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日本語が亡びるとき A氏:去年、ノーベル物理学賞をもらった益川敏英教授は、英語がダメで、外国旅行も嫌いだったね。 しかし、普通は、日本では大学教授が論文を書くとき、英語にして発表する。 この翻訳が大変で、英語圏以外の学者には負担となり不公平だと、養老孟司氏が、どこかで不満を述べていたね。私:数学や科学関係は、数式や英語の共通語があるから、あまり抵抗は少ないが、問題は文学系統だね。 小説はもちろん、俳句、和歌、川柳まで英語でやるのかね。 著者は、英語の世紀に入ったということは、国益という観点から見れば、すべての非英語圏の国家が優れて英語ができる人材を、充分な人数、育てなくてはならなくなったことを意味するという。 その対応策として、原理的に3つの選択肢をあげている。 選択肢1は、「国語」を英語にすること 選択肢2は、国民全員がバイリンガルになること。 選択肢3は、国民の一部がバイリンガルになること。A氏:日本は、選択肢1は選択しないだろうね。私:著者が選択肢1をあえてあげたのは、「国語」が充分に機能していない多民族国家が、英語を「公用語=共通語」として使っているうちに、いっそのこと英語を「国語」にしてしまおうという結論に達しないとも限らないからだという。A氏:では、日本は選択肢2か、3かだね。私:それに対して、著者は日本の現在は「無策」だという。 あぁだ、こうだと言って決定しない。 戦略発想がないので、議論が浅い。 この本で、著者がしているような深い議論が政治家も国民をしていないで、目先の小手先の英語教育や国語教育を論じている。 だから、英語は学校でやっているが中途半端だね。 例えば、英語をきちんと話す政治家、外交官が少ない。 一方で、怖いのは、同時に日本語教育も次第に中途半端になっていることだね。A氏:その危機感から、日本でも選択肢2を行うべきという人々がいるね。私:「英語公用語論」だね。 今は下火になっているが、その根底にある英語に対する思いは、日本政府、そして国民の中で熱く息づいていると著者はいう。 そこで、著者は、この「公用語論」を徹底的に論じているね。 すでに、インド、フィリピン、シンガポールのアジア諸国と、かって英国の植民地だったアフリカの20ほどの国が「公用語」の一つとして英語を使っている。 これらの国に共通しているのは、多言語国家であるということだね。 シンガポールのような小さな国でもマレー語、北京語、タミル語、英語の4ヶ国語が「公用語」だね。A氏:その点、世界的な視点で見ると、日本はきちんと機能した伝統ある一つの「国語」を「公用語」としてもっているね。 それは、日本がインド、フィリピン、シンガポールなどのアジア諸国、英国の植民地だったアフリカ諸国と違って、植民地化された歴史がないのが大きな原因だね。 独自の言語を作り上げた誇らしい歴史がある。私:それにもかかわらず、「英語公用語論」が提案されるのは、「憂国」のためだという。 日本が世界と公平につきあっていくためには、英語力が必要だというわけだね。 受験英語では役に立たない。 満州事変から太平洋戦争までの外交でも、日本外交官の英語のまずさが問題を起してきたという。 それは、戦中、戦後のアメリカの外交官が言っていることだね。 ましてや、インターネットの時代には、英語でないと意見が円滑に通じない。 国際競争力が低下するという「憂国」だね。A氏:そこでまだ根底に「英語公用語論」が根強いわけか。私:明日は、選択肢2の問題点と、著者が強く推す選択肢3の利点にふれよう。
2009.02.28
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日本語が亡びるときA氏:25日の朝日新聞の「天声人語」では、世界には、6千前後の言語があり、うち2500語が消滅の危機にさらされているという。 生物多様性ばかりでなく、言語の多様性もこの地球上で細りつつあると嘆いている。 印刷術、ラジオ・テレビ、そして、現在はインターネットと技術が、少数派の言語を駆逐しているという。 英語も大切だが、弱肉強食にまかせていては多彩な文化は守れないと最後にまとめているね。私:この「天声人語」では日本語の運命のことはふれていないね。 重大な問題なのにね。 この本は、インターネットにより、「普遍語」化しつつある英語に対して、日本語はどうあるべきかを論じたものだね。A氏:題名からして、著者は、日本語滅亡論者かね。私:違うね。 日本語コンプレックスから脱し、立派な日本語とその文化をいかに守るかの提言だね。 著者は小説家だが、この本は評論だね。 このブログでも「本格小説」上・下、「私小説・from left to right」で著者の小説を紹介している。 「私小説」で述べているように、著者は12才で父親の仕事の都合で渡米してから、滞在20年。 フランス語教師までやるようになる。 しかし、興味あることに、アメリカの学校生活では、ヒマがあれば、日本の「近代文学」に読みふけっていたという。 ハイスクールの休み時間でも読んでいたという。 著者のそのアメリカの生活との対比で得た深い日本語感覚が、この日本語論に深みを与えているように思うね。A氏:日本語というと、一応、現在、日本列島に住む日本人が使う国語だね。私:著者は、西洋の言語も含め、「国語は自然なものではない」として、その歴史を詳細に辿っていて勉強になるね。 最初、「現地語(土着語)」としての日本語が、中国の漢字文化とぶつかったときが、第1の危機だね。 しかし、大陸から離れていたため、朝鮮などの周辺諸国と違い、中国の直接の言語支配を逃れ、日本はひらがな、カタカナなどの独特の文字言語を作り出すともに、歌、紀行文、小説などを産み出す。 また、日本は科挙制を行わないね。 こういう日本語文化は、印刷技術が進む江戸時代まで続くね。A氏:日本語の第2の危機が明治維新だね。 西洋に対して、表音文字でない日本語コンプレックスが発生する。 漢字廃止論が生まれるね。 有名なのは、当時の文部大臣前島密の「漢字廃止」の上申だね。私:しかし、夏目漱石に代表されるような近代小説などが生まれる。 「国語」という考えが生まれる。 著者は、「国語」とはもとは「現地語」でしかなかったものが、「翻訳」という行為を通じて、「普遍語」と同じ重荷を負うようになったという。A氏:明治維新による「国民国家」の誕生とともに、国民の言葉となるわけだね。私:しかし、昭和のナショナリズム時代でも、北一輝は、意外にも「日本語は劣悪な言語で50年後には使われなくなるから、エスペラント語にすべきだ」と言っていたそうだね。 第3の日本語の危機が太平洋戦争の敗戦だね。 占領軍は漢字が嫌いだ。 漢字廃止が決まる。 全面廃止まで「当面使用」される最低の漢字が定められた。A氏:あぁ、それで「当用漢字」というのか。 確か、当時、志賀直哉が日本の国語をフランス語にすべきというね。私:日本語がようやく自主性をとりもどすのが1966年だね。 当時の中村梅吉文部大臣が「国語の表記は漢字かなまじり文によることを前提」と述べた。 明治の前島密から続いていた漢字コンプレックスから、百年たって解放された。 そして、第4の日本語の危機がインターネットのグローバル化だね。 英語が「普遍語」となりつつあるからだ。 明日は、これに対する著者の提案にふれよう。
2009.02.27
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私:今日、昼間、床屋に散髪にいって来たよ。 前回、いってから1ヶ月くらいたったので大分、髪がながくなってきたからね。 ウィークディーの昼間は空いていたね。A氏:今、幾ら払っているの。私:俺が行くところは洗髪もして4千円だね。 土日は確か、4千2百円かな。 土日は混むからいったことはないがね。A氏:床屋も不況の影響があるのかね。私:聞いたら、床屋に来る間隔を延ばしているようだと言っていたね。 1ヶ月1回を、1ヶ月半に1回とかね。A氏:逆に、洗髪なしの千円の床屋のほうが繁盛するのではないの? 自動車、電気業界が赤字なのに、マクドナルドやユニクロが好調だからね。 ホンダも200万円しないハイブリッドカーに人気殺到だという。私:俺がいく床屋には、もう、30年くらい通っている。 最初、夫婦でやっていたのだが、今は成長した息子と娘もやっている。A氏:後継者の不安はないというわけか。私:息子は、十年位前に、なんかのコンクールに優勝したそうだね。 しかし、俺なんかは、別にヘアスタイルを気にする歳ではないから、どうでもいいがね。 4千円だと交付金をもらっても、3回分で消えるね。 そのうちに、4千円が惜しくなったら、千円の床屋を選ぶようになるかもしれないね。 千円の床屋だと、交付金を使って、1年半くらい使えるだろうね。 しかし、その後は消費税アップが待っているかもね。 今後の経済はどうなるかだね。
2009.02.26
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私:昨日の新聞で、また、麻生首相の教科書問題での失言を報じているね。 もう、新聞も麻生首相の失言は、小泉元首相が言うように「あきれている」のかニュースにならないらしく、小さく扱っていたね。 これは、22日に青森で講演して「われわれは、いい加減な教科書を変えた」と偉そうに言った失言だね。 ところが、これは政治の圧力で教科書を変えたとなるので、問題発言と指摘される。A氏:翌日、記者団の質問に対して「検定で変えた」と修正したという。私:今、マスコミは麻生退陣をさかんに報じている。 主な理由は麻生首相の発言は、よく「ブレ」るからだという。 定額給付金問題でも、最初は、全国民一律支給といったが、「高額所得者は要らないだろう」となると「受け取る人はさもしい」と言い出す。A氏:これは、最初、経済不況で低所得者救済の意味が強かったのが、所得額で支給を制限するというのは、技術的に困難ということで、また、一律にもどったという経緯があるようだ。 そうなると、低所得者救済というより景気浮揚という大義名分に変えないといけない。 もっとも、こないだ国民新党の亀井静香氏はテレビで「税金を使った、与党のための選挙買収目的のバラマキで、公費乱用だ」と酷評だったがね。私:要するに、思いつきで2兆円バラマキを言い出し、その給付手順の技術的な裏づけを確認しないから「ブレ」るんで、賢明なスタッフがいないか、麻生首相自体がオッチョコチョイで慎重さがないかだね。 麻生セメントの経営経験がないのかね。A氏:麻生首相も、首相になってすぐに選挙の予定だったのが、アメリカ経済の悪化が予想外にひどく急速になってきたので、引けるに引けなくなってきたんだね。 選挙のタイミングが悪くなってきた。 「機を逸した」悪い結果が今も続いているね。私:「百年に一度」と口では言いながら、2月始めに、どこかの演説会で、「先進国の経済が大変だが、日本はまだいいほうだ」と言っていた。 ところが、その数日後の政府発表で、GNPマイナス12.7パーセントという先進国で一番悪いという事実が出てしまった。 これは発言の「ブレ」でなく、オッチョコチョイで慎重さがないことを示しているね。A氏:トヨタを初め、多くの輸出大企業が、毎週のように3月決算予想を修正しているくらい先を読めない状況だっただから、あまり、自信を持って見通しをいうべきでない情勢なんだがね。私:郵政民営化に反対だったというのも、おかしいね。 テレビで、かっての総裁選で「私は郵政民営化をすすめた担当大臣だ」と偉そうに言っていたのを放映していたが、これはブレでなく、虚言癖だね。 威勢のいいことを、針小棒大で言うからこうなるね。 だから、「最終的には賛成した」と訂正せざるを得ない。A氏:養老孟司氏ではないが「言葉」はどうにでも言えるから、本来「ブレ」るもんだね。私:これは「郵政改革は俺がやった」「教科書の改訂はわれわれがやった」と同じパターンだね。 「俺がやった」とか「俺でないと出来ない」というのは「ブレ」ていないようだね。
