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これまで、トルネードツリーについて、いろいろと説明してきた。少し複雑さを感じた人もいるかもしれないが、次で最後である。あともう少しだ。ここまでで、私は次のような話をしてきた。◆「マルチフォーカス全体思考法」で、バランスの取れた経営ができる◆「マルチフォーカス全体思考法」を身につけるためには、 まずは自分なりの経営項目リストを作成する(ステップ1)◆個々の経営課題リストについて、HOWTO、事例、ツール の3点セットで考える(ステップ2)◆ステップ1とステップ2を繰り返していくうちに、 自然に意識することなく「マルチフォーカス全体思考法」ができる ようになっていく◆「マルチフォーカス全体思考法」を、スパイラル状の成長ステージ に沿って未来まで思考していく。 それが経営計画にほかならない◆ステージが異なれば、それぞれの解決策(HOWTO、事例、ツール) も異なる大まかに整理すると、こんな流れで話をしてきた。その最後にお伝えしたいことがある。『トルネード戦略思考法』の第3の特徴についてである。各経営要素は、一つの要素を改善すると、全部が同時に変化をするという法則である。前に、作曲の話を例に説明したのを覚えているだろうか?ある完成された曲があるとしよう。その完成されたメロディラインの中で、ある一つの音符だけを変化させるのを想像してみて欲しい。その曲全体のバランスは維持されるだろうか?そうなのである。広告の作り方一つを変化させるだけでも、すべての経営要素を変化させなければならないことが多いのである。各経営要素について深く知るためには、それぞれの部分を個別に考えるのが必要だ。しかし、分割して考えても全体のバランスを取るトレーニングにはならない。会社経営には、様々な経営要素があって、それらはすべて有機的に連鎖しているからだ。例えば、営業方法を変えたとしよう。すると、変化を嫌う営業マンのモティベーションが落ちる可能性がある。そうなれば、部下のマネジメント法を変化させなければならない。マネジメント法が変われば人事考課の制度も変化するだろう。営業方法の変化に伴って営業コストにも変化が現れるかもしれない。そうなれば、財務的な変化が生じる。また、営業方法に変化が生じれば、もしかすると売上高に変化が生じるかもしれない。デリバリー力を強化せざるを得ないかもしれないし、仕入単価の見直しなども連鎖的に起こる可能性がある。このように、経営の各要素は、すべて有機的につながっている。だからこそ、「マルチフォーカス全体思考法」を身につけて頂きたいのである。言われてみれば当たり前である。ところが、西洋医学的に、マーケティング部分だけを改善すれば良いと考えてしまいがちなのだ。でも本当は違う。本当は、見込み客獲得のマーケティング手法を変更すれば、コスト構造が変化することだろう。それに、実践するスタッフの教育も必要となり・・・。要するに、経営の要素を一つ改善すれば、それはすなわち経営要素をすべて変化させることにつながっていくのである。言い換えれば、それが会社経営なのである。考えてみれば人間も同じである。心臓の動き、脳の動き、手、骨、血管、西洋医学の発達によって、あらゆる部分に分解されていく。しかし、部分は全体に必ず連携している。さらに、分解した部分を元に戻しても、生き返りはしない。経営要素というのは足し算ではないのである。各経営要素がバランス良く実践されるというのは、足し合わせた以上の何かを発揮するということなのである。言い換えれば、経営を考える時には、トータルで包括的に考えなければならない一方で、すごくミクロなところも細かく見ていかなければならない。この相反する2つの行為を同時に平行してやるのだ。だからこそ、何かをしようと思うと、次から次へとやらなければならないことが頭に沸いてくるのである。当たり前だ。それが経営だからである。しかも、あなたがイカダに乗って出航してしまえば、次から次へと課題は連鎖反応を起こしてやってくる。企業がトルネードツリーのスパイラルに存在している限り、連鎖反応による課題は次から次へとやってくるのだ。「うっとうしい」と言っているのであれば、経営者でいるのはあきらめたほうが良いだろう。ただでさえ人生には難題が待ち構えているのである。私は、人生においても同じようなトルネードツリーのスパイラルが存在していると考えている。あなたが成長すれば、同じように人生の課題がやってくるのである。おそらく、そのスパイラル構造も同じである。「ただでさえ人生でも同じようなことをしているのに・・・。」そう思うのであれば、あなたが経営者でいることはお勧めしない。それが私の考えである。(『会社を成長させるために絶対に必要なこと』佐藤昌弘著より)
2004.09.30
ここは非常に大切なところなので、もう一つ別の事例をご紹介しよう。ある住宅リフォーム会社は、年商3億円を計上していた。主に新聞にチラシを折込むことで顧客から電話がかかってくるのを待つスタイルの営業方法を取っていた。年商1億円未満が大多数の住宅リフォーム業界にあっては、年商3億円というのは悪い数字ではない。その会社の社長の給与も2500万円であり、地元ではダントツの地域ナンバーワンで、地元での認知度も高い。そしてその会社は、同じ状態のままトルネードツリーの同じステージをグルグルと回り始めた。そうした段階で、私のところヘアドバイスを求めてきたのである。クライアント「佐藤先生、これまで順調に成長はしてきたんですけど、 ちょっと壁に当たっているんです・・・」そこで私は一つの質問をした。佐藤「どうやれば、また成長し始めると思いますか? 何かアイデアはありますか?」クライアント「ええ、チラシを改善することでもっと電話が鳴るように したいんです」さて、この答えを冷静に考えてみて欲しいのである。チラシを改善するというのは、現在のやり方の延長線上でしかない。つまりスパイラルを登っていないのである。もちろんチラシを改善することでも若干は業績が向上することだろう。しかし、この会社が次なるスパイラルを登るのに最も効果的な方法は、チラシの改善ではない。もしかすると、集客イベントを開催して見込み客を集める方法かもしれない。地元の花屋さん、お米屋さんなどとの業務提携なのかもしれない。オリジナル商品の開発かもしれないのである。売上規模が大きな会社だからこそ、できる手法へとシフトするのである。つまり、異なる成長ステージでは、異なる解決策を考えたほうが効果的なのである。その会社が創業した当時は、ゲリラ的な活動をしなければならなかったことだろう。しかし、今や地元ではそこそこ知られる存在となっているわけである。顧客の中には、地元の学校教諭、歯科医院、酒屋、喫茶店など、地域に密着している人々も増えていた。それならば、次の解決策は、チラシではなくても構わない。その他の地域密着型ビジネスと業務提携が結べるはずなのである。そうした業務提携という解決策を視野に入れて検討しても良いステージにきている。そうした解決策は、創業したばかりのゲリラ会社にはできない芸当だ。地域でダントツの知名度があるからこそできる解決策であって、誰も知られていない創業期の方法ではない。だからこそ、その解決策が適切なのだ。●自分のステージを冷静に見極めることが大切例えば、同じ「営業」という課題でも、成長ステージによって具体的な解決策は異なってきて当然である。ところが、成長ステージごとに取るべき戦略・戦術が変わるべきはずなのに、誰も家業、実業、事業と分けることさえしないのが問題なのである。確かに、スパイラルの位置関係というのは、具体的・明確にすることができるものではない。しかし、トルネードツリーのような概念の上で成長を繰り返しているのであるという意識を持つのは非常に大事なのである。先の「マルチフォーカス全体思考法」のところで、自社の身の丈にあったHOWTO、事例、ツールを参考にすべきであると言ったのを覚えて頂いているだろうか?それは、成長ステージごとに取るべき解決策が異なるというところにもつながってくるのである。「経営に役立つ」というノウハウは、世の中にゴマンとある。それらは、成長ステージという観点から吟味すべきなのである。事実、このトルネードツリーを知らないとひどい目に遭ったりする。ヒヨっ子経営者がトヨタの戦略を勉強するのは別に構わない。松下幸之助先生の人生論を学ぶのも構わない。しかし、トヨタの戦略の背景には、トヨタのステージの存在がある。トヨタのHOWTO、事例、ツールの背景には、それなりの理由があるのだ。まるで巨大戦艦の操縦法、大砲の撃ち方、甲板クルーのマネジメント法、魚影探知機の操作法、巨大な漁システムの仕組みを参考にして、独りでイカダに乗って航海に出発するようなものである。高層ビルを適確に建設していくためのプロジェクトマネジメント手法を勉強して、木造建築の大工さんと一緒に汗を流しているようなものなのである。ビジネス・ジャングルを勝ち抜いていくのは簡単ではない。隊列を組んでジャングルに分け入っていく時のキャンプの張り方、食料を協調して捕獲する方法、兵隊のマネジメント法、衛星通信によるナビゲーションシステムの使い方、それらをどれだけ学んでも、単独でジャングルに入っていけば「裸も同然」なのだ。野生の猛獣の目が光る中を、何の装備もせずに裸で歩くようなものだ。忠告しておく。餌食になりたくなければ、野垂れ死にたくなければ、必要なスキルをしっかりと身につけていくほかに方法はない。(『会社を成長させるために絶対に必要なこと』佐藤昌弘著より)
2004.09.29
では、このトルネードツリーを上手に登っていくコツはあるのだろうか?ある。それをお話ししよう。それは、トルネードツリーを登っていくうえで、知っておくべき、もう一つの法則についてである。例えば、同じマネジメントについての手法でも、たった一人の社員をマネジメントする際に必要なノウハウ、ツールと、100人をマネジメントする際に必要なノウハウやツールは異なることだろう。これと同じように、全てにおいて、登っていくステージによって解決策は異なるのである。●ステージによって解決策が変わる事例1具体的な事例として、私のビジネスについて話そう。私は自ら創業した住宅リフォーム会社を売却した。それと同時期に、マーケテイング・コンサルタントとして会社を設立したわけである。しかし、マーケティング・コンサルタントとして会社を設立したのは良いが、クライアント企業はゼロである。つまりお金を払ってくれる顧客がいないのだ。まずは営業活動をして顧客を作っていかなければならない。その際に実施した解決策とは何か?あるコンサルタントが全国の社長さんたちに配布している定期購読ニュースに、私の広告を掲載したのである。「マーケティング・コンサルタントがアドバイスをします。 効果がなければアドバイス料は全額返金。 まずは無料お試し相談ができます。 こ希望の方は、お電話下さい」このような広告を出したのである。配布した部数は約3000通。その結果、無料アドバイスに申し込んできてくれた人は5件であった。そして、この無料アドバイスに申し込んできたうち、8割がクライアントになってくれたのである。私は、この告知を毎回出すことにした。すると、徐々に反応は落ちてはいくものの、同じ広告を4回出した結果、合計で20件ほどのクライアント企業を獲得することに成功したわけである。しかしその当時、実を言うと、別のトラブルが生じていた。確かにクライアント企業は順調に増えていくものの、請求のし忘れや、資料の送付忘れなどが多発していた。簡単に言えば、仕事量が多すぎて事務処理の対応ができなくなっていたのである。そこで、急いで求人広告を出すことにした。事務スタッフを募集するためである。あまりの忙しさに、私はその求人広告については、広告代理店にすべてお任せし、それで求人広告を出した。ところが、待てど暮らせど応募の電話はない。すでにここまでお読み頂いているあなたにはお分かりのことだろう。私は「求人」というHOWTO、事例、ツールを調べていなかったのである。そこで急遽、「求人」に関するHOWTO、事例、ツールを探すことにした。有料、無料は問わずに探してみた。ところが、面接や採用のエキスパートは数多く見つかるものの、求人広告などのエキスパートは皆無なのである。結局、約1ヶ月の間、必死で求人のHOWTO、成功事例、ツールを探しまくったが見つけることはできなかった。どうする?結局、やはり求人広告を出すことにした。しかし今回は、広告代理店には任せない。私自身が徹底的に考えて広告を作成することにしたのである。費用にして16万円。まったく反応がなかったのと同じ広告費用である。自分なりに考えて製作した広告を代理店に渡すと、「えーっ、こんなタイトルでいくんですかあ?」と担当者は怪訝そうな顔をしていたが、広告が掲載された当日から一週間で、22人の面接希望者が来たのである。もちろん、採用・面接のHOWTO・事例・ツールは持っていたから、そこから先はスムーズにいったのは言うまでもない。こうして、人材の確保も終わって忙しさも一段落してくる。普通はここで、また過去と同じように「無料のコンサルティング」広告を出していくことにするのであろう。しかし、トルネード戦略思考をしている私は、そんな発想はしない。同じマーケティングという項目でも、解決策は違うはずだからである。当時はすでにクライアント企業の成功例は100例以上が揃っていた。そして今まで以上に資料請求があっても処理していけるだけの事務能力も備わっている。であれば、次の解決策は、同じ広告を継続して出すことではない。別の解決策を考えるべきなのだ。私はいろいろと考えた末に、「本の出版」という方法を取ることにした。いつまでもゲリラ手法に頼ることなく、自分がいるステージに沿った手法というものがあるのだ。私の場合は、「本」を出版することで、より多くの人々から資料請求を獲得するという方法を選択したのである。そこで「本」を使ったHOWTO、事例、ツールを集めてみたのである。これらはすぐに集めることができた。約半年ほどかかったが、2003年12月、『凡人が最強の営業マンに変わる魔法のセールストーク』という本を無事出版することができたのである。やはり私の狙い通り、出版によって本当に数多くの方々が私の顧客となってくれたのである。どうだろうか?ここで極めて重要なレッスンがある。それは、『くれぐれも順番が大切』だということ。でも、この順番を無視したがる人が本当に多いのである。私が本を執筆しているからといって、「私も本を執筆すれば良いと思うのですが、どうでしょうか?」と相談してくるコンサルタントの人がいるのである。しかし、よく聞いてみると、まだ「本を執筆する」というステージに到達していなかったりするのである。もちろんその逆もある。「すでに実績も多数あって、本を執筆すれば非常に面白い内容が書ける」ほどのコンサルタントが、いまだにゲリラ的に仕事をしていたりもするのだ。どうだろうか?他人の業界の話だからこそ、冷静にうなずきながら聞くことができるはずである。(『会社を成長させるために絶対に必要なこと』佐藤昌弘著より)
2004.09.28
