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ひゃー、ついに2016年も今日で終わりか〜。 いつもですと、大晦日には一年を振り返って、「今年の十大ニュース」的なものを考えるのですけれども、今年は身内が亡くなったもので、そういうのは止めようと。だって、どうしたって、そのことが一位にならざるを得ないけれども、それじゃあ悲し過ぎるからね。 ただ、今年はそれ以外にも、悲しい別れが多かったかなと。例えば三十年以上にも亘って私のヒーローだったプリンスと千代の富士が亡くなったのをはじめ、デビッド・ボウイが亡くなったり、モーリス・ホワイトが亡くなったり、グレン・フライやジョージ・マイケルが亡くなったりしましたし、モハメド・アリや大橋巨泉、永六輔、そういう方々が亡くなりましたからね。昭和も遠くなりました。 まあ、仕方ないことではありますが、来年はね、こういう悲しいニュースが少ないことを祈ります。 さてさて、今日の私は朝もはよから大型家電店に電子レンジを買いにいくところからスタートしまして。昨日、年季の入った実家の電子レンジの内側を掃除していた姉が、もうこびりついた汚れが落ちないから、そろそろ新しいのに替えてもいいのじゃないかと言い出し、私と二人で母にプレゼントしようということになったわけ。 で、お店に行ってみると、もう今、シンプルな電子レンジってほとんど売ってないのね。オーブンレンジは色々種類があるのだけど、電子レンジ機能だけという製品は6種類くらいしかない。しかもその6種類のうち、5種類は「○泉」とか「○善」とか「○○リスオーヤ○」、あるいは中国の「○aier」みたいな感じのアレで、いわゆる「メーカー品」としてはシャープの1種類しかないんです。 でまた、そのシャープの奴は、なんと、今使っているもの(シャープ製)とほとんど同じデザインだったという。 つまり、電子レンジはこの十数年の間、まったく進化しなかったということですな。お店の人に聞いてみても、「電子レンジはもう完成してしまった技術なので、進化しようがない」とのこと。 ということで、せっかく新しい製品を買って、少しは新味を出そうと思ったのに、結局、今使っているのとほとんど変わらないデザインのものをもう一度買う羽目になったというね。 ま、使うのは年寄りだから、使い勝手が変わらない方がいいのかも知れませんけれども・・・。 で、その後は特に用事もなく、黒豆の番をしたり、本を読んだり。 あれこれ読んでいるのですけど、例えば『映画の快楽』(角川文庫)とかね。これ、冒頭に淀川長治さんと蓮實重彦(こっちは呼び捨て)の対談があって、もちろんこういう場合、誰と対談したって淀長さんの独り舞台みたいになるわけで、それは面白かったのですが、その後に続く「ジャンル別洋画ベスト」のリストを見ていると、私が知らない映画の羅列ばかりでたちまち興味を失うという・・・。 いつも映画関連の本を読むと思うのですけど、映画の専門家がいい、いいって言う映画って、マニアック過ぎてこちらが見たことの無いものばっかりなので、つまらないですな。私も映画は好きな方なんですけど、彼等が挙げるベスト10のうち、見たことのあるのが一個だけ、とか、そんなのばっかりなんだもの。なんつーんだろう、ゴダールとかヴィスコンティとか、ヴェンダースとかチェン・カイゲとか、そういうのがたまらなく好き、という人とじゃないと一緒に映画の話はいたしません、的なスタンスの本が多過ぎる気がする。 まあ、そういう本に対してはこっちから三行半だよ。 で、今は池谷裕二さんと糸井重里さんの対談『海馬』という本を読んでいるのですが、これはまあ、脳科学の話なので、それなりに面白いです。「脳は疲れることがない」とか、「脳の認知の仕方にはかなり偏向がある」とか、へえ〜っていう興味深い話が多いのでね。 ただ、なんというか、糸井さんの「私、素人を代表してプロの方にお伺いしてます」的なスタンスがちょっと強過ぎて引くところはあるかな。もちろん、それが糸井さんのサービス精神だというのは分かるのだけど、ちょっと度が強過ぎるというか。 でも、まあ、歳をとってもまだまだ使い方さえ間違わなければ脳の能力を高めることが出来そうだ、ということが分かっただけでも、将来に希望が持ててよかった。 とまあ、そんな感じで、あれこれと年の瀬を楽しんでいるワタクシなのでございます。 さてさて、本ブログをご愛読の皆様、今年もありがとうございました。また来年もご贔屓のほど、よろしくお願いいたします。そして、本ブログご愛読の皆様(だけ)に、新年の幸運がいっぱいいっぱい舞い降りますことを祈念いたしながら、年末のご挨拶とさせていただきます。
December 31, 2016
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今年も大分押し詰まって参りました。今日は晦日。我が家では元日に向けて、お節料理の準備のための買い出しに行って参りましたよ。まあ、昭和の時代と比べると、大晦日だから、元日だから、どうってこともなくなりましたが、やはり伊達巻きだの、ごまめだの、栗きんとんだの、お屠蘇だの、そんな日頃は食べないおせち料理の品々を買ったりすると、やはりどことなく気分も盛り上がるものでして。 ちなみに、我が家ではお屠蘇の代りに、昭和の香りの残る「赤玉ポートワイン」を飲むのですが、どう、いい感じでしょ? なんか、お屠蘇っぽいじゃん、アレ? だけど、今の若い人って「赤玉ポートワイン」がどういうものか知らないんだよね・・・。今日行ったスーパーマーケットで、若い女性店員さんに「赤玉ポートワインが買いたいのですけど・・・」と尋ねると、「はい、赤ワインですね?」と言われ、「いえいえ、赤玉です、赤玉ポートワイン」と訂正すると、不審そうな顔をしていました。結局、ワインではなく梅酒などが置いてあるコーナーに置いてあったんですけどね。 さて、この時期、私には買い出しの他にもう一つ重要なミッションがある。そう、毎年、ブログにも書いていますが、私には「黒豆を煮る」という重要な仕事が任されているのだぁ! 丸二日掛けて黒豆を煮る。いや、前の晩から水に浸す作業があるから、正確には二日半か。とにかく、それだけの時間を費やして、じっくりじっくり、ことことと煮る。味付けとしては、白砂糖以外何も入れない。ただ、白砂糖だけは、ほとんど1キロくらい入れますけどね。ポイントは、火にかけている間は絶対に砂糖を加えないこと。二、三時間煮て、火を止めて砂糖を加え、しばらく休ませ、またニ、三時間煮て、火を止めて砂糖を加え、しばらく休ませる。またニ、三時間煮て・・・そういうのを二日間続けるの。手間はかかるけど、完成する黒豆は、えも言われぬほど上品なお味よ。それは太鼓判。 で、とりあえず今日はその一日目をやっているところ。しょっちゅう火加減を見てないと、吹きこぼしてしまうので、自室とキッチンの間を行ったり来たり、めちゃくちゃ忙しい。 ま、そんな忙しさも、年の瀬の気分でね。 ってなわけで、そんな感じで2016年、最後から二番目の日も暮れようとしております。 明日は明日で、甥っ子が顔を出すとのこと。また賑やかになりそうです。普段、家内と二人だけの生活なので、たまの大家族状態もいいもんですな。
December 30, 2016
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今日はとりあえず壊れた iPhone を修理すべく、新百合ケ丘へ。 で、その前に腹ごしらえということで、前から気になっていたカレーとハーブの店、「チェリーブロッサム」でカレーをいただくことに。 このお店、新百合ケ丘の駅前にあるのですが、駅ビルの階段下にあって、座席数はわずかに6席、カウンターのみ。そんな小さなお店って、どんな感じなんだろうと、前々から気になっていて、今日、初めてトライしてみたのですが、結論から言いますと、行って良かった。というか、行って面白かった。 まず最初に言っておくと、値段は結構高いです。一番安い「チェリーブロッサム・カレー」が1,300円ですからね。一番高いメニューは3,600円だから。階段下の超狭いカレー屋さんだからといって、700円、800円程度で食べられるというもんじゃない。 だけどそのカレーは、確かに野菜をしこたま刻んで炒めて、時間掛けて作りました観がたっぷり。肉と野菜の旨味はしっかり溶け込んでいます。 そして、お店の一番の自慢は「ハーブカレー」で、これはもう様々な野菜やハーブを細かく刻んで炒めたドライカレー的な感じ。身体が芯から暖まるショウガ的なハーブも相当入っているようで、店のママさん曰く、「後から効いて来るよ!」とのこと。 で、それはあまりにも効果が強過ぎるということで、ハーブカレーとビーフカレーを半々にかけた「ハーフ&ハーブ」が初心者にはお勧め、と言われ、家内はそれをチョイス(1,600円)。私は基本のチェリーブロッサム・カレーをいただくことに。どちらもすごくおいしかったです。確かに、クセになる味だったかも。そして、食後に出してくれるレモン・グラスのハーブティーもすごくおいしかった。 でも、このお店がクセになるもう一つの要因は、ママさんの強烈なキャラ。グイグイくる感じ。だけど、グイグイの基本が親切気なので、決してうざくないです。むしろ、エンターテイメント。 で、ママさんによれば、テーブルに敷いてある紙製のランチョンマット(紺色で綺麗)は、幸運を呼ぶ力があるそうで、持って帰るといいことあるよと。受験生は受験票を包んでもいいし、小さく折り畳んで魔除けとして鞄に入れておくもよし、ブックカバーにもなる。プロの占い師が来て持って帰るからね、などとまくしたてられると、つい「あ、僕もいただいていきまーす」と言わざるを得ないというね。 で、店の奥にあるドア付きのにじり口、ここから店を出ると願いが叶うそうで、私も身を屈めてそこから出ちゃった。 階段下の超狭い店、だから出口だってにじり口になっちゃうんだけど、「そこをくぐると願いが叶う」って言われたら、むしろ楽しんでそこから出ますよね。ママさん、頭、良いな! 値段はちょっと高いけれど、クオリティーは高いし、ママさん劇場が面白かったし、そういうエンターテイメントも含めての値段と思えば決して悪くない。この店、教授のおすすめ! と言っておきましょう。 で、ここで楽しくお腹を満たしてから iPhone 修理をしてくれる店に行き、大枚1万円を支払ってその場で電池交換してもらい、一応は一件落着。少なくとも後1〜2年は頑張ってもらうことにいたしましょう。 ってなわけで、スマホ修理と、前から行ってみたかったカレー屋さんに初見参すること、この二つの懸案を同時に解決して、帰省第一日目としてはまずまずのスタートを切った私なのであります。チェリーブロッサム
December 29, 2016
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やーれやれ、ようやく昨日、年内の授業をすべて終え、今日、実家に帰省することができました。昔は大学の冬休みなんて優に3週間はあったものですが、今はたった1週間ですからね。勉強する暇なんかないわ・・・。 ところで、帰省の準備をしている間、実家に持って行くべき本を選んでいる時に、ふと、書棚にさしてあった古い雑誌に目が行きまして。今はもう廃刊になっている『本とコンピュータ』という雑誌で、たまたまその号に、私がちらっと寄稿しているものですから、取ってあったんですな。 で、何の気なしにその雑誌を手にとり、自分が何を書いたのか、読み返していたのですが、そうしたら、その号の特集は小熊英二氏だったということに気が付いた。 小熊さんというのは、私とほぼ同世代なのですが、非常に優秀な研究者で、よく大きな賞を取る人なのよ。 で、今から10年くらいも前に出たその雑誌の小熊さん特集を初めて読んで、色々関心することがありまして。 小熊さんというのは、東大の農学部かどこかを出ていて、最初編集者をしていたのですが、30歳くらいになってからあらためて学問の道を志すようになり、そこから研究を初めて、最初に書いた本がどーんと大きな賞をとった。 で、その後、慶応大学に職を得たのですが、授業は週4コマで、それを二日にまとめ、あとの五日間は大学には行かず、図書館などで資料を調べたり、喫茶店で原稿を書いたり、とにかくひたすら研究する。そうやって、何年かに一度、大部の研究書を出して、その都度賞を取る。そんな感じ。 うーん、出来る人は違うね・・・。研究者としてはスタートは遅かったし、研究スタイルも無手勝流なんだけど、結果出しているからね。 なんか、そういう素浪人みたいな研究スタイル、いいなあ。 いいなあ、とか言ってないで、同世代なんだし、お前だって頑張れよ、っていう話なんですけれども。 だけど、やっぱり、研究に対する取り組み方が私とは大分違うような気がする。だって、小熊さん曰く、「農業を生業とする人たちのように、早朝に起き出して研究をし、お昼を食べてまた午後から研究し、それを来る日も来る日も十年一日のごとく続ける」そうですから。私にはできん、そんなこと。私の場合は、昼近くに起き、ヒルナンデス見ながらぐずぐず食事をし、食後はとりあえず仕事と関係ない本を読み、しょうがねえな、って感じで気が向いたらちょっと研究し、すぐにおやつの時間になり、テレビを見、早く夕食にならないかなと思いながらちょっと研究し、食後は軽く映画でも見て、しょうがねえな、って感じで気が向いたらちょっと研究し、てっぺん回ってお茶を飲み、深夜になってようやく寝るって感じですから。 それだ、私と小熊さんの違いは。だから、向うは沢山、学術賞をとれるんだ。・・・いや、それ以前に才能の差もあるか。 ま、とにかく、古い雑誌をたまたま手に取ったのも何かの縁だ。私ももう少し頑張ろうっと。
December 28, 2016
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ふと気づいたのですけど・・・ ワタクシの iPhone ・・・ 壊れとる・・・。 なんかねえ、表面のガラス部分がきちっとはまらなくなって、隙間ができちゃった・・・。隙間からキラキラした内臓が見えるし。 選りによって、今、壊れるかねえ・・・。この年末の忙しい時期に、だよ・・・。 で、ネットで調べてみたところ、iPhone を落としたか、あるいは電池の劣化か、そのどちらかが原因ではないかと。 落としてないから、多分、電池の劣化だな。劣化した電池が膨らんで、ガラス部分を押し上げているのでしょう。 はあ~・・・。 どうすりゃいいの? アップルストアに持って行くにしたって、もう明日実家に帰るし。向こうで修理するにしても、名古屋に戻るまでに修理が終わればいいけれど、そうでなかったらちょっと面倒なことになりそうです。 あるいは、町のiPhone 修理屋さんみたいなのもあちこちにあるようですけど、そういうところで修理して、あとが怖くないかなあ。 まあ、でも、それで壊れたら壊れた時で、機種変すればいいのか・・・。 あるいは、これを機に機種変するか? それにしても、あと数日で今年も終わるってのに、時期が悪いなあ・・・。 いやあ、困ったなあ・・・。どうすりゃええのん?