2009.02.25
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A氏:君は取り違いミスの報道で、間違いのポイントが「緊張感」などの精神論で、詳しい作業に関連つけて報道されていなかった点を指摘していたが、朝日新聞の昨日の夕刊で、図でかなり詳しく、間違った作業の手順を説明していたね。私:俺は、興味をもって読んだね。 まず、作業台の四角な図が、次のような作業の段階ごとに4つの段階に画いてある。 第1段階.Aさんの受精卵作業開始前 Bさんの受精卵の「フタのないシャーレが1個」置き忘れている。 第2段階.Aさんのシャーレ(フタに色がついたシール)3つを培養器から作業台に移動 このとき、作業台にBさんの置き忘れた受精卵のシャーレとAさんの受精卵が入ったシャーレ3つ、合計4つが混在する。 第3段階.3つのAさんのシャーレのフタを開けて別に置く Aさんの3つのシャーレとBさんの1つのシャーレの識別があいまいになる。 第4段階.新しいシャーレの作成 作業台の上で、受精卵を顕微鏡で確認し、2つのシャーレに移し替え。 4つのシャーレから、2つのシャーレになる。 このときに、作業台上のBさんの受精卵が混入。 完成した2つのシャーレにAさんのシールを貼ったフタをかぶせる。 そして、2つのシャーレは培養器、そして移植へと行く。 空の古いシャーレ、すなわち「Aさんのシールを貼ったフタ3つ」「フタのないシャーレ4つ」は廃棄とある。A氏:随分、細かいね。私:詳細に「動作レベル」まで再現しないと「本当の原因(真因)」が分からないし、「本当の原因」が分からないと、その原因をつぶす効果的なカイゼンのアイデアが生まれない。 ちょうど、再現フィルを作り、スローモーションで分析するようなことが不可欠だね。 その点、この新聞の図はよく調べているが、詰めが甘い。 例えば、第2段階で、新聞の説明記事では、図ではAさんのシャーレは「3つ」だが、新聞の説明記事は「3つ以上」だと説明が矛盾しているし、シャーレを3つ一緒に持ってきたのか、1つずつ持ってきたのか不明だ。 第3段階では、識別のあるフタは作業台の上に置いたのか、別の場所に置いたのか不明。 第4段階では、新しいAさんのシャーレ2つのフタは作業台にあったのか、別のところにあったのか不明。 シャーレの廃棄は移植が終わった後なのか、培養器に持っていったときなのか不明。 この図だけの情報によると、「ポカミス」は2つにしぼられそうだね。 「第1のミス」 Bさんの受精卵の作業が終わったのに、Bさんの受精卵のシャーレが廃棄されず に置いてあったミス。 「第2のミス」 本体にはなんの識別もしていないミス。A氏:なるほど、「第1のミス」「第2のミス」を「人の緊張感」でなく、物理的・機械的にどうのように防止するのかが「ポカヨケ」の原則か。私:この図だけでは現場をよく分からないが、医師は作業台前後を歩行している。 これは「必ずやる」。 歩行を「ポカミス」することはない。 そこで、歩行をすると「光電管」をさえぎらせ、アラームがでたり、歩行停止バーが降りたりして、作業者が作業机の片付けミスの「ポカ前」気がつくという方法もあるね。A氏:なるほど、Bさんの作業が終わって、次のAさんの作業を行うには歩行があるから、それを検知して、作業机が傾いて、Aさんのシャーレを置けないようにするとかーー。 そこで、前の残りを確認することを機械的に強制することになるのかね。 あるいは、カメラが作業机を監視しており、作業が終わって医師が立ち上がると、カメラが検知して残留物を検出するとアラームがなるとかね。 あるいは、作業台を小さくして、当日、Bさん用台車、Aさん用台車と表示するとかね。私:色シールをシャーレのフタ平面に貼るのは簡単だが、本体の側面は円形なので貼りにくいし見にくいのだろうね。 しかし、シャーレのフタにシールを貼るのは、手間をかけているのに無意味だね。 5種類の形が違ったシャーレを作ったらどうかね。 まぁ、CSIのようにまず、現場を詳細に観察して「本当の原因」を知ること。 後は現場での前向きのアイデア勝負だね。 「緊張感の強化」の方向のアイデアではダメだね。
2009.02.24
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私:22日(日)のテレ朝のサンデープロジェクトでは1000回記念ということで、「日本の未来を語る」という座談会が行われた。 西部邁、中谷巌、桜井よしこ、姜尚中の4氏が田原総一郎を司会にして行ったね。 出席者いずれにも、共通しているのは、今回のアメリカ金融資本の崩壊にともなって、再度、「日本のよい点の見直し」がポイントになっていることだね。 中谷氏は、小泉改革で崩壊した「社会のきずな」を再建すべきという。 桜井よしこ氏は「武士道」を今後の日本の骨格とすべきだという。 藤原正彦氏の「国家の品格」の再登場のような感じだね。A氏:俺も見たが、左翼的と思われていた姜尚中氏までが、「江戸期にあった地方力」による日本的なコミュニティの復活を提言していたね。私:いずれも、小渕政権から始まった「経済財政諮問会議」が主導してきた規制緩和には批判的だね。 この座談会の直前に行った与謝野馨大臣へのインタビューがあったが、彼も「市場原理主義」には批判的な発言をしていたね。 与謝野氏は、大体、郵政改革には積極的でなかった人だね。A氏:経済の不況で、小泉改革の波は大きく変わってきているね。 しかも、「かんぽの宿」売却問題で、郵政改革の怪しげな暗部があばかれつつある。私:「かんぽの宿」売却は、毎年40億円の赤字をたれ流しているから、早く売却すべきだというね。 しかし、先週の予算委員会で前原民主党議員がいい質問をしていたね。 収容人員30人くらいの「かんぽの宿」に支配人クラスが3人いるという。 要するに管理職がやたら多い。 これはどの「かんぽの宿」に共通している現象だという。 こういう人は、郵政の他の分野に配置転換すればよい。 しかも、料理、清掃などは外注でファミリー企業になっていて、これらは黒字だ。 前原議員は、通常の民営リゾートと同じ経営努力をすれば、赤字にならないのではと言う。 この質問に鳩山大臣は「その通り」だと与野党両者の意見は完全一致だね。A氏:竹中平蔵氏は、この問題で「毎年、『かんぽの宿』は国民の金を40億捨てている。早期に売却すべきだ」というようなことを最近、テレビで言っていたが、これは現実の姿を知ると否定されるね。 1万円で売った宿舎が6千万円で売却されたり、外資系のハゲタカ系のコンサルタント会社に数億円のコンサルタント料を払っていたり、何か裏を疑うね。 感じが暗いね。私:先週のTBSテレビの鳩山大臣と野中氏との時事放談では、郵政民営化は大きな裏の動きがあり、それを白日の元にさらすべきだと言っているね。A氏:小泉改革の揺れ戻しに危機感を感じたのか、小泉さんが急に動き出したね。私:今朝の朝日新聞の「資本主義はどこへ」欄で、内橋克人氏のインタビュー記事が載っているね。 氏は、「経済財政諮問会議」や小泉改革がはじまっていた頃から、「雇用の破壊」「社会のきずなの断絶」を予告していたね。 現実は、その通りになったね。 このブログでも 「もう一つの日本は可能だ」、「悪夢のサイクル」で扱っているね。A氏:俺も新聞を読んだが、以前の日本には、人間の尊厳と景気の自力回復力があって、景気が悪くなっても回復力を持っていたと内橋氏は言う。 それが、小泉政権で、過剰な外需依存と格差拡大、簡単な派遣切り、安心して消費もできないという景気変動に耐える大事な力を失っているという。 そこへ百年に一度という経済破壊が襲ってきた。A氏:内橋氏の考えが何故、力を得なかったのかね。私:氏は、過去30年にわたる新自由主義は周到だったという。 確かに「かんぽの宿」の売却なんか、裏に周到な動きがあると疑われるね。 そして、バブル崩壊から抜け出すために中谷氏のようにアメリカで洗脳された学者が政治に介入し出す。 そして、日本人は、「大物には巻かれろ」で時流に弱い。A氏:ところで、テレ朝は内橋氏が嫌いなんかね。 1000回記念の座談会に内橋氏は適任だったんだがね。私:俺もそう思うがね。 とにかく、また、日本社会の心理状態が大きく揺れだした感じだね。
2009.02.23
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A氏:香川県の県立病院で受精卵を間違えたという医療事故があったね。私:2つの受精卵を1つの作業台に置いてあったのを間違えたらしいね。 容器のシャーレもフタにだけシールを貼っていたので、間違えてフタをしたという。 単純ミスだね。 間違えた医者は、大ベテランで、数多くの移植をしているらしい。 製造業で俗に言う「ポカミス」だね。 ベテランに多い。A氏:朝日新聞の昨日の社説では 「同じ作業台には一人分しか載せない 担当医だけでなく、何人かで確認する シャーレの本体にもシールを張る」 という手順があったのが、守られていなかったという。 そして、こうした手順書(マニュアル)がなく、医師が一人で作業するのがふつうであったという。私:社説では、他の似た施設でも手順書がないところが多いと言っていたが、問題は手順書の有無ではないね。 社説の考えがポイントを間違っているね。 社説では最後に「緊張感を忘れてはいけない」と言っているが、この場合、医者は緊張感を持ってやっていたと思うね。 こないだの「もうろう会見」で辞任した中川大臣とは完全に違うね。A氏:君は製造業にいたから、こういう「作業のポカミス」は結構多いのではないの?私:「人間は緊張して作業をしていても、ポカをやる基本的な性質がある」というのが、「ポカミス」に対する考えだね。 病院の薬の間違い、患者の間違いなど、皆、「ポカミス」だね。 そして、対策が「緊張して注意」「ルールの徹底」「ダブル確認」という「精神論的対策」では再発するね。 皆、緊張してやっているのに出るミスが「ポカミス」なんだよ。 ましてや、手順書(マニュアル)がないというのは原因にも対策にも関係ない。 紙に書いたからといって、人間がポカしやすいという本質的な原因が消滅することはない。 マニュアルも立派なものがあっても、見なかったらだめだね。 わかりきったことはベテランほど読まない。 君は、自動車を運転するとき、運転マニュアルを一々見るかね。 運転ポカミスをしたからといって、運転マニュアルを直すかね。A氏:昨日の養老氏ではないが、スキーの本をいくらよんでも、スキーは出来ない。私:「人はエラーをするものである」という考えがアメリカの医療事故対策の根底にあるね。 日本では、トヨタ生産方式に、「ポカヨケ」という言葉がある。 「ポカミス」は人がするものだから、人の注意力でなく、物理的、機械的な方法で防止するというものだね。 2人でやるダブルチェックも人がやるから、2人とも見逃す確率がある。A氏:2人で確認するといいのではないの?私:それが、2人でやると、お互いに確認しているという安心感で、かえって一人一人は、いい加減なチェックになりやすい。 2人で確認してもトラブルがなくならなかったということは結構体験してきたよ。 1人にしたほうが効果を出したこともある。 俺は、この作業現場を知らないが、俺が新聞記者として取材するなら「作業台の『ポカヨケ』はどうなっていたのか」と病院担当者に聞くね。 マニュアルがあるかどうかは、まったく聞かないね。 作業台の面積と、シャーレの大きさ、種類を聞くね。 作業台の面積が2つのシャーレを置けるようなら、「ポカヨケ」になっていない。 つい、2つ置く確率があるね。A氏:なるほど、シャーレのフタを間違えないようにするには、マニュアルに「注意」と書くよりは、形や色の違うシャーレを使うとかすれば、別のシャーレだとフタが物理的にできないか、すぐ分かるようにすればいいんだね。私:「同じ作業台に一人分だけしか載せない」とマニュアルに書くのでなく、緊張力や2人の確認強化でなく、作業台には一人分だけしかおけないように、台の面積を狭くして物理的・機械的に「一人分しかおけない」ようにすることが確実な対策だね。 それが製造業における「ポカヨケ」の考え方だよ。 社説は、その方向に病院が動いているかどうかを論ずるべきだね。 それがまったくないね。 社説も、「特攻隊的精神論」を脱していないね。 アメリカの技術、物量戦に負けた反省をまだしていないね。
