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晩 秋 の 女
群れならぶ古民家の中を私は歩く
古民家の周囲は紅葉に染まって
晩秋の色濃きたたずまいである
雲ひとつない秋空に心は澄みわたる
古民家の群れの中を歩いていくと
いにしえ人を偲ぶ民具があった
ここにもあそこにも置かれていた
赤く錆びた鉄の色や風化した木の色が
まるで時代を超えた晩秋の色をみせて
何かを語るがごとく置かれていた
それを見たとき私の脳裏は混乱した
ずっとずっと私たちの歩いてきた道に
残してくれたものは民具であった
民具は私たちの先人達が作ったもの
それらによって成り立っていた時代
ゆっくりと歩け ゆっくりと見よ!!
民具はそう語りかけてくるようだ
私は涙もろくなりうろたえるばかりだ
先人たちの歴史と命が宿る民具を
見つめるたびに熱い思いに襲われ
私はその場に倒れそうになった
ああ~ 何という暮らしがあったのか
ひるがえって我々が歩いていく道に
いったい何が残せるであろうか
機械文明の中に埋没している今
これほど人の心を打つものは
きっと残せないだろうと思う
赤く錆びた鉄の色の民具がある
風化した木の色の民具がある
古民家の群れ並ぶ道を歩きながら
私の脳裏は再び混乱をきたした
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