December 27, 2016
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2013年のイギリス・イタリア映画『おみおくりの作法』を観ましたので、ちょっとだけ心覚えを。以下、ネタバレ注意ということで。 日本にも『お葬式』とか『おくりびと』とか、そういう系の映画があるわけで、これもそういう感じなのかなと思いきや、ちょっと違いました。 これは、イギリスのある市の民生係の話なんですな。主人公のジョン・メイは民生係として22年、ひたすらまじめに勤めてきたのですが、その仕事というのが、身寄りもなく孤独死した人の後片付け的なことなんですな。それで遺品の中に少しでも近親者や友人が特定できるものがあれば、その人たちに連絡を取り、彼(彼女)の死を告げ、葬儀の日取りを教え、もし参加できるようであれば、葬儀に参加するよう促す。そんな仕事。 だけど、孤独死するような人ってのは、たいてい、何らかの問題を抱えていたりするので、親族・友人・知人を特定できないこともある。そういう場合は、ジョン・メイが唯一の葬儀参列者となって、おみおくりをする。ただ、それではあまりにかわいそうだということで、ジョンは手を尽くして、孤独死した人の人生の軌跡を辿ろうとする。そして、その仕事は彼の生きがいでもあるわけ。 なぜなら、そのジョン・メイ自身もまったく身寄りがなく、孤独な人だから。たった一人で暮らし、職場と自宅を往復するのみ。職場といっても、自分のオフィスで一人だけで仕事をするので、たいていは独りぼっち。だから、孤独死する人のことは、まったく他人事ではないわけ。自分だって、いつそうなるかわからない。 だから、ジョンは既に自分のお墓を買ってあるんです。それも墓地の中の一等地に。せめて死ぬときくらい、無縁墓ではなく、ちゃんとしたお墓に入ろうと。 で、そんなある日、また一件の孤独死の連絡が彼のもとに入ります。しかも驚いたことに、死んだビリーという初老の男は、ジョンと同じアパートの住人だった。同じような孤独な境遇で、同じアパートに何年も住んでいたのに、互いに顔を合わせたことがなかったということにショックを受けたジョンは、いつも以上に一生懸命になってビリーの過去を探り始める。 しかし! そんな折も折、ジョンは若い上司から、クビを言い渡されることになる。市の財政悪化により、ジョンのように時間をかけて孤独死した人たちの身元を調査する余裕がなくなってしまったんですな。 ジョンにとって最後の仕事となったビリーの調査に、彼は自分のすべてを賭けることになるのですが、さて、ジョンは、ビリーの身元を完全に洗い出すことが出来るのか? そして、生きがいを失ったジョン自身の運命は?? というようなお話。 とりあえず、この映画に対する私の点数を先に言っておきますと・・・ 「83点」! 割と高評価! とにかくね、この映画は、ジョン・メイ役のエディー・マーサンに尽きます。もう、彼の一人芝居と言っていい。そして、それが素晴らしいのよ。 彼の日々の暮らしぶりの描写。確かに孤独ではあるのだけれど、すべてが秩序だった、自分らしい生活。あらゆるものがあるべき場所にあるというか。そして彼の仕事への静かな情熱。もちろん、それは公僕としての仕事なのだけれども、もはや彼と仕事とが一つになったような境地というか。 しかし、そういう情熱を声高には主張しない。そのイギリス人特有のアンダーステイトメントな感じがすごくいいんだなあ。 そして、この映画の結末がねえ・・・。衝撃。ダブルで衝撃。そう来るか、という衝撃が二度あるからね。 ま、世紀の傑作ではないですけれども、佳作というにふさわしい小編でございます。一見の価値はあると思います。 ということで、『おみおくりの作法』、教授のおすすめ!ということで。おみおくりの作法 [ エディ・マーサン ]価格:3693円(税込、送料無料) (2016/12/26時点)
December 26, 2016
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わが家では、日本っぽくクリスマスよりイヴの方を重視し、イヴにお祝いを済ませてしまって、本来のクリスマスである25日の方はほぼ放置って感じなんですけど(本来のクリスマスは、25日の昼に祝うものだと思いますが)、ここ最近、ちょっと新しい傾向が生じておりまして。 昨年だったかな、25日に何気なくスーパーに買い物に行ったら、チキンの照り焼きがものすごく安く売ってたのよ。ま、おそらく「24日の売れ残り」的な? で、それを安価に買い求めて食べたら、めちゃおいしかった。 ま、そもそもわが家のイヴは、私特製のパエリアで祝うので、24日にチキンを食べてないですからね。 で、これに味をしめて、今日、私、買っちゃいましたよ、チキンのモモの照り焼き! ま、それだけだとちょっと淋しいので、近所のデリでちょっとした前菜的なものも二、三、買い揃えて、プチ豪華に。 そして、夕食は一人でこれらのご馳走を平らげ、ちょっとワインなんかも飲んで、クリボッチを楽しんだのでありました。いいですよ~、25日のクリスマス・チキン。売れ残りにこそ福がある! ところで、どうして今日、私はクリボッチなのかって? なんと! 実は今日、家内は「ボール・ボクササイズ」というもののインストラクターの資格を取るべく、試験に臨んでいたのでありまーす。 で、無事、これに合格し、インストラクターになった次第。 すごいよね。とても運動に縁のある夫婦とは思えなかったんですけど、今や家内はボール・ボクササイズのインストラクター、そしてワタクシは八光流柔術三段。もし今後、私も八光流の師範をとれば、二人でそっち系の仕事も出来るじゃん。 人生、どういう方向に動いて行くかって、本人でも分らないもんですな。10年前には、そんなことになるなんて、思いもよらなかったもんね。 ま、とにかく、何であれ「合格」ってのは目出度い。頑張った家内を褒めてあげることにしましょうかね。
December 25, 2016
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イヴですなあ・・・。 私が学生時代、イヴなんていったらさ、もう大変よ。誰も彼も学生の分際で高級ホテルなんかに予約取っちゃって、それを前提に彼女さんをどうにかゲットしようってんだから。時代の熱に浮かされてたんですかねえ・・・。 ま、当時、私自身は、幸か不幸か、そういうのには無縁だったのですが、それは一つには心情的に隠れキリシタンもどきだったこともあって、クリスマスはそういうヨコシマなのじゃなくて、家族で過ごすもの、っていう健全な考えの持ち主だったのよ。 で、今もそう。クリスマスは家でごちそう作って、静かに祝うの。このブログでもよく言いますが、この日は私がシェフとなって、特製のパエリアを作るのがならい。今年も、美味しいのを作りましたよ! さてさて、それはそうと、さすがに今年も残すところあと1週間。このブログでも今年を振り返る企画をやらないとね。既に「釈迦楽カー・オブ・ザ・イヤー」と「今年読んだ本ベスト10」はやりましたので、今日は「2016年 ベストバイ」と行きましょう。今年買ったものの中で、愛用品として定着したおすすめ品をベスト10形式でご紹介いたしやす。まずは10位!第10位:「Tigora ダッフルバッグ」 道場に通うのに使っていたハーバード大学のボストンバッグがボロボロになってしまったので、新しく買ったスポーツバッグ。大きさも手ごろで軽い! ティゴラ(TIGORA) ダッフルバッグ B 容量/37L :ブラック×レッド第9位:「カルディ ハロウィンブレンド」 カルディ・コーヒーで買ったハロウィン・ブレンド、結構良かった。でもこれは季節ものなので、また来年の10月にね!第8位:「ノースファーム・エスプレッソジャム」 これ、めちゃくちゃ旨いんだよね。これつけるだけで、普通のパンが、高級なスイーツだよ!ノースファームストック 北海道エスプレッソミルクジャム ______ (ノースファームストック / ノースファームストック ギフト / ノースファームストック プレゼント / ノースファームストック 内祝い / ノースファームストック north farm stock)第7位:「マルカ・ヘアクリーム」 これがないと、最早、髪がまとまりません。色々試したけど、これが一番私には合ってましたね。プロスタイル マルカ パーフェクトケアオイルinエッセンス まとまり 120ml【RCP】【代引・カード払限定/同梱区分K】第6位:「ケロッグ・厳選素材」 まあ、今年はよくこれを食べました。飽きないんですわ、全然。旨い。朝の絶対定番。 ◆ケロッグ 厳選素材 フルーツグラノラ 徳用袋 500g◆グラノーラ・クランチ パン・シリアル類 穀物・豆・麺類 フード第5位:「ボーズの iPhone 用スピーカー」 家ではアップル・ミュージックを使って iPhone で音楽を聴くことが多いのですが、そうなると iPhone のスピーカーでは頼りないということでブルートゥースで接続するスピーカーを購入。さすがボーズ、小型なのに音はいいです。新品 Bluetoothスピーカー Bose SoundLink Mini Bluetooth speaker II [カーボン]が光回線新規加入で激安♪固定電話申し込み不要♪【送料無料 激安】【激安 本体 価格 比較】【回線セット販売】【02P03Dec16】【751969】第4位:「パナソニック・ラムダッシュ」 毎日使う髭剃りだけに、毎日快適ってのはいいですなあ。このラムダッシュ、剃り味もさることながら、一度充電すると、それこそ10日くらいずっと使えるという。この効率の良さがまた魅力。1週間くらいの旅行なら、充電器を持っていかなくてもいいですからね。ES-ST6N-A【税込】 パナソニック 電気シェーバー (青) Panasonic ラムダッシュ 【3枚刃】 [ESST6NA]【返品種別A】【送料無料】【RCP】第3位:「プリンス ヒットアンドラン フェーズ1&2」 今年は私の長年のヒーローであり続けたプリンスが亡くなった年として、私の中に永遠に記憶されることでありましょう。彼の最後の作品2枚を、今年最大の愛聴版として挙げておきます。[CD] プリンス/ヒット・アンド・ラン フェーズ・ワンヒット・アンド・ラン フェーズ・ツー [輸入盤][CD] / プリンス第2位:「マツダ デミオ」 我が家のセカンド・カー。前車スバルR1を自損事故で失ったことを受け、今年の年初に我が家にやってきました。主に家内が使用するのですが、家内はすっかり気に入っていて、運転しやすいと高評価。燃費がいいことと、小回りが利くことから、長距離のドライブ旅行に使うことも多く、そういう時は私も運転するわけですが、クルマなんてこれで十分、これ以上何を望むのかと思うことも。明るい緑色のボディカラーも可愛く、いい買い物でした。■ ドライブタウン No.11 / マツダ デミオスポルト第1位:「ルノー・キャプチャー」 今年我が家の最大の買い物。実は実物が届くのは来年に入ってからなんですが、そんなもん、いいに決まっている。早く来ないかな~!ノレブ 517773 1/43 ルノー キャプチャー 2013 シルバー ミニカー(ZM22815) ま、こんな感じかな。 こういう日常で使うものも、やっぱり人生における一つの出会いですからね。また来年も素晴らしいグッズと出会い、日々の生活が楽しくなりますように!
