全32件 (32件中 1-32件目)
1
先日来楽しみながら読んで来た『カーネギー自伝』を読了しました。 スコットランドの貧しい手織職人の息子として生まれ、12歳で教育を終えると、週給1ドル20セントからキャリアをスタートさせ、勤勉努力の末に巨大鉄鋼産業を打ち立てた億万長者の大立物となるカーネギーですが、彼のすごいところはむしろこの先。 カーネギーはUSスチールの設立で自社を売却し、引退するや、自分が稼いだ巨万の富をいかに社会に還元するか、その一点に後半生をかけるんですな。そこが凡百のお金持ちと違うところ。 例えばニューヨークの公共図書館など、様々な都市に図書館を寄贈・・・それも1個や2個じゃなく何十という図書館を寄贈した他、大学にも巨額のお金を寄付している。 でまた、この大学への寄付というのが素晴らしいのですけど、ハーバード大学やコロンビア大学みたいな大きな大学には寄付しないの。そういうところは、何も自分が寄付しなくても十分やっていける。そうじゃなくて、地方の小規模な、しかし、立派な教育をしている弱小単科大学に寄付するわけ。 おお! 分かっているねえ、カーネギー。ただのお金持ちが適当に金をバラまいているのとはわけが違うねえ! どこかの国の天下り文科省はさ、東大にどどーーんと、そして旧帝大にどーんとお金を進呈し、残った分をまず各地方の総合大学に渡し、最後にほんの少し残ったカスみたいなのを地方の単科大学に放るわけですけど、カーネギーのやり方とちょうど逆だな。 それだけじゃないよ、カーネギーの富の分配は。例えば、川で溺れた少年を救ったはいいけど自分は死んじゃった、みたいな英雄的行動をして亡くなった人の遺族が困らないよう、基金を創設するとか。そういうこともしている。 あとね、大学教授があまりにも薄給だというので、定年退職した大学教授の生活を保障するような基金も作っているというね。 カーネギーさん、日本の大学教授の薄給ぶりも救って!! とにかく、カーネギーの後半生の「富の分配」にかけた人生ってのは、たいしたものでございますよ。 日本にも億万長者ってのが多少はいるわけでしょ。孫さんとか、柳井さんとか・・・。そういう人たちが、カーネギーの示した模範を見てだなあ、少しはその志を継ごうとか、そういう風に考えてくれるとね、いいわけですけどね。 さて、今日のワタクシはですね、どうするかってーと、西荻窪なる町に赴こうかなと思っているのでありまして。そう、古書店めぐりですな。そしてその後、新宿で旧友と会う。いかにも春休みな日を過ごそうと、こう思っているわけですよ。 というわけで、西荻窪でのワタクシの古本漁りの成果につきましては、また明日のこのブログでご報告いたします。どうぞお楽しみに〜!
March 31, 2017
コメント(0)
今回、帰省して驚いたのは、父の急激な衰え。88歳という年齢は、こちらが想像する以上に大変なんだなと。 80歳の半ばから足腰の痛みを訴えていたのですが、痛いから歩くのをやめる、歩くのをやめるから足の筋肉が衰える、足の筋肉が衰えるからさらに歩くのが辛くなる、歩くのが辛いから一日中こたつに座ったまま動かなくなる、動かないからますます全身の筋肉が落ちる・・・の悪循環。典型的なロコモティヴ症候群でございます。 こういう状態が一つでも当てはまったら、ロコモティヴ症候群を疑え、という7項目、ご存知?○片足立ちで靴下がはけない○家の中でよく転ぶ○階段を上がるのに手すりが必要○横断歩道を青信号中に渡り切れない○15分以上連続して歩けない○2キロほどの荷物を持って歩けない○布団の上げ下ろしなどが辛い この7つなんですけど、親父について言えば、一つどころか全部当てはまる。既に完璧なロコモさんですな。 で、困ったことに、「ロコモティヴ症候群にならないようにする予防運動」というのはあるのですけど、「既になってしまった人を治す運動」というのはないのね。しかも、既になってしまった人が、予防運動をするのはむしろ危険だと。 っていうことは・・・ 絶望か・・・。実際、親父を見ていると、もう、一直線に寝たきり状態へと突き進んでいるなという感じが。 やっぱりね、体が動かないと、何もすることがないから、一日中ぼんやりしちゃって、頭もボケるわ。 っつーことで、今更、運動させるというのも無理なので、せめて頭だけでも働かしてもらおうと、ワタクシ、決意しました。 昨年に引き続き、もういっちょ、親父の写真俳句集を作る。 昨年、米寿のお祝いに88句を編んだ写真俳句集を作ったのですが、今年は、その88句の選に漏れた中から落ち穂拾いみたいな感じでなんとか使えそうな父の俳句を50句選び、そのすべてにこれまた父の撮った写真を付し、100頁の俳句集を作ることにしました。 で、とりあえず釈迦楽選で50句を選び出し、今、父に見てもらっているところ。この中で気に入らないものがあったら、気に入るものと取り替えてもらって、とにかく50句を選びだし、それにつける写真も50枚選ぶという作業を課したわけですよ。 これで、少なくともしばらくの間は頭を使う仕事が出来たわけだし、それが本になる楽しみもある。そして本が出来れば、それを友人・知人に送って、礼状を受け取る楽しみもある。半年くらいは楽しめるでしょう。 とにかく、近い将来の楽しみと、そのための仕事を与え、親父のやる気というか、気力を奮い立たせるしか、今、ワタクシに出来る親孝行はないなと、まあ、そう判断したわけですな。 さて、これで少しは親父のぼんやり状態にカツを入れることができるでしょうか。希望を持って成り行きを注視していくことにしましょうかね。
March 30, 2017
コメント(0)
![]()
鉄鋼王と呼ばれたアンドリュー・カーネギーの書いた『カーネギー自伝』を読んでいるのですけれども、なかなか面白いです。 19世紀前半のスコットランドの織工の家に生まれ、一家でアメリカに移住、そこから電信技師になり、鉄道会社に勤めるようになり、24歳の時にはピッツバーグ路線区の長になるという、それこそ絵に描いたような立志伝なんですけど、努力と勤勉と、機転と人に対する親切心と、正義感と忠誠心と、そういうものを武器にトントン拍子で出世していく快進撃のメモワールは読んでいて実に痛快。まだ3分の1くらいしか読んでいないので、いかにして彼が鉄鋼業に携わるようになるかは、まだこの先のお楽しみ。 しかし、時代もいいんですよね。電信も鉄道も、まだ始まったばかりの業界なので、能力さえあれば、若くてもどんどん出世できる。でまた1860年代に入ると南北戦争が始まると、電信にしても鉄道にしても戦争遂行の観点から言っても非常に重要な産業ということになるわけで、若くして政治のトップとも直接会う機会も出てくる。カーネギーはリンカーン大統領やグラント将軍(後の大統領)とも接する機会を持つのですが、カーネギーから見たリンカーン像、グラント像なんて面白いですよ。例えばリンカーンの顔はすごく醜いのだけど、内面の感情によって光り輝く時があり、そういう時のリンカーンほど美しい顔をした人を見たことがない、とか。あと、リンカーンはダイナミックな印象の人であるの対し、グラントはよほど無口で風采の上がらない人だったんですって。 あ、あとね、アンドリュー・カーネギーもまたスウェーデンボルグ主義者であることを知ったのも、この自伝を読んだ大きな収穫の一つでした。やっぱり、19世紀におけるスウェーデンボルグの影響って、想像以上に大きかったんですな。 ちなみに、なんでワタクシがアンドリュー・カーネギーの自伝を読んでいるかと申しますと、この人もまた自己啓発思想史の中で重要な役割を果たすから。本人が鉄鋼王になってしまって、まさに自己啓発の見本となったこともさることながら、その後の影響も大きいもので。 例えば20世紀半ばの自己啓発本として有名なデール・カーネギーの『人を動かす』という名著がありますが、あのデール・カーネギーも、アンドリュー・カーネギーの影響を受けてあの本を書いたのですから。 ま、デール・カーネギーの場合は、名前が近いですからね。まったく血縁はないにしても。 しかも、もともとデール・カーネギーは「Dale Carnagey」という綴りだったのですが、後にアンドリュー・カーネギーと同じ「Dale Carnegie」に綴りを変えている。さらに、自己啓発の講演をするときも、わざわざ選んでカーネギー・ホールを使うわけよ。そんなことしたら、普通の人は、アンドリュー・カーネギーとデール・カーネギーは親戚なんだと思うじゃない。それを意図的に狙ったんですな、デールは。 そして、20世紀半ばの自己啓発本として、もう一つ有名なのがナポレオン・ヒルの『思考は現実化する』なんですが、こちらの本は、アンドリュー・カーネギーが直々にナポレオン・ヒルに対して「成功のための秘訣を探れ」というミッションを出し、そのミッションを果たした結果がこの本だったんですから。 で、この本の成立には色々興味深いエピソードがありましてね。例えば、アンドリュー・カーネギーはナポレオン・ヒルに対してこのミッションを課した時、「有名な成功者に面会するための紹介状は500人分書いてあげるけれど、経済的援助は一切しないからね」と申し渡していたというのですな。なぜなら、成功者500人に面会し、その成功の秘訣を探り、その秘訣を自分でも応用すれば、自ずと金持ちになれるから、なにも自分が援助する必要はない、というわけ。 で、この時、ナポレオン・ヒルは「その仕事、引き受けます」と答えるのですが、この時、「引き受けるか?」と聞かれてから「引き受けます」と答えるまで1分かからなかった。いわば即答したわけ。で、その即答した、ということを高く評価したアンドリュー・カーネギーは、実際にナポレオン・ヒルにこの仕事を任せた、というわけ。 で、ナポレオン・ヒルは20年もの年月をかけて成功の秘訣を探り、『思考は現実化する』の出版にこぎ着け、そしてこの本が馬鹿売れして大金持ちになる。だからアンドリュー・カーネギーのミッションは実にすばらしかったと。 ね、面白いでしょ? だけど、もっと面白いのは、実はこの話には裏がない、ということ。 本当にナポレオン・ヒルはアンドリュー・カーネギーと面会し、彼からミッションを課せられたのかどうか、それを証明するものが一つもないと。それどころか、カーネギーの紹介状を持って色々な成功者を訪ね歩いた(その中にはインドのガンジーとか、ヘンリー・フォードなども含まれる)とナポレオン・ヒル自身は言っているものの、本当にそんなことをしたかどうか、実証するものがない。唯一、エジソンと一緒に映っている写真があるので、エジソンと面会したことは事実らしいですが、その他の人々に関してはどうも眉唾だと。 ひょえ〜!! つまり、ナポレオン・ヒルって、ひょっとすると希代の詐欺師なのかもしれないわけですな。そこがまた実に面白い。 というわけで、ワタクシとしては、アンドリュー・カーネギーとデール・カーネギーとナポレオン・ヒルの3人を一束にからげて、面白い話を書きたいわけさ。次にワタクシが出す本の、相当面白い1章になることでしょう。 ま、そんな思惑もありつつーの、アンドリュー・カーネギーの傑作自伝、教授のおすすめ!です。カーネギー自伝 [ アンドルー・カーネギー ]
