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安倍首相を代えて良いのか? 政権復帰後の5年間学校法人「森友学園」への国有地売却に関する財務省の決裁文書改竄をめぐり、安倍晋三政権の支持率が低下している。国会前には退陣を求める市民団体が集まり、野党と一緒に気勢を上げる。だが、北朝鮮による拉致被害者の帰国を待ちわびる家族や、看板の経済政策「アベノミクス」を追い風に企業のかじを取る経営者には、政権が倒れることへの懸念が大きい。「今まで9人の首相と会ったが、拉致問題に最も熱心に取り組んでくれているのは安倍首相だ。~」北朝鮮に連れ去られた市川修一さんの兄、健一さんはこう語る。その上で「安倍政権が代われば、また振り出しからだと思うと、心が重くなる」と言葉を続けた。帰らぬ弟を待ち続けて40年が過ぎた。市川氏には野党の姿が歯がゆい。「今の国会は、スキャンダルで政権の追い落としだけを図っているようだ。森友問題で見せるあの勢いを拉致問題に向けてくれたら解決に近づくはずだが、野党には関心がないようだ」~憲法改正を目指す「美しい日本の憲法をつくる熊本女性の会」運営委員長、高原朗子氏(熊本大教授)は「ここ数年でやっと憲法改正に向けた議論が動き出したのに、前に進まなくなるのが心配だ。与野党関係なく、議論するのが大切だ」と語る。高原氏は森友学園をめぐる問題追及に力を入れる野党や一部のマスコミの報道ぶりを「改憲への動きを止めようと、政権を倒すためだけにやっている感じを受ける」と指摘した。~財務省による文書改竄は、国家運営の根幹に関わる問題だといえるが、日本が抱える課題は多岐にわたる。麻生太郎副総理兼財務相は今月19日から開かれたG20財務相・中央銀行総裁会議への欠席を余儀なくされた。トランプ米政権が打ち出した鉄鋼・アルミニウムの輸入制限への対応などをめぐり日本の存在感は低下した。27日には、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が訪中し、習近平国家主席と会談したほか、今後は日米首脳会談や米朝首脳会談も予定される。内政面では道半ばの景気回復に加え、人口減少社会となる日本のグランドデザインを描く必要がある。ポスト安倍をにらんで自民党の岸田文雄政調会長や石破茂元幹事長らの名前が取り沙汰されるが、実績もなく決め手を欠く。自民党福岡県連のある幹部は「トランプ氏やプーチン露大統領、終身の国家主席となった中国の習近平“皇帝”、金正恩朝鮮労働党委員長らと彼らが渡り合う姿は想像できない」と斬り捨てる。わが国を取り巻く国際環境が激変、悪化しつつある中、いつまでもスキャンダル狙いの政治パフォーマンスにうつつを抜かす時間はない。古今東西、政治の安定こそが国民生活に幸せをもたらす。---お決まりの、安倍太鼓持ち新聞の安倍太鼓持ち記事です。何しろ、引用記事中でもさすがに安倍政権の支持率低下や、「首相の政権運営や政策への賛否はさまざま」であることには触れているにも関わらず、具体的な声としては、安倍大好きな人たちの意見しか取り上げないのですから、露骨としかいいようがありません。まあ、産経新聞は元々がそういう新聞なので、驚きは特にありませんけどね。一番最初に拉致問題をもって来るあたりは、相変わらずだなと思いますが、おそらく、多くの国民にとって、拉致問題は現在の国政の最重要課題とは認識されていないでしょう。もちろん、「重要な問題か/そうでないか」という二択で聞けば、多くの人が「重要な問題だ」と答えるだろうと思います。しかし、国政の重要な問題と考えるものを2つなり3つなり挙げよ、と聞いた場合、拉致問題が上位に入ってくることはないはずです。それに、現実問題として、小泉政権のときに拉致被害者が帰国して(この件で当時官房副長官の安倍に功績があったことは事実ですが)以降、この問題に関しての進展は何もありません。安倍政権で何か進展があったわけではありません。功績があったとすれば、拉致問題の存在についてのアピールに力を注いだだけ。アピール=解決ではない。トランプが国連で演説すれば北朝鮮が拉致被害者を生きて返す、なんてことがあるわけがないのです。今後安倍政権が10年続こうと20年続こうと、拉致問題が、(残りの被害者が生きて帰ってくる、という形で)解決することは絶対にない、ということは断言してもいい。で、トランプは国連演説で拉致問題に触れ、家族会とも面会しましたが、その代わり日本製品の輸入制限を打ち出しています。トランプが拉致問題を取り上げることより、日本製品の輸入制限の方が重要だと私は思うのですが、違いますかねえ。あれだけ米国追随の姿勢をとっても、結局は日本製品輸入制限、というのは、安倍の(必ずしも安倍政権だけの姿勢ではないにしても)対米追随外交の破綻を意味すると私には思えるのですが、産経新聞にとってはそうではないようです。高原朗子熊本大教授)は「改憲への動きを止めようと、政権を倒すためだけにやっている感じを受ける」と言っているそうですが、それは数年前民主党政権時代のネトウヨ派・自民党の態度のことでしょうか?民主党政権に多々問題があったことは否定しませんが、鳩山首相が辞任して以降の民主党(特に野田政権)は、もはや政策面で自民党と変わらなくなっていました。それでも、ネトウヨ系は民主党を憎悪し、民主党に対する熾烈なネガティブキャンペーンを繰り返した。当時自分たちがやっていたことが、今自分たちに返ってきているだけのことでしょう。しかし、一番笑えるのは、岸田文雄や石破茂について、「トランプ氏やプーチン露大統領、習近平、金正恩らと彼らが渡り合う姿は想像できない」という「自民党福岡県連のある幹部」の発言。これはもう、失笑するしかない。私は岸田や石破も支持はしませんし、岸田や石破がトランプやプーチン、習近平、金正恩らと渡り合う姿は、確かに私にも想像できないのですが(その能力がない、という意味ではなく、能力のほどを知らない、という意味)では安倍晋三なら想像できるのか?やっぱり想像できません。こちらは、その能力がない、という意味で。敵対する立場のものに対してはやたらと攻撃的、ちょっと野党に攻撃されるだけでキレる、首相自ら野次を飛ばす、第一次政権時代の政権投げ出しの醜態、もちろん語学力の欠如(これについては、たいていの政治家は安倍と大同小異でしょうが)。ネトウヨ的価値観では、「敵」と認定したものはただただ非難攻撃するのが「正しい交渉」かも知れませんが、実際には、そんなものは交渉をぶち壊す行為でしかないわけで。どこからどう見ても、安倍が外国の要人と、まともに渡り合う能力があるとは思えないし、逆に言えばそれでも交渉ができている(ように見える)のは外務省などの役人が周りを固めているから、というだけのことです。そして、わたしが一番危惧するのは、やはりアベノミクスの将来です。確かに今現在の景気の動向だけを見れば、そんなに悪くはないけれど、それは日銀が国債を大量購入する、莫大な年金積立金を株式市場に投入して株高を演出する、といった危うい手法によるものです。このようなやり方が、未来永劫続くわけがない。それが破綻するのは1年後か5年後か10年後か、私には分からないけど、いつかは破綻するのは確実です。正直、そのときは私の年金(多分、まだ年金をもらえる年齢には達していない)は吹っ飛んでしまうかもしれません。そんな個人的な問題はともかく、日本経済自体もひっくり返ることになるでしょう。このまま安倍政権が続けば、日本は破滅的な事態に至る、としか私には思えません。産経は「安倍首相を代えて良いのか?」だそうですが、私は「サッサと代えるべき」と思います。
2018.03.30
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昨日は、佐川前国税庁長官の証人喚問が行われました。私は昨晩は飲み会があったので、詳細は今日知りましたが、新しい内容は何も出てこなかったようです。というより、佐川は与党に都合のよい部分(安倍首相や首相夫人、官邸関係者、麻生財務相の関与はない)だけは与党の意向に沿う証言をし、それ以外はほとんどすべて、訴追の恐れがあるとして証言を拒否するという挙に出たようです。しかも、与党に都合のよい証言を引き出した自民党の丸川議員は、「安倍総理からの指示はありませんでしたね」 「安倍総理夫人からの指示もありませんでしたね」という、あまりにも露骨で分かりやすい誘導質問。あきれるしかありません。一つなかなか面白いなと思えるやり取りがあったのですが、共産党の宮本議員から昨年2月24日の衆議院予算委員会で、面会等の記録は平成28年6月20日の売買契約締結をもって破棄してると、こういう答弁を私に初めてなさいました。この答弁は虚偽答弁でありましたか。と質問されて、佐川は6月20日をもって廃棄をしたという私の答弁は本当、財務省のちょっとここで何回かおわびしておりますように、財務省の文書管理規則の取り扱いをもって答弁したということでございましてと応えています。いやいや、これほど不誠実な答弁があるか、とわたしは思います。「面会の記録はどうしたのか」というとき、それは個別具体的なその文書ついての質問であって、一般論の文書管理規則の話ではないことは明白です。