螺旋状の成長ステージの存在で、あなたに最も伝えたいこと。それはトルネードは上昇していってこそトルネードになるということだ。だからこそ、経営者として、次のことを頭に叩き込まなければならない。それは、ビジネスにはステージがあるということである。あなたが今、どの段階にいるかを知っておく必要があるのだ。第1ステージ 起業前夜・・・準備第2ステージ 家業ステージ・・・自分一人でマルチタスクで頑張る (家族が手伝う)第3ステージ ミニ実業ステージ・・・常用スタッフ(社員・派遣社員 ・外注・パートなど)が6人ほどまでであり、 業務マニュアル化されていない第4ステージ 実業ステージ・・・ある程度の業務がシステム化され、 マニュアルなどが徐々に整備されてくる。 社長が実務をやるのはこのステージまでである第5ステージ 事業ステージ・・・経営幹部による合意経営がメイン となってくる。 組織的な経営活動がメインとなる。 安定成長へと移行する。 最終的には、社長の役割は方向性のみとなる。 ここから先はMBAの知識などが本領を発揮するおおよそではあるが、ステージは5つに分かれているとお考え頂きたい。もちろん、明確な数字などで区分されるものでもない。法的に何か決められているわけでもない。売上規模で仕切られているわけでもない。あえて切り分けるとすれば、上記のような感じだろうか?ステージは螺旋を描くように上昇していく。まるで遺伝子DNAのように螺旋状のスパイラルを描いてビジネスは変化・成長を遂げていくのである。スパイラル状の軌道の上を、どのように移動していくのかには、3つのパターンしか存在しない。・スパイラルを登り続ける・スパイラルの同じところをグルグルと回る・スパイラルを下降していくいったん経営をスタートしたら、もう止まることはできないのである。なぜなら、実際のビジネスは立ち止まることはできないからだ。何もしていないようでも、実際にはビジネスは回転している。スパイラル上を移動しているのである。だから、登り続けるか、同じところをグルグル回るか、それとも下降していくか、このいずれかしかないのである。万が一適切な時期に次のステージヘと螺旋を登ることができなければ、また同じところをグルグルと回るような状況に陥ることも多い。もしくは、ビジネスが縮小して螺旋を一段降りなければならないことだってある。ここで、3つの動きについて説明を加えておこう。●スパイラルを登っていく状況成長スパイラルを登っていく際には、何の問題もないかのように見える。しかし、会社が儲かっている状態でも、隠れた問題が山積みだったりするのである。それを放置しておいたがために、成長がストップしてしまう会社も少なくない。通常、ビジネスがスパイラルを登っていく際には、様々なことが起こる。例えば、人材育成が成長スピードに追いつかないという悩みなどは本当によく見かけるものである。それでも成長が続いていくので、人はどんどん増やさなければならない。無理やり人材を増やした結果、教育が行き届かずにクオリティの低いサービスが提供されてしまったりする。当然、創業当初には保たれていたサービスクオリティが守られなくなるわけだ。こうした状況になっても、スパイラルを上昇中の会社が急降下し始めるというのはレアケースである。しかし、じわじわとスパイラルの上昇スピードは確実に弱まっていく。スパイラルを上昇しているからといって、何もやらないで良いというわけではないのである。●スパイラルをグルグル回ってしまう状況スパイラルをグルグル回っている状態のビジネスというのは、ある意味では、非常に安定しているように見える。しかし、ここでも何もしなくて良いというわけではない。典型的な例というのを考えてみると、2つ思いつく。ある程度の成功を収めたという理由での停滞。そして、これ以上は何ともならないというあきらめである。例えば、あなたがビジネスを始めてからを考えてみよう。順調に売上が伸びて、最初はあなた一人きりだったビジネスも、社員が2名に増えた。売上規模も2億円に育った。しかし、その頃から成長が鈍化してしまったとする。社員3名で2億円。 あなたの役員給与は年収2500万円。悪い話ではないだろう。そして、その心地良さによってさらなる成長への意欲が薄れてしまうというケースは多い。すると同じところをグルグル回り始めることになる。ところが、「トルネードツリー」は、そのまま放置はしてくれないのである。安定して稼いでいけるはずのビジネスだったにもかかわらず、時間だけは変化していくからだ。時間が過ぎれば状況も変化していく。そして、状況の変化は、ボディブローのようにじわじわ効いてくる。ライバル会社の低価格攻勢、大型店舗の出店による集客力の低下、設備の老朽化による資金繰り悪化、商品のライフサイクルが終わって売れなくなる・・・。どれだけ安定しているビジネスにも永遠という言葉がないことに気付くのである。そうした状況の変化はジワジワと迫ってくるだけに、気付いた時には、何かを変化させなければ、悪状況を打破することができない状態に追い込まれる。つまり、気付いたときにはスパイラルの下降が懸念される状況なのである。身近な例がある。例えば、長年まったく同じような経営をしているタバコ屋さん。何か新しいことを実施しているわけではない。地元の本屋さん、タバコ屋さん、喫茶店、名所の近くのお土産屋さんなどは典型的に、同じところをグルグルしているパターンである。かつては、薬局も同じであった。長年、まったく同じような仕事を繰り返しているだけで進歩もなければ、後退もしなかった。ところがある時、大手ドラッグチェーンが進出し始める。そうなれば状況は一変する。同じところをグルグル回ることさえ許されないからである。こうしてみると、悪状況はどこでも同じように起こることが簡単に予測できる。確かに本屋さんにも同じことが起きている。近所にビデオと本の複合ショップができて、いきなり経営バランスを崩される。同じところをグルグルと回ることさえできなくなる。事前にそうした状況がやってくるのが分かっていれば、次なる対策を考えておくこともできるだろう。しかし、同じスパイラルをグルグルと何も考えずに回っているだけの人にとってみれば、パニックになって当たり前である。とすると、例えば、全国名所のお土産屋さんにも同じようなことが言える。もし大手チェーン店が、そうした名所のお土産屋さんのチェーン展開に走れば、おそらくパニックが起こるかもしれない。●スパイラルが下降していく状況今の時代、スパイラルを下降していく会社が本当に増えている。もちろん「不景気」という理由も確かにある。しかし、不景気では済まされない自分自身のミスも多いはずだ。スパイラルをちゃんと登れていないという事実。例えば、人を募集して採用するというのは、ビジネスにとっては非常に重要な成長要素だ。ところが、採用スキルを身につけることなく、偶然に人材を確保できてしまうこともあるわけだ。結果として、採用スキルというHOWTO、事例、ツールを整備することなく人が雇えてしまったことになる。ある意味ではラッキーかもしれない。しかし、採用スキルが伴っていなかったがために、実はあまり出来の良くない人材を雇用してしまったのに気づくことも多い。実際には、人を雇用する際の面接で失敗していたのだ。その失敗は、経営者の頭の中に悩みを生じさせる。「人材が育たない」という悩みである。結果として、雇ったスタッフがいずれ辞めていくこともあるだろう。つまり、スパイラルを登った段階での求人・面接スキルを身につけていなかったがために、採用を失敗している可能性が極めて高いのである。それが分かれば、また求人・面接スキルというところへ後戻りする必要がある。ところが、経営者がその失敗に気付いていれば良いのだが、まったく気付かないと、また失敗を繰り返すのである。同じように面接をして人材を雇い、そして・・・。結局、次のステージに登ることができないまま、採用を失敗し続ける。その間にも、マーケティングという課題が待ったなしでやってくる。当然、問題が山積みなので、解決は先延ばしになりがちだ。しかし、先延ばしにすればするほど解決は困難になる。その末に、スパイラルの下降は、どんどんと勢いを増していく。いいだろうか?冷酷ではあるが、次々と変化していく市場にあっては、順調にスパイラルを登っていくことしか成長はあり得ない。そのためには、各ステージで適切な解決策を手に入れて実践するしかないのである。次々と自社のHOWTO、事例、ツールを蓄積しながら成長を繰り返すほかないのである。そうだ。残念ながら、経営は、立ち止まることは許されない。「一生勉強」と言われるのは、これなのだ。(『会社を成長させるために絶対に必要なこと』佐藤昌弘著より)
2004.09.27

経営のパラドックス、2つ目のカギを渡そう。今までは、「何について思考するか?」に答えてきた。そこで私は、HOWTOと事例、ツールを探して思考していくことをお話した。だが、実を言うと、HOWTOと事例とツールが揃っていれば何でも構わないというわけではないのである。極端な例を挙げれば、トヨタのHOWTOと事例とツールを、小さな会社やSOHOが活用しようとしても無理があるからである。そこで今度は、さらにある新しい考え方の枠組みをプラスすると、さらに確実な思考プロセスを身につけることが可能になる。これが2つ目のカギだ。それは、スパイラル型の成長モデルに沿って考えるのである。つまり、「マルチフォーカス全体思考法」を実践していく際に参考にすべき3点セットは、成長ステージに合ったものを活用していかなければならないのである。現在のあなたの経営状態を思考する場合に「マルチフォーカス全体思考法」を取り入れるだけでは不十分なのである。さらに、そのあなたの会社が成長していくにつれて、それぞれの要素についても、どのように変化・発展していくのかという視点でも考えておくわけである。そうすることで、長期的には二段ロケット、三段ロケットを発射するように事業を成長させていくことができるからだ。私自身、このスパイラル型の成長モデルに従って、「マルチフォーカス全体思考法」を実施して5年になる。だからこそ、その有効性は一番よく分かっている。だからこそ、私は自分自身の経験を活かすために、自分の会社名を『マーケティング・トルネード』という名前にしたぐらいなのである。さらにコンサルタントになってからも、私はクライアントさんの活動を注意深く観察していた。するとやはり同じように、スパイラル状の運動をしているのである。奇しくも、企業経営というのは、DNAが螺旋状をしているように、トルネードが竜巻のごとく螺旋状をしているように、同じプロセスをたどるということに確信を持つようになったのである。次の図をご覧頂きたい。 会社が成長していくというのは、図式化するとすれば、こんな「トルネードツリー」を、いくつもの課題を乗り越えながら登っていくプロセスに似ているのである。螺旋である。 階段ではない。つまり、登っていくと一周したところでは、高さは異なるものの、上から見ると同じところを通過するのが分かるだろう。例えば、初めて社員を求人するときには、解決策として「知人からの紹介」という手法に頼って成功したかもしれない。しかし、会社が成長して再び「求人」という課題に取り組む時には、同じ手法ではなく、もっとシステマティックに求人活動をすることになるだろう。大企業ステージの求人活動に使われる手法と、社員二人ぐらいの会社の求人活動に使われる手法では異なって当たり前なのである。このように、トルネードツリーにはいくつかの特徴がある。あなたがトルネードツリーを使いこなすために、もっと深く、もっと詳しく説明してみよう。1.ビジネスにはトルネードツリーのステージが存在している ということ2.ステージことに、ノウハウの呼び名は同じでも、 実際には違うノウハウを使わなければならないということ3.各要素は有機的にすべて連鎖反応を起こすということそれぞれを順に、どのようなことなのか、さらに具体的にどのように活かしてビジネスに役立てるのか、説明していこう。(『会社を成長させるために絶対に必要なこと』佐藤昌弘著より)
2004.09.26
ステップ1では、自分なりの経営項目リストを作って頂いた。ステップ2では、あなたのリスト一つ一つを考える際のコツをお話しよう。「マルチフォーカス全体思考法」を身につけられるようになるまでには、それぞれの個別の課題項目について考えなければならない。それは、3点セットで考えるというものである。3点セットというのは次の3つ。・HOWTO・事例・ツール各経営要素については、すべてこの3つを材料にして考えると良いのだ。ステップ2では、「HOWTO」「事例」「ツール」について詳しく説明しよう。例えば、「マルチフォーカス全体思考法」を身につけられるようになるまでには、それぞれ個別の課題項目について考えることになる。その際に、「営業」という項目を考えるとする。もちろん、経営全体のことを考えながら「営業」について考えるわけである。ほとんどの人は「営業かぁ・・・どうやればうまくいくかなぁ?」と漠然と思う。そして良いアイデアはほとんど思い浮かんでこない。ところが、3点セットを材料にしながら考えると、極めて思考がスムーズになるのである。「営業」という経営要素について考えるならば、営業力を向上させるためにいろいろと調べることだろう。仮に、営業を辞書で調べてみると『営利を追求するのを目的として、同種の行為を反復継続する活動』となっている。確かに間違ってはいない。間違ってはいないが、何の役にも立たない。具体的に何をすれば良いのかのイメージさえ湧かないのである。なぜ良い方法が思いつかないのだろうか?それは、『営利を追求するのを目的として、同種の行為を反復継続する活動』という辞書から得られた情報の中には、「HOWTO」も「事例」も「ツール」も含まれていないからなのである。では、「営業」に関しての別の情報をあなたに提供してみよう。マーケティング・コンサルタントの佐藤氏によれば、営業というのは、マーケティングとセールスとリピートに分けて考えるべきだと言う。ここで、「マーケティング」というのは、あなたの販売している商品やサービスに興味のある人をリスト化する作業である。さらに、このマーケティング段階では、あなたの商品やサービスを購入してくれるかどうかは関係ない。とにかく興味さえあれば良いのである。そうした名簿をリスト化する作業、それがマーケティングである。「そんなことが本当にできるのか?」という疑問に答えてくれる手法がある。それがダイレクト・レスポンス・マーケティングという手法である。事例をお見せしよう。以下はマーケティング・コンサルタントが、「マーケティング・アドバイスに興味を持っている法人顧客リスト」を手に入れるために出したファックス実物である。(省略)このファックスを見れば分かる通り、広告で業績アップさせることに興味を持った法人顧客は、ガイドブックという資料を請求することになる。つまり、このファックスというのは、「ガイドブック」というエサでもって、資料請求してもらうためのファックスなのである。実際に、この実物ファックスでは、4.2%の資料請求があった。こうして興味のある顧客リストを手に入れるわけである。ダイレクト・レスポンス・マーケティングという手法は、同じように、新聞広告でも展開することができる。これは同じ「ガイドブック」の広告だが、それ以外にサンプルを使った広告もある。(省略)育毛剤の新聞広告である。この広告を作成している社長は、自ら商品を研究開発する。そして、その商品クオリティは非常に高い。事実、利用している方の8割以上がリピートしているほどだ。しかし、消費者にしてみれば、「使ってみるまで良さが分からない」ということだ。そこで、サンプルプレゼントの広告を出す。事実、こうした広告で何百という資料請求がある。