March 29, 2017
コメント(0)
実家のエアコンが壊れたり古くなったりしたということで、なんと、3台一気に新調するということになり、今日は朝から工事の人が来て、半日かけてエアコン3台の設置をしてくれました。これが結構大変でね。 新調した3台のうち、1台は私の部屋のものだったのですが、今まで使っていた奴は私が学生の頃、自分のお金で設置したものですから、それこそ30年もの。三菱の霧ヶ峰って、壊れないねえ・・・。 だけど、さすがに30年前のものとなると、サーモスタットの精度が低いのか、夏など凍えるほど寒くなったり暑くなったりを繰り返すシロモノでしたので、今回、思い切って新しいのにして良かった。 でも、一つ古いものが無くなると、今まで使っていた他の家具まで古臭く見えてきたりして。それでムクムクと断捨離ムードが頭をもたげてきたというね。 で、今回、ターゲットになったのは古いステレオセット。これ、レコード・プレーヤーも壊れているし、全体として使えないのですが、昔の名残りでずっと我が部屋の中心部にデンと座っていたんですな。だけど、エアコンも新しくなったことだし、思い切ってこの無用のステレオセットも捨てるかということになり。 だけど、今はなかなかモノを捨てるってのも大変じゃん? オーディオセット一式捨てるって、どうすりゃーいいの? で、市の相談窓口みたいなところに電話したりして、アレコレ問い合わせをした結果、粗大ゴミとして捨てる方法をなんとか見いだした次第。 ということで、とりあえず今回、この古いオーディオセットを処分し、新たにレコードプレーヤーだけ買い足して、後は今使っているオンキョーのステレオをベースにもう一度ちゃんとしたステレオセットを構築しようかなと。 やっぱり季節は春。これを機に古いモノを一新して、ちょっと新鮮な風を我が部屋に導き入れるのが、ちょっと楽しみになって来たワタクシなのであります。
March 28, 2017
コメント(0)
![]()
ジム・ドノヴァンという人の書いた『誰でもできるけれど、ごくわずかな人しか実行していない成功の法則』という本を読了しましたので、心覚えをつけておきましょう。 この本、冒頭の「はじめに」というところに、ドンヴァン自身の過去のことが書かれていて、その昔、お金もなく、アパートからは追い出され、この先ホームレスとして公園のベンチで瓶から直接酒をあおって一生を終えるんだ・・・と思った刹那、そんなんじゃ嫌だ、今から人生を変えよう!と決意し、その結果、今ではいい暮らしが出来ていると。自分にそういうことが出来たんだから、読者の皆さんにも同じことが出来るだろう。だから、この本を読んで、人生向上に努めてください、的なことが述べられている。 ほ、ほう、面白そうだ、と思うじゃないですか。 ところが、その先いくら読んでもドノヴァン大先生がどういう風に人生を変えていったのかについて、具体的にはほとんど何も書いてない。書いてあるのは若干の他人の例と一般論だけ。 そこがね。かなりガッカリなところなんですなあ。最初に思わせぶりなことを書いておいて、何だよ、っていうね。 で、じゃあ、ドノヴァン先生が唱導する「成功の法則」ってのはどういうもんかと申しますと、実に単純なことでありまして、まずしっかり明確な目標・ゴールを定めろと。で、その目標・ゴールに向かって不退転の決意で努力しろと。そうしたら、絶対にあなたの人生は向上するよと。 ま、そうだろうね。間違いない。 だけど、「それが出来ないから苦労しているんじゃない!」という声が四方八方から聞こえてきそうな気がする。 とにかく、この本は「目標を定めて努力しろ」タイプの自己啓発本、言うなれば「ベンジャミン・フランクリン型自己啓発本」でございます。 ただ、明確な目標を定めろというところに、つまり「ヴィジュアライズ重視」の部分に、ニューソート系の側面が若干顔を出す、という感じはある。 そういえば、ヴィジュアライズに関する逸話として、本書にこんなエピソードが登場します。 フロリダにディズニー・ワールドが完成した時、ウォルト・ディズニーは既に鬼籍に入っていたんですな。それで、ウォルトの弟のロイに向かってインタビュアーが、「ウォルトさんが生きていて、ディズニー・ワールドの開園が見られたら良かったのに、残念でしたね」と言った。すると間髪入れずロイはこう答えた:「ウォルトが最初に見たんですよ。そのおかげで今あなたが見ているわけです」。 これは、ええ話じゃないですか! 夢を見ることが、その実現に先立つっていうね。だから、夢(人生の目標・ゴール)を定めないとダメですよと。 私にとって本書の中で唯一、ちょっと面白かったのはこの一節だけ。 ちなみに、これは自分に対する業務連絡ですけど、本書の中で言及される自己啓発本ライターとしては、ナポレオン・ヒル、ノーマン・ピール、ロバート・シュラー、ジグ・ジグラーの4名、また名前は登場しないけれども「想像と理論が争うと必ず想像が勝つ」および「毎日何らかの形で自分は向上していく」という話が出る点で、エミール・クーエを参考にしていることは明らか。 それにしても、このレベルの本にして13年間に55刷かぁ・・・。自己啓発本って、何でも売れるんだねえ・・・。[ 翌日発送]「誰でもできるけどごくわずかな人しか実行していない成の功法則」【中古】 著者 ジム・ドノヴァン -110
March 27, 2017
コメント(0)
毎月26日発売のクルマ雑誌『エンジン』の最新号(5月号)を買ってチラチラ読んでいて、ふと見ると、表紙に「おかげさまで200号!」と書いてある。 ふーむ、そうですか。200号・・・。 多分ね、私、ほとんどすべて買っているんじゃないかと。大体1冊1000円換算すると、200号で20万円か・・・。結構、つぎ込んでますね・・・。 それ以前は『カー&ドライバー』を長年愛読していて、これは380円くらい(当時)だったけど、月2回発売でしたから、まあ、同じようなものか。で、『エンジン』が創刊された時、こっちの方が面白いかなと思って、『カー&ドライバー』の購読をやめて、こちらに切り替えたのじゃなかったかしら。 その時から200ヶ月が過ぎたわけか・・・。200ヶ月って何年? 17年くらいか? 17年分、創刊号から200冊そろいの『エンジン』を古書店に売ったら、いくらくらいで買ってくれるのかしら? 2000円にもならなかったりして。20万円が2000円。合わないねえ・・・。 だけど、まあ、その都度、それを読んで楽しませてもらったのだから、お金には換算できないかな。 でも、創刊から10年くらいの間は、編集長が鈴木正文さんで、彼の巻頭言は割と面白かった。一家言のある人でしたからね。でも、彼が編集長を辞めてから、この雑誌も少し、中心軸を失った感がある。哲学が無くなったといったら、少し大げさですけどね。 それでも、やっぱりこの雑誌を買い続けているというのは、何故かしら。クルマを中心にしたライフスタイル誌というのが、他にないからかな。 ライフスタイルがクルマ中心ということ自体、もう古いのかも知れませんけど、そういう世代の生き残りとして、もうしばらくは、この雑誌を買い続けるんでしょうね・・・。
March 27, 2017
コメント(0)
![]()
今日、ナポレオン・ヒルの有名な自己啓発本、『心構えが奇跡を生む』という本を読んでいたら、こんな一節がありました。「第10章 他人を動機づける法」というところに書いてあったのですが・・・ 二歳半の女の子が、クリスマスのご馳走をたくさん食べた後、父親と散歩していた。しばらく歩くと、女の子はちょっと立ち止まって、笑いながら父親を見上げて「パパ・・・」と言ってもじもじした。「え、 なに?」と父親は聞き返した。女の子は一、二秒間をおいて、話を続けた。「パパがもし『いーよ』と言うんならおんぶしてもいいよ」 誰がこのような型の動機づけを拒否できるだろうか? このように、生まれて間もない幼児でさえ、親を動機づける方法を知っている。(162頁) いやあ、いい絵だねえ・・・。論理的には破綻しているのに、これ以上ないほどの魅力をもった一言だね。やっぱり、こういうすてきな場面にちゃんと気づいて、それを文脈に沿った形で記すというところが、良い自己啓発本の決め手なんじゃないでしょうかね。心構えが奇跡を生む新版 [ ナポレオン・ヒル ]
March 26, 2017
コメント(0)
コンビーフって、食べます? 最近? 昔、子どもの頃には、結構な頻度で食べたような記憶がありますが、最近は全然。昔は、お歳暮とかで缶詰セットとかよくもらって、そういう中に入っていたのを食べさせられたような・・・。 で、子供ごころに「あんまり美味しいもんじゃないな」と思っていたのですが、テレビドラマ『傷だらけの天使』でショーケンがコンビーフの丸かじりをやってのけたのを見て衝撃を受けて以来、「味はともかく、あの食べ方はかっちょいい!」と、ワタクシのコンビーフ観に若干の修正がなされたような・・・。 だけど、それだって昔の話。この頃ではコンビーフというもの自体の存在すら忘れかけていたという。 そのコンビーフを食べたのよ。久しぶりに。 というのも、ちょっと前にどこかのカフェで雑誌を斜め読みしていた時に、コンビーフ・サンドの作り方が載っていて、写真入りで紹介されていたそれがいかにもおいしそうだったので、いつか試してみようということになったわけ。 で、実際の作り方ですが、これがまたやけに簡単。 まず小さなコンビーフ缶を買ってきまして、それと一緒にポテトサラダを買ってくる。どちらも、せいぜい150円くらいなもんです。 で、この両者を混ぜ、さらに粒マスタード適量と黒コショウを投入して、よーく混ぜる。お好みでちょいとレモン汁を足してもよござんす。 一方、山切りのイギリス食パンを2枚トーストし、バターではなくマヨネーズを塗って、上でこしらえたペースト状のものをどっさり挟み、縦半分に切って食卓に出すと。 ね、簡単でございましょ? で、実際に食べてみたのよ。そしたら、これがまた旨いの。コンビーフとポテトサラダの組合せ、なかなかのものでございます。 今回はサンドイッチとして食べましたけど、オープン・サンドにして、溶けるチーズかなんか乗せてトーストしてピザ風にして食べてもいいかなと。その場合は、パンに塗るものはマヨネーズじゃなくてトマトケチャップでもいいかもね。 ということで、簡単に作れて美味しいコンビーフ・サンド、教授のおすすめ! でございます。 さてさて、今日はこれから実家に戻ります。春休みも残り少な。少しは親孝行しないとね。 というわけで、明日からは東京からのお気楽日記、お楽しみに~!!
