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国会は閉会したが協議すら行われなかった問題があって、国会議員に毎月100万円支給される旧文通費の改革で、国会議員に毎月100万円が支給されるもので維新の党などが使い道の公開などを求めていたという。今の国会が始まる前には自民党の茂木幹事長は「国会改革の問題、目に見える成果があげられるように協力したいと。文通費の問題についても、議論を進めなければいけない」と語り見直しが進むかに見えていたが、今回の国会開催中には協議すら行われていなかったというのだ。日本維新の会 の遠藤敬 国対委員長は「協議すらしなかったということを問題視していると。後ろ向きの姿勢というのが国民にも伝わると思いますので」と語っているが、自民党では内部での議論もできなかったという。 歳費と別に支給される旧文通費は「調査研究」などを進めるための手当だが、使途報告の必要がなく秘書給与や飲食代に充てられる例もあるのが実態で、経費の精算では領収書を添付して使途を説明するという一般社会では当然のルールが旧文通費にはないのだ。日割り支給に改められたものの使途の制限・公開や未使用分の国庫返納が積み残しの課題となっていて、元大阪市長の松井一郎氏は国会議員に毎月100万円支給されている「調査研究広報滞在費」について「税金を納める側には厳しくチェック、税金を取る側はなんでもありって、納税者をバカにしすぎでしょ」と怒りをにじませ、「全国の納税者の皆さん、貴方の街の国会議員に『貴方は何故領収書公開しないの』って選挙の時に問いましょう」とも呼びかけていた。 見直しの検討が始まってからは2年近くもたつが、これまでに実現したのは名称を「調査研究広報滞在費」と変更したことと日割り支給に改められたことのみで、肝心の使途公開や未使用分の国庫返納は一向に実現しておらず、これは有権者に対する背信行為と言わざるを得ない。自民内ではそもそも旧文通費の使い道を縛ることに慎重論が強く、維新が4月の統一地方選で勢力を拡大したこともあり、次の衆院選に向けて維新を勢いづかせるのは得策ではないとの判断も働いたとみられている。今秋に予想される臨時国会では旧文通費改革を巡り自民に圧力が強まる可能性があるが、立民の岡田克也幹事長は記者会見で「旧文通費改革が実らないのは極めて残念だ」と強調し、しっかり実現する努力をしていきたいと語ったという。 少し前なのだがキャスターの辛坊治郎氏がパーソナリティを務めるラジオ番組に出演し、閉会日を迎えた通常国会で国会議員に月額100万円が支給される調査研究広報滞在費の使途公開や未使用分の国庫返納を義務付ける法改正が先送りされたことを巡り、「ふざけるな。いい加減にしろ。こんな重要な問題を放置しているようでは、国会議員は国民から支持を得られるはずがありません。次の選挙では、ひどい目に遭わせてやるぞ」と怒りをあわらにした。ジャーナリストの江川紹子氏も「自分たちがもらう月100万円の使途を明確にしましょうとかというこの程度の約束を守れない人たちが、もっと大きな約束である『新たな国民負担なしに3.5兆円の少子化対策』などを果たせるのでしょうか」と批判しているという。 議員の「第2の財布」には手をつけない自民党の姿勢に「国民には増税サクサク、議員宿舎は値下げ、用途不明でオッケーな文通費100万は議論すらしない。財源不足とかどの口が言うわけ、文通費も血税だぞ」とか、「国民には何かしらの増税を強いるのに自分たちには甘々だな」と批判が殺到している。防衛費増額のための増税だけでなく少子化対策のための社会保険料の負担増が取りざたされているが、旧文通費の支給総額は衆院55億8000万円の参院29億4000万円とされ、議員の「第2の財布」に手をつけず負担増を押しつけられて国民が納得するはずがないという。一方で改革に後ろ向きの与党の姿勢が鮮明になったことは、次期衆院選に向けて与党との差異をアピールする上で野党にとって有利な材料ともいえるという。
2023年06月30日
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日本人は貧しくなっていて「国民生活基礎調査」によると1985年の世帯当たりの所得は493万円だが、それが1994年には664万円にまで増えたのにそれ以降ほぼ一貫して世帯収入は下がり続けていて、当然ながら生活は苦しくなっている。「国民生活基礎調査」によると世帯の生活意識について1992年には57%の人が「普通」と答えていたが、今では「普通」は34%に減る一方で「生活はやや苦しい」・「大変苦しい」と答えた世帯は62.4%だったという。特に負担感が強いのは子育て世代で「国民生活基礎調査」によると「児童のいる世帯」は「やや苦しい」・「大変苦しい」の合計で67.4%となっていて、全世帯より5ポイントも高かったが「高齢者世帯」は58.8%で3ポイント以上も低く高齢者世帯の所得推移はこれを裏付けるという。 この30年で全世帯が2割近く所得を減らすなかで高齢者世帯の所得は300万円台で推移しているそうなのだが、この源泉は年金で高齢者世帯の56.7%が収入のすべてを年金に頼っていることがわかるという。そして「いつまでも若々しくありたい」とか「生涯、元気で人生を楽しみたい」と願っている高齢者は、ただ長生きすることではなく好きなものを食べ楽しいことをして過ごす時間を長くすることだという。80歳や90歳になっても年齢を感じさせない元気な人は近年急速に増えているそうで、30年以上高齢者専門の精神科医を本業として6000人以上の高齢者に接してきている医師によると、近年は「人生100年時代」を明るく前向きに楽しみたいという新たなうねりや力のようなものを感じるというのだ。 現代の高齢者は一般にイメージされるよりずっとずっと元気で活動的で、私が主催しているウォーキングのグループでも私よりも年上の高齢者が元気に活動している。少なくとも60代や70代の大半は身体機能も認知機能も若い世代と比べてもほとんど遜色はないそうで、個人差は大きいもののほかの世代に比べてお金に余裕がある人も多いようだという。現役時代はバブル時期もあって日本経済が今よりずっと強かったからなのだろうか、約2000兆円に上る日本の個人金融資産のうち7割を60歳以上がもっているとされている。日本が経済力で世界を席巻していた時代を支えてきたわけなのだから相応のお金を蓄えていて、日本の高齢者はいろいろな意味でむしろ「最強の世代」と呼べる存在ではないかということのようなのだ。 それなのに「高齢者はお金を使わない」と不況の元凶のように言われているそうで、例えば1992年当時は約6割の生活意識は「普通」だったそうで、これがいわゆる「一億総中流」という日本独特の生活意識だったという。ところが今は「普通」と答える人は34.0%に減り62.4%の人が「生活は苦しい」と回答していて、ゆとりのある生活を送れている人はわずか3.6%で日本人はどんどん貧しくなっているというのだ。そして「長生きしないから大丈夫」は通じないそうで、国の簡易生命表によれば男性の4割女性の7割が85歳まで生きるという。この「長い老後」においてゆとりを確保できるのは現実を直視できた人だけだそうで、そして。増え続ける高齢者のパワーこそが閉塞状態にある日本経済を救う原動力になると考えられている。 そしてお金を使うと人は元気になるそうだが、それは高齢者も例外ではないそうで、意欲をもって積極的に行動するだけでなく、何かを面白がって前向きに楽しもうとすることで心とからだの老化のスピードが抑えられるという。高齢になったらもっと自分らしく好きに生きて、これこそ高齢者が長く元気でいるためのシンプルな秘訣だというつまり。わがままなくらいでちょうどいいと思っていいそうで、日本社会にとって元気な高齢者がお金を使うことは経済が活性化するばかりか医療費や介護費が必要になる時期を遅らせることにつながるそうなのだ。それには現在高齢期を迎えている人やこれから高齢期を迎える人が、自分たちの力を信じてそれをしっかり世の中に投影していくことも必要だとアドバイスしている。
2023年06月29日
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ニューヨーク外国為替市場で対ドルの円相場は1ドルが144円台に下落し、昨年11月以来7か月半ぶりの安値となったという。米連邦準備制度理事会がインフレ抑制に向けさらなる金融引き締めに乗り出すとの観測が強まっているという。注目され米連邦準備制度理事会のパウエル議長による議会証言では「年内さらに2回の利上げが必要になる可能性がある」と指摘しているそうで、これを受け金融政策を反映する米2年債利回りは一時4.8%程度まで上昇したそうなのだ。日本との金利差が拡大するとの見方から運用に有利なドルを買って円を売る動きが優勢となっているが、今年初めは1ドルが130円前後だったのに5月下旬には140円台に下落しており、市場では政府・日銀による為替介入への警戒も高まっているという。 こうした米ドル高・円安と金利のかい離が継続するのかあくまで一時的なものに過ぎないかは注視する必要がありそうで、そうはいうのも急ピッチで米ドル高・円安が進むなかで短期的に「行き過ぎ」の可能性を示すシグナルも出てきたという。たとえば米商品先物取引委員会の統計の投機筋の円ポジションは10万枚以上と高水準の売り越しが続いており、円には「売られ過ぎ」の懸念があるという。鈴木俊一財務相は外国為替市場で円安ドル高が進んでいることについて「最近は急速で一方的な動きもみられる。行き過ぎた動きに対し、適切に対応する」と述べたそうなのだが、「引き続き為替動向については注目している」とのコメントを繰り返していたこれまでの発言よりやや踏み込んだ内容で市場を牽制したという。 円安物価高は国債債務の減少につながるということで、要は借金している国や企業はその恩恵を受けることになる。その反面輸入企業や多くの国民は物価高で賃金上昇しない状況では可処分所得の減少が進み多くの国民が貧しくなるという。ただし昨年の円安と最近の円安の違いのひとつに株価の動向があるという。昨年の円安が広がるなかで株価は下落し「悪い円安」といった不満が強まりそれが円安阻止介入のきっかけのひとつになったというが、最近は円安が広がるなかでも株価は上昇傾向が続いており、今回はインフレ進行中の円安ということでアベノミクス円安との違いはあるものの基本的に株高局面では円安への不満も目立たず、政府や日銀の円安阻止が遅れる可能性があるという。 今回の米ドル高・円安は購買力平価との関係でみてもかなり記録的なものであり、その意味ではデメリットも小さくないとされていて、政府観光局の発表によると今年の1月から5月のインバウンドに対してアウトバウンドは3分の1程度にとどまっているそうなのだ。これはコロナ前の3分の2程度だったことに比べるとアウトバウンドの鈍さを示しているという。購買力平価と実勢レートのかい離からインバウンド客はかつてないほど国内消費が有利になっているのに対し、アウトバウンドではかつてないほど国外消費が不利になっている。再び円安基調が強まっていて、日本の物価高を長期化させる可能性が出てきており、このように行き過ぎた円安のデメリットも考えるといつまでも円安を放置できるということではないという。 そして今年度後半に消費者物価指数上昇率が鈍化して2%を割り込むという日銀のシナリオとは別の展開になりそうだとわかった場合、政府が電気・ガス料金の支援策を延長し日銀に手を差し伸べるかどうかが注目されるという。植田総裁の会見では物価に関し「下がり方が想定よりやや遅い感じがする」と述べつつ、「企業の価格設定や賃金引き上げの影響を含め、極めて不確実性が高い状況にあり、物価安定の目標の持続的・安定的な達成には、なお時間がかかる」と指摘しており、現在の超緩和的な政策をしばらく維持している姿勢を強くにじませているという。1ドル150円に接近するような円安進展となった場合に物価押し上げ効果の増大に対する世論の批判が、日銀の政策修正への圧力になる可能性がありそうだという。
2023年06月28日
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物価上昇が止まらない模様で、総務省が発表した5月の消費者物価指数は、値動きの大きい生鮮食品を除いた総合コア指数が104.8となり、前年同月比で3.2%上昇しこれで21か月連続の上昇だという。多くの報道をまとめると総合指数の3.2%増は市場予測の3.1%増を上回り、日本銀行の物価目標である「2%」を上回る高止まり状況が続いているという。生鮮食品とエネルギーを除く総合指数は4.3%上昇しプラス幅が前月から0.2ポイント拡大しており、第2次石油危機の影響で物価が高騰した1981年6月の4.5%以来の、41年11か月ぶりの高い上昇率となったそうで、品目別では生鮮食品を除く食料が9.2%プラスとなっており、これは1975年10月以来の47年7か月ぶりの上昇幅となっているという。 食料品は節約志向の高まりから買い控えは続いているものの店頭価格が上昇しており、原材料価格や物流コストの上昇でタマゴ35.6%だけでなく、鮭23.7%・ハンバーガー17.1%・炭酸飲料17.1%。チョコレート14.4%・ヨーグルトが11.3%増といった案配となっているという。通信費では携帯電話機が20.6%だし、日用品では洗濯用洗剤19.9%増が目立つという。宿泊料が9.2%上昇しているが、新型コロナが収まりインバウンド需要が増えてホテル・旅館代が上昇したためだという。夏物ジャケットなどが伸びて衣料品は0・2%増だし化粧品などが好調だったという。ただしエネルギーが政府の補助金や燃料価格の下落によりマイナス8・2%となり、下落率は4月から拡大していてこのうち電気代はマイナス17・1%と大幅に下落したという。 日本フードサービス協会が発表した5月の外食売上高は前年同月比11・8%増となり18か月連続で前年同月を上回っているが、新型コロナウイルスの感染病法上の位置づけが「5類」となったこともあり、外食需要や訪日外国人による消費が伸びたという。売上高は7・6%増とコロナ過前の水準を上回っている。業態別ではファストフードが値上げに伴う客単価の改善や大型連休中に商業施設内の店舗が好調だったことを受け前年同月比10・4%増だし、ファミリーレストランも客数と客単価がいずれも伸長し12%増だったという。パブ・居酒屋は団体客による宴会需要が回復し始め22・5%増と伸びてはいるが、コロナ禍前に比べ店舗数が大幅に減少していることもあってコロナ過前の66・3%の水準にとどまっているという。 こうした状況をエコノミストはどう見ているのかだが、大手新聞社の「消費者物価、5月3.2%上昇 食品や宿泊が伸び高止まり」という記事に、慶應義塾大学総合政策学部の白井さゆり教授は「インフレ率は光熱水道料金が下落したため低下しましたが、食料品の価格転嫁は続いています。食料品価格がインフレの7割以上の原因で、これに外食の1割近い割合を加えると8割程度が食料品関連です。消費者の実質所得に打撃を及ぼす形となっており、実際、食料関連の実質消費は減少が続いています。家計の節約志向は明白で、現在のインフレが日銀も指摘するように『コストプッシュ』と呼ばれる原材料費などのコスト増で物価が上昇することであるのは間違いないでしょう」と説明している。 「消費者物価指数の伸びは、6月に再び拡大する可能性が高い」と指摘するのは第一生命経済研究所の新家義貴氏で、「消費者物価指数も再エネ賦課金引き下げでコアは鈍化も、コアコアはさらに上昇率拡大」としており、消費者物価指数を示しながら6月に再び拡大する理由について説明し、物価上昇が落ち着くにはまだ時間がかかりそうだという。日本労働組合総連合会が集計した定期昇給相当込みの賃上げ率は加重平均で3.66%と物価高騰に追い付いていないことから、日本チェーンストア協会の増田充男執行理事は「食料品は伸びているものの、牛肉から比較的安価な豚肉や鶏肉などへの切り替えがある。収入が上がらなければ買い控えは続くだろう」などと節約志向の高まりについて懸念を示しているという。
