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平成あと半年/上(その1) 決まらぬ元号公表時期 保守派VS事務方 首相は様子見10月4日午後、衛藤晟一首相補佐官が官邸事務方トップの杉田和博官房副長官の執務室を訪ねた。案件は、来年5月1日の新天皇即位に伴う新元号の公表時期だ。衛藤氏「即位後の公表でないと、天皇陛下の権威に関わる。『一世一元』に反する。事前公表は歴史上一度もなかった」杉田氏「国民の利便性を考慮して事前公表すべきだ。システム改修の準備を考えたら、1カ月前には公表したい」互いに主張を譲らない。衛藤氏が「5月1日公表で伏してお願いします」と言うと、杉田氏も「こちらも伏してお願いします」。議論は約1時間に及んだ。天皇陛下が来年4月30日に退位され、5月1日に皇太子さまが新天皇に即位される日程は、昨年12月8日に閣議決定された。首相と思想信条を共にする衛藤氏は、新元号の「即位後の公表」を官邸事務方に説き続けてきた。今夏ともされていた公表時期が定まらないのは、2人の議論の決着がつかないためだ。政府は、陛下の在位30年記念式典が行われる来年2月24日以降の公表を探るが、水面下の綱引きが続く。天皇陛下の退位を実現する特例法は、保守派の反対論が根強い中で成立した。参院選や憲法改正実現を見据え、首相は自身を支える保守層に配慮せざるを得ない。一方で、改元に伴う社会の混乱を最低限に抑えることも政権の重要課題だ。官邸関係者によると、杉田氏の見解に首相は「分かりました」と一定の理解を示す一方、「その方向で衛藤さんと話してください」と説得するよう指示したという。衛藤氏にも「杉田さんとよく話し合ってください」と伝えている。官邸関係者はこう解説する。「首相は杉田氏と衛藤氏に全権を委任し、議論が落ち着く方向を見定めようとしている」 ---いまだにこの議論に決着がついていないとはね。それなら、実際に即位後の公表にしてみたらよろしい。それも、即位当日などと甘いことを言わず、即位30年後くらいに公表したらよろしい。そうすれば、誰も困らない。天皇が代替わりする度に変える、こんな非実用的な制度もないのです。実際のところ、議論に決着がつかない場合、時間切れになれば遅い時期を主張する方の言い分が通る可能性が高いし、そもそも1ヶ月前の公表、という話自体が、すでに非常識に遅すぎるのです。保守派に何百歩も譲歩した結果がこれなのに、それでもまだ譲歩が足りない、というわけです。今の天皇が退位することはすでに決まっています。天皇がそれを早い時期から言い出したのも、改元に伴う無用の混乱を避けるため、という理由もあったはずです。ならば、すぐにでも次の元号を公表すべきでしょう。元号制度を今後も維持し続けるなら、ですが。前述のように、私はこんな非実用的な制度は、少なくとも社会システムを律するための公式な編年法としてはお蔵入りさせるべきと思っています。好事家が好きで使うことまでは否定しませんが(例えば、「旧暦」による日付は、誰も実務には使用しないものの、今でも一応存在はしています)。「事前公表は歴史上一度もなかった」そうですが、そらならば「一元一世」という制度自体が明治にはじめて登場したもので、それまでは「歴史上一度もなかった」ものです。コンピュータのオンラインシステムは、昭和の時代から存在していましたが、今ほど社会の隅々まで行き渡っているものではありませんでした。おそらく、現状でも元号に縛られているのは役所と学校だけで、企業では西暦の使用が主流でしょう。と、以前に書いたら、意外にも、銀行の預金通用は元号表記が主流のようです(金融機関によるけれど、元号が圧倒的に多い)。今の時代に、何の準備もなく「今日から新しい元号はこれ」などと言われたら、まだ元号を使っている多くの企業が西暦使用に切り替えるでしょうし、役所でも切り替えるところが出てくるでしょう。元号法は、元号を定めることだけを規定しているのであって、使用を強制するものではありませんから、役所といえども元号使用の法的義務などありません。ちなみに、私の知る範囲では、住基オンラインは、元号でも西暦でも検索可能です。戸籍のシステムはどうか知りませんが、まさか元号だけで管理のはずがない、と思います。今の天皇は、55歳のとき即位して、今度の天皇誕生日で85歳です。皇太子は、即位するときは59歳。ということは、次の元号に変わって、その寿命はおそらく平成より短い。二十数年後には、また同じ騒ぎを繰り返すことになるのです。もし、今の皇室典範が変わらず、女性が天皇になれないとすると、その次の天皇になる秋篠宮は1965年生まれです。皇太子の5歳年下なので、その次の元号は数年、どんなに長くてもせいぜい十数年しか続かないことになります。秋篠宮が即位しない(皇太子が退位する前に亡くなるとか、皇位継承権を返上するとか)こともありえますが、そうでなければ、またまたそんな騒ぎを繰り返すことになる。そんな愚行に付き合えるか!と、多くの人や会社が思うことになるでしょう。保守派の愚行によって、現場のシステム担当者が苦しむことになるのは残念ですが、それを契機に元号が社会的に消滅していく(次の改元では、もうそんな苦しみはなくなる)なら、それも無駄ではないかもしれません。
2018.10.30
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10月の鳥の写真第2弾ですまず10月21日、東京港野鳥公園。この日は、午前中練習で、その足で午後から鳥の写真を撮りに行きました。いつもは100-400mmレンズとでかいYF30-8双眼鏡を持っていくのですが、このときは管楽器ケースとフルートがあるので、18-300mmレンズと小型のSV25-8双眼鏡にしました。ネイチャーセンターから。中央のこちら向きのカモ、アメリカヒドリっぽい。野鳥公園のレンジャーさんの話によると、エクリプス(オスの非生殖羽)なので同定し難いけれど、アメリカヒドリか、少なくともヒドリガモとアメリカヒドリの雑種だろうと。右側はヒドリガモです。ネイチャーセンターの、飛散防止フィルムの貼ってある窓ガラス越しなので画質はよくありません。この後、屋外で探したけど、多分頭を羽に突っ込んで寝てしまったのでしょう、いくら探しても再発見できず。左端の、斜め後ろ向きのカモがシマアジ(魚じゃありません、魚と同名の、シマアジというカモがいるのです)。あとは、オナガガモのオス(生殖羽)とヒドリガモのエクリプスかな。シマアジはオナガガモやヒドリガモに比べると小柄なのが分かります。初めて写真におさめる鳥です。シマアジ。かなり距離が遠くて、こういうときは400mmが欲しいです。(400mmでも遠いけど)2号観察小屋にて。そのときは、なんかチドリだなと思って、とりあえず写真を撮っただけなのですが、後で野鳥公園レンジャーブログを見ていたら、イカルチドリであることに気が付きました。なるほど、確かにくちばしがやや長めです。イカルチドリ。1月に葛西臨海公園で撮影したことがありますが、そのときより距離が近く、天気がよくて明るいので、だいぶきれいな写真が撮れました。イカルチドリ。公園西側にて。キビタキのメス。ずらりとカメラが並んでいるので、何かいるんだなと思ったのですが、なかなか発見できず。遠方の樹林の中にいるとばかり思って、必至でそこを探していたのですが、なんと目の前3メートルかそこらしか離れていない潅木に中にいたのでした。そりゃ、見つからないわけだ(笑)キビタキ続き。さっきの写真だけではキビタキと同定するのは結構困難ですが、こちらは分かりやすいです。そして、10月27日葛西臨海公園。この日は、特別珍しい鳥には遭遇せず。西なぎさのはるか遠方にミサゴ。遠い。もうちょっと近いとよいのですが。風が強くて、カメラが煽られ、撮影は大変でした。ダイシャクシギか、ホウロクシギ。この距離ではどちらか区別するのは至難です。その他、沖合いには冬場の定番、スズガモの大群もいました。まだ、オスはエクリプス(非生殖羽)そして、この日は至近距離でモズの写真が撮れました。モズ。今年生まれの若鳥じゃないかと思います。とても可愛い。でも、凶暴な猛禽です。そう思ってよく見ると、恐竜っぽい感じに見えなくもありません。(鳥は恐竜の唯一の生き残りであることが、今日では確実視されています)モズ、2羽いて、追いかけっこをしていました。
