韓国の左翼陣営)の主張は、要するに「他国の非ばかりあげつらうのではなく、自国の非を直視すべきである」ということです。それに反発する退役軍人(をはじめとする韓国の右翼陣営)は、「自国の非をあげつらうなんて、とんでもない、悪いのはすべて外国(日本)だ」と叫んでいるわけです。日本においても、左派・リベラル陣営が「他国の非ばかりあげつらうのではなく、自国の非を直視すべきである」と主張し、右翼陣営が「自国の非をあげつらうなんて、とんでもない、悪いのはすべて外国(中国・韓国)だ」と主張しているわけです。つまり、本質的には、自国の非をあえて糾弾したハンギョレ新聞の立ち位置、考え方と、日本の右翼の主張、立ち位置は正反対なのです。逆に、ハンギョレ新聞の報道を暴力で封殺しようとした退役軍人たちの立ち位置、考え方こそ、日本の右翼に最も近い。お互い、自国の名誉に都合の悪いことは、なかったことにしたいという行動原理をもっているわけですから。やっぱり、日本でも韓国でも、右翼は右翼、左翼は左翼で主張や考え方は相通じるものがある、ということなのでしょう。ハンギョレの報道を暴力的に封殺しようとした退役軍人会の傍若無人な態度は、まさしく日本のネットウヨクを映し出す鏡のようなものです。そういった本質的な面を見落として、表層だけの部分でハンギョレ新聞の、自国(韓国)糾弾の報道に喝采を叫んでいるような右翼は、何も知らないただのバカとしか思えないのです。
2014.04.08
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7割がイラッとするFacebookの“リア充投稿”、気づかぬうちに自分も?多くの人が日常的に利用するFacebook。実名制であり、写真が大きく表示されることから、リアルな生活感が伝わりやすい。一方で、やはりというべきか、タイムラインに溢れる自慢気な投稿に苛立ちを感じる人も多いようだ。トレンド総研では、Facebookのアクティブユーザーである20~30代の独身男女、300名にアンケートを実施。それによると、全体の8割が「Facebookで友人の“リア充投稿”を見たことがある」と答えた。一口に“リア充投稿”といっても、その内容はさまざまだ。自由回答では、「デートで高いお店にチェックインしている投稿」(27歳男性)や、「海外で現地の人と仲良くやっている写真」(30歳男性)、「沢山の友達に誕生日を祝ってもらっている投稿」(29歳女性)などがあげられた。こうした“リア充投稿”を目にしたことのある人のうち、75%が「イラッとしたことがある」と回答。特に不快なのは、「いい鞄や高級品がチラっと一緒に写った写真」(29歳女性)、「意識の高さをアピールするなど、いいね!を狙っているのが見え見えの投稿」(22歳女性)など。独身男女を対象とした調査のためか、「彼氏とのラブラブ写真と、幸せですエピソードばかりをひたすら投稿」(34才女性)、「絶対彼氏といるのに、自分だけの写真を載せている」(22歳女性)など、恋人の存在をアピールする投稿もイラッとする例としてあげられた。最近では写真の美肌修正アプリを使う女性も多いが、「画像処理で加工されている(と分かる)頻繁な自撮り写真」(28歳男性)の投稿も、人を不快にさせるようだ。一方、Facebookに投稿するシーンを複数回答してもらったところ、「面白い・楽しい出来事があったとき」(53%)、次いで「イベントに参加するとき」「友達と一緒にいるとき」(41%)と、ポジティブな場面が上位にランクイン。他人の自慢に苛立ちを感じつつ、自分も無意識に“リア充投稿”してしまっている人も多いのかもしれない。---私もFacebookをやっていますけど、このブログと違って時事問題や政治的主義主張について書くことは少なく(まったく書いていないわけではないけれど)、音楽や山登り、家族のこと(親バカ話やおのろけ話など)などをもっばら書いています。仕事のことも多少書くことがあります。(家族のことや仕事のことは、公開範囲を限定しています)仕事のことは別にして、それ以外は、ここで言われている「リア充」の投稿が多いかもしれませんね。このブログだって、政治的な主義主張に関わらないテーマ(音楽や山登り)は、もっぱら自分が楽しんだ内容を書いているわけで、それも同様ということになるでしょう。で、それの何が問題なのか、私にはさっぱり分かりません。