にもかかわらず、一般論としての文書管理規則の取り扱いについての話にすりかえて、文書管理規則上、廃棄することになっている、という意味で「廃棄した」と答弁した、だから丁寧さは欠いたが虚偽答弁ではない-と言うのです。それは、丁寧さを欠いた、などというレベルではなありません。佐川が弁解するような意味であれば、「廃棄することになっている」というのが正しい日本語表現です。ところが、佐川は実際には「交渉記録はなかった」という過去形で答弁しています。それは、わざと誤読を招こうという詭計としか言いようがないものです。「消防署の方から来ました」というのとなんら変わらないレベルです。佐川が、このようなトリッキーな理屈で虚偽答弁を糊塗するなら、当然他の部分でも同じような詭計を使っているのだろう、と考えるのが自然です。例えば、安倍首相や首相夫人の関与はない、と証人喚問でそこだけは断言したわけですが、これだって、上記のような理屈に従えば、「首相が要求すれば決裁済み文書を改ざんしてよい」などという文書管理規則が財務省にあるわけがないのですから、そのような規則について説明したのです、という屁理屈がまかり通ることになります。※私も、まさか安倍や菅や麻生自身が、直接的明示的に「決裁文書を改ざんして都合の悪い部分は公開文書から消せ」などと指示したとは思いません。奴らもそこまで馬鹿ではないですから。そういう意味では、「安倍総理からの指示がなかった」のは当たり前なのです。霞ヶ関の高級官僚は、自らや与党にとって不都合なことについて追求されると、国会の質疑でもこんな詐欺師まがいの屁理屈を用いて不都合な情報を隠蔽するものだ、ということを満天下に知らしめたことは、短期的には佐川のごね得かも知れません。しかし、官僚の国会答弁なんてどうせ嘘でしょ、と多くの国民に思わせることは、長期的には政府、官僚に対する信頼性を失墜させることに他なりません。そうすることは、結局のところはめぐりめぐって政府自身の首を絞める結果となるように思うのですが、近視眼的に「首相(やその周辺の政治家)の関与が否定された、疑惑は否定された、めでたしめでたし」と思っている人たちは、そこに気付かないのでしょう。ひとことでいえば、日本の統治機構の劣化が止まらない、ということに尽きるのでしょう。
2018.03.29
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前川氏授業 文科相、2議員照会認める 赤池氏は圧力否定前川喜平前文部科学事務次官が名古屋市立中で行った授業内容の報告を文科省が市教委に求めた問題で、林芳正文科相は20日、報告要請の前に、自民党の赤池誠章参院議員と池田佳隆衆院議員が文科省に対し、前川氏が学校に招かれた経緯などを複数回照会していたと明らかにした。池田氏には市教委に送る質問項目を事前に示し、池田氏の意見を聞いて内容を一部修正したことも判明した。 ~赤池氏は自民党本部で行われた文科部会後に取材に応じ、池田氏とともに、文科省に経緯を照会していたことを認めた。その上で「法令違反をした人が教壇に立って良いのか事実確認した。文科省への圧力には当たらない」と説明した。 ---以前にこの問題についての記事を書きましたが、やはり、というかこの騒動も陰に圧力をかける政治家の存在があったようです。「文科省への圧力には当たらない」と本人は嘯いているそうですが、圧力とは、それを受けた側が感じることであって、圧力をかけた側がそんなことを言っても説得力はゼロです。中央官庁が地方自治体に問い合わせをする内容について、国会議員にいちいちお伺いを立てる、などということが、霞ヶ関では日常的に行われているのでしょうか?どう考えても、そうとは思えません。政治家が常ならぬ行動をとり、官僚はその意を受けて、自治体に対して非常に高圧的な態度で、詰問調の問い合わせを行った、それを圧力と呼ばずに何と呼ぶのか、と思います。更に、この赤池については、以前にこんなこともあったと報じられています。「ちびまる子ちゃん」キャッチに抗議の自民・赤池議員「(友達に)国境はないと嘘を教えてはいけない」前川喜平・前文部科学事務次官の授業への介入が問題化した自民党文科部会長の赤池誠章参院議員が、アニメ映画「ちびまる子ちゃん イタリアから来た少年」のキャッチコピー「友達に国境はな~い!」でも、文科省に猛抗議していたことが発覚。話題となっている。文科省は東宝とタイアップして映画を制作、2015年12月に公開されていた。AERA dot.編集部は~赤池氏の事務所にFAXで質問状を送っていたところ、23日に編集部に回答が届いた。回答では「教育行政を司る文部科学省として、子供向けとはいえ、『国境はない』という嘘を教え、誤認をさせてはいけない」「国境は歴然としてあります」と、抗議の理由をあらためて説明。そのうえで、「私なら(キャッチコピーは)『国境があっても、友達でいよう』と名付けた」と述べた。今後、同様のケースがあった場合の対応については「国民に選ばれた立法府の一員として、行政府に対して、事実確認を行い、問題提起をすることは当然の仕事」と回答した。赤池氏は~自身のブログで〈国際社会とは国家間の国益を巡る戦いの場であり、地球市民、世界市民のコスモポリタンでは通用しない〉と批判。文科省の担当者に〈猛省を促した〉と書いていた。---いや、もうなんと言うか、開いた口がふさがらない、というところです。「友達に国境はない」というアニメのキャッチフレーズが「嘘だ」というのです。その理由は「国境は歴然としてある」「国際社会とは国家間の国益を巡る戦いの場であり、地球市民、世界市民のコスモポリタンでは通用しない」と。バカじゃねーの?と思いますね。「国際社会とは国家間の国益を巡る戦いの場」だとすれば、外国人は「戦いの相手」つまり敵ということになります。赤池は、自分なら「国境があっても、友達でいよう」というキャッチフレーズにすると言っていますが、論理的に考えれば、それは「敵であっても友達でいよう」という形容矛盾な話になってしまいます。それって、下手をすれば敵への内通者ですよね。つまり、「国際社会とは国家間の国益を巡る戦いの場」だから、アニメ(小説でも童話でもなんでもよいですが、要するにフィクションの世界)にすら「友達に国境はない」という表現を許さないという理屈からは、「外国人はすべて敵だ」という結論しか導きようがなくなる、ということです。まあ、こんな小難しい理屈を並べなくても、「友達に国境がない」というフレーズに「国境は厳然としてあるから嘘」などという言い分は、よく言っても「無粋極まりない」ものだし、まあ普通は「難くせ」あるいは「揚げ足取り」という類のものでしょう。要するに、「議員サマの威光を見せつけてやるぞ」ということでしょう。この赤池も、少し前に記事を書いた「宇予くん」騒動の青年会議所の出身のようですし、もう一人の圧力議員である池田佳隆は青年会議所会頭から政界入りしたようです。こんな連中ばかりを量産するのが青年会議所だとすると、本当にどうしようもない組織だなと思わざるを得ません。
2018.03.27
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家族旅行で水上温泉に行って来ました。ここ数年、1月の成人の日の3連休に行っていたのですが、昨年末の骨折で、今年の1月はまだ松葉杖生活でしたので、3月になってしまいました。いつも、私の山登りと組み合わせて、2日目は別行動という不思議な家族旅行であることが多いのですが、今回は山登りはなし。別行動なしの家族旅行でした。(1泊2日だしね)なお、写真はすべて、以前紹介したSIGMA18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSMで撮影しています。購入当初はピントが甘くてどうしようもない感じでしたが、ピント調整で画質が大幅に改善しました。水上の1駅手前、上牧駅から谷川連峰がよく見えます。右端が谷川岳です。水上からよりも、谷川岳山頂のトマの耳、オキの耳は角度的に見えやすいかもしれません。水上館。ここに泊まったわけではありませんが。(7年ほど前に一度泊まったことがあります)水上はポカポカ陽気。そして、日陰と除雪した雪を積み上げたところにはまだ雪が残っていたものの、もうほとんど雪はありませんでした。近くの山をちょっと見上げると、まだ雪は残っていましたが。夕食。美味しかったです。が、お腹いっぱい。今朝、宿の窓から。早朝は谷川岳方面は曇っていたのですが、8時過ぎにガスが切れて、以降は快晴でした。右端の谷川岳を望遠レンズで撮影してみると、登山者が列をなしています。2週間前に私もアタックしましたけど。宿をチェックアウトして、利根川を下流方面に歩いて行きます。川べりに道の駅があり、そこで少し買い物。その後川べりを散歩です。カワガラス。ちょっと遠くて不鮮明な写真です。ちなみに、カラスと名がありますが、黒っぽい色からそう名付けられているものの、カラスの仲間ではありません。キセキレイ写真に見えるつり橋まで行ってみることにしました。つり橋の上から谷川連峰。同じく。少しアップ。つり橋を渡ってホオジロこれもホオジロ。またカワガラスに遭遇。やはり遠くて不鮮明な写真です。昨日の水上館脇より少し下流になります。カワラヒワ。昔は23区内の我が家でも普通に見かけたのですが、最近は近所では見かけなくなってしまいました。カワラヒワ。うちの子が4月から中学3年になるので、来年3月までは家族旅行もお預けです。というか、子どもが高校に入れば「親と一緒に旅行なんて」と言い出すかもしれないので、ことによると最後の家族旅行・・・・・・になるかどうかは、分からないですけどね。