2018.10.28
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<安田さん解放>「自己責任論」再燃 擁護する声も安田純平さんがシリアに入国したのは「自己責任だ」とするバッシングがネット上で再燃している。報道カメラマンの横田徹さんは「自己責任論をメディアが過剰に取り上げるのが問題だ」と指摘する。横田さんは14年に過激派組織「イスラム国」の前身組織の拠点だったシリア北部ラッカに潜入するなど、危険な地域で取材を続けてきた。「海外メディアに任せればいい」との意見もあるが、「国籍は関係ない。安田さんにしかできない仕事がある」と強調する。国際テロ情勢に詳しい公共政策調査会の板橋功・研究センター長は「政府には邦人保護の義務があり、拘束されれば必ず救出に向けて動く」と指摘した上で、「取材者は紛争地入りを『自己責任』だと考えていても、拘束されれば政府が対応することになる。紛争地取材の重要性は否定しないが、信頼できる現地コーディネーターの選定やセキュリティー、誘拐保険などの安全対策をきちんと取るのが取材者の最低限の責任だろう」と話した。---もうダメなのかと半ばあきらめかけた頃、安田さんが釈放とのニュース、奇跡が起きたのかと思いました。まずは、良かったです。一方で、ネトウヨ系の連中からは、安田さんに対する凄まじいバッシングが起こっているようです。確かに、引用記事にあるように、危険地帯で取材するのに、「信頼できる現地コーディネーターの選定やセキュリティー、誘拐保険などの安全対策」は必要でしょう。安田さんの場合、どのような対策を講じたのかは知りませんが、拘束されたという結果だけから判断すれば、どこかに万全ではない部分があった、と言うことになります。とはいえ、危険地帯である以上、どれだけ対策を講じても、絶対安全ということはありえません。安田さんの行動のどこかにミスはあったにしても、3年も拘束されて酷い目にあう、というかたちで、これ以上ないくらいの対価を払ったのは、安田さん本人であって、パソコンの前で吹き上がっているネトウヨどもではない。報道による限り、カタールが安田さんの身代金を払った、と言われています。何故日本ではなくカタールが、という疑問はありますが、少なくとも日本政府が直接身代金を払ったわけではないようです。こういうときだけ、したり顔で「身代金が次のテロに使われる」などと形式論の「正論」を掲げる連中がいますが、馬鹿馬鹿しいとしか思えません。この間、多くの外国人がシリアやそのイラクで人質となり、その後解放された人も少なからずいます。いや、シリアやイラクあに限らず、世界中でそのようなことが起きています。公式に、そのように発表されることは決してありませんが、みんな、身代金を払って解放されたことは、いわば公然の秘密です、もちろん、政府が払ったとは限らず、所属する企業・組織が支払った場合もあるでしょう。「身代金を払えば次のテロに使われる」というのは、それら、(多分)身代金を払って人質を解放させた諸外国の多くの事例についても同じです。でも、それは仕方がない。「犯罪者には毅然と」という建前は、毅然として見えますが、それは言い換えれば「人質は死ね」ということです。そんなことを、さしたる葛藤もなく言えるのは、人質と何のつながりもない人だけでしょう。たいていの場合は、大きな葛藤がある。そして、仮に身代金が次なる悪事に使われるとしても、人質の命を助けることを優先することを、誰が責められるか、と私は思います。だから、どこの国でも、公然とではないけれど、身代金で人質を取り戻している。人質をとられても身代金をはらわない、と言われている国に、イスラエルがあります。それも、そう言われているだけで、真偽のほどは未検証ですが。しかし、その、「テロに毅然な態度で臨む」イスラエルで、テロは減っているのでしょうか?否です。仮に身代金誘拐はないとしても(それも未検証ですが)、それ以外の様々なテロの集中標的です。多分、裏で身代金を払っているどこの国よりも危険な状態であることは疑いありません。テロに使われる、という言い方をするなら、シリア内戦の初期段階では、ロシアの支援を受ける「独裁者」アサド政権は悪だ、というので、欧米諸国は反政府側をせっせと支援したわけです。安田さんを最初に誘拐したとされるヌスラ戦線(その後、金で別の組織に売られたと言われる)は、アルカイダ系列だけど、反アサド政権だというので、そういった欧米諸国からの支援のおこぼれに預かっていた時期もありました。他の組織に援助した武器類が横流しされた例も多かったようです。そちらの方が、よほど「テロに使われる」役に立ったのではないでしょうか。安田さんに落ち度はあっただろうし、英雄だとまでは思わないけれど、日本中からバッシングを浴びなければならないようなことをしたとは、それ以上に思いません。シリアで今何が行われているか、それを知ることができるのは、そこで、命の危険と引き換えに取材をしている人がいるからです。海外の危険地帯で取材する日本人が一人もいなくなれば、こういうことも起こらなくなるでしょうが、それが望ましい状況でしょうか。ジャーナリストという職業に限ったことではなく、世の多くの人が、安定と平穏を目指す(私だって、その一人ですが)中で、あえて危険に飛び込むような生き方を目指す人がいたっていいじゃない。もちろん、世の中にそういう人だらけでもこまるのですが、いなくても世の中の活力が保たれないものです。「身代金を払えばテロリストを利する」などと、とってつけたような原則論で、こういう人をバッシングして押しつぶすような社会が、活力を維持し続けられるとは、私には思えないのです。
2018.10.26
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政府が明治維新150年を祝う式典 天皇陛下は出席せず明治維新150年を祝う政府の記念式典が23日、東京・永田町の憲政記念館で開かれた。10月23日は元号が慶応から明治に改められた日にあたり、与野党の国会議員や各界の代表者ら約350人が出席した。安倍晋三首相は式辞で「明治の人々が勇気と英断、たゆまぬ努力、奮闘によって、世界に向けて大きく胸を開き、新しい時代の扉を開けた」と強調。そのうえで「若い世代の方々にはこの機会に、我が国の近代化に向けて生じた出来事に触れ、光と影、様々な側面を貴重な経験として学びとって欲しい」と述べた。佐藤栄作内閣のもとで開かれた明治100年式典の際は、昭和天皇と香淳皇后が出席したが、今回天皇、皇后両陛下は出席しなかった。宮内庁は「政府からお声がけがなかった」としている。共産党は「明治150年の前半は侵略戦争と植民地支配に向かった負の歴史。丸ごと祝い、肯定するような行事には参加できない」として欠席した。---安倍政権にすれば、今の日本より戦前の日本を理想視するから、明治維新を大々的に祝いたいのでしょう。しかし、明治100年とか150年とか、わたしには馬鹿馬鹿しい式典としか思えません。確かに明治維新は日本の歴史上の転換点ではありますが、それよりは太平洋戦争敗戦のほうが、はるかに大きな転換点です。明治維新によって日本は封建時代から近代国家の仲間入りをしました。しかし、歴史の転換「点」と書きましたが、実際には転換「期」というべきでしょう。その変化は明治改元の日という「点」ではなく、幕末から明治初期にかけての「線」であり、その中でも明治改元の日に何か特別な意味があるわけではないからです。