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「純烈」 今週のおうち本番は、念願のエルガー2番に初挑戦。 エルガーの管弦楽曲のなかではエニグマや交響曲1番に比べて演奏頻度の少ない曲。てか、イギリス以外の国での知名度はイマイチなはず。実際、ネットに上がっている動画を漁ってみるとさすがにイギリスのオケによるものが多い。(でなくても少なくともイギリス人指揮者) よってぼくもロンドンのロイヤルアルバートホールでの演奏動画に合わせ、その気になって全楽章弾いてみる(第1バイオリン)。 ちなみにいろいろ下調べしているときに気づいたのだけれど、この曲、手垢がついてないというか、これぞ定番という解釈が確立してないのか、指揮者によってテンポも演奏時間もばらばら。揺らぎなどの表現も千差万別。いわゆるエルガー略語R、A、Lの箇所(Ritardando、Accelerando、Largamente)もどこまで大げさにやるか、みんなして激しく異なってる。 この曲で使われてるそのほかの指示語で気になったのは以下の四語。Nobilmente 高貴に(英:nobleに)Semplice 簡素に(英:simpleに)Impetuoso 衝動的に、熱烈に(英:impetuousに)Strepitoso 浮かれ騒ぐ感じで エルガーらしいという気もするし、らしくない気もする。ぶっちゃけツンデレ系。攻めて攻めて攻めまくったあとに、甘えてくる。これを何度もやらされるので、弾くのも聴くのもかなり疲れる。 難曲だけれど、特に難しいのは3楽章ロンドか。8分の3拍子、1つ振り、1拍めなし、高速ヘミオラ、弓飛ばし。あらゆる罠があちこちに仕掛けられてる。ぼくは適当にごまかしながら先に進むしかなかった。 あと小ネタとしては、この曲は1楽章に高音のソが出てくることで(一部で)有名。ここまで高い音を要求されるのって珍しい。
Mar 30, 2021
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「虎の意を刈る」(評価 ★★★★☆ 四つ星) パキスタンで実際に起きた告発事件をもとにした映画。世界的に有名な巨大企業で働く営業社員が、自社製の粉ミルクのせいで乳児が死亡しているという事実を知ってしまう。 日本語のサイトは http://www.bitters.co.jp/tanovic/milk.html 原題は「タイガーズ」(虎たち)。これは有名な大企業に勤める(勝ち組)戦士のことを指してると思われる。 いい映画なのだけどちょっとわかりにくかった。実話をもとにした映画という単純なつくりではなく、実話を映画化しようとする映画製作者を描いた映画?でもある。 てか、企業側を完全な悪役として位置付けてたけど、彼らなりの苦悩、反論も丁寧に描いてほしかった。 というのも、どうやら粉ミルクそのものに乳児に有害な物質が含まれているということではなく、水に溶かして使用する際に、ちゃんと(先進国で普通に入手できるような)きれいな水じゃないと乳児が下痢になって死にいたることがある、ということらしい。 これって、乳児向け粉ミルクだけじゃなく生水を使う全ての食品に当てはまると思うのだけれど、特に乳児はすぐに体調崩して脱水状態になりやすいから大問題、ということか。もっときちんと説明してほしかったし、突っ込んで議論すべきことだと思う。<この映画に出てくる英単語五選>accusation 告発infant formula 粉ミルクdilute 水で薄めるimpure water 汚い水blackmail 脅迫する<似たような映画>幸せのきずな Flash of Genius(2008年アメリカ) 七つの会議(2019年日本)
Mar 28, 2021
