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五木寛之さんの講演にこんな話があった。永井荷風の訳本からムスカとは人が生まれながらに持つ虫、心を蝕む虫で今風にいうと欝であったり、韓流でいうと恨(ハン)であったり、または悠と言われるものだそうだ。明治時代には『暗愁(あんしゅう)』という字も流行ったらしい。折れやすい柳は雪で折れることなく、冬を越せる。頑丈な枝は雪でぽきりと折れてしまうという。萎えるといういのは時に身を助けるようだ。だから若いうちにトスカを経験した人は少しくらいの挫折で死に急ぐ人はいないと言う。年をとってからむくむくと出てくるムスカは始末が悪いそうで、だから日本人の自殺者が増えているのだと。現代社会の病理に対して気に病んでもそれが正常かもしれない。小さいときから順風満帆で生きてきた人、苦労に苦労を重ねて生きてきた人、失敗ばかりの連続やいわゆる落ちこぼれと言われる人のほうがいざというとき、それらの経験が生かされている場合が多いようだ。辛いときは辛いものだし、泣きたいときは泣いたほうがいい。『衆の不遇はわが身の不遇』とお釈迦様が言われた。スマトラ沖で起きた地震、『ツナミハザード』によって壊滅的な被害を被った地域にいち早く復興がされますように。感染症の拡大によって世界的な『バイオハザード』になるかならないか、『遺恨』を残さない国際社会の連携が今求められている。
2004年12月31日

まだ、4日もあるのですが~^^ぼちぼち今年の終わりの支度をします~^^HPの整理整頓もさることながら大村父ちゃんのXP減量大作戦も~^^でもその前に部屋の片付けを~29日から夕刊がないので29、30日と頑張ろーっとこんなサイトですが今年一年付き合っていただいて本当にありがとうございました~^^(まだ日があるけど…)今年はたいした事故もせずに無事に仕事ができてよかったです~^^あと健康管理~生活習慣病にならないように気をつけよーっとお正月近辺にプチ断食もしようかと想っていまする~あと最近チャリンコをゲット~仕事以外の時はチャリで~たいがい行くところはコンビニか100円ショップ~図書館か古本屋さんなのですが~行動範囲狭~(≧m≦)
2004年12月27日

今日の昼はぽかぽかで~梅の花も咲くくらい~バイク乗ってちょうどいいくらいの気候でしたが~会うお客さん一人一人言ってました~まったく年末の気分がしないよね~本当ですね~
2004年12月26日
子どもの人口が1781万人(2004年4月1日現在)で~深夜12時から朝6時までサンタさん一人でプレゼントを配る数を1時間で20個、6時間で120個として~1781万人のこどもたちに配るために稼動したサンタさん日本国内で約148000人でした~^^皆様お疲れ様でした~^^きときとさんも昨日の掲示板で書いていただいてますが~クリスチャンでもないのにクリスマスを祝う気持ち~僕もわかります~^^日本人は海外でよく宗教を持ってますかと言われると~ありませんというようですが~僕的には~日本人ほど信心深い人はいないと思います~クリスマスは言うまでもなく~お正月には初詣~お宮参りに始まり~神前結婚~新車のお払い~地祭り~お墓参り~これは古来からあるアニミズム(自然崇拝)にも関係すると学者さんも言っています~^^もうすぐお正月~初日の出には皆さん手を合わせますよね~そうでない人もそれなりに神々しい気持ちになりませんか~^^『サイ タイムスリップ』ですが~もうちょっと落ち着いたら続き書きますから~最近サンタ業務にちょっと忙しいPapaなのでした~^^
2004年12月25日
『サンタになりたかったスノウマン』毎年雪が降り積もるこの時期。12月24日になると、スノウマンはあこがれます。赤い洋服に身を包んで、子どもたちへのプレゼントをたくさん積んで、トナカイのソリに乗って颯爽と夜空を駆け巡り、子どもたちの枕元に楽しげにおいていく、サンタクロース。「僕もサンタになりたいな――。」と毎年のように想っていました。どうやら今年は願いがサンタの神様に聞こえたようで、サンタの面接を受ける事になりました。「スノウマン、サンタの仕事は楽しそうに見えるけど実際はたいへんなのじゃよ。」「はい、僕はどんなことでも耐えていきます!絶対、サンタさんをやらせてください!」「ほーほっほほほー。まず、ソリをのりこなせなきゃいけない。いっぺんにたくさんのサンタが夜空を駆け巡るんじゃ、信号も航空路線もないんじゃよ。みな、はじめての前に空回りをするのじゃが、よく空から落ちたものじゃ。」ごくりとスノウマンは、つばを飲み込みました。「それと夜空を飛んでいてプレゼントを落としたりしてはプレゼントがだいなしじゃ。それに実はひとつひとつのプレゼントには一人一人子どもたちのあて先がかいてある、それも前日に順番どおりに組んでおくんじゃ。ひとつでもづれたらたいへんなことになるからね。」スノウマンはたずねました。「あの、サンタさんは一年に一日しか活躍しないのですよね。」「ほーほっほほほ、その一日のための準備に一年を費やすのじゃよ。子どもたちの夢の中をちょっと覗いてみてプレゼントを検討したり、家への入り方もチェックしなければいけない。煙突から入り込めないからね、最近は防犯機能がしっかりしているからうまくやらないとポリスマンにつかまってしまう。」スノウマン、ポリスマンにつかまる――なんかしゃれにならないとスノウマンは想いました。「あの、だれでもサンタさんになれるのですか?」「ほーほっほほほー、なれるともさー。ただスノウマンよ、もうひとつつけくわえると自分で歩けるようにならないといけないんじゃ。」「・・・。」涙がこみあげてくるスノウマン。「じゃが、スノウマンにもできるお手伝いがあるぞ、」「な、なんですか?」「スノウマンも子供たちに作られてそれぞれの家の庭先にいるじゃろ、」「はい!」スノウマンはすこし明るさを取り戻しました。「サンタクロースの道案内や標識になればよいと想うがどうじゃろ。」「そ、そうですね!サンタになれなくてもお手伝いは出来ます!」「うむ、ありがとう!」こうして今夜も夜の空を見守り、サンタクロースの道案内や標識代わりになるスノウマン。彼らはサンタクロースがくると、「おつとめごくろうさま!いつもありがとうございます!」とせいいっぱいの笑顔で迎えるのでした。
2004年12月24日
「お、そうだ。いい加減あの二人を現在に帰さなければいけんな。」大塚教授はそう言うと、香澄と渡辺がいるGPSポイントにカーソルをあて、エンターを押そうとしている。「教授、ちょっと異常が見られますが?」と高槻氏が画面の波形を見て言った。「どうやら低周波の振動がこちらでおき始めています。」そうこうしているうちに、モニタールームの機材や机、椅子などがカタカタゆれている。モニタールームにいるメンバー全員しばらくじっと様子を見ている。「ねぇ!あの雲何!」突然、千春が叫ぶ。皆、窓の側により西側の赤くそまった夕日と雲を見た。それは赤いと言うよりも紫色に近く、帯状に見ようによっては見えた。「いかん!高槻君、地震波の各ポイントを表示してくれ!」機材の上の一つのモニターに各ポイントに置かれた地震波の観測機よりデータが送られてきた。その時だった、「ねえ!地震だわ!」叫んだのは香澄でその揺れは画面から見る限りでも、震度6近くもありそうだ。ふたりは丘の上の木にしがみついている。遠くの方のはらっぱがうねっている様子が見えた。「大塚教授、この子たちのところも火山性です!こんな時に!くそ!」と沢村。大塚教授が答えた。「しまった!共鳴してしまったのか!」「わかりません、地中ソナーモニター画面ではこちら側の富士山のマグマの噴出まであと1時間もありません。」それよりも神聖な富士の麓で時間を交錯させたのもひとつには原因があったかもしれないと高槻氏は考えていた。3人のやり取りに政府機関の秋山と風間も、緊急マニュアルに添って行動を開始していた。「ヘリコプターの手配はできました!時期、校庭に到着する予定です。」「教授!ここの部屋をまた格納しましょう!」と高槻氏が叫ぶ。格納のスイッチを押すと機材は教室の床にしまわれた。そして飯田、加藤、千春、真理に新種の携帯電話を渡す。自分たちの周波数で交信し、それで古代にとんでいった二人の画像はいままで通り見れるというもの。地震の時、乱れる電磁波の影響は受けないようにしてあり、テレパシーで使われる周波数もその恩恵にあずかれるものだ。「千春―!真理―!聞こえるー!?」「香澄―!だいじょうぶか!」「こっちの地震は落ち着いたようだわ!そっちはどうなの!」「今から退避するところ!」「!って何?」「富士山が噴火しそうなんだ!」「残り時間はあと55分を切った!」「渡辺です!その富士山の振動の共鳴反応が本当だとすればこちら側に送ることはできませんか!」「何を言ってるんだ!君たちはこっちに戻ってこなければいけないんだ!」沢村は叫んだ。「大丈夫でしょ!その瞬間にそっちに移動しちゃえば!」と香澄。富士山の共鳴をさせてしまった責任もあるのか、大塚教授は少し冷静になり、「わかった!出来るんだな?」とそこにいる皆に尋ねるように言う。「先ほどのシュミレーションではどの程度のレベルなのか?」と高槻氏に確認、「ハザードマップの通りの見込みですが――。」こと自分一人の責任では済まされない、日本の政府どころか世界まで巻き込んでしまっては―と苦悩するが周りの空気が共鳴をもう一度させて向こう側に転移させるというふうになってしまっていた。もう一度、機材をセットすると、富士山の各ポイントに置かれた観測計に古代の振動データを送り、共鳴させる事になった。「よし!渡辺君!香澄君!いいかな、よく聞いて欲しい。初めての処置なので上手く行くかどうかわからないが、今から現在の富士山の低周波をそっちに移す。それと君たちのいる近くに池や川はあるのかな?」「はい、葦の根元は池のような常態です。」「君たちがそっちへいった時に使った鏡のようになるかどうかだ、」「やってみます!」「教授!こっちの振動はかなり激しくなってきてます!マグマの噴出まであと10分と出ました!」「予想外だな・・・。よし、皆!今から地震の転移をする!揺れが激しくなるから、そばのものにつかまるように!」現在の富士山の震動波をGPSに送り始めた。しばらくして、不思議なことにこちらの富士山の震動は収まったのだった。「渡辺君!何があっても二人で未来に帰ろう!」「千春、走ろう!」二人で葦の茂みに向かって走る。転移された地震は二人の行く手を阻むように丘をくねらせる。ころびそうになって、二人は手をつないだ。「!」「ない!」葦の茂みにあったはずの水溜りは地震の影響で消えていた。その時、富士山から稲光のような火柱が天空に放射された。一瞬にしてどす黒い噴煙が空をさえぎり、赤々と迸る火山の溶岩がおおきな舌ベロのように、ふたりに向かってきていた。火柱が落ち着くと水蒸気爆発が始まり、その黒いものは溶岩の上を這うようあたり一面覆いかぶせてしまった。「ふたりは飛んでいた。」手をつないで。香澄はシルクの肩掛けをなびかせて、渡辺は香澄が天使の羽を持って飛んでいるかのように想い、香澄は渡辺がスーパーマンのようだと想っていた。モニタールームは以前の教室に戻っていて、飯田と加藤、千春と真理が放課後そこでおしゃべりをしているところだった。「こら!早く帰れよ。」担任の沢村が見回りをしていた。「先生―、なんかこのところ変なんです、」「なにがー?」なにか大切なものを忘れてしまったようとそれぞれが口にしていた。それは沢村も想っていたことだった。夕焼けの茜色が澄んでいた。窓から入り込んで空いている机の上を照らしていた。誰かの机だったのか、皆、思い出せないでいた。ひょっとして最初から空いていたのかもしれないと――机には茜色に照らされているコカリナ一本置いてあった。(タイムスリップ 完)