だって、明治改元よりも大政奉還や王政復古の大号令のほうがよほど大きな意味を持つことに、議論の余地などないでしょう。かの、扶桑社の「新しい歴史教科書」の2006年版市販本が手元にありますが、保守派肝いりのこの教科書でさえ「幕末から明治初期に至る一連の変革を明治維新と呼ぶ」とあり、大政奉還、王政復古の大号令、戊辰戦争、五箇条のご誓文は太字強調で記載されていますが、明治改元は太字強調ではないのです。その大政奉還は1867年11月9日(旧暦10月14日)、王政復古の大号令は1868年1月3日(旧暦1867年12月9日)のことです。あるいは、江戸無血開城、東京への改称でもよいのですが、そのどれをとっても、元号を慶応から明治に改元した日より、よほど重要な意味があり、もし明治維新の記念日を定めるとすれば、そちらの方がはるかにふさわしいものでしょう。加えて、明治維新以降の日本は、近代国家の体裁を整えたという功の面はありますが、近隣諸国への侵略と戦争を繰り返した負の面も否定し難いものがあります。共産党は「150年の前半は、侵略戦争と植民地支配に向かった負の歴史がある。明治以降を丸ごと祝い、肯定するような行事に参加できない」として、この式典に欠席したそうですが、まったくそのとおり!!と、わたしも思います。前述のとおり、明治維新の一連の流れそのものは、日本史上の大きな転換期であったことを私は否定するものではありません。ただ、この式典は、明治維新以降の歴史、とりわけ1945年までの歴史を全肯定する意図、思想が見え隠れしており、そのような考え方に与することはとてもできません。ただ、驚いたのはこの行事に天皇が出席しなかった、ということ。「政府からお声がけがなかった」(出席を求められなかった)というのは、はたして額面どおりに受け取ってよいのでしょうか。この種の政府主催の式典(元号は、天皇制と結びついているのですから)に天皇を呼ばないというのは、かなり異例のことのように思えます。私の推測では、おそらく今の天皇は、安倍の行うこの種の式典には批判的であろうと思います。ただし、2013年に政府主催の「主権回復の日」の式典でも、天皇は事前の政府の説明に対して「その当時、沖縄の主権はまだ回復されていません」と異を唱えたと報じられています※。それでも、式典には出席しています。内心はともかく、政府の出席要請を拒否することは、実質的にはできないということでしょう。そのことから類推すると、今回も出席の要請があれば拒むことはできなかったでしょうから、本当に出席を要請しなかったのかもしれません。経緯がどのようなものかは分かりませんし、それが表沙汰になる日も来ないかもしれません。しかし、いずれにしても、天皇がこのような式典に出席しなかったのは、好ましいことであったと私は思います。
2018.10.24
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まだ10月途中ですが、写真が多くなってしまうので、今月の鳥の写真第一弾です。と言っても、珍しい鳥を撮ったわけでもないのですが。まず、3連休の中日、10月7日、東京港野鳥公園です。この日は、前日までのレンジャーブログでアカアシシギとセイタカシギがいるとのことで、それを目当てに行ったのですが・・・・・・。いきなり、アオダイショウに遭遇。まだまだアオスジアゲハが飛び回っています。そして、シギたちは・・・・・・・。いつもいるこいつ(イソシギ)だけ。アカアシシギは前日まで1週間以上滞在していたようですが、それを最後に南へ去ってしまったようです。セイタカシギは、これ以降も時々現れているようですが、この日はいませんでした。ああ、シギたちにフラれた。しかし、捨てる神あれば拾う神あり。コサメビタキがいました。9月に、八ヶ岳で、多分コサメビタキの幼鳥と思われる個体を撮影しましたが、これは、「多分」ではない、成鳥のコサメビタキ。ヒタキを英語でフライキャッチャーと呼びますが、そのとおり、枝からパッと飛び立って、虫を捕らえて枝に戻る、という動きを繰り返していました。コサメビタキ。そして、一昨日10月20日、ラムサール条約登録湿地となった葛西臨海公園へ。先日の台風でウォッチングセンターの屋根が破損したとかで、ずっと閉鎖中ですが、その真ん前にザリガニがいました。死んでいるのかと思って近づいたらハサミを持ち上げて威嚇。よく見るとアメリカザリガニじゃないですね。在来種のニホンザリガニです。と、書きましたが、ニホンザリガニは絶滅危惧種で東北北部と北海道でしか確認されていないとのことです。ということは、やはりアメリカザリガニなのでしょう。公園内あちこちでモズの高鳴きが聞こえます。スズメ目の小鳥ですが、鳥の中でも有数の獰猛さ。自分より何倍も大きなノスリ(鷹の一種)に体当たりを食らわせたり、シロハラ(ツグミの仲間、やはりモズよりやや大きい)を仕留める動画が、YouTubeで見つかります。獰猛だけど、結構可愛い鳥です。高鳴きばかりではなく、意外にもきれいな声で鳴くのです。モズ。嘴が、タカと同じく先端が鋭く曲がっていて、猛禽であることが分かります。西渚に行ってみたら、ミサゴがいました。こちらはリアル猛禽類、タカの仲間です。ただし、魚を専門に捕食するので、陸上の鳥や動物を襲うことは滅多にありません。オバシギとダイゼンがいました。どちらも、三番瀬海浜公園では見慣れた鳥ですが、葛西臨海公園では初めて見ました。左がオバシギ(シギ科)、右がダイゼン(チドリ科)です。写真だと色合いが保護色のように背景に重なって分かりにくいですが、実際には動いているので、写真で見るよりは分かりやすいです。オバシギ。ダイゼン。今月は、昨日21日も鳥の撮影に行きましたし、来週土曜日も行くかもしれないので(日曜は、演奏の予定があるので行きませんが)、鳥の写真はもう一回予定しています。
2018.10.22
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元秘書「100万円頂いたのは事実」 食い違う主張 真実は100万円で、口利きをした疑惑が報じられた片山地方創生担当相。疑惑について、19日、あらためて否定した。「週刊文春」の記事では、2015年当時、片山大臣の私設秘書だった税理士の南村博二氏に対し、会社経営者のX氏が、「青色申告の承認取り消し」について相談。南村氏は、取り消しを回避するための着手金として、100万円を受け取り、後に片山大臣が、国税当局に電話をしたと報じられている。依頼したとされる側のX氏は、19日にコメントを発表。「弊社の青色申告承認について、その取り消しがなされる可能性を指摘されたため、知人の紹介により、片山氏に口利きの相談に伺い、税理士である、私設秘書の方に対応していただけることになりました。2015年7月、その私設秘書から要求された、100万円を指定された口座に振り込んだのは事実です」とコメントを発表した。その南村氏は18日夜、「青色申告の取り消しなんて、受けるはずがない。(向こうから、青色申告について言われたことは)ダイレクトな形で、最初に言ってはいない。わたしの認識、記憶ではありません。なぜならば、それ(青色申告取り消し)を言っていたら、受任していない」と話していた。仕事は、あくまで税理士業務として受けたと主張。また、「週刊文春」の記事では、片山大臣が、議員会館を訪れたX氏の目の前で、国税庁関係者に電話をかけたとされている。FNNは18日夜、片山大臣が連絡を取った相手と報じられた当時の関東信越国税局長を直撃。元関東信越国税局長の松村武人氏は「国税庁の方に必要なことは、話をそちらに聞いてくれと頼んであるから、今もう、わたしは外れているから」と話し、片山大臣からの電話の有無については、コメントしなかった。片山大臣は18日、「100万円を受け取ったことも全くない」と述べた。X氏が支払ったとする100万円について、南村氏は「いただいたことは事実。