「実はー。 あの二人には恥ずかしいから言っていないこと
があるんだよねー。」
へ?なんのこと?まさかRちゃんとうまくいってないとか?
「Rちゃんとであったとき、彼女いたのほんと。でもその前に 実は浮気されましたー。
Rちゃんに会う前に。その後、自分から電話して別れましょー、言いましたー。」
・・・あ、出た。 彼女の方が去ってくパターンのK君の恋愛王道。
なんで親友なのにそんなことナイショにしてんのよー。
「だって かっこわりぃ
でしょ。あいつら僕がいつも彼女の方からふられることも、日本で全然もてなかったことも、まだ今の彼女入れて4人としか付き合ったこともしらないねー。」
ぎゃーーーす!
え?じゃあ、K君のことあの二人はどう思ってんの?
「もてもて。日本でも、もてもて。」
嘘つきじゃん(爆死)。
「 嘘じゃないよー。見栄はったよー。
タイ人見栄はるよー。Tも彼女いるけど、お店の女の子に告白してるよー」
・・・???T君、彼女いないっていってたよ。だって本気でがっかりしてたよ、あの子に彼氏がいたことを。
「は?まじかよー?だってからかって声かけてるってこの前言ってたよ」
おいおいおいおい!みんなで見栄張り合ってるのかきみたち?誰が言っていることが本当なんだ?教えてくれ!タイランド!
この深刻さは嘘じゃなさそうなのでK君の話はK君が正しいに違いない。だって、K君は日本で出会って、仲間うちで評判の 「めちゃくちゃへタレ」
だったわけだけど、タイでは「そうじゃないもーん、 僕日本でも、もてもてだったんだぞ!
」という顔をしていても不思議はない。そういや前、サイアムスクエアで2人の女の子に囲まれてうはうはしつつ 「こう見えて俺ー、もてるっすよお」
と、二人のタイ人女子に本気で言っていたし。
・・・全て知ってるんなぁさんと、お嬢は「・・・????そうだったっけ?」と言っていたけど。
まあいいや。Rちゃんは久々の大ヒットってことか。
「俺、Rちゃん、大すきっす!」
真剣な顔のK君には悪いがこの見栄の張り合いがおかしくてあたしは笑いをこらえるのに必死だ。
「なーにがおかしいんすか?」
いや、今度は彼女から捨てられないようにがんばるんだよ・・・K君。
「がんばるっす!」
K君、日本で恋愛話相談相手のあたしに、「あれはもてるふりでげした」と言えたことで相当すっきりしたらしく「よぉーし!飲むぞオ!」と元気一杯だ。
もちろん 「あの二人には浮気されて別れることになったとはぜーったいに言わないでほしいっす。彼女よりかわいい子が俺に好きって言ったから、付き合うことになって別れたって言ってあるんで!」
と釘を刺される。
あい。わかりました(笑泣)。
その後エンジンがかかりまくりテンションがマックスのK君。●君なんか途中違う友達の誘いがあって(この時点で夜中の3時30分)帰っちゃうし、あたしも眠くて舟を漕ぐ始末。耐えられなくなってきたんで「ねー。帰らない?」と言ったところ・・・ 「だめー!このボトル飲み干すまでだめだめだめーーー!」
・・・ううう。つらい。
しょうがないんで飲みを進める(飲めるところがミソ)。おい、T君!卑怯だぞ起きろ!やけになって隣で死んでいるT君をゆさぶる。
気がつけば4時30分には店に人がいなくなってしまった。
当たり前だ。4時30分だもの。
それでも追い出されないのが恐ろしい。タイの深夜営業の法律も、ここじゃ無視されてるのね。
「ねーねー!今、オーナーに聞いたら下のクラブにこのボトル持って行っていいからって言われたア!下のクラブに移動!」
とビンを振り回して先導をにぎりるK君
「ええええー?」
見るとオーナー。めちゃくちゃ若くてかわいい2人の女の子とビリヤード中。 要はかわいい子と遊ぶから早く出て行ってくれってことみたい。
とほほほ。帰れると思ったのに。
T君と目で「帰りたいよう」と合図しあうが、「まだまだだよぉおおお!」と叫ぶK君。この人、本当は飲んでも酔わないし、紳士的な様子も変らないのよ。この日はかなりおかしい。Rちゃんとお付き合いできるようになったことが相当嬉しいんだろうか?
しかしおかしいのはこの男だけではなかった。
階段から滑り落ちたまま寝ている泥酔男!!!!!

その男が起きるまで、周りの友達は遠巻きにみているだけのようだ。 助けないのか(驚愕)!?