December 24, 2016
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昨日は、今年最後の柔術の稽古をしてきました。 ご存じの通り、昨夜は時ならぬ激しい雨。こんなコンディションでは、道場に来る人の数も少なくなるか・・・と思いきや、全然普通。いつも通りの人数が顔を見せたのでした。 で、稽古が終って着替えながらの雑談の中で、誰かが「こんな天気だから誰も来ないかと思ったら、みんな、来ましたね」と。 すると古株のOさんが、「いや、逆に、こういう天候だからこそ来たんですよ。このくらいの雨ぐらいで、道場に来る気が失せるほど、根性なしじゃないところを見せようと思って」と。 あ、その感覚分かる~。実は私も同じような感覚で、台風が今まさに通過中、みたいな荒れた日ほど、道場行っちゃうもんね。 すると、そう思ったのは私だけじゃなくて、そこに居た全員がそう思っていたんですと。天気の悪い時こそ、根性の見せ場だと。 なるほど、そう思うような人たちじゃないと、武道なんて続けられないよね! ところで、私は今年の4月から、柔術の稽古が終った後、家に帰ってからその日に学んだ技のコツとか、こうすればいいのではないか、と考えたことなんかをパソコンに打ち込み、「柔術ノート」として次の稽古の時の参考にするようになったのですが、昨日、書きこんだ段階で、その分量が61ページになっていることに気付きまして。 ふーむ、チリも積もればなんとやらですなあ。 で、それをざっと読み返してみると、これがまた面白いのよ。 例えば、ある日の稽古の後で、「この技のコツはこれこれこういう風にすることであると判った」などと確信に満ちたことを書いておきながら、次の稽古の後のノートには、「試してみたが、全然通じなかった」などと書いてある。つまり、全然、判ってなかったわけね・・・。 そんなことばっかりよ。判った、コツが掴めた! と思った翌週には、やっぱりダメだった・・・っていうね。でも、「そうじゃなくて、こうすればいいのではないか」という気付きはあって、その翌週、それを試してみて、前よりは少しは効き目があった、なんてこともある。もちろん、それもダメだった、ということの方が多いわけですが。 だから私の柔術ノートは、私の迷走の軌跡ですな。あっちへヨロヨロ、こっちへヨロヨロ、なかなか目標に辿り着かない。だけど、やっぱり迷走していても、4月時点よりは今の方が、少しは目標に近づいているような気もする。 そんな迷走の記録61ページ分を読み直しながら、また来年、頑張ろうと思っているワタクシなのであります。
December 23, 2016
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今日お昼のニュースで糸魚川の火事の報道があったのを見たのですが、その時は3軒か4軒くらいの火事だったんですわ。 それで大学に行って、授業して、その後、今年最後の道場へ行って、そこで道場仲間のSさんから「糸魚川、大変なことになっちゃいましたね」と声を掛けられ、「火事のこと? あ、見た見た」と答えたんですけど、その後、家に帰ってニュースを見てビックリ。3軒、4軒の騒ぎじゃないじゃないですか。大火事だ。いやあ、ほんとに大事になってしまいました。火事の被害に遭われた方、避難しておられる皆様にお見舞い申し上げます。 私もねえ、子どもの頃、隣家が火事になったことがありましてねえ。夜中に近所のおばさんの大声で起こされて。 たまたまその翌日、朝早くスケートに行く約束があったもので、珍しく枕元に畳んだ服が置いてあったのよ。で、それをちゃちゃっと着て、外に飛び出すと、隣にあったアパートが赤々と燃えていて。 冬で空気が乾燥していたのか、ごうごう音を立てて燃えちゃって。それでその火の粉が我が家の屋根にもガンガン飛んでくる。それを見ていたら、足がすくんじゃってね。 足がすくむっていう経験、その時、初めてしました。ほんと、動こうと思っても動けないの。足が前にも後ろにも出なくて。 あの時の恐怖、他人の家が燃えていて、自分の家も燃えるかも知れないと思った時の怖さってのは、すごいもんですよ。だから、今夜、糸魚川の人たちの思いも少しはリアルに分かるんですよね、私。 後で分かったことですけど、火事の原因は寝たばこでね。アパートの住人の人が寝ながら煙草吸って、その煙草の火を消したつもりだったのだけど、まだちょっと火が残っていたらしいんですな。それで、その火の残った煙草を布団に落としたまま、布団を畳んで押入れに入れちゃったんですって。で、その火が何時間もかけて少しずつくすぶって、最終的に火が出てしまったと。 無論、放火じゃない限り、火事を出そうと思って火事になることなんかないわけで、何らかの不注意や不運が重なってそうなるんでしょうけど、とにかく、これ以上の被害が出ないことを祈ります。
December 22, 2016
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今日、同僚たちとのコーヒータイムに、例の『スター・ウォーズ ローグ・ワン』の話題が出まして。 同僚の中で既にこの映画を観たという人は、私の他に哲学のI先生のみ。で、この映画に対する評価という面では、割と批判的な私に対して、I先生は絶賛派。 なにしろI先生は『スター・ウォーズ』マニアで、全作品を観ているのは当然として、この映画の撮影地であるアフリカのなんとか砂漠まで行っちゃったというほどの入れ込みようですから、おそらく評価としては私が間違っていて、I先生が正しいのでしょう。 ま、それはいいのですけれども、I先生曰く、『スター・ウォーズ』を観る上で欠かせない文献として、『千の顔をもつ英雄』というのがあると。千の顔をもつ英雄〔新訳版〕 上 [ ジョーゼフ・キャンベル ]価格:799円(税込、送料無料) (2016/12/21時点)千の顔をもつ英雄〔新訳版〕 下 [ ジョーゼフ・キャンベル ]価格:799円(税込、送料無料) (2016/12/21時点) この本、つい最近になって文庫版の新訳が出るまで絶版になっていて、しかもその絶版の本がものすごく高い古書価で売られていたのだとか。要するに、復刊が待たれていた名著らしいんですな。 ま、内容からすると、世界各国の神話分析らしく、どの文化も共通して持つ英雄譚の仕組みを解き明かした本とのこと。で、『スター・ウォーズ』を撮ったジョージ・ルーカスも、この本を参考にしてこの映画を撮ったとか撮らなかったとか。 ふーーん。そうなのか。興味あるね。 そう言えば、私が学生の頃、文化人類学とか神話学とか、まだ結構盛んだったのよ。だから私もそういう類の本をちょこちょこ読んだ記憶がありますが、この本のことは知らなかった。でも、名著だと聞かされたら、読むしかないっしょ。 ま、今は卒論指導でそれどころではないのですけれども、今の内に買っておいて、暇になったら読もうっと。 それにしても、うちの科のコーヒー・タイム、こういう情報がガンガン入って来るので、楽しいです。やっぱり文学だけじゃなく、哲学とか、社会学とか、色々な専門の先生がごちゃまぜに揃っている科って、刺戟があっていいな。
December 21, 2016
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今日は特に雑用もなく、本来であれば卒論指導に邁進できるはず・・・だったのですが、なーんかこう、やる気が出なくて、結局、ダラダラと別に今読む必要もない本ばかり拾い読みして過ごしてしまいました。 で、その「必要もない」本の一冊が、昨夜買った村上春樹の『職業としての小説家』。半分くらい読んだかな? ひょっとして村上春樹さんが書いたものを読むのは初めて? なんですけど、ふうむ、毎年ノーベル文学賞候補と騒がれる人の書く文章というのはこういうものかと。 で、内容的にちょっと面白かったのは、村上さんが小説家になるきっかけを綴ったところ。 1978年、仕事の合間に神宮球場の外野席の芝生に座ってヤクルトの試合を見ていた時、1回裏のヤクルトの攻撃でトップバッターのデイブ・ヒルトンが相手ピッチャーの初球をカコーンとはじき返し、二塁打にしたんですな。で、その刹那、何の脈絡もなく、「そうだ、僕にも小説が書けるかもしれない」と思ったと。 で、実際、そうなった。もちろんその天啓から『風の歌を聴け』が書きあがるまでには丸1年の時間が掛かるのですが、とにかく、ふわっと天啓が降りてきて、実際その通りになった。 この感じ。これはリアリティがあるわ~。そういうことって、きっとあるんだろうな、っていう感じがヒシヒシとする。 あと、最初に書いた小説が某文学賞を獲ることになるのも、それこそ天啓のように、「あ、これは僕がとるんだな」っていうのが分かったそうで。それも、何となく分かる気がする。 だけど、村上さんの場合、凄いなと思うのは、それ以後、一度もスランプがない。脂汗流して、髪の毛かきむしって、創作の苦しみの中で書く、というアレがなくて、スラスラ~っと書けちゃうらしいんですな。もちろん一旦書きあがった後の壮絶な書き直しはあるとはいえ、書けなくて悩むということは一度もないと。 しかも、注文は受けないので、自分が書きたい時に書く、というスタイルを崩したことがないと。基本、長編作家なので、書くとなったら集中して1年くらい、それ以外のことはしないで書く。雑用・雑音を避ける意味もあって、国外で書くことも多いと。 ひゃー、かっこいい! まあ、色々な点で村上春樹さんというのは例外的な作家なんだろうし、これを読んで「作家」という職業の何たるかが分かるという体のものでもないのでしょうけれども、自分のことを事実にもとづいて書いておられるので、面白いですよ。 ただ、うーん、何て言うのかな、これがエッセイだからかも知れないけれども、文章に棘がないよね。棘がないのはもちろんいいことだけれど、なさ過ぎるというか。まろやか過ぎて、ハイジの白パンみたいな文章。 その棘のなさの一つの要因は、ダッシュを使った文章が多いことかな。ダッシュを使って、全部棘を抜いちゃうのよ。分かる? 言っていること? 例えば・・・ 僕が見るところをごく率直に言わせていただきますと、小説家の多くは――もちろんすべてではありませんが――円満な人格と公正な視野を持ち合わせているとは言いがたい人々です。(11頁) とかね。「俺に言わせりゃ、小説家なんて全員、非人格者だ」と言いたいところ、これじゃ棘があるってんで、「――もちろんすべてではありませんが――」というダッシュ文で棘を抜いちゃう。ダッシュ自体が、視覚的には棘なんだけど、その棘を使って、文意の棘を抜いちゃっている。その他・・・ 小説なんて――「小説なんて」という言い方はいささか乱暴ですが――書こうと思えばほとんど誰にだって書けるからです。(16頁) そして彼らの書いた作品の多くは――当時はそれなりに話題になり、脚光を浴びたものですが――今ではおそらく一般書店で入手することがむずかしいかもしれません。(21-22頁) 乗り越えられなかった人は多かれ少なかれ、途中で姿を消して――あるいは存在感を薄めて――いくことになります。(30頁) 相手が――少なくとも多くの場合――好意で言ってくれていることはわかるんだけど、・・・(70頁) 文藝春秋はそれを商売としてやっている――とまでは言わないけど、まったく商売にしていないといえば嘘になります。(72頁) 僕らは――少しでもジャズに興味を持つ人であればということですが――セロニアス・モンクの音楽をけっこう頻繁に耳にしていますから・・・(94頁) 歳月を経てある程度――もちろんあくまである程度ですが――自分で納得のいくものが書けるようになっても、・・・(104頁) そこにとりあえずあるものを――もうひとつぱっとしないがらくた同然のものしか見当たらないにせよ――とにかくひっかき集めて、・・・(133頁) ま、こんな感じで、村上さんの文章の中には沢山の――もちろん、ここには目に付いた例だけを引用したわけですが――ダッシュ文がある。 こんなにやたらにダッシュ文書く人って、いる? もう、私なんざ、気になって仕方がないんですけど。これは、エッセイだからそうなのかしら。それとも、小説の方もそうなの? というわけで、このダッシュ文だらけのエッセイ――それが気にならない人には、という意味ですけど――、教授のおすすめ!です。職業としての小説家 [ 村上 春樹 ]価格:680円(税込、送料無料) (2016/12/20時点)
December 20, 2016