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「I Feel Pretty」 今週はベートーベンのソナタ10番に取り組んでみた。カラオケのピアノに合わせて弾いてみる。 てか、前作「9番クロイツェル」を作曲してからかなりの年月を経ており、本作はベートーベン後期では唯一のバイオリンソナタ。クロイツェル自体、既に狂気じみた難曲だったし、よって後期作品ともなると激しくぶっ飛んだ曲にちがいないわけで、ぼくはなかなかお近づきになれそうにないと思い続けてきた。今回ついに初挑戦。 難曲であることに変わりはなく、カラオケで弾くには当然ながら無理がある。実際にピアニストとバイオリニストとか見つめ合いながら息を合わせて、いちにのさんはい、しないと絶対に合わないとこばかり。 全楽章弾いてみた感想としては、とにかく1楽章、意外や意外、落ち着いたテンポで爽やか。ふつうベートーベンの出だしはピリピリしててテンパってるものなのだけれど、この曲は何ともかわゆい。後期作品という先入観も手伝ってか、思わず拍子抜け。 2楽章と3楽章は続けて演奏される。ともに短い楽章。部分的に強引な曲。 4楽章は変奏曲。なんだかドイツ的。 譜面づらで言えばクロイツェルのほうがずっと難しい。ぼくが思うに、この曲は楽章が進むにつれてベートーベンの後期らしくなっていく。ちょっとした細工が施されて妙に不気味なとことか。
Mar 24, 2021
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「蛙ぴょこぴょこムぴょこぴょこ」(評価 ★★★★☆ 四つ星) 漫画家マット・フューリーさんの著作物「カエルのペペ」が、インターネット上で人気沸騰、いつのまにか作者の意図に反し、政治的に強い意思を帯びたお騒がせキャラへと変貌していく。 日本で劇場公開ちゅう。 https://feelsgoodmanfilm.jp 知らないことばかりで目から鱗。 ぼく自身、ゆるキャラとか漫画というものに興味ないから実態を知らないだけなのかもしれないけど、この映画観ると、世の皆さんって、架空のものにこれほど思い入れがあるもんなのかと驚く。日本だと企業や自治体がわざわざお金かけてゆるキャラのぬいぐるみとか作るらしいし。 この漫画家さんご自身はとても「いーひと」そうなので応援したくなる。常に口調が穏やかだし、優しい人なんだと思う。が、のほほんとしてるのが裏目に出たか。自分の芸術作品をネット民が悪役として扱いはじめ、どんどん暴走していってもしばらく放置、傍観。さすがにヤバいと思いはじめて立ち上がった時には既に収拾がつかなくなっており。 たかだか架空の創造物なのにネット上で誹謗中傷したりされたり、インターネットってほんとに怖い。そしてそのやりとりとか見てぼくはすごく嫌な気分になったけれども、一方で、こうゆうドキュメンタリー作ってこの画家を助けようと奔走する人が多数いたことも知り、救われる。
Mar 21, 2021
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「七時だよ全員集合」 ここ何週間かひそかに練習していた曲があって、それはシュトラウスの家庭交響曲(交響曲「ドメスティカ(家庭の)」)の第二バイオリン。今日ついに動画に合わせて本番ごっこしてみた。 ぼくは昔この曲を演奏会で弾いたことがあるのだけれど、個人的には満足した演奏ができず長いあいだ悔いが残ってたし、てか、シュトラウスって、Johny さん Ricky さんいずれもぼくはどうも苦手なので、何とか克服しておきたいというのもあって。 かなり難しい曲。楽章が分かれておらず巨大な交響詩みたいでわかりづらく、だらだら練習していても決して前に進まない。いったん頭を冷やして、解説読んだりして曲の構成を把握したうえでこつこつと攻略していくのがコツか。 シュトラウス家の一日を描いた曲ということで、登場人物は主に三名。リヒャルトさんと妻と幼い息子。 しばらくバタバタした音楽が続くけれど、途中でスケルツォ八分の三拍子になり、やがて息子がうとうと眠り始める場面になったりして、少しはわかりやすくなる。 この楽曲の構成を理解するうえで留意したいのは、途中二回出てくる鉄琴七連打の箇所。それぞれ午後七時と午前七時を示す鐘が鳴る。 夜七時になるとお子ちゃまは就寝。やがて夫妻はあんなことやこんなことして激しく愛し合う。 朝七時になるとお子ちゃまが起きてきて、まだまだお疲れで寝ていたい両親を起こして大騒ぎ。フーガがかっこよい。 調が定まらず臨時記号ばっかし。とにかく難曲すぎて気軽には弾けないし、シュトラウスのほかの曲に比べたら知名度は低いものの、一生に一度はハマってみる価値のある曲だと思う。 あと小ネタ。 バイオリンの最低音はソのはずなのに、この曲のセカンドには演奏不可能なファのシャープが出てくる。いちいち突っ込むなんて大人げないかもしれないけど、二回も♯ファが出てくるので言及させていただきたい。
