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私:自民党の谷垣総裁の国会での代表質問について、このブログでは29日の朝日新聞の社説を紹介したね。 俺が行くスポーツクラブに新聞を置いてあるんだが、スポーツ紙以外に一般紙は読売新聞だけしか置いていない。 29日にスポーツクラブに行ったんで、ついでに読売新聞の社説では、谷垣質問と鳩山首相答弁をどのように扱っているか、興味があったんで、29日の社説を読んだね。A氏:読売新聞も社説でとりあげているのは、朝日新聞と同じに重要問題としていることを示している。私:ところが、姿勢が全く違うという印象だね。 朝日新聞は「天に唾するものだ」と民主党より自民党に厳しいが、読売新聞はマニフェストにあることをきちんとやるという鳩山首相の答弁は議論にならず、不親切だというように民主党に批判的だね。 鉾先が民主党に向いている感じだね。A氏:産経新聞はどうだろうね。私:帰りに図書館によって、29日の産経新聞の社説を見たが、やはり谷垣質問をとりあげていた。 しかし、普天間基地の移転の問題での閣内不一致や例の鳩山首相の個人献金問題のほうに話題を持っていたようだね。A氏:結局、「新たな自画像を早く描け」と、自民党に鉾先を向けたのは朝日新聞だけか。私:しかし、読売新聞社説では、欧米でも、野党時代の主張が政権をとると変わる例が多いとしてマニフェスト原理主義には批判的だったね。 もっとも、読売新聞はマニフェストに書いてあるから、読めばわかるというような鳩山政権の言い方では、国会の議論が成り立たないという観点からのマニフェスト原理主義批判のようだね。 多くのマニフェスト原理主義批判が民主党応援の立場にあるのと比較するとニュアンスが違うようだね。 この件については各新聞社とも特色があって、NHKのように「中立」を掲げていないね。
2009.10.31
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A氏:今朝の朝日新聞で小さな記事だが「マニフェスト至上主義否定」として峰崎直樹財務副大臣が、マニフェストについて「何も変えてはいけないというならマニフェスト至上主義、原理主義だ。そうはならないんじゃないか」と29日の記者会見で述べたという。私:マニフェスト原理主義でアンテナを張っている俺も、この小さな記事には気がついたよ。 同氏は「公約を変える場合は説明する。基本を踏まえながらも柔軟に、というのは正しい方向だと思う」と語ったというね。 問題は「基本とは何か」だね。A氏:君のマニフェスト選挙についての知的街道は古いね。 それを振り返ってまとめてみよう。 選挙前の「マニフェストの疑問」では、「これからこうやる」ばかりで、「今までの結果分析がマニフェストにない」として疑問を呈しているね。 後の浜氏のマニフェスト批判と同じだね。私:これは「自公連立政権の4年間のマニフェスト実績評価」で各種団体が評価しているが、これがマニフェストに反映されていないね。 「政策マニフェスト選挙の意味を疑う」では、北海道大教授(政治学)山口二郎氏の「国民が各党のマニフェストを詳細に読み比べて、民主党を選んだとは思えない」という意見を引用しているね。A氏:「民主308議席の衝撃」では、防衛大学校長の五百旗頭真氏が、「マニフェストの再定義をしても、国民は「ブレた」と批判すべきでない」としている。 川は流れているのであり、新しい状況を鋭敏に見て漕がねばならないとしているね。私:「マニフェスト原理主義とは」では薬師寺克行氏が、「『マニフェストは国民との約束だから全部やるべきだ』『マニフェストと違うことをやるべきでない』というのは『マニフェスト原理主義』だ」と言っているね。 そして、現実の政治は、状況に応じ、機動的、臨機応変に対応し、国民の幸福を実現すべきとしているね。 この記事では御厨貴氏は「欠陥をあげつらい、『この通りやってもらおう』と迫るのは『やくざの論理』だ」と言っているね。 御厨氏は現実的に臨機応変に対応して構わないが、できない場合は明確な説明責任が必要だとして、それをきちんとやれば、マニフェストの信用性が逆に出てくるという。A氏:「ゼロ成長時代のモデル築け」では、水野和夫氏が、民主党が打ち出した再配分の政策は、時代の流れに沿っていると言っている。 水野氏は「成長がすべてを解決する」という20世紀モデルからの脱却が必要としているが、こういう戦略をもっとマニフェストで明確に打ち出すべきだね。私:「英国『政権交代』失敗の教訓」では中西輝政氏は、フランスのミッテラン大統領の例を挙げ、マニフェスト原理主義から脱出できるかで、民主党政権の寿命は決まるという。A氏:「藤井財務大臣・エコノミスト浜矩子の時事放談」では、浜氏は「未曽有の不況と格差社会化の中で痛んでいる人たちは助ける、それが政策の役割だ」と民主党は自信を持っていえば言えばいいという。 「リーマン・ショック後の経済白書」では、浜氏が、医者の例で行くと、治療には正確な「診断」がまず、不可欠だが、自民党と民主党のマニフェストの根本的な欠陥は、この「診断」がないことだという。私:どうも、マニフェストの書き方が、もっと投票する国民に分かりやすくすることと、あまり枝葉の政策で自分で自分の首を絞めるような書き方は意味がないということだね。 最近、貧困率が問題になっているが、いきなり「子ども手当」の金額に行くのでなく「子どもの貧困」も先進国では最低だという実態から説明すべきだね。 もっと「子どもは社会が育てる」という思想を強調すべきだね。 そういう点を教育格差や健康格差の問題に挑戦したイギリスのブレア首相が思想を強調したことに学ぶべきだね。A氏:「民主党よ、豹変せよ!」では堺屋太一氏が、明治維新が成功したのは、維新の志士たちが、最初、「尊王攘夷」派が多かったのが、政権を握ると現実を直視して、「文明開化」に豹変したことであるとしているね。私:「谷垣自民党総裁の国会代表質問」では谷垣氏が、マニフェストが守れなかったら、鳩山首相はどう責任をとるのかと質問をしていたね。A氏:『やくざの論理』が予想通り開始されたね。私:それにしても、今のような盛りだくさんのマニフェストをよく読んで、選挙民が選択し投票するという「神話」は再検討する必要があるね。
2009.10.30
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私:昨日、夕方から夜にかけてのTVニュースで、衆院本会議での谷垣新自民党総裁の代表質問とそれに対する鳩山首相の答弁が放映されていたね。 これをあるTVが「ブーメラン質問」というように言っていたが、ズバリだね。 見方を変えれば、「掛け合い漫才」みたいになって、不毛の討論になったね。A氏:谷垣氏が「百兆円にもなろうとする財政は問題」だと言えば、補正予算を含め「百二兆円の予算を組んだのはどの政権か」と切り返される。私:こういうのを「天に唾をする」とも言うね。 谷垣氏は、そういう答弁を想定しなかったのだろうか。 想定しないとすると幼稚だね。 自民党が選挙で敗れた敗因を明確に分析して、新しい視点で政治を考えていないことを暴露した形だね。 「語るに落ちる」だね。 恥さらしだよ。A氏:この問題は、今朝の朝日新聞の社説でも、自民党は「新たな自画像を早く描け」と言っているね。 君が言うように、今の自民党では「いくら批判しても天につばをして終わりかねない」としているね。私:しかし、マニフェスト達成できなければ責任をとると鳩山首相は答弁しているが、これはあまりよくないね。 グローバル化した世界では、日本だけでは制御できない世界情勢の変化がある。 これに柔軟に対応て、国民の生活を守るためには、時にはマニフェストを変更することもあるかもしれない。 その際は、国民によく説明をして納得をして政策を変更するのが機動的な政治の役割だというべきだね。A氏:政権を新しく握った民主党も新しい荒海に船出したので、いろいろ問題があるが、はじめて野党に下った自民党も新しい難問に取り組むことになるね。私:政治の変化は、崩壊した世界のグローバル経済の行方とともに、目が離せないね。
2009.10.29