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レイトショーで話題の『スター・ウォーズ ローグ・ワン』を観てきちゃった。それも、長久手イオンで。 やっぱ、新しい映画館、いいわ。スクリーンも巨大。音響も凄い。 で、肝心の映画なんですが・・・うーん、どうなんすかね。 まあ、別に『スター・ウォーズ』ファンというわけではないし、シリーズ全作品を観ているわけでもないので、ファンの方とは思い入れが違うと思うのですが、CGをふんだんに使った壮大な映像に比べ、ストーリーがシンプル過ぎはしないかと。 40年前に作られた最初の『スター・ウォーズ』、まあ「エピソード4」って言うんですか? あれはさあ、良く出来た映画じゃん? お姫様を救いに行く若き剣士っていうベースラインがありーの、そこまで行くための剣士の努力と成長の物語がありーの、そもそも剣士が剣士であることを自覚するまでの過程がありーの、色々な思惑を持った登場人物同志の関係性がありーの、それでも最終的にはチームワークで悪をやっつける的な側面がありーの、ってな具合で、物語を構成する要素がたっぷりあった。 だけど『ローグ・ワン』には、そういう複雑さがないもんね。 ただ、今回、「北欧の至宝」ことマッツ・ミケルセンがいい役で出る。それだけだね。あと、最後の最後で「彼女」が登場するのにちょっとときめいたかも。『フォースの覚醒』の最後で「彼」が登場した時と同様に。 ということで、点数をつけるとすると・・・「70点」かな。ギリギリ及第ということで。見る価値なしとは言わないけれども、って感じ。 ところで、今回はレイトショーを観る前に、夕食もイオンのフードコートで済ませたのですが、広いね、ここ。色々なものがある。今回は「テキサスキング・ステーキ」というお店でステーキを食べたのですけど、次は「とん一」でトンテキでも食べちゃおうかな。 あと、「未来書店」という本屋さんがあったので、チラッと見て、なんと私にしては超珍しい本を買ってしまった。村上春樹の『職業としての小説家』っていうエッセイ集。村上春樹の本なんか、初めて買ったかも。パラパラめくってみて面白そうだったので買ってみたのですが、さて、どんな感じでしょうか。またそのうちレポートしますね!職業としての小説家 [ 村上 春樹 ]価格:680円(税込、送料無料) (2016/12/20時点)
December 19, 2016
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荻原魚雷さんのブログ「文壇高円寺」を流し読みしていたら、12月8日の回に以下のような一節がありまして: そのあと新刊書店と古本屋をまわる。岩波ブックセンターは神保町に行くとかならず寄る店だった。灰色のブックカバーも好きだった(型くずれしにくい)。神田伯剌西爾でマンデリン。仕事せず、だらだらすごす。 で、何の気なしに読み進んでいたのですけれども、ふと、何故に「かならず寄る店だった」と過去形で書いてあるんだ? と気になり、まさかとは思いつつもネットでググったところ、「信山社・岩波ブックセンター」が閉店したことを知った次第。 ウッソーーん! あの岩波ブックセンターが?? はあ・・・。ついにそんな時代がやってきましたか。 岩波ブックセンターってのはですね、本の街、神田・神保町の真ん中、靖国通りと白山通りが交差するあたりにある本屋さんでありまして、基本、ワンフロアですから、そんなに店舗面積は広くないのですが、岩波書店の本を中心に人文書の品揃えが素晴らしかったんですわ。例えば、それこそ三省堂とか東京堂に置いてない本が、岩波ブックセンターに置いてあった、なんてこともあるくらいで、人文系の研究者にはありがたーいお店でね。仕入れの目利きさえあれば、この程度の規模の書店でも大書店に対抗できるじゃん、と思わせるところがあった。 私は自宅から大学に通うのに、一番便利な山手線ではなく、わざわざ都営地下鉄線を使って神保町経由で通ったほど、神保町に入り浸っていたのですが、都営新宿線と三田線の交差する神保町で地下鉄を降り、階段を上がって表に出ると、まず最初に入るのが岩波ブックセンターだった。その意味でこの店は、私にとって本の街の玄関だったんです。 それが閉店・・・。しかも大分負債があるらしい・・・。うーむ。 まあ、かく言う私も、最近はリアル本屋さんに行かないからな・・・。名古屋でも名駅とか栄まで行けばジュンク堂などがありますが、家の近くでは私の買うような本を売っている本屋さんなんかないので、仕方なくアマゾンなどのネット書店に頼らざるを得ない。アマゾンなら、新刊書も古書も売っていますしね。ポチするだけで手間要らず。これじゃあ、リアル書店の経営が危機に瀕するのも無理ないですよね。ましてや、岩波ブックセンターみたいに、真面目な人文書だけ売っているような店だと、とてもやっていられないでしょう。 岩波ブックセンターの店主・柴田信さんは、この10月に86歳で亡くなられたようですけれども、ひょっとしてアレかな、会社はもう経営破綻していたけれど、柴田さんが亡くなるまでは、っていうのがあったのかな。そんなことを想像すると、余計悲しいけどね。 今やすっかり名古屋人で、神保町をわが町として闊歩していた私も、大分この町と縁が薄くなってしまいましたが、本にまみれていた若き日の思い出の中にある岩波ブックセンターのことを今日は思い出しながら、あの人文書の虎の穴に感謝の意を表することにいたしましょう。長いこと、ありがとうございました。
December 18, 2016
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いやあ、ついについに、クルマ、買ってしまいました~! 次期愛車、決定!! 何買ったと思う? え? 何だと思う? 興味無い?? 興味無くても言っちゃうよ。 なんと、ルノーのキャプチャーでーす! またもフランス車! フランス車からの、フランス車! どんだけフランス車好きなんだって。 今回は、今、自動車業界で最も注目を集める「コンパクトSUV」のカテゴリーからチョイス。時流に乗っちゃった。だけど、ルノー買う奴は限られてますからね。人とかぶることは、あんまりないでしょう。 それにしてもキャプチャー、いいよ~。まずデザインが最高! デザイナーは、今、油の乗りきったローレンス・ヴァン・デン・アッカーだからね。そしてパワートレインも1.2リッター・ターボ(私の人生で初のターボ車!)、それを6速のDCTで駆動というね。このDCTがまた実に滑らかなのよ。まったく変速ショックがない。 でまた外装色がシック。今回は私には珍しくブラック&アイボリーのツートーン。そこに、オプションでトリコロールのルームミラー・カバーつけて差し色に。決まった・・・。オサレ・・・。オサレ過ぎる・・・。 ちなみにルノーは、自社のクルマのそれぞれにライフ・サイクル上のテーマを決めているのですが、キャプチャーのテーマは「Explore Your Life」、すなわち「人生の冒険の旅に出よう!」ですからね。私もこの新しい相棒と共に、あらためて人生の冒険の旅に旅立とうかなと。 というわけで、私の現在の愛車、シトロエンC4とは、あと数週間でお別れなんですけれども、格安中古で買ったこのクルマ、それでも3年間と4万キロを共にし、その値段分以上に私を楽しませてくれたかな。 このクルマ、まず内外装のデザインが素晴らしかった。特に後ろから見た時のまるっとしたお尻がキュート! 内装もクリーム系だったので、明るかったですしね。そして大きさも、小さくもなく、大きすぎもせず、絶妙。また、ごく普通の2リッター自然吸気エンジンでしたけど、フランス車の常というか、スペック以上に力感のあるエンジンで、80キロくらいから140キロくらいまでの速度域でのスピードの乗りがすごかった。高速道路上ではまさに「怒涛の加速」。下手なスポーツカーなんて簡単にまくれた。 そして、ラミネーテッドガラス採用による静粛性の高さも特筆もので、前車アルファロメオが割とうるさいクルマだったこととの比較もあって、静かなクルマ、というイメージがありました。 欠点としては、荒れた路面での足(特に後ろ足)のドタバタ感で、これは前に乗っていた「猫足」のプジョー306と比べて、ちょっとアレでしたけれど、ひょっとしたらタイヤが大きすぎたのかも知れません。日本仕様は、デザイン優先で、かなり大きくて扁平率の高いタイヤを履いていますからね。本来のシトロエンはもっと細いタイヤで動かすべきものなのかも。 でも、トータルで見て、良いクルマでした。私らしいクルマだったんじゃないかな。 そして、次のキャプチャーも、私らしいクルマなんじゃないかなと。実は、走り味に関してはフォルクスワーゲンのゴルフ7も素晴らしいと思ったのですが、何と言ってもゴルフは「質実剛健」だからね。質実剛健って、私らしくないでしょ。私は、質実剛健の正反対、外連味勝負の人だから。やっぱりルノー・キャプチャーくらい外連味がないと、私のクルマって感じがしない。 ま、とにかく、今年は年頭に家内用のクルマとしてマツダ・デミオを買い、年末にワタクシ用のクルマとしてルノー・キャプチャーを買い、1年で2台のクルマを買う「クルマの年」となったのであります。 それにしても、新年早々、キャプチャーがわが家にやって来るの、楽しみだなあ! だけど、それと同時にシトロエンC4との最後の数週間、最大限に楽しもうっと!
December 17, 2016
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今年もあと二週間余り。そろそろ本ブログでも年末企画を始めようと思うのですが、その第一弾は「今年読んだ本ベスト10」。私が仕事上、あるいは趣味で読んだ本のうち、特に感銘深かった本をベスト10形式で発表して参ります。 では、第10位から!第10位:エミール・クーエ著『自己暗示』。自己啓発思想史で、結構重要な地位を占める本。自己暗示新装版 [ C.H.ブルックス ]価格:2052円(税込、送料無料) (2016/12/16時点)第9位:ノーマン・カズンズ著『笑いと治癒力』。米国の有名なジャーナリストは、いかにして病魔と闘ったか!笑いと治癒力 [ ノーマン・カズンズ ]価格:1058円(税込、送料無料) (2016/12/16時点) 第8位:スティーヴン・R・コヴィー著『7つの習慣』。言わずと知れた、自助努力本の決定版。完訳7つの習慣 [ スティーヴン・R.コヴィー ]価格:2376円(税込、送料無料) (2016/12/16時点)第7位:M・チクセントミハイ著『フロー体験 喜びの現象学』。生きがいって何? への一つの回答。フロー体験喜びの現象学/M.チクセントミハイ/今村浩明【2500円以上送料無料】価格:2621円(税込、送料無料) (2016/12/16時点)第6位:バーニー・シーゲル『奇跡的治癒とはなにか』。治癒系自己啓発本としては、かなりいい線行ってるかな。奇跡的治癒とはなにか [ バーニー・S.シーゲル ]価格:2160円(税込、送料無料) (2016/12/16時点)第5位:新渡戸稲造『武士道』。日本人の知性をなめたらいかん!武士道改版 [ 新渡戸稲造 ]価格:669円(税込、送料無料) (2016/12/16時点)第4位:M・スコット・ペック『愛と心理療法』。私、これを読んで自分でも実践。自殺まで考えた教え子を救いました。愛と心理療法 [May 01、 1987] M.スコット・ペック、 氏原 寛; 矢野 隆子9784422110837【中古】価格:562円(税込、送料無料) (2016/12/16時点)第3位:中川廣人著『相聞』。なぜか楽天で扱わず・・・。折口信夫ファン必読です。 第2位:矢沢永吉『成りあがり』。聞き書きの自伝として、素晴らしい出来。成りあがり新装版 [ 矢沢永吉 ]価格:734円(税込、送料無料) (2016/12/16時点) そして栄えある第1位は・・・ジョッシュ・ウェイツキン著『習得への情熱』でーす! おめでとうございまーす!習得への情熱 [ ジョッシュ・ウェイツキン ]価格:3240円(税込、送料無料) (2016/12/16時点) 実はこの本、昨年の末の末に読んだのですが、まあ、ほとんど今年ということで・・・。チェスの天才少年であることが、一体何を意味するのか。常人には想像を絶する世界が展開します。 ま、こんな感じかなあ。 え? アメリカ文学作品がないじゃないかって? まあ、まあ・・・。そういう時もありますよ・・・。(そういう時ばっかじゃん!!)
December 16, 2016
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今日、炊飯器が昇天しました・・・。 夕方、出かける用事があった家内が、炊飯器にお米をセットしておいて、夜に帰宅した頃にご飯が炊けているようにしておいたはずなのですが、帰宅して、さあ食べようと思ったら、なんと全然炊けていなかったという。 考えてみればこの炊飯器、私が名古屋に赴任するに当って買った家財道具の一つなので、かれこれ四半世紀使用した歴戦のつわもの。壊れたからと言って、責めることはできません。むしろ、よくぞここまで私たちの生活を支えてくれたと、褒めてあげなければ。 ちなみに、その壊れた炊飯器っていうのが、実にシンプルな作りでね。まるで御飯事の道具みたいに、ただ、下の方に電熱線みたいなのがとぐろを巻いているだけのもの。これを見ると、ご飯を炊くことなんて、実に簡単な仕組みなんだなと思います。 だけど、こんなシンプルな炊飯器なんて、今、売ってないもんね。今時の炊飯器って、なんか仕組みがすごいじゃないですか。高熱の蒸気を噴射するだの、直火だのって。お釜だって、銅製だの、炭入りだのって、えらいことになっている。値段だって、結構する。 私がこの炊飯器を買った時は、それこそ数千円位のものだったような記憶が・・・。 最近は、炊飯器ではなく、万古焼の土鍋を使ってガスの火でご飯を炊くことが多く、今日みたいにタイマーをセットして炊く時以外が出番が少なくはなっていたのですけれども、やっぱり炊飯器が家にないという状態も怖いので、これに代わる炊飯器を買わないといかんなあ・・・。 そうなればそうなったで、現代の最新の炊飯器のお手並み拝見ってわけで、楽しみではありますけど、長年使ったシンプルな炊飯器を棄てなくてはならないのは、ちょっと悲しい気も。 ま、モノはいつか壊れますから、仕方がないのだけれど、四半世紀もの間、私たちを食わせてくれた炊飯器に、感謝の意を表したいと思います。ありがとさん!