(100万円は片山地方創生相に渡っている?)出金があったかどうか、もしくは入金があったかどうかについて、あらためて場をいただいて、事実に基づいて答えさせていただく」と述べた。---片山大臣が100万円を受け取って口利きを行ったとされる疑惑について、片山は全力で否定中のようですが、ただ、明らかに言えることは、当時の施設秘書が100万円を受け取ったことは事実(当事者の双方がそれを認めている)ということと、片山が電話をかけた相手とされる当時の関東信越国税局長は、その事実について、肯定も否定もしなかった、ということです。前者について言えば、税理士である元私設秘書は、100万円を受け取ったのは、税理士業務として請けた仕事であって口利きのためではない、という言い分のようです。しかし、です。税理士報酬の相場って、どの程度のものだろうと調べてみました。税理士顧問料の適正価格年商1億円Web関連(法人)のお客様 月額顧問料3万円・決算申告料15万円年商1,500万円飲食店1店舗(個人事業)のお客様 月額顧問料2万円・決算申告料10万円年商1億5,000万円製造業(法人)のお客様 月額顧問料2.5万円・決算申告料15万円年商10億円建設業(法人)のお客様 月額顧問料3万円・決算申告料25万円顧問税理士の報酬相場年間売上1億円以上5億円未満 訪問頻度毎月6万円~ 決算料月額顧問料の4~6ヶ月分これらの相場から考えると、100万円なんて額は、年商何十億という企業の決算申告料じゃなければあり得ないだろうし、従前の顧問契約もなしに、そんな金額の仕事を突然請け負うことがあり得るのかと考えると、あまりに怪し過ぎます。どう考えても、「マトモな仕事の報酬」とは思えません。そして、後者についてですが、あの佐川元国税長官が、国会答弁において、近畿財務局と学校法人森友学園の交渉や面会の記録について「記録は廃棄した」などと虚偽の答弁をして、後日証人喚問でそれを追及されると、「財務省の文書管理規則の取り扱いをもって答弁した」と開き直った事例は記憶に新しいところです。「記録は廃棄した」というのは、実は「記録は廃棄することになっている(実際には廃棄さていなかったことは黙っている)」ということだった、というのです。こんなアクロバチックな論法(いわゆる「ご飯論法」)まで弄して与党の大物議員は擁護するのが高級官僚です。そんな高級官僚が、片山から電話を受けたかどうかについて、肯定も否定もしない、という時点で、それは肯定したも同然と考えるしかありません。以上の二点から、この疑惑は、限りなくクロに近いものとわたしは判断します。
2018.10.20
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葛西海浜公園など登録=湿地保全のラムサール条約国際的に重要な湿地を保全するラムサール条約に、葛西海浜公園(東京都江戸川区)と志津川湾(宮城県南三陸町)の2カ所が新たに登録された。18日に条約事務局から環境省に連絡が入った。条約の締約国会議が開かれるドバイで23日、関係自治体に登録認定証が授与される予定。葛西海浜公園は、スズガモなど多くの水鳥が飛来する場所として知られ、東京都内では初めての登録となる。志津川湾は500種以上の海洋生物の生息地となっている。---葛西臨海公園といえば、わたしは毎月少なくとも1回、多いときは3~4回は鳥の撮影に行く場所ですが、まさか東京23区内にラムサール条約に登録される湿地が誕生するとは思いませんでした。ちなみに、わたしはこれまでのところ130種あまりの鳥の写真を撮っていますが、そのうち、葛西臨海公園で撮影したことがある鳥は90種類です。我が家から、すごく近いというわけでもないのですが、まずまず簡単にいけて、交通費もそれほどかからない場所ですから。もちろん、水鳥も多いのですが、陸鳥も沢山います。猛禽類も、盛夏以外はいつもいます。トビ、ノスリ、オオタカ、ミサゴは頻繁に見かけるし、チュウヒも見かけることがあります。改めて公園の写真をアップしようと思ったのですが、いつも望遠レンズしかもって行かないので、鳥の写真しか撮っていません。あまり景色の写真がないことに気が付きました。それでも乏しい写真から。対岸は浦安のネズミの王国。東京ゲートブリッジが目の前スカイツリーだって目の前大観覧車のふもとにカルガモが集まった。望遠レンズで観覧車の全景を撮るのは不可能だったり・・・・・・。環境的に、東京湾に面したなぎさ、江戸川の河口、公園内の海水(汽水)池、淡水池とアシ原、森、一つ一つは広くはないけれど、多様な自然環境が一通り揃っているので、特に渡りの時期に多くの鳥が集まってくるのでしょう。これからも大切にしていきたいものです。
2018.10.18
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立憲民主党から立候補で大論争。「おしどりマコ」は天使か悪魔か?9月29日、お笑い芸人のおしどりマコ氏が、立憲民主党の公認候補者として次期の参議院選挙に立候補することを表明した。おしどりマコ氏とは、東京電力の記者会見に連日のように出席・質問し、また、各地で行われる原発事故裁判や福島県の「県民健康調査」検討委員会とその関連会議、原子力規制委員会、放射線審議会、その他各種のシンポジウム等に足しげく通うフリージャーナリストの顔も持つ、おしどりマコ氏のことである。このような有名人が選挙に立候補したときの常ではあるが、おしどりマコ氏の場合もインターネット上では大きな賛否両論の声が沸き起こり、彼女を支持する人と支持しない人の間では10月も半ばを過ぎた今もなお激しい論争が繰り広げられている。マコ氏を批判する側の中には、原発事故直後のマコ氏の非常に古いツイート(Twitter上での書き込み)までを取りあげて批判する者がいたり、すでに解決済みとなっている事例を蒸し返してくる者もいたりで、なんとも混沌とした状況になっている。ところで、それらの論争で取り上げられる“事例”をよくよく吟味してみると、幾つかのパターンを見出すことができる。具体的には、・明らかにマコ氏自身の迂闊さや無神経さが原因で問題となった事例・マコ氏には特に問題はないが、他人の罪を着せられるような恰好で問題にされた事例・他人の嘘によってマコ氏が陥れられた事例などである。本稿ではおしどりマコ氏とその周辺が引き起こした幾つかの騒動を取りあげるが、これらも上に列挙した事例のいずれかに当てはまっているように思う。(以下略)---おしどりマコ氏の擁立には、リベラル系の論者の一部からも批判があるようです。しかし、わたしはそんなに悪い候補者であるとは思いません。わたしは、彼女の主張をそんなに詳しく追っているわけではないのですが、改めて調べてみると、確かに不用意な発言はあるなと思いました。科学的に裏が取れていないことを主張している部分もあるようです。科学的に危うい部分はあれど、総合的に見て、彼女の主張は、大筋誤ったものではない、と私は思います。政治とは必ずしも科学的正しさを競い合うことを目的としているわけではありませんし、有権者も科学的正しさを基準にして票を投じているわけではないのです。江川紹子は、おしどりマコの擁立について、立憲民主党が獲得する票よりも「圧倒的に失う票が多い」と主張しているとか。彼女は尊敬するジャーナリストの1人ですし、その主張に大いに賛同することも多いのですが、この見解に関しては不同意です。福島原発事故は、「科学的」な原発の安全神話に少なからず不信をもたらしました。それは同時に、「科学技術無謬論」に対する深刻な疑念でもあります。それでも原発に対して何の不信も抱かない、原発万歳、という人は、わたしが想像する限り、おしどりマコ氏が擁立されようがされまいが、最初から立憲民主党に票は投じないでしょう。立憲民主党に投票する人には、様々な考えがあるでしょうが、多くの場合は、多かれ少なかれ原発に対する(科学技術一般に対しても)不信、少なくとも疑問を抱いている人ではないでしょうか。おしどりマコの擁立は、そういった層には、おおむね好意的に評価されるでしょう。失う票はあるでしょうが、それを上回る(圧倒的に、とまでは断言しませんが)票を獲得するだろうというのが、わたしの考えです。それに、「科学技術」という錦の御旗を掲げればそれに盲目に従うような政治家ばかりでは、政治が良い方向に進むとは思えないのです。多少オーバーなところがあっても、「科学技術」という錦の御旗に盲目的には従わないような人が政治家の中にも必要だと私は思います。