2004年12月23日
「わははははwww――、」と大塚教授が高笑いし、「いいぞー、きょうび若者はそれくらいの冒険心がないとなー」「教授、ひとごとだと思ってー」と苦笑いの沢村。「でもあれですよね、時間を操作して元に戻れる事は可能ですよね?よく、SF映画でありますよね、ドラエモンでもありました。都合のいい時間にまた戻れるってー」「そうかなー、飯田。それはあくまでも物語の世界であって、現実にはどうかと思うよ。そっちの世界へ行った元の時間に、また戻ってくるのがいっぱいいっぱいじゃないかな。じゃ、なければ同じ時間軸に複数の自分がいることになってしまうと思うよ。」「加藤君って言ったかな、いい着眼点だね。案外ドッケンベルガーって言うのはそんなものかもしれないよ。とにかく今回彼らはラマチャンドランの鏡で脳に錯覚を起させ、その感覚や意識が身の回りや自信を含む、すべてのプラズマ・荷重電子もそれに同調したとしよう。「F分の1ゆらぎ」が同期をすると稀に不思議なことも起きると言うしね。僕はそれに加えて、感情というエネルギーに着目したいな、ノーベル物理学賞受賞のブライアンジョセフションも精神が物質を生んだと言っているんだよ。E=MC2、普通、質量×光の速度の2乗がエネルギーと言われているが彼の理論に置き換えると意識×感情の強さの2乗がエネルギーって具合にね。それを鏡を使って意識にブレを起させるというのも頷かせるんだ。古代から神託に使われている物で鏡があると言うのが面白い。」「高槻先生のヒーリングもやはりそうなんですか?治ってほしいと念じて本当に治ってしまう――もちろん、本人も治ろうと努力する事も必要ですし、イメージ力というのでしょうか。でも鏡って不思議ですね。女の子は毎日30分以上は眺めてると思うわ、いろんな髪型にしたり、眉毛を整えてみたりいろんな自分になれるみたいで、」「そうね、青木さん、大人になればなったでお化粧をした自分を鏡で見てまた新しい自分を見つけるの。気分も変わるわよ。」「杉山先生はおいくつからお化粧してたんですか?」――話はつきない・・・。そのころ香澄たちは――「ねー?皆、なにか、話してるみたいで誰も聞いてくんないわ」空に向かって話しかける香澄、「渡辺君、後悔してない?私とこの先、ここで暮らしていくのよー」「俺は平気だよ。でも太古の日本だぜ、なにが出るかわからない。」「蛇とか?」「ああ、」「・・・。虫とか?」「ああ、」「・・・。」「それに飲み水も確保しなきゃいけない、コンビニもないし、もちろん車もない。」「いいじゃん、その時は渡辺君、なんとかしてよ!」「いいよ、別にお腹が空いたらその辺の鳥を捕まえて首を2―3回ひねってちぎって逆さにして血を抜いて、羽をむしってそれでーー」「・・・。」「生きていくためにはしかたないじゃないか。」「・・・。」「香澄だって、ちゃんと火も起せたし、」「そう、さっき狼の声がして加藤君に言われてあわてて石を探したんだけどなくてーとりあえず、枯れ木を置いてね、燃えろ!って念じたの。そしたらなんか火がついちゃってww」(でもなんでここまで来ちゃったんだろう?)限りなく自己嫌悪に陥る香澄――(原始、女性は太陽だった――母なる海で、太陽ですべてを生み、育む大地――そして私はこの先渡辺君とずっと―)もじもじ木の下で葉っぱをむしったりしている。むしった地面が鳥肌に見えて―「・・・。やっぱ、帰ろうかー」と言う香澄だった。お日様はやっと西に傾いていた。「香澄、お腹空かない?」「ぜんぜん。もうテスト終ったって言ったよね?」「言ったよ。終らなきゃこれない。」「そう、不思議ね。こっちへ来てやっと一日の半分が終るのよ。」「へー、時間の感覚かなー?ちょっと不思議だね。前の世界って言ったらへんだけど、なんかせこせこ時計までが忙しく動いてるみたいだったよなーww案外、時間の観念っていうのも感覚に依存してたりしてねww」渡辺は仰向けになってゆっくり流れる雲を眺めている。香澄もその横で仰向けになった。渡辺は短パンのポケットからコカリナを出して吹いた。「ふるさと」だった。ひとすじの風が二人のほほをそっとなでていき、高台の草をゆらしていった。(続く)
2004年12月22日
「っていうかー、香澄のお母さんがその映画を見たいって言ったらどうするのよー。」と千春が真理にぼそぼそ。「なるようになるんじゃないの?」割と能天気な真理。杉山は先ほどはどうもと言いながら人数分のカップをトレイに入れて持って来た。「結局、無名を含めた4人の刺客が始皇帝に命を掛けて助言をしたのは意味がなかったのでしょうね。」コーヒーを渡しながら杉山が言う。「あ、映画『英雄』の話ですね。」と沢村。「最初、暗殺計画で行った「無名」が大王にあと10歩まで迫ったのに、そこでのやりとり、つまり心理戦で敗れたと言う事になるのでしょう、成果的には。」「そのたった数時間が映画にしてしまうと壮大なロマンやスペクタルになる、すばらしいですわ。」「僕はその時の世界情勢、日本はどうしてたんだろうって思いましたよ。西暦200年前ですよ。弥生時代。」と秋山。「秋山さんって映画関係者とも交友があるのですか?」「さっきの名刺ですね。ウソも方便で身分を出したくない時に使ったりしてます、政府機関と言ってもただの役人と思われるのも癪ですし、」「あの手法は特殊調査機関ですわねwww」「CIAやFBIとかって?それは杉山先生も映画の見すぎでしょう。」「君らがCIAやJCIAの調査を兼ねてるとしても、私には関係ないよ。その内この機械も世界に出て行くとは思うが。いずれにしろ、きな臭いことには使われたくないだけだ。」と大塚教授。「そこなんだよね、秦を統一した始皇帝は強大な軍事力でその後もいろんな国を吸収したりしたが結局長くは持たなかった。」と高槻氏。「でも文化・科学は進歩を見せた。」と杉山。「ねー!」前面の巨大画面に香澄のアップが映し出される。一同、コーヒーを噴出しそうになる。「なにがおかしいのよ!」「そ、そうだ!君たちがそこまで行けたのはどうしてかって聞きたかったんだ。」大塚教授は続けた。「確か、鏡を見てたって言ってたよね。」「はい、」「なにか特別なことを他にした?」「なにもー」うーんと腕組みをしてしまう教授。「それはラマチャンドランの鏡と関係があると思うよ、」と高槻氏、「なんらかの障害で左腕が動かなくなった人が、右手が入る箱の左側に鏡を入れて、あたかも左腕が動いているように脳に錯覚させてリハビリをするという方法だよ。わざと脳に幻想を見せて錯覚させそれを真実にする。そんな方法と関係すると思うよ。」「それだけで、タイムスリップが出来るんだったら、私の今までの苦労はなんだったのってならないか?」と大塚教授、「しかも、脳の錯覚で自分の体に変化を及ぼすのならまだいい、こと時空間の変化・転移なんてどう考えても自然界にありえないね!」「まあまあ、当然彼らは今までの人と違って少しばかり超状的なことは起こすようです、教授も知っての通り、自然界に存在する「F分の1ゆらぎ」その波長を揃えられたとしたらどうでしょうか?」「高槻さん、君は彼らがその波長にさえも同調できたと言うのかね?」「あくまでも仮説ですがー彼らを実験の道具にしたくはありませんしねww」「とにかく、君たちがそこへ行った方法を聞こうと思ったんだ。そこへ君のお母さんが来たんだよ。」どよーんとする香澄。「この格好、見られた?」「あ、見た見た。」「私、帰りたくないー!」画面を見ていた一同、どよーんとした。顔の上半分にさーっと縦線の影が落ちるかのように。「な、なんで?」と沢村が聞く。「だってー、渡辺君も一緒だしーここで二人で一生暮らすんだからー」そばの渡辺はうつむいて頭をぽりぽり。「やれやれ」千春と真理がつぶやいた。(続く)
2004年12月21日