「デートで高いお店にチェックインしている投稿」「海外で現地の人と仲良くやっている写真」「いい鞄や高級品がチラっと一緒に写った写真」「意識の高さをアピールするなど、いいね!を狙っているのが見え見えの投稿」「彼氏とのラブラブ写真と、幸せですエピソードばかりをひたすら投稿」「絶対彼氏といるのに、自分だけの写真を載せている」何か問題のある投稿でしょうか?全然、まったくそうは思いません。こんなのに、75%もの人がイラッとしているって、それ本当なのかなあ。私は、気にならないけど。人知れず黙ってイラついているだけなら、誰の迷惑にもならず、罪のない話ではあるのですが、こんなことでいちいちイライラしていたら、精神衛生によくないんじゃないかなあ、と思ってしまいます。だいたい、引用記事にもありますが、SNSに書き込みをするのは、面白い、楽しい出来事が起きたときが多いのは、当たり前のことでしょう。他人に見ることを強制しているわけでもあるまいし、見たくなければ読み飛ばせば済む話です。そこまで狭い心でFacebook(に限らず、mixiでも何でも)を見ていて、何が楽しいんでしょう。そのくらいでイライラするくらいなら、友達を切るか、自分がFacebookをやめるかしたほうが楽なんじゃないかと思ってしまいます。でも、そういう人が75%もいるというのが本当の話だとしたら、ちょっと怖いものを感じてしまします。
2014.04.07
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何度か告知をしたように、今日は所沢市の航空公園で野外演奏をしてきました。はい、どうにかこうにか、演奏しました。お昼前に現地に着いたときは、雲が多いながらも晴れ間も出ていて、まあまあいい天気でした。東京23区内の桜は、もうほとんど散り際で、葉桜になりかかっていますが、所沢は東京23区よりは寒いので、まだまだ桜は満開です。風が吹くたびに花びらが舞い散ります。桜吹雪、誇張ではなくそんな感じでした。ステージはこちらです。隣にあるのは、日本で始めて空を飛んだ飛行機、アンリ・ファルマン機のレプリカだそうです。↓で、まずはみんなで桜の下で昼ご飯。お酒は・・・・・・まあ、演奏の後までとっておくことにしました。出番は2時なので、昼食のあと、練習を始めたあたりから、雲行きが怪しくなってきました。いや、雲行きはその前から怪しかったのですが、練習しているあいだに雨がぱらつき始めました。雨はどんどん激しさを増し、昼食時には大勢いた花見客も、一斉に引き払い始めます。出演時間の少し前、出演者控え室のテントで待機していたら、かなり激しい降りに。こりゃ厳しいなと思っていたら、2時には何とか雨がやみました。で、演奏を始めたのですが・・・・・・演奏を始めたら、やっぱりまた雨が降り出しちゃいました。それも、結構激しい降りになって、また止んで、また降って・・・・・・。おまけに、寒い。手がかじかんで、指が動きません。(この曲はサンポーニャなので、指が動かなくても問題ないですが)曲は、「クジャキータ」アイマラ語で姉妹、という意味らしいです。ボリビアの「アワティーニャス」というグループの持ち歌です。ずっと以前、別のグループで演奏していた曲なのですが、十数年ぶりに演奏しました。サンポーニャ(シーク)を、1人が「ドミソ」の列、もう1人が「レファラ」の列を吹く奏法を使っています。ちなみに、今日は臨時メンバー(?)が加わって5人です。うちの子も、一緒に演奏しないかと誘ったのですが、拒否られました。(でも、客席で見てましたけど)こちらは、今日5曲演奏した中で最後の1曲(ただし、2曲のメドレーで、曲の長さもほぼ2曲分)。ボリビアの鉱山の街、ポトシの民謡です。ポトシは、かつて銀の鉱山として繁栄し、また、チャランゴのという楽器の発祥の地と目されています。現在、チャランゴにはナイロン弦を張るのが一般的ですが、ポトシのチャランゴは鉄弦を使い、カランペアードと呼ばれる、コードでメロディーを奏でる独特の奏法とリズムで演奏されます。曲は、カリプヨ・トレシータ~エ・ベニード。どちらも恋の歌です。カリプヨの方は、恋の歌というよりは片思いの歌というほうが正しいかな。ほんとにもう寒くて寒くて、ケーナの指は動かないし、唇は強張って3オクターブは音が出ないし、何とか演奏した、という感じです。