Mar 20, 2021
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<ワイン造り関連>vineyard 葡萄畑winery, wine-maker, estate ワイン製造所/区。フランス語だと cru, domaine, chateau もde-stemming 茎を取り除くことgrape-stomping 裸足での葡萄踏み。葡萄を潰す(crush)方法のひとつbarrel 樽(木材は oak であることが多い?)fermenting 発酵させるanti-oxidant 酸化防止剤 sulfite (酸化防止用の)亜硫酸塩。サルファイトlees 沈殿物。おりbottle shock (ぼくの理解では)樽から瓶に移すときに品質が一時的に落ちてしまうことvintage 収穫。製造年。年代もの←話者によって用法が違うことが多いので注意が必要な難語<小物/用具関連>foil cutter 瓶のコルクを覆っている包装を切り取る用具wine bottle opener ワインのコルク栓を抜く用具。主なものは以下 - corkscrew くるくる回して抜くやつ - rabbit corkscrew うさぎのようにも見える栓抜き - sommelier knife 折りたためてナイフも付いてる優れもの。waiter's friend とも - cork puller 栓を挟んで抜くやつで、ちょっとコツがいる。Ah-So, butler's friend ともpunt ワインの瓶の底のくぼみ、へこみcarafe, decanter (開栓後、空気に触れさせるために)一時的にワインを入れておく器spit bucket 吐器(試飲するとき、容器に吐き出す)。spittoon ともdemi, magnum ワインの瓶は普通は750ミリリットルだけれど、小さいものをデミ、倍の1.5リットルのをマグナムと呼んだりする<試飲/内食/外食関連>blind tasting 何のワインがわからないようにした状態で利き酒するwine-and-dine ご馳走でもてなして接待(entertain)するBYOB 自分でワインを持ち込む(Bring your own bottle/beverage)corkage fee 持ち込みワインの開栓料liquor store, off-licence ワイン販売店。酒類も扱うコンビニのことを bodega ともcard (飲酒できる年齢かどうか確認するため)身分証の提示を求めるaerate (開栓してすぐに飲むのではなく)空気に触れされる。breathe させるcarafage, decantage 瓶から容器に移し替えて aerate する。カラファージュ、デカンタージュsommelier, wine steward ワイン専門の給仕人connoisseur (ワインに関する)専門家←普通に expert と呼べばいいものをなぜかフランス語で palate 口蓋。palette と同じ発音。味覚、味の好みという意味でも使われる←普通は舌 tongue で味わうはずなのに、ワイン関係者はなぜか口蓋という単語をご乱用 ぼくが思いつくのはとりあえず以上。 ほかにもワイン通の人が使う独特な言葉、特に略語も無限にありそう。美酒ロマネコンティのドメーヌをDRC、カベルネソービニョンを cab sauv(キャブソブ)とか。 イギリス人は、ボルドーワインのことをなぜか claret(クラレット)とも呼ぶ。 あと、ワインを語るにはさすがにフランス語の知識があると有利。 そういえば French paradox という言葉もある。フランス人はこってりしたもんばかり食べてるくせになぜか心臓関連病の率が少ないという不思議な現象。赤ワインが病気の発生率を下げているのだよとワイン愛好家らはドヤ顔で言う。 最後にぼくの若い頃の失敗談。 生まれて初めてニューヨークで(ちゃんとした)外食をした時の話。ワインを瓶ではなくグラスで(by the glass)で注文したら、目の前で注ぐのではなく既に注がれたものを給仕人さんが持ってきたのだけれど、一口飲んだら騙されたことがすぐにわかった。注文したワインとは全然違う安物。店の人に文句言ったのだけれど後の祭り。立証することができず泣き寝入り。 以降はそういうことはなくなった。てか、ぼくはもはやワインはいつも瓶で頼むようにしてる。一緒に食事する人が飲むか飲まないかに関わらず。