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私:この本は読んでいない。 JRの電車に乗って壁の広告をボンヤリ見ていたら、この本の広告が目に入ったからだ。 成功の秘訣、人の生き方が書いてあると、京セラ創業者の稲盛和夫氏の推薦の短いフレーズが載っている。 ベストセラー52万部とある。A氏:アメリカの本によくある成功のハウツーものかね。私:「原因と結果の関係」は、宗教では仏教の因果応報があるね。 因果律だね。 稲盛氏の推薦は、仏教に関心がある人だから、そのせいかと思ったがね。 同時に、イスラム教徒が因果律を信じていないという内藤正典氏の「イスラムの怒り」思い出した。 イスラム教徒が運転する自動車に同乗すると事故を起こすのではないかと、その運転の乱暴さに驚くという。 しかし、彼らには「乱暴な運転」と「事故」という間に因果関係がないと思っているわけだね。 すべては「神の思し召し」というわけだ。A氏:「原因」と「結果」が結びついていないということかね。私:この「原因と結果の法則」という本が52万部も売れているという広告が気になって、家に帰ってから、インターネットでアマゾンを検索してみたら、驚いたね。 ジェームズ・アレンの原書は1902年の発行だとのこと。 日本訳が大きく遅れていたわけだね。 自己啓発書の古典的存在で、同じく自己啓発の書を出している後のデール・カーネギーやアール・ナイチンゲールなどに大きな影響を与えたという。A氏:ある意味で自己責任の本だね。私:ジェームズ・アレンの名言がウィキペディアにいくつか載っている。 2、3ピックアップしてみよう。 自己責任原理主義の原点がわかるね。 『心は、創造の達人です。 そして、私たちは心であり、思いという道具をもちいて自分の人生を形づくり、そのなかで、さまざまな喜びを、また悲しみを、みずから生み出しています。 私たちは心の中で考えたとおりの人間になります。 私たちをとりまく環境は、真の私たち自身を映し出す鏡にほかなりません』 『人間を目標に向かわせるパワーは、「自分はそれを達成できる」という信念から生まれます。 疑いや恐れは、その信念にとって最大の敵です。』 『自分の心をしっかりと管理し、人格の向上に努めている人たちは、「環境は思いから生まれるものである」ということを熟知しています。』A氏:現実がままならないのは、すべて「悪しき思い」によるもので、環境のせいではなく、結果としての成功も失敗も、その原因は必ず人間の心の奥底にある支配的な思いにあるというわけだね。私:アレンから影響を受け、20年ほど前に亡くなった自己啓発者のアール・ナイチンゲールの名言集(別のインターネット)からもいくつかピックアップしてみよう。 『価値ある事業は、ささやかな、人知れぬ出発、地道な労苦、向上を目指す無言の、地道な苦闘といった風土のうちで、真に発展し、開花する。』 『誰もが一つは得意分野を持っているものだ。 この世界には三十万以上の職業があるといわれているが、その全てが自分に合わないなどということはないのである。』 『すべてのものごとには、それにつぎこんだ努力にほぼ等しい成果があるものだ。』
2009.10.28
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私:昨日は、1日中用事のため、朝から出かけた。 台風20号の影響か、雨に加えて風があった。 気温も低い。 寒いくらいだ。 下着は長袖に着替えた。 人出の多い所に行く時はインフルエンザの流行で気を使う。 レインコートも着たね。 ズボンの裾も折り返した。A氏:台風18号の時は電車が動かないで大問題になったね。私:朝、8時半に家を出れば、約束の時間に間に合うんだが、安全を見て30分ほど早く家を出てバス停まで行ったが、すでに雨風はかなりだったね。 駅についたら、案の定、電車は30分遅れ。 もっとも、これは台風の直接の影響でなく、電気系統のトラブルが原因らしかった。 昼間、用事をしていても、台風がどうなるか心配だったね。 夕方、帰るときに、雨は小やみで傘は不要だった。 家に帰って、TVを見ると、明日の午前の関東地方は、また、前回の18号のような事態になるようなことを言っていたね。A氏:TVでは交通の混乱を予想していたね。私:今日も1日中、用事があるんで、天気が心配で、朝、6時に起きてすぐに外に出た。 気持のいい快晴だね。 台風一過だね。 俺の家の前の道路は、ちょうど、東西に走っているので、朝、タイミング良く道路に出ると太陽に直面できる。A氏:朝、太陽を見ると体内時計が正確に働いて、夜は寝つきがよいというね。私:第2の目の松果体の活動かね。 7時頃、道路に出て太陽に直面して拝んだよ。 今夜は寝つきはよいかね。 今日は、傘もレインコートもなし、列車遅れも台風の影響の心配もなしで、安心して出かけられる。 心理的にも台風一過はいいね。 しかし、猛威をふるっているインフルエンザには注意しないとね。
2009.10.27
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A氏:昨日の朝日新聞の社説でこの問題をとりあげていたね。 そして、神戸第一検察審査会が、神戸地検が山崎前副社長だけを起訴したのは甘いとして、歴代社長3名も業務上過失致死罪で起訴すべきだとしたことをとりあげているね。 君のこの隠蔽体質知的街道でも「国鉄時代からの『マルにする』という体質」をとりあげているが、この体質が何故、JR西日本だけに強く残っていたんだろうね。 ほかのJRも同じ国鉄体質をかかえているのかね。私:おそらくJR西日本は、独立して民営化したとき、JR東海やJR東日本に比較して利益面でハンディがあったんでその向上であせっていたんではないかね。 利益優先で利用者の安全を犠牲にした。A氏:規制緩和や民営化の怖い点だね。私:それにしても、一昨日の新聞では小さい記事だが、また、JR西日本の隠蔽体質を示す事実が報告されているね。 1つは、垣内元社長が調査委員に昼食をおごっていたことで、それもポケットマネーでなく、会社費用らしい。 2万円足らずなのにみみっちいね。 もう1つは、宝塚線事故と同様に、ATSが不備だった96年の函館線脱線事故の資料を事故調査委員会や県警に作為的に提出していなかった疑いだね。A氏:函館線の事故資料の未提出は、最初、「資料の保管状態の悪さや、単純なコピーミスだ」と言い訳をしていたがね。私:たとえ、その言い訳が事実としても、そんな重要な資料の保管がずさんだということは、安全を最重要視する公共の交通機関がすべきことではないね。 管理レベルが幼稚だね。 安全のプロが言うべき言葉ではないね。 安全のプロ意識よりも隠蔽のほうが重要だという意識が優先されている。 その意味で、宝塚線の事故は起こるべくして起きたね。 隠蔽体質は怖いね。 だから、トヨタは「悪いニュースを優先する」という価値観を社員教育で徹底する。 隠蔽体質は、本来、競争の激しい企業ではマイナス効果しかないはずだがね。
2009.10.26
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私:昨日、横浜市は午後2時くらいからかね。 本格的な雨が降り出した。 孫の運動会は、予定のプログラムを短縮して早々終わったようだ。 やはり、孫は「雨男」だね。A氏:雨は次第に本格化して、かなりの降りになったね。 夕方から夜中にかなり降ったようだ。 朝には一時あがっていたが、今、また降っている。私:昨夜、娘夫婦と孫2人は夕食に来た。 運動会だった上の孫は、サーモンの寿司が好きなんで、出前の寿司をとった。 近所に安い回転寿司があるんだが、日曜はいつも異常な混雑だから、やめたよ。 運動会は途中からの雨でバタバタと後片付けが大変だったそうだ。 しかし、運動会を見に来た子どもの親の夫婦たちで、後片付けを手伝った夫婦は少数派だったということだね。 後は、木陰でおしゃべりだという。 後片付けの手伝い要請は、運動会のパンフレットにも書いてあったし、当日の場内放送でも手伝いを放送していたそうだが、最初から無関心なんだね。 最近、よく見る社会現象だね。A氏:お孫さんが運動会の50メートル競走で3位以上になったら、ゲームをプレゼントするというが、3位になったんで、何を買うの?私:最近、TVコマーシャルでもやっているWiiの「バンクーバー・冬季オリンピック」のゲームソフトが欲しいらしい。 高いがね。 しかし、これは発売が先だね。 プレゼントには間に合わないがね。 もっとも以前、「北京オリンピック」のゲームを買ったことがある。 昨夜は、上の孫は家に泊まったよ。 今日は、雨の中、ゲームを買いに行かなくてはならないが、何か別にいいものがあるかな。 中古でもいいからね。 只今ご予約受付中!(2009年11月19日)【予約販売】任天堂DSソフトマリオ&ソニック AT バンクーバーオリンピック スポーツ 冬オリンピック,任天堂,ニンテンドー,Nintendo,DS,Lite,DSLiteソフト,マリオ&ソニック,AT,バンクーバーオリンピック,スポーツ,冬オリンピック,バンクーバー,オリンピック,マリオ,ソニック
2009.10.25
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私:今日、横浜は朝から曇天で、空は暗く今にも小雨がきそうな気配がしたね。A氏:昨日は秋晴れで、今日も天気はいいということだったがね。 昼のNHKの天気予報では、解説者が予報が大きく違っていたのをあやまっていたね。私:今日は、小学校1年生になった孫の運動会だ。 昨日の夕方、孫が遊びに来たので、明日は天気で楽しい運動会になるだろうと言っていたんだがね。 孫は「雨男」で、幼稚園の時から、運動会や野外行事の時は雨天が多かった。 今度は、「雨男」返上だと思ったんだがね。 運動会は9時からだが、孫が出る玉入れ、50メートル競走、マスゲームは、午前中なんで、行ってきたよ。A氏:午前中なら、曇りだけで雨は降らなかったので、まぁまぁの天気だね。私:50メートル競走は、6レーンで6人ずつ走るわけだ。 昨夜、孫に1位になる可能性はあるかと聞いたら、自信はないという。 体格のいい子が速いというわけだ。 孫は小柄の方だからね。 まぁ、3位以内に入ったら、ほしいゲームソフトをプレゼントすると言ったがね。A氏:結局、何位だったの?私:結局、3位だったね。 それにしても、小学校高学年になると、体格のいい子が多いね。 そして、体格の格差がすごいね。 肥満でメタボタイプの子もいる。 多様だね。 昼飯は家に帰った。 今、少し、小雨がぱらついた。 この程度で、運動会が終わればいいがね。