「おーい、かすみー!」天を仰いでくるくる回っている香澄は渡辺の声にふっと我に返った。「渡辺君!」はぁはぁと息せき切って走ってきた渡辺。「とりあえず、その格好なんとかしようよ。」香澄本人は乙姫様気分でいたものの着ていたものは薄紫のシースルーネグリジェ、パンツとブラが透けて見えた。「!」はてしなく恥ずかしい思いで香澄は顔を手で覆ってしゃがみこんでしまった。渡辺は自分が来ている白装束を脱いで渡す。「とりあえず、これ着てろよ。あっち向いてるから。」高台の上にある木の陰で香澄は着替え、その上からまた例の着物も羽織った。「おまえ、よっぽど好きなんだな、その格好―。」「貸してくれたことには感謝するけど、その言い方は気に入らないわ。これは乙姫様スタイルなの。これを着て試験前とかに勉強すると集中できるの!」「もうとっくにテスト終ってるしー」「!。渡辺君、どうやってここまで来たの?」Tシャツと短パンになった渡辺が答える。「香澄と同じ方法だよ。前に言ってたじゃないか、鏡に向かってその時代をイメージすると鏡を抜けて行けるような気がするって――あ、そうか僕は義経の時代に行こうとしてたんだっけーw」「それで、白装束かー。」(おーい、渡辺―!)天から降ってくるような声にびっくりして「な、なんだ飯田―。」(僕もいるよ、それに沢村先生や先生のチームもいるんだ。君らの映像や音声はこっちでモニターしてるからー)と加藤も話しかけた。「おい、おい。僕らの声も筒抜けかよ。」「わたしのあの格好も―」そのモニタールームでは接続が完了したのかヘルメットをはずして髪の毛を整えている千春と真理もいた。「そーだよーww」(やっぱ、渡辺君も行ってたんだー)とふたりでほくそえんでいる。「こっちへ戻す前に聞いておきたいんだがー」とマイクに向かって大塚教授が話しかけようとした。その時、憩いよく部屋の入り口が開けられつかつかと入り込んだ女性がいた、「いったい、これはどういうことですか!家の娘の消息はつかめているのに、場所を教えられないって!」(しまったー)と言う顔の沢村。(あちゃー、結界をしておくのわすれちゃったー)と真理。その時、いち早く異変に築いた政府機関の秋山がその女性に追いついて話しかけた。「ご挨拶が遅れてもうしわけございません、香澄さんのお母様でいらっしゃいますね。私はこういうものです。」さっと両手で名刺を差し渡した。「あら、北山オフィスの方?」と言いながら、スクリーンに映し出されている香澄と渡辺に目をやった。「はい、ちょうど今ロケ中なんです。スタッフからお母様にご連絡をしてた筈なんですがー。」「そういうことだったの、家の娘が映画に出ることになってるなんてーww」と急に態度が和らいでいる。気がつくと風間もスタッフジャンパーにカメラと部屋に入っている。(まーったくー、冷や汗もんだぜー)と飯田。「お母様、そういうことですのでー」と静止を振りきられ入れてしまった杉山も来ていた。「あの、秋山さんって言ったわね。どんな映画のお話ですか?台本とかなくてー?」せっかく来たのになにも土産ももらえないのといった感じの香澄の母。(おいおいー)真理と千春。「あいにく、この監督のストーリーは頭の中だけで考えていまして、その都度役者やスタッフに指示を出す人なんです。お話の内容ですか?」すこし考えてから。「部外者には内緒ですよ。秦の始皇帝は初めて天下を統一すると、神仙の道を願い、海外に仙薬を求めて徐福・韓終に多くの童男女を同行させ派遣しました。秦の始皇帝は天下を統一したあと、「黄帝封禅不死」や「渤海に蓬莱・方丈・瀛洲の三神山がある」といった方仙道の伝説―――海上の三神山には仙人が住み、その上には雲霧が巡り、金銀で造られた宮殿や建物があり、不死の薬がある。秦の始皇帝は、海上の瀛洲の仙山に薬を探すため、徐福に数千人の童男童女を同行させて派遣した。彼らは東隣りの日本に漂着して帰らなかったといわれ、日本の和歌山県や青森県には徐福が漂着したという伝説が残っている。中国の史記では除福は大船85艘に一行558人の男女を乗せて日本に向かわせたと記載がある。富士文献と言われる古文書の「宮下文書」は除福が書き残したと言う説もある。とにかく不老長寿の仙薬を求めて富士にこられたんです。その中にかぐや姫伝説も取り入れたお話ですよー」秋山、すらすら言いながらも後姿に汗と言う文字が浮かんだ。「そうなのー、それであの子あんな格好してるのねーあら、渡辺君も映画にでるの?」「お母様、スケジュールが押してますのでー」と杉山先生はなんとか連れて出す事に成功した。ドアがしまってしばらく間、「はい、カットー!」と大塚教授の声が響いた。「コーヒータイムにしよう。いやー秋山君、風間君。助かったよ。」横の沢村も安堵の様子。(おいおい、大塚教授いつから監督なんだよ)と高槻氏の視線。(続く)
2004年12月20日
『猟奇的な彼女』を観ました~^^『僕の彼女を紹介します』のクァク・ジェヨン監督の構成とチョン・ジヒョンの演技力はすごい~^^見ていて違和感なく~日本でもありそうなことだなって~そして『僕カノ』の最後のシーンは『猟カノ』の最初のシーンに繋がりそうでこれもまた想像力を高めちゃいます。lucky Papa的には『僕カノ』が最初見たチョン・ジヒョンだったので、「猟奇的」と題名につい納得しそうになっちゃうのですが~(おいおい)その実、真剣に恋に人生に悩んだりする真摯な女性ですよね~映画の中では『僕カノ』のほうがパロディ度がふんだんにありまして~ハリウッド映画の面白いところてんこもり~「ジーンケリーの雨に歌えば」のようなシーンもありいの「リーサルウェポン」さながらの爆破シーンがありいので~でも『猟カノ』はネット小説から出始めたようで~それはそれでストーリーの展開は興味深々~やっぱり思った通りの結末でしたが~見終わった後の爽快感がありました~^^う~ん、勉強させていただきました~^^トラックバックしていただいた皆様ありがとうございました~^^~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~『サイ タイムスリップ2』期末試験が終った、香澄はタイムスリップしたまま彼女の席はは空席のままだった。「今頃、お腹すかしてるんじゃないかな。」と真理。あれから2日ほどたっている。「沢村先生たちがなんとかしてるよー。きっと戻ってくるって、」千春は言いながら加藤の周波数に合わせる。沢村先生のチームが入ってから、香澄の周波数が変わったようでこちらには届かないでいた。(加藤くん、なにか情報つかめた?)(いまのところなんにもー、そー言えば渡辺なんだけど、)(なに?)(テスト終了後から急にいなくなったー)「まじで?」「うわ!急に肉声でしゃべるしー」「だって、ほかに僕らしかいないじゃん!」例のグループ、香澄と渡辺以外全員いた。「案外、渡辺君、香澄を追って彼もいったんじゃないかな。」と飯田が言う。「そうそう、飯田君もそう思ったー?」「あの二人―、結構出来てたりしてー」と千春。「何―?中学生だぞー!僕ら!」生真面目な顔をして加藤が言う。「あら、別にプラトニックで出来ているって表現の仕方もあるじゃなーい?ねぇ、真理―。」「・・・。」「ぼーっとしてるしー」「ねぇ、香澄の家の人にはなんて言ってあるのかな。」と真理がやっと言い出した。その時、ちょうど沢村が教室に入って来た。「まだ、いたのか。そうだ、ちょっと手伝ってくれないか?香澄のためにやることなんだ。」4人は沢村に連れられて1階に降りる。「実はモニタールームを改装したんだ。いろんな機材を入れてね、香澄の所在時間空間をgpsで表示できるようにした。」「いつの間にか、そんなことしてたんだ。」「だって君たちは親御さんからお預かりしている大切なご子弟だし、国の宝でもあるわけだから。何かのときにねと思って。それで機材の周波数のチューニングのためにいままでテレパシーが使えなかった。ここだ、入って。」「普通の教室じゃん。」と千春。「そう思うだろう?ちょっとこの辺りには立たないでくれるかな。」教壇と生徒机の間に黄色い縞々線が工場現場よろしく描いてある。「加藤、そこのスイッチを押してくれないか?」「あ、はい。」なんの変哲もない教室の照明スイッチを押した。機械音とともに黒板が後ろに引っ込んで、その下から大きな液晶版が上がってくる。教壇も同時に黒板側に下がるとしたから見慣れないパソコンの端末が揃った機材が出始めた。「カッコいいじゃんー」誰からともなくそんなことを言う。「じゃ、皆。機材の前の机を片付けて椅子を端末ごとに一つづつ並べてくれ。」「なーんだ、その辺は手作業かい。」「まだある、教室のまんなかの机も隅っこに移動してくれないか。」ガタゴトさせながら中央にスペースが開いた。「よし、また皆下がってくれるかな。大塚教授、準備が出来ました。」と時計に向かって話しかける。その瞬間、教室の中央に風が舞い起こり機械の回転音と共にそれは現れた。「これって――」加藤。「ひょっとしてタイムマシーンかよ。」と飯田。「でも、なんか昔みたことあるわ、そ、そう地球ゴマみたい、」千春。「よ、諸君、実験は成功じゃいwwしかし、地球ゴマとはいい表現だな。」そのコマのようなものから降りたつ大塚教授。「デロリアンみたいな車とか、汽車もあったけど。このタイプはジュールベルヌやコンタクトで出てきたのとちょっと似ていますね。」と加藤。「やっぱ、あれですか?スーパーマンが地球の周りを高速回転して地球の逆回転を生み出して時間を戻したっていう原理ですかー」と飯田。「君、なかなか詳しいねー当たらずとも遠からずじゃー大気中のプラズマを磁性コントロールしたんじゃよ。その原理を説明するとー」「教授、一日じゃ説明できないし――次に進みましょう。」高槻氏も教室に入ってきた。「それじゃ、準備をしよう。」沢村が言った。端末6台に高槻、大塚、沢村が座った。「よしこれから君らもちょっと協力してもらうぞ今から念を送ってもらう、その前にこれをかぶってくれ。」生徒たちがヘルメットのようなものをかぶると、沢村は始めた。「よし、送ってくれ。」同時に地球ゴマのようなものも回転し始めた。前方の大きな液晶スクリーンに画像が出始める。「おぉー、香澄―!」と男子生徒。「あいつ、なんの格好してるんだ!」と沢村。「男子は後ろを向いて!」と千春。「先生たちはいいの?」と真理に言われ画像の接近を下げる高槻氏。映像のアングルも空からのものになった。香澄は高台で手を広げて楽しそうに回っている。ランジェリーの薄紫を着ていてひらひらしているのを身にまとって―――真理と千春がつぶやいた。「やれやれ。」(続く)
2004年12月19日