2009.02.22
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読まない力私:「読まない力」というタイトルは、新書版にあるような、奇をてらったタイトルだと俺は思うね。 養老孟司氏は、読書家だし、誤解しやすいタイトルだ。 この本の「まえがき」で養老氏がそれを否定して、解説を加えているので意図している意味は分かるが、解説がいるようではやはり、奇をてらっているとしか言いようがないね。 要するに「読む」には、読書の意味の読むとは別に「先を読む」という意味があり、「あまり予想をしないほうがいい」ということを言いたいという。 もう一つは、「本におぼれないで、考えろ」という意味だという。 ソクラテスは、文字は批判的思考を鈍らせると考えていたという。A氏:論語でも「学びて、これを習う」とあるね。 だけれども、現代社会で本を読むことは重要だろう?私:だから、できるだけ言葉による被害を受けないようにしないといけないというわけだね。 養老氏は、そういう意味で小学2年生のときにいい体験をしたという。 当時は大切だった教科書に墨を塗ったからだという。 見事な教育で、ソクラテスも誉めてくれるだろうというと皮肉っているね。A氏:「言葉は信用できない」というのは、振り込め詐欺でよくわかるね。 詐欺に引っ掛かるのは「言葉は信用できる」世相を反映しているのかね。私:養老氏が、この「まえがき」を書いていたときは、例の田母神空幕長が論文で辞めさせられたときらしく、この問題について書いているね。 大臣も何かの言葉を言っただけで辞めさせるというのはおかしいという理屈だね。A氏:しかし、自衛隊の上層部にいる人の発言は重いのではないの?私:養老氏は、田母神論文は読んでいないし、読むつもりもないという。 自衛官は軍人が本務だからだ。 論文がよくできていたらむしろ信用しないという。 俺たちの世代は、理想とする軍人像は剛毅木訥(強い心と毅然たる態度で、しかも無口で飾り気のない人物)だったからね。 孔子の言葉で「剛毅木訥は仁に近し」とあるね。 「武士道」にも通ずるね。A氏:反対語は「巧言令色」だね。私:養老氏は、「情報」は「死」すなわち、「いつまで経っても変化しないもの」だと定義しているね。 過去のことだね。 未来は教えてくれない。 自分で考えないといけない。 養老氏は、スキーを習ったとき、スキーの本を数冊、読んだ。 でもスキーは上手にならなかった。 スキーは情報でないというわけだね。 ところで、俺は1月末に用事であるアパホテルに泊まった。 部屋に、社長の本が室内閲覧でちゃんとあった。 各部屋にあるんだろうね。 帯に例の目の大きな佐藤優氏の顔写真があり、推薦すると書いてあった。 俺はすでに田母神論文の大体の趣旨は知っていたし、社長の意見も推測できたから読まなかった。A氏:日中戦争は侵略戦争でないという論理だね。私:養老氏が、別のところで書いていたが、歴史を1冊の本に書くということ自体、無理があると言っているね。 現実は多様で複雑だね。 第一、戦争に大義がない戦争などないだろうね。 侵略戦争と大義のある戦争など、世界史上の戦争は完全に2つに分かれないね。 ブッシュのイラク戦争だって、大義があったから、当時の小泉首相もイラクに派兵した。 しかし、その後大量破壊兵器がないと分かり、大義が崩れブッシュ大統領も反省している。 では、これは侵略戦争なのかね。 日本は自衛隊も行っているしね。 ブッシュの後のオバマ大統領も、白か黒かの二元論をやめようと言っているね。 冷静な相対的思考のない指揮官による戦争は負けるね。 軍人は勝たないといくら理屈を並べてもダメだね。 「敗軍の将は、兵を語らず」だね。 それが陸海200万人の軍人戦死者、しかも7割が餓死だったという日本史にかってなかった恥ずかしい負け戦をした俺たち昭和世代の反省だと思うよ。
2009.02.21
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読まない力A氏:09年3月刊とあるが、まだ、今、2月だよ。私:本の奥付にそう書いてあるからしょうがないよ。 本の内容は、養老氏が雑誌「Voice」に書いていた時評をまとめたものだね。 2002年からの時評だから、今の経済大混乱の世相についての時評ではないね。 最近の時評でも、昨年のもので、ここでは環境問題で、アル・ゴア氏を徹底的に批判しているね。A氏:「不都合な真実」でノーベル平和賞をもらっていたね。私:養老氏は「出来レース」だと思っているようだね。 俺はこの映画は最初から無視だから内容は知らないが養老氏の批評は厳しいね。 この映画で、ゴア氏は後半、禁煙を叫んでいるという。 姉が喫煙がもとで肺ガンとなりで死亡したことが動機らしい。 もともと、養老氏は、肺ガンと喫煙の直接の因果関係を認めていない。 大気汚染のほうを問題にしているね。 直接の因果関係があったら、予防は簡単で、すでに肺ガンは消滅しているという。A氏:ヘビースモーカーで肺ガンにならず、長生きしている人もいるね。 逆に、タバコを吸わない人でも肺ガンになることもある。私:タバコがゴア氏の姉に「貢献した可能性」があるという。A氏:「貢献の可能性」?私:養老氏は、ゴア氏のような家族に囲まれていた姉にとっては、タバコでも吸わなきゃやっておれなかったんだろうと言っているね。 それを知っているからこそ、ゴア氏は、姉の死は俺のせいではないと、問題点をタバコに転嫁したのかもしれないというわけだね。A氏:厳しいね。私:人体という自然物は複雑で、そんな単純ではない。 しかし、「脳化」した人たちの考えでは、人体を意のままに、コントロールできると思いこんでいるんだね。 ところで、養老氏は日本人が全員死んでも、地球の炭酸ガスは5%しか減少しないという。 科学者までも政治に乗り出すときがキケンだと言う。A氏:今度の金融バブルでも経済学者が政治に乗り出してからおかしくなったね。 似ているね。私:以前から、アメリカ金融に警鐘を鳴らしていた同志社大の浜矩子教授が、今、朝日新聞で「聞く」という欄に連載をしている。 今日の記事では「今回の金融の暴走には経済学が一役買ってしまった」とあるね。A氏:俺も読んでいるよ。 経済ほど人間らしい営みはないのに、経済学が人間はつまらないとか、人間はわからないと言い出すとあるね。 「金融工学」などという人間を無視した数字化し理論が、人が動かす証券市場に使われ出す。 浜氏は、人間臭い「金融」と「工学」とは水と油で、一緒になりようがないという。 それでノーベル賞までもらった学者がいるが、今、どうなっているのかね。 中谷氏のように「反省」「懺悔」しているのかね。 中谷氏は人の集合体である「生きている社会」を忘れた経済学を反省しているがね。 ノーベル賞の賞金と金融バブルでもうけたカネで、後は悠々隠遁生活かね。 ノーベル賞金は返却すべきかね。私:この本でまとめた時評は、最後は昨年9月だから、10月頃からの金融バブル崩壊による経済悪化は扱っていない。 養老氏の持論のように、書いたものは「死」だね。 変化しない。 しかし、現実は、どんどん、変化する。 この本の数頁の「まえがき」が最新の時評になっているね。 このほうが「過去の時評」より面白い。 それほど、現実はどんどん変化するね。 明日は、それについてふれよう。
2009.02.20
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日本浄土私:俺が、藤原新也氏を知ったのは、十数年前に書店で集英社文庫の「全東洋街道」を見たときだね。 衝撃的な写真が載っていて早速買ったね。 以来、紙質の悪い朝日文庫の「印度放浪」「西蔵放浪」「台湾 韓国 香港」と2,3年間で発行されたのを買ったね。 それまで、この地域の写真は自然や史跡が中心だったが、藤原氏の写真は、これらの地方の下層階層の生活に飛び込んだ生きた生活写真だね。A氏:藤原新也氏は、カメラをもって放浪しているんだね。私:文章もいいね。 文庫本の書棚の奥から、埃をかぶった「印度放浪」をさがしだした。 「ぼくは歩んだ。 出会う人々は、悲しいまでに愚劣であった。 出会う人々は、悲惨であった。 出会う人々は、滑稽であった。 出会う人々は、軽快であった。 出会う人々は、はなやかであった。 出会う人々は、高貴であった。 出会う人々は、荒々しかった。 世界は良かった。」 と3人の印度人が立っている写真に書き込まれていたね。 ところで、この「日本浄土」という本は、昨年発行されたものだ。 図書館で順番待ちで借りた。A氏:藤原氏は1944年生まれだから、もう60歳台だね。私:氏は、故郷が福岡だが、この「日本浄土」では、子ども時代や青年時代に関係した地方を回る。 島原、天草、門司港、柳井、祝島、尾道、能登、房総だね。 そして、以前は、個性があった地方が、時代の波とともに、画一化してきて、古きものは跡形もなく破壊され、無感動な風景となっていた。 写真にならない風景が展開してきたという。A氏:高度成長とアメリカ文化が、まだ、古きよきものを残していた昭和を破壊したね。 平成になってそれはさらに進む。私:氏の旅行の仕方はさすがにアジアの底辺を放浪しただけに、ユニークだね。 レンタカーを嫌う。 田舎でバスが来るのを3時間待つ。 せせこましい都会生活になれた若者は我慢できないで「キレル」だろうね。 あるときは、バスがないので、偶然にあった古道具屋でママチャリを2千円で買い、数時間、田舎道を宿がある場所までこぎ続ける。A氏:そういう個性的な旅から、まだ、生き残っている日本の古い姿を探し出すことができるんだね。私:氏が、天草の通詞島(つうじしま)でバタッリ出合った漁師との口論が面白かったね。 氏は、漁港の周辺にある「イルカウオッチング」の看板が気に入らない。 漁師に「漁師が客からカネをとってイルカのあとをついて行くのは、観光業だ。 漁師のプライドが許さないのではないか」と、ちょっと気分を害するようなことを言う。A氏:漁師は怒るだろうね。 日本近海の魚は減って収入が減っているんだからね。私:しかし、話して分かり合えるのだが、藤原氏も、写真に取りたい風景が減っており、「俺も失業状態だ」と言うね。 ところで、氏が30年くらい前に放浪した「全東洋街道」「印度」「西蔵」「台湾 韓国 香港」は、今、どうなっているだろうかね。 経済発展によって、自然が崩壊し、公害が出たり、格差が拡大したりしているのではないだろうか。 氏が再度、印度を放浪したら、「悲惨な人々」が増え、「貧しいが高貴な人々」は姿を消したのではないのかね。 「西蔵」では漢民族に支配されている姿を見ることになるだろうしね。 「世界は良くなっている」のかね。
2009.02.19