2009.10.24
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私:ところで、昭和20年末には、日本中に40万人、東京には4万人のアメリカ兵士がやってきた。 「ワシントンハイツ」の名称が示すように、占領軍は東京のいろいろな所にアメリカ人に都合のいい名前をつけ出す。 GHQ本部から銀座にかけての一帯を「リトルアメリカ」、銀座四丁目交差点を「タイムズスクエア」、銀座通りは「ブロードウエイ」と呼んで英語の標識が掲げられた。 宝塚劇場が「アーニーパイル劇場」と呼ばれる。A氏:当時、日本人はよくDDTの白い粉を吹きかけられたね。私:焼け野原の東京はインフラが破壊されていたから、衛生状態が悪かった。 アメリカ兵士が病気にかからないように防疫が必要だった。 アメリカ軍は主要な食料は本国から運んでいた。 新鮮な野菜は、日本のものがいいのだが、日本の肥料は当時は人糞だ。 そこで日本の農地を決め、化学肥料を使わせてアメリカ兵専用の野菜を作った。 売春婦による性病が増加した時期があったようだね。A氏:アメリカ兵士には、娯楽も必要だね。私:そこで劇場が接収され、日本人がバンドを組んで、演奏するようになる。 これらのバタ臭い芸能人が、次第に日本の芸能界の中心となっていく。 この本では、トニー谷が登場するね。 俺たち世代にとっては、懐かしい名前だね。 トニー谷は、通訳や事務職としてあちこちの米軍施設で働きながら、やがて日本の芸能界へ入っていった。A氏:トニー谷が、ソロバンで音頭をとって漫談をしていたのを思い出したよ。私:NHKのカムカム英語も出てくるね。 この番組は50万人の日本人が聞いたという。 俺もその50万人の一人で、アメリカ帰りの平川唯一氏が流暢な英語でしゃべっていたね。 学校英語とは違う英語が新鮮だったね。 俺の地方都市にもアメリカ将校の家族が来ていたが、高校の英語の時間に将校の奥さんが来たことがある。 俺が「風と共に去りぬ」を原書で読んでいると言ったら「映画になったから見るとよい」と言われたよ。 当時、市に立派な図書館ができ、全部、洋書だったね。 アメリカが文化面でも、金をかけアメリカ化を急いでいたのがわかるね。A氏:昭和26年9月にサンフランシスコ講和条約が締結され、翌27年4月28日に発効し、7月26日までに占領軍は撤退することになっていたが、「ワシントンハイツ」はどうなったのかね。私:サンフランシスコ講和条約は、日米安全保障条約とセットだね。 「GHQによる接収」された施設は、「駐留軍に対して提供」する施設と変わっただけだ。 「無期限使用」の施設に「ワシントンハイツ」や横田、立川の飛行場があるね。 「一部使用」には「アーニ-パイル劇場」などがある。 敗戦後、7年たったこの時点で、日本全国で1264件の物件が「GHQによる接収」された施設であったことがわかる。 ところが、昭和36年5月に突然、「ワシントンハイツ」の全面返還の話がアメリカら出る。 日本は東京オリンピックを控え、選手村として返還要請をしていたのがけられたので、選手村は朝霞としていた。 「ワシントンハイツ」は府中と大和の空軍基地に移転で、移転費用80億円は日本側負担だった。 返還で喜ぶはずの東京都が反対したのは、オリンピック用の道路計画が大きく変わるからであったという。 当時の池田首相は、80億円の出費で難色を示したが、結局、アメリカに押し切られる。 しかし、渋谷区は大喜びだったという。A氏:東京オリンピックは昭和39年10月に終わるね。私:選手の宿舎用として残されていたアメリカハウスは取り壊され、昭和40年、「ワシントンハイツ」は完全に消滅した。 ところで、著者は、最後の章で、未だに東京都内に治外法権の米軍ヘリポートがあることを指摘しているね。 アメリカは、その根底にまだ、占領意識があるのだろうか。 今、民主党は、普天間移転、核密約、アフガン支援という問題で相変わらずタフな米国と外交をしなくてはならない。 皆、安全保障問題だね。 沖縄問題同様に根が深いね。
2009.10.23
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私:著者の秋尾沙戸子氏は1957年の東京生まれだね。 多方面に活躍する才女だね。 A氏:1964年の東京オリンピックに向けて東京が近代都市化する時期に育っているね。私:その著者が父親の世代の頃のアメリカ占領時代に興味を持ったわけだね。 この370頁にわたる大著は、アメリカの日本占領史を、「ワシントンハイツ」を象徴的に描きながら、政治、経済、文化と多岐にわたって、詳細に書き記しているね。 それも戦後だけでなく、話題がつながれば、戦中、戦前までさかのぼって取材しているね。 よくこれだけ調べたものだね。 当時の文献をアメリカにあるものまで調べ、生存者のインタビューも多く行っている。 著者は戦後の日米関係を約20年単位で3期に分けることができるとしているね。 第1期は、占領から東京オリンピックまで。 第2期は、アメリカから自立しようと日本の政治家が足掻いた時代。 第3期は、豊かになった日本の国富をアメリカに献上するシステムが確立する時代。A氏:そうするとこの本は第1期に関する本だね。私:著者は、いつか、第3期に関する本を出したいという。 しかし、「ワシントンハイツ」は今の代々木公園になっているところにあったんだが、東京空襲で焼け野原になった後にできたので、この本は東京空襲の悲惨な状況という戦争中のことも詳細にふれている。 アメリカでの焼夷弾の開発とアメリカに日本住宅を作って爆撃の効果をテストをする状況まで、詳しく取材している。A氏:俺も君もこの第1期は学生時代が中心で、それからサラリーマンになる頃だが、最初から東京に住んでいないので、ちょっと経験していない話が多いね。 空襲を受けた体験もないしね。私:しかし、アメリカが持ちこんだ文化は映画、ラジオ、テレビで直接ふれているね。 こないだ、大学同期20人くらいの同窓会を温泉に1泊でしたんだが、宿からマイクロバスで迎えに来て一時間くらい乗った。 そのとき、車内放送で懐かしいアメリカ映画音楽特集が流れた。 皆、笑ったね。 「俺たちの年代層を考えて宿側が選曲したんだろう」というわけだね。A氏:ところで日本占領に来たアメリカ兵は、日本に住むので、住宅が必要になるんだね。私:東京でも焼け残った洋式の日本人住宅は真っ先に強制収容された。 東京空襲のときの焼夷弾の投下は正確で、アメリカ大使館は焼けなかった。 ところで、メインテーマの「ワシントンハイツ」は、日本建築工事事業史でもかなり大規模な工事だった。 敷地面積約28万坪、住宅約800戸で皆、アメリカ式の庭のある駐車場つき1戸建て。 工費8億円で、工事を請け負ったのは鹿島建設、清水建設、戸田建設、間建設など。 労務者延べ約2百20万人。 このとき、建設会社は、ダンプカー、ブルとーザー、ショベルカーの大型土木機械を使った米軍の工事現場に触れて、建設業界の機械化施工を習得する。 昭和21年7月施工開始。 遅れに遅れて翌22年9月に完成。A氏:代々木というと戦中は陸軍の練兵場があったのではないの。 よく昭和のニュース映画に出る昭和天皇が白い馬に乗って登場するシーンがあるね。私:その話もこの本で出てくるね。 日本の航空の発祥の地という記念碑があるそうだ。 ライト兄弟が飛行機でとんでから、何年もたたないのに、日本ではこの地で飛んでいる。 その約30年後には真珠湾攻撃だね。A氏:当然、「ワシントンハイツ」は日本人の立ち入りは禁止だね。 治外法権区域だね。私:しかし、メイドやクリーニングなどの特定職種は厳しいチェックの上、出入りは許された。 今の大手クリーニングチェーンの白洋舎は、この仕事から大きくなるんだね。 明日は、「ワシントンハウス」のその後の話に移ろう。
2009.10.22