「真理―! 千春―!」香澄は今にも泣き出しそうに二人を呼んだ。荒涼とした大地にいた。たしか――昨晩は期末試験の勉強をしていた――そして気分転換に乙姫さんの着物を着て、例の薄紫のシルクでランジェリーのような姿と白いシルクのはごろも伝説のような巻物をまとっていた。なぜこんな格好をしたか?それは香澄が一番気分が集中できて、脳も冴え渡るから――もあるし、だいいち乙姫さんになった気分になれて明日のテストも出来そうな気がするから。そしていつものように姿見の前で、その格好とはまったく意味の違う言葉を連発し出した。「気合だ!気合だ!気合だ!気合だ!気合だ―――!」いつもならそこで本当に気合が入って、また机に迎えるのに今晩は違った。どこが?へんな所に来てしまった――。時間は昼間だ。お日様が昇っている。場所?葦がやたらと生い茂っている。あ、富士山は?と思い立ったように香澄は見た。「!?」形が違っていた。宝永山もないし、横の足鷹山もない。「なんでー!」というわけで香澄は途方にくれて葦の茂ったところから、小高い丘に向かってとぼとぼと歩いて行った。そしてちょっとした大木の下で休んでいたのだ。「なんで、ここに来ちゃったの?夢だよ、絶対―」ほっぺたをつねっても変わらない。来ている着物も乙姫さんのそれだった。ますます混乱する香澄だった。その朝、学校で千春と真理は今朝の夢の事を話していた。「香澄が泣いていたんだけどー」「そうそう、真理もその夢みたよー」「どういうことだろ?」はたして一時限目の社会のテストにも現れず、担任の沢村は自宅に電話をしたり、携帯に連絡をしたりすこし心配をしている様子だった。(神隠しじゃ、ないかな)と加藤が真理に送る。(ほんと、なんだろ。)千春も送った。二時限目の国語の試験の時。香澄が送ってきた。(真理―!千春―!)(香澄―何?今どこ?)(よかったー、通じたーここね、富士には違いないんだけど、だって富士山みえるしー)(香澄、とりあえず、生きてるんだねー)(どういう意味よー加藤ー!)(それくらいの元気があればだいじょうぶだ。ちょっと、周りの状況をリポートしてくれないかな?)(そうそう、富士山は見えるけど宝永山はないの、足鷹山もないー低いところは葦が一杯茂っていて、空には鷹?なんか大き目の鳥がくるくる輪を巻いて飛んでるけどー)(やったね、香澄!タイムスリップだよ。)と飯田が入り込む。(えー!ちょっと待ってよーもーひとごとだと思ってー)(香澄、危害を加えられそうな異常事態はどう?)心配する加藤。(今の所はいいみたいだけどーでもときおりワオーンって叫ぶ犬?の声が)(それ、狼だよ!)と飯田が送る。(香澄!近くに石ころとかない?)とあくまでも冷静な加藤。(どうするの、)と千春と真理。(去年の体験学習でやっただろ、火打石。とにかく、石と石をぶつけて燃えやすい枯葉に火をつけるんだ。)(分かった、やってみる。)(こっちはとりあえず沢村先生に報告しておこう)国語のテストが終ってから加藤は職員室に行き、沢村にことの成り行きを話する。「そうか、分かった、加藤、報告ありがとう。後は先生のほうで考えるから。もしなにか緊急のことが起きたと送ってきたらテスト中でも報告に来てくれ。」と言い残し、職員室を出てモニター室へ行った。「秋山さん、風間さん至急、連絡してくれないか。」と言って、今回の件を手短に伝える。そしてそれぞれ携帯で高槻教授、大塚氏に連絡を取り始め、「あ、それとホテルの手配も忘れずに。」と沢村は付け加えた。(続く)その1その2その3
2004年12月18日

「脳のしくみ」ナツメ社 岩田誠監修「脳のはたらき知覚と錯覚」ナツメ社 宮本敏夫「年齢の嘘」ジョン・W・ローウェ/ロバート・L・カーン「子どもは皆前世を語る」キャロル・ポーマン(予約「脳のなかの幽霊」ラマチャンドラ)CD『VAN HALEN BEST OF』 『THE BEST OF ENYA』 『S&G Bridge Over Trobled Water』大ちゃん、Eおじさん、Iさん揃って「Papaさん、ヴァンヘイレン聞くんだ~」(へぇー)と言ったところ~ww~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~ おおむかしから大和の国を見渡していたおやまのかみさま大和の国が陸続きの時中国大陸から朝鮮半島からそして他の島々からやってきた大昔の人々の暮らしを見つめてある時世界が氷の世界闇を打ち破る響きの強さと激しさはやがて大和を島国に恵み豊かな島国に人々よろこび住み給うやがて年を越え海を越え秦から除福と二千人の子どもたち御山のふもとに住み給う御山のふもとに住み給う御山は今もあまねく世界を見渡していて中国大陸も朝鮮半島も見渡していて大海原の島々も見渡していて大昔は皆同じご先祖だったと想っているのに―――富士山の山頂は浅間大社保有国側と本日文書取り交わし
2004年12月17日
ポストにあった封筒の表に書いてあった『クリスマスの恋人様』宛名は違うけど間違いなく入っていたからレターカッターで開けてみます白い便箋に青い文字で書いてありました『クリスマスに思い出をつくりませんか?素敵な出会いがあなたを待っていますサンタクロースを信じますか?奇蹟は信じる人に起きるものです暖かいお日様を感じられるのに潤す雨を感じられるのに囁く風を感じられるのに妖精たちの歌声は聞こえませんか?昼には青い空は見えるのに夜には瞬く星は見えるのに見えるものは遠くにあって感じられるものは側にいるのに人はなぜ遠くの見えるものを追い求めるのでしょうさあ!クリスマスに奇蹟の物語をつくりませんか?あなたもサンタになりませんか?』真っ白な封筒の差出人を見ていました青く浮き出た文字を見ましたサンタクロース派遣協会登録無料誰でもなれます―― と
2004年12月16日
あいつを追いかけて走っていた走りながらまたいつものように両手を広げ飛んでいた風を受けて夜でも自動車専用道はサイドの照明であいつの動きは見える乗っていた車は追跡の車と車に挟まれ大破あいつはフェンスをよじ登って外へ出たそれを見ながら道路すれすれに飛んでいたそのフェンスの向こうは高い壁があって逃げられない道路と通じるフェンスの穴を見たとき俺は降りたそして出口がどこにもなくてあわてて逃げてきたあいつを取り押さえたそして情報を得たしばらくして車が来たヘッドライトをアップにして四駆の上から機関銃を掃射されたあいつの仲間だった俺は捕まえたやつとフェンスの土台に隠れ難を逃れ応援を待った――そしてまもなく飛んできたヘリに四駆は攻撃され爆音とともにふっとんだ俺は助かったこんな映画のワンシーンのような夢だった手術をしている彼を想った不良中年頑張れ
2004年12月15日
『健太のサンタ』「ママ?どうして僕にはパパがいないの?」健太にはお友達のようにパパがいません。小さい時からいなかったので、それがあたりまえのように思っていました。初めて健太がママにそんなことを聞いた時、ママは目に涙を浮かべて台所へ逃げて行ってしまったのです。それから健太はもう聞きませんでした。ママは毎朝、健太を幼稚園に送ってからお仕事です。そして2時に迎えに来て家に帰ります。「ママ、いってらっしゃい。」こんどは健太がママを見送る番、「今日はママのお友達とお話があって遅くなりそうなの、ごめんね、いつものようにご飯食べたら早く寝ててね。」「うん、わかった。」健太は一人になると好きなアニメを見たり、絵を描いたりして過ごします。でもクリスマスのこの時期は窓から見る外の風景も楽しめました。マンションの5階からいろんな家の飾り付けが見れました。キラキラ輝くイルミネーションがきれいで、まるでお菓子のお家とかおとぎの国のお家のようです。小さなサンタさんを何人も並べたお家や、スヌーピーを並べたお家。つぶつぶの電球を屋根から壁一面に降ろしていたり、大きなクリスマスツリーに吊り下げられたりです。ひかりのつぶつぶは交互に輝きあって、何時間見ていても飽きませんでした。でもママの言いつけどおり、時計の短い針が8を指す前にごはんを食べてお風呂に入ってパジャマに着替えベッドに入ります。そして健太は一人静かに眠ります。夜中にママが帰ってきたのも分からないくらいぐっすりと寝ていました。そう、突然ママが倒れる音がするまでは――。ママのうめき声が聞こえます。「ママ!だいじょうぶ?」「健太、携帯電話とって――。」ママの鞄から携帯電話を取って渡すと、振り絞ったような声で住所を告げていました。やがて救急車が迎えに来ると、健太も乗り込んで病院に向かいます。深夜の病院はとても静かで長い廊下の長いすに腰掛けて、健太はパジャマのままでじっとしていました。さっきまで見ていた、光のつぶつぶやサンタ人形の明かりがぐるぐる頭の中を回っています。気がつくと健太は誰かにお願いをしていました。(ママが元気になりますように――)自然に両手を合わせ、手を組んでいたのです。その時、静かな長い廊下に鈴の音が響き渡りました。しゃんしゃん、しゃんしゃん――。突然、絵本に出てくるようなサンタさんがトナカイと一緒にやって来ました。そして健太の前で止まり、「健太君、今わしを呼んだかね?」とサンタさんは言いました。「!」健太は突然のことにびっくりして声も出せませんでした。サンタさんは周りの状況を見てからやっと聞き出します。「君のママがここの手術室にいるのかね?」「はい」とだけ健太は答えました。「よし、わしも一緒に祈ってあげよう。」サンタさんは病室がある壁に向かってひざまづくと、健太と一緒に手を組んで祈り始めました。「どうか、健太君のママが元気になりますように。」「どうか、ママの手術が成功しますように。」しばらくして並んだ二人から金色の光が出てくるかと思うと、病室へ向かい壁を通り抜けて行きました。「よし、健太君。これでママは大丈夫だ。」「ありがとう、サンタさん。」「クリスマス前でもいろいろな事をしなくちゃね、そうだケンタ君、プレゼントは何がほしいのかな?」「サンタさん、僕パパがほしい―」「ぅおーほっほほほー」とサンタさんは例の笑い声を出しました。「健太君、サンタはいつでも君のパパだよ。会いたいときはいつでも会えるからね。」とそっと健太を抱きました。気がつくと長い廊下の長いすの前に看護士さんがいて、ママの手術が終ったと言いました。いろんな道具に囲まれたベッドでママは横になっています。腕や鼻に管が通っていました。でもママの目は健太を見て涙ぐんでいて、自由な右手は健太を呼びつけるように一生懸命向かっていました。健太はママの右手を握りしめて言いました。「ママ、よかった。これからも一緒に暮らせるね。ママ、僕、パパに会えたんだよ。僕のパパはサンタさんだったよ。」ママはうん、うんと頷きました。(おしまい)
2004年12月14日
出会えてよかったそばにいる時もいない時ももうひとりではないんですあなたの愛を感じますあなたの周りを飛ぶ紙飛行機になってあなたの部屋いっぱいに咲く風車になってあなたの髪をなびかせる風になってルリ姫さんの日記で紹介された『僕の彼女を紹介します』を見てきたよかった最後は涙がとまらなかった韓国の自然と懐かしい情景愛を奪うもの生と死生きる事の意味そんな緊張感の中にほっと笑いの場面もあって娯楽映画のすべてを満載見終わった後あなたの周りに風が吹く
2004年12月13日