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私:作者は、すでに太宰治賞、野間文芸新人賞を受賞しているね。 主人公は年間収入160万円という、30歳になろうという独身女性のワーキングプアの淡々たる日常を描いたものだね。 選者の一人の山田詠美氏が「『蟹工船』よりこっちでしょう」と批評しているが、これが新聞広告に大きく載っていたね。A氏:主人公は「蟹工船」のようなひどい労働をしているのかね。私:そんなひどい労働環境ではないね。 そんな労働環境は今の日本にはないだろうね。 しかも、舞台を関西においているのが幸いしているね。 選者の黒井千次氏が評しているように、舞台を東京に置いたなら、忍耐、がんばり、苦労、不条理への抗議など、ゴツゴツした問題提起の様相を帯びてくるだろうね。 それがない。A氏:主人公はどういう仕事をしているの?私:乳液の工場らしいね。 作業場に入るときに、エアシャワーのクリーンルームを通り、次に手をきれいに洗う。 衛生管理がうるさい工場だね。 そこでのコンベヤーに流れてくる品物のチェックする仕事のようだね。 後は、2つほどあるバイトをしている。A氏:何故、そういう労働をするようになったの?私:主人公は大学を卒業して、入社した会社をモラルハラスメントが原因で辞め、工場の契約社員となるね。 29歳の独身。 母親と築50年の古い家に同居。 大学時代の友人の離婚などを交え、この年代の女性の生き方を淡々と述べている。 「失われた10年の世代」かな。A氏:貧困というほどではないんだね。私:しかし、年収160万円という経済制約は、日常の関心が細かいカネ遣いに集中していくね。 貧困の定義は、昔の貧乏でなく、問題は精神状態だね。 「貧すれば、鈍する」というが、現代は「鈍」のほうが怖い。 「現代の貧困」には「虐待・不登校・地域からの孤立・ひきこもり・自分の居場所がない」という「人間関係のホームレス」が加わる。 しかし、この主人公には、3人の大学時代の友人もいるし、母も同居でいる。 職場でも、よく話す人はいる。 それでも、至近距離しか見えない日常生活という感じで、俺にとっては閉塞的な日常という感じがしたね。 それがうまく描写されている。 この小説を読むと、労働から得るのはささやかな金だけで、後は何を得ていないような気がするね。 それを本人がチョッと気づき、チラッと生き方に鋭い疑問が出てきたときは、怖い感じがしたね。A氏:それを選者の山田詠美氏をして「『蟹工船』よりこっちでしょう」と言わしめたのかね。私:だから、例によって、選者の一人である村上龍氏は、この作品を推していないね。 コントロールできる世界だけを描いているとして批判しているね。 作家は、コントロールできそうにもないものを何とかコントロールしようという意思を持つべきだというのが村上龍氏の意見だね。A氏:政治、文化、歴史などの広い社会へのかかわりにもふれるべきということかね。私:石原慎太郎氏は、推してはいるが、他にいい作品がなかったと言うことで、消去法的だね。 しかし、作者の語りの旨さは高く評価しているね。 今は百年に一度の経済危機だ。 この主人公の工場も打撃を受けるだろう。 政治、文化、歴史などのコントロールできないものによって、コントロールできると思っていた日常が大きく振り回されることになるだろうね。
2009.02.18
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なぜ、江戸の庶民は時間に正確だったのか? 私:昨日、用事で東京に出て夕方に帰ったら、夕刊のトップが「GDP年率12.7%減」で、与謝野大臣は「戦後最大の危機」と言ったと報じていたね。A氏:文藝春秋で野口氏が掲載していた「GDP10%減 大津波が来る」がもう現実化してきたね。私:日曜はTBSテレビの時事放談、次にフジテレビの新報道2001、次にTBSテレビにもどってサンデーモーニング、そして最後にテレビ朝日のサンデープロジェクトと時局ものが続く。 日曜日は、孫が遊びに来るので、これらは全部、録画して後で見る。 フジテレビの新報道2001だけ、録画の時間帯がダブるので、ビデオデコーダーに録画するが、後はテレビの内蔵録画だね。 録画で見るとコマーシャルを飛ばせるし、面白くない箇所は飛ばせるので効率だ。 しかし、今週は、郵政民営化をめぐる麻生首相の発言と小泉発言が、繰り返しこれらの番組で登場する。 それに郵政民営化とからむが、「かんぽの宿売却」で鳩山総務大臣が登場する。A氏:それに加えて昨日は中川財務相の「もうろう会見」のシーンの放映を各テレビ局がやたらにやっていたね。 世界の報道陣が注視の会見での「もうろう」だけに、世界的な話題になったね。私:一連の報道で、小泉さんではないが、「あきれて」しまった。 もっとも小泉さんの発言にも「あきれた」がね。 たまたま、本の題名につられ、図書館に予約しておいたこの本の順番がきた。 気分転換に、江戸時代にもどり、新書版で肩のこらないでこの本をすぐに読んだね。A氏:江戸時代と時間との関係が、日本文化の時刻に厳しいということ関係があるのかね。私:新書版を売らんがためにやる「看板に偽りあり」というパターンだね。 この本の著者は、時代物の考証の専門らしいが、この本では江戸時代の65の話題について時代考証を述べている。 本の題名の「なぜ、江戸の庶民は時間に正確だったのか?」というのは、65のうちの1つのテーマに過ぎない。 江戸は、太鼓と鐘で時刻を知っていたんだが、それだけだね。 後の64のテーマは本のタイトルの時間の話とは関係がない。 上水道完備の江戸の庶民の話、遊郭の話、将軍の話、大奥の話、武士の話など多岐にわたる。A氏:江戸は理想的なリサイクル社会で、エコによかったらしいね。私:これを読むと江戸時代を一色で捉えることは不可能だね。 お辞儀のパターンでも48手あるという。 著者は、「着物の上から人を斬り殺せるか」というテーマで、時代劇のチャンバラで着物や帯の上だけ切っただけでバタンと倒れ、そのまま動かなくなるのは、おかしいとしているね。 本当に相手を殺したいなら、胴を刺すという。A氏:現代劇の推理ドラマで出てくる殺人シーンも斬るというより刺すシーンが多いね。私:著者は、刀は時代劇のちゃんばらにあるように、何人も斬れないと書いているね。 砥ぎ師によって刃がついて斬れるようになるから、硬いものにぶつけたり斬ったりするとすぐ刃こぼれする。A氏:君の日本刀知的街道の日本刀と時代小説、「自衛隊に関連して・K氏との対話」・3の1と続いているね。 真剣勝負では、お互いに刃と刃をぶつけると斬れなくなるので、鎬(しのぎ)を合わす。 これから「鎬をけずる」という言葉が生まれる。私:それに人を斬ると脂肪分が刃に付着するので、切れ味が悪くなり、数人斬ったら刃は使えなくなると著者は言う。 だから、戦場では予備の刀を用意するのが常識だったという。 日本刀で何人も斬ったという場合は、刃でなくて、おそらく切っ先で刺し殺したんだろうね。 戦闘での百人斬りは無理だね。 著者は時代考証専門だから、別に右翼ではないだろうがね。
2009.02.17
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私:1兆円の利益を出し、次は2兆円だと去年までは言っていたトヨタが、一転、大赤字だね。A氏:俺も読んだが、09年度は最悪、「1兆円の赤字」も考えられるという。私:販売台数の激減が、アメリカでも日本でも起きている。 こないだあるサラリーマンの車に同乗したんだが、彼は「本当はこの車はもう古いので買い替える予定だったんだけど、こんなに連日、マスコミでおどかされると、2、3年買い替えを待つようになりますよ。」と言っていたね。 しかし、企業には損益分岐点というのがあり、売上ダウンでも、赤字にならないように、いろいろ手を打っているはずなんだ。 特にトヨタはその点、慎重な企業だったはずだ。 トヨタの大幅赤字のニュースでその点がピンと来なかった。 それに新社長が「現場に一番近い社長でいたい」と言っていたが、現場主義はトヨタの基本理念で、DNAだったはずだから、何を今更と思ったがね。 それが、この文藝春秋のジャーナリストの井上久男氏の記事を見て納得できたね。 さすがのトヨタの経営内部でも甘い点が出てきて、そこに売上ダウンが直撃したんだね。A氏:トヨタでは、02年に中長期の商品展開や販売・生産計画などを示す「グローバル・マスタープラン(通称・グロマス)」を策定するね。私:「2010年グローバルビジョン」が出たので、そのビジョンに基づく具体的な計画だね。 この「グロマス」が、ノルマになり、「トヨタから志や夢が消え、数字優先の会社になった」とあるコンサルタントが言っているという。 「グロマス」のために、臨機応変の対応が遅れる。A氏:いったん計画を立てたら、周囲の事情が変化しようと臨機応変に対応せず押し通す。 官僚の計画と似ているね。 一種の企業の官僚化だね。私:「グロマス」はトヨタから経営の慎重さも奪ったという。 自動車産業は販売が減ると、高度の設備と多数の人員をかかえているので、一瞬にして赤字に転落する。 だから、伝統的にトヨタは工場建設に慎重だった。 しかし、「グロマス」をベースに工場建設を進めた結果、過剰設備に陥った。A氏:「グロマス」とともに「GPM(グローバル・プロフィット・マネジメント)」という考え方も導入された。 経理部が中心になって、地域ごとに利益目標が机上で決められた数字が押しつけられた。私:「かんばん」「あんどん」「カイゼン」など、泥臭い日本語中心のトヨタ生産方式がカタカナ英語が多くなるとやはり弱くなるね。A氏:トヨタは多品種少量生産を得意とした。 同じラインで異なった車種を生産できるから、ある車種の販売が減っても大きな打撃にならない。 しかし、06年に稼動したアメリカのテキサス工場は、大型ピックアップトラック「タンドラ」の専用工場にした。 部品も専用にした。 だから、販売減に弱く、操業停止に追い込まれる。私:新社長は、トヨタの現場経験豊かなメンバーで「明日のトヨタを考える会」を2月1日より発足させ、「現場中心で会社を変革してほしい」と檄を飛ばしたという。 この文藝春秋では、この記事の後、今回のトヨタ新社長人事に伴ない、会長に留まった張富士夫氏に対する井上氏のインタビューも掲載している。 張氏も、ここ十年くらいのトヨタの急成長で、トヨタ社員があまり苦労をしていないという懸念を表明していたね。 しかし、トヨタ生産方式の生みの親の大野耐一氏の直弟子である張氏は、トヨタが迎えた危機に対して、その大野流の「社員を生かす」DNAを復活させるだろうね。 「なぜトヨタは人を育てるのがうまいのか」の復活だね。 張氏は、インタビューの最後に、トヨタをもう少し、スマートな形で復活しようと思っていると述べている。A氏:トヨタはまだ、カネがあるからいいが、裾野の小さな下請群は持つかね。私:急激な減産で、それが復活するときに問題になりそうだね。 それはトヨタも自分のことだけでなく考えないとね。
2009.02.16