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私:今朝の朝日新聞のオピニオン欄はほぼ1頁大を竹中平蔵氏のインタビュー記事に割いているね。A氏:俺も読んだが、まず、見出しにあるように、全体を見渡す「頭脳」、すなわち、司令塔が民主党政権にないという批判だね。私:実は、これは小泉・竹中政権当時には、経済諮問会議があったが、それを言っているのだろうね。 鳩山政権ではまだ、スタートをしていない「国家戦略室」がそれを担当するのだろうね。 しかし、システムを作っても中身がないのは、小泉・竹中政権当時も同じだね。 小泉政権の構造改革の後に、どういう国家像を描いているのか、分からないというのが小泉政権に対する批判で、これは自民党内にもあったね。A氏:「小さい政府」「民にできることは民へ」という結果、日本国国家はどう変わるのか、その目標が明確でなかったね。 経済諮問会議でも、今回の金融危機は予測できなかったし、最初は甘く見て対応が遅れている。私:成長戦略が民主党にないというのも、多くのエコノミストと似た批判だね。 成長戦略などなくていいのだというエコノミストの浜矩子氏の考えと対立しているね。 そして、竹中氏は、成長するには規制緩和をどしどしすべきだという例のワンパターンだね。A氏:規制緩和して、「市場の神の正しい判断にまかす」ということを竹中氏はよく言っていたが、その市場原理主義的な発想が昨年の金融危機で破綻しているのにね。私:タクシーの規制緩和をして、どうなったかは明らかだね。 タクシー業界は成長していないね。 逆に10パーセントほど値上がりした結果に終わっている。 だから、ますます、利用者は減るから成長しない。 横浜は初乗り710円だ。 こないだ小さな地方都市に行ったが、そこも710円だった。A氏:規制緩和すれば、自動的に経済が成長し、雇用が増えるというのは現場を知らない人の発想だね。私:たとえば、1970年代に宅配便業が生まれ、運輸業が成長して雇用を増加したと思うが、これは大和運輸の小倉昌男社長のアイデアが出発点だね。 当時の運送業界の常識であった「集荷・配達に手間がかかる小口荷物より、大口の荷物を一度に運ぶ方が合理的で得」という考えを逆転したわけだね。 このアイデアが出るかは、規制緩和と関係ないね。 規制があるから、ホンダみたいにそれに反抗してアイデアが出ることもある。A氏:高福祉のスウェーデンの例をあげていて、企業に非常に厳しい競争政策の国で、最低賃金制もなく、失業率、倒産率も高いと竹中氏は言っている。 しかし、消費税は25パーセントだし、失業率は高いというが、職業訓練制度や失業手当がしっかりしているから、不安はないという部分がある。 竹中流は、自分の都合のいいデータだけを、理論的な装いをつくろって持ち出している感じだね。私:小泉・竹中政権の規制緩和で結果的にもっとも問題になったのは、セーフティネット不備での製造業への派遣労働の規制緩和だね。 結果は非正規労働者の増加と低賃金だね。 これらの人には社会保障の手当ても低下した。A氏:竹中氏は、最低賃金制には反対しておきながら、オランダのように「同一労働、同一賃金」にすべきというが、これは一種の最低賃金制と同じだよ。私:竹中氏の持論は、日本は終身雇用で、正社員の権利が守られすぎて非正規が生まれたというが、終身雇用は大企業だけで日本経済の二重構造では、日本の労働者の大部分を占める中小企業では、終身雇用ではなかったね。 バブル崩壊で、1990年代では、大企業でも正社員の大リストラをしている。 松下幸之助が築いた天下の松下も、大リストラで終身雇用を放棄している。A氏:俺たちの若い時代には、週48時間制だったのが、隔週土曜休日となり、次第に毎週土曜休日となって来た。 保険もつくようになった。私:それが規制緩和で、正社員の長時間労働など後戻りしているね。 自民党政権の遺産は、失業増加、財政赤字であって、それを今、民主党が受け継いだだけだね。 竹中氏個人は、国民の投票をもらいながら、途中で議員を自己都合でやめている。 そういう人が政治家や政党を批判する資格があるのだろうかね。
2009.10.21
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文藝春秋 2009年 11月号 [雑誌] 私:JALの経営難問題を、今月の文藝春秋とVoiceでとりあげているね。 文藝春秋では「JALを墜落させた真犯人」(ノンフィクションライター森功氏寄稿)というタイトルだね。 Voiceのほうは、「『日本航空』問題は氷山の一角」(伊藤元重東大教授寄稿)というタイトルだね。A氏:誰が真犯人なのかね。私:この寄稿ではある特定の個人というようなことではないね。 サブタイトルに「派閥争いに明け暮れた歴代経営陣が破綻寸前に追い込んだ」とあるように、派閥争いの歴史を詳細に描いているね。 しかし、最終的には、身内の争いに気を使い、一貫した自助努力をしなかったことが経営危機の根本原因だという。A氏:何度も窮地に陥るたびに、自民党の運輸族議員や国交省が手の差し伸べて救ってきた。 狭い国土に百近い空港を建設し、採算を度外視して飛行機をとばしてきた。私:そのもたれ合いの構図がJALの経営危機として常に浮かび上がっていたが、誰もメスをいれなかった。 Voiceのほうは、短い巻頭言だが、国交省は過去の航空行政を独占的に管理してきたので、長い期間をかけて築き上げてきた仕組みを簡単に変えることには非常に慎重であるとしており、「オープンスカイ」にも「羽田空港の国際線の利用」にも腰が重いと書いてあるね。 その仕組みを前原大臣は破壊したね。 だから、この寄稿はまだ、前原大臣が、羽田空港のハブ化を言い出す前のものだね。A氏:前原大臣が就任早々、「JAL再建の有識者会議は自民党政権で作られた仕組みなので、白紙にもどす」として、新たに「JAL再生タスクフォース」を設置したね。 そのもたれ合いの構図にメスを入れ出したね。私:これで、これまでの国交省のJAL救済の動きは出直しとなったね。 今後、JAL救済問題はどうなるだろうか。 この2つの寄稿は、半ば期待を持って前原大臣の行動を見守っている。 八ッ場ダム同様、自民党政権の長年のこびりついた垢をどのように洗い落とすか、勝負どころだね。
2009.10.20
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Voice (ボイス) 2009年 11月号 [雑誌]私:堺屋太一氏は、今度の政権交代を「徳川幕府内の主流派の政権交代」なのか、「本当の明治維新の始まり」なのか、と歴史をふりかえってとりあげている。 徳川幕府の最後の将軍一橋慶喜は、将軍となるや、猛烈な勢いで改革をやったが、それは幕内の改革で日本を変えるには至らなかった。 もう一つの見方は、今度の政権交代で自民党幕府が倒れ、維新が始まったというものだ。 そのカギを握るのは、武士身分の廃止だという。A氏:現代の公務員制度改革にあたるね。私:一方、明治維新が成功したのは、維新の志士たちが、最初、「尊王攘夷」派が多かったのが、政権を握ると現実を直視して、「文明開化」に豹変したことであるという。 堺屋氏は、明治維新では、大政奉還と身分制度の廃止が最も重要だったという。A氏:堺屋氏は、民主党の多くの政策には批判的だね。私:だから、幕末の維新の元勲が豹変したように、マニフェストにこだわることなく、豹変しなくてはならないとしているね。 そうあって、本当の意味の官僚打破をなしとげることができるだろうとしているね。
2009.10.19
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A氏:君の昨日のブログで、JR西日本の事故調査漏洩問題について、昨日(17日)に山崎前社長が遺族に謝罪する会を開くということで、新聞の報道を待っていたよ。 そしたら、昨日の朝日新聞の夕刊で、山崎前社長は「『国鉄一家』の絆」に頼り、思慮に欠けた愚かな行動だった」と謝罪したと報じているね。私:民営化し、分社化しているのに、今頃になって「『国鉄一家』の絆」とはね。 驚いたね。 まだ、「問題の隠蔽体質の洗脳」が解けていないね。 正しくは「マルにするという隠蔽体質の『国鉄一家』の絆に頼りーー」だね。 あるいは、「親方日の丸の顧客軽視の体質という『国鉄一家』の絆に頼りーー」だね。 民営化の効果は体質改善までいっていないね。A氏:この遺族への説明会では、当時、JR西日本の安全担当者が「ポリちゃん想定問答集」を警察の事情聴取の前に作り社員に配布した事実が公表されて、これも謝罪したという。私:「ふざけたタイトル」からして組織的な関与でないとJR西日本は説明しているそうだね。 しかし、「国鉄一家」体質からして、担当者も洗脳されているから、上から言われなくても自発的にそのようなマニュアルを作るだろうね。 一度、組織に染みついた体質というのは、なかなか消えないものだね。 洗脳は次の世代にまで継承されているようだね。 日勤教育をしていた世代もそうだね。 事故を起こした20歳代の笠原運転手も、洗脳されて事故を起こしたとも言える。 体質の改善には、3世代くらいかかるかね。 これは、なかなか改善されないJALの経営問題についても言えるのではないかね。
2009.10.18
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私:宝塚線事故の事故調査で、JR西日本のトップ層が、公正であるべき調査委員会にちょっかいを出していた事実が次々に明るみに出たね。A氏:国鉄時代からの体質的な問題かね。 安全を重視する組織体としては致命的な体質だね。私:その報告書を検証するチームが発足するそうだが、今朝の朝日新聞の社会欄にそのチームのメンバーとして参加する柳田邦男氏の取材がのっているね。A氏:柳田氏は、情報漏洩問題について「日本の事故調査を10年後退させる事態だ」と指摘したとあるね。私:もう、20年くらい前になるかね。 柳田氏は、ある雑誌に「『誰がやったのだ』からの訣別」という記事を書いているが、そこに次のように次のようなことが書いてあったのを、俺はいまだにメモしてあるよ。 「かっての国鉄の職場には『マルにする』という隠語があった。 小事故は現場で修復して知らん顔をしてしまう(マル秘にする)、という意味である。 それを黙認し、あるいは積極的に隠蔽に加担する運転区長や機関区長は人望が厚くなる。これでは、全職場に生かすべき『危険要因』の情報が、埋葬されてしまい、どこかで同じような事故が発生する」 そして、「誰がやったのだ」という発想から、科学的・合理的な分析が不十分になるとしているね。A氏:日勤教育などはまさにその典型だね。 小事故を起こすと日勤教育と称して、こらしめの精神教育をするという体質と底辺でつながっているね。私:JR西日本の経営幹部は旧国鉄の「マルにする」時代に育った人々だろうが、身内の保身だけに頭を使い、顧客や犠牲者に対する思いは皆無だね。 だから、今回、宝塚線であれだけの死者を出した事故でも、人ごとのような姿勢で、「マルにする」発想から抜け出ていないね。 いい年をした大の男が、いい幹部だと評価されることを期待して、常識的に考えるとまことにおかしなことを平気でできるということは、組織というのは時には人間性を破壊するね。A氏:ある意味、JR西日本の経営幹部も組織の犠牲者かもしれないね。 怖いね。 私:今日、JR西日本の社長や、情報漏洩に直接関係した元のトップ層が遺族に対して謝罪会見をするそうだが、どういう謝罪をするのかね。