2018.03.25
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いや、日本の話ではなくて(安倍政権もかなり瀬戸際と思いますが)補佐官マクマスター氏、事実上の更迭 後任にボルトン氏米ホワイトハウスは22日、マクマスター大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が退任し、ボルトン元国連大使が後任に就く人事を発表した。マクマスター氏の退任はトランプ大統領との「合意に基づいた判断」としているが、両氏の関係悪化が伝えられており、事実上の更迭とみられる。政権発足から1年あまりで安全保障政策の司令塔である補佐官が2度交代する異常事態となった。 安保担当補佐官は外交・防衛政策の広い分野にわたって大統領に助言する閣僚級ポストで、NSCの主要メンバーでもある。国際協調を重視する現実路線派の中心だったマクマスター氏の退場により、政権内で対外強硬・排外主義的な傾向が強まり、国内外でさらなる摩擦を招く可能性がある。 ---前任のフリン補佐官が任期1ヶ月で解任されて、後任も1年でまた解任です。それに、つい先週は国務長官が更迭されたばかりのような記憶があるのですが・・・・・・トランプ米大統領、ティラーソン国務長官を更迭ドナルド・トランプ米大統領は13日、レックス・ティラーソン国務長官を更迭し、後任に中央情報局(CIA)長官のマイク・ポンペオ氏を指名すると発表した。大統領はさらに、国務長官との食い違いは「相性」の問題だったと話した。---その前の週は国家経済会議(NEC)のコーン委員長が辞任しています。ついでに、政権とは関係ありませんが、トランプのロシア疑惑をめぐる弁護団の筆頭弁護士ダウド弁護士も、捜査への対応方針を巡りトランプと対立して辞任だそうです。毎週のように誰かが辞め、しかも更に辞任・更迭のうわさのある政権幹部は何人もいるようです。日本で閣僚が毎週のようにこんなに辞任していれば、政権の求心力は低下してガタガタになると思われますが、トランプはそうなっていないようです。政治のシステムが日本とは異なるので(日本のような議院内閣制ではない)そうなってしまうのでしょう。しかし、そうは言ってもこんなことを繰り返していれば、その分野で政策を継続していく能力はガタガタになることは自明です。統治機構がガタガタになっても、そんなことにはお構いなくトランプを支持する米国民が一定数存在するから、こんなことを繰り返してもトランプ政権は平気なんでしょうけど。で、そのトランプ政権を安倍政権は一生懸命支持してきました。安倍取り巻きの保守メディアも、おおむねトランプ支持でしたが、そのご期待に応えてトランプがやったのは鉄鋼輸入制限発動へ EUや韓国除外、日本は対象米トランプ政権は23日、米通商拡大法232条に基づき、鉄鋼・アルミニウム製品の輸入制限を発動する。国内の鉄・アルミ産業の衰退が「国家の安全保障上の脅威になる」として、一部の例外国を除き、鉄鋼は25%、アルミは10%の追加関税を課す。米政府はカナダ、メキシコ、EU、韓国など計7カ国・地域を輸入制限の対象から除外すると表明した。日本は適用除外国に含まれていない。今後の協議で、適用除外国が最終的に確定する。---というわけで、安倍政権のトランプへの愛は、あっさりとソデにされてしまったようです。というか、そんなものはろくに評価もされていなかった、ということなのでしょう。
2018.03.23
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「宇予くん」で投稿のJCとは 元会頭に麻生氏や鴻池氏「右翼」を連想させる「宇予くん」の名前で、ツイッター上に不適切な投稿をしたとして、日本青年会議所(日本JC)が謝罪した。改憲論議を起こすためだったというが、そもそも「JC」って?日本JCがウェブサイトに「お詫び」を載せたのは2月28日。改憲を進める部署の担当者が「宇予くん」名で中国や韓国を名指しし「バカ二国」と述べたり、「憲法を変えたくないと言ってるヤツはバカ」などと中傷したりしたのが不適切だったと謝罪。「議論の活性化を意図するあまり、誤った稚拙な手法」をとったと釈明した。---宇予くんの暴走騒ぎは、リアルタイムでは知らなくて、騒ぎになって削除された後で知りました。私は記事をちゃんと読むまでは、右翼に批判的な人が揶揄する意図で作ったものを批判されたのかと思いました。実は、そうではなくて、右派の総本山である日本青年会議所自身が考案したキャラクターだというので、びっくり仰天です。改めて見てみると、発言もイカれていますが、そもそもキャラクターデザイン自体(ここに引用はしませんが)かなりイカれている。少なくとも私の美的センスには、まったくマッチしません。問題となった宇予くんの暴言の数々について、いちいち個別具体的に論評はしませんが、いかにもネトウヨが言いそうな、典型的な発言という以上のものではありません。このイカれたキャラクターデザインにしても、イカれた発言の数々にしても、おそらくネトウヨ界の仲間内では大いに受け入れられているのでしょう。きっと、この種の「勇ましい」発言、左翼を揶揄し攻撃する言葉が激しければ激しいほど、仲間内では受けるのでしょう。おそらくその延長線上に位置すると思われるのが、先日の参院予算委員会での自民党・和田政宗議員の財務省の太田理財局長に対する「民主党政権時代の野田総理の秘書官も務めており、増税派だからアベノミクスをつぶすために、安倍政権をおとしめるために意図的に変な答弁をしているのか」という発言です。大田理財局長が怒りも露に反論、すでに各方面から批判を浴びて、挙句の果てに和田がその発言によって弁護しようとした麻生財務相からも「軽蔑する」とまで言われて、とうとう議事録から削除されるという事態に至っています。どう見ても狂った発言としか言いようがないのですが、和田の主観としては、おそらく正しいことを言ったと思っているのでしょう。そして、それをと擁護するネトウヨ狂人たちが、一定数存在するわけです。宇予くんにしても、和田の狂った質問にしても、ネトウヨ層だけを訴求の対象とする言説です。言い換えれば「仲間内」だけで通用する言語、ということです。近年の右傾化する世相のため、ネトウヨ層は増殖していますが、それでもそれ以外の層の方がはるかに多い。そういった、大多数の「ネトウヨ以外の層」は、ネトウヨ層が仲間内だけで盛り上がる言説を見ても、ただしらけるだけに過ぎません。そして、そのことに彼らは気が付かないのでしょうね。もっとも、これはネトウヨ層の側だけに特有の問題、というわけではないとも思います。私も左派の端くれ(もはや左翼崩れ、元左翼ですけど)なので思いますが、仲間内でしか通用しない言説は、左翼の側にも多い。例えば、一昨年の参院選の直前、NHKの討論番組で共産党の議員が防衛予算を「人殺し予算」と言って批判を浴びたことがありました。私は自衛隊は今の日本には必要である(ただし、最低限度の規模であるべき)と思っていますが、平和運動などでは、自衛隊は憲法違反、解散すべき、という価値観は今もあります。私も、元々はそういう考えから出発しましたし、その考えに一理も二理もある、とは思うので、その考えが悪い、とは思いません。ただ、そういった平和運動の世界で受け入れられる言説が、世間一般に広い支持を得ることはできないのです。事実、前述の「人殺し予算」発言までは好調だった共産党が、このあと支持を低迷させました。つまり、共産党に票を投じるかもしれない層の中でさえ、「人殺し予算」は受け入れられない言説になりつつあるのです。安倍政権の下で改憲の発議が行われる可能性は、一連の森友騒動文書改ざん事件によって大幅に低下したと思います。が、その可能性がなくなったわけではありません。また、安倍改憲はなくても、次の政権が改憲に手を付ける可能性は充分にあります。そのとき、国民投票の勝ち負けは過半数を取れるかどうかで決まります。熱心な活動家だけが盛り上がるような言説では、勝つことはできない。ネトウヨ界の自滅的言説による自滅を他山の石として、同じ轍を踏まないようにすべきでしょう。
2018.03.21
