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眩暈堂立ち上げまであと300日!とうとうあと300日まできました。昨日同じ記事から3件もトラックバックがつくというちょっと異常な事態が発生しました。しかもついた記事は5月3日の「古本マニア雑学ノート 唐沢 俊一 幻冬舎文庫」に2件と5月2日の「真実は闇の中 SMマガジン」に1件といった具合で同じ記事に2件のトラックバックがついています。今回のトラックバックは以下のもので文庫OFFの新しく始めたブログです。blog名 GO-GO! BUNCO☆タイトル はじめまして。URL http://blog.livedoor.jp/bunco69/archives/20384496.html引用 初めまして、こんにちは。文庫OFFでオリジナルキャラクターやらせてもらってるBUNCO(ブンコ)♂と申します。この度、ボクもBLOGを始めることになりました。そこで、このBLOGを介して本が好きな色んな人達と交流がもてたらいいなと思い、本日参上いたしました。記事を実際に見に行ってもらうまでもないのですが皆さんこのトラックバックをスパムと判断して削除されていることがよくわかります。その件数だけですでに19件。コメントを書かずに削除をした人たちの数を考えるといったいどれほどの数のスパムトラックバックを送ったのでしょうか。トラックバックやコメントがつくのはうれしいことです。しかし内容が自分と関係ない場合や自分のところへ人を集めるためだけの目的の宣伝スパムなどはやっぱりうれしくないですね。まして文章のレベルや内容が意味がない場合は悲しくなります。昨日トラックバックがついて速攻削除したアダルトブログからのトラックバックと同じレベルに感じました。これが東証一部上場企業のやることなのでしょうか。企業イメージ考えても今回は完全な失敗をしたようですね。文庫OFFからコメントが来ました。今回の顛末のまとめです。文庫OFFと思われるところからコメントがきました。「なぜ文庫OFFと思われるところ」といった表現をするかというと「どこにも署名やメールアドレスがない」からです。このコメントについても他の今回のスパムトラックバックを送られた他のブログにもまったく同じ文面で送られておりあまり反省の意思は感じられませんでした。さらにこちらの意見を聞くためのメールアドレスなども準備してくれませんでした(文庫OFFと名乗ってもらえない以上勝手に文庫OFFにも送りつけられませんしね)こちらの意見を書いたページをいきなり削除するような対応ですから、さぞかし慌てていたのだろうと思います。反面教師として勉強させていただきました。今回のことはやはり文庫OFF・BOOKOFFでは「活字文化の興隆に貢献」などという大切な事業は困難なことを感じさせられました。東証一部上場の際に応援のブログのつもりで書いたページもあるので残念です。草の根ではありますが自分も本が好きな人間として活字の面白さだけでも伝えられれば良いと思います。このコメントに関しては削除しませんので参照してください。最後まで読んでくださりありがとうございます。
2005.05.04
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古本マニア雑学ノート 唐沢 俊一 幻冬舎文庫眩暈堂古書店開業まであと301日!これまで読んでなかったのが恥ずかしいほど良い本でした。古本マニア雑学ノートAmazonよりネオ古本ブームはここから始まった! 膨大な唐沢コレクションの中から選りすぐりの奇書を紹介。その魅力にとりつかれた奇妙な人々の生態と、売り買いなど通になるための知恵と情報を満載。目次1 ある古書マニアの一日2 実録・仁義なき古書即売会3 ”棚荒らし”の恐怖4 わが古書遍歴の記 パート15 わが古書遍歴の記 パート26 本の売り買い7 わたしの愛した古書たち8 古書と人生という内容の本なのですがこれから『新古書店』からあらためて『古書店』の世界に移り住んでいこうという自分には面白さ半分、恐怖半分の本でした。やっぱり古書の世界は奥が深いし、古書集め自体が病気のようなものだとすれば「古本屋は病院で、古本はおクスリ」みたいなものとまでいう人がいる世界に踏み出すのはちょっと怖いですね。でも、高校時代の自分がうれしくなるような、そんな古書店がつくれればいいなと思います。やる気の出る一冊でした。またちょっと探して読みたい本が増えたりして…人気ブログランキングオークションの大半がせどりで勉強になりますね 占星術殺人事件 爆笑問題のススメで綾辻行人が紹介4月29日の深夜に放送された爆笑問題のススメの中で綾辻行人が自分に影響を与えた本として占星術殺人事件を紹介してくれました。なんかすごくうれしかったです。どう紹介したかはまたゆっくりビデオを見ながら書きますね。 売上今日の売上1点 600円会計記事がわかる財務諸表論 600円完全なビジネス本も珍しいですね。