2023年06月27日
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持ち家が「高くて買えない」と考える理由に住宅ローンの限度額があるのだが、年収の8~10倍の住宅ローンを借りることができ、借りることができるとは、行が貸しても返してもらえることが確実だと思っているという意味ことで、それは過去の統計に基づくので返済が大変なのではと心配する必要はないという。まずは自分が買える金額はいくらかを年収の10倍以上の物件を添えて仮審査することから始めなければ「買えない」と言っていても始まらないが、「家を買うか、借りるか」の問題では住宅ローンの返済が35年で終わるのに対して、余命は60年ほどあると単純に1.7倍の生涯住居費の差が出る。このため買った方がいいのはどの時代でも変わらず、日本の85歳以上世帯の持ち家率は85.2%で都市部でさえ75.4%もあるのだという。相当安い社宅等に長年住めるのなら別なのだが、賃貸では大損になるので家は買うしかないのだと心得ようとされているが、これは国が持ち家促進政策を取っていて競争を導入して金利を下げこれでもかと減税している結果に他ならないという。もっとも購入するのに新築にこだわる必要はなく、築1年経過したらすべての新築は中古扱いになるし、中古でも内装をリフォームすれば新築同様の見た目にすることはできるからだという。コロナ禍に持ち家を探す人が増えたことや資材の高騰等もあって新築が適正な価格より平均8%ほど高くなっており、新築・中古の適正価格を算出して適正価格は中古の成約価格をベースに算出しているため、それが当てになるのは自分の買った家がいくらで売れるかの判断基準だからだという。 購入時の注意は周辺の中古売出し価格を調べることで分かるそうで、表示価格の1割引が成約する価格の目安になるので、築年に応じてその付近まで価格が落ちると覚悟した方がいいそうで、下落幅がローンの元本の減り方よりも大きければ含み損を抱えることになるので購入リスクが高いと認識しなければならないという。それでも現在は超低金利の現在はそのリスクがかなり低いとされていて、現在の住宅ローン金利は0.4%程度でかなり低くなっており、この程度の金利だと年間の元本返済額は借入総額の2.7%ほどになるという。首都圏の平均下落率は2.0%だということなのだが、半数以上の人が物件価格と同額を住宅ローンで借りているので、この2.7%よりも物件の年間下落率が低ければ安心だという。 ファミリー世帯の流入によって新築マンション価格が値上がりしている今は買い時で、なぜなら今年の4月に日銀の総裁が代わったが金融緩和を当面継続することを表明しており、金融緩和されているうちは資金が担保の取れる不動産に流れやすくなるので借入しやすい分だけ資産はインフレすることになるからだという。これは金融緩和されている際には必ず起こっている現象で、日銀が言う金融緩和の検証作業は2年程度かかる見込みなので、そうなると今から2年後まで金融緩和が続く可能性が高いという。その時点でデベロッパーが買ったマンション用地はそのさらに2年後に新築として売り出されることになるが、つまり4年先まで2割程度値上がり期待がある状況なので持ち家を買っても損はしにくい時期にあるというのだ。 どのエリアを選ぶにしてもマンションを購入したらその立地から都心には戻れないと考えた方がいいそうで、住み替えをするにしても相場が上昇して自分の住んでいるマンションが高く売れてもどこでも値上がりしているので都心に近づけないという。もしそれをしたいなら子どもたちが巣立ち、婦2人になった時で、面積を70平方メートルから50平方メートルとかにダウンサイジングすると含み益がキャッシュに変わるという。物件価格が平均近くに値上がりしていると、元本を返済している分も含めると含み益がでるが今は99%の方が含み益を出しているという。自宅で資産形成して老後資金を作り出すことは大都市圏に住む誰もが実現可能な状況で、自宅の資産性は学習した分だけ結果を出すことができるようになっているという。
2023年06月26日
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うんざりするといった表情で「大学受験では、志願者の半数近くが不合格となり、大学卒業の頃は就職氷河期で、就職難民があふれました。就職できたとしても、給料は思うように上がらない時期が続きました。そんな私たち世代を、今度は『2040年問題』が待ち受けているのです。死ぬまで試練ばかりなのでしょうか」と語るのは東京都在住の50代会社員だが、彼の言う「私たち世代」とは団塊ジュニア世代を指し、1971~74年の第2次ベビーブームに生まれた約980万人の人たちなのだ。日本の総人口の8%近くを占めていて、その団塊ジュニアの全員が65歳以上になるのが2040年で、高齢者人口がピークを迎え年金や医療費など社会保障費が増大する一方で、労働人口は激減して政府財政を圧迫するのが「2040年問題」だという。 日本で少子高齢化が進んでいることは誰もが知っている事実なのだが、少子高齢化が進んでいくことで実際に自分にどのような影響があるのか理解していない人も多いとされており、実は少子高齢化問題は2040年に特に深刻になるといわれており、現在とは生活が大きく変わる可能性があるという。2040年といえば現在30歳の人は50歳前だし現在20歳の人は40歳になる寸前というようにそれほど遠い未来ではなく、私も平均寿命を超えてしまう年になる時期でとなっている。その2040年になると1971年~1974年の第二次ベビーブームに生まれた「団塊ジュニア世代」が65歳〜70歳となり、少子高齢化が進展し65歳以上の高齢者の人口がピークになることで起こりうる問題を総称して「2040年問題」というそうなのだ。 2040年以降は労働人口が激減して労働力不足が深刻になるだけでなく、年金や医療費などの社会保障費も増大することが予想されており、ちなみに2025年は1947年~1949年の第一次ベビーブームで生まれた「団塊世代」が75歳となる年で、消費税の10%への増税は2025年問題への対策である「社会保障、税一体改革」のひとつとして行われたものだという。「2025年問題」と「2040年問題」を比較すると高齢者の人口が400万人ほど増えているのに対して就業者の人口はおよそ900万人減少しており、日本の労働力は、2040年を目安に著しく低下してしまうだけでなく、高齢者が増加するのは東京などの主要都市だといわれている。そして高齢者が増えることで税収が減り自治体が機能しなくとまで言われているのだ。 社会保障給付費は2040年になると2018年の約1.6倍に膨らんでしまうそうで、その中でも医療費は約1.7倍に増えていくとの予測がされている。労働人口が減少した上に社会保障費用が増えるとなると今のままでは社会保障制度を維持できなくなることは容易に想像でき、現行の年金制度が続くと仮定しても年金支給額は2割減とか、最悪なら4割減は避けられないとさえいわれている。消費税においてもこれからさらに増税する可能性も否めないそうで、団塊ジュニアより下の世代はまだ時間という味方があるが、年金に頼れないのなら苦労はするが自分で何とかすることが可能だという。しかし定年まであと10年ほどの団塊ジュニアの多くは年金を中心とした老後設計やライフ&マネープランは崩壊の危機にあるというのだ。 その団塊ジュニアが老後サバイバルに打てる対策は3つしかなく、ひとつが継続して収入を得るということで、政府は年金の支給開始年齢を引き上げ支給額は減らすが、その代わりに高齢者が働ける環境を今以上に整、定年は65歳で継続雇用も70歳までとなるといわれており、定年後も自ら収入を得て増やす工夫をするわけだが、その準備を始めることだという。二つ目は借金を極力避けることで、シニア世代が借金をしてもプラスになることはほとんどないため支出の無駄は徹底的に排除することだという。そして三つめはとにかく貯蓄優先で、お金の蓄えがあれば生活に余裕が生まれるので収入がある間は貯蓄最優先の生活を送ることだという。団塊ジュニア世代は老後不安を少しでも解消するために自分ができる準備を急ぐことだという。
2023年06月25日
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お金は使うものだし使ってこそ幸せになれるものなのだが、親を引き取って在宅で介護をすることにした子ども世代の中にはそのために仕事をやめてしまう人が大勢いるという。現役世代は生活費や自分自身の老後のための蓄えが必要なはずなのに、親の介護を優先せざるをえなくなった結果子ども世代が退職に追い込まれてしまうというのだ。そうなると介護される親は「自分が死んだあとも子どもが困らないようにしてあげたい」という心理を働かせてしまい、「子どもにお金を残したい」となる人が多くなってしまうという。「いままでこれだけのことをしてやったのだから、子どもに介護してもらいたい」とすっかり子どもに頼り切ってしまう高齢者も多く、親子の関係が密であるために子どもの側も親の介護を引き受けてしまうという。 高齢になればなるほどじつは「お金を使っている人」のほうが幸せになれる面があるのに、子どもにお金を残そうとして自分のためにお金を使えなくなる高齢者が想像以上に多いというが、お金は有意義に使えるときに使ったほうがよく、心が満たされるような使い方をどんどんしたほうがいいという。お金はそもそも「持っている」ことより「使う」ことのほうに価値があるもので、お金を持っている人が偉いかのように勘違いする人がいますが、資本主義社会においては「お客様は神様」ということも間違いがないという。つまり「上手にお金を使う人ほど偉い」というのが正解なのだというのだが、日本の高齢者がどんどんお金を使うようになることで企業はお年寄り向けの車を開発したり、パソコンを開発したり住宅設備を開発するようになるという。 高齢の親と引きこもりの子どもからなる世帯のことを指して「8050問題」という言い方があるが、親が80歳になっても50歳の引きこもりの子どもの面倒を見ないといけないといった状況は悲劇としか言いようがないという。引きこもりでなかったとしても一生独身の人がたくさんいて、50歳になった時点で一度も結婚したことがない人の割合を「生涯未婚率」というが、男性の生涯未婚率はなんと28.3%となっていて3割が一生独身だという。それでも自活していればいいのだが実家暮らしで仕事もやめてしまうなどして、親がいつまでも面倒を見続ける状況になっている家庭も多く、そうなると親は「自分が死んだあとも子どもが困らないようにしてあげたい」という心理を働かせてしまい、「子どもにお金を残したい」となる人が多いという。 後悔のない人生を送るためにもよい意味で「子離れ」をすることが重要で、親は自分自身の幸せを考えて行動することが大事になってくるといわれている。子どもに関してはもう少しドライに「子どもは子ども、自分は自分」と割り切ることが、これからの時代においていっそう大切になってくるというのだ。そして私も自分のお金は自分の幸せのために使うことにしている。専門家居のたとえ子どもが定職につけないとかうつ病になってしまうことがあったとしても、本来であれば社会福祉によって面倒を見てもらうことが原則なのだということで、長年納税者として税金を納め社会の側もセーフティネットを整えているわけですから、あまりに何でもかんでも親が背負おうとしなくていいということを知っておいていいと語っている。 年をとると「男たるものこうでなければいけない」とか「人に頼ってはいけない、与えられた仕事は残業してでもちゃんとやらないといけない」といった考え方を知る人が多くなり、これを「かくあるべし思考」というそうなのだが、「かくあるべし」のとおりにはとてもとても生きられないし自分自身が苦しむことになるだけだという。そして素直に人に頼ってよく、これまでたくさん税金を払ってきたのだから社会から返してもらって当たり前というそんなふうに「マインドリセット」できるか否かが、残りの人生をよい意味で気楽に生きていけるようになるためのポイントで、75歳を超えて楽しく充実した暮らしを送っている人は「高齢者」ではなく「幸齢者」として、人生観を変えて心も体も「幸齢者」へ近づく大事なものとしてぜひ意識していくべきだという。
2023年06月24日