2009.10.17
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文藝春秋 2009年 11月号 [雑誌]私:今、日本経済に何が起こっているのか、その謎ときは、リーマン・ショックが起きる20年前にさかのぼる必要があるという。A氏:20年前とは、1989年の東西冷戦の終結で、世界経済のグローバル化が本格的に始まった年だね。私:これまでのルールが通用しない弱肉強食の世界が出現し、これを浜氏は「グローバル・ジャングル」と呼ぶ。 この頃、日本経済はバブル崩壊で「失われた10年」に突入した。 要するに、日本経済は入院状態で、治療が悪いため、10年の長い入院となった。 退院したのは21世紀に入ってからで、日本はグローバル・ジャングルの仲間に入った。 まず、日本の製造業が熾烈なサバイバル競争に直面する。A氏:企業だけでなく、労働者もサバイバルを強いられた。 コスト削減と生産性の向上のための派遣労働の拡大だね。 終身雇用や年功序列は遅れているとして崩壊する。 小泉構造改革が後押しをする。私:要するに日本経済は、グローバル化に適応したため「正社員と非正規との格差、派遣労働やワーキングプアやネットカフェ難民の出現」となった。 グローバル化は、外からだけでなかった。 21世紀になると、村上ファンドやホリエモンに代表される「会社は株主のもの」という考えや、「金で何でも買える」というマネーの力を最高のものとする考えが国内でも盛んになった。A氏:丹羽宇一朗氏がいう「『唯金論』に侵された日本」だね。 私:日本の家庭の主婦さえ、株で大儲けし出した。A氏:グローバル化したマネーは、日本の主婦の財布と世界経済を知らぬ間に直結させたというわけか。私:グローバル化は「黒船」のように外から見える形だけではない。 知らない間に、日本の社会に浸透していた。 気がついたら、日本全体がグローバル・ジャングルにすっぽりと囲まれていた。 日本はある意味で、グローバル・ジャングルにうまく適応した。 だから、リーマン・ショックで最も深い傷を負い、そこから恐慌が日本社会に波及した。 トヨタがいい例で、リーマン・ショックまでは、グローバル化にうまく適応して、世界トップの座を奪おうとしていた。A氏:適応がよかったために、逆に、リーマン・ショックの被害も大きかったと言えるね。私:浜氏はグローバル化した世界では、政府の役割は限られてくるという。 政府の役割はグローバル化で発生した被害者の救援にあるという。 浜氏は、リーマン・ショック以後の世界は「国破れて山河あり」の時代だという。 「国」=政府の力が弱まっても「山河」=人々、自然環境、そして日本の文化がしっかり残ればいいという。A氏:ダム問題でもめているが、「山河」も危なくなっているね。私:では、どうすればいいのか。 それは来月号の「文藝春秋」のテーマとなるらしい。
2009.10.16
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文藝春秋 2009年 11月号 [雑誌]私:浜矩子氏は、政治と経済の関係を医者と患者の関係にたとえて、分かりやすく説明しているね。 医者は、人の設計者ではない。 医学も未だに不可解なことが多いね。 医学は病気の治療や健康管理には貢献できるだろうが、医者は人の設計者ではないから、理想の人間は作れない。A氏:だから、人を経済や社会とすると、この複雑な動きが政治のあり方を決めるのであって、その逆ではない。 上部構造と下部構造の関係と似ているね。 理想的な経済や社会を人工的に作れると考えたのが旧社会主義諸国で、当然、生き物の経済・社会の動きに対応できず、失敗している。 しかし、政治が人工的に経済や社会を作り出すことはできないが、それによって起きた治療はある程度はできる。私:ところで、医者の例で行くと、治療には正確な「診断」がまず、不可欠だね。 浜氏によると、自民党と民主党のマニフェストの根本的な欠陥は、この「診断」がないことだという。 これは、この寄稿の先月号のテーマだったようだが、俺は文藝春秋の先月号は買っていないので、読んでいない。 要するに「診断」なしで「治療法」や「処方箋」の一覧を作ったのが、マニフェストだというわけだ。 浜氏は、「診断」を「現状分析と歴史認識」だとしているね。A氏:民主党のマニフェスト実行も、重要なのは、日本経済という患者の容態を正確に診断し、どの患部にどんな治療を施すのかをきちんと説明すべきとしているね。私:そして、話は最近の経済学者が、「診断」を忘れ、「処方箋」を出すことを競いだしたことを指摘しているね。 経済学者は、「処方箋」をめぐっていくつかの陣営に分かれる。 だから、ガンを治療する際に、患者をろくに診ないまま、外科医は手術で治す、内科医は投薬で治す、と陣営間で互いに言い張り、縄張り争いをする。A氏:リーマン・ショックに対して最初、麻生政権は「アメリカの問題で日本の被害は軽微」としていたね。 当時、与謝野馨大臣が当時、「日本は安心していい」とTVで明言していたシーンをいまだに俺は記憶しているよ。 しかし、日本の輸出産業が大きく落ち込んでから、あわてて、公共事業を主体とした自民党が戦後いつもとってきたワンパターンの政策をとった。 リーマン・ショックで何が起きているのか、正確な「診断」なしで、ドタバタの従来の「公共工事」やバラマキという「処方箋」を出していたことになるね。私:浜氏は、経済学者は名探偵であるとともに優れたストーリーテラーでなくてはならないという。 日本経済が落ち込んでいる「真犯人」は誰か。 それがわかれば、効果的な「処方箋」が書ける。 ストーリーが書ける。 以下、浜氏は、「真犯人」を探して、リーマン・ショックについての分析を展開する。 これは明日のテーマとしよう。
2009.10.15
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私:日曜のテレビ番組のHDD録画予約は、午前6時からのTBSの「時事放談」、8時からの同じTBSの「サンデイーモーニング」、10時からのテレビ朝日の「サンデイープロジェクト」の3つだ。 フジテレビの午前7時半からの「報道2001」は、「サンデイーモーニング」とダブるので、こっちはパソコンに録画だね。 録画してから、後で要点だけ見て消去だね。 今週は時事放談の藤井裕久財務大臣とエコノミストの浜矩子氏との対談に一番興味がわいたね。A氏:浜矩子氏は、同志社大学の教授でもあるね。私:時事放談では、2人の考えは完全に一致していたね。 要するに、成長戦略中心の経済政策は時代遅れだという発想だね。 藤井氏は、高度成長時代の財政政策発想は、低成長時代には間違っているという。 浜氏は、民主党の政策には成長戦略がないという批判に対して、鳩山首相が、内需が増加すれば経済が成長するというようなことを言っているが、それは思い切りが悪いという。A氏:そう言えば、浜氏は、今月の文藝春秋に同じようなことを詳しく述べているね。 「子ども手当」や「農家への戸別所得補償」などを目玉とする民主党のマニフェストに対して、自民党や一部のエコノミストから「成長戦略がない」という批判がある。 それに対して、民主党が「これらの政策で成長は可能であり、経済効果が見込まれる」と反論するのは、おかしいというわけだね。私:俺も文藝春秋の浜氏の寄稿を読んだよ。 浜氏によれば、「これらの施策が結果的に成長率の上昇や景気浮揚に役立てば結構だ。 だが、仮にそれがなくても、未曽有の不況と格差社会化の中で痛んでいる人たちは助ける。それが政策の役割だ」と民主党は自信を持っていえば言えばいいというわけだね。 これは文藝春秋の浜氏の「リーマンショック後の経済白書」に書いてあるが、明日は、それにふれるとしよう。
2009.10.14