2018.10.17
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福岡市長選挙で神谷貴行氏を応援する10月5日、福岡市長選挙に神谷貴行さん(共産党福岡市議団事務局長)が立候補することを表明しました。~神谷さんのことをはじめて知ったのは15年前です。私が『前衛』という共産党の月刊誌に書いた有事法制反対の論文を、自分のブログに全文掲載したいというメールがあった時でした。そのブログを見ると、神谷さんがなぜこれを全文掲載したかという「まえがき」のようなものがあって、「自分の考えと近いからだ」と書いていました。当時、平和勢力のなかでは有事法制全面否定の議論が主流だったのですが、私は、「いくら何でも日本が侵略された時の法制は否定してはならない」という考えを持っていて、「しかし、提出されている法制は、そういうものとはほど遠い」という立場で寄稿したのです。そこに共感してくれたのだと思います。その後の私は、護憲派にも防衛戦略が必要だと感じて『憲法九条の軍事戦略』を書いたり、元防衛官僚の柳澤協二さんを代表にして「自衛隊を活かす会」をつくったりしましたが、その度に、紙屋さんは応援のエールを送ってくれました。---「かもがわ出版」の松竹編集長のブログを読んでいて、あっ、と思いました。「神谷さん」が一箇所だけ「紙屋さん」になっています。それで、「まさか」と思って調べました。福岡市長選 神谷貴行氏が出馬へ 共産党市議団事務局長共産党福岡市議団事務局長の神谷貴行氏が4日、任期満了に伴う福岡市長選に出馬する意向を明らかにした。神谷氏は~共産党東京都委員会職員を経て、党福岡市議団事務局次長を務めた。「紙屋高雪(こうせつ)」のペンネームで「“町内会”は義務ですか?」や「マンガの『超』リアリズム」などの著書がある。---そうだったのですね。漫画評論の紙屋研究所は、時々閲覧していました。筆者が自ら「オタク・コミュニスト」と自称しているくらいなので、左派に属する人とは思っていましたが、内容的に、いわゆる左派的な主張を全面的に出すものではないので、共産党の専従職員の方とは、まったく知りませんでした。やはり、世の中には色々な人がいるものですね。自公推薦の現職市長相手に、共産党単独推薦の新人では、勝ち目はないかもしれませんが、こういう人に頑張ってほしいものです。
2018.10.15
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昨日10月13日、高校同期の仲間と谷川岳に登ってきました。夏に登りましたが、あのときは1人、今回は5人です。朝一番の新幹線とバスを乗り継ぎ、9時過ぎには天神平に到着。週間予報ではあまり天気がよくない予報でしたが、当日が近付くにつれて次第に予報が好転し、結局はこんな天気で最高の登山日和を迎えました。正面に白毛門、その向こうに朝日岳です。天気のよい紅葉シーズンなので、登山者は非常に多かったです。紅葉真っ盛りです。ナナカマド。ただ、黄葉はきれいですが、ナナカマドなど紅葉(紅くなるほう)はまだもうちょっと、という気もします。鎖場を登る。だいぶ登ってきました。下界(水上方面)を望む。この辺りから次第に日差しがなくなってきました。でも、山頂まではもう少しです。ナナカマド。先ほどのナナカマドは、葉がまだ一部緑でしたが、こちらはもう葉が落ちています。あと少しです。山頂直下に頂上山荘がありますが、トイレが大渋滞でした。万太郎山、仙ノ倉山、平標山に続く尾根。山頂(トマの耳)到着。しかし、視界はこんな状態です。晴れている間は半そでTシャツで登っていましたが、こうなると秋の山は寒い寒い。ここで昼食を食べ、天気の回復を待ちましたが、結局回復しなかったため、オキの耳までは行きませんでした。帰りも、鎖場は渋滞。ナナカマドの実が目を引きます。ここも葉はほとんど落ちてしまいましたが。天神平近くまで戻ってきたら、ガスが切れました。しかし、上には分厚い雲。それでも、最後まで雨に降られることはありませんでした。週間予報では実施自体が危ぶまれる予報でしたが、結局は、途中までとはいえ晴天に恵まれ、雨にも降られずに済みました。一人で山登りも楽しいものですが、気心の知れた仲間とワイワイ言いながら登るのも、楽しいものです。次は、いよいよ冬山シーズンかな。
2018.10.14
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辺野古移設めぐり平行線=玉城沖縄知事、安倍首相に協議の場要請沖縄県の玉城デニー知事は12日、首相官邸で安倍晋三首相と就任後初めて会談した。米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対する立場を伝え、協議の場を早急に設けるよう要請。首相は辺野古移設を引き続き推進する考えを示し、要請にも明確な返答をせず、会談は平行線に終わった。会談には菅義偉官房長官も同席。玉城氏は先の知事選の結果に触れた上で、「沖縄の声に真摯に耳を傾け、安全保障の負担は全国で担うべきだとの認識の下、早急に話し合いの場を設けてほしい」と求めた。玉城氏によると、首相は「政府の立場は変わらない」と強調。県との協議に関しては「沖縄の振興、子供の貧困など共通する課題は協力してやっていきたい」と述べるにとどめた。---前回翁長知事初当選時は、かたくなに面会を拒んだ安倍ですが、今回は早々に面会に応じたのは、さすがにそのような態度をとることが後に悪影響を及ぼすことを学習した、ということでしょう。しかし、会談の内容を見ると、面会に応じたと言っても「会った」というアリバイのためだけかな、と思えてしまいます。いまだに「辺野古移設を引き続き推進する考えを示し」とはね。あれだけ大差で、しかも4年前に続いて、「辺野古への基地移設は嫌だ」という沖縄の民意が示された以上、普天間基地は移設ではなく撤去する以外の選択肢はないはずです。しかし、その、明確な政府は無視する。翁長前知事は、元々出自は自民党であり、普天間基地については、辺野古移設ではなく無条件の撤去、という主張を持っていましたが、日米安保破棄とか、すべての米軍基地を撤去という主張を持っていたわけではありません。だから、高江のヘリパッド建設問題に関しては、その態度はやや曖昧なところがあったし、嘉手納基地については撤去という要求を掲げてはいませんでした。その、その翁長前知事に対して猛烈な攻撃を行ったのが安倍とその取り巻きであり、親衛隊のネトウヨどもです。実際のところ、米軍にとっての世界戦略の要は嘉手納の空軍であって、普天間の海兵隊ではありません。普天間の海兵隊がどこに出動するにしても、制空権の確保されているところしか移動できない、つまり嘉手納の空軍があって初めてまともに機能する存在でしかありません。また、兵力も、単独で何かが出来るほどのものではありません。また、沖縄側でも、空軍と海兵隊では、迷惑度が大きく違うのが現実です。つまり、米兵が起こす不祥事は、多くが海兵隊によるものであり、空軍によるものは少ない、ということです。だから、嘉手納基地に対する反対運動も、もちろん存在はしますけれど、普天間基地に対する反対運動ほどの規模になることはありません。米軍にとって(あるいは、日米安保大事の日本の親米右派にとっても)本当に大事なのは嘉手納であって普天間ではないはずなのですが、色々なしがらみ、面子などから、かれらはそういう価値判断が出来なくなってしまっているのでしょう。あまり沖縄の民意を無視し続けると、そのうちにもっともっと大きな代償を払うはめになるのではないかと心配になります。いずれにしても、辺野古に基地を建設することは、もう無理です。埋立承認は撤回されました。これについては最高裁の判決がどうなるかは分かりませんが、もし最高裁で沖縄県側が負けたとしても、知事の権限はそれだけではありません。辺野古に基地を作らせないために権限を駆使すれば、工事を先に進めることはほとんど不可能なのです。そのようにして徹底抗戦する知事を支える県民の民意もあります。そうである以上、露骨な強硬策も困難でしょうし。もはや、辺野古移設ではなく、普天間基地の無条件撤去しかないのです。