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A氏:昨日のこのブログで連想したことがあるね。 昨年10月頃、アメリカの金融危機が発生したとき、麻生政権の経済通だという与謝野大臣が「これはアメリカだけの危機で日本は大丈夫だ」と言っていたね。 本来は「アメリカの金融危機とともに、今の円安バブルは崩壊するので、輸出企業は壊滅的な影響を受けるだろう」と言うべきだったね。 与謝野大臣は榊原氏流に言うと間違った経済通だね。 そうなると、今後の政府の経済政策は不安だね。私:今月の文藝春秋の記事のうち、昨日は野口氏のテーマを問題にしたが、今日は、例の中谷巌氏の記事にふれよう。A氏:この話題は、このブログの「『改革』が日本を不幸にした・規制緩和の旗振り役 中谷巌氏が『懺悔』の告白」週刊朝日1月23日号でもふれているね。私:この文藝春秋のタイトルにはサブタイトルがあり、「構造改革の旗手による『転向』と『懺悔』の記」とあるね。 内容はその通りだね。 中谷氏は、ハーバート大学で学び、市場原理主義と「小さな政府」を掲げる新市場主義の信奉者となるんだね。 そして、小渕内閣の諮問機関「経済戦略会議」の議長代理として参加する頃から、政治に影響を与える立場になる。 この会議の答申が99年の「日本経済再生への戦略」だね。A氏:この答申の中にある労働市場改革が99年の労働者派遣法改正に直結するんだね。私:労働市場の流動化を狙ったんだろうが、グローバル化の嵐の中にいる労働市場、経営者の倫理観の欠如傾向、セーフティネットの欠如などの不安要因はほとんど考慮していないね。 思考バターンが「原理主義的」だし、相対的思考がないね。 太平洋戦争時代の日本軍と同じ単純な原理主義的発想で、見事に敗北したね。 その敗北の弁だね。 再生への答申の二本目の柱は「小さな政府」だね。A氏:「手厚い社会保障システムが経済成長を阻害している」という考えだね。私:それにより、「財政赤字の急膨張」が「将来不安の高まり」を産んだとして「小さな政府」を掲げた。 しかし、その結果は、逆で、現実は、医療費などの社会保障費削減で、医療崩壊などの社会不安を起している。 生活保護の母子加算も削除されるね。 しかし、郵政民営化はよい点があったと評価しているね。 その一つが財政投融資に自動的に流れるのに歯止めをかけたことがあるという。A氏:しかし、それは郵政民営化が問題になる前に、歯止めがかかっているんだね。 どうもそれを中谷氏が知らないとはね。私: これと話は別だが、12年前に、財界が、規制緩和の効果を構造調整・規制緩和で934万人が失業するが、一方で1064万人の雇用が創出されるので、差し引き130万人の雇用増加が期待できるという文書を出しているという。 これで規制緩和を進めてきた。 財界も官僚並みの作文書きに落ちていたんだね。 財界は、その反省がないね。 タクシー料金なんかは規制緩和で逆に値上げだね。 誰も、この規制緩和失敗の責任をとらない。 ところで、中谷氏は、新自由主義の理論モデルでは、個人と国家しか想定されていないという。 歴史を持った「社会」への視点がないという。A氏:それは当り前ではないかね。 伊藤忠会長の丹羽宇一郎氏は、市場原理主義の問題点は、人は皆、正しく行動すると思っている点にあるという。 しかし、カネに貪欲なのが人の本質にあるのが常識ではないかね。 良心的な金持ちが少ないのは、歴史の事実だよ。 ここで、丹羽氏が言及している経済学や社会学にあるソーシャルキャピタル(社会資本)という概念があり、それは社会的な交流、人と人との信頼関係、社会参加の度合いなどを数値化し、絆の価値を測定するものだというが、これすら、経済専門の中谷氏は無知だったんだろうかね。私:分析的知能の優秀者が、実践的知能が優秀とは限らないことを立証したようだね。 それに気がついていなかったようだ。 そして、榊原氏、野口氏と同様に、明日の日本像は「真に必要な改革の方向性を模索すべきである」と抽象的な精神論で終わっている。 創造的知能も期待できないね。 また、文藝春秋のことだから、竹中氏からの反論がでるかもしれないがね。
2009.02.15
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私:今月の月刊誌「文藝春秋」は力作が多いね。 野口氏は、今回の経済危機について、昨年末に「世界経済危機 日本の罪と罰」を出版しているね。 氏は、3年ほど前に「日本経済は本当に復活したのか・根拠なき楽観論を斬る」を発行している。 当時、日本企業が画期的な業績を上げ、日本経済が回復したのは認めるが、新しいビジネスモデルの展開による経済回復でないと警告していたね。 小泉さんは従来型の産業構造を延命させただけだという。 そして、日本企業の利益率は依然として外国企業と比較すると低いと言っていたね。A氏:今、この本についてまとめた君のブログを改めて読むと、3年前の野口氏の警告はその通りになっているね。私:野口氏は、今月の文藝春秋で、これまで日本経済を牽引してきた輸出産業が、今回の金融危機で崩壊した理由を2つあげているね。 1つは、アメリカの住宅バブルの崩壊によるアメリカの消費の落ち込み。 もう1つは、円安バブルの崩壊だという。 各国の物価上昇率を考慮に入れた実質ベースで比較すると歴史的な円安バブルだったといい、それが崩壊したという。A氏:榊原英資氏が、日本はずっと実力は円安だったといっているのと同じだね。 榊原氏は、「名目レート」では円は安定してきているようだったが、「実質実効為替レート」では、ずっと、プラザ合意以前の円安状態であったという。 すなわち、円安バブル状態だったわけだね。私:円安バブルで輸出企業は伸びてきたと言える。 その円安バブルが、アメリカの金融危機でドルの価値が下落するとともに、実質的な円の価値、すなわち、現在の円高に正常化したというわけだね。 しかし、日本の輸出産業は軒並み膨大な赤字に転落した。 野口氏は、日本のGDPは政府予測をはるかにオーバーして、マイナス10%も考えられるという。 問題は、失業率で、悪かった2002年の6%を考えると、これから約120万人が失業することになるという。 しかも、ゆるやかな減少ではなく、急激だと言う。A氏:「派遣切り」のレベルではないね。私:野口氏は、榊原氏同様に、小泉政権の極端な低金利政策と円安誘導を、円安バブルを作った原因としているね。 日本は輸出立国だというが、90年代までは、日本の実質GDPに純輸出が占める割合は1%程度だった。 それが日本経済が外需依存になったのは2002年以降のことで、2007年には5%にまで膨らんでいるという。 だから、輸入国のアメリカより、日本のほうの被害は深刻だという。A氏:中国もアメリカへの輸出が好景気のもとだったし、GDPの3割が輸出産業だから中国も不安定だね。私:その中国へ、日本は工作機械や部品を輸出してきた。 日本はアメリカと中国への輸出減というダブルでやられているというわけだね。 それに野口氏は、金利ゼロ、円安政策をとった小泉政権の経済政策については厳しいね。 アメリカで住宅バブルが起きた背景には、日本や中国からの資本流入があった。 円キャリートレードもあった。 もし、どちらかが資本をアメリカに回さなければ、アメリカの住宅バブルも過剰消費も成り立たなかったという。A氏:日本や中国はアメリカのバブルの共犯者と言うわけか。 榊原氏も円安政策は間違っており、それは誤ったデフレ経済理論とそれに基づく経済政策の結果だとしているね。私:昨年末、野口氏は、「世界経済危機 日本の罪と罰」という本を出しているが、その本の宣伝文句として「主犯アメリカに資金を供給し続けた"共犯者"日本。 その結果として、この国を未曾有の大不況が襲う」とあるね。 この日本の経済危機に対応するために、氏は日銀引受けで、国債30兆円の投入を提言しているね。 しかし、新しい産業についてはふれていない。 新しいことをやらないと生きていけないとして、そのように考える人々の試行錯誤だけが、新しい日本を作ってゆくのであるとして終わっている。 この点は榊原氏と同じだね。 皆、考えてくれだね。 分析的知能の高い人は、創造的知能が低いのだろうかね。 ただ、榊原氏は農業に期待しているが、野口氏は否定的だね。 今後、日本経済はどうなるかね。
2009.02.14
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生涯発達のダイナミクス私:知能は教育で変わるだろうかという問題があるね。 既存の知能検査によって測られる知能は知的能力全般をカバーしていない。 「陽の目を見ない」知能として、創造的知能と実践的知能がある。 知能検査に関係する知能を分析的知能とすると、次の3つの知能に分けられる。 分析的知能 創造的知能 実践的知能A氏:分析的知能を測定するには「ペリー来航から明治維新までの主要なできごとを関連付けてまとめなさい」という問題になる。 創造的知能を測定するには「もしもペリーが来なかったら日本の歴史はどう変わっていたと思うか」という問題になる。 実践的知能を測定するには「幕末から明治にかけての外交の歴史は、現在のアメリカやアジア諸国との外交にどんな教訓や示唆を与えるか」という問題になるね。私:研究によるとこれら3つの知能の関係は低いという。 IQが高い人は分析能力が高いことが多いが、他の能力は低いことが多い。 基本的には異なる種類の知能に秀でた多様な人たちがいるということなんだね。 東大出の官僚が必ずしも今の経済危機に強いわけではないね。A氏:「心の知能指数:EQ」というのもあるね。私:「頭のよさ」を測るものとして既存の知能検査と分析的知能が特に相関が高いということは、現代社会の知的環境では、分析的能力に秀でていることが有利であることを意味しているという。 それに対して、創造性や実践的能力に秀でていても、分析的・論理的な思考が得意でない子どもは、評価面や選抜で不利だね。A氏:教育が分析的知能を中心としたものであると、別な能力に優れた子どもが力を発揮して評価されるチャンスが少なくなる。 大学入試に、先の創造的知能や実践的知能をテストする問題は出ないからね。 「もしもペリーが来なかったら日本の歴史はどう変わっていたと思うか」 「幕末から明治にかけての外交の歴史は、現在のアメリカやアジア諸国との外交にどんな教訓や示唆を与えるか」という入試でなく、 「ペリー来航から明治維新までの主要なできごとを関連付けてまとめなさい」 という入試問題が適切になるね。私:しかし、今、創造性のある人材が社会的に要求されるようになると、教育内容も変わってくるね。 アメリカでは子どもの教育は左脳から右脳時代になってきつつあるという。 これはこのブログのA WHOLE NEW MIND その1、その2、「ハイ・コンセプト」 でとりあげたね。A氏:知能の発達には、社会化としての側面があることになる。私:ここでまた、フリン効果にもどるが、この短期間での知能の大きな伸びは、遺伝子レベルの変化としては急激だから、社会的な環境面が強いのではないかと考えられる。 ノルウェーでは、1990年以降、IQの急速な伸びが頭打ちになっているという。 これは日本を含めた他の先進国にも当てはまる可能性が高いという。A氏:創造性教育を重んじるフィンランドではどうなんだろうね。私:残念ながらその関連は書いていない。 日本では迷走している「ゆとり教育」が関係あるかもしれないね。 パソコンやIT技術革新で新しいタイプの知能が台頭しつつあるのかもしれない。 分析的・論理的知能優位が10年、20年の単位でドラスティックに変化する可能性があるかもしれないという。A氏:IQで代表される知能とは別のタイプの知的能力がわれわれの知的発達の中で新たに登場するか、あるいは登場しているということかね。私:それは大量生産、大量消費の時代の終わりと関係があるのかもしれないね。 経済恐慌だけの時代変化だけではないかもしれないね。 そういう視点はこの本の主題ではないかもしれないが、深い関係があるような気がするね。 その変化の流れにそって知能の発達もダイナミックに変化していくんだろうね。
2009.02.13