かなり酔っていて、何見ても楽しいあたし。思わずその泥酔者を撮影。
「俺も撮ってーーー!」
なぜかK君、乱入。
「俺も撮ってーーー!」
え?あんた誰?
・・・泥酔者の友達のようだ(爆笑)。しかも蹴りポーズつき。あんたたち、ちゃあんと連れて帰ってあげなさいよ!
よれよれの足で地下に下りていくと、そこはもう朝方だって言うのに異常な盛り上がり。
「ここは10代の人しか来ないクラブですぅ。よっしー、はずかしいねぇ」
「どーいう意味かな?」
「あっ、恐い。なんでもないです・・・。」
・・・いんや20代も多そうだぞ。でも間違いなく30代はいなさそうだ。さっきの店は若い人からおじさんまで勢ぞろっていたけど。
10代、全員酒を飲んでいる。あ、でも大丈夫よ、どう見ても30代も来てるじゃん。
「保護者じゃないの?うほほほ。」
ちがーーーーう!ほら見ろ!あそこのおじさん、若い子と踊りまくってるじゃん!
「ミアノイ(愛人)が、わっかーいね。うひょひょ」
・・・あ、そうですか。 この空間で数少ない三十路、よっしー。
ウイスキーソーダ割りを黙々と飲む。→もう飲めない、いやだ、いやだと言いながらすいすい入ってしまうのが酒飲みの恐ろしいところなのだ。
K君、なんだか危険なスイッチが入ったのか、今日は口調も乱暴だし(いつもは酔ってもとっても言葉も礼儀正しい) 目が恐い。
「T君、今日、K君おかしくないか?」
「うん。ちょっと。思った。今日、暴れてる。 どうでもいい、帰りたぁい、ネムゥイ
。」
・・・???振り返ったらアホみたいに踊り狂っているK君。それが時々タコおどりになるのが痛い。ほらK君、周囲の10代、白い目で見てるよ、ここではお前もおじさんだ!
おいらも眠いだよ。T君と共に白目を剥いて眠気に耐える。危険でもいい、タクシーで帰るから、帰らせて・・・
「だめぇえええ!まだ残ってるでしょ!まだ飲み足りないー!」
こっちはあんた待ちの2時間ずーっと飲んでたんだよ!飲みすぎなんだってば。
その時、ほぼ死体になりかけているT君の巨体をK君がゆさぶりまくった。タイ語で何か言っている。
「なに?どうしたの。」
「実はあー、タイ人の女の人ーに、自分もてるんっすよ」
またその話?嘘じゃん?見栄じゃん?K君、 顔は、はっきり言ってかっこよくないよ。
ロンドンブーツのアツシと元黒夢の清春を、1000発ぼこぼこになぐって、さらに ネズミ男のカレールーで煮込んだって感じ。
「ひどぉーい。でもぉー、自分の顔、タイ人じゃないみたいでしょ。日本人みたいな顔、タイでもてる。」
・・・そうかなー。日本人でももてないやつは全然もてないぞ。 キャラの問題だろう?
タイ人そのものの顔でも男前もいるよー。タイ人は目だってくりっとしてるし、愛らしいじゃん。
ま、ふつーの顔の人ならともかく、濃すぎる顔はどの国の人でも、あたし的はパスだけど。
あ、 誰もおばさんの好みについて聞いていない(自爆)。
「試しに女の子、ナンパしてついてくるかどうかやってみますか!」とK君。
えー?それより早く帰ろうよー。
「行って来ます!」
ああ、誰も何も言ってないのに行っちゃった。
声をかけたのはかわいくもなくブスでもない、ごくごく普通の小柄の女の子。
会話は聞こえないが・・・にこにこと走り寄ったK君に、 そのこは露骨に迷惑そうな顔をしてなにか言った。
「バカだなー、あいつ・・・。」
T君は眠い目をこすりながら心からあきれた、というつぶやきをもらす。
酒臭い息を吐きつつ、てててて、っと戻ってきた。思い切り照れ笑いで。
「どこかに遊びに行きませんかー、と言ったら、 もう帰りますと言われました。
まあ、遅いから当然っすねー。」
ばっかじゃないの?
時間さえ早ければ余裕だというK君。しかし 彼女があんたをゴミみたいな目で見たのを、あたしたちは見逃さず、思わずT君と足をけりあって笑いを抑えたのだった。
「かえりますかー」
この男、気まずくなったんだろう。やっとその言葉を口にした。ふう・・・良かった。
つづく・・・
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