社長は成功だけでなく、お客から毎日届く使用感想や感謝の手紙という財産を手にすることになった。また、サンプル広告という手法は、アメリカや日本国内に限ったことではない。もちろん、中小企業だけが実践できる方法でもない。次の広告をご覧頂きたい。(省略)言わずと知れた「オムツ」メーカー(ネピア)の広告である。日本企業が香港に進出した形なのだが、サンプル広告を出している。彼らの商品クオリティも素晴らしい。さすが日本製である。しかし、香港という海外での認知度は低かったのである。商品クオリティの高さへの認知も同じなのだ。そこで社長は、まずサンプルで商品の良さを知ってもらえるようにしたわけである。結果、実際にこの広告では約350件の資料請求があった。広東語の広告を初めて見た時は「アドバイスできるだろうか?」と不安だったが、その心配も吹き飛んだ。いまや、初めて使用する日本製オムツへの香港での評判も上々。多くの方々に喜びの声を頂けるようになり、ネピア香港の河野社長は嬉しそうな笑顔を見せてくれる。いかがだろうか?もし自社でも応用をしていきたいと思う場合には、例えば、効率的にファックスを一斉配信するための、「ファックス一斉同報配信サービス」というのがインターネット上にあるのでそれを使うと良いだろう。さて、あなたがこうした情報を手にしたとしたら、どうだろうか?もちろん、ページの都合もあって、HOWTOの部分がアッサリ書かれているので少し分かりにくいかもしれない。しかし、HOWTO、事例、ツールが揃った情報というのは、非常に参考にしやすいのだということは分かって頂けたと思う。だからこそ、あなたも3点セットを材料にして思考していって欲しいのである。もちろん3点セットは、営業やマーケティングに限ったことではない。仮に前の各経営要素リスト、9番目の適法性という項目において、「どのような契約を結べば良いのか?」という契約関係で悩んでも、契約書を作るためのHOWTO、契約書実物の事例、そしてその契約書を作ってもらえる業者さん情報(弁護士の電話番号)という3点セットが揃うと、急に仕事というのはスムーズに進み始めるのに驚くはずだ。7番目の採用のコツでも同じだ。採用する際のコツについてのHOWTOを勉強するだけでは足りない。実際に採用面接をしている現場を見せてもらうのも大切だ。それが事例になるからだ。さらには、採用会場で実際に利用している面接シートやメモなどのツールも重要になる。こうしたことを徹底して求めていかないから、なかなか前に進んでいかないのである。誤解されないように付け加えておくが、もちろん学術的にはマーケティングという言葉の定義は違う。米国マーケティング協会では、「マ一ケティングとは、個人と組織の目的を満たすような交換を生み出すために、アイデアや財やサービスの考案から、価格設定、プロモーション、そして流通に至るまでを計画し実行するプロセスである」と定義している。しかし、ちょっと乱暴な言い方をすると、自社の業績をアップさせる目的だけなら、そんな言葉の定義などはどうでも良いのだ。私にとって大切なことは、「弊社の教材・コンサルティングサポートに、興味を持っている人を、お金をかけずに、いかに効果的に集めるか?」なのである。いいだろうか?「マルチフォーカス全体思考法」を身につけるステップ2は、・HOWTO・事例・ツールの3点セットで考えることである。ここまでステップ1、ステップ2と順番に説明をしてきた。「マルチフォーカス全体思考法」を身につけるためには、このステップ1とステップ2を繰り返すことが大切なのである。何ごとも練習。最初は、経営全体のバランスを取るのに苦労するかもしれない。でも、安心して欲しい。それを繰り返しているうちに、「自然にマルチフォーカス全体思考」ができるようになるからだ。(『会社を成長させるために絶対に必要なこと』佐藤昌弘著より)
2004.09.25
【経営戦略を思考する際には、リストアップされた各要素について考える。しかし、それは同時に経営全体を一気に考えながら細部を検討する】という「マルチフォーカス全体思考法」については、何となくお分かり頂けたはずである。今は「何となく分かった」というだけで十分だ。なぜなら、「何となく分かった」というのと「できるようになった」というのは、まったく別の話だからである。おそらくあなたの頭の中では、何となく理解することができるものの、実践しようと思うと難しさを感じているのかもしれない。当たり前である。慣れないうちは非常に難しく感じて当然なのである。だが、それも乗り越えることができる。例えば、ゴルフを上達していくプロセスにしても、やはり同じなのである。ゴルフを始めるならば、まずはゴルフクラブの握り方だけに意識をして練習をすることだろう。最初のうちは、グリップの握り方に意識を集中するあまりに、スイング全体はギクシャクする。それでも、スタンスやグリップの握り方、スイングの軌跡など、それぞれを個別にトレーニングしながら練習を重ねなければならないのだ。練習を重ねていくうちに、いつしか細かい個別部分については意識しなくてもできるようになる。その段階まで習熟すると、体全体の動きもスムーズになっていく。さら上達すると、どの部分にも意識することなく、体全体のすべてが自然に動かせるようになるのだ。ここで初めてコースをどう攻略するかの次元に至る。経営はスキルなのだ。だからその上達していくプロセスは同じなのである。自分なりの経営課題について、それぞれ最初は個別に意識して考えるようにするのである。すると、最初のうちはギクシャクすることだろう。例えば、マーケティングを意識して考えると、マネジメントについて考えるのを忘れてしまったりすることもある。それでも、各項目について意識して考えるようになれば、いずれは自然に、各項目に特別な意識をしなくても、経営全体を考えられるようになるのである。ただ、もちろんそうした経営スキルを効率的に身につけるにはコツがあるのも事実である。だから、次にはそうしたトレーニング法についてお話していこう。■「マルチフォーカス全体思考法」を身につけるステップ1 細部をリスト化して個別に考える「マルチフォーカス全体思考法」ができるようになるためには、まず、あなたなりのリストを作るところからスタートをするのが最短である。前に示した11個のリストについて、あなたなりのリストを作ってみて欲しいのである。なぜ「自分なりのリスト」でなければならないのか?なぜなら、そのリストを箇条書きにするプロセスこそが重要だからだ。リストを箇条書きにしようと思うと、必然的に自社の活動内容をいろいろと細部まで見つめ直す必要が出てくる。それが非常に重要なのである。リストアップする際には、前に挙げられた言葉をそのまま使わなくてもまったく構わない。なぜなら、このリストは、あなたにとって適切なものではない可能性もあるからだ。例えば、私が頭の中で「仕入」という言葉で呼んでいる行為を、あなたも同じように「仕入」と呼んでいるとは限らない。それに、トヨタの下請け工場さんであれば、営業という言葉は使わないかもしれない。医療法人であれば、また違う単語でリスト化されるに違いないからである。また、私の会社では「営業」という言葉は使っていない。「営業」は、マーケティングとセールスとリピートという3つの言葉に分けている。巨大企業では、マーケティングがさらに分類されて、広報という言葉が入ってくるだろう。もしくは、「広報」が大項目として扱われても良いぐらいだ。同じく巨大企業であれば、財務という言葉だけで語るには思考する範囲が広すぎるはずだ。だからこそ、会社の規模だとか特性などによって、このリストは違って当たり前なのである。つまりリストは、あなたの会社が小さな頃はシンプルなものになるだろう。しかし、あなたの会社が成長してくれば、必然的に複雑なものになっていくのである。だからこそ、前に書かれているリストに盲目的に従ってはならないのである。私がこの11個をリスト化して自分の頭を整理しているように、あなたなりのリスト化をしなければならない。もちろん最初は細分化し過ぎたり、大雑把にリスト化してしまったりすることもあるだろう。しかし、再統合したり分割したりしていくうちに、自分なりの経営課題リストが出来上がっていくので心配は不要だ。ステップ1で何よりも大切なのは、「あなたなりの項目リスト」を「あなたの言葉」で作成することなのである。もちろん、あなたなりの項目リストを作るために、中小企業診断士やMBAのテキストの科目目次を参考にするのであれば役に立つだろう。また、大型書店に足を運べば、様々なビジネス書が棚に並んでいる。その棚には必ずコーナー名称が付けられているから、名称そのものを参考にするのもいい方法である。いずれにしても、あなたが経営を考える際に、自分の頭の中を整理しやすくするためのリストであれば、それで構わないのである。しつこいようだが、重要なので繰り返す。最優先されるべきなのは、「どのようなリストがあるのか?」を探し回ることではない。むしろ、経営課題リストで自社の活動をすべて網羅することができているかどうか? なのである。自社の戦略を思考する場合に、自社の活動を説明する項目として、見落としがないようにリストを作るほうがよほど重要なのである。ステップ1では、まずは、リストアップをすることが終れば完了である。(『会社を成長させるために絶対に必要なこと』佐藤昌弘著より)
2004.09.24
例えば、私が広告を仕掛けようと考える場合、広告効果のことだけを考えているわけではない。私の広告を見る人は、お客だけとは限らないからである。だからこそ、広告を作る時は求人活動にもなる可能性があるということも念頭に置いている。また、広告を出すのは節税行為にもなるだろう。また派手にマーケティングを仕掛ければ、社員スタッフの仕事量も変化するはずである。さらには、財務状況も変化をすることだろう。だとすれば、現在のスタッフでは業務が処理しきれなくなることも考えられる。このように「広告」という細部について考えているようでも、実際には、経営全体を同時にイメージしているのである。言い換えれば、一つの「経営要素」について考えているのではなく、複数の経営課題について同時並行で思考していることにもなる。「思考するテーマをいろいろとリストアップはしたものの、それぞれ個別に考えているわけではない」のである。人を採用しようと思考する際にも同じことが言える。「この人を採用すると、スキル面から言って、今考えている マーケティング活動が可能になるかもしれない。 すると、財務状況はこうなるかもしれないな。 しかし、マネジメント上ではこの人の性格を見る限り、 コミュニケーション上の問題が生じるかもしれないな」すべての要素を一気に、しかも同時に思考するのである。いいだろうか?こうしてリスト化してしまうと、あたかもバラバラに個別の問題として戦略的な思考をすれば良いような錯覚に陥る人が多い。くどい様だが、実際には、すべてを一緒にして統合しながら考えていかなければならない。(『会社を成長させるために絶対に必要なこと』佐藤昌弘著より)
2004.09.23
スムーズに街乗りレベルの運転スキルがついている状態、つまり、経営で言えば、スムーズな経営スキルが身についた状態というのは、どういう状態なのか?ズバリ、【経営全体を考えながら細部を考えることができる状態】である。いろんな事柄をバラバラに分解して考えるのではなく、ほとんど同時平行でいろんなことを並列して思考している状態とも言える。この思考法を、「マルチフォーカス全体思考法」と呼ぶ。経営全体を考えながら、細部を考えるというのはどういうことなのか?例えば、「広告」というのは経営の細部である。そして、「広告」という細部を考える時には、経営全体を、経営のすべてを同時に考慮しているのである。第三者が見れば広告を考えているだけに見えても、実際の頭の中では経営のすべてを思考しながら細部の実行をしているわけである。もう一度車の運転に置き換えてみよう。運転というのは、車全体の動きをイメージしながら、細部ではウィンカーやアクセル、ブレーキなどの細部を操作している。実を言うと、全体から細部を考えるというのは車の運転や経営に限らず、何の分野でも同じである。具体的には、絵画も同じ。 花火も同じ。 作曲でも同じだ。いわゆるスキルと言われるものを身につけている人は、ほとんどこの思考法で考えているのである。分かりやすい例として、点描(絵画)を例にとってみよう。点描画の細部はご存じの通り、「点」である。しかしその一つの点を描く瞬間、芸術家の頭の中には完成絵図が描かれているわけだ。すでに完成された点描画のイメージが見えているからこそ、その一点の位置や色などを適確に描くことができるのである。しかし、他人がその描いている姿を観察していても、それは分からない。まるで画家は一点のことしか考えていないように見えるからである。作曲も同じ。完成された曲の細部は、一つの「音符」である。作曲家が一つの音符を楽譜に書く時、作曲家の頭の中には曲の始まりから終わりまでのメロディラインがすでに流れているのである。花火職人も同じだ。花火の細部は、一つの「火薬球」である。花火職人が打ち上げ花火を完成させるために、一つの火薬球を五号玉に入れる。しかし、一つの火薬球を五号玉に入れる瞬間の花火職人の頭の中には、夜空に光り輝く姿がイメージされているのである。だからこそ、適確な位置・色・量の火薬を入れることが可能になるのである。やっぱり経営も同じなのである。経営の細部は、さまざまなものがある。つまり、「広告」を出す瞬間には、経営者の頭の中には、経営すべてがイメージされているのである。第三者が見れば広告を考えているだけに見えても、実際の頭の中では経営のすべてを思考しながら細部の実行をしているわけである。「マルチフォーカス全体思考法」とは、全体から細部への経営の思考法なのである。では、経営における細部(各経営要素)というのは、何があるのだろうか?1.営業・販促(マーケティング、セールス、リピート)2.仕入・商品開発3.価格決定4.提携5.物流・デリバリー・商品提供6.業務のシステム化・マニュアル化7.人事労務(採用、育成、解雇)8.財務・会計・経理9.適法性10.情報収集(社内外)・研究開発11.セルフコントロール少し乱暴ではあるけれど、リストアップしてみた。いかがだろうか?何を隠そう、これはMBAや中小企業診断士のテキストに出てくるリストである。皮肉なことに、経営細部の要素をあえてリストアップしようと思うと、こうなってしまう。(『会社を成長させるために絶対に必要なこと』佐藤昌弘著より)
2004.09.22