March 25, 2017
コメント(0)
![]()
大阪の「瑞穂の国小学院」でしたっけ? 平地にして返せとか言われておりますけど、結構お金のかかっていそうな校舎、ほとんど完成間近なのに壊すのってもったいないねえ・・・。 雑談中にそんな話をしていたところ、同僚の一人が「うちの大学で安く買い取って、サテライト校舎にしたらどうだろう?」と。 ほう! いいね、いいね。愛知○○大学瑞穂の国大阪サテライト校舎。 それだったら、アレじゃね? ミソがついた豊洲市場もたっぷり値引きしてもらってうちが買い取るというのは? 愛知○○大学豊洲サテライト校舎。これで、東京・大阪でも愛知の大学を出られますよと。 さてさて、冗談はさておき、ブルース・バートン著『誰も知らない男』という本を読了しましたので、心覚えを付けておきましょう。 『誰も知らない男』といっても、そんな本のこと、誰も知らないと思いますが、これ、1924年にアメリカで出版されると、たちまち100万部突破というベストセラーよ。 ちなみに、本書で言われている「誰も知らない男」というのは、イエス・キリストのこと。 イエスのことは誰でも知っている、とみんな思っているだろうけれど、本当にそうかな? 実は、イエスの真の姿は、誰も知らないんじゃないの? というのが、著者ブルース・バートンの言い分なわけ。 バートン曰く、イエス様と言えば、痩せ細ったなよなよっとした弱々しい男で、見た目もちょっと女性っぽいような感じで、無口で陰気な感じだけれど、それは後世の教会が作ったイメージであって、先入観なく聖書を読めば、そんなはずないと分かるだろうと。 例えば、過ぎ越しの祭りの日にイエスがエルサレムの聖堂に行くと、そこでは取税人とかががめつい商売していたりして、聖堂が汚されていた。で、それを見たイエスが怒り狂って、商売人たちのブースを破壊、生贄用の動物の檻とかも破壊しちゃったりして大暴れ。だけど、あまりの勢いに周囲の官憲も手出しができなかったと。 バートン曰く、そんなことができるのは、三十歳の健康な青年、それも長年の大工仕事で鍛え上げたシュワルツェネッガーみたいな大男だったからに違いないと。つまり、イエスは体育会系だったんだろうと。そんな頑健な男だったからこそ、40日40夜の試練にも耐えられたのだと。 そして、イエスが最初に起こした奇跡はなんだったか。結婚式の席上で、主催者が提供すべきワインが足りなくなってしまった時、これはまずいというので、たる一杯の水をワインに変えるというものだった。で、その奇跡のワインの大ぶるまいで、イエスは結婚式の客たちと共に飲めや歌えの大騒ぎをした。つまりイエスは大酒飲みの陽気な男だったに違いない。 聖書を素直に読めば、そういう新しいイエス像が、すなわち「誰も知らない男」の姿が浮かび上がってくるじゃないか。バートンの主張はそういうことですな。 例えば、イエスはある時、何十年も寝たきりの老人に向って「起きて、自分の足で帰りなさい」と命じることで、その老人の病を治してしまったことがある。で、バートン曰く、その時、イエスはきっとクスクス、クスクス、笑ったに違いないと。なんとなれば、何十年もの間、身体の不自由なことを理由に家族に対して暴君であったその老人が、家族から「身体が治ったのなら、明日は朝から畑仕事をしてもらおう」と言い渡されてしまうのだから。 で、そういう新しいイエス像、換言すれば、我々と同じような普通の人間として見直すと、彼が笑い、酒を飲み、歌を歌い、踊り、人々との交流を楽しみ、その中で自分の使命を自覚し始め、人々を救おうと希望を抱き、難局にぶつかり、悩み、絶望し、それでもなお希望を持ち・・・といった、イエスの人生の浮き沈み、人間としての苦悩がなおさら、ありありと、見えて来るじゃないかと。 そして、そういう生身の人間としてイエスを見直した場合、バートンの目につくのは、イエスがいかに傑出した広告マンだったかということ。 実は著者ブルース・バートン自身、著名な広告会社を起業した人でもあり、広告というものに対して並々ならぬ興味を持っている人なわけ。そういう経歴を持つバートンから見ると、イエスは、舌を巻くほどの傑出した広告マンに見える。 たとえば、効果的な広告のキモは何かと言えば、それは「短さ」「簡潔さ」であると。短い言葉で本質を突く。それから、誰にも分かる言葉で語ること。広告を読む人の頭の回転に合わせた言葉を選ぶこと。そして誠実であること。そういう観点から言うと、イエスは超有能なコピーライターだというのですな。 しかも、イエスの一日は常にニュースに満ちていた。もし現代の記者が「イエス番」として彼に張り付いていたら、毎日毎日、ニュースのネタに事欠かなかったはずだと。例えば、もしその当時に新聞があったのなら、新聞の見出しは「イエス、中風の人を治す」「ナザレのイエス、罪を許す権利を主張ーー有名法律家たちは異議申し立て」「マタイ氏、イエスに共鳴してナザレ組織に加入」「ナザレのイエス、昼食会への一般人の参加を歓迎」「イエス、パリサイ派の有力者たちを一喝」「イエス、宗派の違いを無視」などなど、イエスの話題で持ちきりだったに違いない。 つまり、イエスはニュースを生み出す時の人だった。 さらにイエスは有能なビジネスマンでもあった。 バートン曰く、ビジネスマンとして成功する秘訣は、他人に対して徹底的なサービスを提供することであり、逆に自分の利益を追求して本当の成功を納めた人はいないと。その観点からすると、イエスは非常に優れたビジネスマンであった。何しろイエスは「人に1マイル同行することを頼まれたら、2マイル同行せよ」と命じているのだから。通常期待されるサービスの倍のサービスを提供しろと。 つまり、聖書におけるイエスの言行録は、そのままビジネスの秘訣集としても十分通用するというのですな。 そして、これまたバートン曰く、イエスも、自分の行動をビジネスとして捉えていたに違いないと。 実際、イエスが子供の頃、エルサレムで迷子になる。で、マリアが八方探したところ、少年イエスは、聖堂で老人たちと神学談義をしていた。で、マリアが「なにしてるの! 散々探したのよ!」と怒ると、少年イエスは平然とした顔で、「何故探したの? 僕が父の仕事をするのが当たり前だと、どうして思わなかったの?」と聞いたという(ルカ2:49)。英語ですと、「Wist ye not that I must be about my Father's business?」となり、「ビジネス」という言葉がハッキリ使われている(ただし、今ではこの部分は「Did you not know that I ought to be in my Father's house?」と訳し直されている)。 とまあ、そんな感じで、イエスを健康で体育会系な、有能なビジネスマンとして捉え直すことで、もっと深く、もっと親しく、イエスの業績を考え直してみようよ、というのがこの本の趣旨なんですな。つまり、「自己啓発本として新約聖書を読み直そう」という試みであるわけ。 いやあ、面白いですよ、この本。さすが100万部のベストセラー。イエスをビジネスマンと考えるなんてなんと不敬な! という批判の大合唱にも拘らず、当時、最も良く読まれた本との評判をとっただけのことはあります。少なくとも、この本を読んでいると、もう一度新約聖書を読み直してみたい、バートンと同じように、若く、健康で、陽気で、我々と同じような、しかし、コピーライターとして、ビジネスマンとして、相当、やり手の男としてイエスを見直してみたいという思いに駆られます。 ということで、この本、教授のおすすめ!と言っておきましょう。【中古】 誰も知らない男 なぜイエスは世界一有名になったか / ブルース・バートン / 日本経済新聞社 [単行本]【メール便送料無料】【あす楽対応】
March 24, 2017
コメント(0)
今日は勤務先大学の卒業式と謝恩会がありました。 今年はたまたま私が科長でしたので、うちの科の卒業生たちを前に祝辞を述べなければならなかったのですが、いつも通り、型破りなのをぶちかましておきました。一般の卒業生たちがあっけにとられる中、私のゼミ生たちは、相変らずの釈迦楽節にニヤニヤ。 でも、とにかく、この日ばかりは巣立っていく卒業生たちの未来に幸あれと、本気で思います。 そして謝恩会。今年は名古屋駅前の某バンケット会場で行われたのですが、めちゃくちゃ料理が旨くて。立食で、このレベルの美味しさって、久しぶりですわ。上出来、上出来。 私は、ゼミ生のことは特別にめちゃくちゃ可愛がるもので、今年の3人のゼミ生、BBちゃんとシスタとアイスマンに4月から会えなくなるのはとても寂しいのですけれども、それと同時に、彼らがそれぞれ自分の進む道に進んでいくことを、非常に羨ましくも感じます。我々教員は、4月になればまた振り出しに戻るだけだけれど、彼らはまったくの新生活ですからね。新しい何かを始められるって、そのこと自体、素晴らしいですよ。 若いっていいな。最近、そう思うことが多くなりました。 さてさて、とにもかくにも今日をもって今年度の学事日程はすべて終了。春休みも残り少なになってきましたが、その残り少ない日々を目いっぱい楽しむつもり。そして、4月には新しいゼミ生を迎えることにしましょうかね。
March 24, 2017
コメント(0)
今日、今年度の紀要が印刷所から刷り上がって来たのですが、記念すべき50号となる本号は、編集長のワタクシの肝煎りで表紙デザインを一新、例年のシンプルな「紀要然」としたものから、少し色を付けたものにしまして。 で、完成した実物を見ると、うーん! なかなかいい出来ではないの! なかなか洒落ております。 で、すっかりいい気分になって、執筆者の皆さんのもとにお配りしたのですけれども・・・ ・・・反応が悪い。 「ああ、できたのね」みたいな。 それだけかよっ! せっかく苦心の表紙デザインを褒めてくれないのかよっ!! で、思うのですけど、アレだね。人っていうのは、こちらが褒めてもらいたいと思うほど、褒めてくれないもんだね。 いやあ、褒めてくれればさあ、ワタクシなんて単純だから、「でしょ、でしょ!」って大喜び、来年もまた頑張ろうと思うんだけど、なかなかそう上手くはいかないもんですな。 だからこそ思うのだけど、自分はどうだろう? 他人の業績や、他人が頑張ったことに対して、その人が期待するほど褒めているかしら。 怪しいな。 だから、褒めないとダメだね。他人を褒めよう。自分も褒めてもらいたい分、他人のことも心して褒めてあげないとね。 さてさて、明日は今年度最後のイベント、卒業式&謝恩会でございます。節目となるイベントですから、それこそ心して、一つ一つの瞬間を味わってきましょうかね。
March 22, 2017
コメント(0)
前にも書きましたが、私は昼のテレビ番組の中では「ヒルナンデス」派。徹底してお気楽だからね。別にお昼から討論とかしてもらいたくないのよ。 だ・け・ど。 ヒルナンデスに関して一つ、気になることがありまして。 ヒルナンデスの冒頭、テーマソングが流れる中、この番組のキャラクターである「フェルナンデス」と「フィル・アンデス」が何故か英語で会話を交わす。その会話というのが、Do you enjoy?-- Yes! というの。 これさあ、正しい英語と言えるのかねえ? そもそも「enjoy」は他動詞だから、目的語が必要なんじゃないの? それに現在形で尋ねるというのもなんだか不自然な感じがする。現在形で尋ねると「本当に楽しんでいるのか? 楽しんでいるふりをしているだけじゃないのか?」という含みがあるように感じられるし。気軽に「楽しんでる?」と聞く時は、現在進行形で聞くのが普通ではないかと。 だから、「Are you enjoying yourself?」とか、「Are you having fun?」とか、そんな感じにしないといかんのじゃないかしら。とワタクシは思うのだけど、英語に詳しい方、どう? せっかくお気に入りの番組なんだけど、毎日毎日「Do you enjoy? -- Yes!」って言われる度に、なんかね・・・。だって、日本中で百万人単位の人が見るわけでしょう? テレビ局にだって英語に詳しい人がいるだろうし、ヒルナンデスにはタレントのシェリーさんだって出演しているんだから、「この冒頭の英語、ちょっと変だよ」って注意すればいいのに。 閑話休題。 今朝、起き抜けに一つ、いいこと思いついちゃった。 今、私がやっている自己啓発本の研究なんですけど、そもそも自己啓発本って、アメリカと日本で異様に発達したジャンルなんですよね。 それは分っているのだけど、もっと具体的に、その他の国ではそこまでの人気ジャンルじゃないよ、ということが言いたい。フランスとかドイツとかイタリアでは、それほど人気があるわけではない、ということを、何となく言うのではなくて、実証的に言いたいわけ。 じゃ、どうすればいいか。 フランスやドイツやイタリアの人に聞けばいい・・・。 あ! 私には、同じ科の同僚にフランス人とドイツ人がいるじゃん! いや待て。それどころではない。それに加えてイギリス人、オーストラリア人、カナダ人、中国人の同僚がいるじゃないの! あ、あとブラジル事情に詳しい同僚もいるわ! いや、待て待て。さらにイタリア在住の友人と、アメリカにいるイラン人の友人がいるじゃないか。彼らに聞けば、イタリアとイスラム圏の事情も分かるし! ひゃー、なんたる恵まれた環境! これを活かさない手はないでしょう! よーし、決まった。とりあえず4月からの新年度の研究テーマの一つとして、「自己啓発・各国事情」というのをやろう! ということで、同僚・友人のみなさーん! 調査協力、よろしくお願いしまーす!