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政府の「新しい資本主義」実行計画は成長分野への労働移動を円滑化するため、柱の一つとして退職所得課税の見直しを掲げているが、同じ会社に長期間勤務するとより手厚い税優遇を受けられる仕組みの是正を目指すという。ただし現行制度を前提に老後の生活設計をしてきた働き手への配慮も欠かせないということで、年末に向けた税制改正の議論は調整が難航しそうだという。退職一時金の控除額は勤続20年までが1年につき40万円だが、それ以降は年70万円に大幅増額されており、例えば同じ会社に30年勤めて退職一時金2000万円を受け取る場合は控除額が勤続20年までの800万円と残り10年分の700万円を足した1500万円となり、差し引き500万円の半額に税率を掛けて納税額が算出されている。 これは終身雇用が主流だった時代の退職者に適した制度で、転職すると退職金が増えない限り手取り額は減少することになっていたが、政府税制調査会は2019年の答申で「転職の増加など働き方の多様化を想定していないとの指摘がある」と問題意識を示していたという。ただ急に税優遇が縮小されれば不利益を被ると中高年層に反発が広がるのは必至で、財務省幹部は「制度変更の影響を考慮しなければならない」と経過措置を設けたり、新制度の適用対象を絞り込んだりする必要性を指摘している。岸田首相が掲げる「新しい資本主義」の実現には労働市場改革が不可欠だとして、労働力の成長分野への移動を促し年功序列や終身雇用を前提とした日本型雇用慣行の改革に取り組むことにしているのだ。 岸田文雄政権が掲げる「新しい資本主義」が目指す将来像が明らかになって、このままいけば待ち受けるのは欧米型の弱肉強食の社会となりそうだという。「新しい資本主義」の実行計画の改定案の目玉は「三位一体の労働市場改革」で、国内の構造的な賃上げを進めることなどを通じて、海外企業との賃金格差を埋めて「分厚い中間層」を育成する狙いがあるという。その具体策を見るとどうにもきな臭く、長く日本社会を支えてきた雇用制度を破壊しそうな危ない内容のオンパレードなのだ。その象徴ともいえるのが退職金に対する優遇制度の見直しで、現在の退職金制度は同じ企業に20年を超えて勤めれば退職金をもらう際の税負担が一気に軽くなる仕組みになっており、終身雇用の日本型雇用に合わせたものだったのだ。 岸田政権は「成長分野への労働移動の円滑化」を実現するための具体策として、退職金税制の改定案で退職金の優遇制度の見直しを打ち出したのだ。見直しに当たっては「制度変更に伴う影響に留意」するとしているものの、多くの人にとっては不利な内容になる可能性が高いとされており、一昔前のように3千万とか出ていた時代とは異なり今は大手企業で35年勤めてもせいぜい2千万くらいしか出ないと聞くし、その少なくなった退職金から「税金を取るぞ」くらいの脅しで転職者が増えるとはとても思えないという。家をローンで買った世代などその退職金を当てにしてローンを清算しようと考えている人も一定数はいるはずで、後発的なルール変更でそういった人たちの未来を踏みにじると行為だとの非難も高いという。 また「退職金が実質、減額になるのでは」と突然の政府方針にサラリーマンからは不安の声が続出しているが、優遇制度が縮小になれば老後のプランが瓦解してしまうケースも考えられ制度の「改悪」につながりかねない状況だという。改定案で岸田政権が異様なこだわりを見せたものがあるが、それは「職務給(ジョブ型人事)」の導入だという。複数の企業の先行例を示すなどジョブ型人事に紙幅を割いており、従来の給与体系は年功序列が色濃く、高い能力をもつ人物を高給で迎え入れることが難しかった。これに対しジョブ型は年齢や勤続年数ではなく職務に応じて給与を払う制度で、ジョブ型を普及させることで人材獲得面でも日本企業の国際競争力を高める狙いがあるが政権の思惑通りに進むかは不透明だという。
2023年06月23日
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デジタルの力をフル活用した令和版デジタル行財政改革だが、デジタル社会への移行のためには国民の信頼確保が不可欠で、国を頂点とする上意下達の仕組みを国がデジタルによって地方を支える仕組みに転換するという。国が共通のデジタル基盤を設計し住民や事業体と直接の接点を持つ自治体等がきめ細かいサービスをスピーディーに行うという。こうした取り組みを進める上で大きな役割を担うのはデジタル社会のパスポートであるマイナンバー、マイナンバーカードで、今国会で成立した改正マイナンバー法はこのデジタルパスポートを推進するものだが、マイナンバーは健康保険証だけでなく年金情報に続き障害者手帳情報について個人情報の照合ミスによりさまざまな誤りがある事案が確認されている。 こうした事態を重く受け止め本日政府内にマイナンバー情報総点検本部を設置し、マイナンバー制度を所管するデジタル庁が対象となる情報を多く所管する厚生労働省および自治体との連絡調整を担う総務省が連携して、政府全体で総点検と再発防止を強力に推進することとしている。岸田首相もコロナ対応並みの臨戦態勢で政府横断的に取り組むことを指示しているが、マイナンバーカードをめぐる問題が後を絶たない中で河野デジタル大臣は、データやシステムの総点検を行い国民の不安を払しょくするため丁寧に対応していく考えを示ししているそうなのだ。政府はマイナンバーカードをめぐる問題の総点検などを急ぐため「マイナンバー情報総点検本部」を設置し初会合を開いて協議しているという。 参議院本会議で立憲民主党は「国民の信頼なくして制度は成り立たず、マイナンバー制度について一度立ち止まり、制度設計や政策の在り方、進め方について考え直す必要があるのではないか」とただすと、これに対して河野デジタル大臣は「一連の事案の原因は自治体が管理するシステムの誤り、共用端末のログアウト忘れ、事務処理の誤りなどさまざまであり、マイナンバー制度そのものに起因しているものではない」と説明している。そのうえで「データやシステムの総点検を行うとともに、新規データの誤登録防止策を徹底するなど、関係省庁と連携した取り組みを進めていく。自治体や関係機関の声も聞きながら、国民の不安を払しょくするための丁寧な対応を行っていく」と述べたという。 自民党の山口衆議院議院運営委員長は来年秋にいまの健康保険証を廃止しマイナンバーカードと一体化させる政府の方針について、「少し乱暴だ。これ以上問題が出ると来年秋の運用開始は厳しく、保険証とマイナンバーカードの両方使えるようにしてもいいのではないか」と述べたうえで、マイナンバー制度を所管するデジタル庁について「民間の出身者も多く、デジタル化に対応できる人の集まりだから、できない人の目線で考えていない。統治機構に入ったという意識が必要で、岸田総理大臣が掲げる『誰ひとり取り残さない社会』というフレーズが泣く」と苦言を呈している。記者団が同じ麻生派に所属する河野デジタル大臣に懸念を伝えたのかと質問したのに対しは「言ったが、あまり効き目がない」と述べたそうなのだ。 河野太郎デジタル相はマイナンバーに関する手続きについて総点検を行うが、一連の誤り事案が確認された関連データだけでなく個人情報保護の重要性を踏まえ、マイナポータルで閲覧可能となっている全てのデータについて、本年秋までをめどに総点検を行うという。再発防止を徹底するためマイナンバーの確認として情報を全て照合する手続きへの統一など、マイナンバー登録にかかる政省令の見直しを本年秋までをめどに行うという。現行の保険証の全面的な廃止は国民の不安を払拭するための措置が完了することを大前提として取り組み、その際法律に規定されているとおり最大1年間まで猶予期間として発行済みの保険証を使えるようにして、一日も早く信頼を取り戻せるよう政府を挙げて取り組んでいくという。
2023年06月22日
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医者から「血圧やコレステロールを下げなければいけない」と指導を受けると塩分や油脂の多いおいしい料理を食べることを控えるとか、老後資金を過度に心配しお金を使わずにひたすら倹約に努めるや、着たい服があっても「高齢者らしくない」と後ろ指をさされることを気にして地味な服ばかり選んで着る等がまんは生活全般に及んでいく。「高齢者は悪目立ちしないようにがまんをしないといけない」などと思い込んで老後の時間を生きている人が、日本人には多いように思えてならないといわれているが、人生を折り返し定年も越えてもがまんばかりしているのは果たして幸せなのかということを考えると、私はそうは考えないことにして「幸せな高齢者というのは要するに好きなことができている人だ」という意見に大賛成なのだ。 昔から日本では節制が美徳とされてきており、遊ぼうとしても心にブレーキがかかって存分に遊べなかったことがいいかったというが、一方で私を含めいま60代や70代の人たちは日本が豊かだった時代も知っているわけで、あのバブルの時代も経験している。そのため人生を楽しむ能力は決して低くないとされ、いまこそ「マインドリセット」が必要だといわれているそうなのだ。高齢者になったらがまんをするのではなく好きなことをしてよく、高齢になるというのはすなわち自由になることなのでととらえて、可能ならば高齢者自身が地域交流の底上げができる形で、自分の希望に合った地域貢献活動や就業に出会うことが望ましく、そこには本人の「マインドリセット」だけではなく、これらを後押しする地域での取り組みも求められるという。 メンタルが変わると生き方が変わるといわれるが、世の中が違って見えてくるそうで、そうすれば残りの人生がより充実したものになることは間違いないという。そうして70代にもなったならばむしろ奔放なくらい自由に生きたほうがいいと専門家が提唱している。知的な面でも同じで家に閉じこもって本を読むのではなく、外に出て同年代の友人たちと議論したり映画や演劇の感想を語り合ったり、あるいはブログやホームページのようなことをしていると、たとえば80代になっても知的好奇心を失うことなく多彩な人間関係を保っている人になれるという。そういう人は70代を自由奔放で活力いっぱいに過ごした人だそうで、アウトプットの場を設けるほうが脳ははるかに刺激され若々しさを保つことができると医師も推奨しているそうなのだ。 人間は年齢を重ねていくうちに脳の前頭葉が衰えていくのだが、じつは前頭葉は40代から萎縮が目立ち始め、前頭葉の機能が衰えると思考が鈍くなってしまううえ、無関心や意欲・創造性の低下を引き起こすという。さらに新規のシチュエーションへの対応能力や感情コントロール能力も落ちてきてしまい、早くも40代のうちから意欲や創造性をなくしてしまう人が世の中にはたくさんいる一方で、70歳や80歳を過ぎても画期的なアイデアを次から次へと思いつき、溢れんばかりのバイタリティで実現してしまう人も現実に存在している。前頭葉は使い続けている限りそう急激には衰えないそうで、70代になったからといって自分にがまんを強いることなく奔放に生きていけば前頭葉が衰えるスピードを遅らせることができるのだという。 脳は使えば使うほど活性化し年をとったからといってすべての人の前頭葉が衰えてしまうわけではないそうで、むしろ意欲がある人はそれまでの人生経験を生かしいっそう創造的な活動をすることも可能だという。日本では65歳以上を「高齢者」75歳以上を「後期高齢者」と呼んでいるのだが、なんだか機械的な響きでちょっと切なくなるといわれるように、ここまで頑張って生きてきたのですからもっと明るくて希望の持てる呼び方にすべきだという。幸せな晩年を過ごして人生を全うしたい人たちが目指すべきは、年齢を重ねてなおがまんし続ける日々を送る高齢者ではなく、70歳を越え楽しく充実した暮らしを送り、日々に幸せを感じて年をとることへの希望も感じられることが大切だということのようなのだ。
2023年06月21日
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私も3年前に実母がなくなり遺産相続を受けたのだが、子どもが親から相続する財産の平均値は3273万円で中央値が1600万円という。老後のためにと築いた資産を結局使わずに次世代に引き継ぐことになってしまう人も多いのだが、もちろん次世代に相続させることは悪くはなく私も助かっているが、せっかく貯めたお金ですから自分でやりたいことや叶えたい夢のために使ったほうが人生に悔いが残らないといわれている。アメリカでは「1000万円の資産があれば、1000万円分の経験ができる。人生で一番大切なのは、思い出をつくることだ」という趣旨の本が売れているそうで、お金を残すより思い出を残すほうが人生は豊かになるそうで、人は何歳まで生きるかわからいからこそ老後資金を使うタイミングがわからなくなってしまうという。 ひとつの目安として労働収入があるうちはまだ取り崩す時期ではないそうで、定年後収入が減ったとしても働いている間は取り崩しを資産の4%以内にとどめるとよく、これは「経済的自立と早期リタイアした人たち」が実践しているルールで、4%で資産運用しながら生活費として4%以内のお金を取り崩す方法だという。運用益以上に取り崩さなければ資産は減らないので、そして本格的に取り崩すのは完全なリタイア後となり、年齢でいえば70歳ぐらいから計画的に取り崩し自分が死ぬときには「DIE WITH ZERO」になるのが理想的だという。予想以上に長生きしたとしても終身でもらえる公的年金があるため完全に収入がゼロになる心配はないし、取り崩しを行う際は一気に現金化せず70歳以降も取り崩すのがポイントだという。 定年後は退職金をはじめこれまで積み上げてきたお金の受け取りラッシュが始まるのだが、これらのお金はできるだけ税金がかからない方法で受け取り手元に残るお金を増やすようにし、手取りが増えればその分老後資金の運用に回せるお金も増えるという。退職金は会社の定年年齢によって60歳または65歳でもらう場合が多く、公的年金などはいつもらうかを自分で選択できるので、定年後の何歳でどんなお金が受け取り可能になるのか整理し、何にどんな税金がかかるかも確認必須だという。手取り額を増やすには最も節税効果が高い退職所得控除をしっかり使い切ることがポイントで、いっぺんに受け取ると控除額をオーバーする場合は受け取り時期をずらすなどお得な受け取り方を検討するべきだという。 老後資産を取り崩すときは「経済的自立と早期リタイアした人たち」を達成した人たちが行っているように「運用しながら取り崩す」という方法が基本なのだが、ただし老後は死ぬまで資産残高を一定に保つ必要はなく、むしろ「死ぬときはゼロ」になることを目指して資産を減らす戦略も必要だという。それには老後の前半はタイムバケットに記入したやりたいことを実現して老後の生活を楽しむ期間とするのだが、私もコロナ過で2年ほどロスしたのだが、資産残高が多く体力や気力が充実している間にやりたいことや欲しいものにお金を使い、老後の後半は資産残高が減ってくるが気にする必要はなく、健康寿命を過ぎたあたりから誰でも活動範囲が減りお金も使わなくなるので、このころから毎年決まった額を取り崩していくべきだという。 また子どもや孫に財産を残したいと考えるならいっそ生前に贈与を行ったほうがよいそうで、相続税を減らせる効果はもちろん資産をもらう側にとっても若いときにもらったほうがお金の価値が高いからだという。さて運用しながら取り崩す方法には「定率取り崩し」と「定額取り崩し」の2種類があって、「定額取り崩し」より「定率取り崩し」のほうがより資産寿命が長持ちするという。資産が多い老後の前半は定率で取り崩し資産がある程度減ったところで定額取り崩しに切り替えるのがおすすめだそうで、私の場合は再雇用期間も無事終了し実母を看取ってから現在は「定額切り崩し」を実施中で、私の場合で言うと計算では毎日7,000円ずつ使うように取り崩していくと、私が93歳の年に「DIE WITH ZERO」になる予定となっている。
2023年06月20日