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生涯発達のダイナミクス 私:人は自分の手がかりになるものを予測して、外界に対して行動する。 手がかりになるものは、外部から得るものには社会的支援や情報がある。 内部の手がかりになるものは、自分の体力や能力だね。A氏:それは労働者も同じだね。 家族を含めた外部からの社会的支援や情報。 そして内部としての自分の資格や能力を考える。 そして、就職に対応するというわけだね。私:俺たち年配者も同様だね。 加齢に対して、外部の手がかりはどういうものがあるか。 内部の自分の体力、知力はどうか。 それを配慮して歳のとり方を考える。 日常生活を変えたり、生活習慣を見直したりする。A氏:「歳をとるにつれてどうなるか」ではなく「歳をとることに対して自分はどうするか」ということだね。 被害者意識だけではダメだね。私:この行動の理論にSOC理論がある。 Sは「選択(selection)」で、自分の限界を知り、活動内容をしぼること。 Oは「最適化(optimization)で、しぼった内容の充実。 Cは「補償(compensation)で、自分の限界がせまくならないように異なるやり方を考えることだね。 Sはさらに、予防的選択と、失敗した反省にもとづく事後的選択と2つに分かれる。A氏:俺は60歳代までジョギングをしていたが、あるとき、不整脈を起したので、ウオーキングに変えたが、これは事後的選択だね。私:これを若年、中年、高齢と3つわけて調査すると、若年は、まだ、未来があるからあまりSOCの得点が高くない。 面白いのは、中年でSは事後的選択とOとCが最も高くなり、予防的選択は高齢者に多い。 高齢者は、「年寄りの冷や水」をあらかじめ避けて、別の分野にエネルギーを集中している傾向が強いというね。A氏:こないだフジテレビで今年90歳になる元首相の中曽根氏が出ていて、健康法の紹介もやっていたが、好奇心が旺盛だということと、あまり「くよくよしない」ことだといっていたね。私:俺が知っているある中堅企業の経営者は、84歳だが、健康法を聞いたら、「特にないが、あえて言えば、悪いことはすぐ忘れる」と言っていたね。 生涯の発達的な変化は、年齢が直接の原因になって起こる自然の変化というより、自分自身の歳のとり方をコントロールすることによって生じる面が大きいのだね。A氏:最近、職業カウンセリングに対して、キャリアカウンセリングということを聞くが、やはり、職業だけでなく、生涯という個人が中心になってきたんだね。 人生論か宗教論みたいだね。私:ところで、歳をとると物忘れが多くなるというが、歳をとっても高い動機づけがあるときは、心理的にそれに集中するので、すごい記憶を発揮することがあるという。 朝日新聞の読者投稿欄で、104歳になる祖母が100人余りの孫、曾孫、玄孫の全員の名前をはっきり言えるあったというが、それは家族に対する誇りが名前を覚えたいという動機と集中力になっていると考えられる。 明日は知能の変化についてふれよう。
2009.02.12
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生涯発達のダイナミクス私:今日は「建国記念の日」。 俺たちの戦争中の小学生時代は「紀元節」といって盛大な祝祭日だったね。 八咫烏(やたがらす、やたのからす)を肩にのせた神武天皇の立っている絵を思い出すね。 同時に俺の誕生日。A氏:おめでとう。私:一休禅師の言葉で「元日や、冥土の旅の一里塚、めでたくもあり、めでたくもなし」というのがあるが、この年になると、同様に「誕生日、冥土の旅の一里塚、めでたくもあり、めでたくもなし」だね。 しかも、俺たちの歳になると、終点の冥土が次第に近づいてくる。 ところで、標題の本は、俺たちの年代の誕生日には、一番、読むにふさわしい本の1つかもしれない。 「生涯発達心理学」という専門書の分類になるのだろうから、シロートの俺にはスラスラ読める本ではない。 しかし、内容は、人の一生の知能の発達などを扱っていて興味が持てたね。 どこかの書評で興味をもって、図書館から借りた。A氏:サクセスフルエイジング(successful aging)という言葉を聞いたことがあるね。 「上手な加齢」「上手な年のとり方」という意味だね。私:以前の医学や脳生理学では、年をとると脳というハードウエアの機能が衰えるので、成人期の知的能力がいったん低下すると回復しないと考えられていた。 それが、1980年代から、「身体や脳の生理学的機能は、歳をとることによって低下することは避けられない」という考えが見直されるようになる。 そこで、生活習慣病のように、うまく環境をコントロールすると、知的に「上手な加齢」「上手な年のとり方」ができるのではないかという考えが生まれてきたんだね。A氏:歳をとってからも、脳のニューロン新生があるそうだね。私:知能の生涯発達心理研究の基本的なテーマは「歳をとるにつれて頭の働きはどう変化するか」というものだそうだね。A氏:やはり、歳をとると記憶力が衰えるというね。私:それが研究が進むと、必ずしもそうではないのだね。 面白いのは「フリン効果」だね。 「後から生まれた世代ほどIQ(知能指数)が高い」ということで、フリンが30年位前に発表したので「フリン効果」といのだそうだ。 欧米や日本などの先進国の調査で、同じ傾向を示しているという。A氏:何故だろう?私:いろいろな専門家の説明があるが、皆を満足させる説明は今のところないという。 それから、高齢になっても、知能は復活する可能性はあり、訓練や経験によって大きく伸びるという。 脳は経験と無関係に一方的に自然に衰えていくわけではない。A氏:肉体と同じだね。 合気道の名人の佐川氏は、90歳でも腕立て伏せを毎日400回やっていたというね。 若いときから、毎日連続して鍛えていると、かなり衰えを防止できるのだね。 しかし、毎日続けることが難しいね。 自己責任かね。私:一般的に老齢者は若い人より知能は落ちるが専門分野では負けないという。 それは熟達によって新しい認知技能が発生するという創造的な面があるからだという。A氏:名人と言われる人は高いIQ(知能指数)を持っているのだろうかね。私:チェスの熟達者に知能検査をしたが、熟達のレベルとIQの関連はあまりなかったという。 日本でも囲碁で調べたが、同様であったという。 IQの扱う一般的な知能ではない認知能力が別にあると考えられる。 明日は、サクセスフルエイジング・「上手な加齢」「上手な年のとり方」にもっとふれよう。
2009.02.11
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私:今、福島から帰ってきたよ。 今日、午前中から福島のほうに用事があったんで、昨夜は、福島駅近くのホテルに泊まった。 新しいホテルで、きれいだね。 料金が安いのに、部屋が広い。 シングルなのに、ダブルベット並みの大きなベッド。 バスも広い。 長椅子と大きな丸テーブルがある。A氏:それは豪華だね。私:しかし、エコ式だから、歯ブラシ、剃刀などはない。 持参だね。 チェックインも午後6時からだ。A氏:最近、ビジネスホテルでエコに努力するところが多いね。私:ところで、今朝、チェックアウトするまで時間があったんで、7時半頃、着替えを終えてホテルの部屋のテレビを見ていた。 日本テレビ系だ。 ある高校の90人の男女に、大人になって選択する業種を選択させる特集が始まったんだ。 グランドに、確か、8つくらいの業種別の囲みを作り、それぞれ選択した業種の囲みに移動するというわけだ。 あらかじめ、先入観を持たないように配慮したとのこと。 高校生がどの職種を選んだと思う?A氏:最近の不況でわからないね。私:なんと、90人中、農業が30人で、他を大きく離してトップだ。 自動車の囲みに入ったのは、たった2人だね。A氏:若者の自動車離れを示しているのかね。私:次に農業を選んだ30名に「どういう農業をしたいか」というようなことをフリップに書いてもらっていた。 残念だが、そこでチェックアウトのため、部屋を出る時刻になってしまったので、後は見ていない。A氏:都会の高校生が農業に大きな関心を持っているとは驚いたね。 昨日のブログで、「サライ」に掲載されていた、無農薬、無肥料の稲作のはなしにあったように、農業はいろいろ深く研究の余地があるようだね。 今まで、日本の農業は、戦前は「勤勉第一」、戦後は過保護できたから、今、崩壊に瀕している。 逆に、改革の余地は大きいだろうね。 農業知的街道(「奪われる日本」、「食糧がなくなる!本当に危ない環境問題」、「反貧困の学校」、「本質を見抜く力・・環境・食糧・エネルギー」、派遣労働問題は「人権問題」、「農政改革」、「消える農地・コメ関税撤廃で『偽装農家』のエゴを断て」、「間違いだらけの経済政策」、「無農薬・無肥料の稲作」)が延びてきたね。私:昨日のブログに愛しの増田恵子様さんから、昨日、日本テレビで農業特集をやっていたとのコメントをもらった。 どうも、日本テレビはこのところ、朝、シリーズで農業特集を組んでいるようだね。 この高校生の特集の直前には、「派遣切り」の人を農業に就業させようと、就業相談会が設けられ、多くの人が並んでいるシーンが映し出されていたね。 俺は、だいたい、この時間帯はTBSのみのもんたの「朝ズバッ!」を見ているので、この日本テレビの「ズームインSUPER」は裏番組なっているので気がつくのが遅かった。 しかし、最近、いろいろなところで、雇用と農業との関係がクローズアップしてきたのはいいことだね。
2009.02.10
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私:今日、毎月、やっている健康診断に行ってきたよ。 不思議なのは、医者の目の前で血圧を測るときは、異常に高い。 今日は、上が150、下が100とかいう価が出た。 そこで、5分位して、別室で測ると、130と80になるんだね。 20くらい一挙に下がる。 以前、30くらい上下、下がったことがあるね。 別室で測ると20くらい下がるというのが、慣例になっている。A氏:よく医者と対面しているときは、緊張しているので正常よりあがりやすいというね。 俺は逆に後のほうがあがったことがある。 ところで、健康診断は異常がなかったのかね。私:今日は、レントゲンと心電計をやったね、 レントゲンは昨年と3年前の写真があって、比較できたね。 特に変化はなかったね。A氏:ところで、最近、インフルエンザや風邪が猛威を発揮しているので、病院は混雑していなかったかね。 それに月曜だしね。私:そうね。 ひどい混雑ではなく、通常の混雑だったね。 ところで、今日のブログの本題に入るが、医者の待合室で、待っている間に、置いてある雑誌に「サライ」があって、積んであった。 最新のものは、「良寛」特集だったね。 パラパラめくっているうちに、「無農薬・無肥料の稲作」の2頁の記事が知的アンテナにひっかかった。A氏:「奇跡のリンゴ」と関係あるのかね。私:それには、この記事はふれていないね。 パラパラめくって読んでいて、読み終わる頃に会計に呼ばれたので、詳細な内容を記憶していないが、要するに、千葉の農家の人で、実験的にやっているらしいが、従来の稲作の田と自然放置の田の比較研究をしているんだね。 自然放置の稲田は、実験開始後、3年ぐらい立つそうだが、人が手を加えた稲田に比較すると1割か2割くらい収穫が少ないが、労働がゼロに近いので、効率はよいという。 ミミズが田を耕す機能やムシを予防する機能があるらしい。 その他、いろいろなムシやトリがうまく機能するらしい。 自然のバランスがうまく働いて、農薬や肥料の代わりをしてくれるらしいね。A氏:「奇跡のリンゴ」で木村秋則氏が体験したことと同じなんだね。私:日本では伝統的に稲作は手間のかかるものだといってきたが、この方法はその否定だね。 だから、この研究成果が出たとき、異端視されたという。 農薬、化学肥料など、手間をへらすための人の自然いじりは、自然の微妙な摂理にはかなわないということかね。 それは謙虚に学ぶべきだね。 それにしても、農業は、深いね。 これから、いろいろ画期的な研究成果が出てくることを期待したいね。
2009.02.09