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11日の日曜日の横浜は、クッキリした青空で、秋本番という感じだった。 小学1年生になる孫が前夜泊まったので、午後、歩いて20分くらいの近所の自然公園に虫とりに行く。 以前、孫はこの公園でカマキリを見つけたが逃がしたので、目的はカマキリの捕獲である。 虫取り網を持っていく。 途中、住宅の雑草が茂る空き地でバッタ2,3匹捕まえて、ペットボトルを改造した虫籠に入れる。 孫は、カマキリはバッタを食べるのを知っている。 バッタは葉っぱを食べるので、空き地の草をむしって入れる。 空き地で蝶が飛んでいて、虫取り網で蝶を捕まえたが、孫はバッタと蝶が虫籠に同居するのを嫌い、蝶はすぐに逃がした。 自然公園についたら、人出が多い。 特に家族連れが多い。 公園の入口にある駐車場がいっぱいなので、広場まで臨時の駐車場になっていた。 案の定、この人出では、虫はどこにかに逃げ込んでいるのか、あちこち、公園を歩いたが収穫ゼロ。 結局、帰ることにする。 途中、路傍に小さな尺取り虫が歩いているのを孫が見つける。 尺取り虫は毛虫の一種だから、慎重にテイシュでつかんで、虫籠に入れる。 尺取り虫は、虫籠の中に入れると団子虫のように、丸くなった。 孫は死んだふりだという。 しばらくして、尺取り虫は虫籠の中の葉っぱの上を歩きだした。 家に帰って、俺がインターネットで尺取り虫を検索したら、食べ物は葉っぱらしい。 妻が大根の葉っぱがあるということで、それを虫籠に入れる。 テレビで、ある保育園の園長が独特の自然教育をしているのを孫は熱心に見入る。 谷川上りをやるシーンが出る。 孫は「俺も行きたいなぁ」という。 その番組は、夜9時からやる予告編だったので、録画しておいてくれという。 夕食が終わって、ゲームをしていたら、父親が迎えに来た。 大事に、虫籠を持って帰って行った。 この日、孫が俺と一緒に歩いた距離は約8千歩。
2009.10.13
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私:中西氏は、民主党がマニフェストにこだわることは危険だとしている。 世論調査では「子ども手当」には約半数が反対、「高速道路無料化」への反対は6割を超えている。 そして、財源問題で、マニフェストの壁にぶつかるだろうと中西氏は予測している。 氏は、郵政選挙で小泉首相が勝利した時、実は、それは自民党の延命装置であり、自民党の最後のあがきとして予測していた。A氏:国民が、今度の選挙で民主党に投票したのは、民主党の個々のマニフェストに賛成した「民主党が支持された選挙」というよりは「自民党政権が否認された選挙」だと言うわけだね。私:マニフェスト原理主義から脱出できるかで、民主党政権の寿命は決まるという。 フランスのミッテラン大統領の例をあげているね。 1981年に彼は公約を掲げてフランスで初めての左派政権を樹立した。 しかし、彼が公約を実施するにつれ、経済は悪化。 彼が偉大な政治家であることを示したのは、その後の対応で、1年あまりのうちに政策の大転換をしたことだ。 経済は生き物だ。 民主党政権が、マニフェストにこだわらず、どのように柔軟性を示すかが、その運命を決めることになるだろうという。A氏:二大政党制のイギリスの歴史から、日本が学ぶことは何だろうね。私:二大政党制とは、双方に政権担当能力があることを意味する。 中西氏は、イギリスの政権交代の歴史からの教訓は「最初の政権は得てして失敗する」ということと「真の二大政党制が確立するまでには、膨大な時間がかかり、苦渋に満ちた学習期間が必要だ」と言っているね。A氏:一昨年、民主党の小沢一郎幹事長の当時の福田政権との大連立構想があったね。 このとき、当時の民主党代表の小沢氏が、「民主党に政権担当能力があるのか」と言っていたね。私:本来は大連立→政権担当能力の涵養→政権交代という道筋が正しかったと中西氏は指摘しているね。 イギリスの労働党が政権担当能力を持てたのは、第2次大戦でチャーチル首相が挙国一致内閣を呼びかけ、その5年間の大連立で国家運営の大変さを学習したからだという。 それ以前は、労働党政権は選挙で勝っても短命で終わっていた。 議会政治の本家であるイギリスさえ、最初の政権交代から真の二大政党制が根付くまでに、実に20年以上の時間と5年間の大連立という長い学習期間を必要としたことになる。A氏:しかし、民主党には官僚経験者もいることだし、もともと自民党にいた者も多いから、イギリスの労働党と比較できないのではないかね。 野党時代の民主党は、反対だけの野党ではだめだとして、多くの法案を作り、否決を覚悟でも提案してきた。 国会での与党への質問でもよく勉強していたようだ。 ある自民党議員は、民主党の国会での質問は、よく勉強しており、与党の大臣より優れていたとして、それは自民党崩壊の一因でもあると言っていたね。 一方の自民党はかなりのダメージを受けていて、シャドウキャビネットすらできないね。 考えてみれば、、明治維新だって、幹部は皆、若い下級武士だね。私:いずれにせよ、この新政権の動きで、今後の日本の運命は大きく変わることは確かだね。
2009.10.12
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私:中西輝政氏は英国政治史の専門の立場から、イギリスの議会政治は、「精緻な芸術」で、誰もが真似をしたいと思うが、それだけに「模倣不可能」としているね。A氏:民主党は、菅直人氏が6月にイギリスに行っているし、小沢一郎幹事長も9月に行っているね。 民主党のマニフェスト選挙、副大臣・政務次官制、「閣僚委員会」、「国家戦略局」などは、イギリスの議会政治をモデルにしているね。私:民主党政権の「官僚に依存しない政治」は中西氏も賛成している。 日本の官僚は、国が上昇期にあり、やるべき目標が明確なときは、高い能力を発揮するが、国が大きな模索期に入ると深刻な機能不全におちいる。 最悪のケースが「軍服を着た官僚」だ。 彼らは日本を亡国へと導いた。A氏:日中戦争、太平洋戦争の失敗だね。私:中西氏によれば、イギリスでは、極端に言えば、最優秀の学生は大学卒業時に政治家を目指す。 そして、政治家になれなかった者が学者になったり、官僚になったりする。 エリートが政治家で、所管の行政分野に関して年に数本の学術論文や著書を出版している議員はごく普通に存在しているという。 国王大権に裏打ちされた政治家の権限が絶対で、通常の意味での「法治国家」でないという。A氏:日本は歴史をさかのぼれば、律令制や江戸時代の武士による官僚支配があるね。私:ドイツやフランスは古くから官僚が試験によって選抜されたエリートで、こっちのほうが日本に近いという。A氏:独仏も日本と同じように、官僚機構は政体上、基本的には独立しているね。私:政治家の役割は、官僚組織の上に乗って、これを統御することで、イギリス式に持っていくことはできないだろうと中西氏は指摘しているね。A氏:独仏を参考にすべきだったのかね。私:実は、モデルとなったイギリスの議会政治が深刻な苦境に陥っているという。 サッチャー政権以来、金融で経済成長を遂げてきた経済が、昨年来の金融危機によって経済政策で行き詰まっている。 その上、議員の公費乱用スキャンダルが拡大したという。A氏:政治家が日本の官僚的な動きをしているなら、日本の官僚の天下り的なことを議員ができるわけだね。私:「議員の政府への参加」も下院議員の4割近くが政府に入った結果、日本で言う「族議員」化しているようだね。A氏:イギリスの良い点は学び、後は日本の体質に合ったやり方をさぐることだね。私:明日は、マニフェスト原理主義から話をしよう。
2009.10.11
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私:今日、内科の定期検診に行ったら、混んでいたが、多くはインフルエンザワクチンの接種のためだね。 当日の受付でも接種できる。 俺も従来型のインフルエンザワクチンの接種はする予定だが、効果は4カ月なんで、来月にしようとおもっているよ。 もっとも、新型インフルエンザワクチンは、重病を持っている人に限られる。 一人、希望した老人がいたが、待ったがかかったね。A氏:新型インフルエンザワクチン接種だが、俺の近くの小児科・内科の医者のホームページでは、新型インフルエンザはすでに、流行しているので、今更、予防接種をしても無意味と書いてあった。 だから、当病院では、新型インフルエンザの接種はしないと書いてあった。 来年からするとあったね。私:今朝の朝日新聞の「私の視点」コラムに、元国立公衆衛生院感染症室長の母里啓子氏が、新型インフルエンザの接種は慎重にと言っているね。A氏:俺も読んだが、疫学上、インフルエンザワクチンは疫学者からみると予防接種の中で最も効かないものの一つだという。私:インフルエンザウイルスは、のどや鼻の粘膜に付き、そこで増殖する。 ワクチンは、注射によって、血液中にウイルスの抗体を作る。 別に、のどや鼻の粘膜表面に抗体ができるわけでないので、感染効果はないというわけだ。A氏:小児の脳症や、高齢者の肺炎もインフルエンザで体力が落ちたところに、解熱剤使用や食物の誤飲、細菌感染などの別の要因が加わって起こるもので、ウイルスが脳や肺で増殖して起こるものではない、と言い切っているね。私:だから、新型インフルエンザワクチン接種は、急ぐため、臨床試験の慎重な検討なしで、進めているが、それは7千万人の人体実験に等しいと警告しているね。A氏:結局、手洗い、うがいをまめにして、キチンと食事をして免疫力を向上しておくしか手はないのかね。私:後は運だね。 人にせよ、ウイルスにせよ、生命体というのは、まだまだ、謎が多いね。 インフルエンザ・ワクチンは打たないで!