December 15, 2016
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昨年、ふるさと納税というものを初めてやってみて、実にお得なシステムであることが判明したので、今年も元気よく参加することにいたしました。 で、昨年は福井県あわら市に寄付し、宿泊券をゲットした他、長野県の白馬村に寄付してお米をもらったりしたのですが、今年はもうちょい小口の寄付をあちこちにすることにして、食品中心にお礼の品をゲットすることに。 ということで、今年はこれからアイスクリームだの、スイカだの、お肉だのお魚だの、果物だの、お酒だの、もちろんお米も、じゃんじゃん頂けることになりそうです。 普通に納税していたのでは、何にももらえないけれど、それをふるさと納税に切り替えれば、お礼状とともにこういった品々が頂けるのだから、もう、ふるさと納税するしかないよね! それに、どこに寄付するか、「ふるさとチョイス」などのサイトから選ぶのも楽しい! もう、あまりにも沢山の選択肢があって、目移りしちゃう。 今年はちょっと手が回らなかったけれど、例えば「犬の殺処分をなくす」といった寄付の仕方もあるようなので、来年はそういうのにもトライしようかな。
December 14, 2016
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まあ、世間の人は日本の外務省が行っている「Kakehashiプロジェクト」なんてものの存在を知らないでしょうねえ・・・。 でも、知ってても知らなくても、そういうのがあるわけ。で、日本から2300人もの大学生を北米に派遣し、アメリカの若者との文化交流を図るというのですな。ちなみに、この企画は2013年から実施されているとのこと。 で、うちの大学からも23人の学生が選抜されて、11月の終わりから1週間ほどシアトルに行ってきたんですな。で、この23人の中に私のゼミの学生も含まれていたもので、私はこの「Kakehashiプロジェクト」なるものの内実を知ったのですが。 で、聞いてみたら、これがまたお粗末なものなのよ。 ま、一応、事前の計画というのがあって、アメリカの中学校・高校・大学あたりに出向いて、日本の文化をプレゼンすることになっていたんですと。 ところが、向こうについてみたら、全然話が違った。 向こうでは、アメリカ人の生徒・学生の中で日本語を勉強している連中がこちらの一行を出迎え、「本物の日本人と日本語で話すチャンス」を望んでいたと。 ということで、こちらとしては英語を使うチャンスなどなし。しかも、予定していたプレゼンもほとんどするチャンスがなかったんですと。 ただ、一回だけプレゼンするチャンスがあったということで、私のゼミ生のグループでは、女の子たちが浴衣に袴を着用、その上で大きな白い紙に書道で漢字を書くパフォーマンスをやった。もちろん、そういう時用のでかい筆なんかありませんから、モップを借りて。 それだけ。 だけど、そんな程度の「交流」でも、一応は政府が介入しておりますので、「報告会」というのをやらなくてはならない。ところが、報告会をやる、なんて話は事前に聞いていなかったので、いきなり現地スタッフに「明日報告会だからね。何やったか、パワポで資料作って報告して」と言われて大慌て。徹夜で資料を作ってぶっつけ本番でやった。だから、相当しどろもどろだったようで、向こうのスタッフから批判も出たらしい・・・。 ま、そんなこんなのドタバタを1週間余りやって、それで帰国したわけですが、ゼミ生に感想を聞くと、一言で言って、まったく実りのない企画であったと。 もちろん、実りがなかったのはうちの大学が悪いのだ、と言われればそうなのかも知れません。しかし、この話自体が急に上から降ってくるので、そんな周到に準備している余裕もなく、わーっと学生募集して、二三日で企画させて、わーっと行って、わーっとやって、わーっと帰ってくるだけですからね。 うちから23人派遣されたということは、同じ企画が全国の100大学で行われたのでありましょう。その2300人の派遣によって、日米の文化交流がどれほど進展したのか・・・。そんなことは言わなくても分かるでしょう。 収穫ゼロ。そういうことですよ。 これが、わが国の外務省が考える文化交流であって、そのために一体いくらのお金が費やされたのか。仮に一人20万円かかったとしたら、その2300倍ですからね。往復の航空運賃、現地での滞在費用、食費なんかを考えたら、一人20万円じゃ済まないかもしれませんが。 お粗末だよね・・・。なにが「Kakehashiプロジェクト」だよ。大体、なんで「架け橋」と書かないんだ。アルファベットで書けば、なんか面白いとでも思ったのかね。 ま、これは氷山の一角。一体誰がどういう経緯でこういうことを考え付くのか分かりませんが、おそらく、外務省であれ、何省であれ、これと同様のしょーーーもない企画が山ほどあって、そのために日本の税金が湯水のように無駄遣いされているのでしょう。 本当に、本当に、本当に、お上ってのは馬鹿なのかね・・・。
December 13, 2016
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最近、我が家からクルマで20分ほど行ったところにイオン・モールができまして・・・。おかげでエライことになっております。 とにかく、渋滞がすごい。すべての道はイオンに通ず、じゃないけど、イオンの方向に向かうあらゆる道路が朝9時台から渋滞しちゃって。 みんな、そんなにイオンに行きたいの? たかがイオンだよ? イオンなんて、どこにもあるじゃん? っていうか、この国中、イオンだらけじゃん。むしろイオンしかないじゃん。地方の個人商店なんてイオンに負けてみんな潰れたじゃん。国破れてイオンあり、じゃん。 まあね、日本人の新しモノ好きと言いましょうか、新規オープンしたものは何であれ、とりあえず見に行こうという意欲、これが日本の近代化を進めてきたのだと言ってしまえば、それまでですが。 猛烈な好奇心と同時に、熱が冷めやすいのも日本人の特質。もう少し我慢すれば、元に復すのでしょうけれども、当分、イオン方面の道路は使えないなあ・・・。 ま、私がこの新しいイオンを視察するのは、しばらくしてほとぼりが冷めた頃でいいか・・・(なんだ、結局お前も行くんかい?!)。 えーーー、だって、新しいイオンに入っているという「いきなりステーキ」で、ステーキ食べてみたいんだもーーん。 ま、こうやって、この国中、イオンだらけになるんだろうな。
December 12, 2016
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今年の日本カー・オブ・ザ・イヤーが「スバル・インプレッサ」に決定したというニュースを受けまして、今年もやったろうじゃないですか、「釈迦楽カー・オブ・ザ・イヤー」選出を! 皆さんも楽しみにしていたことでしょう? (そうでもない?) で、その前に各メーカーの総括を。国内メーカー編トヨタ プリウスが新型になりましたね。あとシエンタの新型か。どちらもあれだけエグいデザインにも拘らず、売れてしまうトヨタの販売力。それに新型としてはタンク/ルーミーが出て、こちらもあんまりパッとしないけど、そこそこは売れるんだろうな。 しかし、今年のトヨタで見どころと言えたのは、「C-HR」の発表じゃないでしょうかね。デザイン的には相変わらずエグいけれども、プリウスやシエンタと比べると、遥かにバランスがいいのではないかと。小型SUVは今一番売れ筋ですから、来年の発売と同時に、街に溢れ出すのではないでしょうか。ニッサン 今後の自動車の方向性を占う「自動運転」の方向に振ったセレナの評判がいいようですけれども、何と言っても「ノート e-Power」が売れまくって、ついに30年ぶりにトップセラー奪取。本ブログでも報告しましたが、私もこのクルマに試乗してビックリですよ。トヨタ式のハイブリッドではなく、リーフ由来の電気自動車を土台とし、これに発電用エンジンを積む形で実現したシリーズ式ハイブリッドの乗り味の良さたるや。発進から停止まですべてアクセル操作だけでこなせる運転感覚の新しさは特筆モノ。売れるのも理解できます。 一方、このクルマに対する自動車メディアの取り上げ方の画一的でつまらないこと。「これは電気自動車と言えるのか」「なぜこれだけ大きなエンジンを、動力に使わないのか」「新しいパワートレインという言い方は誤解を招く」等々・・・。五月蠅いって言うんだよ! そんなこたぁユーザーには関係ないだろ! どんな形だろうが、運転が面白いクルマで、燃費だってそこそこ良ければ御の字だよ。まあ、このクルマについてのつまらないコメントを読んで、日本の自動車メディアがいかにダメかってことが良くわかりましたわ。ホンダ フリードが新型になりました。だけど、今年のホンダはやっぱり「NSX」の復活が最大の話題。バブルの頃に出た初代NSX同様、新型も色々批判されるのでしょうけれども、日本独自のスポーツカーを世界に訴えたその意気やよし、ということにしておきましょうかね。でもNSX買えるお金があったら、ポルシェを買うね、私なら。タダでくれるっていうのなら、もらっておくけど。マツダ デザイン戦略とスカイアクティヴ戦略が図に当たって躍進中のマツダ。特にディーゼルで攻めたその方向性は、評価されてしかるべきかと。また「Gベクタリング」など、意表を突く新技術を、マイナーチェンジを待たずに既存のラインアップに積極導入していく姿勢も素晴らしい。売れ筋のCX-5の新型も既に生産を開始したようで、きっとこれも売れることでしょう。あと、ロードスターのRFも、ちょっといいかもね。 個人的にはCX-3のデザインに大いに惹かれるものがあり、依然として次期愛車候補の一台でございます。 スバル インプレッサが新型になり、日本カー・オブ・ザ・イヤーも受賞。アメリカでの商売もお盛んなようでご同慶の至り。ただ、変速機にCVTしかないこのメーカーに、私の食指が動くことはないでしょう。三菱 こういうユーザーのことをまるで考えないメーカーに対して、言うべき言葉を持ちません。無視。スズキ イグニスやバレーノ、ソリオなど、軽自動車からのステップアップが顕著な同社。せっかくの独自路線が、今後、トヨタの介入で薄れてしまうことに若干の危惧がありますが、杞憂であって欲しい。 個人的にはラパンとハスラーとイグニスのデザインを買っております。この三台は、デザインの良さだけで買いたくなるほどですし、実際、イグニスには試乗までしてしまいましたが、ハイブリッド車特有の回生ブレーキのフィーリングに違和感大。さらにCVTというところが購入意欲を殺ぐところ。 もし、イグニスにニッサンの「e-Power」が搭載されていたら、思わず買っちゃうかもね。ダイハツ キャスト、トール、それにキャンバスあたりが今年の新顔ですかね。この中ではキャンバスのデザインにはちょっと惹かれるかな。小さいヴァナゴンみたいで。 キャンバスを若干サイズアップし、エンジンを1リッター・ターボにし、変速機をトルコンにしたら、ちょっと食指が動くけど。外国車編メルセデス・ベンツ 何と言ってもEクラスの刷新がニュース。自動運転の実現に向けての最初の布石。いつものことながら、自動車の将来を考えた骨太な哲学に敬服でございます。BMW 今のBMWのデザインにはまったく惹かれないけれども、「M2クーペ」とか、乗るといいらしいね。「駆け抜ける喜び」は今なお健在なようで。アウディ 新型A4がインポート・カー・オブ・ザ・イヤー受賞。いいクルマなんだろうけど、現在のアウディ・デザインに興味無し。VW 近々ゴルフ7のマイナーチェンジ版が出るのかな? ま、それはともかく、次期愛車選びの一端で乗ったゴルフ7には感動。まあ、機械としては完成しているわ、あのクルマ。走りの質感が、他のクルマと全然違う。同カテゴリーの日本車なんて、足元にも及んでないよ。 現在もなお次期愛車候補の一台ではあります。が、ちょっとね、真面目過ぎて地味なんだよな・・・。それに、世の中に普及しすぎていて、他人がこぞって乗るクルマに敢えて私が乗る意味はあるのか? という思いもちょいとある。それに、現在のゴルフ7のデザイナーはワルター・ダ・シルバでしょ。私、彼がデザインしたアルファ156に既に乗っていますから。同じデザイナーのクルマに二台乗るのも芸がないかなと。ボルボ XC90が新型に。実にいいデザインだと思います。モーターショーの出品を見る限り、今後、さらに素晴らしいデザインのクルマがボルボから出てくるはず。ここもメルセデス同様、哲学のあるメーカーですから、次の次の愛車候補として、私も熱い視線を注いでいくことにいたしましょう。プジョー 新型308は、走るニョッキみたいな芋っぽいデザインで興味が湧かず。モノはいいらしいですが。むしろ、小型SUVの2008とか、3008とか、その辺が今後売れ筋になっていくのではないでしょうか。ATが刷新されたからね。シトロエン 限定的ではありましたが、カクタスを実際に販売したのがすばらしい。また次期C3は、カクタスそっくりのものとなるはずで、これも興味津々。ルノー 何と言ってもトゥインゴが新型に。可愛いねえ! セカンドカーとしてだったら、全然使えるでしょ。欲しいわ・・・。さすが、ローレンス・ヴァン・デン・アッカー、デザイナーとしていい仕事してます。今、フランス系メーカーとして私が一番気に入っているのが、ここ。それに、来年はあれでしょ、アルピーヌの新型が出るでしょ。これも楽しみ。 イタリア系メーカー 現時点でアルファロメオに食指の動くクルマなし。 フィアットのチンクエチェントは相変わらず可愛いけど、シングルクラッチの自動変速機はもう時代遅れ。これが多段トルコンか、DCTになったらチンクの商品価値はぐっと上がるんだけどね。 フェラーリは、雲の上のクルマ過ぎて、私の視界に入っておりません。 ・・・ってな感じかな? ということで、2016年の「釈迦楽カー・オブ・ザ・イヤー」は・・・ 正賞としては「ルノー・トゥインゴ」に決定! そして審査員特別賞として、「ニッサン・ノート e-Power」を選出! 正賞の方はね、純粋にデザインが可愛いから。例えばトヨタとダイハツから出る「タンク・ルーミー/トール」とかの不様なデザインを見てからトゥインゴを見ると、どうしてこういう違いが出るんだろう、って思うんだよね・・・。 あと、特別賞に「ノート e-Power」を挙げたのは、実際に乗ってみて、これは新しい!って思ったから。パワートレーンとして、あの e-Power というのは素晴らしいわ。これでノートのデザインが良かったら、愛車候補になったんですけどね。 さてさて、賞をこのように決定したとはいえ、まだ時期愛車候補は決まらない。CX-3になるのか? ゴルフ7になるのか? それともまだ第三の隠し玉があるのか? 近々決定するはずの、本当の意味での「釈迦楽カー」、乞うご期待でございます。