昨日、あるところで、ふとした方から頂きました。ありがとうございます。会社の事務の方に見せたら、本物のようにびっくりしていました。いろんな虫に見えましたが、結局キリギリスが一番でした。昨日の夕刊でも、大平貴之さんと言う方が、世界最多のプラネタリウムを作られたとか。穴を開けた紙を筒状に丸め中から電気を通す方式を小学生4年の時に作り、以来製作に励んで今では、東京お台場の日本科学未来館に常設だそうです。500万個を写せるとか。写真を見ただけで本物と見分けが付きませんね。ある目標に向かって一つのことを追求し続ける。すごいです。ものを作る、生み出すというのは、すばらしいですね。~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~同じようなテーマですが、偶然、平原綾香さんのHP見つけました。オフィシャルホームページはこちら。彼女の「Jupiter」は聞いてると勇気付けられますね。
2004年12月12日
細木数子さんの半生を見ました~^^中年さんにもかきこしましたが壮絶な人生~^^母親がおでんやをやりながら客引きや女給さんの手伝いをしたり~タバコを買って付いてきた投票券で「ミス渋谷」になったりです~その後18-9で喫茶店のオーナーになり大当たりで~店を売っては大きくしたりして銀座のママに~その後、結婚半年で離婚~再度銀座に出店~一時は詐欺師につかまり多額の負債で自殺にまで追い込まれある時出あったのが町の占い~ものの見事に彼女の半生を言い当たられたとか~それを機に彼女は再起~現在に至る~^^あの時の占いを彼女は真剣に独学で勉強し「六星占術」を~^^彼女は言いました~「占いは人間学」その人を導くものであると~そして「今、冬の中にいる人は我慢してはいけない、辛抱よ。我慢と辛抱は違うのよ。」う~ん深いお言葉です~勉強になりました~ありがとうございます~^^
2004年12月11日
今は結婚も離婚も自由にお互いの判断で出来るようになりましたが、昔は親の決めた結婚というのがありまして、ましてや丁稚奉公と名ばかりの妾という時代もあったようです。昔、熱海の温泉宿にお雪という娘がおりまして、不自由ない暮らしを大旦那おかみと三人で暮らしていたそうな。ある時お役人が客で来て、たいそう娘を気に入られたそうで、大旦那を呼んで気に入ったから娘をくれと言う。最初は断っていた大旦那も、その役人にお金やら吉原へ遊興に連れて行ってもらうにつれ断りきれなくなったよう。娘のお雪には不憫だが温泉宿もご用達のお墨付きになると言われたから仕方ない。毎晩、おかみと娘に理を話しそうすることがいいのだと言い含めておったそうじゃ。ところが娘には好いた男がいて、又衛門という漁師の息子、いい仲だったという。ある夜又衛門はお雪を連れて逃げてしまう。「又衛門さま、雪は二人でここに来れてうれしゅうございます。」と雪は又衛門に擦り寄ると、うむ、と頷きほうほうの呈で逃げたようで髪の毛はざんばらとなり着ている着物もはだけている。雪の着物は乱れてはなく商家の娘らしく柄もつつましい成り。暗い中でも手を取り合って小さい明かりを頼りにかれこれ一時ばかり歩いてきた。やがて小さな明かりが大きくなって二人は野原へ出た。霧が立ち込めていてよく前が見えない。「雪、これはどういうことだ。私たちはまた元へ戻ってしまったのだろうか。」又衛門が言うと、「雪はどこに行っても、又衛門さまといられれば本望でございます。」雪は答えた。暗いところから明るい所に出たからか、又衛門と雪は安心して抱擁を交わす。「さ、お雪、また追っ手がくるやも知れませぬ。」又衛門は雪の手を取って霧のかかった空の下を歩き出す。半時ばかり行くとちいさな池が見え、その横に小さな小屋があった。四畳半位の広さの畳の真ん中に囲炉裏があり、鍋もつるされている。畳ではなく板の間だが、莚がしいてありしばらくは過ごせそうだとここに居座る事にした。お腹は空いていないか、喉は渇いていないかと雪に尋ね、又衛門の目を見ながら首を横に振る雪。二人は安心して、しばらく横になる。横になって寝てしまうと二人は夢を見た。「父さま、いくらなんでもあの方の妾にだけはなりとうございませぬ。」「何を言うか!この店が藩ご用達の一つに加えられ末代まで安心して皆くらせるようになるのじゃぞ!」「雪には好いてる人がございます。」もうその話はよせ、と言わんばかりに蔵の中へ連れて行き、錠前をかける。ひんやりとした部屋で夜通し泣き通す雪。影で見ていた母は不憫に思い大旦那が寝ている間に蔵へ行き錠前を外す。これからはあなた方の思い通りに生きてみなさい、と目だけで物を言い、裏木戸の外で待ち構えたように又衛門に雪を引き渡す。二人は母親に今生の別れと頷き夜の街に消える。そのままここへ来たようでもあり、そうでもなかった。小さな宿場町の事、役人に言われて用心していた浪人に気がつかれ追いかけられた。気がつくと真鶴岬の先。二人は追い詰められて、気がつくと野原の中の小さな池のほとりの小さな小屋にいる。二人は互いの小指に結んだ糸の後を見た。少し食い込んだ糸の後は暮らしと共に消え去っていく。質素ながら穏やかな二人の暮らしは池のほとりで何十年のようにも感じられたし、二ヶ月のようでもあった。やがて二人は思い思いにいろんな場所へ歩き出す、いや宙を浮いているようにも見えたようじゃ。そしてあるところへ出たという。匂いかぐわしい美しい花が当たり一面にあり、透き通ったようにきれいな人たちがその上を往来していたんじゃ。どうやら別れの時が近づいたと、お互いが気づきそれぞれ行き先が違っていてもまた会いましょうと言って、互いに手を振りながら遠ざかる。この先、生まれ変わってもまた一緒になれると思いを胸に刻んで。さらに年月が立ち二人は地上に降り立つ事になる。又衛門だった魂は数十年も先に来てしまったようで、雪に巡り合えないでいる。そうこうしてるうちに他の女御を娶り、息子も出来て年月が経て爺になるときがきた。「おおーやっとおなごが生まれたか」と爺になった又衛門は言った。見ると懐かしい雪の面影があった。よしよしとあやす爺、「ずいぶんおそかったなー」と赤子に言い聞かす。すると又衛門だった爺はびっくり!赤子が急に物申した。「又衛門さん、遅れてごめんなさいまし。ちょっと化粧をしてまして。」(完)
2004年12月10日
沼津から内浦を通って伊豆に向かう、山際の道は崖っぷちで細く時折通るバスが土煙をあげて行く。グーと腹の虫が鳴るが今日は行乞をどこでしようか。きれいな海岸線になり、波打ち際を歩く。砂を踏み締める音と波の音が続く。小波が楽しい、さみしい愚僧をもてなしてくれる。ふと、遠くから人影が近づくと「もしかしてあなた様は山頭火と言われるお方では?」と聞かれる。「は、そう言いうておりますが…」笠を持ち上げるとこの辺りの人とは思えないいでたちの婦人。「自分の死ぬ場所を探し俳句を作りながら旅をされるお坊さんだとか」「ただの愚僧であります。酒を飲みたいためにお布施が期待できる僧侶の姿で行脚してるだけであります。」「ただの愚僧さんはそこまで言い切れませんわ。愚に徹すると見えないもの、聞こえないものが感じることができるのしょうね。時にこの近くに我が家があります、これからどうですか。」と、その人は私を連れて行ってくれる。小高い丘の石積みを上がり海が一望できる風情の場所に、その家はあった。中に入るように言われたが、「いや、お気持ちはありがたくお頂戴いたします。わたしは一介の行脚の旅、あまりのおもてなしはバチがあたります。」初対面のご婦人のご好意を無駄にも出来ず、それではこちらへどうぞと導かれ、海が見えて遠くに富士山が見える縁側で腰を落ち着けた。「なかなかいい場所ですなぁ」庭の水仙や山茶花がすがすがしい。すすきが風にそよそよと揺れている。しばらくしてご婦人はお膳を持ってくる。「なにもありませんが豆腐雑炊のようなもので、」合掌して頂く。「お酒もどうぞ」と一献。のどかでやわらかい日差しが縁側一杯に広がる。二人は縁側にいて、波の音を聞いている。「伊豆は暖かくていいですな。こういうところで死ぬるまで一生落ち着いて暮らしても、いいかもしれませんな。」「あなた様がご所望ならずっとお住まいになられても―」合掌――「お気持ちだけ頂戴いたします。」遠くから聞こえる小波が二人を包み込んでいる。『伊豆は暖かくて死ぬるによろしい波音』一句――。まるで永久に続くような穏やかな初冬の昼下がり――。
2004年12月09日
黒船来航時の米国旗が掲げられたミズーリ号の上。降伏調印式行われた時、マッカーサー司令は演説を行った。「日本はこの敗戦を経て必ず世界に臨んでくる。我々は自由・寛容・正義の精神を持って日本を統治下におこう。日本はアメリカの友人になりうる素晴しい国になるだろう」重光外務大臣はしっかり調印文書を読んでいた。「マッカーサー司令、ここの文書が違います。」調印文書でカナダの代表がフランスの所に署名をしてしまった。ニュージーランドはその国名も文書に記載されないでいた。周りの国々の代表から「敗戦国がなにを!」と言われても彼は突っぱねたと言う。「司令官殿!このような間違った文書を陛下に持って返れません。この先、間違えた文書で調印を終了し保管した後、後世の人々がマッカーサー司令を笑いものにしてもよろしいのですか!」それを受けたマッカーサー司令官は、すぐに文書を作成しなおし各国の代表にもう一度署名してもらったと言う。この報告を受けた陛下はマッカーサー司令官に会いに、行かれたと――。「この男なら日本を任せられる―――」(余談になるが当時のGHQの通訳に丹波哲郎がいた…)そんな背景でもう一度『沈黙の戦艦』を見てみるとどうだろう。副官クリル大佐の女装やケーキからぱからっ!と出てくるアイドルに笑ってばかりもいられない…。
2004年12月08日