経営のパラドックス、まず1つ目のカギをあなたにお渡ししよう。このカギを使えば、誰でも高確率で成功する戦略的思考法ができるようになる。私は、この戦略的思考法を、「マルチフォーカス戦略思考法」と名付けた。まずは、あなたもこの思考法を身につけてみて欲しいのだ。それだけでも、今までとは比較にならないほどのスピードで成功に近づけるのを実感できるはずだ。本当に誰でもできるようになる。なぜなら車の運転と同じだからだ。ここで、ちょっとだけ、車の運転スキルが上達していくプロセスを考えてみて欲しい。車を初めて運転する初心者が、スムーズに運転できるようになるまでのプロセス。それを考えてみて欲しいのである。あなたも次のプロセスで上達していったはずである。(1)まず、車の運転が上手な人の助手席に座って、 運転している様子を観察する(2)観察して覚えていることを記憶の中で再現しながら、 自分なりに運転をしてみる(3)いざ運転してみると、細かな部分の記憶があいまい であることに気付く(4)もう一度、車の運転が上手な人の助手席に座って、 運転している様子を観察する(5)今度は、前回と比べてさらに細かい部分まで観察し直して 記憶する(6)再度、観察した記憶を頭の中で再現しながら、 自分なりに運転してみる(7)(4)~(6)を繰り返していくうちに、 自然にスムーズに運転ができるようになるどうだろうか?あなたもこのプロセスで運転スキルを上達させた経験を持っていることだろう。しかしながら、同じ車の運転でも、次のプロセスを経験している人は少ないはずだ。それは、『サーキットでレースに出場するための運転スキルを身につけるプロセス』である。この場合、あなたならどうするだろうか?実を言うと、同じなのである。やったことがないだけで、スキルを身につけるプロセスは同じなのである。(8)サーキットで速く走るレーシングドライバーの助手席に座って、 運転している様子を観察する(9)観察して覚えていることを記憶の中で再現しながら、 自分なりに運転をしてみる(10)いざ運転してみると、細かな部分の記憶が あいまいであることに気付く(11)もう一度、レーシングドライバーの助手席に座って、 運転している様子を観察する(12)今度は、前回と比べてさらに細かい部分まで観察し直して 記憶する(13)再度、観察した記憶を頭の中で再現しながら、 自分なりに運転してみる(14)(11)~(13)を繰り返す回数は、前回よりも多くなるだろう。 サーキットで速く走るスキルは難しいからだ。 それでも、練習を繰り返していけば、ある程度は速く サーキットを走れるようになるだろう何を隠そう、この(1)~(14)というのが、経営スキルを身につけるプロセスと、まったく同じなのである。注意して欲しいのは、(1)~(7)ではないというポイントである。経営スキルを身につけるプロセスは、(1)~(14)なのである。どういう意味なのか?独立して事業が軌道に乗って、ある程度の経営規模で会社を運営できるレベルというのは、車の運転で言えば街乗りレベルである。あなたの会社が成長して、もっと世の中で活躍していこうとするレベルは、サーキットレベルなのである。街乗りレベルで運転を覚えたにもかかわらず、サーキットで勝とうと思えば、再び運転スキルを勉強し直さなければならない。つまり、ある程度の経営スキルが身についたとしても、経営レベルが変われば、またもう一度、経営スキルを勉強し直すことになるのである。もっと詳しく、具体的に見ていくことにしよう。いよいよ本題だ。(『会社を成長させるために絶対に必要なこと』佐藤昌弘著より)
2004.09.21
さて、いかがだっただろうか?世の中には、様々なことを言う人がいる。ある意味ではこの本だって同じだ。盲目的にすべてを信じるのではなく、自分に役立てられる部分を抽出すればいい。私自身、既存ノウハウの間違っている部分、正しい部分があると分かるまでに、本当に泥まみれになっていた。さらに、泥まみれの中から、私なりの新しいビジネスのとらえ方、考え方を身につけるようになったのである。まずは、私がどうやって泥まみれになり、そこから何を学んだのかをお話ししよう。その中に大切なヒントが隠れていたからだ。なかなか聞けない話でもある。リアルな実体験。恥ずかしい限りだけれど、参考になるはずだ。(中略)■サバイバルから得た経営のパラドックス私の経験を話したのには理由がある。この後は地域性もあって、お客さんが満足するだけの効果を出すためにチラシにずいぶん変更を加えたのは事実だ。しかし、私はこうしてヒントをつかんでいくことができた。実を言うと、こんな恥ずかしい話の中にも、大切なことが隠されている。ここで一度整理してみよう。・私は専門家としての知識を持っていた・大手都市ガス会社では、当たり前のように効果があった 『業務提携』という方法をやろうとして失敗した・大手メーカーの販促チラシを利用しても、効果はまったくなかった・他県の業者が利用している一見すると泥臭いチラシだと電話が鳴ったこの話の中に、パラドックスの謎を解くカギが、隠されている。私はカギの存在に気が付いた。カギは2つある。1つは戦略的な思考方法。もう1つは、その戦略を上手に実行に移すコツである。そのカギに気が付いたおかげで、あれよあれよという間に、その後約2年半で3億円の売上を上げるまでに急成長を果たすことができたのである。この2つのカギは、2つセットで成功の扉を開いてくれるのだ。(『会社を成長させるために絶対に必要なこと』佐藤昌弘著より)
2004.09.20
あなたには、「リーダーシップ」という適正が大いにあります。ですが、経営者になるためには、「人の話をよく聞いてあげる」という素養が必要で、あなたにはそれが欠けています。ですから・・・。ばかばかしい。面倒臭いのでハッキリ言おう。経営者に向いた性格タイプなんてない。あなたのタイプに合わせた経営をすればいいのである。リーダーシップが豊富に備わっているのであれば、それを活かした経営の仕方があることだろう。外注先をリーダーシップでまとめて協力しながらビジネスをする。プロジェクトタイプでビジネスをする。それだって可能なことだろう。芸術家タイブであれば、その芸術性を活かしてくれるプロデューサータイプの人間を見つけて、幹部にしていけばいい。別に、経営者に向いているタイプがあるというわけではないのである。もちろん、オールマイティさはある程度必要だが、ある程度なら、誰でも持っているものだ。良いだろうか?経営に有利なタイプが存在すると思い込んではいけない。だって、あなたと同じパーソナリティを持った経営者なんて世の中にはいないのだ。あなたなりのサバイバル術を身につける以外に生き残る術はない。(『会社を成長させるために絶対に必要なこと』佐藤昌弘著より)
2004.09.19
世の中の為になるビジネスをしていれば、お金は後からついてくるという。その通り!確かに世の中の役に立てば、その見返りとしての成功は大きいだろう。ところが、実践しようとすると、極めて巨大な『穴』に落ちることになる。世の中の役に立つことさえできない!そう、あなたがどれだけ世の中の役に立ちたくても、誰も仕事をさせてくれないのである。あなたがどれだけ「私のビジネスは、あなたの役に立ちます!」と叫んでも、誰も仕事を依頼してくれないのである。理由は簡単なことだ。ライバル会社も同じようにアピールしているからである。私の友人がそうだった。彼は法人向けのコンサルティング会社で独立起業した。彼のノウハウは素晴らしく、既存の大手コンサルティング会社よりも低価格だった。さらにサービスクオリティも高かったのである。彼は独立した時、「これならクライアント企業は、もっと喜んでくれるだろう」と思ったそうだ。しかし開業して間もなく、「仕事が取れない」という難題にぶち当たったのである。自社の良さを伝える術を身につけていなかったのである。どれだけ相手のことを大切に想っていても、それが相手に伝わらなければ、あなたの存在は相手にとって意味を成さない。どれだけ世の中の為になるビジネスでも、顧客に伝わらなければ、あなたのビジネスは知られることさえないのである。お客の役に立つことができれば、売上は確かに上がる。しかし、「お客の役に立つ」ということをお客に知ってもらえなければ、お客の役に立つことさえできないのである。あるコンサルタントと雑談している時に、その人から次のような話を聞いたことがある。「ブルース・リーは映画スターだよね。 でも、きっと彼は武道の精神を世の中に広めたかったんだよね。 でも、もしブルース・リーが映画スターになる前に武道家として、 その武道の精神を説くための道場を作ったとしたら、人は集まっただろうか? 映画にも出演することなく、スターでもないブルース・リーが 武道場を経営して客は案まっただろうか?」「誰も門下生が入らなくて、閑古鳥だろうね」「そう。ブルース・リーは、武道の精神を説くために、 ヌンチャクで若者を集めたんだと思う。 若者を集めるためにはムービースターになるのが一番だった。 映画の世界で『アチョー』と言って見せるのは、 本当に彼がやりたかったことではないはず。 でも彼は真の目的を達成するために、世の中の役に立つために、 表面的な格好良さをアピールした。 だからこそブルース・リーの道場は数多くの門下生がいたんだ。 多くの人はそんなことには気付かないよね。 だからこそブルース・リーは英雄なんだ」人を救いたいのなら、あえてピエロにならなければならないことがある。仮に、あなたの2歳の息子が遊んでいるとしよう。しかし、隣で大火事になっている。火の手が迫る。あなたは、助けに行くにも行けない。火が怖いのではない。物理的に行けないのだ。あなたの声だけが子供に届く。さて、あなたはどう叫ぶだろうか?「逃げなさい!」と叫ぶことだけが子供を救う手段ではない。本当に子供を救いたいのであれば、「ほら、あっちに面白いオモチャがあるよ! ほら見て!」と、歯を食いしばってウソをついたほうが救えるかもしれないのだ。本当に世の中の役に立ちたい。だからこそ、自ら進んでピエロにならなければならないこともある。自分からピエロを喜んで買って出るぐらいの気合いもないくせに、中途半端に世の中に役立ちたいと言っている人を見ると、ぶっ飛ばしたくなる。むしろ、そんなややこしいことを言っているよりも、オオカミやライオンみたいに野獣と化してギラギラと「ベンツ乗りてぇー」「何かいいもん食いてぇー」と言っているほうが、むしろ経営者としては健全だと思うぐらいだ。(『会社を成長させるために絶対に必要なこと』佐藤昌弘著より)
2004.09.18
会社を経営するには金が必要だと誰もが言う。本当だろうか?私はそうは思わない。確かに金はあるに越したことはない。でも、だいたい、経営はサバイバルなのである。「釣竿を買うお金がないから、ジャングルで釣りができないのです」と泣きべそをかいている人を見ると、「それなら野たれ死ね」と言いたくもなる。言っておくが、できない理由を探すのなら幼稚園児でも可能なのである。資金がなければ、頭を使えばいい。体も使うのである。私がこう言うと、だいたい次のような意地悪な質問を受けることがある。「例えば、設備投資が巨額に必要なビジネスを始めたいとしても、それでも資金は不要なのでしょうか?」この質問をした段階で、質問者はすでに勝ち誇ったような顔をしている。もし加工機械とかが必要なのであれば、その加工機械を持っている会社にアウトソーシングすればいい。売れてから生産を開始する体制にすれば、資金的にも不安はないはずだ。すると、「そんな加工機械を貸してくれないとしたら?」という質問で、また勝ち誇った顔に戻る。もうアホである。もうすでにこの段階で、できない理由を探し始めている。本人は、それにさえ気付いていない。貸してもらうのが難しくても、やりたいのであれば、貸してもらえるように考えるのである。1億円をただで手に入れるためにはどうするか?それを考える。そのために必死で動くのである。それが経営者だ。投資家を探すという方法だってもちろん構わない。もし売上が上がったら、成功報酬として数%を10年間払い続けるという約束をしたって良いのかもしれない。あるエピソードがある。スケールは小さいけれど、私はコピー機が欲しかった。会社を経営してはいたが、コピー機を持っていなくて、見積書や請求書を、コンビニエンスストアでコピーしていたのだ。いちいち面倒だったのでコピー機が欲しくなった。ところが買うお金がない。そこで私は、コピー機屋さんに勤めていた人にお願いをした。リースアップで引き取られるコピー機を、1万円で分けてもらったのである。その代わりに、一枚当たりのメンテナンス契約を結んだ。100万円近くのキャッシュを一気に払うよりも、使用ごとの支払いを選択したのである。1年後、私はそのコピー機を使って数多くの見積書と契約書を印刷し、業績を上げた。その後、感謝の意味を込めて、中古を安く譲ってくれた業者さんからコピー機の新品を買わせて頂いたのである。普通の人なら、お金なければあきらめるのかもしれない。ローンを組んで無理をして新品を買うのかもしれない。でも、やってみる前から、全部の可能性を自分で閉ざしてしまう人が多い。できない理由を探すのは誰でもできるのだ。特に、「お金がないから」というのは、いかにももっともらしく聞こえるからこそ、余計に危ないのである。(『会社を成長させるために絶対に必要なこと』佐藤昌弘著より)
2004.09.17
MBAや中小企業診断士などの経営の勉強をちゃんとしていれば、ゼロから独立・起業して経営者になった時に有利であるというのは、真っ赤なウソである。私はMBAは持っていないが、中小企業診断士の資格を取得している。だからこそ分かるのだ。マーケティング戦略、プロモーション戦略、商品戦略、人事戦略、経営戦略・・・まあ、様々な知識を勉強していく。極めて理論的である。聞いたことのないような理論があるのに驚く。「なるほどおー」と思える内容だ。だからこそ、そこには経営に関するすべての答えがあるように見える。でも、本当にその知識だけで成功するか・・・。断言する。それだけの知識では絶対に成功しない。小難しい経営理論だけでは、起業家のようなゲリラ的な活動は説明することができないからだ。どういうことなのかは、他の業界に置き換えてみると分かりやすい。例えば一級建築士。彼らは建物についての専門家である。法律面、施工技術面、工程管理、すべてに詳しい。《建築のMBA》という立場である。しかし、彼らにノコギリを持って材木を切らせたら?金づちを持たせて釘を打たせたら?そう、ろくなことにならない。大工工事のエキスパートは、一級建築士ではなく大工さんなのだ。材木を見てその上下を見分け、乾燥状態を見抜いて家の材料として使っていく。それは大工さんの技術なのである。MBAや中小企業診断士の知識を持っているのと、実際に経営をしていくスキルは違うのである。一級建築士にコンクリート工事をさせたら現場の邪魔になるだけだ。知識だけでは現場では役立たずなのである。経営が難しいという理由はこの点にある。一級建築士と大工さん、経営ではその両方の役割を果たさなければならないからだ。しかも、小さな経営の時には、小さな経営の知識と小さな経営を実施していくスキルを求められる。大きな経営になれば、大きな経営の知識と巨大構造物の施工技術と、組織をマネジメントするスキルが求められるのである。こういった視点を欠いたまま、ただ経営に詳しいだけでは、経営者になっても失敗して当たり前なのである。(『会社を成長させるために絶対に必要なこと』佐藤昌弘著より)
2004.09.16
人脈を作ると成功しやすいと言われる。確かに、自分一人でビジネスを何でも成功できると思ったら大間違いだ。経営者は、様々な人々に助けられながら成長していく。その人々への感謝を決して忘れてはならないと私も思う。しかし、残念ながら「人脈で成功した」は、結果論なのである。確かに成功者は、「今になってみれば、本当にいろいろな人たちに手伝ってもらえたからこそ、手助けしてもらえたからこそ、ここまで成功することができた」と言うことだろう。しかし、だからと言って逆は成立しないとお考え頂きたい。成功したのは、いろいろな人々に助けられたから ≠いろいろな人々との人脈を持っていれば、助けられて成功することができるいったい、どういうことなのだろうか?答えは簡単な話である。自分が成功したいがために、「人脈に期待しよう」として作った人脈は役立たない。でも、自分が成功したいから、「自分で可能な限り頑張ろう」という人がいたとする。そういう人が、頑張っていくプロセスの途中で、いろいろな人々と出会っていく。すると自然に知り合いができて、助けてもらえることも起こる。人脈を頼りにしていない人にできる人脈というのは、本当に助けてくれたり、手伝ってくれるのである。言い換えれば、人に依存しようとして人脈を意図的に作っても役立たないということである。あなたが人脈側の立場になって考えてみればすぐに分かる。「この人に何か利用されそうだ」と、ほんの少しでも感じたとしたなら、心から協力をしてあげたくなるだろうか?(『会社を成長させるために絶対に必要なこと』佐藤昌弘著より)