デジカメが、HD画質での動画撮影が最長25分くらいしか出来ません。この曲の途中で限界に達したため、途中で動画は止まっています。ただし、別系統で録音していたので、音だけは最後まで入っています。今まで、随分いろんなところで演奏してきたし、野外演奏も数多く経験していますが、こんな雨と寒さの悪条件で演奏したのは、初めてかもしれない。楽器もだいぶ濡れました。ケーナとサンポーニャはともかく、太鼓と弦楽器にはちょっとよろしくないコンディションでした。でも、演奏しちゃった。そして、何と演奏を終えてしばらく経ったら、また晴れてきたのです。何というタイミングの悪さ。しかし、そのおかげで演奏後は楽しい打ち上げ宴会が出来ました。ちょうど、サボール・アンターニョというグループの皆さんが、午前中に近くで演奏があった、というので見に来てくれていたのです。これがまた、超ベテラン、日本のフォルクローレ界の草分けの人々でして、フォルクローレ歴30年、40年という人たち。かくいうティエラ・クリオージャも、気が付けばメンバー全員フォルクローレ歴20年超になってしまいましたが。彼らと一緒に、大演奏宴会。出たとこ勝負のメドレー大会。さすがに疲れましたけど、実に楽しかったです。
2014.04.06
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今日は、とある、フルートアンサンブルのワークショップに行ってきました。2月に大雪のため中止になってしまったため、昨年12月以来、4ヶ月ぶりのワークショップでした。事前に練習はしたのですが、どうも上手くいきません。いつもはフルート4重奏の全体の譜面を頂いて、その譜面をパソコンに打ち込んで、それを聞きながら練習するのですが(譜面を打ち込むのに練習より手間がかかる、かも)、今回は自分の担当するパートの譜面だけを渡されていました。しかも、私のパートは第4フルートだったのです。フルート4重奏の第4フルートは、どちらかというと低音のベースラインを担当することが多いようです。主旋律を吹く機会はあまり多くない。私も、低音部を吹くのは割と好きなので、毎回第4フルートを希望することが多く、今回もそうしたのです。ところが、分割された第4フルートの譜面だけを見ても曲全体のイメージがどうも沸かない。曲としては、春をテーマにした、誰でも知っている同様のメドレーだったんですけど。自分のパートの練習だけしてワークショップに臨んだら・・・・・・一瞬にして轟沈してしまいました。途中に1小節休みが入っただけで、迷子になってしまうのです。ここはどこ、私は誰??状態。今譜面のどこを吹いているのか分からない。自分のパート以外は聞いたことがないから、「今ここを吹いている」というのが分からないのです。譜面がちゃんと読める人にとっては、どうってことのない話だと思うのですが、譜面があまり読ない人間の弱点を、思いっきり突かれた感じです。いつもMIDIソフトで譜面を音にして、メロディーを聞いて覚えてワークショップに臨んでいるのですが、いわばパズルの断片だけもって全体に参加しなければならない話ですから。同じパートを吹く人が、近くにいなかったことも立ち往生の原因かな。同じパートが近くにいれば、それを聞きながら追いかけることはできます。実は、前回のワークショップのときは譜面の一部を忘れてしまったのですが、隣の方が同じパートだったので事なきを得たことがあります。譜面は読めない代わりに耳レコは得意ですから(笑)要するに、私はあまりクラシック的な音楽体質の持ち主ではない、ということなのでしょう。このワークショップには、確か一昨年の2月からずっと参加しているのですが、最初の一回で立ち往生して以降は、こんなに悲惨な撃沈状態に至ったことはなかった。で、頭が真っ白になって、すっかり立ち往生しているところに、何と、当ブログの常連であるたかさんが入室してきました。私は初級クラス、たかさんは、そのあとの中級クラスでした。ひーーーーー、私の立ち往生ぶりをすっかり観察されてしまいました。穴があったら入りたい。それはともかく、次回のアンサンブル倶楽部も、同じ曲の続きをやるそうです。これは大変だ。他の3パートの譜面ももらっておけばよかったなあ。---さて、明日はティエラ・クリオージャの野外演奏です。が、しかし、どうも天気が悪い予報です。演奏できるかなあ。天気のせいで演奏予定が中止になったことは、久しくないのですが、果たして・・・・・・。一応、再度告知しておきます。どうか、雨が降りませんように。4月6日(日)所沢の航空公園にて、「所沢市民文化フェア・さくらコンサート」で演奏します。予定時間 4月6日(日) 午後2時より2時半まで場所 所沢・航空記念公園「さくらステージ」↓古い案内図ですが、位置は変わっていません。9番の「さくらステージ」です。http://www.toko-fair.com/map.html※他に「よってけステージ」というのもありますので要注意演奏曲は5~6曲の予定です。ティエラ・クリオージャ