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渡辺美樹議員「週休7日幸せか」発言、過労死遺族に謝罪自民党の渡辺美樹参院議員が13日の参院予算委員会の公聴会で、公述人として意見を述べた過労死遺族を前に「お話を聞いていると、週休7日が人間にとって幸せなのかと聞こえる」と発言、反発して発言の撤回を求めた遺族側に渡辺氏は16日、「傷つけることになり申し訳ありませんでした」と謝罪した。 公述人を務めたのは、小児科医だった夫を過労自殺で亡くした、東京過労死を考える家族の会代表の中原のり子さん。高収入の一部専門職を労働時間規制から外す「高度プロフェッショナル制度」の話の中で、中原さんは制度の導入に反対する意見を述べた。質問に立った渡辺氏は「働くことが悪いことであるかのように聞こえる」とも発言した。中原さんらは16日、「過労死遺族に対して無理解な発言だ」として、渡辺氏に発言の撤回を要求。渡辺氏は「過労死をなくしたい気持ちは同じ」と語り、謝罪したという。渡辺氏が創業した居酒屋チェーン「和民」では2008年、女性社員が過労自殺している。---すでに各方面から批判を浴びて謝罪に追い込まれているものの、何故か発言の撤回はできない、という不思議な言い分です。渡邉美樹が和民のワンマン経営者だった間は、彼がどんな極論を言おうが、社内的にそれを公然と批判する人などいなかったでしょう。しかし、政治家となってしまった今は、そうは行きません。暴言を吐けば社会的批判を浴びる、社長と違って、任期と選挙というものがあり、どれだけ非難を浴びても居座り続ける、というのは難しい(非難を浴び続けても当選を重ねる議員もいますけど、少なくとも渡邉はその域ではない)、そういった経営者と政治家の立場の違いを未だ認識し得ないから、こういう発言が出てくるのでしょう。まあ、しかし、問題の本質は、このような人物を、よりによって過労死遺族の意見陳述に対する質問者に選ぶ自民党の態度にある、と言わざるをえません。いや、遡ればそもそもこのような人物を公認候補として擁立したこと自体も問題ですけど。渡邉が、これまで散々「休日も休憩も関係なく、休みなく働け」的な長時間労働賛美の発言を繰り返してきたことは周知の事実です。発言を謝罪した今だって、腹の中で考えていることは変わっちゃいないでしょう。腹の中で考えていることを取締る法はないので、それは仕方がないですけど。そのような人物を、あえて過労死の問題を訴える意見陳述人に対する質問者としてぶつけるのは、どういうことか。参議院の自民党に、議員は他にも大勢いるのに。つまり、自民党は長時間労働の問題について、働き方改革だ何だと表向きは色々言っていても、本音の部分では渡邉同様に「長時間労働なにが悪い」程度にしか考えていないのだろう、ということです。実際問題として、そういった価値観の議員は多いのだろうなと思います。自民党ではないけれど、維新のトラブルメーカー足立議員が、元秘書から残業手当を請求されて「払わない」と居直った騒ぎも、少し前にありました。こういう永田町の「常識」で高度プロフェッショナル制度をとおされたら、働く人にとってはたまったものではありません。
2018.03.20
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「財務省文書改ざん」は「佐川事件」なの? 自民・西田議員「命名」に異論が「『佐川事件』の真相究明ということがまず第一でありますから」――自民議員からこんな発言が飛び出したのは、野党不在のまま行われた2018年3月15日の国会だ。森友学園への国有地売却に関する財務省文書が書き換えられたこの問題をなんと呼ぶかは、発言者の政治的立場などによって揺れがある。にわかに国会の場に登場した「佐川事件」なるフレーズには、はたしてどのような思惑があるのだろうか。(以下略)---少し前には、佐川の国税庁長官就任を「適材適所」と言っていた自民党が、文書改ざん事件が炎上してどうにもならなくなると、一転して「すべて佐川(だけ)が悪い」と言いはじめました。その変わり身の速さ、露骨さにはあきれ返るばかりです。確かに佐川は悪い、そりゃ事実です。でもね、決裁済文書の改ざんという荒業を、官僚が自発的に考えて実行したなんて、わたしは信じないですね。だって、高級官僚は公務員です。不祥事が発覚すれば懲戒免職で退職金が消えてなくなるかもしれない。加えて、一般の公務員にはない彼らだけの特権である、「天下り」という再就職先も吹っ飛んでしまうかもしれないのです。佐川は東大卒(裕福な家の出ではなく、苦学生だったそうですが)ですし、他の多くの官僚も頭はとてもよいのは、言うまでもありません。こんなことをやって、発覚すればどうなるか、想像できない彼らではないでしょう。保身ということを、当然考えるでしょう。そんな彼らが、こんなリスキーなことを勝手に(自発的に)やるでしょうか?やるわけがないです。明示的に「文書を書き換えろ」と要求されたとはさすがに思わないけれど、政治家から暗に「何とかしろ」と迫られて、改ざん以外に手がない状態に追い込まれて、仕方なくやったに違いないのです。そのリスクを冒したご褒美として、「適材適所」で国税庁長官に就任させた-ということなのだろうと、わたしは解します。
2018.03.18
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今日は朝から快晴。山に行きたい!のはやまやまですが、先週行ったばかりだし、まだまだ足の状態は山登りには万全とはいえない状態だし、結局は回避したものの、状況によっては休日出勤の必要もありそうだったので、遠方への外出は避けて、三番瀬に鳥をもに行きました。鳥を見に行ってまず山を撮る。葛西臨海公園の大観覧車の向こう側に富士山がうっすら見えます。400mmの最大望遠で富士山。いつか、冬富士にも登れるだろうか。積雪期は、ゴールデンウィークに3000mまでしか登ったことないけど。で、シギ・チドリ類はたくさんいました。手前にシギ類、奥にカモメ類、更に向こうにミヤコドリ。前回三番瀬に来たときは、ミヤコドリは一羽もいませんでしたが、今日はたくさんいました。元祖都鳥のユリカモメと、本家都鳥のミヤコドリ(笑)平安時代の伊勢物語などに「都鳥」の名が登場しますが、これは現在のミヤコドリではなく、ユリカモメのことを指すといわれています。どうも、江戸時代以降に都鳥の名がユリカモメからミヤコドリにかわったようです。かつては、日本ではきわめて稀な鳥でしたが、近年は東京湾で300羽くらいが越冬しています。シギ・チドリの足跡。実は干潟のあちこちに刻まれています。だって、こんな団体さんでうじゃっと沢山いるんだから、そりゃ足跡も残ります。大多数がハマシギ、トウネン、ミユビシギも混ざっています。ダイゼン(チドリ科)も混ざっています。そして・・・・・・オオソリハシシギが1羽いました。この写真に写っている範囲は、ほとんどハマシギ。ハマシギ。断片的に夏羽が現れはじめています。ハマシギ。一番手前(左)がハマシギ。奥の2羽(中央と右)がトウネン。(ミユビシギと書きましたが、トウネンでしょうね)冬羽だと両者酷似しているので、パッと見分かりにくいです。シギが一斉に飛んでしまいました。文字どおり1羽もいなくなってしまいました。後には、ダイゼン(チドリ科)とカモメ類だけが残っておりました。ちなみに、前述のミヤコドリはミヤコドリ科ですが、系統的にはチドリ科に近縁です。もっとも、シギ科もカモメ科も、チドリ目なので、大きな枠としてはみんな近い仲間とも言えますが。
2018.03.17
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「過去の行為とは別」 前川氏講演、適切と中学校長前川喜平・前文部科学事務次官が講演した名古屋市立中の校長が市役所で記者会見した。文科省からの質問について「すごく抵抗があるわけではない」と述べる一方、「(前川氏は生徒を)とても勇気づけてくれる方だ」と講演は適切だったとの認識を示した。校長は約3年前に前川氏の講演を聞いて感銘を受け、今回の講演を依頼したという。「(前川氏が天下り問題に関与した)過去の行為とは切り離して考えた」と説明した。「質問には真摯に答えた。文科省が内容を確認したい気持ちは分からなくはない」として、文科省への批判を避けた。文科省のメールは、質問の目的を明確にしていなかった。会見に同席した市教育委員会の藤井昌也指導室長は、「授業の内容に踏み込んでの質問はあまり経験したことがない。意図はきちんと聞いていかないといけない」と述べ、今後文科省に問い合わせる方針を示した。---校長というのは管理職であり、今のご時勢では、政府、文科省、教育委員会の意向を「忖度」するような人ばかりかと思っていましたが、意外にそうでもなかったようです。あえて前川氏を講演に呼ぶとは、なかなか骨のある方のようです。それに対して、文科省は名古屋市教委に対して、前川氏を呼んだ狙いや講演の内容を問い合わせ、録音データの提供を求めていた上に、前川氏を学校教育の授業に呼ぶことは「慎重な検討が必要だったのではないか」とも発言したそうです。(こちらの記事より)言外に前川を呼ぶなと圧力をかけたも同然です。前川元次官は、確かに天下り問題で減給と停職の処分を受けています。それは不祥事には違いないのですが、ただし懲戒免職になったわけでも立件されたわけでもありません。その処分から1年を経てなお、学校に呼んで講演してもらうことが悪いことである、とは私には思えません。結局、安倍政権にとって都合のよくない元官僚を教育現場に近づけないようにしようと、文科省が忖度している、としか思えません。実に狭い了見としか私には思えません。それに対して、「確認したい気持ちは分からなくはない」と文科省の直接の批判は避けつつも、講演に呼んだことについては一歩も退かないこの校長先生は、大人の対応だな、と思います。