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肥満が増えるほど糖尿病や心疾患・脳卒中・特定のがん等早死が増えるのは周知のとおりなのだが、そればかりか「超加工食品」と呼ばれる分類の食品の摂取量が増えると肥満が増えるという。その「超加工食品」を簡単にいうと「過度に加工された食品」のことで、「超加工食品」による健康の危険性が最近多くの論文で指摘されており、便利さを追求して寿命を縮めてしまったら元も子もないという。「超加工食品」とは糖分・塩分・脂肪を多く含む加工済みの食品のことで、主に硬化油・添加糖・香味料・乳化剤・保存料などの添加物を付与して、工業的過程によって作られる食品のことを指すが、東京大学の調査によると1 日の総エネルギー摂取量のうち平均して3~4 割程度を「超加工食品」から摂っていることがわかっているそうなのだ。 NOVAシステムとは食品を加工の性質によって4つに分類しており、食品が受けた変換の強度に応じて食品を分類するシステムで、グループ1が加工度の最も低い食品となっていて、グループ4が最も加工度が高い超加工食品に位置づけている。それは健康の友人と敵を区別するのに特に役立つという。その1つ目「NOVAグループ1」は非加工食品と組成をほとんど変化させない単純な方法である、乾燥・粉砕・焙煎・煮沸・低温殺菌に非食用部分の除去や真空パックなどで加工された食品だという。グループ1の加工の主な目的は保存性を高めて食品の寿命を延ばすことや調理を簡易化することにあって、この分類の食品の例には低温殺菌牛乳や冷凍・缶詰野菜に無塩のローストナッツ・乾燥豆などがあるという。 「NOVAグループ2」はグループ1のようなホールフードを含まず食品の下ごしらえや調理・風味づけに使われる食材だとされていて、バターやオイルなどの油脂類にメープルシロップなどの砂糖および関連製品や塩などがこれに含まれている。これらの食材は主に精製・抽出・圧搾また塩の場合は採取に蒸発などの機械的加工によって製造されている。「NOVAグループ3」は加工食品だが「超」のラベルには相当しない食品で、これらは瓶詰や缶詰場合によっては発酵などの保存技術を用いており、グループ1の非加工・最小加工食品にグループ2の食材である脂肪・糖・塩などを加えて製造されている。グループ3の加工の主な目的はグループ1の食品の品質保持期間を延ばし嗜好性を高めることにあるとされている。 それに対して「NOVAグループ4」は工業的製法で広範な加工が行われているため、ときには食品と見なされず「超加工製品」と呼ばれることさえある食品だという。ペンキやシャンプーと同じ工業製品だが消費者の装飾的な美学や衛生観念にではなく味覚に訴えるよう設計されているそうで、超加工食品の製造は大規模な機械によってホールフードをデンプン・糖・脂肪・油・タンパク質・食物繊維などの成分に分解するところから始まるという。主な原材料は工業生産された高収量作物であるトウモロコシ・大豆・小麦・サトウキビ・テンサイなどや集約的に生産された畜肉の挽肉やすり身で、続いて化学分解の一形態の「加水分解」や水素原子の付加などの化学的修飾を施されてからほかの物質と組み合わされることもある食品だという。 また「超加工製品」される過程でさらに前揚げ・押し出し・成形などといった工業加工され、品質保持期間を延ばし食感や風味・匂い・外観を変えるために化学添加物を配合されることも多くあるという。そしてこうした添加物の多くが農産物由来ではなく石油などの産業に由来する化学物質であり、身近な人にがん患者がいるとこのリストを見て「あー、これ食べていた」と辛い気持ちになるかもしれない食品だという。それでも「超加工食品」を避けようとしてかえって偏った食生活になったりすることも心配で、「超加工食品」を避けるよりも大切なことそれは「バランスのよい食生活」・「野菜たっぷりの食事」・「塩分少なめ」の3つだという。食生活改善普及員の方から「私たちはこの3つで普及活動をしています」と語っている。
2023年06月19日
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岸田政権の「ステルス増税」が盛んだそうで、財務省はさまざまな名目で国民に増税を仕掛けていて、いわゆる「異次元の少子化対策」では所得制限を撤廃して児童手当を政府素案では盛り込んでいるが、岸田政権は同時に扶養控除を見直すという。所得制限をせっかく撤廃しても扶養控除が撤廃されれば所得が高いほど児童手当の恩恵は減少し、世帯によっては事実上の増税になるというのだ。要するに「異次元の少子化対策」も本音は増税なのだろう。さらに経団連や与党議員などは財源には消費増税すべしと主張している。過去2年は税収の大きな上振れがあって今年度もその可能性が大きいが、財務省は税収増を国債償還に利用してしまうとされていて、国債償還すれば経済からおカネが消えるだけだという。 経済財政運営の指針「骨太の方針」の原案の退職金制度の見直しも、こつこつ真面目に働いてきた人たちに増税するというトンデモな制度改変で、私たちの暮らしや人生設計に大きな影響を与えるかもしれない「退職金所得課税の見直し」という案もあるという。毎月の給料やボーナスと同様に所得税がかかる退職金だが、現在の制度では「退職所得控除」によって税負担が軽減されていて、勤続年数が長いほど控除額が大きくなる仕組みになっている。つまり終身雇用を想定していた人にとっては手にする退職金が減ってしまう可能性もあるのだ。また転職や結婚などを理由に自分の意志で退職を申し出る「自己都合退職」については、退職金が減額されるという現在の労働慣行を見直すよう指摘していて長期在職者ほど損をみるという。 現行の退職所得控除の制度があるせいで「あと数年勤務すれば退職金の税金が安くなるから、それまで退職しない」とか、「長く勤務すれば退職金の税金が安くなるから転職せずに在職し続ける」などの行動につながり、「成長分野への労働移動の円滑化」が阻まれるというが、 この動きは決して唐突なものではなく、大々的には報道されなかったが、昨年の10月に開催された政府の税制調査会において、一部の委員から退職所得控除額について勤続年数で差を設けず、一律にすべきだという案が提起されていたという。転職する人は現状に不満があり環境を変えたいという希望を持っているとされているが、現行の退職所得控除の制度が転職の妨げになるという因果関係自体が必ずしも明らかではないという。 退職金を増税すれば会社にしがみつく人が少なくなって雇用の流動性が高まり、労働市場の生産性があがるという理屈だが、「骨太の方針」がこの内容で進められると影響はどのくらい大きいのというと、「退職所得課税制度の見直しは政府が見直す理由として、日本には転職をせずに1社に居続ける人たちが多いので、労働市場を流動化させるため変えようというが、「あと何年か粘れば退職金もらえるぜ」といったマインドの人は税制が変わったとしても、「よし、転職するか」とはならないという。この制度変更で割り食うのはもう少しで勤続年数20年となる50歳前後の人で、ただの事実上の増税という見方になるという。勤続24年という飲食業で働く50代男性は「退職が近い年齢だから、もらえるものが減るというのは困る」と話している。 既存の制度を前提としてリタイア後の人生設計を考えている人にとっては大きなダメージとなる可能性があるが、そこで導入する企業が増え関心を集めているのが「退職金の前払い制度」だという。従業員の在職時に退職金を給与などに上乗せして前払いするというものだが、給与として支払われるため退職一時金としてもらう場合の税制上のメリットは受けられないが、転職して会社を変えキャリアを向上させる働き方にはマッチするのではとの声が上がっている。 「定年までひとつの企業で働く」というスタイルから働き方が多様化するなか、働き手が自分のスキルやライフプランにあった仕事を求めてキャリアアップしやすくするしくみを創っていくためには、企業での制度設計の変革や働き手自身の意識改革も重要になってきそうだという。
2023年06月18日
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適度な筋力や適切な筋肉量は健康長寿を達成する上で重要な要素であるとされていて、筋肉が少ないと長期に入院するリスクが高まり感染症にかかりやすくなり死亡率が高まるという。それに対し、筋肉が多いと認知症にかかりづらくなるだけでなく、がんにかかった時にも筋肉量が多い人ほどがん手術の予後が良く抗がん剤や放射線療法が効きやすいことがわかっているそうなのだ。これは筋肉からは「イリシン」や「スパーク」といった「天然の抗がん剤」が分泌されているからなのだが、「太ももの筋肉が太い人ほど死亡率が減少する」という論文があるほどだという。筋トレをしている人なら「同じようなトレーニングをしていても、筋肉がつきやすい人とつきにくい人がいる」というが、筋肉のつきやすさには人によって違いがあるそうなのだ。 その筋肉を身につける度合いの違いを生む要因のひとつに考えられているのが「腸内細菌の違い」だそうで、意外かもしれないが「腸」と「筋肉」には非常に深い関係性があり、腸内細菌のバランスによって筋肉のつき方に違いが生まれる可能性が指摘されていてこれを「腸筋相関」というそうなのだ。つまり「腸内細菌が乱れていると十分に筋トレの効果が得られず、筋肉がつきにくくなる」といえるとされ、のというのだ。筋肉を増やすには筋肉の材料となるたんぱく質をしっかり摂ることが重要だが、健康を維持するためには腸を制することいわゆる腸内環境を整えることが重要といわれており、健康長寿の人たちの腸内細菌を調べてみると圧倒的にこのビフィズス菌などの「長寿菌」が多いと分かっているそうなのだ。 日本の長寿地域での研究では肉を食べなくてもたんぱく質の摂取量が多くなくても、筋力が衰えず年齢を重ねても元気で活動的に暮らしている人が大勢いることが判明しており、そこには日本人独特の腸内細菌が関係しているという。日本人の腸内細菌は世界的に見ても非常に特殊だそうで、例えば日本人の約90パーセントに海苔などの「海藻」を分解する酵素を持った腸内細菌の存在が認められているが、こうした腸内細菌を持っているのは隣国である中国を含む世界各国では約15パーセント程度しかおらず、この特有の腸内細菌のおかげで日本人は海藻に含まれる「ポルフィラン」という炭水化物を分解して栄養源に変えることができるという。民族によって腸内細菌は異なるため栄養学も十把一絡げに論ずることはできないという。 筋肉を増やすには筋肉の材料となるたんぱく質をしっかり摂ることが重要だというが、たんぱく質を豊富に含む食品の代表格といえばやはり「肉」で、とくに低カロリー&高たんぱくの「赤身肉」や「鶏のささみ」「鶏胸肉」などは必須だという。ところが日本の長寿地域での研究では筋肉量と肉などのたんぱく質摂取量とは相関関係がなかったそうで、筋肉量と相関したのは腸内で「酪酸」を作るラクノスピラ等の「酪酸菌」で、そして腸内に酪酸菌が多い人が食べているものを分析すると「海藻」や「豆」に「野菜」などだったのだという。肉を食べているから筋肉が多いわけではなく肉などのたんぱく質を摂ることだけが筋力アップや筋量の増加につながるとは限らないそうで、肉食も手段のひとつではあるが絶対条件ではないというのだ。 筋肉の衰えや筋肉量の低下は高齢者に限ったことではないそうで、現代人はスリム志向が強く多くの人が「ダイエットしてやせたい」とか「細くなりたい」と切望する人が非常に多くなっているそうなのだが、やせたいがために短時間で急激な減量に挑み体重は減ったけど同時に体力も筋力も落ちて体調を崩すケースも少なくないという。太りすぎが健康によくないのはいうまでもないが筋力や筋肉量が著しく低下するようなダイエットや生活習慣もまた健康を害する要因になってしまうとされていて、健康で長生きするためには筋肉を減らさないことが重要であり、筋肉を増やして萎縮・減少を防ぐためには腸内に酪酸を増やすことが大事になるという。また寝不足あるいは運動不足は腸内環境を悪くする要因になるという。
2023年06月17日
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寿司は今やバリエーションも豊かになってきていて1食で何万円もする高級な寿司もあれば、1食が1000円以内で済んでしまう回転寿司のような安い寿司もある。同じ寿司であるのになぜここまで差が生じてしまうのかというと、高級寿司と回転寿司の違いは他のもので例えるなら靴の世界における「オーダーメイドでつくる革靴」と、「量販店で売られているスニーカー」の違いのようなものだという。前者は数十万円以上だし一方で後者は数千円という値段の差があり、前者は1人ひとりに合わせて上質な素材を使い丁寧に作られる一方、後者は安価な材料を使って大量生産されるため値段に差が生じるのだが、どちらが良い悪いではなく使う用途やシーンによって両方に存在価値があり、寿司の場合もほぼこれと同じだという。 また「魚介類は鮮度が一番」と良く言われているが、一貫一貫が小さく一食の中で様々なネタを楽しむのが本来の寿司の形で、ネタを集める際に鮮度が落ちて生じてしまう生臭さは酢飯で中和して補うという。人口も多く需要の高い都市部に流通した際に寿司で美味しくいただける素材には高い価値がつくが、このことは純粋な魚の場合は状況が違い、純粋なそれぞれの魚の味を追求するならば産地に行って食べるのが一番で様々に集める必要はないという。近年では日本海側のズワイガニが1杯あたり数十万円になることもあるが、提供方法は現地の旅館などで食べるというものが主となっている。ところが寿司はそうなっておらず、そもそも産地のキンキンの魚はシャリとは合いにくいところがあるという。 腕がものをいう寿司の技術は人が集まる都市部に集約されていくとされ、寿司は追求をするならば都市部で食べる食べ物といえるという。そしてお店の雰囲気や器なども含めた総合芸術に昇華させていて世界のセレブたちにも人気となっている要因の1つは、このような寿司の独特な世界観にあるという。アジやヒラメを活造料理で楽しむ事もあるがこれはどちらかというと歯ざわりを楽しむ料理といえ、味だけで考えると少し寝かせたものに劣るとされ、ダイナミックな調理方法とその場の雰囲気と一緒に楽しめばそれはそれでオツなものだという。酢飯によって臭みを中和する必要もあり、コハダ・蒸し海老・穴子など寿司として握る前に調理等があるものもあって、昔ながらのお寿司屋さんが夕方から本営業を始めるのもこの理由からだという。 しゃりにぎりの重要なことは口に運ぶまでに崩れず口の中に入った途端に寿司飯が口にひろがる力加減で、しゃりの中心部に空洞が出来るように握るのがねたとのいいバランスとなってお互いが最高の味を引き出しあうことになるという。同じマグロでも赤身は厚めトロは薄めに切りつけるとバランスが良くなり、ねたがとても大きな握りをウリにしているお寿司屋さんもあってダイナミックな魅力がたっぷりだが、本来はネタとシャリのバランスを大事にして握るのだという。しゃりの温度は人肌位が美味しいとされていて、寿司のおいしさは寿司屋で握りたてを食べることが一番美味しいという。ネタはネタケースにある冷たいものは冷たくうなぎ・穴子など火にあぶる物は熱くといったこういう作業がネタとしゃりのうまみを引き出しあうための工程だという。 高級寿司と回転寿司はまったく違う性質のものを提供していて、高級寿司の場合はまずネタはその日の入荷状況によって最高のネタが仕入れられ特別な際の食事や芸術性を楽しむものとして、回転寿司の場合はその日その日の入荷状況に極力左右されないように仕入れを行っているという。冷凍魚や養殖魚も駆使しながら味が良いネタをまとめて安く買い付けその時々で出していき、日々の生活の中で食事を楽しむものとして人々に満足感を与えているのだという。寿司は様々な形に変わることができ、様々なニーズやシーンにも溶け込める素晴らしい食べ物で、世界各地の老若男女すべての人に向けてそれぞれに合わせた形で、魚を使って満足を提供できるのが寿司という食べ物とされ、寿司って本当に素晴らしいものだという。
2023年06月16日