2004.09.15
ハッキリ言っておく。 これは本当だ。確かに「私はできると信じている」と、本当に夢はかなってしまう!ただ、『信じる』という状態が普通じゃないのである。正確に言うと、『私はできる』ということを、心の中に一点の曇りもなく信じている状態なのである。いいだろうか?一点の疑いもないのだ。たとえ現在、成功していなくても、成功のカケラさえない状態でも、それでも『私はできる』と信じなければならない。妄信するのだ。信じ込むのである。実際に、そうやって確信すると、確かに成功してしまうのである。これはオカルトでも何でもない。タネも仕掛けもある。その裏側には心理的なロジックがあるからだ。そうした「成功への確信」を持っている人の行動や、顔色、声のトーン、ボディランゲージ、表情・・・やることなすこと、すべてには「安定」「怖れのなさ」「迷いのなさ」「自信」といったものが現れてくるのである。そうすると、その人の周囲には【安定感】が広まっていく。頼りがいがあるから、他の人よりも何かを頼まれることが増える。可能性も感じられるようになる。結果として、チャンスに恵まれやすくなるのである。ところが、このロジックには致命的な欠陥がある。何の根拠もないのに『私はできる』と信じろと言われても難しいのである。当たり前だ。何の根拠もないのに「成功する」と信じ込むのだから、自信過剰も甚だしい。その結果、自己催眠、潜在意識の活用、毎日目標を紙に書いて眺めるなどの方法が必要になる。でも・・・ごめんなさい。やはり信じられないのである。どうしても自分を疑ってしまうのだ。誰にでもできる芸当ではないと思う。調べてみると、普通の人にはできないのには、心理学的な根拠がある。実を言うと、人間には『安定化作用』という心理メカニズムがあるのだ。「信じよう、信じよう」と意識すればするほど、「そんなバカな、そんなバカな」という心理が無意識的に働いてしまう。それが安定化作用である。変化しよう変化しようと考えると、安定しよう安定しようとなってしまう。意識すればするほどダメなのだ。見たくない見たくないと意識すればするほど、どうしても見たくなる。「頑張れ、頑張れ」と言われるほどやる気がなくなる。ミニスカートを気にするのはやめようと思うと、どうしても気になってしまう。具体的に実験してみると良い。例えば、あなた宛の茶色い封筒に「中身を見ては絶対にいけません」と書いて机の上に置いておく。すると、まったく関係のない人でも「何それ?」と質問してくることが多い。普通に「佐藤様」と書かれた封筒が机の上に置かれていても、その中身を気にする人はほとんどいない。でも、封筒の表面に「佐藤様、他人に中身を見せては絶対にいけません」と書いておくだけで周囲は過剰な反応をし始める。人間は、もともとそうした安定化作用プログラムを持っているのである。だからこそ、無理やり「私は成功する」と信じ込もうとすると、抵抗する心理が働いてしまうのである。では、安定化作用を自分一人で解消する方法はないのか?あるにはあるが、皮肉なことに【行動】しかないのだ。何でも構わない。信じたいことが信じられないのであれば、信じられるように、成功に近づけるような何らかの行動を起こしてみる以外に方法はないのである。どんな小さな行動でも構わない。何らかの結果が得られれば、その結果は、あなたの心理に影響を及ぼすはずだ。「もしかしたら信じられるかもしれない」と思えるように徐々になっていくかもしれないし、「やっぱり無理かも」と思ってしまうことも起こることだろう。結果が良ければ善循環が始まることだろう。もちろん悪ければ軌道修正をしていけばいいのである。例えば何かに迷っているのであれば、「迷っている」ということを他人に話すという行為も【行動】の一つなのだ。ほんの小さな行動で構わないのである。残念ながら、「信じたい、でも、信じられない」というところでグルグル回っていても、成功には近づくことは絶対に不可能だ。本当に信じられるようになるのは、行動で裏付けられた時なのである。(『会社を成長させるために絶対に必要なこと』佐藤昌弘著より)
2004.09.14
成功法則、成功哲学、人生訓、処世術、教訓、夢をかなえる、自己暗示法・・・。まあ何でも良い。勉強家の経営者は、結構、この手の本が好きな人が多い。私も好きだから数多く持っているし、読みもした。こうした成功哲学系は、大きく2つにわかれる。一つは、人格者になると成功するという話。もう一つは、信じれば成功するという話である。ちょっと待って欲しい。そんなわけががないのである。人格者になれば成功する?もちろん、人格者であるに越したことはないだろう。そうした本の多くは、「感謝しよう。謙虚でいよう。努力しよう。他人の役に立とう。分かち合おう」って感じのことを教えてくれる。もちろん正しい。それに一切の反論もしない。むしろ奨励する。確かに歴史に残るような偉大な成功者にでもなろうと思えば、それぐらいの人格者でなければならないだろう。でも凡人には無理。少なくとも私には無理である。なぜか?やってみると分かる。人格者でもないのに人格者になろうと努力をすればするほど苦しむからである。私も経営者になろうとした時、一生懸命に偉い人になろうと努力した。本も読んだ。成功するには人格者でなければならないと思っていたからだ。そして、努力して人格者を演じるようにした。礼は虚礼からと言う。始めは心がこもっていなくても、姿勢正しくお礼をしていると次第に心がこもってくるという意味だ。だから、人格者でなくとも、努めて人格者を演じていれば、いずれは・・・。しかし、心の中で次第に大きくなっていくのは孤独感だけだった。「本当の私は、こうではない。人格者を演じているけれど本当は違う。でも本当のことなんて今さら言えないな・・・」そうやって、相手をだまし、自分を拒否し、仮面が取れなくなって、どんどん孤独になっていったのかもしれない。「人格者であれ」という言葉は美しい。しかし、この言葉を呪文のように唱えている人の心の中で何が起こるか?「人格者であれ」=「今の私ではいけない」こんな公式が成立してしまったら最後、自分を否定して苦しみ続けることになる。なぜ今のあなたではいけないのか?冷静になってあなたの周囲を見渡してみて欲しい。あなたが知っている成功者は、本当に人格者か?どこかしら変わった性格をしていたりしないか?考えが常識離れしているところは本当にないのか?凡人が成功するのには、人格者である必要はまったくない。むしろ泣きたいときは泣けばいい。自慢したいときは自慢すればいい。怒ったときには腹から怒鳴ればいい。可笑しいときは体中でバカ笑いすればいいのである。辛いときは弱音を吐く。海に向かって「なんでこんなに辛いのよーーーー」って大声で叫べばいいのだ。何が悪い?それこそ人間らしさを感じないだろうか?完壁な人間ほどつまらないものはない。アホみたいな実現しそうもない夢やロマンを語らない経営者なんて何が面白い?ナンでもカンでも分かったような顔をして、中途半端に人格者ぶるのは成功者になって隠居した後で良いのである。言っておくが、人格者として完壁であるなんてことは神様でもない限り不可能だ。人格者になろうと努力すればするほど、自分の嫌なところが目立ってくる。そうすれば、それを隠そう、抑え込もうとする心理が働くのも無理はない。自分に厳しければ厳しいほど、その心理は強く働くことだろう。だからこそ苦しむのだ。隠そう、押さえ込もうとする心理こそが、大きな「ビジネス・ラビリンス」への入り口なのである。残念ながら、人の心はそんなに強くは出来上がっていない。人格者を演じれば演じるほど、心の無理は違うところで歪んで出てくるのだ。人格者であらねばならないがゆえに、隠れて酒を飲んで乱れる。優等生であるがゆえに、その鬱積をどこかで晴らそうとしてしまう。人格者を目指して自分を苦しめていたら本末転倒だと思うのだ。そうならば、あなたはどうすればいいのか?人格的な努力などしなくても良い。自らの持って生まれた人格を、すべて認めて許してしまえばいいのである。自分を変化させるのが大切なのではなく、大切なのは、『自分自身への自覚』なのである。たとえ自分では「ネガティブだと思う部分」があっても、それを努力して変えようとはしなくていいのである。それよりも、良い面を利用するのである。例えば、「短気で瞬間湯沸し器」だとしよう。「短気・怒りっぽい」というのではなく、「感じたことを隠さずに相手に伝える、自分に正直な」と表現したらどうだろうか?「何にでも真剣で熱血」だって構わない。あなたには「優柔不断」な部分もあるかもしれない。でもそれは、ものごとを慎重に決めようとする慎重さを大切にしているのである。時間をかけてじっくりと検討することができる人なのだ。そうは言っても、「でも今さら、キャラクターが変化しら・・・」と感じているかもしれない。では今まで仮面を被って偽者のイメージを作ってきてしまった人はどうすればいいのだろうか?確かに怖いことだろう。本当の自分を出したら、嫌われてしまうのではないかと思うことだろう。心配するのもごもっともだ。確かに、ある日突然に人柄が変わったら、もしかしたら離れていく人も出るかもしれない。でも安心して欲しい。離れていく人の数だけ本当の支持者が現れる。ブランド品で身を固め、お上品で優等生、そんな女性がいたとする。確かに好かれるのかもしれない。でも、その女性の心の中はなんだか満たされない。好かれているのは本当の自分ではないことを、本人が一番知っているからだ。でも、怖がらずに本当の自分を出せばいい。本当の自分を素直に出せる人の笑顔は、きっと何よりも美しいからだ。それと同じ。温厚で、優しくて、倫理的で、大人しくて、わきまえていて、気遣いができて、明るくて、優等生で、正直で・・・。私は、そうした人を見ると、何だか「本当にそれって自分なの? 本当は苦しくない? 腹割っていこうよ」と言いたくなる。人格者でなくとも構わない。人はそれぞれ違うからこそ魅力があるのだ。まずは、自分で欠点だと思っているところを自覚するだけでいい。性格を変えようと思えば誰でも苦しむ。そうではなくて、怒りっぽいなら、まずはそれを認めてみる。だって怒りっぽいんだから仕方がない。否定してしまうのではなくて、『どんなことがあると怒りっぽさが出てしまうのか』を自分なりに冷静に観察してみればいい。それが自覚というものだ。そうするだけで、きっと自分と上手に付き合えるようになる。ありのままの自分を認めて、上手に付き合っていく人は、自分の良さも同時に知っている。だから力を発揮するのだ。自分の全部を自覚していくプロセスは、同時にあなたの良さにも気付かせてくれる。あなたの良い部分はさらに伸ばしてあげるのである。そうすれば、あなたの能力は無尽蔵に成長していくだろう。もちろん、こういう私もまだまだ自覚が足りないところが随分ある。つまり私も発展途上ってこと。でもそれでいい。一生をかけて発展していけばいい。私自身は、永遠に未完成の不良品である。それを認めるからこそ、リラックスできる。そしてリラックスしている状態は、最も力が発揮できる。(『会社を成長させるために絶対に必要なこと』佐藤昌弘著より)
2004.09.13
あなたもよく知っている通り、世の中には、経営者に役立つノウハウが数多く提供されているかのように見える。結論から言おう。最近では実践的なビジネス書も数多く出てきているが、それら経営ノウハウはほとんど役に立たない。書籍だけではない。インターネット、雑誌、新聞、セミナー、講演、カセットテープ、衛星放送、通信教育・・・どれも同じである。はっきり言ってうんざりだ。消化不良を起こすどころか、ゲロ吐きそうになる。でも、提供されているノウハウを勉強してみると納得なのだ。正しいのだ。ごもっともなのだ。確かに役立つのである。でもやっぱり役立たないのだ。「役立つのに役立たない? 何を言っているのか? 自分が矛盾していることに気付いていないのか? お前はアホか?」ごもっともである。でも、そう表現する以外に方法がないのである。理由はこれからじっくりと説明していこう。そうすれば理解してもらえるはずだ。具体的な事例を紹介しよう。私自身のことだ。私は「ビジネス・ラビリンス」に迷い込んでしまった。瀕死の状態で抜け出ることができたが、そのおかげで死にそうな目に遭ったのだ。まず一つ目の「ビジネス・ラビリンス」は、専門家という権威である。MBA。格好良い。響きもいい。紺色のパリッとしたスーツを着て、センスの良いネクタイを着けて、カツカツと足音を立てて颯爽と闊歩する・・・。超大企業の中で彼らはビジネス戦略を立案する。金額は億単位。そして巨大企業同士で包括業務提携。トップ二人が握手をする。株価は上昇。確かに業績も伸びていたりする。「やっぱ、MBAってすげーや」って思う。でも、彼らが実際にゼロからスタートして経営者になると、なぜだか失敗することが多い。日本にも似たような権威がある。中小企業診断士という経営コンサルタントの資格である。私は、中小企業診断士という資格に合格して初めて知ったのだ。それを取得した先輩コンサルタントから、驚愕のダジャレを聞いてしまった。先輩「足の裏についた米粒と一緒だな。 つまり、『取っても食えない』ってことだよ。 足の裏についた米粒を拾っても、汚くて食べられないでしょ? それと一緒で、診断士の資格なんて取っても、それでは 生計を立てるだけの収入は得られないってわけだ。 つまり食っていけないってこと。 うまい! ぷっ、わっはっは!」私「なるほどね・・・ははは・・・」アホである。「わっはっは」どころの騒ぎではない。そんなことをダジャレにしてどうする。しかも中途半端に面白くないのが最悪である。私は、勉強しさえすれば、何でも賢くなるものだと信じていた。だからこそ必死で資格を取得して安心して独立したのである。ところが、権威とか専門家とか言われている人々は、経営して成功するかどうかとはまったく関係がなかったのである。その勉強に費やした2年間って・・・。もうショックで何が何だか分からない。私はガイドラインを失った。何がウソで、何が本当なのか?どうすればいいのだ・・・。勉強していないから倒産するんじゃないのか?権威と呼ばれる知識を持ってれば、成功する可能性は高くなるんじゃなかったのか?私が抱いていたイメージが、もろくも崩れていく。現実には違ったのだ。自分でビジネスを経営してみて、やっとその間違いに気付いても遅いのだ。まるで私は、「アホはお前じゃ!」と言われたようなものだ。勉強していないから倒産するのではない。権威と呼ぱれる知識を持っていれぱ成功するわけでもない。結局、振り出しに戻ってしまったのである。自分が「ビジネス・ラビリンス」に迷い込んだのに気付いたのはその時だったのだ。さらに、コンサルタントになって以来、ビジネスを冷静に見つめることが可能になってくると、もっといろんなことが分かる。よく調べてみると、「ビジネス・ラビリンス」は、この2つだけではないのだ。まだまだいくつもあったのである。ラビリンスを越えたところにある私の実践法をお話しする前に、まずは、そのラビリンスを渡り歩くための地図をあなたにお渡ししよう。(『会社を成長させるために絶対に必要なこと』佐藤昌弘著より)