Mar 17, 2021
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<過去にぼくが鑑賞した劇映画>サイドウェイズ Sideways(2004年アメリカ) オトナ男女数名がカリフォルニアのワイン地区を旅する話。確かぼくはこの作品で、アレクサンダー・ペインという名監督/脚本家さんの名前を知った。日本での再制作版あり(ぼくは観てない)。ボトル・ドリーム、カリフォルニアワインの奇跡 Bottle Shock(2008年アメリカ) フランス産ワインこそがホンモノと思われていた1970年代に、当時まだ無名だったカリフォルニアワインの良さを立証した男(アラン・リックマン演)たちの話。興味深い話なのだけれど、本作を観るんだったら、後述のドキュメンタリー「モンドビーノ」のほうを観たほうがよいかと。ブルゴーニュで会いましょう Premiers Crus(2015年フランス) 感想はここ。 おかえり、ブルゴーニュへ Ce qui nous lie(2017年フランス) 感想はここ。ぼくは上記「ブルゴーニュで会いましょう」のほうがずっといい作品だと思う。<過去にぼくが鑑賞したドキュメンタリー映画>モンドヴィーノ Mondovino(2004年フランス/アメリカ) ワインを扱ったドキュメンタリーではたぶんこれが最も有名。決してわかりやすくは編集されてないので見づらいけれど、フランスの保守的なワイン業界とアメリカの好戦的な実業家との対比とか、かなり突っ込んで取材されている。ソム三部作(アメリカ) Somm(2012年) Somm, Into the Bottle(2015年) Somm 3(2018年) 感想はここ。 以上。 ワインに関する映画観るなら、やっぱりドキュメンタリーで観たほうがいいというのがぼくの結論。役者さんがどんなに熱演してウンチク垂れてても、味とか匂いは伝わってこない。 いずれにせよ、映像観てて個人的にいつも気になるのは、試飲者さんたちがワインを口に含んで味わった後、吐器に吐き出す場面。いちいち飲み込んでいられないのは理解できるのだけど、どんなに上品に撮影しても決して美しくは見えない仕草。 ぼくが観察した限りでは、ホンモノのワイン通とか業界人さんたちは、ペっと吐き出すのではなく、ピュゥーっと細い線を描くように吐き出す。理由はよく知らない。 ワインに点数をつけてわかりやすく評価することで消費者を誘導していくアメリカ流の商売方法により、業界はここ二、三十年で世界的に大発展。今やどこにいても世界ぢゅうのワインが楽しめる時代。 でも、それってぼくら消費者にとってはほんとに幸せなことなんだろかとふと思う。個性あふれるご当地ワインがあちこちにあってそれでいいし、各地域で地元民のみに飲まれてればそれでも良かったのではないか。何世紀ものあいだこつこつと自分たちの好きなワインを作ってきたフランスのボルドーとかの小さな農家が、いつのまにか競争社会に巻き込まれ、海外の商売人たちに振り回されてるのを見ると、ちょっと考えてしまう。 ワインに限らず、地産地消という概念はほんとに大事。消費者にとって選択肢が多けりゃ多いほどいいと思い込むのはもはや時代遅れ。
Mar 15, 2021
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「涙そうそう」 今週のおうち本番ごっこは英雄交響曲。ウィーンフィルの動画に合わせて第一バイオリンを弾いてみた。コンマスのライナー・キュッヒルさまの弓づかいを参考にしながら。 ベートーベンの交響曲はそもそも全曲どれもが英雄的でかっこよいけれど、この第三番はもとはナポレオンのことを念頭に書かれたという説が有力。でもって、献呈しようとしていたのに、権力だの地位だのにこだわってどんどん人が変わっていくナポレオンにベートーベンがドン引きしてしまい、結局は献呈しなかったらしい。 てか、なんだかベートーベンって、この曲は誰々さまに捧げます!とか自分で勝手に指名しておいては結局ドタキャンすることが多い。先週弾いたクロイツェルソナタもそうだった。こうゆうめんどくさくて、つきあいにくい人、ぼくの周りにもいる。 ジャンっ、ジャンっ、で始まる三拍子の第一楽章。