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認知症に関する初の法律「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」が参院本会議で全会一致として可決・成立したが、社会活動に参加する機会の確保など様々な認知症の施策に取り組み認知症の人が暮らしやすくするのが狙いだという。また「世界アルツハイマーデー」の9月21日を「認知症の日」と定めるとし、国民の責務として「共生社会実現への寄与」を盛り込んでいる。高齢化で認知症の人が増えると予想されるため本人や家族の要望に沿った政策で対応していくとし、政府が首相を本部長とする「認知症施策推進本部」を設置して認知症の人や家族らで構成する関係者会議を設けて意見を聞き、そこでの意見を踏まえて政策の基本計画を策定しており、都道府県や市町村による計画策定を努力義務としている。 国内の認知症の人は厚生労働省の研究班の推計で年々増加傾向にあり、3年後にはおよそ700万人になるとされているが、認知症基本法では認知症の人が尊厳を保持し希望を持って暮らせるよう国に対し、総理大臣が本部長の「認知症施策推進本部」を設け、家族も含めて意見を聞いて基本計画を策定することを義務づけている。認知症の人が生活しやすいように国や地方自治体に移動の交通手段の確保や地域での見守り体制の整備などを求めており、住んでいる場所にかかわらず適切な医療を受けられるよう医療機関の整備を図るための施策を講じることや、認知症の人が利用しやすい製品の開発や普及なども求めている。都道府県と市町村にも推進計画を作成する努力義務として、公布から1年以内に施行するという。 松野官房長官は記者会見で「高齢化の進展に伴い、認知症の方が増える中、法律が成立する意義は極めて大きい。今後、共生社会の実現に向けて認知症施策を進めるという法律の趣旨を踏まえ、取り組みを進めていきたい」と述べている。認知症施策の基本理念として全ての認知症の人が自らの意思で日常生活や社会生活を営め、すべての認知症の人が社会のあらゆる分野の活動に参画する機会を確保するという。また認知症の人と家族が地域で安心して日常生活を営めるなど7項目を掲げ、また具体策としてバリアフリー化の推進・意欲や能力に応じた雇用の継続に就職に資する施策・保健医療と福祉サービスの切れ目ない提供・認知症の早期発見と早期診断に早期対応の推進などを挙げているという。 要介護の認定になることが一年遅らせるだけで行政は一人当たり年間480万円の節約になるとされているが、「認知症関係当事者・支援者連絡会議」と「日本認知症本人ワーキンググループ」は東京都霞が関の厚生労働省で記者会見を開き、認知症の人が「社会の一員として尊重される」と位置づけられたことをこの法律の内容で評価する点挙げている。「認知症基本法」の期待や思いを込めてこの法律の成立について「認知症の人と家族の会」は、「これで認知症について新たな展開ができると思った」と語り、「日本認知症本人ワーキンググループ」の代表は「とても感慨深かった。これまでたくさんの認知症本人の方々と一緒に様々な提案をしてきた成果の一つだと思い、うれしかった」と喜びを語っている。 特に法律の名称が単に「認知症基本法」ではなく「共生社会の実現を推進する」という文言が入ったことが重要だとしているが、この文言は法律の目的にも記され、「認知症基本法」が認知症対策の法ではなく「誰もが認知症になっても自分らしく暮らせる」ことを目指す国民全体の法になったと指摘しており、「この目的をきれいごとにせず、着実に普及・推進していくことが重要」と話している。ただし認知症と診断された後でもなかなか適切な支援を受けられずに「空白の期間」というものが生じ、その後の人生に悩み苦しむ認知症の人や家族がまだまだ多いのが現状だという。そして認知症の診断後に働き続けることの困難さや働きながら介護をする人の増加といった課題も多いという。
2023年06月15日
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常時介護が必要で在宅生活が難しい高齢者が利用する特別養護老人ホームはこれまで入所希望者が多く入るまでに何年も待つ人が少なくなかったが空きが出始めているそうで、介護老人保健施設の場合でも福祉医療機構が今年の2月に公表した資料によれば、入所利用率が一昨年は88%と前年比2.3ポイント減に落ち込んでいる。介護老人保健施設は入所利用率が95%くらいないと採算が合わないこともあり、赤字施設割合が33.8%に拡大していて経営状況が急激に悪化している施設が増えているという。高齢者は確実に増えているのになぜ入所利用率が低下しているのかということを福祉医療機構担当者は「コロナの影響」を挙げ、コロナ禍で病院に行く人や入院する人が減ったことが施設入所者減につながっているという。 施設でクラスターが多発したこともあってそれを回避したい意向もあったそうで、厚生労働省老健局の担当者は「入所利用率低下の理由は明確にコロナかどうかわからない。ただ、地域の状況にもよるが、ショートステイ日帰りの利用がコロナで激減している」と話している。入所利用率低下が経営に暗い影を落としているのは東京商工リサーチのデータでも明らかで、昨年の老人福祉・介護事業者の倒産は2000年以降で最多の143件だが、このうちコロナ禍で状況が変化しており、施設の入所利用率が落ち込みに採算ライン割れが続出し、コロナ関連倒産は63件だという。施設にとっては介護報酬でサービス料金が固定される一方で、光熱費や食材などの価格上昇を転嫁できず国からのコロナ関連の支援縮小も背景にあるという。 新型コロナウイルスが世界中に蔓延したのが3年前のことであり、その年はクラスター等の影響から倒産件数が急増したのだが、助成金等の支援策が功を奏し翌年には倒産件数は大幅減に転じたはずだったという。しかし「対策コストを介護サービス料金に反映できない」や「人員が確保できない」等の反動が増したことで昨年は過去最多の倒産件数に繋がってしまったものと考えられている。また倒産を免れた介護施設・介護事業所も決して余裕のある経営ができているとは言えず、今もなお多くの介護事業所が経営難に苦しんでいると見られている。倒産理由として先述した新型コロナウイルスの影響ももちろんあるが、そのほかにも原油代の高騰だけでなく相次ぐ値上げラッシュが介護事業所の経営を大きく圧迫しているという。 いわゆる「2025年問題」は高齢者の医療や介護の需要増大に施設や人手の供給が追い付かない状態が2年後以降に深刻化すると予測されている問題だが、戦後に生まれた第1次ベビーブーマーの団塊の世代のすべてが後期高齢者である75歳以上となるのが2025年で、要介護の需給バランス予想から「介護難民」が発生し、団塊世代がすべて85歳となる2035年が介護問題で最大のターニングポイントと専門家は指摘していた。ところが最近の介護施設の入所利用率はコロナ禍などの影響で低下しており、今後はどうなるのかの鍵を握るとみられるのがこの団塊の世代なのだという。未来ビジョン研究所長の阪本節郎さんは高齢者施設への考え方や対応が団塊の世代とそれ以前で違う可能性があるとみている。 施設側は団塊の世代にフィットしたビジネスモデルに変更する必要が出てくるそうで、「未来ビジョン研究所」が中高年を対象にしたインターネット調査によると、「70代はいくつになっても若々しく、前向きな大人でありたい人」が多く、いまの健康を向上させて生活をさらに充実させ楽しみたい人の意識が強いという。たけしやタモリなど70代で活躍している芸能人の存在も「じゃあ、自分たちもとなる」ということらしいという。こうした団塊の世代が高齢者施設の主な利用者となると施設も変わっていかざるをえず、すでにそうした動きは始まっていて施設側にとって団塊の世代が要介護者というよりお客さんになるとみているという。施設の運営はこれまでのような介護家族を意識したものから利用者本位に変わると予想されているそうなのだ。
2023年06月14日
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刺身と寿司は両方とも生魚が使われる料理としてよく比較されるが、その違いを簡単に表すと刺身は「魚」単体であり、寿司は「魚」と「シャリ」だということで、単純明快の話に聞こえるがこの点が「魚」と「寿司」の世界観の違いを作り出しているという。刺身は小さく切られた魚の身をそのまま食べる非常にシンプルで素材の味をダイレクトに楽しむ料理でもあり、魚の味にとって鮮度は重要な要素となるが鮮度は魚が獲れてからどんどん落ちていく。産地と流通先では少なからず魚の味に差が出てくるのだが、この差は手の凝った料理になる際にはさほど気にならないが素材の味をダイレクトに味わう刺身ではかなり気になる要素となり、特に鮮度の良さを楽しむ魚種であれば刺身は産地で食べた方が絶対に美味しいという。 寿司は魚の肉を平たく切った上で酢飯であるシャリと合わせて食べる料理で魚の素材も大事になっているが、シャリもあるため刺身ほどではなく産地と流通先での鮮度による味の差は刺身よりは生じないという。つまり寿司は刺身と比べると流通先でも魚を美味しく食べられる方法といえるそうで、「魚介類は鮮度が一番」と良く言われているが、寿司では実は何でも新しければ良いというものでもないという。種類によるが魚の場合は生きたものをすぐに調理すると身が締まりすぎて食べづらく味も一味足りない感じがするそうで、お肉と同様に一般的に魚は〆てからある程度時間がたった方が美味しくなるというのだ。寿司ではネタが新しければ新しいほど美味しいものと〆たあと少し寝かせて熟成させたものに分かれるという。 生マグロや白身魚やかつお等冷凍せずに生のままで届く魚は〆てから少し寝かせないと美味しくないそうで、時間が経って生じてくる生臭さの成分は「トリメチルアミン」というアルカリ性の物質なのだが、一方でシャリは、酢飯のため酸性のためシャリは生臭さの成分を中和して抑えてくれる役目を果たすという。これがシャリの存在意義でもあり、また獲れてから時間が経って起こることは鮮度劣化という悪いことだけではないそうで、〆てから時間が経つと魚のタンパク質が分解されうま味成分に変わっていく熟成が起こるからだという。つまり魚は流通先では鮮度が低下し生臭さは増える一方で熟成が進みうま味は増えるというのだ。寿司に使うシャリはこの悪い部分を消し去り良い部分を残してくれる大切なアイテムだという。 このように寿司という食べ物には「魚を流通先で美味しく安全に食べる」という工夫が様々になされていて、シャリには酢・塩・砂糖・お米が含まれるがそれぞれに意味があり、まず塩には殺菌作用があり、砂糖は殺菌作用のほか酸味を和らげお米の持ちを良くするなどの効果があるという。ただし砂糖はお店によっては使われない場合もあるが、それは砂糖が普及したのが近代になってからで伝統を重んじているなどの理由だという。お米はそれ自体に味があって魚の臭みやエグみといった嫌な部分を薄めてくれるし、しゃりの温度は人肌位が美味しいとされている。寿司のおいしさは材料が同じでも寿司屋で握りたてを食べることが一番美味しく、それは一緒につけ合わされる海苔も同じで香りが強いため生臭さを薄めてくれるという。 そればかりかネタはネタケースにある冷たいものは冷たく、うなぎ・穴子など火にあぶる物は熱くといった作業がネタとしゃりのうまみを引き出しあうための工程だという。ワサビやバレンには殺菌作用があり腐敗を防ぐ役目があり、お茶にも殺菌作用があるし、ガリとともに前の寿司ダネの味をさっぱりとさせ様々なネタを楽しめるようにする役目があるという。このように細かな点で寿司の工夫にはすべて意味があるし科学的でもあり、それらの工夫は流通先で魚を美味しく食べるために生まれたものといえるそうなのだ。つまり「寿司は、様々な食材を世界各地から1カ所に集めて味を追求するもの」だということだとされており、ここまでをまとめれば「刺身は産地で食べるもの、寿司は街で食べるもの」ということもできるという。
2023年06月13日
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歯磨きは毎日しっかりしているし磨けているから大丈夫と安心している人も多いが、細菌は歯に付着しても多くの場合は唾液で流されてしまうが、唾液の流れが悪い場所に付着するとその場で増殖を始め、徐々に歯垢を形成するため早めに取り除くことが重要だという。「歯磨きをきちんとできていない人がほとんどです」というのは歯科口腔外科医師で、「感覚として磨けた気がしていても、実はブラシの角度が全然合っていない人が多いのです。患者さんだけでも、7、8割ぐらいは歯の裏側や歯の間が磨けていないのです」という。歯磨きにおいてブラシが適切に当たっていないことが多いそうで、まずは正しいブラシの持ち方と当て方を意識し、力加減はあくまでも弱めでしっかりとブラシの毛先を歯に当てることが重要だという。 歯科医師は「歯と歯の間を磨くときは、ブラシを面で押し当ててしまうと毛先が外に広がってしまい隙間まで入っていかないので、歯ブラシを縦に持って、ブラシ全体を使うのではなく毛先の端、1束とか2束を意識して、溝に沿って磨くのがポイントです」と語り、磨き忘れを防ぐためには自分なりに順番を決めて1本ずつ丁寧に磨いていくとよいという。時間については一般的に5分以上かけるようにとよく言われているが、それを毎食後に必ずやるとなるとなかなか難しいし、しかも毎回5分間やっていれば安心かといえばそうではなく、正しく磨けていないとたとえ30分かけても全く意味のない歯磨きになってしまうという。「無理をすると結局続かないので、患者さんには1日の間に1回、全体をきちんと綺麗にしてください」と伝えているという。 また歯垢が残ったまま放置すると個人差もあるが2~3日で石灰化し始め、やがて歯石へと変化して除去しにくくなるそうで、歯石は表面がでこぼこしているので細菌がつきやすくむし歯や口臭だけでなく歯周病などのリスクを高めるという。歯石は下の前歯の裏側や上の奥歯の外側など唾液腺の近くにある歯につきやすい傾向があり、歯石は一度付着すると歯磨きでは落とすことはできないので歯石になる前にケアすることが大切で、日頃からこの部分を意識しながら歯磨きし歯石の元である歯垢をしっかり除去するとよいそうなのだ。歯磨きに関しては自分の生活スタイルに合わせて朝晩だけでもいいし、もし日中忙しくて磨けなかったのなら夜に5分といわず10分ぐらい時間をかけてしっかり磨くなど柔軟に考えればいいのだという。 1日3回漫然と歯みがきをするというよりも重要度を理解したケアに変えるべきで、寝る前にしっかり歯についた汚れを落とせば細菌の増殖を最小限に抑えることもできるそうで、歯磨きはなるべく毛先が軟らかくヘッドが小さい歯ブラシを推奨しているそうなのだ。毛先が硬いと歯茎に磨き傷がついたり歯茎が下がったりする原因となるし、ヘッドの大きさについてはスムーズに奥歯まで届かせるためには、小ぶりなものの方が適しているという。歯ブラシは月に一度決まった日に交換すると決めておくとよく、「歯磨き粉はケアのメインではないので、歯磨き粉なしでもいいですよ」ともいう。また電動歯ブラシを使っていればフロスや歯間ブラシが不要だと思っている方もいるが、電動歯ブラシでも歯と歯の隙間はみがけないので注意が必要だという。 口腔機能が低下した患者さんの治療やリハビリを大学病院で担当しているなかで特に重要性を感じたのが「うがい」だそうで、もしも歯石がついてしまったら歯科医院で早めに取り除いてもらうのがよいという。またかかりつけの歯科医に定期的に健診をしてもらうことをおすすめで、セルフケアがきちんとできることが大切だが、自分だけで完全にケアをするのはなかなか難しいのでかかりつけの歯科医院をもち、定期的にプロフェッショナルケアを受けることを歯科医師はアドバイスしている。自分自身で落としきれない歯石を取ってもらい同時に磨き方の指導もしてもらうことを繰り返しながら、最終的にセルフケアを確立していって口の中の健康な状態をキープできるようになれば全身の健康を保つことにもつながるようになるという。