March 21, 2017
コメント(0)
『ブラック・スキャンダル』という映画を観ましたので、ちょいと心覚えを。以下、ネタバレ注意ということで。 これ、ボストンの南にある街のチンピラだったアイルランド系のジミー(ジョニー・デップ)が、町を牛耳っていたイタリア系マフィアを追い出し、その勢力を広げていくというお話。 じゃあ、チンピラ風情にどうしてそんなことが出来たかというと、弟のビリー(ベネディクト・カンバーバッチ)が上院議員になり、かつての舎弟・ジョンがFBIの捜査官になったから。 つまり、この3人にアイルランド系の結束があって、ジミーを庇護したから。特にFBI捜査官のジョンは、アニキのジミーを守るべく、一応、彼をFBIの情報屋ということにしておいて、彼の情報を元にイタリア系マフィアを壊滅させるという口実の下、ジミーに好き勝手をやらせたわけですな。それでジミーは着実に悪の帝国を作り上げたと。 だけど、やっぱり悪いことは続かなくて、結局、この3人はそれぞれ何らかの裁きを受けることになりましたとさ。 ・・・ってな話。これ、実話の映画化なんですが。 で、映画の見どころとしては、ジミー役のジョニー・デップが、いかにおっかないワルを演じるか、というところでありまして、それはまあ、成功しているとはいえる。こんな奴と出くわしたら、とりあえず道を避けるなと思わせる程度に、おっかない感じを出していましたから。 だ・け・ど・・・ それだけなんだよね! 多分、映画製作側としては、「ワルの親玉と上院議員とFBI捜査官が幼なじみだったんだよ! アイルランド系の結束ってすごくない!」みたいなことが言いたかったんだろうと思いますけれども、別に~って感じです。 やっぱりマフィア映画っていうと、『ゴッド・ファーザー』と比べちゃうんですけど、『ゴッド・ファーザー』は単なるマフィア映画じゃないじゃん。物語が重層的で、どの側面をとってもずしんとくる。ヴィトー・コルレオーネも、マイケルも、それこそソニーやトムや配下の者たちも、みんなそれぞれの個性において魅力的だし。音楽もいいしさ。 だけど『ブラック・スキャンダル』は、それと比べると浅いんだよね。「こういう、根っからのワルがいたんだ。おっそろしいね」で終わっちゃう。ジョニー・デップ演じるジミーに、かけらほどの共感も持てないし。 っつーことで、この映画に対する私の評点は・・・ 「19点」でーす! 100点満点の。観る価値なし! それにしても、実話ものって、簡単に作れるのだろうけれど、やっぱ、それなりのものにしかならないよね。もっとちゃんとしたストーリーのある物語(フィクション)が観たいもんですなあ・・・。
March 20, 2017
コメント(0)
明日締切の原稿、もう後は微修正だけだからちょろいもんだと思っていましたけれど、実際に直し始めると、これが結構、時間が掛かるんだ。 例えば、「○○については、『××』という本が詳しい」というような形で注釈を付けてあるとするじゃん? それで、何度かの推敲をくぐり抜けちゃうんだけど、十度目くらいの推敲の時にふと、「アレ?」と思うわけ。 それを言うなら、「○○については、『××』という本に詳しい」というべきではないかと。 「~が詳しい」か、「~に詳しい」か、えーと、どっちが正しい使い方なんだっけ? 悩んだ末、結局、後者を選んだわけですけれども、それでいいんだよね? ま、一事が万事、そういう調子ですよ。 でも、とにかくそういう風にして、自分の書いた原稿の中からバグを消していく。今日は、結局、その作業で一日潰れちゃった。 さて、一応、「これで完成」と思っている原稿が今、手元にあるんだけど、やっぱりもう一日寝かせて、もう一度推敲してから提出しますかね。「20日締切」と言っているのだから、明日の夜の12時までに出せばいいんでしょ? まだ24時間ちょい、あるからね。
March 19, 2017
コメント(0)
先日、「今、2本の原稿を抱えている」と書きましたけれども、そのうちの1本は15日の締切までに何とか書き上げて既に送付し、そして残りの1本は明後日20日が締め切りなんですけれども、これはほんの短いものだし、既にほぼ完成させていて、あとは微修正のみ、というところまで来た。 しかも、私が担当している紀要の編集も、昨日、私の狙い通りの表紙デザインが完成して、こちらの仕事も最終コーナーを回ったと。 つまり、今の私は・・・余裕のよっちゃん、っていうこと! ああ! なんか久しぶりに仕事の重圧がない状態だよ~。特に15日締切の原稿は書き始めから完成までに2年近く掛かって、正直、キツかったからなあ・・・。 はあ~。これが自由の味というものなのね! いやあ、こうやって仕事の重圧というタガが外れるとどうなるかというと・・・ どうなると思う? 仕事がしたくなるのよ~! 今までのような人からの頼まれ仕事じゃなくて、正真正銘、自分の仕事がしたくなる。 だから、今日はバリバリ、原稿書きましたよ。 前にこのブログでもチラッと、学会で発表するための原稿のアイディアが浮かんだって言ったじゃん? あの原稿に取り掛かろうと思って。 で、今日一日で全部仕上げた。発表原稿、8000字。400字詰め原稿用紙20枚、一気に全部書いた。もう、ほとんどマシンガン・ライティングだよ。さすがだねえ、俺。やればできるじゃん。 これでもう、いつでも発表できる・・・、というのはウソで、細かいところの調査の詰めがまだまだなんだけれども、まあ、しかし逆に言えば、後はその調査さえしちまえばいいということだから、ちょろいもの。 問題は、どこで発表するか、だーよね。ま、それはおいおい決めればいいし。 というわけで、今日はなかなかに充実した仕事ライフだったのでした、とさ。今日も、いい日だ。
March 18, 2017
コメント(0)
愛知県美術館で現在開催中の「ゴッホとゴーギャン展」を見てきました。 ゴッホにしろ、ゴーギャンにしろ、超人気画家なので、これ、昼間見ようとしたら多分、通勤ラッシュみたいな中で他人の頭越しに見ることになっちゃうと思うんですよね。だから、夜間延長のある金曜日の夜7時過ぎに入館して、8時の閉館ギリギリまで見るという作戦で行ったわけ。これ、昨年の今ごろ、ピカソ展で試して有効であることが判明しているのでね。 で、7時15分過ぎくらいに入ったのですけど、この時間でも結構人が入っていましたなあ。でも、さすがに最後の15分くらいになると、もうガラガラよ。見たい絵の真ん前でじっくり見ることができる。ちゃんと見たいと思ったら、この作戦しかないんじゃないの? とにかく、ゴッホの絵もゴーギャンの絵も、堪能いたしました。やっぱり傑出しているよね、この二人。 それにしても、特にゴッホは27歳くらいから画家になって、37歳で死んでいるでしょ。製作期間なんてたった10年だよね。それであれだけ描いたんだから、どんだけ勢いで描いたのか、ってことだよね。 わずか10年で駆け抜けるように生きるって、どういう感じだったんだろう。それを考えると、自分なんか、きっと薄ーーーい人生を生きているんだろうな。 ま、それでも結構楽しいけどね! 自分で自分の耳切ったり、自殺したりしないし。 さて、絵を堪能した後は、お腹を満たさなくては。というわけで、私のお気に入りの牛カツのお店、「京都 勝牛」に行っちゃった。ここ、旨いんだよね! 薄切りの牛カツをワサビ醤油で食べるところがなんとも。 とまあ、そんな感じで、今日はゴッホ&ゴーギャンと牛カツを堪能した一日となったのでありました、とさ。ゴッホ&ゴーギャン展は20日までですので、興味のある方はお急ぎ下さい。
March 17, 2017
コメント(0)
![]()
晋一という人が書いた『「人生成功」の統計学』という本を読了しましたので、ちょいと心覚えを。 ところでこの本、著者名が「晋一」となっておりますが、これは一体何事ですかね? だってこの人、「高田晋一」名義で同じような本を沢山書いているじゃないの。どうしてこの本だけ「晋一」なのか。意味不明。 さて、本書はその副題に「自己啓発の名著50冊に共通する8つの成功法則」とあり、執筆者がマーケティング戦略のプロ、という肩書だったので、ちょっと興味を持って読み始めたのですが、ううむ、どうかな。 この本がいかなる「戦略」によって書かれたかと申しますと、まず「自己啓発」とか「成功哲学」の名著として、何冊かの本の中でリストアップされているものをもってきて、その中で重ねてリストアップされている本、つまり、色々な人が共通して「これが名著だ」としている本であるとか、そうでなくても有名だから何となく名前くらいは誰でも知っていそうな本の中から、晋一さんが恣意的に(結局は恣意的に)50冊、選び出したと。 で、その50冊を(50冊だけを)晋一さんが読んで、その本の中で「成功の秘訣」とされているものをピックアップしてみたら60個あった。しかも、当然のことながら、その60個の「成功の秘訣」は色々な本の中で繰り返し言及されていることが分かった。 で、じゃあ、その60個の「成功の秘訣」の中で最も多くの本で言及されているのは何かと数えて行ったら、「願望達成をイメージする」ということだったと。これは50冊の自己啓発系名著の中の18冊が言及していた。つまり名著の36%が共通して「成功するためには、『既に成功した』というイメージを抱き続けることが大事だよ」と言っていたと。 で、そういう風にして数え上げていくと、60個の秘訣のうち、上位8位までの秘訣が、総計105回言及されていて、頻度が非常に高いことが分かる。つまり、この上位8位までの秘訣こそが、人生で成功するために最も重要な秘訣なんだろうと、まあ、晋一さんは判断したと。 で、その8つの秘訣とは何かといいますと、1 「願望達成をイメージする」2 「ポジティヴになる」3 「直観に従う」4 「他人に奉仕する」5 「人生の目標を明確にする」6 「他人に思いやりをもつ」7 「楽しいと思えることを仕事にする」8 「自分の価値観を明確にする」 だった。 で、以下の章では、晋一さんはこの8つの秘訣を個々に「分析」し、この秘訣が何故有効なのかを考察した、というのが、この本の内容です。 ただ、この「分析」というのがまったくもって噴飯もので、「他人に思いやりをもつと、思いやりを持たれた相手は自分に対して好意を持つ。すると、交渉事でも上手く行くことが多い。つまり、情けは人のためならず、ということなのであろう」とか、そのレベルの「分析」なんですな。こう言ってはアレですけど、それ読んだからどうだ、ということではまったくない。 大体、50冊の名著の決め方にしても、その中での「成功秘訣」の数え上げにしても、これ、ホントにマーケティングのプロのやり方なのかねえ・・・。マーケティングのプロって、こうやってデータ集めて、それを「分析」しているのかねえ・・・。私が思うに、こういうやり方は、せいぜい中学生の夏休みの宿題レベルじゃないかと思うのだけど・・・。 で、気になってこの本に対するアマゾンのレビューを見たら、その中にこんなのがありました。以下、引用しますと・・・:主にアメリカ人が書いた有名成功本&自己啓発本50冊を取り上げ、そこに共通するエッセンスを掲載率に沿って評価したものです。タイトルには「統計学」とありますが、ガウス分布的考察もなければ回帰分析もありません。