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私:先週、大阪に行ってきたんだが、大阪でいつも迷うことがある。 それは、エスカレーターで立つ位置だね。 関東と反対で、大阪の人は右に立ち、歩いてのぼる人は左側をのぼる。 人がたくさんいると後をついていけば、いいんだが、人が少ないと、つい、東京流に左側に寄っていてあわてるね。A氏:大阪ではエスカレーターは、右側に寄って立ち、急いで歩いてのぼる人は、左側を行くね。 ところが、東京では、反対だ。私:大阪でよく泊まるホテルの近くに私鉄の地下鉄駅ができ、便利になった。 その駅のエスカレーターに乗ったんだが、女性の声で、「右側に寄って立って乗ってください」といようなアナウンスが聞こえた。A氏:そういうアナウンスは珍しいのではないの?私:しかし、不思議な習慣だね。 道路交通法でもないんだから、自由なのに、きちんと何かルールがあるようだね。A氏:大阪と東京は明確に違うが、どのへんから、右左とわかれるのかね? 名古屋へんかな。私:名古屋には最近、行ったことがないので、分からないね。 ある人が、名古屋の近くの大垣から分かれると言っていたよ。 しかし、東北でも仙台は大阪式だという。 ウィキペディアによると、「大阪万博の際、主に右立ち左空けが標準だった欧米諸国にならって左側を空けるようにしたため近畿圏ではそれが定着した」とある。A氏:しかし、外国でも一貫していないで大阪式、東京式と分かれるようだね。私:日本では、最近、エスカレーターでの歩行を禁止するキャンペーンをしているようだね。A氏:日本の事例とは対照的に、ロンドン地下鉄駅などでは通行の円滑化のため片側を空けることを積極的に呼びかけており、歩行を認めている国・地域のほうが世界的に多数派だそうだ。私:俺は原則として、空いていれば歩くほうを選ぶね。 どっちがいいかね。
2009.02.08
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間違いだらけの経済政策 私:榊原氏は、近年の経済政策論議の中で、最も混乱し、かつ、経済政策上、大きな過ちを犯したのはデフレに関するものだという。A氏:デフレというと、過剰生産で、製品価格が低下し、需要が低迷し、不況というイメージを描くね。 去年の11月くらいから、急激に景気が悪化して、リストラなど始まっているが、これこそ、デフレだろうね。私:ところが、1990年代から2000年代にかけて、中国、日本、香港などでは消費者物価は下がってきているんだね。 これは1980年代から先進国全体で見られた現象だ。 しかし、アジア危機の時期はあったにせよ、経済成長率は高かったので、需要がないから物が売れないというデフレでは説明できない。 その矛盾した現象はグローバリゼーションが原因だね。A氏:それは感覚的にわかるよ。 中国や東南アジアからの安い製品が日本の消費市場に出回るようになった。 日本は、機械や部品を中国に投入するから景気はいいね。 景気がいいのに、消費者物価は中国などからの輸入で低下する。 デフレによる消費者物価の低下ではないね。 確かに、グローバリゼーションの結果だね。私:逆に、資源の物価上昇も、国内需要の超過によってあがっているのではないね。A氏:数年前に鉄材の値上がりがあったね。 あれなんか、国内需要超過によるインフレでなく、中国のオリンピック景気などで、グローバル経済での需要超過が、日本国内の鉄材のインフレとなっているね。私:中国を中心とする東南アジアの経済圏は、密接につながった生産ネットワークとなっている。 これによって、景気がいい中での物価安定となっていたのだね。A氏:従来の景気がいいとインフレになるというのと逆の現象だね。私:ところが、それを当時は、多くのマクロ経済エコミスとは、デフレだと問題にして、「デフレ脱却」を経済政策の主要目標に据えた。A氏:ゼロ金利政策のことだね。私:榊原氏は、ゼロ金利政策は小泉政権のもとで、竹中平蔵や伊藤隆敏といったエコノミストがとった間違った硬直的なマクロ政策だという。 それは、ここ十年の東南アジアの経済統合によっ、起こっている構造変化を理解していない結果だという。A氏:それから、輸出産業の多い日本では、円高が景気の足を引っ張るね。私:だから、円安を維持する前にドル買いが2002年から04年まで続く。 これも円安バブルの原因となる。A氏:低金利である円を借入れて、円を売ってより高い利回りとなる外貨や外貨建ての株式や債券などで運用して「利ざや」を稼ぐ、いわゆる「円キャリー」の発生だね。私:1908年、日本の円が安いということでプラザ合意で円高になった。 しかし、榊原氏は、「名目レート」では円は安定しているようだが、「実質実効為替レート」では、2008年現在、プラザ合意以前の円安状態であるという。 これも昨日のGDP同様の「名目レート」のトリックだね。 昨日のブログに「愛しの増田恵子様」より、コメントがあったが、東京株式が米国株式より下落率が高いというのも「名目レート」のトリックで実質下落率は米国と同じ。 それを竹中平蔵氏は「日本株の下落率がアメリカより高いのは、規制緩和が不十分だからだ」と例のごとく間違った発言をしているね。 だから、榊原氏は、「実質実効為替レート」を根拠に、サブプライム問題発生とともに、円は安すぎるから80円台くらいまで円高になるだろうと予測し、的中させているね。A氏:低金利による円安バブルは、日本の景気が急速に冷え出した、一番悪いときに崩壊し出し、「株安・円高の中の景気後退」という最悪の事態となったわけか。私:この本が出てから、経済はもっと悪化しているね。 榊原氏も、この本では処方箋を示すことは出来なかったね。 今朝の新聞広告で、オバマ後の世界経済を論じた榊原氏の新著「メルトダウン」が出ていたので、読んでみたくなったね。 メルトダウン
2009.02.07
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間違いだらけの経済政策私:榊原氏は、経済政策の間違いは、今の経済理論の間違いが原因としているようだね。 まず、「日本が特殊で、かつ遅れている」というのは間違った認識だという。 ドル建ての1人当り名目GNPでは、1987年以降、ほぼ、トップ。A氏:しかし、バブル崩壊で急落しているのではないの? 福田内閣のときの大田大臣が日本は1人当りGNPで順位が急落していると言ったね。私:2006年には、小国アイスランドが、金融で成功し、1人当りGNPは日本を追い越し、世界5位になっているね。 それが、昨年の金融危機で国家が破産しそうになっているね。 ところで、榊原氏は、ドル建てのGNPの比較は為替レートと物価変動の影響を受けるのでトリッキーだという。 だから、実質実効為替レートで調整すると日本はトップを走っているんだね。A氏:ヨーロッパもアメリカも日本に比べると階級社会だから、わずかなトップ層の生活は派手だが、日本の中産階級は豊かだろうね。私:日本は遅れているどころか、世界の先頭を走っている。 これを「近代日本の転倒性」と水野和夫氏は言っているという。 その意味は「日本で起きている問題に対処する場合、欧米を参考にしても意味がない」ということだね。 悪い点も先頭を走っているね。A氏:日本のバブル崩壊時の銀行への公的資金投入を今、欧米先進国が真似ているね。私:しかし、日本の伝統的な社会の崩壊などの悪い点は、依然として先頭は知っているね。 欧米は伝統文化を守っているね。 特にヨーロッパはね 「日本が遅れている」という考えから、アメリカ原理主義、言い換えれば市場原理主義をまねる。 榊原氏は、経済政策、外交でもイデオロギーとしてのアメリカ原理主義を捨て、遅れた日本というコンプレックスから、抜け出すべきだという。A氏:しかし、アメリカ原理主義もオバマ大統領登場で変わるのではないの。私:この本は昨年11月刊行だから、その点はおりこんでいないね。 ところで、もう1つの経済理論の間違いは、マクロ経済理論だという。 マクロ経済理論は20世紀後半に栄華を誇る。 50年代から60年代にアメリカでマクロ経済学を学んだ日本の学者が日本に帰ってくると、日本でもマクロ経済学のブームとなる。A氏:敗戦直後の日本の経済学はマルクス経済学ブームだったのと似ているね。 もっとも当時の経済政策とは関係なかったがね。私:しかし、榊原氏は、21世紀になるとマクロ経済学は次第に時代遅れのものとなり、マクロ経済分析が経済政策を誤らせるようなことがしばしば起こりはじめたという。 マクロ経済学の問題点は、未来は過去の延長であるという考えがあるようだね。 だから、経済構造が変化しているのに、それを考慮していないという。A氏:どんな構造変化?私:榊原氏は、2つあげている。 1つには、経済のグローバル化だね。 だから、国を単位とするマクロ経済学では、現実に対応できない。 もう1つは、1財1価格の仮定が変化しているという。 価格革命によって、インフレとデフレが共存する状態が発生してきたという。 具体的には、工業製品はデフレ、資源はインフレという1財1価格の仮定の崩壊だね。A氏:世界の経済構造が一定だとして、1国・1財1価格をベースに分析を進めてきたマクロ経済理論が大きな壁に突き当たり、それに基づく経済政策は間違えることが多くなっているということか。私:財政についても言えるね。 歳出は、公共事業が減少して福祉関連支出が増大するという構造変化が起きている。 歳入も所得税、法人税中心の構造でいいかという問題があるね。 マクロ総量だけの拡大を指向する経済戦略は、民間でも政府でも終わりつつあるという。 明日は、その構造問題とデフレとの関係にふれよう。
2009.02.06
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間違いだらけの経済政策私:榊原英資氏は、昨年の早い時期に、テレ朝のサンディプロジェクトで、株価の急落、急速な円高を予測していたね。 この本は経済政策の問題にふれているんだが、第5章の「展望なき資源政策」で農業にふれている。 そこで、昨日の農業知的街道のつながりで、この章から話を進めていこう。 榊原氏は、グローバル経済による構造変化で、製品のデフレと資源不足による資源インフレが共存しているという。 前者は、民間の努力により中国や東南アジアの生産ネットワークで解決してきたが、後者は、商社などの民間の努力だけでは限界があるという。A氏:欧米諸国や中国、インドなどは、公的セクターが資源確保で世界外交を展開しているね。私:「民にできることは民で」という小泉改革では、石油公団の廃止、国際協力銀行の分割と統合などで、資源確保の公的セクターの活動は弱体化しているという。 資源価格の上昇、特に食糧価格の構造的上昇には、日本の農業政策を抜本的に変える必要があるという。A氏:農業政策は、資源の世界の構造変化を考慮しないといけないわけだね。私:榊原氏は、農業政策の転換として柴田明夫氏の「資源インフレ」から、次の3つを引用している。 1、耕作放棄などもってのほかで、農地法の「自作農主義」にもどり、農地を徹底的に利用できるものに農地を任せること。 2.食品残渣の飼料などの再利用は全体の17パーセントにすぎないので、このリサイクルの徹底。 3.アジアをはじめとする、海外との連携の徹底。A氏:農地法は、戦前の小作農問題から、戦後の農地開放でできたもので、基本的に「自作農主義」だね。私:しかし、60年余がたった現在、実情と合わなくなってきたのだね。 昨日のブログの神門喜久氏が指摘するようにね。 榊原氏は、農業基盤整備のための公共事業は農道や林道建設、ハコモノ建設など地方の建設業者は利するが、農業再生化に役立っていないという。 そして、地産地消モデルにすべきという。A氏:グローバル時代なのにね。私:食は逆にローカルに帰るべきだとしているね。A氏:戦後、アメリカ的消費の影響で、ファストフード、スーパーマーケット、コンビニエンスストア文化ができあがってしまったね。 アメリカ以上にアメリカ的だね。 これからの脱却だね。 日本人は「もったいない」を忘れてしまったね。私:20世紀の大量生産、大量消費、大量廃棄の時代は、農業でも食の世界でも終わりつつあるという。 その観点から農業政策を考えるべきだろうね。 農業だけでないかもしれないがね。A氏:今朝の新聞では、減反見直しの「石破改革」を首相後押しとあるね。 農政改革は、首相が最重視する景気回復の目玉だという。 政府関係者は「一時的でなく構造的な雇用を創出できる有力な分野は農業だ」 「農政改革による経済効果は大きく、郵政民営化の比じゃない」と言っているという。私:経済財政諮問会議も石破改革を支持するという。 しかし、農水族は「唐突だ」と反発しているという。 どうなるかね。