2018.10.12
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1千万円以上の大穴的中、8割が未申告? 検査院が推測競馬や競輪などでの高額払戻金について会計検査院が調べたところ、1千万円以上の「大穴」で当たった金額の8割ほどは税務申告されていない可能性があることがわかった。主催者側から聞き取った2015年の払戻金約127億円に対し、税務申告されたとみられるのは二十数億円だったという。関係者への取材でわかった。関係者によると、検査院は競馬などの公営ギャンブルの主催者から、15年の1年間に1回の払戻金が1050万円以上あったケースを聞き取った。中央競馬では100円のかけ金、中央競馬以外では50~200円のかけ金にそれぞれ絞って調べたところ、計約530口で約127億円の払戻金があったという。一方で検査院は、15年に1千万円以上の一時所得や雑所得を税務申告した全国の約1万8200件を調査。公営ギャンブルで1回の払戻金が1050万円以上あった人から申告されたとみられるのは、五十数件の二十数億円だったという。払い戻しされた約127億円のうち、二十数億円を差し引いた約100億円の大半が申告されていないと推測できるという。公営ギャンブルで得た一定以上の収入は、一時所得や雑所得として税務署に申告する必要がある。会社員などの場合は一般的に、90万円超のもうけは申告しなければならないという。---わたしは、まれに宝くじを買うことがある以外は、ギャンブルをやらない人間です。この記事を見て、改めて、ギャンブルなどやらない人間でよかった、と思いました。もしわたしがギャンブルに手を染めたとして、大穴を的中させてそれをまじめに申告するか?申告したくないですよ。だけど、未申告が万が一露見したら首が危ないしね。競輪競馬の払戻金を巡る脱税については、近年何回か裁判になっています。争点は、外れ馬券を経費として認めるか否かです。何故か、最高裁は経費として認める、認めない、という双方の判断を出しています。違いは、どうやら営利目的で「業」として大量の馬券を購入して利益を上げた場合は外れ馬券を経費と認めるけれど、単なる愛好家の場合は認めない、ということのようです。元々、公営ギャンブルは、その「上がり」が国(地方競馬なら地方自治体)の収入になります。つまり、馬券を買った時点で税金を納めているのと同じなのに、払戻金を手にすると、そこにも税金がかかる、それって税金の二重取りじゃないの?と思えてしまいます。実際、同じギャンブルでも、宝くじの場合は当選金は非課税です(もっとも、これも当選金を譲渡したりすると贈与税がかかったりしますが、その問題は省きます)。そういうことをトータルで考えたら、本当にギャンブルをやるメリットなんて、非常に乏しいとしか思えないのです。万馬券を当てたらそれを申告して高額の税金を払うか、申告しないで脱税に問われるか、どっちに転んだって罰ゲームです。そんな、くっだらないことに心配するなら、ギャンブルなどやらないのが一番じゃないですか。この記事を読んで、ギャンブルなんぞに手を染めることは百害あって一利なしと、ますます確信しましたよ。でも、ギャンブルにはまる人って、なかなかそう理詰めで考えたとおりには行動できないのでしょうね。それが、神ならぬ人間の本質なのでしょうけど。
2018.10.10
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石破氏大善戦と玉城氏圧勝を騙る報ステの矛盾2018年9月後半に自民党総裁選挙(9月20日開票)と沖縄県知事選挙(9月30日開票)という話題を集めた選挙がありました。2つの選挙に共通していることは、事実上一騎打ちであり、マスメディアが、一方の候補を「力でねじ伏せる傲慢な圧制者」のように報じ、一方の候補を「虐げられながらも圧制者に果敢に立ち向かう誠実な民衆のヒーロー」のように報じたことです。そして2つの選挙で異なることは、マスメディアが推した人物が自民党総裁選挙では落選し、沖縄県知事選挙では当選したことです。この記事では、この2つの選挙結果に関するテレビ朝日『報道ステーション』の論評を論評したいと思います。~偶然ではありますが、自民総裁選の党員票と沖縄知事選における当選者と落選者の得票率はほぼ同じような数値であったと言えます。【自民総裁選】 安倍氏:55.3% 石破氏 :44.7%【沖縄知事選】 玉城氏:55.1% 佐喜眞氏:43.9%ちなみに、沖縄知事選で、玉城氏と佐喜眞氏の二人の得票に限定すれば、玉城氏55.6%、佐喜眞氏44.3%となり、ほぼ同一の結果です。このような得票率であるにも拘らず、『報道ステーション』の後藤謙次氏は、自民総裁選については「拮抗-石破氏の大善戦」と評価し、沖縄知事選については「玉城氏の圧勝」と【二重規準】で論評したわけです。得票率は両選挙で同じなので、この二重基準を使えば、自民総裁選については「安倍氏の圧勝」、沖縄知事選については「拮抗-佐喜眞氏の大善戦」と評価することもできます。元々、自民総裁選については、総得票で安倍氏が石破氏をダブルスコアで勝利しているため、「安倍氏の圧勝」と考えるのが妥当であり、また圧倒的な偏向報道の下で「弔い選挙」として行われた沖縄知事選については「拮抗-佐喜眞氏の大善戦」と捉える方が適切です。それを無理矢理に逆転させて一方的に報道するのですから極めて不公正であると言えます。(以下略)---自民党総裁選での安倍と石破の得票率と沖縄県知事選での玉城と佐喜眞の得票率が、たまたま似たような数字であったことから、ネトウヨ連中が、「石破の善戦、玉城の圧勝」という報道に対して発狂しているようです。まあ、見苦しい負け惜しみとしか思えませんが。得票率が似かよった数字と言っても、それは数字に表れた部分だけのことであって、背景はまったく異なっています。例えば、プロ野球選抜対高校野球選抜の試合で結果が5対1だったら、高校野球選抜は、負けても「善戦」と評されるでしょう。しかし、日本シリーズ第7戦、日本一をかけた試合で5対1だったら、それは「大差」と評されるはずです。善戦、大差というのは、下馬評との落差、あるいは元々の地力の差との対比で言われるのであって、地力に大差があるもの同士と地力が五分五分のもの同士では、基準が同じであるはずがないのです。それを同列に論じるには、ただのバカです。石破が「善戦」と評されるのは、国会内では小派閥である自派と、参院竹下派しか支持する者がなく、国会議員票の獲得数は2割に満たなかった(ただし、その票数も事前予想よりかなり多く、表向きは安倍支持を表明しつつ石破に票を投じた議員が何人かいたようですが)にも関わらず、党員票は45%も獲得した、その落差の大きさゆえです。安倍陣営が「石破の政治生命を絶つほどの大差で勝つ」ことを目標にしていたにもかかわらず、それとは程遠い結果でした。しかも、党員投票で45%というのは、あくまでも「党員」の得票であって、一般有権者の中での得票率ではありません。石破は、各種世論調査で次期総裁への支持率が安倍と拮抗したり上回ったことはあります。