2018.03.16
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麻生太郎氏、森友文書の書き換え認める。「佐川の答弁に合わせて書き換えられた」学校法人「森友学園」との国有地取引に関する決裁文書の書き換え問題をめぐり、麻生太郎・財務相が3月12日午後2時すぎから記者団の取材に応じ、14件の文書に書き換えがあったと発表した。文書は同省理財局の一部の職員によって、当時理財局長を務めていた佐川宣寿氏の国会答弁に合わせる形で書き換えられたと説明。自身の進退については「考えていない」とした。麻生氏は冒頭で、「昨年2月下旬から4月にかけて、本省理財局において、森友事案に関する14件の決裁文書の書き換えが行われていたことが明らかになった。決裁された行政文書について書き換えを行うことは、極めて由々しきことであって、誠に遺憾。私も深くお詫びを申し上げる次第だ」と陳謝した。~書き換えの責任者について麻生氏は、「書き換えの一番トップはその時の担当者で、そんなに偉いところではないと思う。最終的な決裁として、佐川が理財局長だったから、その意味で理財局長となろうと思う」と述べた。~財務省が文書の書き換えを認めたことで、麻生氏の進退について焦点が当たっているが、「進退については考えていません」と否定した。(以下略)---いきなり本題とは違う話ですが、この麻生の発言って、本人の言ったとおりなのでしょうか?それとも、ハフィントンポストが言い回しなどについて編集しているのでしょうか。というのは、「私も深くお詫びを申し上げる次第だ」という発言が、本当にその字面とおりだとすると、信じ難いと思うからです。お詫び、それも「深くお詫び」というなら、それは「お詫び申し上げるしだいです」とか、更には「申し上げるしだいでございます」とか、そういう表現と対になるべきものです。「深くお詫びを申し上げる次第だ」って、その表現はあまりに謝罪という印象とかけ離れています。が、報じた側が字数の関係で本人の発言とは異なる表現にした可能性もあるので、今の時点では保留としておきます。追記 この会見の映像をYouTubeで確認したところ、さすがに「お詫びを申し上げる次第です」と言っておりました。この部分はハフィントンポストが要約でしただけなので、上記部分は誤りでした。もっとも、一応はお詫びを申し上げる次第です、とは言っているものの、まったく頭を下げず、口調もいつもの麻生らしい喋り方です。お詫びという印象がまったくないことも確かです。本題のほうですが、「書き換えの一番トップはその時の担当者で、そんなに偉いところではないと思う。」という発言にいたっては、わたしはひっくり返る思いです。70年前ならイザ知らず、今の時代に決裁済公文書の改ざんなんて、明確に違法行為であり、発覚すれば職を失うリスクもあるようなことを、一担当者や係長、中間管理職レベルの人間が自ら進んでやるわけがないのです。事実、発覚が不可避になった時点で、書き換えに関わったと思しき職員が自殺する事態にすら至っています。こんなことは組織ぐるみ、トップのほうからの強い指示があったに決まっています。まあ、麻生も本心でそんなことを信じちゃいないと思いますけどね。少しでも責任を下のほう下のほうにおっかぶせたい、という意思の表れ、ということでしょう。言うまでもなく、一連の騒動の発端となったのは、森友学園への土地格安売却疑惑です。安倍シンパの籠池元理事長に、政権がありえないレベルの便宜供与を行っていたのは周知のことです。しかし、疑惑が表沙汰になって以降、両者の関係は急激に悪化して、籠池が安倍を非難した途端に、「首相を侮辱したから」というとんでもない理由で証人喚問をされて、その後逮捕され、いまだ拘留中です。トカゲのしっほとして切り落とされてしまったわけです。そして、今度は公文書改ざん事件です。公文書改ざんをしてまで安倍昭恵や安倍周辺の政治家の関与を否定した佐川を散々擁護して、ついにかばいきれなくなると、一転トカゲの尻尾切りで、佐川とその部下がすべて悪い、と言いはじめたわけです。が、いくらなんでも、「進退については考えていません」で済むわけがない。政治家が明示的に「公開する文書を改ざんせよ」と命じたかどうかまでは分かりませんが、少なくとも佐川の答弁が事実ではないことは内心分かっていて、それで国税庁長官に任命した(ことが、白日の下に晒された)責任は、免れるものではありません。麻生の辞任なし、ということはもはやありえないものと思いますが、彼だけが一人で辞任の必要は、確かにないかもしれません。安倍が退陣すれば閣僚は自動的に全員退陣ですからね。麻生だけが辞任で済む話でも、もはやないと思うので。
2018.03.14
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森友文書 書き換え数十カ所 昭恵氏の名削除…問題発覚後「森友学園」への国有地売却に関する決裁文書疑惑で、財務省は文書に書き換えがあったと認める調査結果を自民、公明両党に報告した。書き換えは同省理財局が主導し、関連文書14件で数十カ所。書き換え時期は昨年2月下旬~4月。書き換え前の文書には、森友学園の籠池前理事長の安倍首相の妻昭恵氏に関する発言があり、書き換え後は削除されていた。 ~決裁当時の文書には「本件の特殊性」などの記述があったが、問題が発覚した17年2月以降、国会議員らに開示された文書ではそれらの記述が削除されるなどしていた。書き換え期間は森友問題が国会で浮上し、野党が追及を始めた時期と一致する。また昭恵氏が問題の国有地を「いい土地ですね」と語り、学園を訪問した際に感動して泣いたなどと紹介した籠池氏の発言のほか、自民党の平沼元経産相、北川元参院議員ら政治家の名前を含む売却までの経緯が削除されていた。書き換えには理財局や近畿財務局の複数の職員が関与したとみられる。文書を国会へ提出した当時の理財局長、佐川前国税庁長官について、政府関係者は「彼が書き換えを指示したのだろう」と語った。ただ同省は今回の報告で、誰が指示したかは「調査中」とした。 (要旨)---やはり、朝日の報じたとおりだった、ということです。これは、さすがに決定打となるでしょう。もともと、政治的道義的な責任という面では、とうの昔に安倍政権はアウトだったのです。「普通だったら内閣が吹っ飛んでいる」スキャンダルなのに、安倍が居座り続けたのは、露骨な「お友達優遇」政策でも、明示的には法に触れる部分がないからです。しかし、公文書の書き換えは違います。これは明示的に法律に反する行為です。書き換えを指示したのが佐川元理財局長であれば、当然法的責任を追及されます。公文書毀棄罪は懲役7ヶ月から7年だそうです。別報道によれば、書き換えの理由は「佐川前国税庁長官の答弁と決裁文書との間にそごがあった。佐川の答弁に合わせて書き換えた」とのことです。それはつまり、佐川の答弁はウソだったから、そのウソに合わせて公文書を書き換えた、ということです。第一に、そのような行為が佐川だけの独断か、という疑問があります。答弁でウソをついたのは、佐川の一方的な「忖度」だったのか、そう答弁するように強いられたのか。第二に、このような行為をすでに犯していた佐川を、「適材適所」などと強弁して国税庁長官に任命した者に責任はないのか、ということです。はっきり言って、多くの人にとって、書き換えは事実だった、とのいうのは「まさか」ではなく「やっぱり」でしょう。その主犯が佐川であることについても同様です。佐川の国会答弁がデタラメなことは、すでに多くの人が感じ取っており、今回は、それが明確に証明されてたに過ぎません。そのような、元々叩けば埃が出る人物(しかも、その埃は首相とその妻を擁護するためのもの)を長官に任命した責任は、とうてい免れることはできません。国会答弁で「資料は破棄しました」と恬然と言い放って恥じない佐川を、よりによって国税庁の長官に任命したことは、国税庁に計り知れない打撃を与えました。確定申告の時期における苦情はかなりのものだったようです。誰だって、そんな奴が国税庁のトップで、納税者にだけは経費の挙証資料を要求するのかよ、と思ってしまうでしょうから。同じく、決裁後の文書を開示請求が出た段階で書き換えてしまう行為は、あらゆる役所の公文書の信頼性に、致命的な打撃を与えます。「お前らの役所だって文書を隠しているんだろう」などという、あるいは思う人は必ず出てくるでしょうから。その意味では、一連の事態を招いた安倍は(もちろんその取り巻きや佐川も)、日本の行政の公平性信頼性を根底から失墜させ、破滅的な打撃を与えた人物である、と言わざるを得ないでしょう。ところで、これに付随して、安倍に付和雷同する取り巻き連の逃げ足の速さが実に見事です。例えば池田信夫。ほんの数日前までは、朝日の決裁文書書き換え報道は誤報だ、的ニュアンスの、安倍べったりツイートを連発していました。【森友文書書き換え疑惑】朝日新聞、違う書類を見て「書き換え」と騒いでいた可能性 | netgeek(netgeekなんて極右デマニュースサイトの記事をリツイートしている時点で、まつたくお里が知れるというものですが)それが、今日になると問題は安倍首相が実際に関与したかどうかではなく、国会答弁の文書を理財局長が改竄させたこと。その原本が(誤って)検察に渡らなかったら、改竄は闇から闇に葬られていた。しかも彼はその後、国税庁長官に出世した。内閣としての責任はまぬがれない。と急変。同じく、あの安倍応援団山際澄夫は残念だが、森友問題で国会を騙し続けた責めは政権にある。財務省や、まして真相を暴露したメディアや野党に責任を押し付けるのは、ちょっと違う。この先、国会は与野党が協力して真相解明にあたらなくてはならない。そうでなければ深刻な政治不信が拡大する。まさか、こんな発言がこの人物から飛び出すとは、びっくりです。要するに、安倍応援団の中からも、難破船から逃げ出すネズミが続出しはじめた、ということです。この内閣はもう保たない、と見限った、ということでしょうかね。