単に50冊の章にかかれている見出しを「正」の字を書きながら集計したと思われる統計を基礎データとし、あまり深くない分析を加えています。50冊の解説文もアマゾンからの引用という、ほとんど著作権意識のないというか手間を省いているというか、驚愕の内容と言えましょう。はっきり言って流山産業大学(←知ってる人は超レア)の教養過程のレポート課題を3日ほどでやっつけた内容に、プロのライター&編集者が味付けをしてフィニッシュさせたという本ですね。著者が出版社に企画を話したとき、一日で出版OKとなったらしい(あとがき)ので、「スピードがビジネスの根幹」を地で行っています。総ページは200ページ弱ですが、フォントサイズと行間を変えれば30ページくらいですみます。商品説明には「どの法則が掲載率が高かったかは、実際に書店で手にとってください」とありますが、おそらく99パーセントの人は、苦笑しながら、そのまま元の場所に戻すと思われます。 ・・・だそうですが、私もほぼ同感。「『正』の字を書きながら集計したと思われる統計を基礎データとし、あまり深くない分析を加えています」という一文が、結局、この本の全てを言い表していると言えましょう。 だけど、奥付見たら、増刷されているよ、この本。驚くね。 強いて言えば、自己啓発系の本の中でしばしば言及されるのはこの8つの「秘訣」だよ、ということが分かったことが、私としてはタメになった点でありまして、この点だけはちょっと使えそうかなと。だから、私もこの本を全否定はしませんが、それにしても「この程度で・・・」という印象はぬぐえないというね。教授のおすすめ!は、もちろん、なーしーよ、と。 だけど、一つ思うのは、この世に自己啓発本は多いし、それを一応「分析」しようとする本もそれなりにあるのですが、その分析本の、自己啓発本に対する視点が全然面白くないってことですな。そこが私にはすごく不思議。 だって、自己啓発本って、すごく面白いことが書いてあるのよ。仰天するようなことが書いてある。例えば、「今あなたが見ている世界は、あなたが頭の中で作り上げた世界なので、そこに居る群衆は、実際には存在せず、あなたの頭の中にしか居ないものである。おそらく、実際には世界には70億人ではなく、数百人くらいしか居ないのではないだろうか」とか書いてあったりする。大真面目に。 面白いじゃないの! 大真面目にそんなことが書いてある本って、面白いじゃないの!! で、そんなに面白いことが書いてある本読んで、何でこの種のつまらない「分析」しか出来ないんだろうと。私はそこが純粋に理解不能。 結局、私が自己啓発本の中に見ているものと、他の人たちが見ているものって、全然違うんだろうな。同じものを見ているのに、その中に見ているものが全然違う。 だから、私がこれから書くであろう自己啓発本についての研究書は、従来のものとはまったく違うものになるでしょうな。 ま、乞うご期待ですよ。「人生成功」の統計学 [ 晋一 ]
March 16, 2017
コメント(0)
![]()
阿川佐和子さんの『聞く力』を読了しましたので、ちょいと心覚えを。 まあ、いわずと知れたベストセラーですわな。私は某「ぶ」で108円也で購入したのですけれども、2013年12月の時点で44刷だもんね。今頃は、一体何刷になっていることやら。この本が売れたおかげで、『○○する力』というタイトルの本が次々と出たし。『断る力』、『売る力』、『伝える力』に『諦める力』と・・・。ううむ、出版業界、節操がないっ! ま、それはともかく、取り立てて阿川佐和子ファンではない(それを言うなら、むしろ壇ふみファンである)私が、何故にこの本を読んだかと申しますれば、ま、これもまた一つの自己啓発本かなと思ったから。 で、軽い気持で読み始めて、ところどころ「この辺で多少は読者を笑わせてあげよう」的なサービス精神満点の阿川節に若干閉口しながらも、読後感としては決して悪いものではなかったというね。 この本は、長年インタヴューの仕事に携わってこられた阿川さんの、その経験に基づくノウハウ集なんですけれども、人の話を聞く、人から話を引き出すというのは、必ずしもインタヴュアーだけの仕事ではないわけで。我々普通の人間だって初対面の人と会って話をするということは、日常的に・・・とまでは言わないまでも、珍しいことではない。ましてや営業なんかのお仕事をされている方であれば、それこそ日常的なことでありましょう。 で、そういう時の「好ましい聞き方」の心得を得るということであれば、本書はすごく役に立つと思う。いや、それだけでなく、色々なシチュエーションで、この本に書いてあるノウハウは役に立つような気がする。 例えばインタヴューするとなると、事前に色々勉強をしていくのだけれども、あんまり事前に勉強しすぎると、えてしてつまらない結果が生じることがある、とかね。 つまり、「これだけは聞いておこう」という準備があり過ぎると、それを順番に聞いて行って、空欄が全部埋まればオワリ、みたいになってしまう。そういうインタヴューは、受ける方もつまらないし、つまらないからそれに対する返答もつまらなくなると。 だから、阿川さんは、事前の準備を踏まえた上で、聞く質問は3つ位に絞っておくというのですな。しかも、実際に話をするうちに用意した3つの質問とは別の方向に話が流れて行ってしまったとして、その流れが面白いのであれば、準備した質問とは関係なく、話が面白く流れる方に棹差すと。その方が、結果的には絶対に面白い、とか。 あと相槌は話を引き出す鍵にはなるけれども、あまり安易な相槌も逆効果だ、とかね。あと、簡単に「あー、それ分かります~」的な、安易な同調もよろしくない。相手の言ったことが、本当に分かるのであれば別、そうでなければ安易に同調しない方がいいし、むしろ分らないならなぜ分らないのか、さらに突っ込んで質問する方がいい。そこから、思いもしなかった面白い展開になることもあると。 その他、相手と話をする時に、しっかり目を見た方がいいのか、見ない方が礼儀にかなうのか、とか、相手がしゃべるテンポを重視して、こちらからそのテンポに合わせるとうまく話が聞けるとか、本書の副題通り、人の心を開かせる35のコツが、具体的な例や経験談と共に書かれている。全部が全部、実際の経験(失敗や成功も含め)から引き出されてきたことなので、説得力は非常にあります。 ってなわけで、さすがにベストセラー、人に読まれるだけのことはあるなと、そこは素直に感心いたしました。 というわけで、この本、人間関係を円滑にするコツ集だと思えば、誰が読んでもそれなりに益する本であると思います。教授のおすすめ!と言っておきましょう。聞く力 心をひらく35のヒント/阿川佐和子【2500円以上送料無料】
March 15, 2017
コメント(0)
昨日、私の所属する科の先生方がほぼ全員、インフルエンザで倒れたということを知り、かつ、インフルエンザに罹った人たちの一番近くに居たのがワタクシであったということを知り、さすがに今度ばかりは罹患を免れないかとビクビクして床に就いたのですけれども・・・ 今朝起きても、ぜーんぜん具合悪くないっ! わはは~! インフルなんか、かすりもしなかったぜ! で、ふと思い返してみたのですが、ワタクシ、インフルエンザって罹らないんだよね。確かに子供の頃に罹った記憶があるけれども、少なくとも名古屋に赴任して以来、罹ったことがない気がする。 つまり、四半世紀罹ってないと。 今年のはじめだったか、家内がインフルエンザに罹った時でさえ、ワタクシには移らなかったというね。 ということは・・・ 私はインフルエンザに対して特殊な免疫を持っているのか?! あるいは、私が妖精なので、ヒト・インフルエンザには罹らないとか?! いぜれにせよ、インフルエンザ・ウイルスより私の方が強いことは間違いない。釈迦楽教授最強伝説。 というわけで、今日のランチは「インフルエンザ罹らなかった祝い」で、外食することに。 昨日のドタバタ劇でエネルギー使っちゃった感じもしたので、今日のランチはガツンと行こうということになり、ブロンコ・ビリーでステーキを食べちゃった。 ここ、サラダバーがあるので、結構気に入っているんですよね~。で、肉食の罪滅ぼしにまず新鮮なサラダを目いっぱい食べ、そこからのステーキ。これが肉質も柔らかくてジューシー。歳とると、段々「柔らかい=旨い」になってくるのがアレですけど、とにかく肉なんてものは基本、柔らかい方が旨いのでありまして。コスパもよくて、いい気晴らしにもなりました。 さて、インフルの影響もないようなので、今日はこれからひと踏ん張りして、明日締切の原稿、仕上げちゃおうかな!
March 14, 2017
コメント(0)
いやあ! 今日はなかなかに疲れましたわ~。色々あったもんで。 今日は今年度最後の教授会があったんです。で、私は例によって内職の本を持ち込んで議事進行とは無関係に読書に熱中! と、突然、議場にとどろく大きなイビキ! あまり大きなイビキだったので、さすがのワタクシも振り返って音のした方を見た。誰だよ、寝てんのは? 俺だって寝ないで本を読んでいるのに。 すると・・・ アニキが倒れていた! そう、このブログでもお馴染み、私が舎弟を務めている「アニキ」ことK教授が椅子に座ったまま仰向けに倒れ、イビキをかいているじゃないですか! しかも、手が変な形に硬直している! ああ! クモ膜下出血? 脳梗塞? とにかく、ヤバい奴だ!! 教授会騒然ですよ。救急車を呼べ! とか、健康管理センターの○○先生呼んできて! とか。幸い、アニキはしばらくして意識を取り戻したのですが、大事をとって、救急車が呼ばれることに。 アニキ絶体絶命のピンチに舎弟の私がこうしちゃいられない。というわけで、私も救急車の後について搬送先の病院に急行! で、病院でアニキに代わって書類を書いたり、アニキのご自宅に電話して奥様に来ていただいたり、まあ、私として出来ることをやりまして。 で、待つことしばし。担当のお医者さんが深刻な顔で出て来られて。私は最悪の事態を覚悟。 そしたらお医者さん曰く、「おそらく、インフルエンザでしょう」と。 ・・・・ はい? 今、何ておっしゃいました? 「インフルエンザです」 うっそーん! 心配して損した~!! いやいや、良かった~!! どうも連日の入試業務からくる疲労とインフルが重なってのことだったらしい・・・。 だけどさあ、インフルエンザのかかり始めで、イビキかいて失神するかねえ・・・。K教授は前にもエコノミー症候群で倒れられたことがあったので、私はてっきり、血栓が脳の血管に詰まってどうかなったのかと。 まあ、でも良かった。笑い話になって良かった。 ところで、インフルエンザと言えば、昨日の後期試験の時、同僚のN先生がインフルエンザで試験監督を欠席されたんですな。 そして、日が改まった今日、同じく同僚のM先生とF先生がインフルエンザでご欠席。そしてアニキは教授会場で倒れたと。 うっそーん! うちの科全体がインフルじゃん。パンデミックじゃん。 っていうか、まだ倒れていないのは、私だけじゃん! ・・・ということは、私もこれから倒れるの? ヤバいわ。こうなってくると他人事じゃないわ。 あーん、どうしよ、どうしよ。原稿の締め切りが迫っている今、倒れるわけにはいかんよー。 誰か、タスケテー!!