次の自民総裁は石破氏42%でトップ、安倍首相上回る-ANN世論調査次期自民党総裁に安倍首相38.9%、石破氏35.1%しかし、石破の支持率は野党支持層や無党派層で比較的高く、自民党支持層では安倍の支持率が圧倒的に高いと報じられていました。自民支持層で安倍首相が石破氏を圧倒 【自民党総裁選】自民支持層の中では、安倍支持71%対石破支持24%という大差だというのです。自民党員にも名ばかり党員もいるだろうし、支持の程度は濃淡あるかもしれませんが、平均的には自民党をかなり支持している人たちであることは間違いないでしょう。したがって、前述の世論調査を信じるならば、一般党員投票でも安倍は石破を圧倒するはずです。ところが、そうはなららなかった。そのこともまた、石破が「善戦」と評される理由です。一方、沖縄県知事選です。こちらは、「党員投票」ではありません。一般有権者による投票です。自民党の総裁選とはそもそも前提条件が違うのです。そして、玉城新知事は、過去沖縄県知事選史上最多得票を獲得しています。得票率では、過去最高ではないけれど、翁長前知事が大勝した前回知事選より、得票率、得票数ともに伸ばしているのです。前回知事選では、公明党が自主投票でしたが、今回は公明党は佐喜眞候補を推薦し、実際に選挙運動に相当注力したようです。また、前回は自らが立候補した下地幹郎が、今回は佐喜眞陣営に参加しています。それにもかかわらず、この結果です。票の計算上は、佐喜眞陣営は磐石だったはずです。前回の仲井眞候補+下地候補の合計得票は約33万票、公明党の国政選挙での得票は沖縄で10万票以上です。菅官房長官や、人気があるといわれる小泉進二郎をはじめとする政治家を大量投入もしました。多分、運動員や選挙資金もそうでしょう。ところが、蓋を開けたら佐喜眞候補の得票は31万6千票、前回の仲井眞+下地の合計得票も下回り、公明党票なんて、どこに消えたのやら。実際、支持母体の創価学会からは相当の造反が出ています(それでも公明党支持層の6割くらいは佐喜眞に投票しているようです)。これを惨敗と呼ばずに何と呼ぶのか、ということです。マスコミの事前予測では、五分の勝負と見るところと、玉城候補やや優勢と見るところに分かれましたが、玉城優勢と報じた新聞も、「ややリード」程度で、玉城候補が大差で優勢と見るマスコミはありませんでした。それを反映して、各社選挙結果の判明は投票日の深夜見込と報じていました。ところが、蓋を開けたら、なんと朝日新聞が8時丁度のいわゆる「ゼロ打ち」(投票締切り時間と同時に当選確実を報じること)。沖縄では、名護市長選で出口調査結果と正反対の選挙結果が出たことがあるそうで(出口調査に対して嘘をつくか、特定の候補者に投票した人だけが回答しなかったということ)、朝日新聞以外の各報道機関は、当選確実には相当慎重だったようですが、それでも9時過ぎには各社雪崩を打って玉城候補当選確実を報じています。まあ、論より証拠、安倍政権の閣僚が何人も「石破は予想外に善戦した」と明言しているし、一方沖縄県知事選の佐喜眞陣営については、先に紹介した古谷経衛の記事によれば早くも敗北が確定した佐喜眞淳陣営が勢揃いしているANAクラウンプラザホテル沖縄ハーバービューへと向かった。~午後8時15分、同ホテル2F大広間には、佐喜眞陣営の幹部らや支持者らが既に勢揃いして着席していた。むろん、報道陣も大挙詰めかけている。しかしこの大広間から発せられる空気は、無言の重圧にも似た鉛のような感覚であった。支持者らは誰も一言も発さない。談笑さえない。ただ真正面のテレビ画面を見つめている。いわゆる「お通夜状態」とはこの事を言うのだと私は痛感した。 とのこと。(強調は原文まま)他ならぬ当事者自身が、石破は善戦、佐喜眞は惨敗だったことを、正直に認めているのに、応援団の負け惜しみは、往生際が悪いとしか言いようがありません。ただし、もちろん、今回の玉城候補の大勝は、今後も大勝し続けることを保証するものではありません。有権者の信を失えば、次の選挙では当然負けます。そうならないことを心より祈っていますが。
2018.10.08
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秋は、演奏の予定が沢山あります。キラ・ウィルカ+カンチャ・ニャン ペルー料理店ティアスサナにて最終ライブ11月10日(土)第1部キラ・ウイルカ/第2部カンチャ・ニャン会場 ペルー料理レストラン ティアスサナティアスサナが年内いっぱいで閉店となるので、同店での最後のライブになります。前回と前々回は予約で満席となっています。料金 1000円(フリホーレスセット)+飲み物別途去年は、直前に足を折ってしまい、根性で(笑)座って笛を吹きましたが、今回はちゃんと立って演奏できる・・・・・よう怪我に気をつけます。※予約はお店ではなく演奏者までお願いします。inti-solのメールアドレスは×yofolklore@yahoo.co.jp(頭の×は半角小文字のrの打ち変えのこと)---ティエラ・クリオージャ「あらいまつり」10月28日(日)午後・中野区あらい地域活動センター「あらいまつり」で演奏しますあらい地域センター 西武新宿線沼袋駅から徒歩10分音楽祭午後1時から4時までですが、ティエラ・クリオージャの出番はおおむね2時半から20分間(時間が前後する場合があります)入場無料ティエラ・クリオージャ 中野区哲学堂公園11月23日(祝)午前中これについては、詳細未定ですので後日ご案内しますが、メンバー編成の都合上、従来と違う楽器が加わり、曲目も従来とは一変する・・・・・・かもしれません。
2018.10.06
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柴山文科相、教育勅語「アレンジし道徳に使える分野も」内閣改造で2日に就任した柴山昌彦文部科学相が会見で教育勅語の認識を問われ、「現代風に解釈され、アレンジした形で、道徳などに使うことができる分野は十分にある」と述べた。教育勅語は戦後、日本国憲法と相いれないとして国会で排除・失効が決議されており、野党からは批判が出ている。発言のきっかけは、柴山氏が8月、ツイッターに「戦後教育や憲法のあり方がバランスを欠いていたと感じています」と投稿したこと。~就任会見で趣旨を聞かれ、柴山氏は「戦前は義務や規律が過度に強調されたことへの反動として自由や権利に重きを置いた教育、個人の自由を最大の価値とする憲法が制定された」とし、「権利とともに、義務や規律も教えていかないといけない」と述べた。さらに過去の文科相が教育勅語を「(中身は)至極まっとう」と評価したことについて問われ、「現代風に解釈され、あるいはアレンジした形で、道徳などに使うことができる分野というのは十分にある。普遍性をもっている部分がみてとれる」と発言。使える部分として「同胞を大切にするとか、国際的な協調を重んじるとか、基本的な記載内容」を挙げた。---またネトウヨ脳政治家の妄言です。コメントしようと思って、前にも似たような出来事があったなと思って調べたら、かの稲田朋美大先生が去年3月に同じような発言をしていました。自由でも民主主義でもない稲田(当時防衛相)の言い分と今回の文科相の言い分は大筋変わりません。要するに、自民党にはそういう価値観を持っている人ばかりが増殖しているので、定期的に前と同じような問題発言が繰り返される、ということなのでしょう。反論として、前回に付け加えることも、特になさそうに思えます。折も折り、作家の高橋源一郎氏が、教育勅語を現代語訳にアレンジしたものが話題になっているそうです。作家、高橋源一郎氏の現代語訳「教育勅語」が話題!!はい、天皇です。よろしく。ぼくがふだん考えていることをいまから言うのでしっかり聞いてください。もともとこの国は、ぼくたち天皇家の祖先が作ったものなんです。知ってました?