2018.03.12
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先月の高尾山に続き、登山復活第2弾です。何としても今シーズン中に雪山再開したいと思い、かなり無理無理ですが谷川岳に行ってきました。(山頂には行っていません)土合駅の下り地下ホーム。ここから動画を撮りながら歩いていったら、駅舎の外に出るまで9分42秒の動画になりました。怪我をする前、2016年1月に白毛門に登った際は約8分だったので、1分以上遅くなっています。土合駅の駅舎。雪の量は3月初旬としてはやや少なめ、というところでしょうか。当初予定では、一ノ倉沢の展望台に行くつもりだったのですが・・・・・・一ノ倉沢展望台への遊歩道はこんな状態。踏み跡はあるので柵を超えて入ってみたものの・・・・・・踏み跡が錯綜していて、どれが遊歩道に向かう踏み跡か、翼分かりません。トレースがもっときっちりしていると思ったのですが。今の足の状態だと、トレースのはっきりしない斜面のトラバースはちょっときついのです。そんなこんなで、当初予定は早々に断念。が、しかし、ここであきらめて帰るのでは、何しにきたのか分かりません。そこで、文明の利器をフル活用。ロープウェイで一気に天神平へ。往復2060円。天気はこんな状態で、視界はありません。とりあえず、天神尾根を目指して登りました。8本歯の中アイゼンにピッケルなしなので、当然山頂まで行くことは考えていません。ただ、後で考えると、斜面そのものの状態は、先ほど断念した一の倉沢への遊歩道より厳しかったはず。(トレースがしっかりしていたのが大きな違いですが)天神尾根に出ました。今日の登山はここまで。ロープウェイの終点は目と鼻の先。ロクに登ってはいませんが、この斜面は天神尾根コースの中では割合に急斜面なのです。今の私の足の状態としては、目いっぱい、というか、普通足首骨折から3ヵ月半後の人間がこんなところは登らないでしょうが。と、言いつつ、実は・・・・・・実はもうちょっと先まで行きました。この写真で数人がかたまっているあたりの手前まで。ただし、そこまでは平坦な道なので、先ほどの地点からはもう「登って」はいません。本日の到達地点。ここで折り返しました。時間的な面、難易度などから考えれば、もう少し先、熊穴沢避難小屋あたりまでは行けたと思いますが、今日はここまで。ブナ林の間の道を引き返します。西黒尾根。登っている人がいました。天神尾根に出たところで待っていると、ガスが切れて山頂が見えてきました。晴れた!谷川岳の雄姿12時半頃、下山開始。下り始めてすぐが急斜面で、慎重に慎重に(またはノロノロヨタヨタと)下り、無事何事もなくロープウェイまで戻ってきました。すっかり快晴です。白毛門から朝日岳にかけての山々谷川岳そして、土合駅まで帰ってきて、白毛門を撮影。距離的にはわずかしか登っていませんが、今シーズン初めて、雪山に登った、しかも天気もよく、大満足でした。ただ、距離は短いものの、難易度的には今の自分の足にはちょっと無理したかも。足への負担は、かなりいっぱいいっぱいでした。もちろん、痛めたりはしませんでしたが。来シーズンは山頂まで登れるまで回復しているといいなあ。
2018.03.11
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水曜日に休みを取って三番瀬に行ったばかりですが、今日も葛西臨海公園に行ってきました。まだ足の怪我が完治していないので、山になかなか登れない代償行為で鳥の写真をせっせと撮っています。今日のお目当てはクロツラヘラサギ。何回か撮影はしていますが、いつも遠方ばかりで、なかなか至近距離では撮影できません。今日は果たして?いました。そして西なぎさで採餌していたので、至近距離で撮影できました。サギという名前ですが、実際はサギ科ではなくトキ科です。日本で珍しい鳥、というだけでなく、世界的に見ても絶滅危惧種に指定されており、全世界に3000羽程度しかいないようです。珍しいという意味でも珍鳥ですが、くちばしの見た目がとっても変、という意味でも充分に珍鳥です。実は、去冬までは、近縁種のヘラサギ(姿はそっくり、こちらもかなり珍しい鳥)と1羽ずつが葛西臨海公園に渡来し、いつも一緒にいましたが、今冬はヘラサギは来ず、クロツラヘラサギだけしか来なかったようです。本物のサギ(コサギ)と比べるとかなり大きく、首も足も太いのです。他の写真はすべてトリミングですが、この写真だけトリミングなしです。ハジロカイツブリ。奥は冬羽、手前は夏羽。ウミアイサ。クイナ。先日ヒクイナを撮影した同じ場所で、今日はクイナを撮影しました。初めて見る鳥です。クイナ。そんなに珍しい鳥ではないようですが、葦原の中に潜んでいるので、見るのはなかなか大変です。
2018.03.10
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先日、SIGMA18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSMというレンズを中古で買ったら、どうもピントが甘くて、失敗だったかも、という記事を書きました。昨日、足の怪我の通院日で1日休みを取ったので、その間にあーでもないこーでもないと設定をいじってみました。定規を撮影してみたところ、どうもピントが後ろにずれているようなので、USBドックでピントを少し前にずらしてみました。すると・・・・・・。購入した状態での撮影ピント調整してみたあとの撮影。なんか、かなり改善したような。EF-S55-250mm F4-5.6 IS STM。これなら、いい勝負かもしれない。遠くの木の枝を撮ってみるとピント調整前ピント調整後これも、少しマシになったような。しかし、頭上のハシブトカラスを撮影してみると残念ながら、空飛ぶカラスはピントがボケボケのままです。つまり、動かないもの(風景写真)は、そこそこまともに写るようになったけど、激しく動くもの(鳥の写真)は厳しい、ということです。鳥の写真が撮れなければ、300mmの意味はありません。うーーーん、どうしたものかねえ。桜。さて、足の診察の結果は、とりあえず順調に回復している、とのことです。が、自分ではあまり自覚がありません。足首の曲がりがまだ充分回復していないからです。それは自分で頑張るしかない、ということです。「とにかく足を使ってください」という医師のお達し。足を使う、足を使う・・・・・・・・はーーーい!!というわけで、1日休みを取ったものの、病院は昼前に終わったので、午後からは久しぶりに三番瀬に行ってみました。駅から海岸まで2km以上あり、更に広い干潟をあちこち歩き回れば、往復で軽く5~6kmにはなります。山登りに比べれば全然ちょろいですが、それなりの歩きになります。折れた足首がまだちょっと膨らんでいるので、長靴を履くとき、脱ぐときにやや難渋しました。この長靴、足首のところが割合に細くなっているので。なお、以下の写真は上記のレンズではなく、いつものSigmaの100-400mmで撮影しています。ハマシギとミユビシギの群れがいました。やや小柄で背中の色が薄く、くちばしがまっすぐなのがミユビシギ、やや大柄で背中の色がやや濃く、くちばしがわずかに下向きに湾曲しているのがハマシギ。今は冬羽なので両者酷似していますが、夏羽になるとかなり違うので分かりやすくなります。ミユビシギハマシギそれが一斉に・・・・・・飛びました。しかし、そのまま飛び去ったわけではなく、数十メートル飛んだだけでまた舞い降りました。そこには飛んだ群れが降りたところに、ズグロカモメがいました。ズグロカモメ。冬羽でも夏羽でもユリカモメに似ているので、普段はユリカモメの中からこれを探し出すのは大変でしょう。が、今だけは簡単に見分けられます。だって、他のユリカモメがまだ全部冬羽なのに、こいつだけが夏羽だから。あと1ヶ月くらいたつと、ユリカモメも夏羽になるので、また区別が付き難くなるでしょうが、その頃には北に渡ってしまうでしょう。スカイツリーとズグロカモメシロチドリ。シロチドリ。首をすぼめて羽根を膨らませているので、まんまる太郎になっています。ダイゼン。大型のチドリです。ウミアイサ。葛西臨海公園と同じ個体でしょうか?葛西からは距離も近いので、きっと行ったり来たりしているのでしょう。結局、昨日は三番瀬だけでも5~6km歩いたのですが、加えて乗り換え(東京駅の京葉線ホームは他の路線のホームから極度に離れています)、午前中の病院(自宅から片道1kmくらいを徒歩で往復)など、全部あわせると8kmか9kmくらい歩きました。