2023年06月12日
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国連の試算によれば「日本は今後50年間に3300万人の移民を受け入れるか、定年を77歳まで引き上げないと生産性が保てない」とされているが、政府もやっと「税金の支払い者が産まれないと国は倒産する」ことに気がついたという。「3年経てば赤子も三つ」の諺のとおり国を背負う人を育成するには20年の長期計画と親が社会的な信念を持って育てる赤ちゃんが必要なのに、出生数が80万人を切った時まで政治は何をしてきたのかということになるとが、内閣府子ども・子育て本部による「少子化対策の歩み」という資料をみると、何もかもが牛歩のごとき鈍さだったことが分かるという。20年前の男性の育児休業取得率は0.44%で取得者の多くが公務員で、職場や上司への忖度もあって取っても5日~2週間程度だったという。 育児休暇でいうと昔から言われている「床上げ20日」説は単なる経験談ではないそうで、胎盤が剥がれた後の子宮壁の復古、100gが出産直前には5kgに拡大した子宮を支えて伸び切った靭帯の復古や、お産で広がった骨盤の復古に急変したホルモンの回復など母体が妊娠以前の状態に回復するのに必要で、「動き回って靭帯が緩んだままにならないよう、横になって休んで3~4週間かかる」というのが産婦人科医たちの見解だという。育休は本来産婦を体の回復のために寝かせて休ませて夫が家事や育児をサポートするための「主婦業代行」が主目的なのだが、それなのに日頃多忙を極める仕事人間の男性はまるで子作りしたご褒美がもらえるかのように、自分で自由に使える休暇のように錯覚してしまったそうなのだ。 厚生労働省は「人口動態調査」を公表しているが、それによると昨年の合計特殊出生率が1.26の出生数が77万747人と統計史上初めて80万人を下回ったという。政府は児童手当の拡充等の政策を打ち出しているが財源の問題も含め前途は多難で、子育てを「お金」の面で支える制度は大きく分けて「給付」と「税制優遇」があるが「給付」の制度では、「出産育児一時金」は女性が出産した場合に国民全員加入の「健康保険」から子ども1人あたり一時金として50万円を受け取れる制度だという。今年の4月以降に42万円から50万円に増額されているのだが、背景には出産費用が年々上昇していることがあって、もともとは47万円に増額される予定だったのがさらに増額幅が大きくなって50万円となったそうなのだ。 次の「出産・子育て応援給付金」なのだが、これは女性ならば誰でも特段の資格なしに「妊娠届出時」と「出生届出時」にそれぞれ5万円相当の「クーポン」あるいは現金を受給できるものだという。また「出産手当金」は会社員・公務員といったサラリーマンが加入する「被用者保険」特有の制度で、女性が産前・産後の休業を取得したら給与の3分の2の額を受け取れるという。「育児休業給付金」はサラリーマンが「育児休業」を取得した場合に「雇用保険」から給与の3分の2を受け取れる制度となっている。「児童手当」は中学校3年生以下の子を養育している人が子ども1人あたり1ヵ月10,000円~15,000円を受け取れる制度だが、現状は「世帯主」の「所得」と「親族の数」を基準とする所得制限が設けられている。 この所得制限は2段構えになっていて少々複雑なのだが、世帯主の所得が「所得制限限度額」を超えると一律月5,000円の「特例給付」のみ受給でき、そして「所得制限上限額」を超えると1円も受け取れなくなる制度となっている。この所得制限には批判が根強くあることから最近になって政府は、高校生にも月1万円を給付することとともに所得制限を撤廃する方向性を示しているという。「高等学校等就学支援金制度」は高校等の授業料を「実質無償化」するものなのだが、これには実質的な所得制限が設けられていて「両親」の収入の合計額を基準として、計算式で算出した額が「30万4,200円未満」でなければ受給できないという。いずれにしても所得が減っているのに教育費の負担が増大していることが問題なのだということのようなのだ。
2023年06月11日
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物忘れ外来を受診する若い世代が増加しており、そういった傾向からスマホ認知症の発見に繋がったそうで、スマホ認知症は記憶力・集中力の低下や注意力の散漫に言語障害のような認知症と同じような症状が発生するそうだが、症状は一時的なものが多く回復することが多いという。スマホ認知症の場合若年性認知症に繋がる可能性があるそうで、スマホ認知症を発症する世代は学生や仕事を生活の中心としている世代だが、一時的とはいっても私生活への影響は大きく、学校や仕事への影響が睡眠不足につながり健康状態が悪化する可能性も高いそうなのだ。スマホ認知症の原因はスマホからの過剰な情報収集で、脳の前頭前野が処理出来ないほどの情報が毎日入ってくることで脳の容量がパンクしてしまうのだという。 何気なく見ている動画やニュースでも情報を処理するために脳は活発に働いていて、本来人間の脳は情報を取り入れ処理し外に吐き出すまでが一連の流れとなっており、「何気なく」取り入れてしまうとどこにも吐き出されず蓄積されることが多いという。情報が溜まっていくことで容量オーバーになってしまうこともあり、脳の疲弊が深刻化すると新たな情報を取り込む機能や情報を思い出す機能が低下してしまい、さらにスマホのブルーライトも人体にとって悪影響を及ぼすという。就寝前にブルーライトを多量に浴びることで睡眠ホルモンの分泌量が減少し、その結果寝つきが悪くなったり途中で覚醒したりと睡眠不足の原因に繋がるという。睡眠不足は情報処理能力を低下させますます物忘れに拍車をかけていくそうなのだ。 最近は高齢者にも使いやすい機種が増えスマホへのハードルも下がりつつあるが、スマホ使用率が若者の間で高い事はもちろん高齢の方の中でも増加してきている。このため若者だけでなく全ての年齢においてスマホ認知症の危険性は存在しているという。脳疲労によって脳の老化が進むことで他の認知症発症リスクも上がってしまうとされており、総務省の統計ではスマートフォンの世帯保有率は88.6%となっていて生活に欠かせないアイテムだという。認知症の早期診断にあたるもの忘れ外来を約20年続けている「おくむらメモリークリニック」の奥村歩医師によると、1日2時間以上使うという人は脳が疲れて頭の働きが鈍くなってしまっている状態で「スマホ認知症」に注意が必要だと話しているそうなのだ。 スマホはトイレや風呂などどこでも見られて情報過多な状態が起こりやすくなり、脳に入力された情報は前頭葉で整理整頓され取捨選択されて必要なときに重要な情報が取り出される。一方でスマホ認知症になるとこの前頭葉を中心に異変が起こっているというのだが、スマホの使いすぎによって情報がどんどん入ってきて脳の中が「ゴミ屋敷状態」になり、その結果必要な時に重要な情報を取り出すことができず「もの忘れ」や「言語障害」の原因になってしまうという。スマホ認知症を放置しておくとどうなるのかだが、奥村医師は「老後にうつ病や認知症を発症するリスクを増大させる恐れもある」という。スマホの利用時間をある程度制限するのが良いとのことなのだが、さすがに「手放すのは無理」という方も多いという。 このスマホ認知症は回復させることが可能とのことで、CTの画像を見ると「脳が疲労している部分」が青く写し出されており、脳が過労状態で前頭葉を中心に青くなっているそうだが、疲れを回復させた状態では青い部分が少なくなっていくという。そしてスマホ認知症の対策は日光浴で1日10分ほど行うとセロトニン分泌が促進されるという。また昼寝をすると入眠直後のノンレム睡眠に脳の疲労を取り除く効果があり、情報を整理し記憶する力が強化されるとのことで1日20~30分の昼寝を習慣化すると良いという。長時間のスマホ利用が脳に与える影響」は「暴飲暴食が体に与えるダメージ」と同じだそうで、スマホを使うこと自体が問題ではなく「だらだら」とか「ながら」のスマホ使用をやめれば改善につながるという。
2023年06月10日
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今回の毎月勤労統計は30年ぶりの賃上げ効果が反映される初の賃金統計公表ということで注目されていたのだが、物価の変動を反映した働く人1人当たりの「実質賃金」が13か月連続で減少したことが分ったという。厚生労働省は「賃金は伸びてはいるものの、物価高に追い付いていない状況が続いている」としているが、基本給や残業代などを合わせた働く人1人あたりの今年4月の現金給与の総額は28万5176円で、前の年の同じ月から1.0パーセント増え16か月連続の上昇となっている。 一方で物価の変動を反映した「実質賃金」は前の年の同じ月と比べて3.0パーセント減り13か月連続の減少となっており、厚生労働省は「賃金は伸びてはいるものの物価高に追い付いていない状況が続いている」としている。 それでも国の一般会計税収が3年連続で過去最高を更新する見通しで、財務省は昨年度の一般会計税収が61兆5325億円だったと発表しており、一昨年度の同時期に比べ8.1%上回って過去最高となっているという。所得税・法人税・消費税のすべてが増えていて、消費税は円安と資源高による物価上昇率の伸びを背景になんと6.7%増の19兆2693億円となったそうなのだ。昨年度税収は5月ぶんを加えて確定し7月に発表されるが、財務省は68兆3590億円と3年連続で過去最高を更新すると見込んでいるという。もっとも実際にはさらに上振れし初の70兆円超えも視野に入っているそうで、この30年余りの間に自民党を中心とする歴代政権は広く薄く課す消費税を導入してそれを増税してきたという。 それなのに岸田政権で出てくるのは負担増の政策ばかりで、今年度から5カ年の防衛費の総額を43兆円程度とこれまでの1.5倍に増額するため1兆円強を増税でまかなう方針となっている。そのため「2024年以降の適切な時期」に法人税・たばこ税の引き上げだけでなく、さらに復興特別所得税の一部を防衛財源に転用することがすでに決定されている。さらに「異次元の少子化対策」のため社会保険料の月500円の負担増や、16歳~18歳の扶養控除の38万円の縮小が検討されていて負担はいっそう増えていくという。3年連続で税収が過去最高を更新するのに減税ではなく負担増の政策ばかりが出ていて、とにかく少しでも財源が見つかったらとりあえず防衛費に全部回すというものだと思ってもらえれば良いというのだ。 解散総選挙が近づく中で岸田首相としては国民が嫌がることは避けたいのだが、増税も検討対象に加えよと経団連などから提案はされているが法人税増税は経団連の反対でできず、所得税増税は防衛費確保のために東日本大震災の復興財源としての増税分を流用することになっているのでこれ以上は無理だし、残る消費税増税はやりたいのはやまやまだが国民の反対が強く選挙前に提示するのは難しく、そこで考えたのが社会保険料の引き上げだという。消費税などと違い給料天引きなので負担感が小さいという理由で有力視されてはいるが国民を馬鹿にした議論で、保険料は強制的に取られるという点では税金と同じだし、現に国民健康保険の財源は保険料として取っても地方税として取っても良いことになっているという。 そこで「こども特例公債」という話が出てきたわけなのだが、子育てに使えば子供が増えて将来その子供たちが成長して納税してくれるから国債を発行しても大丈夫という理屈だという。しかしその効果が出るのは早くても20年後しかならないということのようなのだ。しかも財務省の巻き返しがあったのか発表された「こども未来戦略方針」案では単なる「つなぎ国債」になることが判明しており、とりあえずは国債で賄うが5年後には安定財源を確保するという。つまり5年後には何らかの負担増となるということで、結局は増税か保険料引き上げという話になるという。子育て支援の話が社会保障サービス削減の話に姿を変え、最後は消費税増税の話になるという政府自民党のシナリオは国民を馬鹿にする騙しのテクニックだというのだ。
2023年06月09日
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歯は万病の元といわれるが正しいケアはできているかが大切で、鳥取大学医学部附属病院歯科口腔外科の歯科衛生士石見香穂氏は「歯ブラシで磨けた気になっていても、実はブラシの角度が全然合っていないことが多い。私が診ている患者さんだけでも、7~8割ぐらいは歯の裏側や歯の間が磨けていない」という。歯科口腔外科には歯に関わる疾患のみならず口腔・顎・顔面領域全般にわたるいわゆる「口腔顎顔面外科」を謳っているそうで、「口腔」とは消化管の入口部分を指すという。口腔の前方では唇が外界と接し後方は咽頭につながっているがこの複雑な構造をまず理解する必要があるそうで、専門的な治療の他に歯科口腔外科では虫歯治療や義歯の調整などいわゆる一般歯科治療も行なっているという。 歯科口腔外科の医師は「基本的に地域の歯科医院では扱うのが難しい疾患を治療しています。広い意味では専門的な検査・手術・入院加療が必要な疾患と言ってもいいかもしれず、例えば親知らずの抜歯・口腔がん・口唇裂・口蓋裂などですね」という。口腔がんは進行すると多くの場合顎の下や首のリンパ節に転移するし、さらに進行すると肺に転移し全身に広がっていくので適切な処置を施さねば命にも関わる重大な疾患となる。治療の基本はがんの切除だが切除する部位やがんの大きさによっては再建や移植手術を同時に行うこともあるそうで、「大きな口腔がん手術で再建が必要な場合、自分たち口腔外科だけで手術をするのではなく、形成外科の先生などと協力して、それこそ本当に1日がかりの手術になったりもします」という。 歯科口腔外科のもう1つ重要な仕事が手術の前後に行う周術期口腔機能管理で、全身麻酔をする手術においては誤嚥性肺炎などの術後合併症を予防し、気管挿管の際に歯が抜け落ちてしまうのを防ぐことが重要になるという。その重要性は広く周知されていて平成24年度より保険適応となっているそうなのだ。また一番の問題となるのが歯周病なのだが、歯周病とは歯周病菌が歯茎の炎症を起こし進行すると歯を支えている骨を溶かす病気で、歯周病の原因となるのはプラークと呼ばれる細菌の塊で1mgの中に1億~10億もの細菌が存在するという。歯科口腔外科の医師は「歯周病菌が厄介なのは、菌が血液の中に侵入し、感染を起こすことです。それは抜歯をするときだけでなく歯磨きでも一過性の菌血症になる」と語っている。 歯周病はかかってから治療するのではなく丁寧な歯磨きや定期的な歯科健診で予防することが大事なのだが、歯周病菌が全身に回り心臓弁や心内膜に到達する「感染性心内膜炎」を発症するし、口腔内の汚染が強い状態で気管挿管を行うと歯周病菌が挿管チューブを伝って気管に入り誤嚥性肺炎を引き起こすことがあるという。心臓に限らずあらゆる疾患において口腔ケアは重要な役割を担っていて、食道がんや喉頭がんの手術を行う際に口腔ケアを行うと術後合併症が少なくなり退院までの日数も短縮されるというデータがあるという。消化器がんの手術や心臓手術をはじめとして化学療法を行う症例でも口腔ケアが実施されていて、一見無関係と思われる整形外科手術でも心臓手術と同じように口腔ケアを実施しているという。 歯周病は歯を失う要因ともなるそうで、歯周病は知らないうちに進行し気づいた時には重症化していることも多いため、「静かなる病気」とも呼ばれているという。日本人が歯を失う原因の40代後半以降で最も多いのが歯周病で、成人の約8割が歯周病にかかっているとも言われもはや国民病となっている。歯科口腔外科の医師は「歯周病菌は誰もが持っているのでこれを完全に除去するというのはなかなか難しい。歯周病はどれか1つの要因というよりは、歯周病菌の細菌因子や年齢・性別・全身疾患などの宿主因子だけでなく、喫煙・ストレス・食生活などの環境因子が複雑に絡みあって発症します。病気になりにくい状態を保つことで、元気に長生きして充実した人生を送るための第一歩は歯を大切にすることです」という。