2004.09.12
第一のトルネード 世の中、アホばっかりである■勉強家ほど危険です!あなたは、会社を経営している社長なのか?それとも、これから経営者になろうと志している起業家予備軍だろうか?いずれにしても、この本を手にしているということは、極めて勉強家であることは間違いない。だからこそ気をつけて欲しいことがある。実は、そうした勉強家であればあるほど、私と同じ過ちを犯す可能性が高いのだ。具体的にお話ししよう。1998年のあの出来事が起こるまで、私は、『世の中、アホばっかりだ!』と思っていたのだ。ところが、その一年後、アホは私であることが判明する。同時に、もうダメかと思うほどの危機を迎えることになった。■世の中、アホばっかりだと誤解しがちな理由 その1次の統計結果をご覧頂きたい。私はこれを見たとき、『世の中って、アホばっかりなのでは・・・?』と、つい誤解をしてしまったのである。それは、こうした統計結果だった。『30歳の100人が、せーので独立開業して自分の会社を興したとする。その10年後は、当然全員40歳になっている。しかし、90人は倒産している』というのだ。経済産業省の統計によれば次の通りである。毎年開業する人が100人いれば、1年目に30%は倒産するという統計結果が出ている。これは、開業する年度が違っても、ほとんど数字は変わらない。つまり、開業して1年目を乗り切れるかどうかは、景気が良い年に創業しても30%は倒産するし、景気が悪くても30%は倒産するというわけだ。さらに問題は、2年目以降だ。やはり2年目でさらに15%が倒産する。つまり、開業して2年を過ぎると、100社のうち45人は消えていくのである。3年目には約5~10人がさらに消えていく。4年目以降も、消えていく人の確率はなくならない。毎年5人ずつが消えていくのである。つまり、100社が開業すれば、1年目で70社に減る。2年目で55社に減る。3年目には45社に減る。4年目には40社、5年目には35社。こうして10年目には、10社だけしか残らないのである。30歳で100人が会社を始めても、40歳の時には90人がいなくなっているわけだ。どうやら本当らしい。しかもこの数字、ここ20年間ほとんど変化をしていない。数え切れないほどの経営ノウハウや、情報が豊富に提供されているにもかかわらずである。こんな統計結果が、探してみると実際にあるのだ。また、あるコンサルタントは、現実はさらに厳しいと言う。新たに会社を興した人が100人いれば、とりあえず何とか食べていける程度になれる人は、そのうちの10人だと言うのだ。そして残りの90人は倒産する。それだけではない。さらに、食べていけるだけでなく、成功と言われる程度までいく人は、たったの1人だけだと言うのだ。つまり、会社を興した人が100人いれば、90人は失敗し、9人はとりあえず食べていける程度。そしてたったの1人が成功者になるという。普通は、こうした話を聞くと、みな同じ反応を示す。「なるほど、やっぱり経営者になるのは、ハイリスクだなあ・・・」しかし、冷静に考えてみると変なのである。経営ノウハウが氾濫しているのにどうして?勉強家の私にとっては理解不可能だったのである。最終的に私が出した結論。それは、「90人は勉強しないのだ。アホな90人が倒産しているに過ぎない。これはチャンスだ!」というものだった。まったく、「知らぬが仏」とはこのことである。自分に都合の良いように考えるポジティブさも、ここまでくると笑ってしまう。自信過剰にもホドがあるというものだ。何を隠そう、私はその当時、自分が勉強しているノウハウが役に立たないものであるとは思いもしていなかった。だから、ただ単に勉強不足の輩が、自業自得でいなくなっているだけだと思ったのである。しかし、ずいぶんと後になってから、しかも自分で会社を興してから、『もしかして、私がアホなのか・・・』と疑わざるを得ない状況に追い込まれることになる。そうなってからでは時すでに遅しなのだ。結果、お恥ずかしい話ではあるが、私は独立して早々に求人情報誌を買って再就職先を探すところまで追い詰められたのである。■世の中、アホぱっかりだと誤解しがちな理由 その2私が誤解してしまった理由は、実を言うともう一つ重なっている。またもや勉強家なのが逆に命取りになったのだ。ズバリ、専門家・権威というイメージにだまされてしまったのである。MBAを取得したエリートが外資系企業で活躍する。テレビに出てくるコメンテーターとかでもMBAだったりする。彼らは何を質問されてもシャープに答えている。「きっとヤツらはすごいんだろう・・・」そう思った。MBAに似たものとして、中小企業診断士という国家資格があるのをご存じだろうか?通信教育でも盛んに資格の評価の高さをアピールしている。診断士の資格を持っていると転職にも有利だと書いてある。なぜなら、試験が難しいからだ。相当勉強しないと合格できない難関な試験である。だからこそ、そうした資格を持っていると専門家と呼ばれるのだろう。言ってみれば経営指導の専門家になれるわけである。「診断士の勉強をすれば、経営者になるのに有利になるはず!」私は必死で勉強した。2年の勉強を経て見事合格。合格通知を手にした私の心の中には、ある言葉が響き渡る。『わっはっは!・・・これで世の中は、私よりもアホばっかりだ』■世の中の答えは「アホはお前じゃ!」1年後、アホは私だということが判明。私は、経営者として地べたを這いつくばっていた。そりゃあもう、ひどい目に遭った。こうした経験は、私だけではないはずだ。ほとんどの経営者が、同じようなことを経験しているはずである。中小企業診断士のテキストに書いてある通りにいろいろと考えて、実践しようとしても何だかカラ回りする。難しい経営書に書いてあることを実践しようとしても、具体的にどうしたらいいのかサッパリ分からない。ビジネス雑誌で読んだことを応用しようとしても、うまくいかない。実を言うと、このカラ回りが『ビジネス・ラビリンス(迷宮)』なのである。私はこの迷宮に迷い込んでしまっただけなのだ。「ビジネス・ラビリンス」には悪魔が潜んでいる。その悪魔は、何も知らない勉強家の経営者が迷い込んでくるのを待っているのだ。目に見えず謎に包まれ、何が何だか分からずに、迷路みたいに迷わせてしまう。しかも悪いことに、自分が迷っていることさえ気付かせない。気付いたときには、食糧がなくなり、疲れ果てて、歩くのさえ困難になってしまう。倒産である。誰にも知られることなく経営者を餌食にしていく。そんな悪魔が住んでいるのが「ビジネス・ラビリンス」なのである。その「ビジネス・ラビリンス」の正体はいったい何なのか?まずはその正体を詳しく説明していこう。(『会社を成長させるために絶対に必要なこと』佐藤昌弘著より)
2004.09.11
セミナーに参加すると、講師の中に「儲けとは信者を作ることです」と説明する人が必ずいます。きっとあなたも、これまでこの説明を何回となく聞いたことがあるはずです。確かに信者を多く作ると、お客自身が商品を買ってくれるばかりか紹介も多くなるので、売上げが上がって「儲け」が多くなるというわけです。ではどうすれば信者が多くなるでしょうか?それは「儲け」の字をもう一つ分解するとハッキリします。それは「人」に「言」葉を多くかける「者」が、「信者」を作るということになります。その言葉とは会話を中心に、FAXコミ、電子メールコミ、携帯メールコミ、はがきコミがありますから、これらのコミをより多く投入していけば信者客が多くなります。とりわけ商品の注文があった時や銀行振り込みがあった時は、お礼のFAXをはじめとしてお礼のはがきや電子メールによる「感謝コミ」が欠かせません。経営で本当に価値がある仕事はお客活動の仕事だけですから、もともと経営力が弱い会社が多い30人以下の会社ではお客活動にしっかりと取り組み、コミの投入量を一段と多くしなければ明日がないのです。ところがセミナーなどでこう説明すると「そうすればいいだろうが忙しくてできない」とか「わかってはいるがその余裕がない」と、できない理由をいくつも並べる人がいます。中にはできない理由を何百回も説明しているらしく、できない理由をとても上手に説明する人がいます。多数の競争相手がいる中で、できない理由ばかり言っていたのでは、お客が少なくなってジリ貧になり、倒産するのはハッキリしています。こうならないためには、まず頭のスイッチを「プラス側」に入れます。そして「できるはずだ、やれるはずだ」という結論を先に出します。そのあと、140億個の脳細胞を総動員してできる方法を考えるのです。できる方法をいくつか思いついたら、その中で良さそうなものから試しに実行してみます。それも10日とか20日という短い期間ではなく、最低でも3ヶ月ぐらいは必要になるでしょう。それでもうまくいかない時は、再び「できるはずだ、やれるはずだ」という結論を先に出したあと、140億個の脳細胞を使ってできる方法を考え出します。それとともに、感謝コミや定期コミを出している人を探して訪ねていき、実行の仕方や仕組みの作り方をはじめとして、実行した後の成果についても教えてもらいます。こうした研究と試行錯誤を何回となく繰り返しながら経営を進めていると、あなたの会社に合った、とても良い方法が見つかることがあります。バブル経済がはじけた後、厳しい経営環境が続いていることから、多くの人は消極的になっています。しかし死ぬほど景気のことを考えても、どうすることもできないのですから、景気の話には一切関心を示さず、この本で説明したようにお客と接触するところの改善に特別力を入れるとともに、感謝コミと定期コミの実行に全力を投じてください。こうしたことを1年間実行すると、あなたの会社に対するお客の評判が必ず良くなってお客の流出率が今までよりも少なくなってきます。それを確かめたら、今までのやり方にもう一つ改善を加えながら、2年間続けてください。こうするとお客の評判が一段と良くなって、お客の紹介が多くなるばかりか、同業者からも注目される会社になるはずです。こうした状態をさらにもう何年か続けると、やがて銀行から「借り渋り」ができるような立派な会社になるでしょう。ここまで読み進んでこられたあなたの会社が、立派な会社になりますよう、福岡の地から祈っています。 (終) 小さな会社は「1通の感謝コミ」で儲けなさい ~まごころを伝えるはがき、FAX、メールの総活用法~ 竹田陽一著より
2004.09.10
◆定期コミが実行できれぱ次のステップへここまで、お客の流出を少なくする、お客活動の方法について説明してきました。これらがきちんと実行できるようになった後で、お客の思っていること以上の何かを実行することになるのです。例えば得意先の社長と会って話を聞いていた時、ある新製品開発をしていることがわかり、その後その新製品開発に関連して役に立つ記事が雑誌に載っていたとします。こういう時は、「○○を読んでいましたら新製品開発に関する記事が載っていました。既にご覧になっているかとは存じますが、念のためにコピーを同封します」と書いてコピーを送ると、これはお客から見るとお客が思っている以上の何かになるのです。別のお客と話していた時「持病の○○で困っている」ということを聞いたとします。それからしばらくして新聞にその特別の病気についての特集記事が載っていたら、そこを切り取り「既にご覧になったかとは思いますが、念のために記事を同封します」と一筆書いて送ることも、お客が思っていること以上の何かになります。つまりお客がこうしてもらいたいということを、報いを求めない心で実行することが最もレベルが高いお客活動になるのです。しかし実際にこうするにはお客の話を集中して聞くとともに、お客が何かうかぬ顔をしていたら、それを質問によって上手に聞き出す能力が必要になりますから、誰でもできるというわけではありません。それでもお客が思っていること以上の何かを実行すると、お客の信頼度が格段に高くなるとともに、紹介がグンと多くなるのですから、将来はこの実行へと進むべきです。しかしこれは一足飛びにできるものではありませんから、まずここまでに説明してきた順序に従って一つ一つ実行し、実力を高めてからにしてください。 小さな会社は「1通の感謝コミ」で儲けなさい ~まごころを伝えるはがき、FAX、メールの総活用法~ 竹田陽一著より
2004.09.09
◆竹田陽一(著者)は「はがきの力」で独立に成功●ヘタ字のための「電報はがき」を考案定期コミの最後は、私自身の体験談を紹介します。私は28歳の時、初めに就職した会社を辞めたのはいいのですが、あとの仕事がうまくいかず、2ヶ月ぐらい失業して経済的にひどく困りました。新聞の求人広告で企業調査会社に就職した後、ひととおり仕事の内容がわかったために、すぐ飛び込みで新規開拓を始めたのです。当時福岡に同じ仕事をしている人が230人ぐらいいたのですが、幸い誰も飛び込みで営業していませんでした。これが原因で売上げがグングン上がっていき、3年で社内の九州で1番に、5年後には日本で1番になれたのです。当時の売上高は社内平均の4倍半ぐらいでした。ちょうどそのとき、セミナーに参加したことがきっかけでランチェスター法則と出合いました。セミナーで聞いたり本で読んだ地域戦略を自分の仕事に応用したことで売上げが上がり、平均社員の5~6倍になりました。しかしその後は売上げが伸び悩みました。その原因は営業時間にありました。夕方6時を過ぎたら営業ができず、日曜や祝日も営業ができないからです。この時、どうすれば売上げを平均社員の10倍にすることができるかを何日も考え、いろんな本も読みました。その中に27歳の時に買った本で、フランク・ベトガーが書いた『私はどうして販売外交に成功したか』(ダイヤモンド社)に「もし自分が生まれ変わって生命保険のセールスをするとしたら、もっと手紙を出すだろう」という意味の文章がありました。そこで「よし。はがきを出そう」と決めました。ところがフランク・ベトガーの本にも他の本にも、どのような書き方をしたらいいかはもちろんのこと、どういう時にはがきを出したらいいかについて何も説明されてないのです。それに私はとても字がヘタで、全国ヘタ字連盟の福岡県の支部長が務まるぐらいですから、はがきを出すことにはかなり強い心の抵抗がありました。あれこれ考えていると、ふと日頃仕事で使っている「ます目型の原稿用紙」を少し縮小して、はがきの裏面全体に印刷したらいいのではないかと思いつきました。そこでさっそく知り合いの印刷会社に行き、事情を説明して原稿用紙風のはがきを作ってもらうことにしました。タイトルは郵便局が使っていた「電報」の原稿用紙にヒントを得て「電報はがき」というタイトルをつけました。「電報はがき」は、ます目の数が「98字」ですから、書くのに時間がかかりません。これはいいということで、飛び込みで面会した人や、問い合わせがあった人に出しました。字数が少ないので3~4分で1通のはがきが書けます。しかもます目に一字一字書かざるを得ないので、ヘタ字でもどうにか読めます。これは大当たりでとても人気が出、これによって新しいお客が何社もできました。しかしこれはお客と出会った時だけ出す「その都度メール」なので、出会うきっかけがない他のお客とは縁が薄くなります。