2014.04.05
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“原発輸出”で国会採決、与野党とも“造反”相次ぐトルコなどに原発輸出を可能にする原子力協定は、締結するかどうかをめぐり、衆議院本会議で採決が行われ、与党と民主党などの賛成多数で可決しました。採決の際に、与野党ともに退席するなどの造反が相次ぎました。原発をトルコなどに輸出するための原子力協定の承認については、自民・公明の与党が賛成、また野党の民主党も政権担当当時、ベトナムとの原子力協定を締結するなどしていたことから、党として「消極的な賛成」を決めていました。しかし、採決では、民主党は脱原発派の菅元総理と辻元清美氏が体調不良などを理由に欠席したほか、生方幸夫氏らも採決直前に退席しました。「日本国内でも極めて問題があるものを、無責任に海外に輸出することには賛同しかねる」(民主党 生方幸夫幹事長代理)一方、自民党の脱原発派では、河野太郎氏らは賛成しましたが、秋本真利氏は採決直前に議場を退席し、造反しました。(中略)「まずは当事者の方の話を伺って、どうするか決めたいと思います」(民主党 大畠章宏幹事長)民主党では、菅元総理が以前も参院選の応援で造反したことから、幹部の一人は「絶対処分してもらう。特に菅は許さない」などと話していて、処分をめぐって、執行部が難しい対応を迫られることもありそうです。一方、原子力協定に反対を決めていた日本維新の会では、反対方針の決定をめぐり、石原共同代表が、「高校の生徒会のやり方だ。私は賛成する」などと、一時、異議を唱えていましたが、石原氏は先週、散歩中に転倒し、胸を打撲したとして、欠席届と診断書を提出し、本会議を欠席しました。---私はもちろん原発の輸出になど反対です。日本で危険なものを海外に輸出するなど、とんでもない。もっとも、自民党政権は、原発を危険なものとは考えていないのでしょうが。自民党が、こういう政策を推進したがることは、ある程度予測の範囲内で、ただ、自民党内脱原発派のはずの河野太郎議員が賛成したというのは意外、かつ残念でした。そして、民主党もまた、この協定に賛成した、と。「消極的賛成」って、いったい何だよ、と思いますが、ともかくも民主党は原発輸出に賛成した。与党時代にベトナムとの原子力協定を結んだとありますが、それは震災以前のことです(国会承認は震災後)。震災前に行った政策を、震災後も、さらには野党になった後も墨守しようというのです。滅茶苦茶な話と私は思います。要するに、原子力ムラに尻尾を振るための理屈ということに過ぎないのではないでしょうか。民主党もまた原発維持派と断じるしかありません。その中で造反者が出たことは、多少なりとも民主党内の良心を感じるのですが、それに対してある幹部は「絶対処分してもらう。特に菅は許さない」などと話しているそうです。「消極的賛成」などと曖昧なことを言いながら、それに造反すると「絶対に処分」などと言うなら、最初から「消極的」などと枕詞をつけず、「断固賛成」とでも言っておけばよいのです。まあ、処分したらいいんじゃないかと私は思いますね。その代わり、分かりやすく処分することです。「民主党は原発推進政党だから、脱原発派は許さない」是非そう言って処分してください。いや、仮にゴニョゴニョともっともらしい理由をつけて処分したとしても、私は民主党がそのように公言したものと見なしますけど。
2014.04.04