2018.03.08
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自民改憲案 私権制限 緊急事態条項で方針転換自民党憲法改正推進本部は、大規模災害などに対応する緊急事態条項の条文案に、政府への権限集中や、国民の私権制限の規定を盛り込む方針を固めた。これまでは国会議員任期の特例的な延長に絞っていたが、党内に「(私権制限を明記した)2012年の党改憲草案に沿うべきだ」と異論が強く、方針を転換した。同本部は5日の非公式幹部会合で、災害復旧などの際に土地を強制収用したり国民の移動などの私権を制限したりする「国家緊急権」について協議。幹部の一人は「南海トラフ巨大地震などで国会が機能しない時、国家緊急権の規定はあってもいい」と容認する考えを示した。同本部による昨年末の論点整理は▽国会議員の任期延長▽任期延長に加えて国家緊急権を規定--の2案を併記した。ただ執行部は「人権制限につながる」との批判が強いことも踏まえ、任期延長に絞る方向だった。しかし今年1月の全体会合で、石破茂元幹事長ら保守系議員が12年草案に盛り込んだ国家緊急権の明記を要求。「任期延長だけでは国会議員の身分保障だと思われかねない」との声も出て、方針転換を余儀なくされた。緊急事態に内乱時も含めるかなどの「範囲」は詰め切れておらず、7日に複数の条文案を示して議論する見通しだ。一方、公明党は私権制限について「憲法上に規定する必要性は感じない」(北側一雄副代表)と否定的。改憲に前向きな日本維新の会も慎重で、改憲の国会発議に向けた他党との協議が難航する可能性が高まる。---最初は、憲法9条に第3項を加えるだけの「ソフト」な改憲(いや、全然ソフトではないけれど)を目指すようなフリをしていたけれど、当然のことながらそれが自民党の本音ではない、と言うことです。「2012年の党改憲草案に沿うべきだ」というのは、あれが今でも自民党にとって、目指すべき理想の憲法の形だ、ということです。自民党改憲草案以前より何回も指摘していることですが、私には、この自民党改憲案の内容ははとても恐ろしいもの、としか思えません。よく、「戦後は権利権利ばかりで、義務がおざなりになっている」というような、保守系のある意味「お約束」の言説があります。それをそのまま憲法案にしました、というような、とんでもない内容です。憲法とは、そもそも一個人に対しては圧倒的に強力な力を有する国家を掣肘する、その権限にタガをはめることと、それに伴って、国家の基本的な枠組みを規定するためのものです。国民にあれこれと義務を課すことは、本来憲法の役割ではありません。そんなことは、憲法ではなく、その下の各種法律に規定するものです。確かに、行政側から見て、権利ばかりを振りかざすような人は、「面倒くさい」し、色々な意味で手間がかかるものです。それは、私も分からない話でもありません。しかし、逆もまた真なり、です。政府(行政)が、何でもかんでも権限を振りかざすようになったら、それもまた、国民にとってはただただ厄介なものでしかありません。しかも、権利ばかりを振りかざすわがままな個人は、所詮その周囲に迷惑をかけるだけですが、権限を振りかざす政府の影響は全国に及びます。何も憲法に限ったことではありませんが、行政に法律上の権限を付与することは、条文を書き換えて国会を通すだけのことです(憲法の場合は更に国民投票があるけれど)。しかし、権限があれば、それをふりかざせばよい、というのは、政治、行政のあり方として、根本的に間違っています。法律上の権限がどうあれ、それを使う側も受ける側も、生身の人間です。生身の人間同士の意思の疎通は、権限を振りかざせば解決するものではないのです。私権制限という言葉の本質を単純に言い換えれば、多数派の利益のために一部の人に犠牲になってくれ、ということです。例えば、隣家で火事が起きている、消火のためにあなたの家から放水しないと、もっと燃え広がって大きな被害が出るから、消防隊が土足で踏み込む迷惑は我慢してください、ということです。このような例であれば「それはやむを得ない」とたいていの人が思うでしょうが、実際にはこのように分かりやすい事例ばかりではありません。10軒隣の家が火事だから、延焼防止のためにあなたの家をこれから破壊する、と言われたら、日頃は「権利権利ばかりで」などと言っているような保守オヤジでも、「ちょっと待ってくれ」と言うでしょう。まして、それを「消防の権限でこの家を破壊する!延焼を防ぐためだ、文句は言うな」などと言われたら、ほとんどの人が、カチーンと来るでしょう。人間という生き物は、感情というものから無縁に生きることはできないものです。たとえ理屈では「それが正しい」場合でも、感情がその受け入れを拒む、というのはよくある話です。権限をタテに有無を言わさず、というのは相手の感情を逆なでする最たるものであり、そのようなやり方は、結局後々高いツケとなって返ってくる、というのは、往々にしてある話です。実際のところは、憲法に規定を設けなくても、緊急時の私有地立ち入りなどの緊急事態条項は、消防法、警職法、災害対策基本法、自衛隊法などにすでに規定があります。それにも関わらず、更に憲法にも緊急事態条項を設けることに、実質的な意味があるとは思えません。それにも関わらず憲法に緊急事態条項を設けるのは、日本という国が、人権を尊重することよりも緊急時に人権を剥奪することを優先するぞと内外に宣言するぞ、ということです。恐ろしい未来図と言うしかありません。それにしても、「任期延長だけでは国会議員の身分保障だと思われかねない」から緊急事態条項とは、どういう理屈だよ、と思います。国会議員の身分保障だけだと言われかねないから国民一般の権利もついでに剥奪します-まったく理屈になっていません。
2018.03.06
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実は、先日デジタル一眼レフ用の新しいレンズを買ってしまいました。ご存知のとおり、わたしは元々山の写真を主に撮っていましたが(怪我がなければ今も撮っていたはずだし、治ればまた撮ります)、最近は鳥の写真もよく撮っています。で、この二つの被写体を撮影するレンズは、まったく相容れません。山(風景)の撮影には広角レンズが必要だし、鳥の撮影には望遠レンズが必要。で、両方持って行ってレンズを付け替えるわけですが、これがとても煩雑。普段だってレンズ交換は面倒ですが、山の中ではとても大変なのです。それで、とうとう音を上げてしまい、広角から望遠まで1本のレンズで済ませられないか-なんてことを思ってしまいました。ところが、その種のズームレンズ(広角から望遠までの高倍率ズーム、あるいは便利ズームなどとも呼ばれるようです)は、色々と無理があるようで、写りに関してあまりよい評判がないようです。そんな中で、SIGMAの18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSMというレンズは、この種の高倍率ズームの中では抜群に画質がよい、というので、ちょうどあるカメラ店に中古品があったので購入してしまいました。お値段は、3万5千円弱、なのですが、古い望遠レンズを下取りに出したので、3万4千円ほどでした。新品だと5万円近くするようです。EOS KissX7iに装着したところです。300mmまで伸ばしてみました。重さ585gと重いレンズですが、昨年購入した同じSigmaの100-400mmが1.1kgもある(このレンズを山に持っていくなど、絶対にありえません)ことを考えれば、ずっと軽いです。それに、今使っている広角レンズTAMRON SP AF17-50mmF2.8は440g、100-400mmを買う前に使っていた望遠レンズ、キヤノンのEF-S55-250mm F4-5.6 IS STMも375gあるので、その2本の合計に比べればだいぶ軽くなります。オートフォーカスもそんなに迷ったりせず、動きは速いようです。これは良いレンズかもしれない、と、思ったのですが・・・・・・・・早速試写※追記、この記事の後、ピント調整を行った結果、ピントの甘さは大幅に改善しています。それについてはこちらの記事とこちらの記事をご覧下さい。EF-S55-250mm F4-5.6 IS STMで撮影250mm 1/500秒 f10 ISO100これに対して、SIGMA18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSMは・・・・・300mm 1/500秒 f13 ISO160です。あれーーー??EF-S55-250mm F4-5.6 IS STMに比べて、明らかにピントが甘いです。