そのころ私のお客は500社になっていましたから小口のお客になると1年に1回か2回訪問するのが精一杯で、油断するとお客から忘れられるようになります。事実私のお客の流出率は10%ほどになっていました。そこでお客から忘れられないようにするために、少なくとも3ヶ月に1回は、すべてのお客にはがきを出す必要があると思ったのです。しかし飛び込み営業と調査業務、さらに調査報告書を書く作業に追われて時間にゆとりがありません。●500通のはがきで売上げアップ!どうすればできるかについて考えていたある日、町内会の回覧板が回ってきました。それを見たら、隣の奥さんが、私に似た字を書いているのに気付きました。その奥さんには子供さんがなく、夫婦2人暮らしで時間に余裕があったのです。そこでこの奥さんに事情を説明し、協力をお願いしました。経済的には何不自由なかったのですが、私の話を聞いて安い費用で協力してくれることになりました。定期メールの裏側には、お客の仕事の役に立つものを印刷しておきます。例えばパクリ屋が暗躍し始めた時は「パクリ屋の見分け方15ヶ条」とか、工務店の倒産が多くなり出したら「危ない工務店の見分け方15ヶ条」という具合です。もちろんこうしたもの以外で「営業力の高め方13ヶ条」など、いくつも作りました。次に、会社の所在地と宛名を書く表面の下には3~4行の細線を引き、ここに3行ぐらいのメッセージを書くようにしていました。このはがきとお客の住所録を持っていって、この奥さんにメッセージ書きを含めて500枚書いてもらいます。そのあと私が切手をはってポストに入れるというわけです。はがきを出したあとお客と会ったりすると、「竹田さんはとても忙しいのに、一体いつはがきを書いているの」とよく聞かれたものです。その時、正直には言えないので、「休日に書いています」などと適当に説明していました。フランク・ベトガーの再度訪問式を自分流に直した飛び込み営業と地域戦略、それにこうしたはがきの力によって平均社員の7.7倍の売上げが上がりました。しかし45歳の時に会社を辞めて自分で経営を始めたことで、念願だった平均社員の10倍の売上げは達成しないままで終わりました。独立した後、特に親しくしていた社長の中から1000人の名簿を作り、3ヶ月に1回ずつ近況報告を書いたはがきを出していました。その結果1000人の方々の協力と紹介によって、3年間で和歌山県を除く全国を回り、合計で900回の講演ができました。1年間では300回です。営業マンを採用せずにこれだけの仕事ができたのは、はがきの力によるものだと思っています。 小さな会社は「1通の感謝コミ」で儲けなさい ~まごころを伝えるはがき、FAX、メールの総活用法~ 竹田陽一著より
2004.09.08
◆超楽しい手書きチラシで人気のお茶屋さん●ユニークな「ワクワクニュースレター」これまでいろんな定期コミを見てきましたが、こんなに楽しいものは初めてです。それは自称「徳ちゃん」こと高橋徳次さんが出している「ワクワクニュースレター」です。高橋徳次さんが本業としているお茶屋「菊屋茶舗」は文久元年(1861年)の創業といいますから、とても業歴が古い店です。高橋徳次さんは東京の学習院大学を卒業した後、仙台市のお茶屋で2年間修業し、実家にもどって家業を手伝い間もなく社長になりました。社長になった当時はスーパーの出店が多かったので、「スーパーにテナントとして出店すれば売上げも上がって利益も出るはず」と思って3ヶ所に出店しました。ところが売上げは思ったほど上がらないのに、店員の採用と教育に追われ、一段落したと思ったら店員が辞めるのでまた採用と教育に追われる、ということの繰り返し。忙しい割にさっぱり儲からなかったそうです。そこで思い切って、棚だけをスーパーに預けて委託販売に切り替えて実質上撤退し、経営は本店一店に絞りました。売上げはお茶が6割で茶道具が4割の構成になっています。本店の売上げを上げるためにどうしたらいいかを考えている時、「ご来店いただいた方々に楽しい手書きのメッセージを渡そう」と思いついたそうです。それには次のような理由がありました。●楽しく肩がこらない定期コミで売上げ増加!高橋さんはもともと絵が好きで、趣味で書道も手掛けていました。あるとき年賀状を出すため、はがきの裏に絵を描いて隙間に筆で文章を書き、これを何枚も書いて店の前で絵の具や墨を乾燥させていました。それを見た通行人の人が「これはとてもいい。売ってくれませんか」と言ったそうです。「いや、これは私の店のお客様に出すためのもので商品ではありません」と言って断ったところ、「なんとか売ってほしい」と頼まれ「それでは」と何枚か売ったそうです。それも1人2人ではなく、何人もいました。通りがかった人が、店先で乾燥させているはがきに魅かれるというぐらいの出来栄えですから、絵と書のウデは素人離れしています。こうした事情があり、A4版の大きさにとても楽しくてユニークな手書きのチラシというか、手書きのメッセージが完成しました。スタイルはどちらかというと相田みつをさんのによく似ています。これを毎月いくつか作り、店でお茶をお買い上げいただいた方に渡すとともに、会社用として毎月注文してくださる得意先にも配るようにしました。手書きチラシの人気が出るに従って売上げも上がり、遠方からもお茶の注文が来るようになったのです。そこで手書きチラシの枚数を多くし「ワクワクニュースレター」とタイトルをつけて、交流があった人に毎月500通近く出しています。内容や絵のスタイルから家庭の主婦にはとても人気があり、高橋さんのウデはますます冴えを見せています。絵や字が上手で、しかも客層はOLさんや家庭の主婦が中心になっていて、こういうお客に楽しく肩がこらない定期コミを出してみたいと考えている人には、とても参考になります。ワクワクニュースレターを見たい人は、120円切手2枚を同封し、「徳ちゃんのワクワクニュースレターを希望」と書いて郵便で請求すると、送ってくれます。 (有)菊屋茶舗 〒963-8001 福島県郡山市大町1-2-21 TEL 024-922-0514 小さな会社は「1通の感謝コミ」で儲けなさい ~まごころを伝えるはがき、FAX、メールの総活用法~ 竹田陽一著より
2004.09.07
◆お客ゼロから地元トップになった社労士●ニュースレター「鵜の目鷹の目」を毎月送付創業間もなくから、16年以上にわたって毎月定期コミを出し続けている人がいます。山形市の近くで社会保険労務士(社労士)の仕事をしている西塔秀幸さんです。初めは「事務所便り」というタイトルではがきを出していました。内容は中小企業の社長に対して、社会保険や労働基準法に関する大事なところをワンポイントの形で書いていました。はがきによる定期コミを3年ほど続けていましたが、徐々にスペースが足りなくなったので、FAX便りに切り替えました。初めはA44判1枚でしたが徐々に文章が多くなり、ページ数が2枚、3枚と多くなっていったのです。この状態が10年近く続いた時、経営コンサルタントの神田昌典先生が書いた本と出合いました。その本の中に「ニュースレター」が紹介されており、神田先生の会社で毎月発行されていたニュースレターも申し込みました。(現在は休刊)神田先生のニュースレターはとてもユニークでレベルも高かったことからこのニュースレターを参考に、これまでFAXで送信していた「事務所便り」のタイトルを「鵜の目鷹の目」というタイトルに変更し、ページ数も思い切って多くすることにしたのです。内容は読みやすく、とても人気があります。お客の流出を少なくするために始めた、はがきによる事務所便りも初めはほんの数通にすぎなかったのですが、お客が多くなるにつれて現在では500通近くになり、地元では異色の社労士さんとしてよく知られた存在になっています。こう説明すると、初めからうまくいったように思えるのですが、決してそうではありません。西塔さんは福岡県北九州市八幡区の出身で、地元の高校を出た後、山口大学に進学、卒業後東京の大手月販会杜に入社しました。配属された先は「社内監査部」でした。入社した先は従業員が多く出先も多かったことから、会社で決められているいろんな規定がきちんと守られているかどうか、これを定期的に訪問してチェックするという仕事です。社内では最も嫌われていました。チェックを進めていると、就業規則は作られているものの、社会保険に関するものや労働法に関するものが十分ではなく、うっかりすると内部告発の対象になりかねないことに気付きました。そこで担当の部に「きちんとしたものを作るように」と頼むのですが、「忙しい」とか「そんな暇はない」などと言って、いつまでも作ってくれません。そこで西塔さんはイチから勉強し、自分が作ることにしました。これがキッカケとなって、社会保険労務士の資格があることを知ったのでした。そうしている時、職場で知り合い結婚した奥さんの実家から「山形に帰ってくれないか」という依頼がありました。出身地の九州とは正反対方向であるために断っていたのですが何回も話があり、やむを得ず10年間勤めた東京の会社を辞めて山形に移りました。●独立以来の定期コミでお客が定着山形に移り、就職先を探しました。地元のある会社に入社したのですが、給料は前の会社の半分ぐらいになった上に、社長の経営ぶりを見てとてもなじめず別の会社に転職。転職した会社の社長の仕事ぶりを観察していたら、これもまた見どころがないのでまた転職。こういうことを何回か繰り返しているうちに「ヨシ。それなら自分で経営をしよう」と決心し、東京の会社で仕事をしていた時に知った社会保険労務士の試験を受けることにしました。1年間ぐらい本気で勉強して受験、1回目で見事に合格しました。こうして昭和62年(1987年)12月1日に独立し、めでたく開業できました。しかしすぐ、ちっともめでたくないことに気付きました。それは出身地が福岡県の八幡であるために山形には全く人脈がなく、しかも山形の社会保険労務士事務所に勤務していたわけでもないので、お客が「ゼロ」だったからです。しかも飛び込み営業の経験もないので、お客作りのやり方が全くわからないのです。悩みに悩んだ末、中小企業にダイレクトメールを出すことにしました。申し込み率はとても低かったのですが、ダイレクトメールを見た会社から問い合わせがあり、1社、2社とお客ができていきました。文章を直してはまたDMを出すということを続けたのです。それだけにお客のありがたさがわかり、毎月定期コミの事務所便りを出したのです。駆け引きがないまじめな性格からお客の紹介も多くなったことで仕事先は200社を上回り、今では職員さんも7人になるという、地元ナンバーワンの社会保険労務士事務所になっています。毎月出している「鵜の目鷹の目」のニュースレターを見たい方は、120円切手2枚を同封の上、「ニュースレター希望」と書いて郵便で送ると送ってくれます。 (有)あんしん 〒990-0406 山形県東村山郡中山町柳沢375の2 TEL 023-662-5465 小さな会社は「1通の感謝コミ」で儲けなさい ~まごころを伝えるはがき、FAX、メールの総活用法~ 竹田陽一著より
2004.09.06
◆20年間の定期コミで大繁盛の理容店●定期はがきで来店回数が増える広島の中心部で理容店「シンシア」を経営する山崎利洋社長は、20年近くはがきを使って定期コミを出しています。山崎社長と出会ったのは、大手食品総合メーカー味の素の広島支店の研修に呼ばれた時、支店長が「私が行っている理容店はとても繁盛していて人気があり、 毎月はがきが来ます。 一度見学に行ってみませんか」とすすめられたことが始まりです。その後すぐこの理容店を訪問し、はがきを出している事情を取材しました。まず店がきれいに掃除されていたのにビックリし、いすの数が多く、従業員さんもとても熱心で繁盛していました。山崎さんは二代目で、父が経営する理容店を昭和61年(1986年)に引き継ぎ、社長になりました。理容業は年末はとても忙しくて売上げが上がるものの、その反動で1月と2月の売上げが減少するので「3ヶ月間の損益」で考えると決していいとはいえないのです。こうした状態が社長になって以来何年も続いていました。どうすれば1月と2月の売上げを上げることができるか、何かいい方法はないかと何年も考えていたある日、「よし、お客にはがきを出してみよう」と考えたそうです。山崎さんは父から店を引き継いで以来、お客が希望するヘアースタイルを記入したカルテを作るとともに、カードも発行していましたから、お客の「住所、氏名、生年月日」などの情報はほぼ揃っていて、カルテはすでに2000人近くになっていました。その情報をもとに「プリントゴッコ」を使って印刷したはがきを準備し、毎月はがきを出すことにしました。内容は時侯の挨拶のほかに、「男性の場合は23日目ぐらいで散髪されると仕上がりが良いばかりか、 周囲の人のイメージもいいですよ」という意味の文章が書かれています。1ヶ月に1回散髪に来てくれると1年間に12回の来店になりますが、36日に1回だと1年間に10回の来店になり、40日に1回だと1年に9回の来店になってしまいます。つまり固定客の人数が同じであったとしても、1ヶ月に1回来てくれる場合と、36日に1回来てくれる場合とでは売上で2割もの差が出るのです。人件費をはじめとして家賃、電気代などの固定費は毎月同じですから、業績を良くするには1ヶ月に1回来店してもらうようにしなければなりません。●週休2日の人気店に成長理容店の場合、もう一つ改善すべきポイントがあります。それは店舗の立地にもよりますが、土曜、日曜、祝日はお客が多いためにお客は長く待たされるので、中には散髪をしないで帰ってしまう人が出るのです。これは大きな機会損失になります。これに対して平日の昼前はお客が少なく、雨が降ったり寒い北風が吹く日はお客がいよいよ少なくてガランとしています。もしお客の来店を平均化することができれば、お客は待たずに散髪してもらえるのでとても都合がいいばかりか、理容店側も落ち着いて仕事ができるので両者にとって都合がいいのです。平日のいつでも散髪ができる人は、退職した無職の人か「社長、専務、支店長」など、会社のトップに限られます。こういう地位にある人は考えることが仕事の中心になります。大事な仕事について考えているが良い知恵が出ない時は、場所を変えると意外に良い知恵が出ることがあります。それが三上といわれる、乗物に乗っている時、トイレに行っている時、寝ようとしている時です。4つ目があるとしたら散髪中ではないかと思います。そこで「仕事中に良い知恵が出ない時は、散髪に来られると良い知恵が出ます」というPRをすると、社長、専務、支店長など戦略を考える立場にある人は、平日の昼前やお客が混み合わない時に来てくれるようになります。平日に来てくれるお客が多くなると、そのお客は土曜日や日曜に来ないので、その分ほかのお客の散髪ができることから、1ヶ月間で計算すると売上げが上がるのです。人の力が中心で機械化が難しく、さらに固定費が高い業種では仕事のムラを少なくして平均化することがとても大きな経営課題になりますから、理容店の社長はこれらの研究に特別に力を入れなければなりません。山崎社長はこれらの経営課題を解決した後、さらに発展させ、なんと毎週日曜と月曜の2日間を定休日にしているのです。これだけの思い切った経営をするには、それなりの裏付けがなくてはなりません。それが顧客管理と完全予約制、それに最高レベルの技術の3つです。顧客管理のやり方は山崎社長がお客の情報をパソコンに入力し、毎月1回以上確実に来てくださる人、もう少し長くなる人など、お客を「4つ」に区分し、それぞれに合わせて定期コミを出し続けています。もちろん4つのはがきの内容は少しずつ違っています。美容室ではがきを出しているところは多いのですが、理容店で定期コミをきっちりと出している店は滅多にありません。たぶんあなたも、理容店から定期コミのはがきをもらったことはないはずです。中国地域きっての繁盛店だけあって、顧客管理には並々ならぬ力を入れています。店舗の清掃、技術、顧客対応のどれを取っても申し分ありません。読者の中で広島の中心部に行かれることがあったら、一度立ち寄ってみられるといいでしよう。 (有)シンシア 〒730-0043 広島県広島市中区富士見町5-14 TEL 082-241-3883 小さな会社は「1通の感謝コミ」で儲けなさい ~まごころを伝えるはがき、FAX、メールの総活用法~ 竹田陽一著より