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「供託金支払い終えた」 渡辺代表名で報告メールみんなの党の渡辺喜美代表の多額借り入れ問題で、2012年衆院選の前に5億円を貸した化粧品大手ディーエイチシー(DHC)の吉田嘉明会長が、その10日後、「供託金の支払いを終えた」とする渡辺代表名の報告メールを受信していたことがわかった。文面は追加融資を求める可能性にも触れていた。渡辺氏は借入金を選挙費用に充てた可能性を否定しているが、また矛盾点が発覚した。吉田氏が朝日新聞に示したメールによると、「ありがとうございました」と題する報告メールの受信は12年12月1日。依頼を受けて、5億円を渡辺氏の口座に入金した10日後だった。(中略)仮に借入金を選挙費用に充てながら、選挙運動費用収支報告書に記載しなかった場合は、公職選挙法違反に問われる可能性もある。渡辺氏がみんなの党の候補者に供託金として配ったとすれば、各候補者が報告書に記載する義務が生じる。渡辺氏は朝日新聞の取材に「当時使っていた携帯電話がなく、確認のしようがない。そのようなメールを送った記憶もない」と回答。党のホームページには「たとえそれ(メール)がホンモノであったとしても法律違反は生じません」と記している。渡辺氏は今年3月27日の会見で、「吉田会長に何らかの形でご支援はお願いしたと思うが、時期が選挙の直前だからといって選挙資金としてお借りしたわけではない」と釈明。選挙資金でないと強調している。---みんなの党代表の渡辺喜美議員が8億円を借り入れていた問題で、その使途を問われて「熊手を買った」と言い出したのは、思わずのけぞりました。およそ、これほど説得力のない説明もないでしょう。8億円の熊手ねえ、と思ったら、やっぱり、その借入金で供託金を払っていたらしいことが明らかになりました。多分、「熊手」などという説明を信じている人なんかいないでしょうから、この報道も意外な事実などではなく、「やっぱりね」という以上のものではないでしょう。多くの人が指摘しているように、この問題は、昨年猪瀬都知事が辞任に追い込まれた5000万円問題と非常によく似た構図です。猪瀬が辞任なのに、その16倍の金額が、タダで済むはずがありません。「時期が選挙の直前だからといって選挙資金としてお借りしたわけではない」と釈明したそうですが、それこそ「李下に冠を正す行為」そのもので、実に怪しい。それにしても、「熊手」にしても、「選挙直前だけど選挙資金として借りたわけではない」にしても、そんな理屈、いや、屁理屈に有権者が納得するかどうか、ちょっと考えれば分かりそうなものです。バレてはいけない秘密がバレたことで、慌てふためいて正常な判断力が失われているのでしょうか。でも、私は渡辺代表が辞任などする必要はないと思っています。代表の地位にできるだけ長くしがみつくべきです。そして、「熊手」「選挙前に借りたけど選挙費用のためではない」に続く、新たなスペシャル言い訳を是非連発していただきたい。なぜなら、私は、最近とみに安倍政権に擦り寄っていたみんなの党は大嫌い(維新の会も同様ですが)なので、こんな党はサッサと潰れた方が良いと思っているからです。そのためには、渡辺代表には、これからも有権者の支持を失うような悪あがきを、少しでも頑張ってほしい。
2014.04.03
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先週の土日は、うちの子は友達の家にお泊りに行っており、久しぶりに夫婦2人だけの我が家でした。で、夕飯は川崎のペルー料理店「インティライミ」に行ってみることにしました。ペルー料理というと、何か超珍しい料理のように思われるかもしれませんが・・・・・・ま、実際そこいらにペルー料理店がたくさんある、と言うわけではありませんけど、それでも東京近辺に何軒もある。私は、色々数え上げてみると、東京近辺で5~6店と大阪で1店、ペルー料理のお店には行ったことがあります。その中で、おいしいなと思うお店は、年に1回くらい「キラ・ウィルカ」のライブを開かせていただいている、信濃町の「ティアスサナ」と、今回紹介する「インティライミ」だと思っています。ティアスサナは、ライブ演奏や、時に練習でも使わせていただいて、年に数回は利用しています。そして、もうひとつが川崎の「インティライミ」です。このお店は、「ティアスサナ」ほどの頻度ではありませんが、それでもこれまでに5~6回以上は足を運んでいます。子どもを連れても、何回かは行っているのですが、ただ子どもが小学生になって以降は、初めてじゃないかと思います。