2023年06月08日
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岸田総理の長男による総理公邸での振る舞いが物議をかもしているが、この件をきっかけに議員の世襲が改めて問われているそうで、記者会見で「本人から辞任の申し出があったのか、総理から更迭したのか」と問われて、岸田総理は「けじめをつけるために交代させた、今申し上げたとおり」と答えている。交代となった岸田総理の政務秘書官で長男の翔太郎氏は、年末に親戚らと総理公邸で忘年会を開き組閣の記念撮影を真似た「組閣ごっこ」と揶揄される写真が週刊誌に掲載されたそうなのだ。また今年の1月の総理外遊中には公用車を使って観光していたと報じられるなど批判が相次いでいたそうで、こうした行動について街からも「何をしていいか、何をしちゃダメなのかを分かっていない」との声が上がっているというのだ。 政治家の世襲をめぐり自民党の小泉進次郎衆院議員が歌舞伎俳優や落語家と比較した発言に失礼だと厳しく指摘されているが、TVの報道番組で首相政務秘書官を辞任した岸田首相の長男による公邸内での親族による忘年会での写真撮影などの行動の問題が起こり、彼が政務秘書官をやったことで、今後は国会議員になるため出馬する布石だったのだという話になり、「地盤・看板・カバン」のテーマで政治家の世襲を取り上げられている。この中で小泉重一元首相の地盤を受け継いだ進次郎議員が初当選後に「世襲は歌舞伎役者や落語家みたいに世襲になりました、成立しますというのではない。皆さんが当選させて初めて世襲は成立する。これは有権者の皆さんの判断だと思う」との発言を紹介されたという。 あるコメンテーターは「国会議員はみんな錯覚すると思う。議員会館ってものすごく立派なんですよ。あそこに入ると、俺、偉くなったなと感じしていると思います。ところが実際にどんな活動をしているのか」と前置きした上で、「先程の小泉進次郎さんの言葉、僕は失礼だなと思ったのは、歌舞伎役者とか落語家はものすごく稽古しなきゃいけない。歌舞伎や落語は人々を喜ばせたり感動させたりしているが、世襲議員は親や官僚に頼りきっていて、誰でもできるような感じだよ。ところが自民党もそうですが、小選挙区の時には党の候補。その時の党の候補にどうやってなるかという時に、候補者の親の力、それで世襲ができるんです。ちゃんとその人の資質をチェックしていない。これは問題だと思う」と指摘したそうなのだ。 元々岸田翔太郎氏は岸田総理の後継者として議員となるいわゆる「世襲」が期待されているとされており、今回の件で与党内からもそれを危ぶむ声が聞かれたという。親や親族が議員で選挙区での強固な支持組織だけでなく、親の代からの知名度そして資金力といういわゆる「地盤・看板・カバン」を受け継いで議員になった人を「世襲議員」と呼ぶのだが、実は岸田総理も祖父・父から3代続く世襲議員だという。こうした世襲議員は実に数多くいて日本では1990年代半ばからの20年で衆議院議員の世襲の割合はおおむね25%以上となっており、つまり4人に1人とするデータもあってこうした状況には以前から批判があったといわれている。そこで自民党は2009年の総選挙のマニフェストで「世襲制限」をもうけるとしたそうなのだ。 日本で数多く見られる「世襲議員」の問題点を毎日新聞の与良正男氏は「政治っていう一番公共性を保たなくてはいけない仕事が、一種の家業。結果的に新しい人たちが政治家になろうと思ってもなかなか入ってこられない。その大きい壁になっているのは間違いない」としている。片や同じ議院内閣制の先進国イギリスでは19世紀後半に特権階級が支配する政治に労働者の不満が高まり選挙制度が改革されているそうなのだ。そして誰でも政治家を目指せるように2大政党の方針として大部分の候補者は地元に縁のない選挙区から立候補することとなり、事実上の世襲は難しくなっているそうなのだ。つまり日本でも政治家の世襲制を私たちはちゃんと見てある程度のルール線引きをちゃんとした方がいいということのようなのだ。
2023年06月07日
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私もそうだったのだが多くの企業では人事部門が主催して「セカンドライフセミナー」といったようなタイトルで50代の社員たちに対する定年後の準備に向けたセミナーが行われているが、年間十数回はそういうセミナーで講師を務めている穂とによると、セミナーで面白いのは参加者がグループに分かれて定年後の生活に向けて意見を交換するというセッションで、自分の講演が終わった後はそういうグループセッションに参加させてもらって、受講者の話を聞かせてもらうようにしているという。このような場合は大体立場の似た人が同じグループにまとめられることが多いそうで、同じ年次でも部長・課長・無役社員と職位に差があるためで、同じ程度のクラスでないと話が弾まないだろうという配慮からそのようにすることが多いそうなのだ。 サラリーマンの方が自営業より資産作りに成功する可能性が高いそうで、なぜなら収入は安定しているしそれなりに計画的に管理していれば予定外の支出などはそうそう出てくるものではないからだという。もっとも社内的な地位の高い人ほど実は資産があまり多くなく、逆に立場は無役でもしっかりと資産形成をしている人が多いという。本来であれば職位の高い人ほど給料も多いはずなのに実際は必ずしも地位と資産がパラレルにはなっていないのは一体どうしてなのか考えてみて、1万人を超えるアンケートと500人に及ぶインタビューの結果わかった資産を持っている人に共通するたった一つのことは、「収入以上に使わない」というごくシンプルで当たり前すぎるぐらい当たり前な話だったということだったそうなのだ。 そして支出には固定費と変動費があるのだが、昨今「固定費の見直し」具体的に言えば保険の見直しや無駄な会費の支払いといった項目については改善すべきだという考え方が浸透しつつあり、事実色んな数字を見る限り着実に改善されつつあるようだというのだ。ところが変動費についてはまさに人によってさまざまなので一概には言えないそうで、一般的にサラリーマンで変動費の支出が多い人の特徴は何かと言うと、どうやら付き合いや飲食による支出が多いようだという。社内的に高い地位にいる立場の人は部下も多いし外部との交流機会も多いわけなので、結果として飲食の機会が増えるのが普通だとされていてそのために交際費というものがあるわけなのだがそれにも限度があって支出が増えてくるという。 付き合いの機会が多い人にとってはやはり自分のお金を使う頻度も高くなるようで、地位の高い低いとは関係なく外での飲食が好きな人であれば、飲んだり食べたりすることでストレスが解消されるのでどうしてもそういう機会が多くなるという。結局支出が多くなる元凶は仕事に対する熱心さがもたらす付き合いの多さと、ストレス解消のために増える飲食機会ということになるようだとしている。またサラリーマンに限らないが一般的に多くの人は収入を増やすことばかりに熱心になる傾向があって、出世街道をひた走るエリートサラリーマンも同様で仕事で成果をあげて何とか高い地位に就き権力も収入も増やしたいと思うのは当然なことなのだが、結果として外部との交流機会等のような支出が増えることになるということのようなのだ。 そして多くの人が誤解しているのだが収入をコントロールすることはほぼ不可能で、自営業やフリーランスであれば収入が不安定ですから当然なのだが、収入が安定していると思われるサラリーマンでも収入のコントロールは不可能だという。なぜなら昇給や昇格は自分が決めるのではなく上司や人事部が決めるからなのに、ところが多くの人が努力すれば収入をコントロールできると勘違いしているそうなのだ。ではコントロールできるものは何かと言えば支出で、どうすれば支出をコントロールすることができるかということなのだが、これは結論から言えば「見える化」することに尽きるという。さらに言えば漠然とした老後の不安も「見える化」することでかなりの部分は解決すると思った方がよいとアドバイスしている。
2023年06月06日
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タワーマンションと呼ばれる建物の歴史は古く東京オリンピックを目前にした1963年に建築基準法で規制されていた特定街区が改正されたこともあって、1976年に住友不動産が建設した埼玉県与野市の21階建てマンション「与野ハウス」が最初と言われているが、日本では超高層マンションに対する法的な定義はないが「マンション学事典」では「高さが60mを超える建築物」と同義としている容積率や斜線制限だけでなく日影規制などが厳しかった当時の日本の都市計画ではこうしたタワーマンションが建設できるエリアは少なくあまり普及してこなかったという。ところが1997年に実施された規制緩和策がきっかけになり多くのタワーマンションが建設されることとなるのだが具体的には都市計画上「高層住居誘導地区」が定められたことによる。つまり容積率の上限を600%まで引き上げることや日影等の規制を緩和することで街中に高層住宅を建設しやすくなったというのだが、マンション内の共用廊下や階段部分の面積を容積対象面積から除外するという建築基準法の改正も行われ、実質的に建設できるマンションの床面積が大幅に増加したことなどを背景にタワーマンションの建築ラッシュは始まったという。日本のタワーマンションは建築基準法の規制緩和の影響を受けて高さや立地における自由度を広げてきた背景があり、今後も都市の発展への貢献が期待されることからタワーマンションの建設はまだまだ継続していく見込みで、今後も都市の発展への貢献が期待されることから都心部を中心にタワーマンションの建設・計画の増加が見込まれているそうなのだ。 不動産経済研究所が首都圏で供給されているタワーマンションについて興味深いデータを発表しており、この調査によると2000年から2021年までに首都圏で供給されたタワーマンションは822棟の約24万7138戸となっているのだが、この期間に新たに供給されたマンションは121万9158戸でなんと首都圏でここ20年余りの間に供給されたマンションの20%にあたる5戸に1戸がタワーマンションという計算になるという。タワーマンションは超高級マンションの代名詞ともいわれてきたがいまや新しくマンションを買う人の5人に1人がタワーマンションオーナーとなってくるとタワーマンションとしての希少性は薄くなり、資産価値が落ちにくいと言われているタワーマンションでも数が増えればタワマン同士の競争も激化しているという。 タワーマンションは一棟の建物の中に数百戸から1千戸超もの住戸が軒を連ねる一大地域社会と言ってもよく、共用部内にはジムなどのトレーニング施設・図書室・託児所中には豪華なプールなどを備えたものまで存在するという。これらの施設には維持管理費用がかかるしフロントには住民のさまざまな要望に応えるコンシェルジュがいるが、彼らの人件費は毎日のように計上されていて、建物設備が豪華である分維持管理費用の塊だという。タワーマンションの管理費は物件によって戸数や共用施設の内容が異なるので一概に相場というものはないが、1平方メートル当たり250円から300円程度で、70平方メートルの住戸であれば1万7000円から2万円といったところなのだが管理費は割安といえるそうなのだ。 戸数が多いので管理費収入の総額は膨らんでいて数百戸の住戸を抱えるタワーマンションともなれば年間数千万円から1億円の収入となるが、この収入の中から共用施設の管理業務を行っていくという計算になるのだ。これで豪華な施設を利用できるのだからお得だというのはうなずけるという。ところがマンションの管理業務は清掃や設備の点検作業・修繕などほとんどが人の手によるものでロボットやAIに置き換えられるものではなく、こういった仕事は人手不足の影響を受けやすいので人件費の値上がりは管理費用のさらなる高騰を誘発するという。そして管理費も現状の改定では間に合わなくなり、採算の合わない管理会社からサービス内容の変更や管理業務そのものからの撤退を突き付けられる可能性すら出てくるという。
2023年06月05日