村上春樹の『ノルウェイの森』の中に直子が過ごした療養所の話があった。人里はなれたその施設は限られたスタッフしか外部に行かず、療養中の人はその施設内で自給自足の生活をしたり、週に何回かのグループセッションでお互いの事を話し合うと言う。キーワードはありのままという、腹を割って話し込むのがここのスタンスのようだ。まるで映画『テレフォンボックス』のようでもあり、教会の懺悔室のようにも感じられたが――。先日書いた中で中国の話を取り上げたらお返事よろしく、夕刊に載っていた。『性を語る 中国人』と――。公の場で『性』を語る中国が来年1月1日から、性知識の普及を目的とした深夜テレビトーク番組を放映すると言う。中国の『エイズ』感染者数は84万人とされ、2010年までには1000万人になるおそれもと記事には書かれていた。20年前大学生の子と仕事をする機会があって、彼の知り合いの話。ナンパした女の子とすぐホテルインできて一晩開け、朝にはもぬけの殻。ホテルの部屋の鏡には“Wellcome to aids world.”と口紅で書いてあった―――。冗談で書いたか真意で書いたかは定かでないにしろ、彼は保健所に直行したに違いない。それはもともとは子孫繁栄のために『生めよ 育てよ』と神から与えられたもの。以前どなたかと私書箱でお話したが、とても神聖で素敵な事だと―――事なにかが起きたり、使い方を誤ると『モーゼの十戒』のワンフレーズになってしまうのですね。前日の日記で書いた両国の学生運動で解放されたのは結局『性』だった訳?いや、地球進出を企てるの反銀河連邦宇宙人の仕業かもしれない、こんないい星をだまって指を加えて見てるわけないもの。だからと言った訳でもないが、12月8日第二次世界大戦に突入する前夜、これが期日に遅れなければ回避できたと言われている、国内からアメリカの日本大使館に打電した14行の電文傍受説。これは9.11事件の時もそうだったが、謀略説の前に『ボタンの掛け違い』をさせる何かの作用が加わったと見るのはどうだろう。我々の心にときたま入り込む『魔』という姿に変えているかもしれないが―――。
2004年12月07日
『超能力学級 千春の妄想』「聞いて、聞いて、聞いて、聞いて―」おはようの挨拶代わりに千春は香澄に詰め寄る。「おはよう。」「も―、内のママに朝からシャンプーしないでっていわれちゃった―だからうまくまとまらなくて―チョーさぶーって感じ―」「髪質固いからね―千春の――いいじゃん、温暖化防止のひとつでww――」「も―そんな事言わないでよ―」ぷんぷんと握りこぶしを二個頭にのっける千春。「千春―ぶりぶり~!」それをどこかで見ていた男子がマネをした。(も―ガキなんだから―)(千春―また妄想しちゃってる―)(ここのクラスの男子ども皆―子どもになっちゃえ―)イメージはこうだ。学生服やジャージの大きさはそのままで急に男子が若返りしてしまう。だぶだぶの服にちいさい幼児の男の子だ。千春は以前も小さい豚を教室に撒き散らしたことがある。それはそれで賑やかだったのだが――(まさかね―)と香澄は思ったが―次の瞬間二人で顔をあわせることになる。中学校の教室が幼稚園のそれになってしまった――ただし男子だけ――「キャー!」さわぐ女子。それにびっくりしてちいさな男の子に泣く子が出始めた。(おいおい――)香澄は仕方なく教室を出て沢村を探しに職員室に向かった。「あら、どうしたの?清水さん。」一時限目の授業のために牧野はそのクラスへ向かう途中だった。そういう現象にだいぶ慣れてきた牧野は一瞬考え相手が子どもだと聞いて鈴木先生を呼んでくるように香澄につげた。「沢村先生は今日出張でルスなの。誰かあのクラスに結界を張れる人いたっけ?」「真理なら出来ます。」「分かったわ、とにかく他の先生に気づかれないようにしてね。」牧野は職員室へ戻りカセットラジオとカセット数本を持ってクラスに向かう。普通の人なら気づかずその前を通り過ぎてしまう。普段この学級はそのクラス表示板に『S』としかなく、(何年何組かも分からない表示なのだが――)だいたいこのクラスがこの中学校にあったのと思わせるくらい、存在感を消すことも出来たのだと沢村は言っていた。保健の鈴木と香澄も教室の入り口の向こう側で牧野はこちら側で見合っていた。教室がある筈の空間は薄く靄がかかっているようだ。そして静寂に包まれて他のクラスのざわめきも消えた。3人は自然に意識を集中し靄を消し去って元のクラスに入り込んだ。教室は賑やかだった。とにかく、責任感からなんとかしなければと思った千春は小さな男子相手にお遊戯をしていた。他の女子は一緒にお遊戯をする人もいれば参加しない男子と遊んで上げる子、あやしている子もいて、まるで幼稚園実習の呈――。「なんか―私たちの出る幕はないようね。」牧野と鈴木は目をあわせながら言った。教室の前では千春が一生懸命に「アブラハムには7人の子~♪」と演じていた――。一通り演技が終ると千春は園児に向かって「さぁーみんなーこれから楽しい英語のお時間ですよぉー」と言って牧野にタッチする。ま、しょうがないか~と言った感じで牧野は持ってきたラジカセにカセットを入れ「じゃぁ―これから英語の歌を一緒に――おどりながらうたいましょう―」とやり始める。はたして演奏が始まると園児たちは一斉に注目し、その流れで女子も一緒に歌ったり踊ったりすることにした。「You put your right hand in,You put your right hand out,You put your right hand inand shake it all about,You do the hokey-pokey,and you turn yourself around,That's what it's all about.」歌詞は4番まであって歌の歌詞にあわせて腕を動かしたり足を動かしたりする。(2・left hand 3・ right foot 4・left foot)London bridgeでは女子のトンネルの下を幼児が電車になって通ったりして遊びあっという間に英語の授業が終わりに近づいた。「この次の授業どうする?」汗を手ぬぐいで拭きながら香澄は千春に聞いた。この次は数学だった。「トイレに行きたい子も出てくるわよ」と鈴木先生。「もうそろそろいいんじゃない?望月さん。」と牧野も言ってくる。「そうね―、皆さんありがとうございました―。お陰で気分がすっきりしました―」そういい終わると一瞬教室の中がゆがんだように見え園児だった男子が大きくなっていた。「おーい、誰だよ。こんな小さいジャージはかせて~」ころぶといけないので男子(正確には幼児になった男子)に小さいジャージを着せていたのだった。「でもなんだか、英語が好きになった気がする。」と自分たちがどういう状況に陥ってたか分からない男子たち。(こういう妄想でよかったね、千春―?ねぇ、千春―?)「こらぁー!」千春はまた妄想していた。ギリシャの時代へ。~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~『ノルウェイの森』を読んで昨日の夜半から早朝にかけて猛威を振るった嵐で、昨日はどこにも出かけずヒッキーにした。天と地がひっくり返るほどの騒ぎで、猫や犬が降らないまでも、一万人の雷神が風袋を持ってそこかしこで暴れているような天気だった。明け方の雲は東側、西側を取ってみても流れが早く、台風一過のそれを思わせた。家について疲れて面倒なのでカップ麺、洗濯は干しっぱなしだったのでもう一度脱水し、干し終わってまた一回洗濯機を回す。そして風呂に入る。大概何か読みながら入る。新聞の夕刊で中国で村上春樹がブームと書いてあって、もちろんブックオフで買っていた。今回は『ノルウェイの森』で学生時代を思い出しながら読み始め、途中から閉じて寝た。午前中に起きて日本酒をチビチビやりながら一気に読んでしまった。学生時代の友達にそういえば「永沢」のようなヤツもいたなと思いながら――僕はある先輩にがそういう実体験が少ないのではないかと言われたことがある。だからと言ってそれが女難の相の原因と考えたくないねと二人で笑ったが――中学生の時、夜に親が寝静まってから豆電球で本を読んでいた。勉強以外に夜更かしをすることは禁止されていたから。読書は架空体験で実体験と違う、本当は身にならないと先輩は言ったが、感情移入がされ何かを感じることができれば人の話のように気づきがあるものだと思う。また、その人の作品をずっと読んでいるとその人の考えが移ってしまうと言うのも違うと思う。自分の体験と照らし合わせいろんな角度で物事を見れると思うから。とにかく、昼前に起きて夜になるまで面白くて読んでしまった。下巻の方の「ワタナベ」と「緑」のやりとりはチャーリーブラウンとルーシーのそれに似ていて声を出して笑ってしまった。また「レイコ」が奏でるギターのサウンドも本当に聞こえてきそうで楽しませてくれる。『ノルウェイの森』はビートルズのナンバーでレイコのギターで奏でられたもの、登場人物「直子」とも関係がある曲だ。そして結末になり、雑踏の中で「緑」に電話をかけようとして「ワタナベ」がいた場所。雑踏の中の孤独――自己喪失感―――都会の中の『森』のように見えた――作者がこの本で言いたかった事はなんだったんだろう?そういうのは愚問だ。読む人がどういう気持ちになってどういう行動に結びつけるかそれが作者と読み手の関係であると思いたい。中国でこの本がどういう風に読まれて行くのだろう、全学連の東大占拠事件と天安門事件がだぶって見えた。
2004年12月06日