気持ちよく弾ける。ぼくにとって変ホ長調の曲といえばこの曲の冒頭がまず思いつくほど。 あと、ぼくが意外に気に入ってるのは第四楽章。 さて、第二楽章は葬送行進曲ということになっている。でもベートーベンがこの曲を書いた時点ではナポレオンは生きてたのではなかったか。誰も死んでないのに「葬送」だなんて、激しく謎。もちろん暗くて重くて厳かな雰囲気の曲ではあるけど、曲風が悲しすぎて泣けるというよりかは、繊細すぎて弾きにくいし、息苦しく窒息しそうという意味で泣きそう。疲れる。 とにかくこの交響曲、長い。長すぎる。あれこれ積み込みすぎててお腹いっぱい。ハイドンのように素朴で、モーツァルトのように上品で、メンデルスゾーンのように前向きで、ドボルザークのように土臭い。 んでもって、シューベルトのようにしつこい。終わりかたも超しつこい。
Mar 14, 2021
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「(たぶん)ひとりでできるもん」(評価 ★★★★☆ 四つ星) ぼくはかれこれ一年以上も映画館に行ってなかったけれども、今日はマスク着用していざ出陣、久々に劇場の銀幕で鑑賞。 認知症が進行ちゅうの後期高齢者(アンソニー・ホプキンス演)が主人公。娘役はオリビア・コールマン。ほか出演者はわずか数人のみ。 日本では五月に公開予定、公式サイトは https://thefather.jp/ <感想> てっきり、「泣いてください」系映画なのかと思ってて、念のため木綿のハンケチーフを持参して鑑賞に臨んだのだけれど、そうゆう映画ぢゃなかった。視聴者を号泣させようとせっせと陳腐な演出するなんて時代遅れ、この作品はもっと深い。 てか、わかりにくい。とにかく頭を使って観なきゃいけない映画なので、こちらアメリカでは大衆に激しく好かれることはないと思われる。よって、どこまで映画賞を獲るかはビミョー。 ほかの映画によくありがちなように「介護に苦労する可哀そうな私」を描くのではなく、その真逆。老人本人の目線で話が進んでいくのは斬新。観てるこっちまで混乱してごっちゃになってしまう。 自分が誰かはわかっている。いちいち介護してもらわなくてもいいとすら思ってる。が、周りの人の顔と名前が入れ違いになったり、場所とか時代も曖昧になってしまってる。そして、ヤバい状態であることも自覚はできている。でも、じゃぁどうしたらいいのか。 アントニー・ホプキンスさんはさすがに超名演。素晴らしすぎ。 監督はフロリアン・ゼレールというフランス人。こんないい映画を作る名監督なのに、ぼくは氏の名前を今の今まで存じなかった。 音楽は、もはやおなじみルドビコ・エイナウディ。こないだ観た「ノマドランド」も彼だったし、相変わらず稼いでいらっしゃるもよう。
Mar 13, 2021
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「私の体はワインでできている」(評価 ★★★★★ 満点五つ星) ワインに関するドキュメンタリー「ソム」三部作全てを鑑賞し終えたのでその感想を。 てか、ぼく自身、ワインは大好きで毎日のように呑んでるし、よって興味深く観られた。三作品どれもよく取材されてるし、わかりやすく編集されていると思う。Somm(2012年) 権威あるマスターソムリエという資格を取得するために難関試験に挑む四人の若者に密着取材。試験では特に利き酒の場面が見どころ。6種類のワインを試飲し、種類、産地、年度などを当てる。Somm: Into the Bottle(2015年) ワインがどうやって作られ売られていくのかを、その歴史とともにアメリカとヨーロッパでワイン業に携わる多くの業界人たちが語りまくる。Somm 3(2018年) 業界およびワインそのものの変遷についてさらに突っ込む。やはり品評会の場面が見どころ。「本場」欧州のワインこそホンモノという時代は既に終わったと言わんばかりに、カリスマソムリエ、カリスマ買付け師らが語る。 三作品のうちどれかひとつでも充分かもしれないけれど、ワインの知識があまりない人には、上記1→2→3の順で勧めたい。 一方、「あたしにはワインの血が流れてるの」とかおっしゃるようなワイン通のお方なら、3→2→1の順で楽しめるはず。
Mar 10, 2021