他の被写体だとどうでしょう?・・・・・・と、言いたいところですが、さすがに両方のレンズを持って出かけて比較写真を撮るほどには私も気合が入っていないので、たまたま1年違いの同じ時期に、近い場所から同じ被写体を両方のレンズで撮った写真があるので、比べてみたいと思います。EF-S55-250mm F4-5.6 IS STM葛西臨海公園より。250mm 1/2000秒 f5.6 ISO100そのアップです。続いてSIGMA18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM同じく葛西臨海公園より(公園内の別の場所からの撮影なので、アングルは異なりますが)300mm 1/400秒 f10 ISO125そのアップ。・・・・・・どう見ても、EF-S55-250mm F4-5.6 IS STMと比べてボケボケです。誠に残念ながら、この買い物は失敗だったかも。いくら画質にこだわったという宣伝文句でも、16.6倍の超高倍率ズームでは、やっぱり画質はそれなりにならざるを得ない、ということが、よーく分かりました。これで、お値段はEF-S55-250mm F4-5.6 IS STMの方がはるかに安いのです。多分、他の高倍率ズームの写りは、推して知るべし、でしょうね。これでは、山で簡単にレンズ交換を行う手段を考えるほうがよかったかもしれません。なお、SIGMAというメーカーの名誉のために付け加えると、昨年買った100-400mm F5-6.3 DG OS HSMは、(重い、という唯一の欠点を除けば)写りのよい、とてもよいレンズです。買ってしまったものは仕方がないので、このレンズで撮ったほかの写真も何枚か。焦点距離が明記してあるもの以外はすべて300mmで撮影しています。(ただし、鳥の写真はすべてトリミングあり)オシドリ(新宿御苑)モズ(新宿御苑)新宿御苑18mmで更にトリミング28mmウミアイサ(葛西臨海公園)オカヨシガモ(葛西臨海公園)チョウゲンボウ(葛西臨海公園)ヒクイナ(葛西臨海公園)ああ、チョウゲンボウもヒクイナも、100-400mmか、せめて55-250mmで撮影したかったなあ。今回は望遠側でのみ比較しましたが、広角側も、等倍に拡大してみるとピントが甘い、という傾向は同じです。追記 他の人の作例を見ると、もうちょっとマシな写りのようです。ピント調整がおかしい?もっとも、撮った写真の中で、ピントがあっていると思える場所は見当たらないのですが。USBドックで少し調整を試みてみることにします。(最新のファームウェアは導入済)
2018.03.04
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<裁量労働制>削除に「残念」 財界から失望の声安倍晋三首相が、今国会に提出する働き方改革関連法案から裁量労働制の対象拡大に関わる部分を削除する方針を表明したことについて、実現を求めていた日本商工会議所、経団連、経済同友会の財界3団体トップからは1日、失望や遺憾の声が相次いだ。日商の三村明夫会頭は1日の記者会見で「非常に残念だ。政府は(裁量労働制について)実態調査をきちんとやったうえで再度法案を提出すると理解しているので、できるだけ早く実現してほしい」と、安倍政権に注文をつけた。三村会頭は「働き方改革は日本の成長戦略の一丁目一番地。労働者が自分の生活パターンに合った働き方を求め、企業がいろんな働き方の選択肢を提供するものだ」とメリットを強調。労働側には「大企業が裁量労働制の拡大で賃金コストの圧縮を目指している」との批判もあるが、三村会頭は「企業が労働者をどんどん働かせるために導入することはないと思う。残業代をケチるために裁量労働制を考えている経営者はゼロとは言わないが、非常に少ないんじゃないか」と反論した。経団連の榊原定征会長は1日、「柔軟で多様な働き方の選択肢を広げる改正として期待していただけに残念に思う。今後、新たな調査をしっかり行い、国民の信頼と理解が得られるよう全力を尽くしていただきたい」との談話を発表した。経済同友会の小林喜光代表幹事は「世界と比して低い生産性の向上が求められる中、今回の事態は極めて遺憾だ」などとするコメントを出した。---働き方「改革」関連法案から裁量労働制の拡大を削除すると報じられています。安倍政権の成立以来、安倍のやろうとすることがみんなとおり続けてきましたが、定額働かせ放題の拡大だけは半ば食い止めることができた、ということは、国政の分野で久しぶりに、本当に久しぶりにわたしが「朗報」と感じることのできるニュースでした。ただし、「半ば食い止めた」という言い方なのは、まだ「高度プロフェッショナル制度」が残っているからです。現状では、より多くの働く人に影響が出るのは裁量労働制のほうです。高度プロフェッショナル制度のほうは、年収要件が1075万円以上、対象職種も限定されていることから、対象者は現状では非常に少ない(1075万円もの年収を得ている人のほとんどは、経営者、役員、管理職、特別な技能を持つ人に限られ、おそらく現状でも残業手当をもらっている人は稀でしょう)。したがって影響も裁量労働制の拡大よりは少ないと思われます。ただし、高度プロフェッショナル制度の対象年収は、法律の条文には明示されません。省令で定めることとなっているので、いったん法案がとおってしまえば、年収要件は国会での法改正によらずに変えられます。なので、今は対象年収が1075万円以上でも、いったん法改正がとおってしまえば、それを引き下げるハードルは、法改正よりはるかに低いものとなります。裁量労働制と高度プロフェッショナル制度、違いは、裁量労働制は一応は残業手当がある(「みなし残業」で、何時間残業しても、事前に定められて時間数しか残業していない扱いになるが)のに対して、高度プロフェッショナル制度は、そもそも残業手当はない、という点にあります。定額働かせ放題、という本質は両者に差はありませんが、その定額の中に、定額の残業代が入っているのか、残業代という項目がまったくないか、という違いです。さて、しかし引用記事ですが、「労働者が自分の生活パターンに合った働き方を求め、企業がいろんな働き方の選択肢を提供するもの」という商工会議所会頭の言い分は、とても真に受けることはできません。企業の本質は、利潤を得ることにあります。もちろん、「労働者が自分の生活パターンに合った働き方を求め、企業がいろんな働き方の選択肢を提供する」ことに、企業がまったく無関心、というわけではありません。しかし、企業は慈善団体ではないのですから、裁量労働制の拡大をそこまで強く要求する理由が、そんなことであるわけがないのです。副次的にそのような効果「も」期待できる、という程度のことに過ぎず(ただし、本当にそのような効果が期待できるとは考えにくいですが)本質は、人件費を削減したい、ということでしょう。「残業代をケチるために裁量労働制を考えている経営者は〜非常に少ないのではないか」と言うのですが、その根拠は何ら示されていません。だって、現実に、今の制度の元でさえ、多くのサービス残業があるではないですか。別に、経営者が明確な悪意を持って労働者をこき使っている、とは言いません。それでも不払い残業は存在するのです。時給いくらのパート・アルバイトは別にして(それですら、不払い残業は皆無ではない)、月給制で働いている人で、不払い残業がまったくない、すべての残業代が保障されている、という人は、かなり少ないでしょう。もちろん、程度には差があるにしても、です。そして、安倍の提示した、誤ったデータではない方の調査によれば、裁量労働制で働く人は、そうでない人と比べて、平均的に見て労働時間が長いという調査結果が出ています。この二つの事実を並べれば、経営団体が裁量労働制を拡大したいのは、人件費を圧縮したいことが最大の動機であり、また、裁量労働制が拡大されれば、その思惑のとおりになる、つまり労働時間は変わらず給料が減るのか、給料が変わらず労働時間が増えるのかはともかく、給料は減らされることになるのは確実です。そうなる可能性が、ひとまず(あくまでも、ひとまず、でしかありませんが)遠のいたことは、良かったと思います。それにしても、今回の騒動で思ったのは、「連合」の中央部は何をやっていたのか、ということです。政府との取引で高度プロフェッショナル制度、裁量労働制を認めようとしたことは広く報じられているところです。その時点では、その結果、連合本部に対して抗議のデモ隊が押しかける事態まで起きています。正直言って、その時点では、曲がりなりにも労働者の代表であるはずの人たちがこんな態度を取るようでは、もう裁量労働制と高度プロフェッショナル制度はとおってしまったも同然、と私は思ってしまいました。が、そうはならなかった。この間、まことに残念なことですが、個々の労働組合は分かりませんが、ナショナルセンターとしての連合が、何らかの指導的な役割を果たしたようには、まったく見えません。もはや、連合は労働者を代表する意思を失ってしまったのかな、と、そんなことを思ってしまいました。
2018.03.02
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