ということは、4年ぶり以上、ということですね。今回は、こんな料理を頼んでみました。(さほど明るくない店内でiPad miniで撮った写真なので、画質はそれなりです)パパ・ア・ラ・ワンカイーナです。ジャガイモ(スペイン語でパパ)のワンカーヨ風という意味です。ワンカーヨはペルー北部の地名ですが、実際にはペルー全土で一般的な料理です。ジャガイモの上にチーズとアヒ・アマリージョ(黄色の唐辛子)、牛乳を混ぜたソースをかけたものです。アンティクーチョ。牛ハツの串焼きです。ペルーでけでなく、ボリビアやチリの料理にもアンティクーチョはるらしいですが、私自身はペルー料理でしか食べたことがありません。セビッチェ。魚介類のマリネです。ペルー料理だけでなく、メキシコ料理としても知られています。ちょっと食べかけてから写真を撮っています。カウカウです。ペルー風カレー、という感じです。蜂の巣(牛の第二胃袋)とジャガイモを煮込んで、パパ・ア・ラ・ワンカイーナで紹介したアヒ・アマリージョで味付けしています。15年、あるいはもっと前だったか、あるところでペルー料理教室に参加したことがあり、そこで作ったのが、このカウカウだったのですが、たった一度しか作っていないので、もう作り方は完全に忘れてしまいました。蜂の巣というのは、それだけをじっと眺めていると、かなりグロテスクな代物で、あまり食欲の沸きそうな素材じゃないのですが、料理にしてみるとおいしいです。アロス・コン・ポージョ。鶏肉(ポージョ)つきのご飯(アロス)です。これも、ペルーに限らずラテンアメリカ各国で見られる料理で、スペインのパエリアの南米アレンジ、という感じです。パエリアは、我が家でも何回か作ったことがあります。ということは、このアロス・コン・ポージョも家で作れるかな。このあと、もう1品とされにデザートまで頼んだのですが、それは写真がありません。食べ過ぎておなかいっぱいになっちゃいました。相変わらずおいしいお店です。ちなみに、この「インティライミ」と、大通りをはさんで斜め向かいに、もう1軒「アルコイリス」というペルー料理店があります。知人からは、「あそこも結構おいしいよ」と聞いたことはあるのですが、川崎のここまで来てペルー料理を食べようと思うと、足はどうしてもインティライミを向いてしまうため、こちらには入ったことがないのです。私が初めて「インティライミ」に行ったとき(15年くらい前)から、ずーっと2軒のペルー料理店がこの至近距離で共存しているんだから、ある意味では不思議な場所です。ただ、ちょっと気になるのは、以前はこのお店、夕方の早い時間にはお客さんは日本人が多いものの、遅い時間になるとペルー人ばっかりになっていました。ところが、この日は、最初から最後までお客さんは日本人だけ。ペルー人のお客はどこに行っちゃったのだろうか。やっぱり、リーマンショック以来在日ペルー人が相当帰国してしまったし、残っている人も収入はかなり減っているんだろうから、外食もしにくくなっているのかな、なんてことを考えてしまいました。
2014.04.02
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習氏南京発言 事実をもって反論重ねよ中国の習近平国家主席が訪問先ドイツでの講演で、「日本の軍国主義により3500万人の中国人死傷者が出た」とし、南京事件の犠牲者についても「30万人以上」と誇大な数字を並べ立て、日本を激しく批判した。いわれなき非難であり、断じて受け入れられない。菅義偉官房長官が「第三国でこのような発言をするのは極めて遺憾だ」と中国に対し抗議したのは、当然である。南京事件は昭和12(1937)年暮れから13年にかけ、旧日本軍が南京で多くの中国軍捕虜や市民を殺害したとされる事件だ。習氏は独政治家、外交官を前に事件に関し「(旧日本軍が)30万人以上の兵士や民間人を殺害する凶悪な罪を犯した」と述べた。だが、日本側の研究や調査により、「南京大虐殺」は中国の一方的な宣伝にすぎず、あり得なかったことだと判明している。「3500万人」も、反日教育を推進した江沢民元国家主席が、1995年にモスクワで行った演説で言い出した数字である。中国軍事博物館はそれ以前、中国軍民死傷者を「2168万人」としていた。数字を根拠なく膨らませて日本を不当に貶める政治宣伝は、絶対に許せない。