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先日、ベートーベンのクロイツェル・ソナタを弾いた感想を書いたけれども、「クロイツェル」という名の作品っていろいろ存在してて紛らわしいと思ってたとこたっだので、ちょっと整理してみようかと。ロドルフ・クロイツェル 実在のバイオリン奏者/教育家。ドイツ系フランス人で、クレゼールだかとも発音されるみたい。バイオリン教則本「クロイツェル」(クロイツェル作) 上記クロイツェルさんの編んだ教本。42の練習曲。ぼくらバイオリン学習者にとっての聖書。バイオリン・ソナタ「クロイツェル」(ベートーベン作) 上記クロイツェルさんに献呈されたベートーベン作曲のソナタ。ぼくが演奏した感想はここ 小説「クロイツェル・ソナタ」(トルストイ作) 上記のソナタを妻と男が熱演したことで嫉妬する夫を主人公とする小説。弦楽四重奏曲「クロイツェル・ソナタ」(ヤナーチェク作) 上記の小説に影響されて書かれた四重奏曲。妻が殺害される場面とかも音楽で表現。ぼくが演奏した感想はここ 絵画「クロイツェル・ソナタ」(プリネ作) 上記の小説に影響されて描かれた絵(上掲)。よく見るとツッコミどころ多い。映画「クロイツェル・ソナタ」 上記の小説に影響されて作られた映画(が数作あるみたいだけど、ぼくはひとつも観てない)。 以上。 そもそもベートーベンってばもともとは別の人にこのソナタを捧げようと思ってたのに、直前になって献呈相手をクロイツェルさんに変えたらしい。 肝心のクロイツェルさんご自身はただの善良なバイオリン奏者にすぎなかったのに、別に懇意でもないベートーベンから名指しされたために後世に名を残すことになる。皮肉なことに、彼本人はせっかく自分に捧げられたクロイツェルソナタを一度も弾いたことがないのだとか。 あと、最後に余談。 ぼくが思うに、ベートーベンのクロイツェルソナタって、クロイツェル教本に出てくる練習曲みたいな譜面づらに見える。特に第2楽章。こじつけと言われるだろうけど。
Mar 9, 2021
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「権兵衛さんの赤ちゃん」 いつか機会があったら誰かピアニストをつかまえてクロイツェルソナタを合わせてみたいと思い続けて30年。いつになっても「機会」はやってこないので、ついにカラオケで挑戦してみたのでその感想を。 とにかく難しすぎる。 狂気じみてる曲だから後期作品と思われがちだけれども、作品番号は47番。ということは第3交響曲「英雄」よりも前に書かれたわけで、それってにわかには信じがたい。 1楽章は重音で始まるし、この時点でくじけそうになる。てか、この楽章はベートーベンの書いたソナタのなかで最も難しいと思う。音があちこち跳んで、音程をきちんととるのに苦戦。 あと、こてこてのイ短調なのに世間ではイ長調の曲扱いされてて、なんか変。ま、最初の数小節だけイ長調といやイ長調なだけで。 2楽章は変奏曲。相変わらずピアノは細かくて難しいことやってる。バイオリンは高音続出。最高音はファ。←第5ポジションでの4の指のファじゃなくて、それよりさらにオクターブ上のファ 3楽章(終楽章)も難曲。こうゆう音楽をどうやらタランテラだかと呼ぶ。シューベルト「死と乙女」終楽章にも似て、弓づかいを攻略しないと始まらない。あと、ラズモフスキー3番終楽章のノリが好きな人だったら何とか楽しめるはず。 この楽章、何かの曲に似てるとずーっと思ってて、今日やっと気づいた。「まぁるい緑の山手線っ」で始まるYドバシカメラの曲。新宿西口駅の前ぇとかいうやつ。原曲は英語では、The Battle Hymn of the Republic という題らしい。Glory Glory Hallelujah。 でも改めて聴いてみたら全然似てないし。 結論としては、この曲をカラオケで合わせるのはやっぱり無謀。1楽章も3楽章もテンポがころころ変わりすぎるし、ピアニストとバイオリニストとの間に絶大なる信頼関係がないとお話にならない。一瞬ずれただけで全てが崩壊してしまう。 かと言ってぼくは生身の人間ピアニスト様と合奏できる自信もないわけで、カラオケでのお遊びで満足するほかない。 確かトルストイの小説に「クロイツェル・ソナタ」というのがある。主人公が、愛しの妻(ピアノ奏者)が男性バイオリン奏者とこの曲を共演してるのを聞き、その息の合ったやりとりに妻の不倫を確信する話らしい。愛だの恋だのイチャイチャしながら弾くような甘美な曲では全然ないから、むしろ真剣な眼差しで二人で汗かきながら取り組んでるさまを見せつけられて、嫉妬の炎がめらめら燃え上がったのであらう。