December 11, 2016
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今日は、珍しい体験をしてきましたよ。県内の某小学校に赴き、護身術を教えてきたんです。 この企画、もちろん私が頼まれたのではなく、私のお師匠さんが頼まれたのですけれども、その小学校のPTAの皆さんが「親子で体験できる護身術」的なイベントを企画され、私の柔術のお師匠さんのところにその話がきたわけ。そこで、私はお師匠さんに頼まれて、同じ道場仲間のOさん共々サポート役として同行、現地で演武をしたり、八光流の技の中から比較的簡単に教えられそうなものをいくつか子供たちやその保護者の方たちに伝授してきたと、まあ、そういうことでございます。 だけど、日頃道場で稽古するのと違って、まったくの素人の方たち、それも小さな子供たちを含むお父さん、お母さんたちに教えるわけですから、一体どうやればいいのか、私やOさんはもちろんのこと、師匠のA先生だってわかりゃしない。 でも、引き受けた仕事ならばやるしかない! ということで、こちらも無我夢中でやって参りました。 しかし、さすがは私のお師匠さん。先生は、お仕事の上で講演をなさることはしょっちゅうなので、40人くらいの大人と子供の混成観客を前にうまいことスピーチをしておられましたなあ。 簡単な技を教えながら、武道の基本としての「姿勢の重要さ」を力説され、さらに八光流では「技を掛けよう、相手をやっつけよう」という心持では決して上手に技が掛からないことから、「こういう術理を学ぶことで、日常生活の中でも、自分の都合で他人のことをコントロールしようとしていないか、反省するきっかけになるのではないでしょうか」と、いいところを突いた解説をされておられました。 それにしても、小学生、それも低学年を含む子供たちが果たして護身術に興味を持つのかどうか、不安だったのですが、これがね、意外に興味を持つんだなあ。 それで、私のところにもちょこちょことやって来て、「一緒にやろう」とか、向こうから誘ってくれたりする。可愛いもんですな。もっとも、子どもたちの集中力は45分しか持たないですけどね。 それから、お父さんたちの中にかなり若い方もいらして、そういう方は、やはり八光流柔術に興味を持たれますね。そりゃ、わずかな動きで相手を制してしまうのですから、一度体験すれば「面白い!」と思われるのでしょう。ひょっとしたら、今日の経験で、入門を希望される方もいらっしゃるかもしれません。 というわけで、今日は朝も早くから慣れないことをやってきたわけですが、おかげで貴重な体験ができました。将来、私だって誰か、あるいは何かの団体から護身術の指導を頼まれることだってないとは言えませんからね。今日はその予行演習として、いい経験になりましたよ。
December 10, 2016
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田中美穂さんの『わたしの小さな古本屋』という本を読了しましたので、心覚えをつけておきましょう。 田中美穂さんというのは、倉敷で「蟲文庫」という小さな古本屋さんを開業されている人。で、その田中さんが、どうして古本屋さんになったのか、そして古本屋という、ある意味特殊な仕事をしながら出会った人、出くわした出来事などについて綴ったのがこの本でございます。 若い女性、それも21才とか、そんな若さで古本屋さんを始めるというのは、結構、思い切りが必要なんじゃないかと思うのですが、たまたま当時働いていた勤務先がいわゆるブラック企業みたいな感じで、身体を壊してしまって退職。でも、なんかしないと食べていけないし・・・じゃあ、古本屋さんでもやるか・・・。 ・・・みたいなノリで始めて、とりあえず不動産屋さんで安い物件を借り、なるべく手作りでリフォームして、手持ちの本、すなわち自分でコツコツ集めてきた愛読書を棚に並べるような形で開業。以来20年、何となく続いて、今では自分なりに古本屋さんとしてのスタイルも決まってきた。 ま、そんな感じらしいです。気合満々で、というのではなく、なんとなく脱力してやっているうちに、なんか続いちゃった、みたいな。 でも、結局、それは田中美穂さんのキャラクターに合っていたということなんでしょうな。 田中さんには、古本屋さんの他にもう一つの顔があって、それは「苔研究家」なんですが、苔というのは、それこそ何億年か昔のこと、海の海藻が陸に進出し、それぞれ陸生植物として進化していった時に、苔は敢えて「退化」するという戦略をとることで、他の植物に伍して陸上で生きてきたんですな。で、そんな敢えて時流に背を向けるのんびり屋さんの苔に惹かれる田中さんですから、街の片隅でひっそり開いている小さな古本屋さんなんていうのは、いわば田中さんにぴったりの職業だったのでございましょう。 そんな田中さんのお店、蟲文庫がどんなお店かは、次のようなエピソードによく表れているような気がします。 田中さんのお店に、田中さんのお友達が子供を連れて時々遊びにくるそうなのですが、その小さなお子さんがいつものように蟲文庫の中で遊んでいるうち、たまたま他のお客さんが本を買ったのを見て、「え! ここお店?!」と驚いたと。 商売っ気のない、居心地のいい家のような蟲文庫の様子が、この小さなお子さんの驚きの中に見えるようじゃないですか。 で、そんな静かなお店なんですけれども、そこはそれ、田中さんの人柄に引き寄せられるように、このお店に惹かれる人たちというのが出てくる。それは、案外有名な人のこともあり、あるいはまったく無名の市井の人のこともあり。だけど、やっぱりこの店に惹かれるだけあって、どこか田中さんと気の合うところがあるのでしょうな。そういう人たちとの様々な出会いを語る田中さんの筆は、あくまでも優しく、心地よい。 ま、そんな感じの本でございました。 実は、今年の9月末、岡山で学会があった時に、私もちょっと足を延ばして倉敷まで行って、蟲文庫に詣でようと思っていたんですわ。その時はたまたま身内の不幸があって、その計画は無期延期になってしまったのですけれも、せっかくこの本を読みましたのでね、いずれ、そちら方面に行くことがあったら、是非、蟲文庫に行ってみたいなと。その思いを強くした私なのであります。わたしの小さな古本屋 [ 田中 美穂 ]価格:842円(税込、送料無料) (2016/12/9時点)
December 9, 2016
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ちょっと前に話題になり、40万部のベストセラーとなったニューウェイブ僧侶・小池龍之介氏の『考えない練習』という本を読了しましたので、心覚えをつけておきます。 この本のタイトルは『考えない練習』ですが、これが何を意味するかと申しますと、要するに我々現代人は、無意識のうちに雑念に埋もれているというのですな。でまたその雑念というのが大抵ネガティヴなものなので、そのネガティヴ思考による独り相撲で疲弊しきっている。だから、この種の雑念の暴走をまず止めること、これが重要だと。 ではなぜ人間は放っておくとネガティヴな思考をしてしまうのかと言うと、その方が刺戟的で楽しいからだと小池さんは言います。曰く「すべての大本は、「目の前の現実はフツウすぎてツマラナイ、ネガティブな考えごとは刺戟的」ということ。新たな刺激を心に与えるために、思考はネガティブな方向へと暴走していゆくようにプログラムされているのです」。(27頁) で、じゃあ、どうしたらこの無意識なネガティヴ思考の暴走を食い止められるかというと、小池さん曰く、五感を使うことに自覚的になることだと。 つまり、我々は普段、「見えている」「聞こえている」「においがする」「味がする」「感じている」という感じで、受動的に五感を使っているわけですな。これじゃダメ。 そうじゃなくて、「見ようとする」「聞こうとする」「嗅ぐ」「味わう」「感じる」という風に、意志を持った行動に変え、能動的に五感を使う練習をする。そうやって五感を能動的に使うようにすると、考えごとのノイズ(=雑念)に引きずられることなく、「いま、この瞬間」の情報をはっきりと認知して、心が充足感を覚えるようになる(36頁)と。 ん? 「いま、この瞬間」って言いました? ははーーん。「いま、この瞬間」に意を注ぐと言えば・・・ そう! 「マインドフルネス」ですね! (本ブログ11月12日分をご覧あれ!) やっぱり仏教系の人に自己啓発本書かせると、「マインドフルネス」に行き着くわけね。 そう理解しちゃうと、小池さんの言っていることはすんなり分かってしまいます。 例えば、マインドフルネスではよく「ラべリング」ということを言う。自分の心に湧き起る感情にラベルを貼って分類し、客観視し、その段階で思考停止するという手法ですな。 で、小池さんも、大体同じようなことをアドバイスしております。その辺り、直接引用しましょう: もし、ムカつく! と思ったら、すぐにこの「ムカつく!」をカギカッコでくくってしまうのです。自分はいま、「ムカつく!」ことが真実だと思っている。それが究極の真理であり、正しいことだと思っています。 それをカギカッコでくくって、《私は「ムカつく!」・・・と思っている》《私は「ムカつく!」と思っている》と繰り返し念じてみるのです。 そして、《いま「ムカつく!」と思っていました》でも、《「ムカつく!」とこの人は考えている》でも、《「ムカつく!」と思っていましたとサ》でも、なんでも良いのです。 あくまでも、ひとつの見方や意見として、いまこの「ムカつく!」が持ち上がってきているだけなのだなと自己認識することです。そして己の感情を見つめて、それをそのまま受け入れる。第三者の視点で切り離したうえで、肯定も否定もせず受け入れるという離れ業を使って、反射反応を起こしてしまうのを食いとめるのです。(中略)すると思考の暴走がカギカッコにくくられて静まり、クリアな意識状態になるでしょう。(50-51頁) ね。これ、もろマインドフルネスのやり方です。 ま、結局のところ、こういう風にして自分の心をコントロールすること、これが、小池さんに言わせれば、「仏道のスタートでありゴール」(61頁)であると。人間の思考の大半は、外部刺激に対する反射的思考だから、そういう反射的思考が生じそうになったら、それをひっつかまえて、意識のフィルターかけて、無効化しちゃうと。 例えば蚊に刺されると痒いので、ボリボリ掻いてしまうけれども、小池さんに言わせれば、これもいかんと。なぜなら、「蚊に刺される」→「痒くて嫌だ」という反射的思考によって、「あー、クソ! 刺されたーー!」っていう反射的思考の虜になっているから。 「蚊に刺された」ことから「嫌だ」という感情までは、普通、一直線なわけですけど、そこをぐっと我慢して、「蚊に刺された」という事実だけを切り離してしまう。「ああ、自分は蚊に刺されたんだな」と。だけど、そこで思考停止。「クソ!」という感情に結びつこうとする反射を止めてしまうわけ。ただ単に「蚊に刺された」→「痒い」となり、「嫌だ!」という怒りの部分がなくなるわけですな。 で、そうやって不要な怒りを排除すると、不思議なことに、さして嫌な痒みも生じないと、小池さんは言います。 で、一事が万事。こういう風に生活すれば、不要なことに悩まされることもなくなりますよと。 結局、事実のみを客観視するってのが重要なんでしょうな。 で、そうやって自分の行動を客観視すると、如何に自分がくだらないことに対して反射的思考で対応し、自分で自分の首を絞めるようなことをやっているかが分かる。 で、自分がそうやっておかしなことをやっているな、ということに気付けば、そうしないように自分を変えることができる。だから、自分を変えるためには、その気づきが必要だと。 そしてその気づきを生活全般に広げてみる。そして、自分の言うこと、やること、すべてに対し、「それを言うこと(やること)で、自分の心は穏やかになるのか、それとも汚れるのか」を見定め、心が穏やかになることだけを選択していく。そうすれば、素晴らしい人生を送れますよと。 ま、この本が読者にアドバイスしているのは、そういうことでございます。 そうかもね。 私がこの本を読んでいて思うのは、「そうかもね」ってこと。 