一度は星を追い出された僕たちだった。100人の中にスペースロウヤーがいて、銀河連邦裁判所に掛け合い僕らが住み始めてから追い出されるまでの間を賃貸と言うことにして相場の料金で相殺され、ローン返済もなくなった。でも一度もった夢はそうそうに捨てられない。なにしろ一つの星に住み着いたと言う経験は変えがたいものだ。100人で村を作り、畑を耕し、学校や病院をつくり軍隊も警察もなく、ましてや犯罪などもなく、理想の楽園だと思っていたから。ちらばった100人の家族はそれぞれに宇宙船を持っていて、それぞれに新しい星を見つけに冒険をしていた。銀河連邦の管理が及ばない偏狭の星雲までそれはワープであっという間の話だが、未知の星雲、銀河へ飛ぶという事はとても勇気がいることでコンピュータへの入力ミスやウィルスの具合によっては宇宙船自らブラックホールに入らないと言う保障もないからだ。とにかく不動産屋の連中が目をつけていない辺境まで探し回った。やがて仲間の船から連絡があり、僕らはそのポイントにワープする。「よかった、まだ未開発エリアのようね。」あの星でワイフとなった彼女は目をまたうるるとさせた。直径12741.9km、それが船内センサーが表示したこの星の直径だった。そして、大気はあり、植物や動物も十分いた。残りの仲間に連絡をしてから、しばらくして100家族全員が集まった。取扱説明書がない星なので、慎重に調査をし、分析をした。太陽から3番目の星だった。そして地層からは氷河期と間の季節があることが分かり、今はちょうどその間のようだった。「またいずれは銀河連邦から調査の係官が来るんだろう。」仲間の一人が言ったが、「いや、僕たちの存在を消してしまうと言う手があるよ。もともとこの星に外部から侵入した生物はなかった事にするんだ。つまりこうだ、銀河連邦憲法第187条1項にある、もともと自然発生した星にその星から生まれた生物(ある基準の文明を持つ)がいる場合には居住権はその先住生物に優先される――」とロウヤーが言う。「証拠は残さないで出来るの?」「簡単さ、僕らの科学を全部消去してしまう。もちろん、必要な食用植物や動物の進化をすこし早めてからが望ましいけどね。」「そうよね、賃貸でもなく、買取でもなく。本当に自然な星よね。大気の循環で得られる水にも料金がかからない、お日様を浴びても、そしてこのおいしい空気も!」そしてまるで最終判断を待つように皆の視線が僕に集まり、計画は実行された。そしてすべての山登りの人たちがするようにこの星の大地に酒をたむけ、みんなで祝った。必要なデータはすべて僕らの記憶にいれた。この星の気候やカレンダー、そして地殻の事も。そして僕らが乗ってきた船は最低限必要なものを除いてすべて亜空間にしまいこんだ。100人の家族で一つの村がまた出来た。ずーっと、永遠に子どもから子どもへ平和が受け継がれていくのだろう。やがて僕らは年を取り自然の流れと共に体が消え去った、肉体のない僕らは意識だけでこの星に漂っていた。ある時、この星の生物の源の意識と触れ合うことが出来た。(ようこそ、この星へ。)ふわーっとするような四方にこだまするような声で意識に届く。地上から飛んでいる僕たちをいや、この星全体を包み込むように虹色に空間が染まった。懐かしい人にあったように僕は尋ねた。(あ、あなたは?)意識体になってもあいかわらずワイフはそばにいてその人をうるると見ていた。(私ははじめてこの星に降りた生命体―――)荘厳で歌を歌うようなかろやかな響きで心地よい声だった。(はじめまして、先般より勝手に星を使わせていただいてます。とてもきれいな星で、銀河連邦も手が及ばないところでした。)(知っているわ―なにもかも――そう、この星の取り扱いについてですが―――)(はい。)(「地表の住み人たち」や「空間の住み人たち」の思いが実現される星です。そして地上にあるすべてのものにその命が宿っています。無駄なものは一切ありません、石ころひとつにも、水一滴にも、山や川にもです。)あまりにも神々しい響きだった。いつのまにか僕の意識の周りに仲間が集まっていた。仲間が尋ねた。(あなたをなんと呼ばせていただければいいでしょう。)しばらく間があってその人は答えた。(隠れて見えないものとでもwwヒメと呼ばれていたころもあったわ――)そして僕らは意識を通して子どもたちに「ヒメ」への感謝とこの星の恵みへの感謝を忘れないように長い間、語りかけた。氷河という冬が来てもまたそれが去った後の春が来ても。そしてこの星が何世代もの後の子どもたちに、同じく地球と呼ばれる星になっていった。「午後の銀河 おしまい」
2004年12月05日
「ねぇ、この星はどうかしら?」彼女は言った。大人になるとこの星の人たちはペアで星を買い取りそこへ移住することができるんだ。「直径10m?だめじゃん、星の王子様の世界じゃないんだから、」「そぉー、」「第一、 大気がないし、どうやって暮らすの?」「お客様、そちらの星は倉庫用です。人体に有害な核廃棄物を取っておく場所ですから。」パンフには倉庫用と書いてあった。「こちらの星はいかがですか?」ここのスペース不動産の営業マン、ウーマンだ。やはり髪の毛は緑色で顔つきは人間だが、皮膚はパステルグリーンのうろこで覆われている。目は爬虫類のそれに近いが慣れれば愛着もわきそうなくりくりとした感じだ。すらっとしていて、スペースウェアを着ているとモデルのような体型だった。「あら、直径7000kmで大気もあって植物や食用動物もあるの?これでこの値段はやすいわね――」値段を見ると僕の一生分の給料で買えないこともない、あとは子孫にローンを回すだけで買い取れる仕組みだ。ちなみに取説も読んだが問題ないようだ。「もし、よろしければ、体験できますがいかがでしょうか?」「いいわね、行って見ましょう。」宇宙船からやってきたように、僕らはまたテレポートに乗る。一瞬のうちにスペース不動産の部屋が消えて、またたく宇宙を意識が飛んでいく。かたわらの彼女は目をうるるとさせて光景を見ている。宇宙船のワープ走行だと直線の光にしか見えない星々も、テレポートだとしっかりと見ることができる。黒いビロードの上に無数のカラービーズを散らばしたよう闇が開けて朝もやが漂うように僕らを包んでいる銀河のベール漆黒ではない光と影の絶妙なハーモニーそんな至福の時が数秒間で終わり、僕らは目的の星へ舞い降りるように着いた。そこは海岸だった。「まるでジュール・ベルヌの本に出てきそうな海岸ね――。」そういいながら両手を広げ日の光を浴びようにぐるっと一回りして波打ち際まで走った。「ねぇ、こっちこない?」僕は、反対側の崖で土を触ったり匂いをかいだり立っている砂を手ですくったりしていた。いい星だ。僕は彼女のところへ小走りで追いつくと普通の若いカップルがそうするように、互いに波をかけっこし始める。季節は初夏だろうか、こんなきれいな星に僕ら二人だけいるのももったいないと思った。しばらくして僕らは彼女のバッグに忍ばせた、折りたたみコテージを広げて、椅子を並べコーヒーの時間にする。彼女はお気に入りのクッキーを入れ忘れたとパタパタしていたが。「いいんじゃない?ここ。」どちらからともなく言った。風もたおやかで気温も過ごしやすく申し分ない。ただ、どうしてこんないい星がいままで残っていたかは二人とも気づかないでいた。テレポートで戻る事もなく、そのまま契約し、スペース宅急便で家財道具一式折りたたんで移動してもらった。ペットのゴールデンレトリバーも大丈夫、一緒に入っていた。僕らはアメリカの開拓者がそうしたように、二人で家を建て、二人で畑を耕し、そうして何年か暮らしていった。ある時彼女は言った。「もっと大勢の人がいたほうが楽しいかもしれないわ。」「そうかい?最初、二人だけで暮らしたいと言ったのは君の方なのに―」「子どもも欲しいし、そうしたら学校や先生も必要よ。子どもだって一人や二人じゃかわいそうだと思わない?」「そうかな?いろんな家族が増えるってことはそれだけこの星の空間が狭められることだよ。第一、 この星には国もなければ村もない。統治する人はいないんだ。」「あなた、そうだけど、私たち二人だけでずーっとこの星で暮らすの?」「何不自由なく暮らしていけるじゃないか。」「私的に考えればこの幸せをたくさんの人にも分けてあげたいなって。もちろん子どもたちの事も考えて――。」人は人の間で成長し幸せになっていくんだろう、そんな古臭いフレーズが頭の中をよぎった。彼女の言ったとおり100人に限定して家族を迎え入れた。もちろん適正検査や抽選も行った。資源豊富なこの星に村ができた。そして皆幸せで何不自由ない楽園のような生活をその星で過ごすはずだった。あるとき宇宙船が広場に現れて不動産証書を僕たちに示し、スペース不動産が悪徳不動産に買収され債権の委譲で立ち退き命令が下されるまでは。
2004年12月04日
『ジャックと豆の木』あんなにあったたくさん金貨も税金で村の役人に持っていかれ、金貨を出す鶏もひもじさが先に立って食べてしまい、病気の父さんにいい病院に入ってもらいたい一心で、いい歌を奏でたハープもヤフオクに出してしまい、とうとうジャックの家は元の貧乏な暮らしに戻ってしまいました。「ジャック、結局、人間はコツコツやっていくしかないんだよ。」母さんは金貨が天から雨のように降ってきたのは、夢幻と言わんばかりに毎日のように言います。それでも、ミルクをたっぷりと出す牛が残っていたのが奇蹟としか言いようがなく、今日もジャックは町へミルクを売りにいくのでした。ある日、昔見た老人にジャックは再会しました。「おぅおぅ、前に見た、ジャックじゃないか。その後暮らしはどうなったかね?」ジャックは答えました。「はい、その節はありがとうございました。あの豆は一晩で天まで届くほどの勢いで伸びて、その後のお話は今でも世界の皆が知っているような冒険と夢の御話でしたよ。僕はいい経験をさせてもらいました。その後の事もかくかくしかじかです。」「なるほど、いろんな経験をしたようだね。税金で金貨を持っていかれるのは財政状態が厳しい国にはしかたない事かな。でもひもじさあまって金貨を出す鶏まで食べてしまうとは…」「はい、結局。お金で何不自由なく暮らしているとそのありがたみを忘れてしまい、働きもしないで、その日暮らしの癖がついてしまったようです。それに、病気の父さんは未だに病状がよくならずに寝たり起きたりの状況です。ある時、冷蔵庫の中を見たらカラッポで何も食べさせるものがなくなっていました。でも、父さんにはなにか食べさせてあげたいととうとうあの鶏を――」「そうか、今時の病院もお金がかかるようじゃしの、それで歌を歌うハープも売りに出した訳か。」「どうだ、ジャック。ここにもう一つ不思議な豆がある。どうじゃ、使ってみないかね?」「ありがとうございます!また冒険と夢の旅が出来るのですね!」「そうじゃ、でもこれでお金がたくさん獲れても計画的に行くんじゃよ。」「はい!もちろんです。」早速、ジャックは家に戻ると母さんに今の出来事を話し、庭にその豆を植えました。一晩たってその豆から木が生え天に届かんばかりに伸びていました。「じゃ、母さん、行って来るね!」「ジャック気をつけてね!」前の感覚がよみがえりワクワクドキドキしました。ジャックは上り始めます。するする上に登っていくと雲の上に出ました。雲の上は、お花畑や野原や小川があり空気も澄み切っていました。ジャックは小川の川上に向かって歩きます。とうとう、宮殿のような建物が見えました。でもそれはミニチュアモデルのように小さいもので、ジャックが上から覗いて見れるほどでした。宮殿の中の人たちは大慌てです。なにしろ見たこともない、大男が突然現れたのですから。でもジャックは驚かせることもなく、しばらくその宮殿を観察していました。しばらくすると、宮殿の門にラッパ隊が並びファンファーレと共に二人の着飾った人が出てきます。どうやらこの国の王様と王女様のようです。