March 13, 2017
コメント(0)
ひゃー、今日は国立大・後期二次試験が実施されました~。 私も試験官として参加していたのですけれども、やっぱり、段々入試に対する感じ方も変わってくるね。 若い頃は、自分自身の受験時代の記憶がまだある程度は残っているので、受験生側の立場に立てるというか、いわば同志として、「頑張りたまえ!」的なエールを送っていたのですけど、最近はさ、もう受験生の親の側の立場に立ってしまうというか。いや、それすらも通り越しているじゃん、年齢的に。 だもんで、もう、受験生が不憫でさあ・・・。孫を見る祖父の目みたいになってきちゃった。受かりたい一心で、一生懸命、受け答えとかしている受験生の様子を見ていると、もうやめてーーーって感じになるの。 「もういいよ、ほら、オムスビあげるから、向こう行って、原っぱで遊んでおいで」って言ってやりたくなる。 ワシも歳を取ったのぉ・・・。 ま、とにかく、若い人たちを試験の成績で合格者と不合格者に振り分けるなんて、嫌なもんですな。今日、それが終って、ホッとしましたわ。
March 12, 2017
コメント(0)
明日は国立大学の後期二次試験の日。受験生にとっては運命の一日ですが、私も試験官として駆り出されておりますので、大変な一日になるのは一緒かな。 ところで、今年からうちの大学は新課程発足で、試験方法もがらりと変わり、小論文に代わって面接試験となります。 つまり従来のノウハウが通用しないわけね。だから、私もちゃんとうまく試験官が務めるかどうか、結構不安なところがありまして。 ところが。 今朝がた、えらくリアルな夢を見たんですわ。 で、それはまさに面接試験の夢だったんです。私は担当試験官の役でね。 それで、夢の中で実際に面接をやってみて、うまく行ったところと失敗したところ、両方をリアルに体験し、その反省から、「次からはこうすればいいな」というのが全部わかっちゃったの。勘所が全部わかっちゃった。 で、ハタと目が覚めた。 ミステリ~! もう、昨日までの不安が一掃されちゃったよ。準備、完璧って感じ。 自己啓発の世界では、こういう話がよくあるんですよね。 つまり、何か難しい問題を抱えている時、寝る前に宇宙に頼むの。「私はこれから休みますが、寝ている間に問題を解決しておいてください」って。 すると、朝起きる時には、たいてい問題は解決していると。 ま、私の場合はまさにそんな感じでしたからね! 脳科学的には、アレでしょ? 睡眠中にも脳は眠らず、昼間あったことを反芻していて、もし悩みがあったりすると、その対処法を考えていたりするんでしょ? 例えばベンゼンの構造式(ベンゼン環)の発見者アウグスト・ケクレは、睡眠中にサルが手や足や尻尾で互いに結びついている様からベンゼン環を発見したとかいいますけど、歴史的な発見・発明の中で、睡眠中にその偉業が成し遂げられたケースは結構ある。この現象を説明するのに、脳科学的な説明法と自己啓発思想の説明法の二つがある、ということなのかも知れませんが。 とにかく、明日の準備は完璧に出来ちゃったんだから、どちらの説明でもOKですけどね! さてさて、明日はそれでOKとして、15日の締切に向けて原稿を執筆中のワタクシ、そろそろ睡眠中の奇跡に頼るとしましょうかね。
March 11, 2017
コメント(0)
先日入稿していたうちの科の紀要の初校が上ってきまして。 まあ、私は自分で版下まで作ってしまうので、初校と言ったって半ば私自身が作ったようなもんなんですけど、やっぱり実際の判型のゲラを目にすると、テンション上がるねえ。 ところで、そんなテンション上げ上げのワタクシの研究室宛てで、何だか重い段ボール入りの荷物が届いたと。 何だろうと不審に思いながら段ボールを開けると、ひゃー、豪華5冊入りの本じゃん。 何コレ? 私、こんな本、注文したっけ? と思ったら、なんと、私の知り合いの先生が出版された「個人選集箱入り全5巻」でした。 えーー、すげえ! 確かその先生は、そろそろ定年が近いのではないかと思う年齢なんですけど、してみるとアレかな、ご自身でこれまでのご研究の総まとめをしちゃったということなのでしょうか。 にしても全5冊の箱入り個人選集って・・・。 ま、もちろん自費出版なのでしょうけれども、「モノクロ100頁100部30万円」という自費出版の相場からすると、1冊最低でも100万かそれ以上かかっていそうです。となると全5冊だと500万、いや、それ以上か・・・。これを作るには、時間も労力もコストも半端なかったんじゃないでしょうか。 まあ、私自身も本を作ることにかけては並々ならぬ興味がありますけれども、さすがに個人選集をどーんと出すなんて、ちょっと厳しいかな、色々な面で。 でも、どうなんだろう。これまでの自分の業績を全部本にまとめ、活字化しちゃったら、どういう気分になるもんですかねえ。「やりきったなあ!」という感慨があるのか、はたまた「俺の人生、活字化したらこんなもんか・・・」という気分になるものなのか。 ま、それはご本人のみぞ知る、というところでしょうけれども、今日は紀要の初校と、知人の先生の豪華箱入り個人選集の両方を手にして、活字化ということについて、あれこれ考えてしまったのでした。
March 10, 2017
コメント(0)
アメリカ文化史関係の本の項目執筆を2つほど頼まれているのですけど、そのうちの一つがどうもよく書けなくて、ちょっと停滞していたのですが、今日、思い切って書き直したら、割とすんなりといいものに。自分で「いいもの」って言っちゃうのもなんですが。 一応、分量だけは書けていたのよ。だから、後はそれを微修正していけばいいと思っていたんですが、いくら微修正してもどうも気に入らない。 そこで今日は、8割方書き直してみたと。 イメージとしてはですね、ほぼ書きあがっている油絵を、一旦、全部塗りつぶして、その上からまた新たに書き直したって感じ? だから、「それ、やる?」って自分でも躊躇したんですけど、結果から言うと、やって良かった。やっぱり、微修正が効かないというのは、元の構図が悪かったんだね。だから、今日はその構図から全部書き直して、それでようやく上手く行ったと。 上手く行く時ってのは、あっさり上手く行くもんでね。 ま、とにかくこれで、とりあえずこっちの方の仕事は峠を越したと。まだ20日までは時間があるから、後は見直し、見直しでバグを潰していけばいい。 あと、今日は先日入稿しておいた紀要の表紙のデザイン案が3つ、出版社の方から提示されまして。 ま、これは自分一人では決められないので、明日、大学に持って行って、同僚たちと相談の上、三案の中から一つ、選ぶ作業をすればいい。 あとは、15日締切の原稿の仕上げだなあ・・・。 それでも、「絶対無理!」と思っていた幾つかの仕事が、少しずつ片付いて行き、どうにかこうにか、締切までには何とか終わりそうだという見込みがついただけでも、今日はちょっとホッとしました。 アレだね。やっぱりこう、「ダメだ」と思っても、それを口に出さないで、黙々とカードを配り続けていると、いつかは運が向いて、いいカードが揃ってくるってことはあるね。
March 9, 2017
コメント(0)
今日は下らない会議に午前中をまるまる潰されちゃったんですけど、午後はちょっと面白い体験をしてきましたよ。 大学院生の教え子で、この4月から県内の高校の英語の先生になった奴がいるのですが、そいつが就職のために急いでクルマを買わなくてはならないというので、そいつに付き合って中古車ディーラーを回って来たんです。ま、私のクルマに乗っけて、あちこちのディーラーを回ったという意味ですが。 普通、ないよね、そういうこと。大学の教授がだよ、指導学生のために、中古車ディーラー回りする? でも、私はするの。何故なら、クルマが好きだから! 人が買うのだって、楽しくて仕方がないんだもん。 ちなみに、教え子のI君は、基本、マツダの「ベリーサ」狙いだったんですわ。 そこがまずスゴイよね。マツダだったら、普通は「デミオ」とか買うでしょ。それを「ベリーサ」って。大体、「ベリーサ」って言って、どんな感じのクルマか、パッと頭に思い浮ぶ人の方が少ないよね。 あまり出回っていないクルマゆえ、それを売っている中古車ディーラーも少ないのですけど、ネットで探してとりあえず2軒、2台のベリーサを見てきまして。1台は乗り出し77万円。結構程度のいい上物。もう1台はもっと安くて乗り出し45万円くらい。ただし、程度はやはり77万円のよりはずっと下。 まあ、そこは考えどころですな。45万円のを買って2年くらいで乗り潰すか、77万円のを買って4、5年乗り回すか。私だったら、77万円の方に手を出しますけど。買った時の満足度が、やはり45万円のより上だからねえ。 しかし、ベリーサだけしか見ないというのもアレなので、予算60~80万円で買える他の車種もあれこれ物色。 でもそのくらいの予算だと、結局、Bセグメントのクルマになるんだよな。トヨタだとヴィッツ、ホンダだとフィットとかね。 で、ヴィッツとフィットも見たのですけど、まあ、5年落ちくらいのものが80万くらいかな。両者を比べると、フィットの方がやや上。この年代のヴィッツは前席も小さくて、なんだか落ち着かないの。 ただ、現在の最新型のヴィッツもチラッと見たのですけど、最新型のヴィッツは、座席が大分大きくなっていて、座り心地もソフトでグッド。ま、今回は予算の点で全然論外ですけどね。 というわけで、後はI君の判断ということになるわけですけど、それは彼に任せましょう。 ところで、今日のディーラー回りで面白かったことがもう一つありまして、それは、ディーラーで対応してくれた人が皆、私のことを「お父さん」って呼ぶのよ。 つまり、私のことをI君の父親だと思ったらしく、父親が息子のためにディーラー回りに付き合っていると、まあ、そういう風に取っているらしいのね。 ほ、ほう! で、I君もその対応に対して特に否定もしないので、私もつい、そのシチュエーションを受け入れてみたと。要するに、暗黙の了解のうちに、I君と私は、「父親と息子ごっこ」を始めたわけ。 で、私も調子に乗って、ディーラーの人に「いやあ、今度、コイツが就職することになりましてね。それで、とりあえずクルマが要るっていうもんで」とか、「まあ、最初だから、中古車でいいかなと。それで2、3年乗って、腕も上達したら、自分で好きなのを新車で買えばいいかな、って言っているんですよ」などと、まるで父親の言いそうなことを言ってみたりして。 で、話の端々に私のクルマ・マニアぶりが出ちゃうので、ディーラーの人も「お父さん、クルマのこと詳しいですねえ」とか、I君に向ってニコニコ語りかけたり。で、I君も「そうなんですよ、(家でも)クルマとなると目の色が変わりますから」などと答えて、話を合わせたり。 ということで、今日は半日、疑似的に「父と子の仲睦まじいクルマ選び」を演じてきた次第。 そう言えば私も大学院生の頃、恩師に付き合ってアメリカに行ったことがあって、むこうでよく親子に間違われたものでございますよ。否、親子というより、おじいちゃんと孫に間違えられることも多かったかな。恩師は実年齢より老けて見え、私は年齢より若く見られるのでね。 ま、実際、I君の実のお父さんは、私とほぼ同じ歳なので、年齢から言えば親子に間違われるのは当たり前なんですけど、それにしても、私自身としては、父親の立場になったことがないし、心の中ではそんなおっさんじゃないと思っているので、「お父さん」と呼ばれてちょっとこそばゆい感じはしたのですが、でも、半日「父子プレイ」を演じたのは、結構、面白い体験でした。 というわけで、午前中のつまらない会議と比べて、午後はディーラー回りと父子プレイで、なかなか面白いひと時となったのでありました、とさ。