確かに、我々の日々の生活を振り返ると、外部刺激に対して反射的に反応しているだけだったりする。小池さんのアドバイスに従ってそういうのを改善できたら、きっと穏やかに過ごせるんだろうな、って思います。 食事一つとったってさ、テレビ見ながら食べていたりするわけですよ、我々は。だけど、そうじゃなくて、一口一口、その食物が口の中に入ってくるのを自覚し、自覚的に咀嚼し、咀嚼するごとに変化していく味や食感に集中し、堪能しつくせば、少量の食物だけで食事の喜びというのは味わい尽くせるのかも知れません。 あるいは、失敗してガックリしている友人を励ますにしても、ひょっとしたら、そうすることによって自分がいい気分になるためにそうしているだけなのかも知れない。自分の行動を一つ一つ客観的に調べて行ったら、随分と無駄なことをしているのかも知れません。 だから、小池さんの言っていることには、ある意味全面賛成なんですよ、私は。 だーけーどー。 やっぱり、ちょっとつまらないんだよなあ! 蚊に刺されたら、その蚊を怒りにまかせてペチャンコにしたいのよ、私は! 自分がいい気分になるために、他人を励ましたいの。いけ好かない奴とは、派手に喧嘩したいのよ! お笑い番組みながら、限界以上に喰いたいの。 だから、この本に書いてあることは、それぞれ素晴らしいと思うのだけど、それを全部採用しちゃったら、私はもう仏様みたいになっちゃって、ぜーんぜんつまらないから、都合のいいところだけ採用しようかなと。 そんな風に思った次第でございます。 そのせいか知らないですけど、なんかね、この本に私はさほどの魅力を感じないんですよね。言っていることはごもっともなんだけど、なんかつまらない。小池さんに対して興味が湧かない。会ってみたいと思えない。 やっぱり私は、煩悩のただ中でのたうちまわっているような人に、興味と共感を覚えるタイプの人間なんでしょう。自分がそうだからね。考えない練習【電子書籍】[ 小池龍之介 ]価格:594円 (2016/12/8時点) ところで、この本の巻末に、小池さんと脳科学者の池谷裕二さんの対談が載っていて、その中にプラシーボ効果の話が出てくる。これがなかなか面白いんです。 電気刺戟によって被験者に痛みを与えると、当然痛いわけ。で、次に、「これ、鎮痛剤です」とかいって、鎮痛剤でも何でもないものを塗り、再び電気刺激を与えると、今度は被験者は痛みを感じなくなる。これがプラシーボ効果ですよね。脳科学的に言うと、延髄の中の下行性疼痛抑制系という部分が活性化して、痛みをブロックしちゃうんですと。 ところが、今度はこの被験者にナロキソンという鎮痛剤を無効化する薬物を与えると、何と、そのプラシーボ効果が消えるというのです。 ひょえーーー! すごくない? ナロキソンという化学物質が、「鎮痛剤塗ったから大丈夫」という精神的なものを無効化すると。もう、精神世界と物質世界がつながっちゃってんじゃん。 面白いねえ。プラシーボ効果というのは、自己啓発思想にものすごく大きく係わる話なので、この話はちょっと覚えておこうっと。 それにしても、脳科学系の自己啓発って、ちょっと前まで茂木健一郎氏が中心だったんですけど、ここへ来て、池谷裕二氏の勢いがスゴイですな。となると、池谷本も一応、チェックしておかないと・・・。 読むべき本が増える一方だなあ・・・。
December 8, 2016
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昇任人事に携わっているもので、このところ後輩同僚の業績カウントなどをしておるのですが、その業績カウントに関して妙な話を聞きましてね。それは、単行本として出版された研究書を、業績としてどう判断するか、ということに係わることだったのですが。 例えばある先生が研究書を出版したとする。ところが、それは、過去において紀要に発表した幾つかの論文を元にして書いた本であったと。 その場合、うちの大学の業績カウント基準によると、この研究書は、業績としてはカウントしてはならない、というのですな。 ええ゛ーーーー? マジ? 何で?? まあ、理由としては、元となった紀要論文を既に業績としてカウントしているのだから、それを一冊の本にまとめたからといって、さらにそれをカウントしたら、業績の二重カウントになってしまうから、だそうで・・・。だから、研究書が研究書としてカウントされるためには、完全な書き下ろしじゃないとダメだと・・・。 はあ? 分かってねえな! 誰だよ、こんな基準決めたの? 誰だか知らないけど、そんなこという奴ぁ、自分で単行本の研究書を出したことが無いに決まってらあ。 だって紀要論文と単行本じゃ、まったく違うよ。論文そのままじゃ、本になんかならないぜ。本にするためには、ほとんど書き下ろしと同じ位の改稿をするんだから。紀要論文は、いわば裸だよ。単行本は服を着ている。裸のまま世間に出る人間がいないのと同じように、論文を世間に出すためには、服を着せなくちゃならない。それは、大変なことなんだぜ。そのためにどのくらいの時間が掛かるか、一度でもやったことがあれば分かるだろうに。 それに、そもそも紀要論文なんて、世間の人の目には留まらないよ。だけどそれを本にすれば、留まることもあるかもしれない。だから、本にする意義ってのはあるんですよ。 なのに、それを業績としてカウントしない、業績としてはゼロと数えるって、一体どういうこと? こういう業績カウントの基準があるということだけで、うちの大学が如何にダメか、ってことが分かるよね・・・。 いやはや、これじゃ、研究書を出そう、世間に自分の研究の何たるかを示そうっていうモチベーションが上がらないのも仕方ないな。愚かなことでございますよ、ホント・・・。
December 7, 2016
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ちょいと用があって、永六輔さんのベストセラー『大往生』を読もうとしたのですけど、これに関してちょっとビックリ。 まず、大学の図書館で借りようと思ったのですが、なんだか相当繰り返し読まれたのか、すっかり手垢にまみれている感じだったので、これだったら自分で買うかと。 ま、ベストセラーでしたからね。ふた昔ほど前に大量に世に出回った本だから、きっと今頃、アマゾンで探せば、1円の値のついた古書が100冊くらいあるだろうなと思ったわけですよ。ちょっと前のベストセラーなんて、今は大概1円ですからね。送料は257円かかるけど。 ところが。 1円の『大往生』なんかありゃしない。700円くらいするものばっか。それじゃ、定価と変わらないじゃないの。だったら、新本として定価で買うか・・・。 と思ったら、新本は絶版になっていたのでした。なるほど、それなら古書で、しかも700円位出して買うしかないわけか・・・。 それにしても、分からないことだらけだなあ。あれほど売れた本なのに、なんで古書価があまり下がらないのだろう? っていうか、それだったらどうして岩波書店は、そもそもこの本を絶版にしておくの? 復刊すれば売れるってことじゃない。 わからん。『大往生』だって言っているのに、ダイ・ハードな本なわけね。 それにしても、さすが永六輔。死してなお、その本にこれだけの需要があるとは。 そうなってくると、余計、この本、読みたくなってきた。 仕方ない。700円出して、古書を買うかな・・・。大往生 [ 永六輔 ]価格:799円(税込、送料無料) (2016/12/6時点)
December 6, 2016
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今年の新語・流行語大賞ってのが決まったそうで。流行語が「神ってる」、新語が「ほぼほぼ」だっけ? どっちも使わないな。 こういうのって、思わず自分でも使っているもの(例えば、かつての「想定内、想定外」とか・・・)もあるけど、大概はあんまり好きじゃない。 今年の場合、私のまわりに「神ってる」という言い方をする奴は居なかったので、これが流行語だと言われるまでそんな言葉が流行っていることすら知らず。まあ、野球ファンじゃないからね。 ただ、「ほぼほぼ」は居たなあ・・・。あと、「びっくりぽん」って言う奴。 で、どちらも、私がひどく苦手にしている奴がやたらに使うのよ。 そうなってくると、どっちが先か分からなくなってくるね。苦手な奴が使うから、自分ではこういう言葉遣いはしたくないと思うのか、こういう言葉を使う奴だからこそ、苦手と思うのか。 ちなみに、ワタクシにとっての最近の流行語は、「○○してくれぃ!」(@ライス)かな。理不尽に人にモノを頼むというね。 これ以上、仕事させないでくれぃ! 卒論の面倒は勘弁してくれぃ! その上で給料上げてくれぃ! そろそろ冬休みってことにしてくれぃ!
December 5, 2016
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同僚の先生から「スイスについてのアンケート」に協力して欲しい旨の連絡がありまして。 ん? スイス? なにゆえ? と思ったら、その先生のゼミ生がスイスについての卒論を書いていて、日本人のスイスという国に対するイメージを探ろうとしているのだそうで。 で、そのゼミ生君、同級生たちにアンケートを取り、例えば「スイスの国旗を知っていますか?」とか、「スイスの都市で知っている名前を挙げて下さい」とか、その他、民族衣装、音楽、文学、芸術、食べ物、産業、政治、等々について、知っていることを列挙してもらったと。 そうしたら、どうなったと思います? なんと、ほとんどの学生が白紙回答を返してきたのだそうで。 つまり、今時の若い日本人にとって、スイスについてのイメージってのはほぼゼロだと。で、あまりにも参考にならなかったので、仕方なくアンケートの対象を広げ、我々教員にも協力してもらうことになったのだとか。 え゛ーーーーー! そうなのーーーー?! いやあ、どんなことであれ、若い人たちの無知ぶりには慣れっこになっているワタクシでも、さすがにその結果には驚くねえ。 だって、スイスだよ。あの。例えば「東ティモールについてのイメージは?」とか問われたなら、白紙回答もやむなしって感じでしょうけれども、スイスだよ。 私なんか、小さい時にはスイスに憧れたもんだけどねえ。「おお、ブレネリ、あなたのおうちはどこ? 私のおうちはスイッツランドよー、きれーいな湖水のほとーりなのよー」でしょ? ユングフラウとかさあ。アルプスの少女ハイジとかさあ。あと、時計の産地じゃないの。ラクレット食べたいじゃないの。アルプス・ホルンみたいなの吹きたいじゃないの。 あと、スイスの銀行に口座持ちたいじゃないの! あと、「永世中立国でカッコいい!」とか子供の時に思っていて、長じてから「でも国民皆兵制なんだ」って知って、ちょっとガッカリするとか。(あるある!) そういうの、ないの? 今の若い人たちには?? とにかく、日本におけるスイス、かなり危機に瀕しております。絶滅危惧種に近いね。「国際化」だなんだって言うけれど、実際にはその真逆の方向で進んでますな、日本。
December 4, 2016
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先週の日曜日に今シーズンのF1世界チャンピオンとなったメルセデス・チームのニコ・ロスベルグ選手が、突然の引退宣言。恐らく、私を含め世界中のF1ファンが仰天したことでしょう。 だって、世界チャンピオンになった直後だよ?! いやあ。驚いた。私にしたら、トランプ氏が大統領選に勝ったことよりビックリしましたよ(これは予想してたしね~)。 かつてのF1世界チャンピオン、ケケ・ロスベルグの息子として生れ、幼少期より自動車レースの世界に身を置き、レース、レースで人生を送ってきたニコにとって、最高峰のレースであるF1で世界チャンピオンのタイトルを取ることが人生で果たすべき夢であったことは明らか。しかし、その夢を11年のF1生活の中でついに掴み取った瞬間、引退を決意するとは・・・。 潔いというのか、欲がないというのか・・・。 ロスベルグ本人の声明によると、F1への参戦は、世界各地への転戦があり、家族の犠牲の上に成り立つものであることに加え、チャンピオンが狙える地位に辿り着いたここ二、三年のプレッシャーは筆舌に尽くしがたいものがあった。だから、チャンピオンになる夢を叶えた今、これ以上、この世界に留まることは意味がない、と・・・。まあ、そういうことのようですが。 同じメルセデス・チームのルイス・ハミルトンが天才肌のレーサーで、速いことは速いけれども、むら気があり、時に勝つためには手段を択ばないところがあるのに対し、ニコは努力と勤勉の人。ルイスほどの天性の速さはなくとも、ウサギを追い抜く亀の手法で、一つ一つ勝ち星を重ねるタイプ。 それだけに、凡庸な私としては、ルイスよりもニコの方に肩入れして応援しておりまして、その彼が、(最終戦におけるハミルトンの卑劣な戦略にもめげず)ついに世界チャンピオンになったことを、我がことのように喜んでおったわけですよ。 そのロスベルグが、勝利のわずか5日後に引退宣言・・・。 だって、ロスベルグはまだ31歳だよ・・・。今後、もう一度、あるいは二度、三度と、チャンピオンになる可能性はあるはずなのに。 辞めた後、まだ先の長い人生の中で、最高峰のレースを戦う興奮というか、生きがいというか、そういうものを手放してしまったことに対する後悔が生じる可能性はないのだろうか? 後で、「ああ、あの時辞めたのは時期尚早であった」と嘆くことって、ないのだろうか? でも、ひょっとして、チャンピオンを獲った瞬間に辞めるっていうのは、引き際としては素晴らしいものなのかもね・・・。 どうなんだろう、その辺。世界最高峰のレベルで戦ったことのない人間には分らない世界ですが。 ま、でも、とにかく31歳の新・世界チャンピオンが、チャンピオンのまま引退という選択をしたことは、無論、考えに考えた挙句のことであったはず。であれば、ファンとしてはその結論に敬意を払うことにいたしましょうかね。 ニコ、お疲れ様でした。素晴らしいレースをありがとう。努力すれば、別次元の天才にも勝てることを証明してくれたこと、忘れませんよ。