2004.09.05
◆独自の定期コミで売上げ増加の設計事務所●毎月「ハロー通信」を郵送兵庫県姫路市に本社がある「村上建築設計室」の村上社長は、A4判という大判の厚紙によるめずらしい定期コミを毎月1500通出しています。クリームの色紙に緑と黒インクの2色刷りで、とても上品な仕上がりになっていることから、この郵便物が送られてくると、村上建築設計室からのものだと一目でわかります。この定期コミによってお客との人間関係が維持され、お客の流出が少なくなっています。これに、通信販売会社のカタログにも負けないような立派な「施工図・作図の基本事項集」を使った独自の営業をしていることで新規のお客が増え、長期にわたる建設不況のために売上げが低下している設計事務所が多い中にあって、逆に売上げ、利益とも毎月増えているのです。村上建築設計室は、ビルやマンションを建設する時に必要になる耐力計算や設計業務の仕事ではなく、着工した後、現場で職人が内装工事や外装工事をする時に必要になる、「施工図・作業図」の制作業務を中心にしています。こうした作業図書きの仕事を出してくれた建設会社の責任者に、A4判の「ハロー通信」を出して人間関係の維持につとめているのです。しかし最初からA4判という厚紙による定期コミを出していたのではなかったのです。1996年頃、建設不況が進行して深刻さが増す中、売上げが落ちないようにと、これまで仕事を受けていた工務店の社長や知人にはがきを出すことにし、仕事が一段落した後、一枚一枚手書きではがきを書いていきました。こうした作業を1年ぐらい続けていたのですが、数が多くなったので間に合わなくなりました。そこではがきに印刷して工務店の社長や知人に出すようにしました。はがきによる定期コミを続けていたところ、文章が長くなるとどうしても字が小さくなって読みにくくなります。そこではがきによる定期コミを3年ぐらい続けた後、A4版の紙を使ったレポート通信に切り替え、これをコピーして封筒で送ることにしました。しかしレポートにすると文章の量が多くなるために、やはり負担になり、一時中断のやむなきにいたったのです。●工夫を重ねてお客に評判何かいい方法はないかとあれこれ考えていたところ、ある本でヒントを見つけました。B5判かA4判の厚紙を使って、これに両面印刷し、厚紙に「直接宛名書き」をするとともに切手もはると、そのままポストに入れられるのでとても便利、と書いてあったのです。これだとレポートに比べると文章の量がグンと少なくなるばかりか、めずらしいので読んでもらえる率が高くなるだろうと考えました。ちょうどその時にリクルート社から、A4判の厚紙に印刷されたDMが送られてきたというのです。「これはいい」ということで早速このやり方を始めました。B5やA4の厚紙による定期コミは、切手だと送料が120円かかりますから、経費が気になるのですが、お客の評判がとても良く、一度仕事をさせてもらった会社から忘れられないようにするのに、とても役立っているそうです。村上建築設計室で出しているA4判の「ハロー通信」が欲しい人は「120円切手2枚」を同封の上、「ハロー通信を送ってください」と書いて郵送すると送ってくれます。 (株)村上建築設計室 〒670-0093 兵庫県姫路市南新在家1-1 TEL 0792-98-8828 小さな会社は「1通の感謝コミ」で儲けなさい ~まごころを伝えるはがき、FAX、メールの総活用法~ 竹田陽一著より
2004.09.04
◆定期コミを実行する仕組みを作れ定期コミが実行できない原因はいくつかあります。原因の1つ目は、社長自身が手や体を繰り返し的に動かす「戦術活動」の仕事に追われ、経営全体を総合的に考える「戦略の研究時間」が作れないことがあげられます。これが原因で社長は戦術には詳しいものの、戦略がとても弱くなります。経営の大事なところに対する目標の定め方まで含めた「広い意味での戦略」と、手や体を繰り返し的に動かす「戦術」のウエイトは「86%対14%」になりますから、86%のところが根本的に弱かったならば、どうにもならないのです。ここのところを詳しく知りたい方は、『小さな会社☆社長のルール』(フォレスト出版)をお読みください。原因の2つ目は、お客の名簿を作るために時間が使われてないことがあげられます。原因の3つ目は、定期コミを出す時間的な余裕がないことがあげられます。原因の4つ目は、社長自身が面倒くさがり屋だったり、決断力のなさがあげられます。これらの解決策としては、1ヶ月のうち2~3日を、経営戦略の研究と仕組み作りの日にします。そして1日当たり6時間を使います。平日は仕事に追われてできないならば、休日をこれに当てるべきです。こうすると1年間では24~36日になり、時間では144~216時間になります。5年間では120~180日になり、時間では720~1080時間になります。この時間を使って、まず身を入れて経営戦略を研究するとともに、次は名簿の整理をするなどの仕組み作りに取り組みます。こうすると、まず社長の経営戦略のウデが上がります。次にお客の名簿が整うとともに定期コミのやり方も次第にわかってきますから、それにつれてお客の流出率が減少することになります。とにかく経営規模が小さな会社は、業績が悪くなったとしても、政府はもちろん銀行も助けてくれませんから、小さな会社こそ、こうした取り組みが欠かせないのです。 小さな会社は「1通の感謝コミ」で儲けなさい ~まごころを伝えるはがき、FAX、メールの総活用法~ 竹田陽一著より
2004.09.03
◆定期コミで固定客の脱落を防げお客の名簿ができ始めたら、それを50音順か地域別に整理していきます。そして月に1回か2ヶ月に1回の割合で営業マンの代行をする「定期コミ」を出すことになります。では定期コミの出し方について説明していくことにしましょう。これらはそれぞれ特徴と欠点がありますから、一つだけに限定することなく、場合によってはいくつか組み合わせるといいでしょう。定期コミのツール(1) はがきはがきの内容は、お客の仕事に役に立ったり、お客個人が生活を進める上で参考になるもので、しかも自分の会社で販売している商品と関連があるものでなければなりません。実際にこうするには、それなりの研究が必要になります。発送する枚数が200枚以内の時は、面倒でも全部手書きにすべきです。仕事の都合で自分ができない時は、知人かアルバイトに書いてもらえばいいのです。200枚を超して手に負えなくなった時は、コピーしてもいいでしょう。もちろん発送する枚数が500枚を超す時は、印刷会杜に持ち込み、印刷してもらえばコピーより仕上がりが良くなります。コピーしたはがきや印刷したはがきをそのまま出せば、手数がかからないので、一見するととても便利なように思えます。しかし定期コミを出す目的は、お客と人間関係を良くして、お客から忘れられないようにするためです。それにもともと人間関係は「ローテク中のローテク」になるのですから、一定の手間をかけるべきです。実際のやり方としては、大事なところに「マーカーペン」でしるしを入れたり、余白のところに1~2行、個人あてのメッセージを手書きするなどすべきです。こうすると、たとえコピーされたものや印刷されたものであったとしても、お客の印象がグンと良くなりますから、お客から忘れられる率が低くなります。定期コミのツール(2) FAXお客が会社の場合はFAX番号が手に入りやすいですから、FAXによってメッセージを送ることができます。FAXはB5かA4サイズになります。はがきと比べると、スペースが何倍も広くなりますから、多くの文章が書けます。FAXは短時間に送信できますから、急ぎのお知らせがある時はとても便利です。それにFAXの機械によっては、何百社か記憶ができ、無人で送信できますからとても便利です。パソコンを利用すると、記憶の件数はいくらでもできるようになりますから、必要によって使い分けていけばいいでしょう。定期コミのツール(3) ミニ新聞、ミニレポート名簿の数が多くなったことで、手書きによるはがきやはがきのコピーでは対応できなくなったら、これを発展させてミニ新聞やミニレポートの発行が有効になります。ミニ新聞やミニレポートでA4判、1枚か両面に印刷すると結構多くの文章が書けます。それに適当にイラストを入れてまとめていくと、親しみのある印象を受けますから、読んでもらえる率が高くなります。文章の構成や内容は、当然自分の会社の商品を買ってくれる決定権者に焦点を当て、決定権者の仕事や生活に役立つようにまとめなければなりません。さらに間接的であっても、自社で販売している商品と何らかの関連を持たせるべきであるのはいうまでもありません。お客が会社で中小企業が中心の時は、社長が読者と考えます。そうすると記事の内容は経営戦略を中心に経営改善のヒントや、経営を進める際に必要となる情報が記事の中心になります。もちろん成功例や失敗例などもいいでしょう。お客が家庭の主婦の時は、家庭生活に直接関係があるものが好まれるでしょう。ちょっとした生活の知恵をはじめとして、健康、料理、旅行などが関心を引くはずです。自社で販売している商品に対するお客の感想文や体験談を、写真入りで載せるのもいい方法です。それ以外に関連する記事を載せると、参加型になって人気が出るでしょう。定期コミのツール(4) 電子メールインターネットの利用者が多くなっていることで、定期的に電子メールを送るケースが多くなっています。電子メールコミは経費がかからないのと送信のスピードがケタ違いに早いこと、それに一社一社、一人一人の個別対応もできますから、仕事の内容によっては専従者を置いても十分採算が取れるはずです。文章の内容は、やはりお客の役に立つとともに、自分の会社の経営とも関係しておかないと、やっていることがボケてしまします。お客の数が多くなったり、お客が広い範囲に分散している時は、メルマガの発行も有力な対策の一つになるはずです。記事の量がある程度あり、しかも発行日をきちんと守るのは結構負担になりますから、それだけの人の手当ても必要になります。定期コミのツール(5)携帯電話メール携帯電話の普及率がとても高くなり、しかも画面がきれいで見やすくなっていますから、お客に対してメッセージを送る用途が広がっています。特に若い世代には利用頻度が高くなっていますから、若い世代の商品やサービスを中心にしている会社では、欠かせないコミの伝達手段になってきました。 小さな会社は「1通の感謝コミ」で儲けなさい ~まごころを伝えるはがき、FAX、メールの総活用法~ 竹田陽一著より
2004.09.02
◆まず名簿作りから始めよはがき、FAX、電子メール、携帯メール、ミニ新聞を営業マンの代行係としてお客のところを訪問させるには、どこに訪問させればいいか訪問先をはっきり決めるために、名簿の作成が欠かせません。家具店、寝具店、家電製品店など配達を伴う業種をはじめとして、アフターサービスを必要とする業種では、お客の情報が自由に手に入ります。同じく生命保険、損害保険、自動車販売、自動車修理などの業種でも契約ができた時は、自動的にお客の住所・氏名がつかめます。しかしこれ以外の小売業の専門店や飲食店では、こちらから積極的に働きかけないとお客の名簿作りが難しくなります。これに対しては次の方法が有効になります。小売業の場合でお客が2~3度店に来られ、お客の様子から「名簿を作っておく必要があるな~」と思われたら、キャンペーンをしたり、「めずらしい商品が入った時はお知らせすることもありますから『念のために』おところを」と言って、厚紙に印刷したカードを渡します。お客が女性の場合は、やり方が上手であれば7割以上の率で協力が得られます。レストランや居酒屋などの飲食店でも、全く同じことができます。2~3度来店され、年齢や服装、それに会話などの様子から「社長か専務」など、会社のトップかな~と思われたら「新しいメニューができたり創立記念日のキャンペーンをする時にはお知らせしますから『念のためにお名刺を』」と言うと、半分以上の人が名刺をくれます。名刺には会社の所在地のほかに役職名、取扱商品が印刷されていることが多いですから、お客の情報収集にはとても有効です。業種や規模にもよりますが、会社の場合は会議の後で打ち上げをしたり食事会を開くことが必ず年に何回かありますから、社長や決定権者と人間関係を良くしておけば、その中の何割かに使ってもらえるようになるのです。もちろんお客が個人の時は、名刺を持っていなかったり勤め先を教えたがらない人もいます。こういう時は、厚紙に印刷したカードを渡し、同じように事情を説明して「念のためにおところを」と言えば、何割かの人が協力してくれます。お客の名刺をもらったりカードに住所を書いてもらう時「念のために」と言うと、どういうわけだか協カの度合いがとても高くなりますから、名簿作りに取り組まれる時はこうしてみてください。もう一ついい方法があります。それは11月と12月の下旬まで使える期間限定の方法です。それは、「いつもご来店頂きましてありがとうございます。 今、年賀状の準備をしています。 お名刺を頂けるといいのですが」と言うと、とても高い率で協力してくれます。もちろんこうした時は「年賀状を出します」と言ったことが不渡りにならないよう、きちんと実行しなければなりません。もし不渡りになれば、取引停止処分の厳しい罰を受けることになりますから、くれぐれも用心してください。どのような頼み方をするとお客の協力が得られやすくなるかは、当然業種によって違いがありますから、お客の名簿作りに関してはいろんな工夫をすべきです。もし名簿作りがとても上手という店舗があったら、訪ねて行ってコツを教えてもらうだけの熱心さも必要です。特に業歴が浅い店舗や立地条件が悪い店舗の場合は、お客の名簿を作ることがとても大事になりますから、より熱心に研究すべきです。こうして努力を続けていくと、小さな会社や小さな店舗であっても300人、500人、700人と名簿の数が多くなっていきます。業種にもよりますが、従業員1人当たり「150~300人」の名簿ができ、このお客にはがきや電子メールなどの営業マン代行係を定期的に訪問させていけぱ、固定客が多くなって売上げが安定して上がるようになります。これにチラシなどによって新しいお客を作っていけば、従業員1人当たりの粗利益が業界の平均より多くなりますから、経営がぐんとやりやすくなるのです。 小さな会社は「1通の感謝コミ」で儲けなさい ~まごころを伝えるはがき、FAX、メールの総活用法~ 竹田陽一著より
2004.09.01
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