March 8, 2017
コメント(0)
![]()
原稿書きの日々が続いて、少し息詰ってきたので、今日はお昼を外食することに。 と言っても、別にご馳走を食べようというのではないので、長久手のアピタに行って、サブウェイサンドを食べちゃった。あれ、旨いよね。ファーストフードの中では一番好きかな。 ちなみに、いつもは普通のパンに挟むんだけど、今日は「フラットブレッド」というのを注文してみたのが新機軸という。皆さん、食べたことある、フラットブレッド? もちもちの食感で、結構気に入っちゃった。 さて、お昼を食べてすぐ帰る・・・のでは少し物足りなかったので、同じ長久手に最近出来たイオンモールにも行ってしまいました。 すると・・・ 悲しいかな、閑古鳥が鳴いていたアピタに対し、こちらは平日の昼間なのに人が沢山! 駐車場も一杯で。 そりゃ、そうだよね。同じ幹線道路沿いのすぐ近くにイオンができたら、アピタじゃ対抗できない・・・。きっと、売り上げとか激減しているんだろうな。 ま、それはともかく、何を買うというのでもなく、ふらふらと散歩気分で店内を経巡っていたのだけど、モール内の書店の一角にあった文房具売り場が特に楽しくて、つい面白いペンを買っちゃった。30年前から販売しているロングセラーだというのだけど、プラスチック製の万年筆。これこれ! ↓《メール便対応》 ぺんてる トラディオ・プラマン TRJ50 ◇Pentel〔trj50〕価格:378円(税込、送料別) (2017/3/7時点) なるほど、プラスティック製の万年筆だから、「プラマン」って言うんだ。 だけどね、これがなかなか書き心地が良くて、面白いのよ。ひょっとして、普通の万年筆より書き易いかも。本体が500円ほど、リフィルも200円で売っているしね。 その他、ちょっと洒落乙な家具を扱っている店とか、時計とか、あれこれ見て廻って面白かった。 というわけで、今日はちょっとおさぼりの一日となったのでした。でも、たまにはいいでしょ、こんな日も。
March 7, 2017
コメント(0)
今月15日と20日、二つの締め切りを抱えているワタクシ、スケジュール的にはなかなか厳しいものがありまして、今日も一日原稿書き。 しかし、こう根を詰めていると、何かしら気晴らしになることが欲しいわけよ。 そんな時、遠方の旧友T君からの一本の電話。偶然とはいえ、こういうのがありがたい! で、電話によると、10年以上乗っているT君の愛車アルファロメオが、そろそろあちこち故障しだして、今はディーラーのガレージ入り。気に入っているクルマだし、今となっては数少ないマニュアル車ということで、マニュアル好きのT君としては手放したくないのだけれども、10年以上乗ったアルファに乗り続けるのは、チキンレースみたいなところがありますからね。それは、前にアルファ156に乗っていた私にはよく分かる。 で、とりあえずアルファを修理している間に代車に乗りつつ、次の愛車候補を探しているそうなのですが、ここで一つT君に心境の変化が! 代車として乗っている日産ノートのオートマ仕様が楽だと。 おお。ようやくそれに気づきましたか! マニュアル好きの人って、案外頑固にマニュアル車に固執するけど、一回乗って見りゃー、オートマの良さが分かるのよ。私なんて人後に落ちないクルマ好きだけど、マニュアル車なんか全然興味ないもんね。クルマの醍醐味って要するにハンドリングなんだから、それに集中できるオートマの方がよっぽど楽しいのよ。 それはともかく、そんなわけでT君の次期愛車候補の中にもオートマ車が入り込んできたと。 で、T君としては、クルマ・マニアの私に愛車候補についてのアドバイスを求めてきたのですが、ううむ、いい心がけだ! というわけで、私も瞬時に考えたのですが、なにせT君は洒落者なので、国産車という感じではない。で、外車の中から候補を思い浮かべてみたのですが、何しろ「アルファの次」ですから、あまりまともな路線も面白くない。まともな路線というのは、例えばフォルクスワーゲンのゴルフとかのことですが。あるいはアウディとかね。 かと言って、アルファに続いてイタリア車というのも芸がないので、フランス車とか? うーん、でもどういうわけか、T君はフランス車って感じでもないんだよな・・・。T君とプジョー、T君とシトロエン、T君とルノー・・・。どれもなんとなく合わない感じがする。 そう考えてきたところで、ポーンと心に浮かんだのがボルボ。ドイツ車的なきっちり感はあるけど、ビジネス臭はなくて、ラテン車とはちょっと方向性の異なるデザインの洒脱さもある。ふむふむ、案外T君にはボルボが似合うかも! で、「ボルボのV40とか、どう?」と尋ねてみると、なんと、T君的にも一番気になっていたクルマなんですと。ディーラーも自宅の傍にあるとのことで、見に行きやすいし、もし買った場合、アフターサービスが受け易い。好条件が揃っております。 いいじゃん! それって、要するに神さまが「ボルボ買え」って言っているんだよ! というわけで、まだ分かりませんけれども、T君の次期愛車には北欧の雄、ボルボが納まる可能性大。いいね、似合うね。 とまあ、そんな感じで、ひと時のクルマ談義のおかげで、原稿書きの日々の息詰まりが少しだけ解消したのでした。T君、感謝!
March 6, 2017
コメント(0)
いやあ、子供の頃から床屋に行くのが嫌いで、嫌いで。 好きな人っていうのは、多分、居るんだろうねえ。居るのかな? 次、髪を切るのが待ちきれないよー、っていう人? ワタクシの場合、そもそも髪を切るのが嫌いな上、床屋に行って順番を待つ時間が嫌い。 で、ようやく自分の番が来て、「今日はどうなさいますか?」とか聞かれるのも嫌い。 大体、そう聞かれて、どう答えるのが正解なの? 芸能人に例えるとか? 「あー、じゃあ長谷川博己みたいな感じで」とか? おこがましい。 そこで仕方なく「横は耳が出るくらいで。後はそれに合わせて」とか答えるんだけど。 そして、昨日もそう言ってみたのだけど。 そしたら・・・超短くされた! 床屋が嫌いで、なかなか行かないから、しまいにゃすごくボサボサになるわけね。そこから超短くされると、その落差が・・・。 もうやだ~。あんまり髪が短くなっちゃって、サムソン状態だよ。力が出ない。 行きつけの床屋を決めて、「いつものように」とか言えばいいのかも知れないけど、床屋自体が嫌いだから、頻繁にはいかないもので、それほど「行きつけ感」を醸し出せないのよ、ワタクシ。一応、いつも行く床屋というのがないわけではないけど、毎回そっけない感じで行くので、向こうも毎回、ふりの客だと思っているみたいだし。 というわけで、もう少し髪が伸びるまで、どうも気合いが入らない私なのでありました、とさ。
March 5, 2017
コメント(2)
![]()
ジョージ・ミュラーの『祈りの力』という本を読了しましたので、心覚えをつけておきましょう。 ジョージ・ミュラーったって、普通の人にはどこの誰だか分からないと思いますが、名前からしてユダヤ系ドイツ人ですかね。いや、今調べたらドイツじゃなくてプロシア人だった。1805年の生れだからね。だけど、有名になったのはイギリスのブリストルでのこと。 じゃあ、なんで有名になったかというと、孤児院を作ったことで有名になったの。19世紀半ばのイギリスって、コレラの流行とかあって、親が死んじゃった孤児とか沢山いたのよ。それを何とかしようというので、孤児院を作った。1835年のことでございます。 しかし、ミュラーは一文無しだったのね。じゃあ、どうやって孤児院を建設したかというと、祈ったの。神さまに。孤児たちを何とかしたいので、孤児院作るお金くださいって。 そうしたら、不思議なことに、どんどんお金が集まったのでした。それで、孤児院作っちゃった。 ところがね、祈る時に、「孤児院作らせて」とだけ祈ったので、せっかく孤児院が出来たのに、全然孤児が集まってこなかったと。 で、「あ! しまった!」と思ったミュラーは、「この孤児院一杯の孤児をください」って神さまに祈ったの。そしたら、じゃんじゃん孤児が集まり始めたと。 っていうか、集まり過ぎちゃったのね。そこでミュラーは「もう一個、孤児院作りますから、お金下さい」って神さまに祈ったら、またたちまちお金が集まったので、また孤児院作った。そういう風にしてミュラーは5つも孤児院を作り、二千人を収容する状況になるわけ。二千人の子供を食わせ、服を着せ、教育したんですな。 で、神さまに頼むだけで孤児院5つも作って有名になったので、後にミュラーの伝記を書くことになるA・T・ピアソン師というのがミュラーのもとを訪れ、色々話を聞いたそうですが、ピアソンの目撃したところによると、ミュラーってのは、大仰に「おおーー! 神よーーーー!!」とか派手に祈るのではなく、小声でぼそぼそと祈っていたんですと。 それでピアソンが仰天したのは、その時のミュラーの祈りね。その時、ミュラーはこう祈っていたのですと。 「二千人の子供たちのための明日の朝食がないのです。どうか子供たちに朝ごはんをめぐんで下さい」 それを洩れ聞いたピアソンは思わず、ズコッと椅子から滑り落ちたそうです。 ま、そんな感じで、一文なしの男が、神に祈るという、ただそれだけのことで、5つの孤児院を維持し、二千人の孤児たちをどうにかこうにか養ったと。 ミュラー自身、そういうことをやった人ですから、「祈れば、神さまは必ずその祈りに応えてくれます」という彼の説教は、説得力があるわけね。 で、この『祈りの力』を読むと、最初から凄いことが書いてある。 ミュラー曰く、「あなた、巨万の富を持つ人に、1ペンスとか10ペンスとか、少額のお金をめぐんでくれとか、いいますか?」と。そんなことしたら、逆に失礼でしょ、と。 だったら、巨万の富を持つ大金持ちなんか、てんで目じゃないくらいの力をお持ちの神さまに、そんなしみったれた願いをしていいのかと。失礼にあたらないように、どーんとお願いした方がいいんじゃないのかと。 うーーーむ! そう来るか、ミュラー・・・。 ま、それもそうなんですけど、ミュラーさん曰く、神さまというのは我々神の子供たちの面倒をみたくて仕方ないお方なんだから、何でも頼めと。 例えば、荷物を縛った紐の結び目がどうしても解けない。しかも手近なところにハサミがない。 そんな時にも神さまに拠り頼めと。神さま、どうか、この紐の結び目がほどけますように、と。 ミュラー師曰く、そうやって神さまに頼んで、その願いが聞き入れられなかったことはないと。 ただ、中には、なかなか聞き届けられない願いというものもある。ミュラー師自身、かれこれ39年ほどお願いしているけど、依然として叶わぬ願いがあるとのこと。 しかし、それは神さまのお心なので、神さまは、神さまが一番いいと思った時にその願いをかなえてくれるのだから、安心しきって祈り続けなさいと。 