December 3, 2016
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自己啓発本というのは、割と男性的な文学ジャンルでありまして、80年代位まではアメリカでもあまり女性向け自己啓発本というのはないんです。 ま、自己啓発本は、基本、出世したい、お金儲けたい、っていう欲望を持った稼ぎ手の人(=男性)が読むもので、女性が家を守っていた時代にはあまり女性には縁がなかったんですな。だけど現代では女性も社会に出て稼ぎ手になっていますから、当然、女性向けの自己啓発本っていうのが出てくるのも道理でありまして。 だけど、やっぱり、比べるとさ。「女性向け」っていう部分はあるような気がする。 こういうとちょっと感じ悪いかも知れないけれど、女性向け自己啓発本って、総じてヴィジョンが短期的な感じがします。つまり、今これをやることで数年後に改善するとか、そういうのじゃなくて、「今、この瞬間の気分を変えよう」っていう、刹那的な自己啓発本が多いような気がする。それは気分の変動の大きい女性特有のメンタルを逆手に取った、賢い戦略であるとは思うのですけれども。 例えば、典型的なのは上大岡トメさんの『キッパリ! たった5分で自分を変える方法』ね。「5分で変える」って自分で言っちゃっているんだから、短期的でしょ?キッパリ! [ 上大岡トメ ]価格:493円(税込、送料無料) (2016/12/2時点) で、この本の内容を象徴するのが、表紙絵にもなっている「テンコブポーズ」っていう奴。「テンコブ」っていうのは、「天に拳を突き上げる」っていう意味ですが。 別に体調が悪いとかいうわけでもないのに、どうにもやる気が出ない時って、誰にもあると思うのですけど、そういう時の対処法として上大岡さんが勧めているのが、とにかく立ち上がって思い切り天に拳を突き上げること。このウルトラマンの変身ポーズみたいなことをすると、なんかシャキっとして、やる気が出てくると。 ほら、これなら5分どころか、一瞬でやる気が出るでしょ。 つまり、やる気満々だからテンコブポーズをとることができるのではなく、逆にテンコブポーズをとることでやる気を引き出すと。脳は単純でだまし易いから、身体の動きで「やる気満々です」っていうことを脳に伝えれば、脳が勘違いしてやる気を出してくれるというわけ。 はあ・・・。 とにかく、本書にはこの種の知恵が満載でございます。 例えば「脱いだ靴は、そろえる」とかね。「冷蔵庫を片付る」とか。他にも「水の流れる場所を、キレイにする」「テレビのスイッチを切る」「難しい仕事は、カンタンな仕事をひとつ終えてからすぐにとりかかる」「夜空を見上げる」「『遅い』『今更』『どうせ』は禁句にする」「鏡の前で5分間笑う」「髪の毛の分け目を変えてみる」「いいところを見つけて、ほめる」「気乗りしないお誘いは、その場で断る」とか、そういう、「やろうと思えばすぐにも出来ること」を60個並べて、こういうことを心掛けると、少なくともちょっとだけ、自分を(いい方に)変えることができるよ、と。 まあね、上大岡さんの言っていることに間違いはない――と思います、私も。そういうちょっとしたことが、大切なのよ、きっと。 だけど、この本が120万部も売れたって聞くと、さすがにちょっと力が抜ける。ああ、こういうのが世間に求められているのね・・・。テンコブポーズ・・・。私には思いつかないな。 さて、2004年に上大岡トメさんの本が出た、その翌年の2005年に、中野裕弓さんの『ちょいスピ』が出ます。中野さんって、例の「もし世界が100人の村だったら」を日本に紹介した人(訳した人じゃなくて)。【中古】 ちょいスピ 「幸運グセ」をつけるちょっとスピリチュアルな方法 /中野裕弓(著者) 【中古】afb価格:108円(税込、送料別) (2016/12/2時点) この本は「「幸運グセ」をつけるちょっとスピリチュアルな方法」という副題が示す通り、スピリチュアル系の自己啓発本です。だから、この本の内容は、スピリチュアル系(もしくは「引き寄せ系」)で常套的に言われていることばかりなんですけど、それを「やろうと思えばすぐに日常生活に取り入れられる」ような形にちょっと変えて提示してあるところが、新しいと言えば新しい。・・・ま、新しいってほどでもないか・・・。 ちなみに『キッパリ!』が60個の方法を提示しているのとまったく同じく、『ちょいスピ』も60個のアドバイスを列挙しております。出版時期が1年しか違わないことも含め、その辺、後者は前者を意識したんじゃないの? アドバイスを可愛いイラストとともに提示しているところもそっくりだし・・・。 で、さらに『キッパリ!』には(上大岡)トメちゃんが出てくるわけですが、『ちょいスピ』には「ウメちゃん」が出てきます。「ウメちゃん」というのは、著者の中野裕弓さんの内面に住むもう一人の自分のこと。まあ、「魂」と言ってもいいし、あるいは自己啓発的には「潜在意識」と言ってもいい。自分が梅干しだとしたら、内面は梅干しの種だから「ウメちゃん」と命名されたそうですが・・・(それなら、むしろ「タネちゃん」と命名した方がよかったのでは?)。 ところで上大岡トメさんの『キッパリ!』が、単に従来のだらけた自分にカツを入れる方法を述べているのに対し、『ちょいスピ』の方はもっと大きな目標がある。それは、自分の夢をすべて実現させ、なりたい自分になる、ということ。大金持ちになるのもよし、王子様と結婚するもよし。だけど、そういうことを実現するためには、その準備として魂の知性(=Spiritual Quotient, SQ)を高めておかなくてはならない。で、この本は、そのSQアップのノウハウを伝授しようというわけ。 だから、この本で伝授しているのは、自分自身にカツを入れる方法じゃないの。自分の中に居て、自分の夢をかなえさせてくれる大きな力、すなわち「ウメちゃん」を喜ばせる方法なんです。ウメちゃんを喜ばせれば、ウメちゃんのパワーが上り、それによって自分の思い通りの人生が歩めると。 ・・・ウメちゃんねえ・・・。 ま、とにかく、そういう前提がありますから、『キッパリ!』と『ちょいスピ』とでは、アドバイスの質がちょっと違います。 もちろん、両者共通するような傾向のアドバイスもある。例えば「「捨て日」をつくる」「髪を切る」「ホワイト・ライを使う」「ありがとうを基準にする」「きれいなシーツで眠る」「「でも」「どうせ」は使わない」とかね。 だけど、『ちょいスピ』はスピリチュアル系だから、そっち系の話がちょくちょく出て来るよ。 例えば「樹木で充電する」とかね。 自分の内奥にやどるプチ神さまの「ウメちゃん」、そのウメちゃんをさらに掘り下げていくと、なんとウメちゃんは地球そのものであり、宇宙そのものともつながっている。だからウメちゃんを通じて宇宙とつながると、宇宙のパワーを感じ取ることができる。その一番簡単な方法が、大地に根差す樹木を抱きしめることであると。 はーい、こういうの、素直に納得出来る人。正統自己啓発思想組合に入れまーす。 というわけで、組合系のアドバイスとしては、「プリンセス・デーをつくる」(自分がプリンセスだと思って振る舞う)、「理想の彼のリストをつくる」(そうすれば、その通りの彼が現われる)、「空からメッセージを受けとる」、「お金のおうちを変える」(お金と仲良くするためには、お金に喜んでもらえばいい)、「なりきりリッチの日をつくる」(既にお金持ちであると想像して振る舞えば、その通りになる)、「「なりたい自分」に似合う言葉を使う」(そうすればなりたい自分になれる)、「『未来シート』をつくる」(雑誌などのグラビアから、夢のような景色の写真を切りぬいて部屋に貼っておけば、そういう景色を見下ろすような家に住めるようになる)、「一年後の自分に感謝状を書く」(まあ、読んで字の如し)とかね。 というわけで、結局『ちょいスピ』は、スピリチュアル系自己啓発思想を、『キッパリ!』の書式で綴った本、と言ってよいでしょう。 ま、そんな感じよ。 まあ、『キッパリ!』も『ちょいスピ』も、同じ穴の何とかかもしれないけれど、こういうのがやたらに売れるって聞くと、自己啓発本の研究意欲も若干萎えるね・・・。
December 2, 2016
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クルマの話となると、私も手が早いねえ。今日、大学への通勤途中に日産のディーラーに立ち寄って、気になっていた「ノート e-Power」に試乗してきちゃった。 まず中の広さですが、Bセグメントのクルマとしては十分以上じゃないでしょうか。さすがに横幅はさほど余裕がありませんが、後席の広さは特筆もの。足が組める。ただ、e-Power 搭載車の場合、電池を前席の座席の下に配置してあるので、後席に乗った人のつま先は、前席の下には一切入りません。ま、後席は十分に広いので、だからダメだ、ということはないのですが、気にする人(私のこと)は気にするかも。 で、いよいよ動かしてみる。 たまたま私が乗った時、電池の残量が少なかったせいか、発進とほぼ同時にエンジンがかかったので、電気自動車に乗っているという感じはやや希薄でしたかね。でも、エンジン音は一定で、しかもかなり上手に遮音されているので、ロードノイズに紛れてしまい、あまり目立ちません。けっこう静かなクルマです。 で、加速の感じですが、さすがにモーターですからシームレス。息継ぎが一切ない。ネット情報などから想像していたよりは加速は穏やかで、「クラスを超えた怒涛の加速」っていうほどではないかな。でも、全然悪くありません。 そして、今回試乗してみて一番印象的だったのは、ブレーキを踏む必要がない、と言い切っていいほど、アクセルだけで自在に加減速ができる、その独特の運転感覚。これは新鮮でしたねぇ。 つまり、アクセルを緩めると、ブレーキを踏むのと同じくらいの減速が得られるし、完全に停止するところまで行くので、運転中はほぼブレーキを踏む必要がない。アクセルだけで発進から加速から減速から停止まで全部こなせる。これは想像していた以上に運転が楽。画期的と言ってもいいくらいじゃないかしら。 ほんと、この「アクセルだけの運転」って、楽よ~。画期的。 ま、そういうことも含め、総合的に見て、確かに「日産ノート e-Power」は、敢えてこのクルマを選ぶだけの魅力はありましたね。例えば、トヨタのアクアと日産のノート、どちらを買うかと問われたら、私なら120%の確率でノートを選びます。乗り味が全然違う。ノートの圧勝。 ただそのことと、このクルマのデザインに納得できるかどうかは、まったく別の話でありまして・・・。 乗り出し280万円出して買うクルマとしては、ちょっとデザインが平凡すぎはしないかなと。普通のエンジンを搭載したノートと、パッと見、変わらないので、「俺は世にも斬新なパワートレーンのクルマに乗っているんだゾ!」という対外的なアピールもできませんし・・・。 ということで、ノートの新しさは十分評価しつつ、今回、私がこのクルマを次期愛車に選ぶことは・・・(敢えて書かない)。 ところで、今日、日産のディーラーに立ち寄って驚いたことが一つ。 普通、ディーラーに行けば、何らかの形で名前とか住所とか電話番号とかメールアドレスを書かせられるもんじゃん? だけど、今日、日産ディーラーでそれらの情報を尋ねられることが一切なかったという・・・。 試乗したのにだよ?! 普通、試乗する時って、名前とか電話番号とか書かせられるものじゃん。時には免許証の提示を求められることすらあるのに。 だから、今日、私の立ち寄った日産ディーラーは、結局、私の情報を何一つゲットしなかったわけよ。 考えられないな。だって、私はハッキリ「今乗っているクルマの車検は来年の3月だけど、それを通すつもりはない」って言ったんだよ。しかも、見積りまでとってもらったんだよ??!! バリバリ買う気満々の客じゃん。なのに、その客の情報を一切欲しがろうとしなかった。 いやあ、もし私がクルマのディーラーの店員だったら、絶対、そういう情報をゲットするでしょうな。それで、今日中にメール書いて「ご試乗ありがとうございました。ぜひ、ご購入のご検討をお願いします」ってジャブを繰り出す。そして次には電話をかけ、場合によっては手土産もってご自宅訪問もやる。子供が居たら、子供の誕生日まで聞いて、その誕生日には何か自腹でプレゼント買って持って行く。そのくらいはやるよ、私だったら。 私、もし日産のディーラーに勤めたら、3カ月以内にトップセールスになれると思う。1年以内に店長になれそうだ。3年以内に、地域の統合本部長になれるな。 今回、ノートを買うつもりにはなれませんでしたけど、逆に大学辞めて、あのディーラーに就職して売る側に回り、超ド級の「伝説のセースルマン」になろうかな、なーんて、ちょっと思ったワタクシなのでございます。
December 1, 2016
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