2009.10.10
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公平・無料・国営を貫く英国の医療改革私:イギリスの総医療費の対GNP比は1996年に6パーセントと先進国では低いほうであったが、2006年には8パーセント台になり、9パーセントを目指している。 日本は8.1パーセントでOECD30ヶ国中、第21位。 イギリスは、医療改革で2006年に日本を追い越した。 アメリカは15.3パーセント、ドイツは10.6パーセントだね。A氏:もっとも、GNP比という数字は、「購買力平価」を考慮すると変化するからね。私:その変化した数字は、この本にはないがね。 ところで、イギリスの医療改革の効果は、2000年に比較して入院待機患者が半減したこと、心臓病やがんの死亡率が10パーセントから20パーセント減少したこと、成人喫煙率も数パーセント低下したことなどだね。A氏:日本のような医師数の地域格差、診療科目による医師数の偏在などないのかね。私:イギリスでは、患者はいきなり、大病院に行けない。 「かかりつけ医:GP」制度がある。 GPは日本の町医者のようなものだが、日本と違って高度の検査機器は持っていない。 GPが入院や高度医療を必要と判断した患者が病院を紹介される。 GPは、1500人から2000人程度の登録患者を受け持っていて、国がGPの許可権を持っているので、都市集中化は問題になっていないようだ。A氏:日本の国によるタクシーの台数規制みたいだね。私:それに診療科目による医師数の偏在もあるようだが、医療改革で医師数が増加したため、問題化していないようだね。 イギリスは2大政党制だが、サッチャーの保守党政権は競争と市場原理の導入を軸に改革をした。 しかし、ブレアの労働党政権は伝統的な労働党の発想に、保守党が掲げた市場原理を採用しているので、現場では一貫して改革がすすんで来たという。 医療改革が実行できたのは、政権交代があっても根底は一貫した改革があるということだね。A氏:それはブレアが国家的重要課題とした教育改革も同じだね。 サッチャー改革をうまく受け継いでいるね。私:それに1997年からの労働党政権は政策決定に国民の声と予算の力をフルに活用したことが改革を断行できた大きな要因だね。A氏:やはり、先立つものは財源だね。私:イギリスの10年にわたる長期ビジョンに基づく医療改革は、効果もあるが、負の部分もあり、その意味でまだ、改革途中ともいえるが、この本は、新書版なので、ざっと要点だけまとめている。 しかし、大改革なので要点だけでも複雑だね。A氏:日本は医療危機を叫ばれているが、参考になる点はあるのだろか。私:日本とイギリスは医療のシステムが異なる点が多いので、そのまま、参考にするということは危険だが、著者は、参考になる点を次の5つにまとめているね。 1.対処療法的でなく、システムとして長期的なビジョンと問題の徹底的な洗い出しに時間をかけて政策を策定していること。 2.医師や医療機関の生産性を高めるために第3機関が目標値とその達成値を情報公開して、「質」の向上を図ったこと。 3・地域医療のマネージャーの強化をしたこと。 4.地域住民の連帯を強化して、病気の予防を強化したこと。 5.医療だけでなく、省庁の枠を超えた取り組みをしたこと。A氏:どれも日本にとっては耳が痛いことだね。私:要は、政権のリーダーシップと国民の医療制度を守ろうとする意志がポイントだろうね。
2009.10.09
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公平・無料・国営を貫く英国の医療改革 私:今、長野新幹線で帰って来たところだよ。 台風一過で横浜は快晴だね。 留守中は風で大変だったらしい。 帰りの新幹線は、大分、ダイヤは乱れていたが、出発したら、ほぼ、定刻通り東京駅に着いた。 昨夜は、長野方面も雨が激しかったが、風は大したことはなかったね。 昼頃からは、日も差しだしたね。 往復の新幹線の社内で、この本の続きを読んだよ。 帰りの車中で読み終えたね。A氏:医療改革は、アメリカではクリントン政権が失敗しているね。 今、オバマ政権が挑戦しているが苦労が多いようだね。 医療改革は、政治的にも複雑でリスクが高いようだね。 それを何故、ブレアは公約に掲げたのかね。私:ブレアは政権をとるとき、「英国の将来を考えるとき、他のすべての政策が失敗しても、医療と教育の改革は必ず成功させなければならない」と言っていたという。 それは彼が貧しい家庭で育ち、父親は公教育に助けられ、大学を出て弁護士となって成功した。 彼は「私の父と私が成功できたのは、英国の優れた公教育の仕組みと英国医療システム(NHS)のお陰だ」と言っているという。 この信念と、NHS改革に対する国民の支持と注目、好景気に支えられた潤沢な財源、そして首相のリスクを厭わない姿勢がブレアを大規模な改革の実行に着手させた原動力だという。A氏:ブレア政権の教育については、サッチャー政権の教育政策に絡んで君のブログでもふれているね。私:イギリスでは「健康格差」が問題になっているという。 1980年代から90年代でのサッチャー政権の市場原理主義の導入で、経済は活性化するが社会経済的な格差が拡大する。 これが、寿命、病気にも関係して、「健康格差」になるというわけだね。 この市場原理主義的な負の部分をブレア政権は解決しようとするんだね。 しかし、皮肉なことに、ブレアの医療改革の第1ステップ(2001年から2004年)は、この経済の活性化によって得た豊富な財源を、積極的に医療分野に投資したことだね。 医師、看護師の給与を上げ、その数を増加させた。 まず、「量的拡大」だね。 そして、2004年から06年には、第2ステップとして「質の向上」をめざし、競争原理を導入する。A氏:大枠は国が決め、その枠内では競争原理を組み合わせるという方法かね。 サッチャーのいいところはとり、負の部分を避ける手を打っているわけだね。 サッチャーのいいところを引き継いだブレアの教育改革と似ているね。私:明日は具体的な内容にふれよう。
2009.10.08
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公平・無料・国営を貫く英国の医療改革 私:イギリスの医療はうまくいっているようだね。 一時は、良い医者は、海外に逃げ出すなど、いろいろな問題があったようだが、ブレア政権で、ブレアのリーダーシップで、改革が進んだようだ。A氏:英国の医療システム(NHS)は、1948年に「公平・無料・国営」の理念で作られたんだね。私:日本と違うのは、患者負担がなく無料なこと、税金でまかなっていること、どこの病院にかかれるのでなく、まず、「かかりつけ医」の診療を受けなくてはならないことだね。 この制度が、1980年代から、90年代にかけて崩壊状態になる。 その抜本的な見直しを公約の一つとして掲げて、1997年の選挙にブレアが大勝する。 この本は、それから開始された英国の医療改革の成功の分析だね。 読み始めたが、国家の医療分野の投資を増加しているね。 医師、看護師などの給与も一挙にあげているね。 今、読み始めたばかりだが、ブレア政権の時は、英国経済は好調で財源が十分にあったことが背景にあるね。 ところで俺はこれから用事で信越地方にいかないといけない。 1泊だ。 車中の読書に丁度いい新書版だね。 明日夕方帰宅してから、また、この話題を続けよう。
2009.10.07
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A氏:今、問題になっている雇用の悪化だが、失業率は、8月に少しよくなったという報道があったね。 ところが、実数では失業者数は増加しているという。私:8月の雇用はお中元などの季節的な要因があるので、統計では季節的な修正の指数があって、そのための統計上の上昇らしいね。A氏:今朝の新聞を見たら、今まで、産業界が誇っていた「日本は省エネ世界一」も統計の取り方によっては、おかしいんだね。 「日本は世界トップレベルの低炭素社会だ」というのはGDP(国内総生産)当たりの二酸化炭素排出量を示したもので、これによると確かに日本はダントツでトップだね。私:ところが、日本は他国に比較すると物価水準が高い。 GDPが大きくなる。 「物量」ではないね。 そこで、「物価水準」を反映させた「購買力平価」でGDP当たりの排出量を計算すると、より実態に近くなる。 日本でも、内閣府の政策統括官室で「購買力平価方式」で計算していて、報告書を出しているという。 これによると04年では、英国やフランス、イタリアよりも劣っているという。 まったく、様相が違ってくる。A氏:かって、麻生首相が「すでに日本のエネルギー効率は世界一の水準にある」と言っていたが、実態に合わせた見方をすればウソになるね。私:だから、この報告書では、「日本は先進国に負けないように一層の努力が必要だ」と指摘しているという。A氏:鳩山首相の25パーセント低減目標は「乾いたぞうきんを絞る」ようなものだという反発は、その指摘の無視だね。 「ぞうきん」は、他の先進国に比較すると、まだ、濡れているんだね。私:それにしても、重要な統計数字には要注意だね。 その計算方法も理解して読み取ることが必要だね。 そうしないと間違った判断で行動することになるね。
2009.10.06
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私:10月2日の朝日新聞の横浜地方版で、開国博Y150問題についてまた報じていたね。A氏:この博覧会の担当の副市長野田由美子氏の責任追及で、横浜市議会では参考人招致を決めたというものだね。私:副市長は3、4人いたと思うが、野田氏は博覧会担当で、かつ、横浜開港150周年協会の副会長でもあった。A氏:野田氏は、博覧会が終了した9月27日の翌日あたりに副市長を辞職しているね。 任期切れ前だね。 そのためか、9月30日と10月1日の市議会の決算委員会に欠席したという。私:突然、市長を辞職した中田宏前市長に似ているね。 それと巨大ロボットグモの所有権があいまいだと報じているね。 協会に所有権があるという話と、これを作ったフランスのラ・マシンにあるということで、どちらにあるのか不明確だね。 このロボットも4億円くらいかかっていると思うが、そんな大金を払った高いものが、今になって、所有権があいまいとはね。 どうなっているのかね。 もっとも、このロボットは、開港150周年のテーマとあまり関係がなかったがね。
2009.10.05