とにかく、ぼくたちの祖先は代々、みんな実に立派で素晴らしい徳の持ち主ばかりでしたね。君たち国民は、いま、そのパーフェクトに素晴らしいぼくたち天皇家の臣下であるわけです。そこのところを忘れてはいけませんよ。その上で言いますけど、きみたち国民は、長い間、臣下としては主君に忠誠を尽くし、子どもとしては親に孝行をしてきたわけです。その点に関しては、一人の例外もなくね。その歴史こそ、この国の根本であり、素晴らしいところなんですよ。そういうわけですから、教育の原理もそこに置かなきゃなりません。きみたち天皇家の臣下である国民は、それを前提にした上で、父母を敬い、兄弟は仲良くし、夫婦は喧嘩しないこと。そして、友だちは信じ合い、何をするにも慎み深く、博愛精神を持ち、勉強し、仕事のやり方を習い、そのことによって智能をさらに上の段階に押し上げ、徳と才能をさらに立派なものにし、なにより、公共の利益と社会の為になることを第一に考えるような人間にならなくちゃなりません。もちろんのことだけれど、ぼくが制定した憲法を大切にして、法律をやぶるようなことは絶対しちゃいけません。よろしいですか。さて、その上で、いったん何かが起こったら、いや、はっきりいうと、戦争が起こったりしたら、勇気を持ち、公のために奉仕してください。というか、永遠に続くぼくたち天皇家を護るために戦争に行ってください。それが正義であり「人としての正しい道」なんです。そのことは、きみたちが、ただ単にぼくの忠実な臣下であることを証明するだけでなく、きみたちの祖先が同じように忠誠を誓っていたことを讃えることにもなるんです。いままで述べたことはどれも、ぼくたち天皇家の偉大な祖先が残してくれた素晴らしい教訓であり、その子孫であるぼくも臣下であるきみたち国民も、共に守っていかなければならないことであり、あらゆる時代を通じ、世界中のどこに行っても通用する、絶対に間違いの無い「真理」なんです。そういうわけで、ぼくも、きみたち天皇家の臣下である国民も、そのことを決して忘れず、みんな心を一つにして、そのことを実践していこうじゃありませんか。以上!明治二十三年十月三十日天皇---原文よりだいぶ長くなっていますけど、確かに分かりやすい。ずいぶんマイルドに訳していますが、天皇が主語で、天皇のためにすべてを尽くせ、と言っていることに違いはありません。こんなものを道徳に使うとか、気が狂っているとしか私には思えません。
2018.10.04
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ネット右翼に足を引っ張られた佐喜眞候補【沖縄県知事選挙 現地レポ~敗北の分析】9月30日午後8時―。沖縄県知事選挙の投開票が始まるやいなや、玉城デニー氏に当選確実が出た。正直もう少し接戦になると思っていた。 ~佐喜眞氏の敗因は、佐喜眞氏自身は当然のこと、その「外野」にこそあると分析している。「外野」とは、反翁長の姿勢を鮮明にして、主にネットやCS放送局などを利用して勢力を高めてきた在沖縄のネット右翼活動家達のことだ。彼らは、東京のCS放送局やネットニュース番組等を行き来し、保守系論壇誌、沖縄のコミュニティFM等を活用して、「善意」で以て佐喜眞氏を応援した。~私が確認しただけで都合50回以上に及ぶ小集会や、ビラ配布、那覇市内等に於ける街宣行動を頻繁に繰り返した。彼らは勝手連的に佐喜眞氏への投票を訴え~「玉城はパヨク」「玉城は売国奴」「玉城は中国の工作員」等というレッテルと共に、恒常的にそれらのリツイートは毎回500~1,000近くになる勢いとなったのである。 ~8月中旬以降、ネット右翼は沖縄でも、本土でも、CS放送や保守系論壇誌の中でも、「デニーが知事になると沖縄は中国にのっとられる」などと主張するようになった。その対として彼らは佐喜眞氏支持を鮮明にし、デニー氏に対し徹底的な誹謗中傷やデマの流布を行なった。 彼らは口々にこう絶叫した。「玉城デニーが知事になったら、沖縄は中国にのっとられます」「玉城デニーが知事になったら、中国の工作員が沖縄を破壊します」このような、トンデモ陰謀論とも思える連呼とセットに佐喜眞氏を応援することで、常識的な感覚を持った有権者の多くは、むしろ佐喜眞氏へのネガティブイメージを持つに至ったかもしれない。「親方思いの主倒し」という言葉がある。親方を思ってよかれと思ってやった行為が、結果として親方の迷惑になる、という意味だ。 ~しかし、全般的には、デニー氏の圧倒的強さには勝てなかった。故翁長氏に対する県民の想いと、辺野古移設への拒絶感は、中央が想像するよりも遙かに大きかったと判決するしか無い。 ことことに至って、沖縄県民の民意ははっきりとデニー氏の言う「辺野古移設反対」に決定した。民主的選挙で「辺野古移設にNO」が突きつけられたのだから、中央政府は沖縄県民の民主的決定に従い、アメリカに対し「普天間基地の無条件返還」を突きつけるべきだ。~私は或る佐喜眞陣営選対関係者に詰問した。「どうして、在沖縄のネット右翼活動家らを放っておいたのですか。却って佐喜眞さんの足を引っ張っただけじゃ無いですか」関係者は、「それは彼らの政治活動の自由であり、私達が強権的に制止することは出来ない」と苦渋の表情で前置きした上で、「連中、星条旗と日章旗を一緒に掲げて中国の侵略がどうのこうのと・・・。正直、やめて欲しかった。勘弁して欲しかった。冗談じゃないよ」佐喜眞氏敗北が確定したことも重なってか、関係者の瞳の奥には、ネット右翼への敵愾心とも取れる静かな憤怒を感じた。(要旨)---なるほどね。筆者の古谷経衛自身、かつてはネトウヨ陣営に身を置いていた方(田母神の都知事選出馬の際、応援を強要されたことで、以降袂を分かった)だけに、ネット右翼の行動に対する分析は、なかなか鋭いと思います。かつて、竹下元首相が首相になる前、皇民党という右翼団体が、自民党本部前などで、執拗に「竹下は素晴らしい」などと「賞賛」する街宣を行い、これをやめさせようと、盟友の金丸信が裏で暴力団幹部と話をつける、という騒動がありました(皇民党事件)。巷間言われる「褒め殺し」です。これは、皇民党自身が「嫌がらせ」という自覚と意図を持って行ったことです。悪事ですが狡知に長けている。ところが、時代が変わって、今のネット右翼は、それが本当に「応援」になると思って、相手陣営に対する罵倒、誹謗中傷を行っているわけです。主観的(独善的)「愛国心」に基づいて、結果的な利敵行為、というわけです。構図としては、従軍慰安婦問題における、米国下院の121号決議と同じだなと思います。決議案に対して、日本の極右陣営は「ザ・ファクツ」なる、自己満足的な新聞広告をワシントン・ポスト紙に出して反論を試みました。しかし、その内容は、日本のネトウヨ空間に充満している自己正当化論を英語にしただけのもので、ネトウヨ空間以外、まして米国では何の説得性もありませんでした。むしろ、その言い分があまりにひどいため、むしろ決議の賛同者を増やす結果となりました。それと同じことです。ネトウヨの本質は、自らの主張(ザ・ファクトと同じく、ネトウヨ層の中でしか受け入れられない言説)を叫ぶことで自尊心を満たすことにあり、それが相手にどう受け取られるかは考慮の範囲外なのでしょう。選挙でより多くの支持を得ることには無関心であり、それよりはむしろ標的とした相手に対して誹謗中傷、暴力的な言動弄することで、相手を威嚇し、戦意を失わせる方が、連中の常套手段と言えます。それは、民主主義制度にとって、まさしく古谷が言うように、害毒でしかないものです。しかし、こういうネトウヨ連中に精神的支柱が安倍であり、稲田朋美、杉田水脈、和田政宗らその取り巻き連中が、ネトウヨ層そのもののメンタリティしか持っていないのが現実です。こんな「害毒」が日本の舵取りをしていると考えると、本当に日本は危機的状態です。
2018.10.02
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