ただ、その願いが正しいものであることと、イエス・キリストの名に於いて頼むこと、この二点は必須だけどね。で、あとはその願いは既にかなったものとして振る舞うこと。これで万事オッケー! この本はそんな感じでございます。 ちなみに、この本、自己啓発本の世界では割と有名で、なんとなれば、「強く願えば、その願いは必ず実現するというのは、ミュラーの事績を見ても分かるじゃん!」という感じで、自己啓発言説の根拠になるから。 実際、「強く願えば実現する」ということがウソだったら、ミュラーの生前、当時のお金で150万ポンドという膨大な額のお金を、一文なしのミュラーが活用できるはずがないよね。 ちなみに、アメリカの超有名な心理学者ウィリアム・ジェイムズは、その著『宗教的経験の諸相』の中でミュラーについて触れていて、こう言っています: ジョージ・ミュラーの場合はどう見ても極端な例で、何よりもこの人の知的視野の異常な狭さがことに著しい。彼の神は、彼がときどき言っているように、彼の事業の仲間であった。神はミュラーにとっては、信者であるブリストルの商人たちの集会や孤児院やその他の企業に関心をもつ、一種の神通力をそなえた牧師のようなものであり、人間の想像力がいつでも神にまとわせているあのより広漠とした、より理想的な属性を一つも所有していないように見える。要するに、ミュラーは絶対に非哲学的であった。神との関係について彼のいだいているひどく私的で実際的な観念は、もっとも原始的な人間の思惟の伝承を継ぐものであった。(下巻316-317頁) ひでえ! ジェイムズ、ひでえ! ま、ジェイムズにはこんな風に言われちゃってますけど、二千人の孤児たちの意見はどうなのよ。その孤児たちにインタビューして、「ジェイムズさんが、ミュラーさんのこと知的じゃない原始人だって言ってますけど?」って言ってごらんなさいって。ジェイムズはその子供たちに憎まれるね。だったら、あんたが明日の私たちの朝食二千人分、用意してごらんなさいよ、って。 ちなみに、イギリスの文豪ディケンズが『オリバー・ツイスト』を書いて、救貧院に暮す孤児たちの悲惨な現状を告発したのが1837年。だから、この時期、イギリスに6千人は居たという孤児たちの問題って、焦眉の急だったのよね。だから、1835年にミュラーがしっかりした孤児院を作ったというのは、意味があることだったのであって。 ま、とにかく、ミュラーというのは興味深い人でございます。 だから、この本を読んで結構面白かったのですけど、一つ注文を出したいことがあります。 この本の巻末にある「ジョージ・ミュラー略伝」、これがもう支離滅裂でさあ。誰が書いたのかすら明記されていないけど、とにかくひどいもの。これ、ちゃんとしたライターに頼んで書き直してもらった方がいいんじゃね? その点については、猛省を促しておきましょう。【中古】 祈りの力 / ジョージ ミュラー / マルコーシュパブリケーション [単行本]【メール便送料無料】【あす楽対応】価格:3057円(税込、送料別) (2017/3/4時点)
March 4, 2017
コメント(0)
ムッシュことかまやつひろしさんが亡くなりました。享年78。報道によりますと、奥様も数日前に亡くなられたそうですが、そのことはかまやつさんには知らせていなかったとのこと。 私はさすがにGS世代ではないのですが、それでもその残滓をかすかに味わうくらいの年代ではありまして、スパイダースに関しては、「バンバンバン」とか、良く聴いたものでございます。これこれ! ↓バンバンバン これは大分後の映像ですが、まだこの頃はかまやつさんも、それから堺さんも井上さんも若いね。 かまやつさんは、まず怒ることがなくて、いつでもニコニコと穏やかな人柄だったそうですが、古き良き日本のフォーク・ミュージックの傑作「どうにかなるさ」にしても、温厚なかまやつさんが歌って初めて意味を成すようなところがありましたね。これこれ! ↓どうにかなるさ 最近、昭和を代表する人たちが次々とあの世に旅立ってしまって、ほんと、寂しい限りでございます。かまやつさんは愛妻家だったそうですから、ほんの少し前に亡くなられた奥様とすぐに再会されて、向こうでも飄々とギター片手に歌っておられることでございましょう。御冥福をお祈りします。合掌。
March 3, 2017
コメント(0)
アカデミー賞受賞式でのドタバタ悲喜劇もあって日本でもすっかり有名になってしまった『LA LA Land』。昨夜レイトショーで観てしまいましたよ。さすが話題作だけあって老若男女、人の入りは結構良かったですね。 ま、内容に関してはジャズ・ピアニストにして、自分の愛するジャズを好きなように演奏できる店をいつか構えたいと思っているセブ(ライアン・ゴズリング)と、女優志望のミア(エマ・ストーン)が出会い、意気投合し、恋人になり、喧嘩をし、仲直りをしたりしながら、それぞれ夢を追い続け、互いに応援し続けるって話でありまして、その意味では何の変哲もないボーイ・ミーツ・ガールものなんですけれども、じゃあ何がいいかと言いますと、結局、役者がいいってことになるんでしょうな。 だいたい、ジャズ・ピアニストを俳優が演じるとなると、肝心のピアノ・シーンは代役のプロの手だけが映し出され、俳優はピアノを弾いているふりをする、というのが普通ですけど、この映画ではライアン・ゴズリング本人が弾く・・・それもゴリゴリに見事に弾く。そして、女優志望のミアのオーディション・シーンも、エマが迫真の演技で見事に泣く芝居とかをやってのける。 でもって、これはミュージカル映画ですから、ライアン・ゴズリングとエマ・ストーンが踊るシーンも随所にあるのですが、これがまた実に絵になっている。こんなの、日本の俳優じゃ出来ないよ、っていうシーンばっかりですから。 もちろん、主役の二人ばかりでなく、それ以外の脇役の俳優さんたちもすごいしね。っていうか、そういう実力をもった俳優さんたちが山のようにいる中の、その頂点として主役を演じる二人がいるわけだから。その層の厚さがすごい。 そして最後の場面、これは二人が最終的にどうなるかのことなので、ここでは明らかにしませんが、この最後の切ない切ない場面、これもなかなか良かった。 ま、シンプルな話なので、深みというほどのものはなく、ゆえに「これは世紀の傑作だ!」とまでは言いませんが、俳優たちの芸を観るという意味だけでも、お金を払って観るだけの価値はあるかと。点数的には・・・そうですね、大負けに負けて「80点」と言っておきましょうか。(点数だけで言えば、チャゼル監督の前作『セッション』の方がよほど上。) ちなみに、先日のアカデミー賞授賞式でのドタバタを『LA LA Land』本編にからめて揶揄した傑作パロディがありますので、この映画を既に観た方は、是非、ご覧ください。爆笑必至よ。まだ本作を観ていない方は、観てからご覧くださいね。観た後じゃないと、笑えないから。これこれ! ↓James Corden's Ode to the Oscars
March 2, 2017
コメント(0)
![]()
何日も前から少しずつ読んできた重本恵津子さんの『夏の最後の薔薇 詩人尾崎喜八の妻 實子の生涯』を読了しましたので心覚えを。 尾崎喜八と言えば、『山の絵本』。これは素晴らしい作品で、私の最も好きな本として、特別の棚に置いてあるほどなんですけど、実際に彼がどういう人でどういう生涯を送った人なのかとか、そういうことについてはほぼ無知だったので、この本を読んでその辺のことが大分わかってきた感じがします。 ま、基本、いい人ですね! やっぱり私が好きなタイプの人。愛妻家だしね。 だけど、詩人ってのは、いつの時代も経済的にはそんなに恵まれるわけではないので、その奥さんの實子さんのご苦労はすごかったみたい。だけど、そういう苦労をまったく意に介さないような奥さんなのよ、この實子さんという人が。尾崎喜八は、この實子さんという内助の功あっての人だったんだなあ、というのがこの本を読むと良く分かる。もちろん、實子さんも喜八あっての人だから、この夫婦はすごく幸せだったんだろうなと。 ところで、この本を読んでいて認識を新たにしたことの一つに、戦争中の喜八のことがあります。 喜八は、もちろん年齢からして戦争に行くことはなかったのですが、戦争賛美とは言わないまでも、国威発揚のためというか、戦争中の国民を元気づけるような詩を書いたらしいんですな。それで戦後になって、そのことで随分批判されたらしいんです。 で、例えば若い頃から同志として文学活動を続けてきた片山敏彦は、戦後になって公然と尾崎を批判するようになり、そのことで尾崎は深く傷つくということがあった。(もっとも、単純な決裂ではなく、それでも両者には付き合いがあったようですが、しかし、以前のような関係ではなくなってしまった) その他、戦時中の尾崎の態度への批判としては、山室静が「戦争に際しての国家への協力ぶりなどは、かなりうしろめたいものがあった筈と思われるのに、(中略)自責や傷心というべきほどのものはほとんど現われていない」と言っていたり、河村正之が「戦後数年間、尾崎は信州富士見に追放ないし隠遁の生活を送ったと言う。だがその間にも『夏草』『残花抄』『高原暦日』などの著書を出している。作風と題材はすっかり旧に復している。何が謹慎隠遁かと言いたくなる」と悪意のこもった言葉で批判しているんですと。 まあ、こういう話ってのはよくあるわけですけれども、歌人の折口信夫がね(って急に折口を出しますが)、「我々は日本の詩人なんだから、国民の怒りというものを感じ取れば、その代弁者となるべきだ」ってな趣旨のことを言っていて、私はそれも一理あると思っているわけ。民族が怒る時は、その怒りを言葉にして発するのが詩人だろうと。イタコみたいなもんだと。ここまで行くと詩とか詩人というものに対する考え方の問題になってくるわけですが。 多分、尾崎喜八もそういう風に思ったところがあったんじゃないですかね。それを後から他人が批判するのは簡単だけど。それにもちろん一番の批判者になったのは尾崎自身であることは間違いないわけだし。 そんな中、串田孫一は、ずっと尾崎のよき理解者になってくれたようで。私は串田の『山のパンセ』の大ファンだから、そういう串田さんのことがさらに好きになるね。やっぱりね、尾崎の『山の絵本』と串田の『山のパンセ』って、両方ともすごいですよ。こういう本が書ける人たちって、人間性の芯のところから理解し合えるんでしょうな。 とまあ、私の愛読する『山の絵本』の著者・尾崎喜八のことが色々分かったということで、重本さんの『夏の最後の薔薇』、読んだ甲斐がありました。 それから、尾崎喜八は晩年の一時期、八ヶ岳の麓の富士見町に暮したことがあったそうで、そちらに彼の記念館的なものもあるらしい。八ヶ岳方面にやたらに行く私としたことが、これまで知らなかったのですが、今度そちらに行く時には是非ここに立寄って、さらに尾崎喜八の人となりについて勉強してこようかなと思っております。山の絵本 [ 尾崎喜八 ]価格:820円(税込、送料無料) (2017/3/1時点)
March 1, 2017
コメント(0)
全32件 (32件中 1-32件目)
1