「よく、おいでくださった。ジャック殿。あなた様のご活躍は世界中の子どもたちが知るところ、この世界でも有名なお話じゃよ。でも見たとおりこの国はあなた様の世界から見るとミニチュア級じゃ、おもてなしをするにもあなた様の胃袋を満足させるほどこの国の食糧事情はよくないし、」「いいえ、王様。気持ちだけで十分です。ところでどうして王様の国の人たちは皆小さいのですか?」王様、あごひげをなでながら答えます。「小さくなる薬を開発したんじゃ、住宅事情、食糧事情すべて問題解決じゃ、だから雲の上に国ごと引越ししたんじゃ。」「その薬を飲むと誰でも小さくなれるのですか?」「そうじゃ、一粒で100分の一、二粒で1万分の一、三粒で―」「王様、それで元に戻るには?」「それがここにはないのじゃよ。うわさでは東洋の日の昇る国に大きくなる小槌があると聞いているが。」「それでいいです、私に分けていただけませんか?」王様は気前よく、薬一瓶をジャックにあげました。しっかりとお礼を言って帰るジャック、今度は失敗しないぞと心の中で誓っていました。家に帰って母さんに報告します。「え?それを飲んで父さんの体の中に入るって?」どうやらジャックは父さんの体の中にはいりその病気の原因と戦うようです。父さんの通ってる病院の先生とも相談し、最先端のカプセルの中に搭乗させてもらいました。父さんは水と一緒にそのカプセルを飲み込むだけです。それは内視鏡の代わりにカメラを撮ったり遠隔操作で薬を患部に吹き付けたり出来る優れものでした。父さんの患部にたどり着くとジャックは一生懸命作業をしその部分の切り取りに成功しました。手術は大成功。父さんは回復し元の仕事に復帰です。ジャックはヤフオクで仕入れた打ち出の小槌で元の大きさにもどり、その薬の特許も申請して半分を雲の王国に送金しました。そして特許の半分でしたがジャックの家では税金を納めても有り余る財産を蓄えたのでした。
2004年12月03日

『マッチ売りの少女』クリスマスソングが流れる街角。街は華やかに彩られ、ちりばめられた電球が星のように瞬いている。雑踏の中、ある建物の前にこんな子がいた。赤いショールは所どころつぎはぎがあり、赤い靴の右側はしもやけの親指がちょこんと出ている。赤い帽子は古ぼけていてどうみてもサンタのそれと誰も気づかない。みすぼらしい格好だが容姿はそれなりだったので、またテレビや映画の撮影だと誰もが思っていた。誰だったかなぁと振り返るには皆忙しく帰路についていた。少女と言っても20代前半かもしれない、成人式でも時折こんな童顔の子が20歳~?!とかある。そんな少女は時々、手を息で温めてはこすっている。(さぶ~、なんで、こんな仕事やんなきゃいけないわけ~!)と思ってるかどうかは傍から分からない。ただ一生懸命笑顔で、「マッチは要りませんか?」テッシュ配りのアルバイトよろしく、腕を通した籠の中のマッチを配ろうとするのだが――誰も受け取ろうとはしなかった。しばらくの間、雑踏の端でやっていたのだが、人通りがまばらになりアルコールの匂いが街角に漂ってきて、少女は建物のでっぱりに腰を落ち着ける。そしてショールをふわっと広げなおすと寒さに打ちひしがれた体に両腕で包み込むように、前かがみになった。たいていのよっぱらいがそうであるように、アルコールが入るといままで押さえつけていた何かがはずれたようにそのおじさんも例外ではなく、「おじょうちゃん、マッチ売りの少女?」とやっと尋ねた。「そ、そうですけど?」「いくら?あ、あの、おじょうちゃんでなくてそのマッチのことだけど。」おじさんは酔ってはいるものの、理性はしっかりしているようで、周りにあやしいスタッフがいるかどうか確認作業は怠らなかった。やおら少女は立つと「ありがとうございます、ただですから。」と言ってマッチを一箱渡した。「そっかー、ありがとう。でも普通マッチ売りの少女はお金を取って生活の足しにするんでないの?」ちょっとしつこいかと思いながら思う前に口にしてしまった。「いいんですぅ、ほんとに。」あまり困り果てた少女にかえって印象を悪くしてもと思い、おじさんはじゃぁと言ってその場を去った。数10メートル行ったところでおじさんは少女の方を振り返るが、そこにはもういなかった。駅の改札を抜けて、ビールを普段よりたくさん飲んでしまったためか、おじさんはトイレに駆け込む。しおわってポケットのハンカチを出すと、一緒にマッチも出てきた。けっして派手ではなく、むしろ昔のタイプのマッチだ。人が回りにいないのを確認して一本着けてみようと思った。ちょうどトイレの出口に灰皿もあった。(パシュッ)きれいな炎が周りを染めた。それはおじさんをひとときの夢の世界へ誘うような不思議な炎だった。光が満ち溢れ、体も透けて気持ちも穏やかになっていた。ただ意識は遠のいたようだ、そして体も変化していた。自分がどこの誰もかも分からないでいた。ただ、赤いつぎはぎのショールを体にまとい、赤い靴の右足の親指はちょこんと出て、古ぼけた赤いサンタの帽子を身に着けて―――。~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~ つるべー落としのように~^^日は早く落ちてしまいまする~12月から急にさぶくなりましたね~みなさんもあたたかくして長い夜をお過ごしくださいませ~^^
2004年12月02日
『超能力学級 地震予知』フォトンベルトの真相。各国政府は内密にその正体を分析し対策を講じていた。もとニュースステーション出身のプロデューサーも、提唱者のひとりでマヤ暦が2012年の12月23日までしかないことや、地球温暖化現象による異常気象を捉えたり、それは地球人類への警鐘だとも言われ、プレデアス星団よりくるフォトンベルトによって地球が次元移動すると言う。日本ではこの問題に対して大塚教授と高槻光がその任にあたっていた。大槻教授はすべての超常現象はプラズマで解決できると言い切り、高槻光は霊子(幽子)のようなものがあるのだと言う。「フォトン(光子)は反電子(陽電子)と電子の衝突の結果生ずるもので、その一瞬の衝突によって互いに破壊しあい、この衝突によってできた粒子がフォトンとか光子とか呼ばれるエネルギーに変換される?多次元の振動数を持つ次元エネルギーだと?そんなのは机上の理論だ!」大槻教授は当時よく言っていたものだ。「宇宙の99%が荷電粒子というプラズマに満ちていて、その電子それぞれが衝突するんだったら特別2012年じゃなくてもいつでもありうることだ。シュレディンガーの猫のように人々がそれに気づいたから、異次元に移行しただの時期が変わっただのってもおかしいじゃないか!第一プレアデス星団からそのフォトンベルトがやってくると言うのも胡散臭いものだったなー。高槻君はそれを人々の意識の集合体と関連付けたんだっけ?」高槻光は新富士駅から乗り込んだハイヤーから窓の外を見ていた。その当時から起きていた群発地震だが、エネルギーが少ない上、耐震基準もMg6クラスまで対応している日本の構築物は問題なかった。ただいつでもどこにでもある話しだが、一部の業者によっての手抜き工事が発覚し、小さい地震でも道路が使用できないところはあったようだ。国道一号バイパスから東名に入る取り付け道路も混雑していた。「すいませんねー、ちょっとした地震で高速道に亀裂が入ったりで―その度に迂回したりしてたんじゃ、あの第2東名を無理やりにでも作らせておけば、こういう事もなかったのでしょうが―――。」運転手は後ろの二人に言った。「そういうもんだよ、民主主義は多数決といいながら一部が声を大きくしてメディアを操作する、その潮流に乗っちゃえば世論になってしまうものだ。ま、その潮流をうまく利用する政治の手腕も不可欠だよ。当時の知事は石山って言ったよな?」「はい、静岡空港もすったもんだして開港しましたが、結果的には地震の際、空輸基地になり重宝したそうですよ―」「そうだよな―、なにが災いして何がよくなるか、わからないものだ。」「大塚先生、政治だけでなく経済界でもそうでしたよ、地震による保険の見直しで地震保険がクローズアップされたり、地震シェルターのお陰で建築業界は活気を取り戻したようです。耐震性能を職員が見て歩くと言っても民間の営業マンと区別がつかない、地域防災活動と言っても働きに出ている人が多い。そんな弊害を行政が民間に委託するといったことで県内の防災意識が更にたかまったことは確かです。」運転手はそういいながら、無線で交通渋滞の報告をする。「国もそれに追随してくれればいいんだよな、」「だめだめ、あんな権力の権化と化したところでは。」「大槻さん、僕らはそこに雇われているんですよ―」「わはははは、そうだっけな。」「そこなんですよ。一つに新しい大陸の発見や新しいエネルギーの発見は常に権力というものを時におびやかしたりする。いやその安定のうえに根ざした我々も不安になったりしますよ。ところがどういうわけかそれらがきてしまう。例えば地震一つとっても未だに地震予想は気象庁では出来ない。逆に民間で口コミで飽和している状況ですよ。」「君はそのへんをどう思っているのかね?」「新しい秩序っていいうのは、混沌から生まれるのではないかってことです。非日常の中に基本的なものが見え隠れすると思います。」「つまり、あらゆる事象はカオスに戻るための一つのプロセスなのか?」「中国の陰陽二極説。白と黒の陰陽模様ですよね。自然界にあるオスとメス、人間の男と女、親と子。天と地。」「科学でいうと、荷電粒子のプラスとマイナス。」「それらの二つを分離する力、結合する力。結合した常態での陰陽はどうですか?あんなはっきりした模様ではないと思いますよ。それが白黒互いに分かれてあんな模様になる。しかも縦に2分割でなく、勾玉を並べたように流れるように分かれている。常に流動していると言う事ですよ。我々のこの世界も。地震予知については、地学レベルだけでなく先生のプラズマ理論で予知精度をあげられるんでしたよね?」「今日の学会で発表するつもりだ。」大塚教授はプラズマ理論と電磁波で地震予知をするのはひょっとして人類のためによくないのかもと思った。精度100%になったらそれ以上に今度は未来を知りたがる。50%までにしておこうと思った。車は広見出口と表示された看板を降りて常葉大学工学部へ向かった。
2004年12月01日
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