2009.02.05
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私:昨日、夕方、ちょっと、書店で雑誌ウェッジ2月の表紙を見たら、「偽装農家のエゴで消える農地を守れ」という大きな目次があった。 見たら、このブログでとりあげた「本質を見抜く力・・環境・食糧・エネルギー」で、日本の農業は耕作放棄が深刻だとして、警告していた神門善久氏の寄稿だね。 4頁にわたって、日本農業の悲劇的な様相を描いている。A氏:どういう手を打てばいいのかね。私:氏は、問題の根は深く、容易な解決策は見つかりそうもないと結論している。 しかし、問題解決の第1歩は、現実の農地の惨状をしっかり見つめることだとしているね。 現状は、農水省は目をつぶり、評論家、学者は事実を知らない者が多いという。A氏:「偽装農家」というのはどういう農家を言うのかね。私:日本には200万戸以上の稲作農家があるが、このうち、稲作収入で生計を立てているのは7万戸に過ぎないという。 他は、とりあえずは稲作で農業の体裁を整えながら、機をみて農地を売り抜こうとしている農家が少なくないという。 こういう農家を「偽装農家」と言っている。 農村唯一の票田だという。A氏:農地所有は規制がきびしいのではないの?私:違反転用は、発覚したものだけでも年間8000件にのぼり、厳しい罰則があるのにかかわらず、反省文などで終わるものが多く、「やったもの勝ち」だという。 農業施設の建設と称して住宅を建てるなどのいろいろな脱法の手口があり、農地転用規制は抜け穴だらけだという。A氏:農水省は自作農主義に固執し、農地取得の自由化を拒否しているのではないの?私:毎年のように農地の有効利用のために法制度が施行されるが、運用の最前線の農業委員会で骨抜きとなるという。 営農目的なら数百万円の土地が、転用で億円単位の価格がつく。A氏:俺の近くの郊外農家はものすごい金持ちが多いね。私:農水省の最大利権は、予算の約4割を占める公共事業だという。 このカネが選挙の集票マシーンとなり、農水省の天下り先も土木関係の組織がずらりと並ぶという。 コメについては、段階的に関税を撤廃し、農地利用規制の透明化と低米価にすべきという。 これにより「偽装農家」は農地の貸し出しや売却に追い込まれ、真に生産効率の高い農家に農地が集積し、海外の米作にも十分に競合できるだけの稲作になるという。A氏:農水省は、国全体として確保すべき農地と転用可能な農地を設定すべきだね。私:もっと、国の立場から行動して欲しいね。 省や農林族の利権のためでなくね。 とにかく、耕作放棄している農地の約4割が非農家の所有あるという事実には驚いたね。
2009.02.04
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私:今日、榊原英資氏の農業問題にふれようとおもっていたら、朝日新聞の朝刊の一面トップが「減反選択制を検討」という見出しだね。 ちょっと、迂回だね。 減反の見直しはWTOの外圧に対する対応もあるね。A氏:君のブログで農業問題知的街道ができつつあるね。 「奪われる日本」、「食糧がなくなる!本当に危ない環境問題」、「反貧困の学校」、「本質を見抜く力・・環境・食糧・エネルギー」、派遣労働問題は「人権問題」、「農政改革」と続くね。 「奪われる日本では」では、韓国との比較をしているね。 韓国も食料自給率が49パーセント。 それなのに、アメリカのグローバル戦略、アジア戦略の一環としてのFTA要求を受けて、農産物の自由貿易を準備して、農業の再編と農業の危機を迎えつつあるという。 2007年に協定締結。 その裏面は、アメリカが世界的な競争力をもつ金融サービス、医薬品、農産物などの産業が韓国市場を席巻する道に通じているという。私:韓国は零細農家が多いから、このアメリカとの協定で、韓国農業の一部は効率化するが、全体として縮小し、食料自給率はいっそう低下することが予想されるという。 韓国は非正規従業員が日本より多く、5割だという。 雇用問題は日本以上に深刻だろうね。A氏:日本でもFTAによる自由貿易交渉がすすんでいるが、農業大国アメリカとのFTAは、日本の農業・農村の縮小と衰退化の道を進むことになろうと「奪われる日本」の著者はいう。私:「食糧がなくなる!本当に危ない環境問題」では食糧の自給率が極めて低い日本が、いかにこの食糧危機を脱するかが最大の問題だとしていることだね。 地球温暖化対策などでうつつを抜かしている事態ではないと警告しているね。 むしろ、地球温暖化は食糧問題に解決を与えてくれるとしているねA氏:「反貧困の学校」では、君は、新しい雇用市場では一番、生産的なものは農業だと思うとしているね。 榊原英資氏は21世紀の成長産業は農業だと言っていることにふれている。 日本は農業に適した土地も余っている。 すぐに労働できる。 住宅もあるし、安い。 何とかすぐ食える。 自然と接することができ、健康的だ。 地方に人が動く。 食料自給率も上がる。 しかし、製造業の派遣で単純な機械の扱いになれた人にとっては職種転換は大変だね。 定額給付金の2兆円をそちらの支援に使ったらどうかと書いているね。私:「本質を見抜く力・・環境・食糧・エネルギー」の神門義久氏の意見は、昨日のブログでふれた。 「奇跡のリンゴ」の木村秋則氏のような活躍も参考になるね。 まあ、そういう広角的な情報をもとに、日本の農業問題を考えてみよう。
2009.02.03
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私:今朝の朝日新聞の社説で、農政改革についてふれ、「減反の廃止に踏み切れ」という見出しで論じているね。A氏:君は、日本の新事業として農業を重視しているようだけれど、この社説は、政府が「減反政策」の見直しに取り組み出したことを高く評価しているようだね。 そして、早期に実行すべきと言っているね。 民主党は減反を続けると言っているので、批判しているね。私:官房長官、農水大臣を中心に、財務、経済財政担当、総務、経済産業の6大臣が参加して、夏までに改革案をまとめるという。A氏:減反のために耕作放棄地と休耕田を合わせた面積は東京都の3倍近くにまで増えたというね。私:農業人口335万人の6割近くが引退間近の65歳以上なのに、受け継ぐ世代が育っていないし、新規参入も少ない。A氏:君のブログの「本質を見抜く力・・環境・食糧・エネルギー」によると、神門義久氏の日本農業の実態が載っているね。 自民党も民主党も農業政策を打ち出しているが、神門氏の示す「日本農業の事実」を無視しているようだから、成功は難しいとしているね。 日本には285万戸の農家があることになっているが、農業所得を重視している農家は約30万戸強程度だという。私:農水省は中山間地帯を中心に耕作放棄が広がっているというが、むしろ重大なのは、営農に有利な平場の優良農地で耕作放棄が急増している事実だという。 都会に出て行った元農家の子どもが、親の農地を相続して、そのまま耕作放棄をしているというパターンが最近、増えているという。 農家に経営感覚がないというが、皮肉な意味では、「どうしたら相続で手にした農地を一番おいしく使えるか」という点で、利益に対して「利巧」だという。 この15年はひどく、優良農地がどんどん耕作放棄され、無秩序に転用されているという。A氏:日本農業は諸外国の農産物流入で崩壊するのでなく、片手間農家などの地権者のわがままと、それを容認する行政・研究者の無責任のせいで、自壊に向かっていると神門氏はいう。私:戦後の農地解放により農地法が制定されたが、戦後60年たった現在、かえって農地の徹底的な利用のためのネックになっているのかね。 その点、農業を成長産業にすべきという榊原英資氏の考えを、明日はたどってみよう。
2009.02.02
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伝説のプロ野球選手に会いに行く私:有名なプロ野球選手にはいろいろ伝説みたいのがあるね。 打撃の神様と言われた川上哲治の「投手の投げた球が止まって見えた」という伝説は有名だね。 この本は、そういう人から10人の人を選んで、著者がインタビューする記事だね。 単なるインタビュー会話録でなく、その前後の話を含めて、独特のインタビュー記事になっているね。 10人の選手が登場するが、俺は生年順に並び替えてみた。 敬称略。 カッコ内は生まれた年だ。 苅田久徳(1911年)、千葉茂(1919)、西本幸雄(1920)、小鶴誠(1922)、杉下茂(1925)、関根潤三(1927)、金田正一(1933)、中西太(1933)、吉田義男(1933)、稲尾和久(1937) この本は数年前の2、3年間のインタビュー記事をまとめたものだね。A氏:長島茂雄が1936年生まれ、王貞治が1940年生まれだから、ON時代の前を走っていた人たちだね。 戦後の苦しい中から昭和のプロ野球全盛時代を築いた人たちだね。 皆、野球殿堂入りをしている。 苅田、千葉、小鶴、稲尾の4氏は、2000年になってから、あの世に行っているね。 これを見ると、年齢順では一番最後の稲尾の死は若くて、残念だね。私:この年齢順を見ると、杉下までは戦争体験があるね。A氏:伝説の名投手で、太平洋戦争で戦死した沢村栄治が1917年生まれだから、戦後のプロ野球を起した人は、戦争体験者が中心だろうね。私:俺は、この10人の中で、杉下、小鶴、千葉は球場で直接見ている。 しかも、まだ、地方都市に生活していた中学生時代に、地方の球場で見た。 せまい球場だから、選手は間近に見える。 杉下の体格に驚き、その体から投げられるための速さに驚く。 小鶴が軽くバットを出したようなのに、ライトにホームランとなり、ライトの外野の後の板塀に「ドカン」と音を立ててぶつかる。 千葉の軽快な守備。 はじめて、プロ野球を見て、その球の速さ、守備の華麗さ、打撃のすごさに感動した記憶がある。A氏:小鶴はONと比較すると、あまりパッとしないが、はじめて、年間本塁打を50本以上打った記録があるんだね。私:俺とほぼ、同世代の中西、稲尾の活躍は、白黒テレビで見たね。 野球少年の俺はすでにサラリーマンとなっていたがね。 この世代の人は、今のようにコーチ制のようなシステムができていないから、皆、自分で研究して、野球術を極めているんだね。 杉下のフォークボールも自分で考えているね。 稲尾も、キャッチャーのサイン通りでなく、自分で考えて球種やコーナーを考える。A氏:今のようなマニュアル主義ではなかったんだね。私:コーチ任せでなく、自分で考えるわけだね。 杉下はいまだに、投手コーチをしているというのは、そのオリジナリティがあるからだろうね。 ところで、俺は、戦後、早速、学校の放課後、友だちと草野球だったね。 戦争中は、もちろん、野球なんか知らない。 敗戦後、テレビもないときに、どこからか知らないが、野球を知ってたんだね。 俺は一時、部活で野球をやったが、硬球だったよ。 ボールの芯を革で包んでいるが、使っていると包んでいる革の縫い目が破れるから、縫い直して何回も使う。A氏:当時は、硬球もグローブも高価だったからね。私:あるとき、サードを守っていたら、とんできたゴロが、途中で、縫い目が切れて、革がはがれながら、すごいスピードで転がってきたことがあるよ。 俺は草野球で投手をしたことがあるが、当時、古本屋で戦前の野球の本を探し出したよ。 そこに、大きなワインダップをして投げる「火の玉投手」ボッブフェラーの写真を見て、その真似をして、大きなワインダップで投げた。 そしたら、皆おかしなフォームだと笑ったね。 そんな時期があったね。 今の人は、ボッブフェラーなんて知らないだろうね、 この本を見ながら、野球少年の頃を思い出したよ。
2009.02.01
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