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高齢化の進行で林業に従事する人が減少し手つかずのままの森林も少なくないが、それを解消して国内の森林整備などを目的に住民税に上乗せされる形で納税者から直接徴収されるという「森林環境税」は、先行して別の財源から自治体に交付金が配分される制度が始まっているが、その使いみちはおよそ半分が眠ったまま有効に使われていない実態がわかっているという。「森林環境税」はフランスで開かれたCOP21で採択された「パリ協定」の枠組みのもと温室効果ガスの排出削減目標の達成や災害の防止などを達成するため法律が5年も前に成立している。国民からの「森林環境税」の納税が始まるまでは先行する形で国庫から交付金が配分されていて、間伐や人材育成・担い手の確保等の費用に充てるとしているのだ。 そして来年からは国税として国内に住所がある人から1人1000円も住民税に上乗せする形で「森林環境税」が徴収されるが、納税者を約6200万人とすると税収は1年で620億円に上るといわれている。その税収は全額が「森林環境譲与税」として全国すべての都道府県や市町村に配分される予定なのだが、納税開始までは先行する形で国庫から交付金として配分が始まっている。日本は国土面積の約7割を森林が占め世界の先進国の中でも有数の森林大国なのだが、木材価格の低迷や所有者や境界がわからない森林の増加に、林業就業者の不足などが深刻な課題となっている。こうした中での新しい税の導入について国は「森林を守ることは、国土の保全や水源の保護など国民に広く恩恵を与えるものだ」と説明している。 税として徴収されるのは来年度だが、導入が決まったのは「森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律」が成立した5年前で、すでに国から自治体への配分は始まっており、林野庁ではそれがどのように活用されているかの実例が紹介されている。その一例は森林の半分が私有林の町では大半が手入れ不足となっており、災害が発生する危険性があることから税を活用して整備を実施している。また林業の担い手を確保するため用具の購入費の補助をおこなっているという。日本は森林が面積の約7割を占める「森林大国」にもかかわらず深刻な課題を抱えていることを考えると、「森林環境譲与税」は必要な税だとも思えるのだが、昨今の相次ぐ増税の上に、さらに取られるのかということで批判の嵐となっているという。 多くは「太陽光パネル設置で森林をグチャグチャにしながら再エネ賦課金で俺達からお金を取った挙句、グチャグチャになった森林を守るために税金取るのだってさ。全額太陽子発電業者が払いやがれ」というものや、「あれだけメガソーラー推進して、森林伐採しといての正にマッチポンプ増税」といったものまであって批判も多いという。多数の太陽光パネルを設置するメガソーラー建設のため日本各地で森林の伐採が進んでいるのは間違いなく、傾斜地に建設されるため土砂災害の発生が危惧されているところも多く、地元住民とのトラブルも多数発生しているという。森林環境税による税収は各自治体への配分は「私有林や人工林の面積」に応じた配分が50%、人口に応じた配分が30%、林業従事者数に応じた配分が20%となっている。 森林がなくても人口が多い自治体には多額の譲与税が配分されるというのだが、そうすると森林とは縁遠そうな都市部の自治体にも多額の税金が配られることになってしまうという。森林税の自治体への配分は5年前からすでに始まっており、3年間で約840億円が配分されているという。そのうち47%にあたる395億円が消化されず基金として積み立てられているのが現状となっていて、私有林や人工林の面積がゼロの東京都渋谷区では3年間で4600万円あまりが交付されているが全額を基金として積み立てており、専門家は「人口基準があるため都市部に多く配分されていて、それが使われていないことが批判されているわけです。今後、森林環境譲与税の配分基準については見直しの議論は出てくると思う」と話している。
2023年06月04日
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生きていくうえで「幸せになりたい」と願うのは自然なことで、一般的に「高年収な人がうらやましい」とか「もっとお金持ちになりたい」と考える人は多く、「年収が高い=幸せ」という考えは多くの人が無意識に抱いているという。この思い込みに疑問を呈する研究があってノーベル経済学賞を受賞したプリンストン大学のアンガス・ディートン教授は年収と幸福度の関係について興味深い研究結果を発表しており、この研究によると年収が7.5万ドル(約800万円)を超えるとそれ以降は年収と幸福度の相関があまり見られないというのだ。この研究結果をかみ砕いて説明すると年収800万円までは年収が上がるに従い幸福度が上昇するのだが、それ以降は年収が増えても幸福度はあまり変わらないということになるということのようなのだ。 日本でも内閣府が年収と幸福度に関する調査結果を発表しており、内閣府が実施した「満足度・生活の質に関する調査(第1次報告書)」でも年収と幸福度の興味深い関係が示唆されているそうで、調査では「現在の生活にどの程度満足しているか」について0~10点の11段階で質問したものなのだが、調査結果によると年収100万円未満の人の幸福度は平均5.01に対し、年収700万円以上1,000万円未満の幸福度は6.24で1.23の差が開いているが、年収1,000万円以上2,000万円未満の幸福度は6.52となり、年収700万円以上1,000万円未満と比べて0.28しか差がないというのだ。アメリカの研究同様やはり年収800万円程度を目安として年収が幸福度に与える影響が薄れていくといえるそうなのだ。 さらに「満足度・生活の質に関する調査(第1次報告書)」では年収3,000万円以上になると逆に幸福度が下降するという衝撃的な結果となっており、幸福度は年収3,000万円以上6.6となり年収5,000万円以上6.5の年収1億円以上6.03と緩やかに下降していくという。年収1億円以上の人の幸福度はなんと年収700万円以上1,000万円未満の人の幸福度よりも低いことが明らかになったそうなのだ。つまり「年収600~800万円くらいが生活するうえで特にストレスを感じることもなく、我慢もしながらたまに贅沢する、だからこそ贅沢が楽しく感じられる」ラインだと結論を述べているのだが、年収800万円を超えると「同じ水準で遊べる友人が少なくなる」だけでなく「欲があまりなくなる」のだということのようなのだ。 もっとも幸福度が低いグループと幸福度が高いグループに分けて分析した結果なのだが、幸福度が低いグループの人々では年収と幸福度の関係がある一定で頭打ちになるが、幸福度が高いグループの人々では年収の増加とともに幸福度の上昇傾向がさらに強まるという結果になっているともいわれており、幸福度が高いグループでは年収が10万ドル(約1300万円)以上になると幸福度の伸びが増強されていて非常に興味深い結果となっているという。幸福度が低いグループと高いグループでは学歴・健康・就業状態といったさまざまな要因の影響が異なってくることが徐々に明らかにされており、幸福度の高いグループほど学歴や健康の影響が小さく仮に失業しても幸福度の低下が小さいことがわかっているという。 アメリカでは所得格差が拡大し続けていて日本以上の所得格差社会であり、これに連動して幸福度に格差が生じている可能性があるという。「お金持ちほど幸せになれる」ということは社会全体の所得格差が大きい場合には、幸福度の格差も大きくなる可能性があることを意味するとされていて、資本主義経済の中では競争を前提としており、所得格差が生じるのは避けて通れないのだが、所得と幸福度が連動している場合には大きな所得格差の存在は幸福度の差につながる恐れがあるという。日本の所得格差を厚生労働省の「所得再分配調査」から見ていくと、再分配後の年間所得では所得格差が緩やかに低下していて、一時期所得格差の拡大に大きな注目が集まっていたがその傾向はやや薄れつつあるという。
2023年06月03日
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睡眠の質が低下すると寝覚めが悪くなることがあるというが、たとえば私のようにいびきをかくとは睡眠の質を低下させる大きな要因で、無呼吸症候群は気道が閉塞し数秒間の無呼吸が続いてしまい、いびきと無呼吸が繰り返しおこり一時的に無酸素状態になって心拍数が高まり、心身が覚醒した状態になって睡眠の質が低下してしまうという。寝る直前までスマートフォンを触るのもダメでブルーライトは睡眠の質を低下させる大きな要因だという。スマートフォン使用者のなかには「眠気がこなくて朝まで起きていた」などという人も少なくないが、眠気を感じないからといっても体は睡眠を求めているし、ブルーライトは睡眠を阻害するだけでなく目の疲れを助長して慢性的な眼精疲労を招くおそれもあるという。 これ以上の悪化につなげないためにも睡眠の質が悪いと感じたら生活習慣の改善を見直すことが大切で、アラームを念入りに設定して前日の晩は早々にベッドに入ったのになんでこんなに起きるのがつらいのかというと、睡眠の専門家であるニール・ロビンソン氏によれば疲れたからもう少し眠るといってアラームを切り、寝直して数分後に起きる場合は睡眠サイクルがまた始まったところを急に中断されることになり、かえって一日中疲労感を覚えることもあるという。疲れがたまっていて起きられないときは「あとで休めるよ」と自分にやさしく言い聞かせ、「通勤バスで眠れる」とか「今起きて後回しにしてきたことを片付けて、週末にゆっくり休めばいい」や、「朝に運動しておけば、夜に友達に会う時間を捻出できる」などと考えるとよいそうなのだ。 もちろん最初から何の問題もなく明け方に起きても眠気を感じず爽快な一日を送れる人もいるわけだし、朝型人間と夜型人間を決定する遺伝子があるという説もあるが、明け方起床に成功する人と失敗する人のいちばん大きな違いは「何のために起きるのか」にあるという。明け方起床を容易に成功させる人は朝早く起きることで手にした時間に夢を叶えられること、または追加で自由な時間すなわちボーナスタイムを確保したことを大きなご褒美と考えており、そして日々少しずつ変化する自分自身を発見しながら達成感を味わい、今より明るい未来に期待する思いで明け方起床を継続したいという情熱と意欲を高めているという。その反面明け方起床が苦手な人は特に早起きすることにメリットを見出せないのだという。 睡眠の質を高めるためには入浴が効果的だということはよく知られているが、寝つきを良くするためには深部体温を下げる必要があるそうで、深部体温は一旦上げることで下がりやすくなるとされており、入浴すると深部体温は一時的に上がりその後緩やかに下がり、この体温の落差によって寝つきが良くなるので睡眠前の1〜2時間前に入浴する習慣をつけるとよいという。また人の体には体内時計が備わっておりこの胎内時計は太陽の光を浴びることでリセットされるという。体内時計を整えるために朝目が覚めたら太陽の光を浴びるのがよく、時間に余裕があれば水分を補給して15分ほど散歩をするのもおすすめだという。日光を浴びてから15時間ほど経つと自然に眠気が訪れ、夜には眠気に逆らわずすぐに布団に入るとよいそうなのだ。 明け方起床について誤解があって早く起きると一日中疲れを感じるという考えだが、私たちを疲れさせるのは起床時間ではなく前日に遅く寝たり過度にエネルギーを消耗させたりして睡眠不足に陥り疲労を感じるのだという。起床自体は何時であろうがアラームが鳴る瞬間に押し寄せる気だるさは全く自然な現象だそうなのだが、自分だけの「時差」を作ることで規則的な活動を維持できるようになれば明け方起床はもう少し楽に実践できるという。アラームが鳴って5秒以内に起き温かいお茶を飲むまで一日を始めるときのルーティンをスケジュールに組み込んでいけば、毎日似たような時間に一日を終えまた始める努力が必要となり、これが規則的な生活の基本でその基本に慣れてしまえばそれが日常になるという。
2023年06月02日
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世界トップクラスの半導体メーカーである「台湾積体電路製造」は世界シェアの過半を占め半導体の価格決定権を持つといわれるほど有力な企業だが、台湾はもちろん米国や中国にも製造拠点を持ち昨年の第3四半期の段階で世界シェアの56.1%を占めていて、時価総額はトヨタの倍以上となる約62兆円だという。その「台湾積体電路製造」や韓国の「サムスン電子」等世界の有力半導体メーカーがわが国に大規模な工場を建設するケースが増えていて、こうした有力半導体メーカーがわが国にやってくる背景にはいくつかの要因があるという。まず台湾問題の地政学リスクは重要だそうで、戦略物資として重要性が高まっていて、半導体の安定供給体制を確立するため台湾や韓国からわが国に生産拠点を急速にシフトしているという。 これまでもわが国の超高純度の半導体部材や精密な半導体製造に検査装置メーカーの国際競争力も高いとされていて、有力メーカーにとって原材料や部材を入手しやすい環境は有利だとされてきた。さらに半導体メーカーにとってトヨタ自動車などの重要顧客が近くに位置することも見逃せないという。弾みが付くとはこのことなのだが「台湾積体電路製造」の熊本新工場立地でまさに半導体狂騒曲の中にある熊本県下は、またしても大手デバイスメーカーの新工場建設がアナウンスされたそうなのだが、パワー半導体では国内トップで世界でも上位にランクされている三菱電機が1000億円を投じて、熊本県泗水エリアにパワー半導体の新工場を建設することを明らかにしたそうで、この新工場はなんと最新鋭のものだという。 日韓首脳会合で韓国の半導体メーカーとわが国の半導体関連の連携を強化して供給網を強化することにも合意しているが、半導体大手企業による対日直接投資積み増しの背景は地政学リスクの高まりだという。支配体制の強化を目指す中国の習近平政権は台湾への圧力を強めていて、米軍関係者の間では台湾海峡で有事が発生するとの警戒感も高まっている。台湾企業にとって米国との関係を基礎に安全保障体制を強化するわが国は地政学リスクの高まりから離れ安定した事業運営体制を確立するために重要性が高まっている。朝鮮半島では固体燃料エンジンを搭載した新型の大陸間弾道ミサイルの発射実験を行うなど北朝鮮の軍事的挑発が増していて、サムスン電子にとっても安定した研究開発体制の整備は急務だという。 わが国の企業は半導体の部材や製造装置などの分野で競争力を維持しており、わが国の半導体部材の製造や検査装置は世界的に競争力が高いという。しかもわが国には半導体大手メーカーの顧客企業が多く、昨年まで3年連続でトヨタ自動車の新車販売台数は世界トップだったし、電動化などを背景に自動車に用いられる半導体点数は急増しているという。またソニーのカメラや任天堂のゲーム機などもより多くのチップが用いられるようになっているという。しかも政府が半導体分野での補助金を支給することもあって、政府は「台湾積体電路製造」などによる工場建設に4760億円を上限に助成を行うと発表している。政府は米マイクロンにも支援を行なっており、横浜におけるサムスン電子の拠点開設にも支援が行われるという。 新工場ラッシュが止まらないが工場用地は足りないし人材育成が追い付いておらず、道路などのインフラ整備も急がなければならないそうで、企業誘致の経済効果は、熊本県下に4兆円の富をもたらすと言われている。世界の半導体市況は総崩れというべき状況にあるが、わが国の多くの企業は潤沢にキャッシュを蓄えていて、手元の資金を需要増加が見込まれる分野に再配分し、海外企業には模倣できないモノづくりの力を磨くことが半導体関連企業に求められている。わが国企業はこのチャンスを生かして人材の育成、研究開発体制の強化を徹底し、世界から求められる素材や装置の供給力を引き上げることが必要だが、有力メーカーの進出は一時的な現象で終わってしまうので、日本経済にとっても逃してはならない好機だという。
2023年06月01日
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