習氏は今回、ベルリンのホロコースト記念施設訪問を打診し、ドイツ側に拒否されたという。誤った日独比較に基づき日本をやり玉に挙げようとしたのだろうが、ナチスの過去を蒸し返されたくないという訪問先の迷惑すら顧みなかったのか。習氏の批判に対し、外務省は翌日、在京中国大使館に抗議を申し入れたが、今後も不当な非難には、決して看過することなく反論を重ねていってほしい。自民党は中韓両国による反日宣伝に対抗する組織を立ち上げる。政府全体の情報発信を統括する組織や在外拠点強化の検討など攻めの対外発信は待ったなしだ。史明徳駐ドイツ中国大使はこの1月、独主要紙への寄稿で、「日本の軍国主義は戦後秩序への明白な挑戦だ」と述べた。中根猛駐独日本大使が「中国側の軍拡や東、南シナ海での行為こそが現状への挑戦で、周辺国の懸念」と反論したように、戦後秩序を崩そうとしているのは中国の方である。ゆえなき批判には客観的な事実をもって逐一、即座に反論していく。それに勝る対抗策はない。---例によって産経新聞の社説です。30万人という数字は昨日今日に突然出てきたものではなく、1985年に開館した南京大虐殺記念館には、ずっと犠牲者30万人という数字が示されています。中国の公式見解の数字と言っていい。2010年に、日中の有識者による日中歴史共同研究においても、中国側は30万人説を主張し、日本側が「20万人を上限に4万人、2万人などさまざまな推計がなされている」と主張し、折り合いが付かずに両論併記となっています。確かに、私の目から見ても、南京大虐殺の犠牲者が30万人以上というのは、いささか過大な数字ではあると思われます。しかし、では実際の犠牲者数はどのくらいか。真相は分かりませんが、私自身は10万人プラスマイナス5万人(つまり、5~15万人)と推測しています。この推測が正しいか否かはともかくとして、捕虜・一般市民の大規模な虐殺が南京で行われたことに関しては、疑いの余地がありません。先に紹介した日中歴史共同研究でも、日本側の有識者は2万から20万の様々な推計と、つまり少なくとも2万人以上の規模の虐殺はあったと認めているのであって、虐殺がなかったなどと言っている有識者はいないのです。日本側があげている中で一番小さい2万人という数字でさえも、未曾有の大災害であった3.11より犠牲者数は多いのです。にもかかわらず、日本側の研究や調査により、「南京大虐殺」は中国の一方的な宣伝にすぎず、あり得なかったことだと判明している。などと平然と書く神経は、さすがに産経だけのことはあります。何が「あり得ない」のか。30万人と言う数字があり得ないというならともかく、「南京大虐殺」があり得なかったなどというのは、それこそ産経新聞と日本の右翼の一方的な宣伝に過ぎません。「日本側の研究や調査」によっても、南京で大規模な虐殺が存在したことは判明しているのです。30万人という数字がありえないとしても、被害者の側が被害を大きくいいたがる傾向があることは、必ずしも不自然なことでも不当なことでもありません。少なくとも、加害者の側が「虐殺などまったくなかった」などと言うのに比べれば、それほど悪質なことではない、と私は思います。虐殺はあった、しかしそんな人数ではない、と指摘することは、間違いではありません。しかし、南京大虐殺全体が「なかった」などという主張は、あり得ない。そんな狂った主張を行うことが「攻めの対外発信」とは、聞いて呆れます。慰安婦問題における極右派のワシントンポストへの意見広告が、むしろ米国側の態度を硬化させる結果を招いたのと同様、南京大虐殺においても、「虐殺なんてまったくなかった」などという、日本国内の極右派の耳にだけ心地よい主張を対外発信しても、賛同は得られず、むしろ日本の国際的立場を悪化させるだけのことです。第二次大戦の中国の犠牲者も同様で、3500万というのはどうかと私も思うけど、声高に否定するだけの根拠があるのでしょうか。少なくとも、1000万人以上の犠牲者が出ていることは、日本側も認めているはずです。3500万人という、いささか過大な数字を挙げることが「絶対に許せない」のだとしたら、1000万人を殺したことはどうなる。過大な数字が「絶対に許せない」というその百万倍くらい「絶対許せない」と言うことになるんじゃないでしょうか。
2014.04.01
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