Mar 7, 2021
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「お・も・て・な・し」(評価 ★★★★★ 満点五つ星) スウェーデンに移り住んだアフリカのソマリア難民たちが、スケートの経験もないのに氷上競技バンディの世界選手権出場をめざす様子を取材したドキュメンタリー。 日本では国連UNHCRの難民映画祭のサイトで紹介されている。 とても良く作られてて、最後まで興味深く観られた。てか、人口5万人の小さな町に3千人もの難民が住んでるというのも驚いた。地元の保守的な白人住民のなかにはガイジン住民のことをよく思ってない人も多いことが映画の冒頭で紹介されるので、ヒヤヒヤしながら観た。 いわゆる「重いコンダラ」系スポ根ドキュメンタリというわけぢゃなく、さくさく軽快に編集されている点も好感が持てた。ぼく自身は、過度に政治的な権力とカネにまみれてしまっているオリムピックとかにはもはや興味はないのだけれど、商業主義抜きにこうゆうスポーツの持つ偉大な力を見せつけられると、やっぱし感動してしまう。 登場する人たちのキャラも良かった。みんなして愛おしい。多少のヤラセや演技もあるんだろうけど、スポーツを通じて難民との共存を謳おうとするヤリ手の町おこし事業家や、同じ移民仲間として資金援助をする香港人実業家、そして何より、母国の親と離れて暮らすソマリア難民たちが純粋な若者ばかりで、自ずと応援してあげたくなる。 厳寒のシベリア、イルクーツクで行なわれた世界選手権の場面も見応えがあった。競技自体はバンディという地味なスポーツ(←氷上ホッキ―に類似)で観客数も少ないのだけれど、地元市民たちがいきなりソマリア人チームを応援しだす場面には心打たれた。ぶっちゃけ、ソマリアは大会ではウクライナにも日本にもモンゴルにも惨敗しており、強豪ドイツにも負けるであろうことは誰の目にも明らかだったのに、地元の人は温かく彼らを受け入れ、必死に応援する。 最後の最後に故郷ソマリアに選手が帰省する場面も映し出される。泣ける。
Mar 6, 2021
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「右往左往 left and right」 今日はカラオケ音源(ピアノ)に合わせてK.296を弾いてみたのでその感想を。 もちろん生身の人間ピアニスト様と一緒に弾けたら最高なのだけれど、ピアニスト探したり、三密避けての合奏方法を探ったりするより、カラオケで合わせるほうが現実的。悲しいけど。 さて、久しぶりにモーツァルトのソナタを弾いて、そのあまりの繊細さにびっくり。わずかでも音程や拍がずれると万人にバレてしまうような高精度音楽。こうゆうごまかしきかない音楽ときちんと向き合うことは重要なのはわかってたのに、今まで怠けていた自分が恥ずかしい。激しく反省ちゅう。 このK296って、ハ長調だし、数えかたによってはモーツァルトの書いた最初のバイオリンソナタだし(少年時代に書いた16曲をマル無視する数えかた)、もしかしたら比較的知られている曲なのかもしれない。 全三楽章。うち、最初の楽章がわかりやすくてぼくは気に入った。 バイオリンとピアノのどちらが旋律を弾いてるのかをいちいち考察し、そして明確に出しゃばったり引っ込んだりして慌ただしい音楽づくりをするのも一つの案だけれど、やりすぎは野暮。その加減が難しいし、それこそモーツァルトのバイオリンソナタを弾く醍醐味と言える。 てか、基本的にはピアノに身を任せて弾くほうが絶対によく響く。 ぼくが好きなハモり手法は以下の二つ。 ピアノの右手が旋律弾いてるときに、ピアノの左手とバイオリンとで三度でハモりながら伴奏するとこ。↓ あと、10度でハモるとこ(ピアノが高音でバイオリンが低音)。↓ 現実的には、ピアノの右手がやってることと左手がやってることを聞き分けながら弾くというのはぼくには難しすぎるけれど、多少なりとも意識することは脳の体操になるはず。
Mar 3, 2021
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