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私:上下2巻の大作だね。 図書館からだいぶ待って借りた。 上下2巻だから、うまく借りないと、下巻が先に順番が来る。 それを避けるため、上巻が借りられるようになってから、下巻を予約することにしている。 だから、人気本の場合、間が大きく空くね。 「仮装儀礼」がそうで、上巻は8月初めに読んだが、下巻の順番がまだ来ない。 2か月以上、間が空くね。 歴史物で、ノンフィクションなら、別に順序は関係ないが、小説は独自のストーリーがあるから逆に読むのは無意味だね。 この「許されざる者」の舞台の中心は、日露戦争だね。 日露戦争の小説は、司馬遼太郎の「坂の上の雲」が有名だが、この「許されざる者」の主人公は、紀伊半島のある町に住む裕福な町医者だね。A氏:作者は、君のブログだと06年に「花はさくらぎ」で大仏次郎賞を受賞した辻原登氏だね。私:この「許されざる者」は、上巻は400頁を超が、最後のほうで、いよいよ、日露戦争が始まる。 主人公は、従軍医師として、満州に向けて故郷を出発するところで終る。 主人公が、従軍医師となるのは、当時の日本陸軍が悩まされた兵士の脚気の治療のためだね。 日清戦争の時には、敵にやられた戦死者よりも、脚気で死んだ兵士のほうが多かったいう。A:太平洋戦争でも、餓死者のほうが多いのと似ているね。私:当時、海軍は、すでに全面的に麦飯やパンで脚気を克服していたが、陸軍は、陸軍軍医監の森林太郎(森鴎外)がドイツ医学による菌による学説を曲げられず、栄養障害説を排除してたからだね。 彼の医学者としての罪は重いね。 主人公の医師は、栄養障害原因説の側に立っていたので、ひそかに陸軍の知人から従軍の依頼を受けて、満州の戦野に出かけることになるというわけだね。 司馬遼太郎の「坂の上の雲」はできるだけ史実に忠実に書いているが、この本はその点、自由だね。 実名が出たり、フィクションの名前が出たりと混在する。 紀伊半島の森宮という町が舞台になっているが、このモデルは新宮だろうね。 庶民も生き生きと登場する。 近現代史をこのようなフィクション的な切り口からみる手もあるんだね。 「坂の上の雲」と違ってどのように日露戦争を描いていくか、下巻に興味があるね。 今の図書館の下巻の待ち数からすると、下巻の展開は、2ヶ月以上後になりそうだね。 忘れた頃、図書館の連絡で思い出して読むのも一興だね。
2009.10.04
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私:広島県と福山市が進める「鞆の浦埋め立て・架橋工事」は、鞆の浦の景観を損ねるとして、広島地裁が差し止めを命じたね。 実は、俺の知人が瀬戸内海の海岸にある小さな古い港町に住んでいる。 鞆の浦に近いので、この問題は興味があったね。A氏:鞆の浦は、宮崎駿監督の「崖の上のポニョ」の舞台になったというね。 [崖の上のポニョ] A5クリアファイル私:知人宅に行ったとき、よく瀬戸内海のいろいろなところを巡るのだが、残念ながら、鞆の浦は近いのに行っていなかったね。 今度、いくついでがあったら、行ってみたいね。A氏:しかし、そういう歴史的な景観があるところをなんで、最初、県と市は埋め立てをしようとしたのかね。私:俺の知人宅の街もそうだが、この辺の港町の街並みの特徴は道路が狭いことだ。 自動車が行けない場所も結構ある。 俺の知人も車を持っているが、自宅前まで車で乗り入れることはできない。 だから、駐車場を別に持っていて、そこまで、2,3分歩く。 同じように、鞆の浦も交通渋滞や交通の便を考えての計画だろうね。A氏:いつからこういう計画が始まったのかね。私:1983年(昭和58年)からだそうだ。 次第に過疎化しているので港を拡大し活性化を考えていたのかね。 しかし、最初から景観保護派の反対があり、円滑にいかず、計画を縮小してきたようだね。A氏:最初から26年たっているね。 最初のときの生活条件と変わっているのではないの?私:町の人口は、83年は9000人近くだったが、今は5000人を割り込んだという。 これからは少子化でもっと過疎化は進むね。 状況変化に追いついていないという「八ツ場ダム」のミニチュア版だね。 2003年に一時凍結したのに、2004年に工事推進派の現福山市長の羽田皓氏が当選してから、復活した。 羽田皓氏というのはどういう人物かね。A氏:広島県知事の藤田雄山氏は、建設会社藤田組(現在フジタ)の創始者を大伯父に持つ土建一家だね。私:計画では、工期10年。 総事業費約55億円。 今年度は護岸工事などで約3億6千万円。 これが浮いたね。 もっとも土建業者の収入は減るだろうがね。 俺の知人のところの町も過疎化していて、数年前に路線バスが廃止になったね。 海岸の護岸工事をした立派な道路も不要になったね。 かっては、広い内海だった土地が30年ほど前に埋め立てられたが、広大な埋め立て地は無人の荒野になっている。 土地を使う大手企業がいないんだね。 この土木工事は一体何だったんだろうね。 地方では、過疎化、少子高齢化に対して産業の大転換が遅れていると思うね。
2009.10.03
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A氏:昨日の夕刊で、天下り42人の凍結が官房長官から発表されたと報じているね。私:今朝のTBSテレビの「みのもんたの朝ズバッ!」で民主党の細野氏が出ていたが、この42人は各省庁の斡旋による「表の天下り」でなく、「裏の天下り」だという。 すでに麻生政権で内定していたものらしいね。A氏:「表の天下り」はすでに、完全になくなったらしいね。私:42人のポストは、公募するという。 それに官僚OBも含めるという。A氏:これが抜け穴になるのではという不安があるね。私:問題は公募の方法だね。 公募するとき「こういう仕事をする」という業務の具体的な内容とそれに費やす時間数を明らかにすることだね。 君のブログでふれていた若林亜紀氏がTVでもちょっと登場したが、彼女が勤めていた独立法人では、天下りできた理事の仕事は、毎日、新聞を読んだり、碁をしたりすることだと言っていたね。 天下り理事長は、視察と称して、実際はファーストクラスで海外旅行を繰り返していたという。A氏:仕事は「毎朝新聞を読む仕事」「囲碁をする仕事」「官僚や丸投げ業者と親しくお茶飲みをする仕事」「1日10枚くらいの書類に判を押す仕事」として公募するのかね。 民間企業では窓際族の仕事だね。 ただ、天下りの場合は、給与は税金だし、現役並みの高給だからね。私:ある大手企業の子会社に行ったことがある。 製造業で従業員は100人くらい。 ほとんどが女性パート。 現場監督者5名は男子でその子会社の子飼い。 小さな別棟の事務所があるが、女性事務員が3名。 ところが、親会社から天下って来た年配者が3名。 3名の内訳は、社長、専務、常務だね。 朝から、新聞か本を読んでいたね。 社長は2年くらいで専務と交代して、退職金をもらう。 空いた専務ポストは常務が埋め、空いた常務ポストは本社から天下る。 順送りだね。 人事は親企業の人事部門で決める。A氏:官僚と同じやり方だね。 独立行政法人自体の見直しも必要だが、まず、手始めに今回の42人のポストで行われている実務内容の見直しが必要だね。 それによっては、公募しないということもあるね。私:経済不況で民間では役員ポストを減らしている企業が多いからね。 無駄なポストを減らすべきだね。 今年の初め頃、当時の鳩山自治相が郵政に食ってかかっていたが、国会で民主党の前原氏が、「かんぽの宿」の放漫経営について質問していたね。 従業員30人くらいの宿に副支配人が数名いたという。 皆、天下りだね。 彼らも毎日、新聞を読んでいたんだろうね。 今日現在も読んでいるかもしれないね。 これでは赤字は当然だよ。 そういう人は独立行政法人でも、今日現在、かなりいるのではないの。
2009.10.02
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GMの言い分 私:この日本訳は400頁近い大著だが、著者は、GMの再建は、アメリカのために必要だということを強調しているね。 しかし、俺が興味を持って読んだ部分は、GMがどのようにトヨタ生産方式を導入したかだね。 この本は、それにかなりの頁を割いている。 1984年、GMはトヨタ生産方式を学ぶために、カリフォルニアのGMのフリモント工場をトヨタとの合弁会社NUMMI(ヌーミ)として設立する。A氏:それは、君のブログでも扱っているね。 最近は、閉鎖の話もあるね。私:トヨタ生産方式は、これを研究したMITでは「リーン生産方式」と称した。 当時、GMの工場の作業員が1台のクルマを組み立てるのに平均で35時間かかるのに、トヨタ生産方式が定着したNUMMIでは20時間しか必要としなかったという。A氏:そんなに効果があがったら、GMは全工場にそれをすぐに応用しただろうね。私:それがそうでない点が、俺が興味を持ったことだね。 最初、デトロイトの上層部はNUMMIの効果を軽視していた。 だから、GMにおけるトヨタ生産方式の導入は、デトロイトの経営幹部の監視の目が不十分なGMヨーロッパから始まった。 すなわち、ドイツ中南部のチューリンゲンのGMアイゼナハ工場で導入され、折からのベルリンの壁の崩壊とともにもたらされた東独の労働者を活用できた。A氏:日本の技術とアメリカの過去をひきずっていない旧東ドイツの労働力の結合だね。私:次にアイゼナハ工場を手本にしたのは、アルゼンチンのGMロサリオ工場だね。 1991年に、後にGM会長となるリック・ワグナーがGMブラジルに異動になった時、GMブラジルの社長としてトヨタ方式を導入し始めた。 1996年にいよいよ、トヨタ生産方式を会社全体として取り入れ、GMは、それをグローバル生産システム(GMS)と名付けて体系化した。 これは新設工場から始まったが、本家のアメリカの多くの古い工場では従来の慣習の壁があった。A氏:いつものことだが、革新的なシステムを導入するときは、古い考えを持った人が障害になるね。 彼らが、成功体験を持っているとなおそうだね。 おごりだね。 自民党がそういう典型だね。私:GMでは、トヨタ生産システムを理解する中堅幹部が増加し、各工場のトヨタ生産方式(GMS)導入レベルの測定システムまでできた。 その測定システムによると、2007年には80パーセントは合格であったという。 このシステム導入の推進役としてのリック・ワグナー氏の功績も大きいようだね。 しかし、10年余の期間がかかった。A氏:確かに、大規模メーカーが生産システムを完全に再生すること、特に労使関係も含めたレベルまで及ぶ大変革を行うことはビジネス史上でも非常に珍しいね。 GMの場合、世界最大の自動車メーカーの長い歴史を持っていたことが、新しいシステムの順応に時間がかかった最大の原因だろうね。私:しかし、それをなしとげたリック・ワグナーCEOは、運が悪かったね。 昨年の金融危機で一挙に売り上げがダウン。 彼は、一時、年俸1ドルを言い出す。 この本の著者は、ワグナーは再建GMに必要な人物だと考えているようだね。 しかし、この本が出版されてから、事情は変わった。A氏:政府は援助資金を提供する代わりに、彼の退陣を要求する。私:ワグナーは、結局、8月に退陣することになるが、退職金は5年間で8億円だという。 いずれにせよ、トヨタ生産方式で鍛えられた中堅幹部は残って、GM再建に努力するだろうね。 もっとも、GMがここ20年間、モデルとしたトヨタ生産方式の親元のトヨタも大赤字で今、必死の再建中だね。 日米の2つの自動車大メーカーは、不況と環境問題を抱えて、今後、どのような経営を展開するだろうか。 ところで、トヨタ生産方式の中心は、トヨタのオリジナルが多いが、その根底にある提案制度や「カイゼン」による従業員の参加意識の向上思想は、敗戦直後、フォードに自動車の技術を学びに行った2人のトヨタマンが、フォードから持ち帰った思想だね。 それが「カイゼン」として日本で花が開く。 その思想がアメリカにまたもどったというのは、皮肉だね。
2009.10.01
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