2005.05.03
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眩暈堂古書店開業まであと302日!読書中に重大な事実発見!昨日よりブックオフでたまたま買った古本マニア雑学ノート(唐沢俊一・幻冬舎文庫)を読んでいたのですがその中で「ここで、最初に買ったのが『SMマガジン』創刊号であったのが、いかにも僕である。もっとも、このころは『サスペンス・アンド・ミステリーマガジン』という雑誌名で、後のアブノーマル雑誌ではなく、執筆者も植草甚一などがいて、海外のちょっと奇妙な話などを紹介していた」という一文がありました。そこでちょっと記憶がもどったのですが4月30日で閉店した群馬古書センターでやたら古いSMマガジンがあったんですよね。知識がなかったので確認さえしませんでした。アダルト雑誌だとばかり思ってました。時間がもどらないのでもう確認もできない…知識は大切ですね。
2005.05.02
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眩暈堂古書店開業まであと303日!28日にまわった古書店の紹介です。〒365-0078埼玉県鴻巣市加美1-3-43TEL 048-543-5390ミステリーファンのための古書店ガイドには「鴻巣駅から徒歩5分ほどの鴻巣文庫もおもしろい。コミックが大半を占めるが、昭和二十~四十年代のレアな小説も見られ場合によってはとんでもないものが出てきそうな雰囲気だ」と書いてあります。文庫の棚が一列作られておりその列の文庫は全て150円にて販売となっています。古い小説も結構入っていたので掘り出し物探しはできるかもしれません。全体には本当にコミックのお店になっています。駐車場ありますので車での来店も大丈夫です。コメントなどあればよろしくお願いいたします。人気ブログランキングついに25位以内に入りました。ありがとうございます
2005.05.01
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眩暈堂開業まであと304日!4月もあっという間に過ぎていきました。あと10ヶ月で実店舗稼動まで持っていくにはまだまだいろいろやることがあります。今月の収支売上 27点 55,170円仕入 121点 21,875円4月の売上は10万円を目標にしていましたが10万円には到達しませんでした。しかし3月に比べれば売上が倍になっています。お客様からの評価も21件まで増えてきているので信用度も増し買いやすくなってきたのではないでしょうか?5月こそ売上10万!ちなみに裏収支として店舗在庫用にマニアックな書籍を集め始めたのでそれが出費として大きいです。最後まで読んでいただきありがとうございます。28日は人気ブログランキング(オークション)からの13人も見に来てくれました
2005.04.30
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眩暈堂古書店開業まであと305日!28日は埼玉の古本屋さんとブックオフをまわってきました。〒360-0031埼玉県熊谷市末広2丁目7TEL 048-524-3018ミステリーファンのための古書店ガイドには「熊谷駅から徒歩十分ほどの千文堂本店も黒っぽい本が大量にある」と書いてあります。実際黒っぽい本は多く文庫の値付は定価の半額でした。実際に東都書房の日本推理小説体系などもありました。一冊1,500円で売っていました。ここは郷土関係の本が多かったので埼玉についてほしい書籍がある方は連絡してみると良いのではないかと思います。実際の店舗は暗かったのに写真はえらく明るいですね。コメントなどあればよろしくお願いいたします。皆さんのおかげで人気ブログランキングせどりの32位まであがってきました。まずは目指せ25位!
2005.04.29
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眩暈堂開業まであと307日!自分の使っているアマゾンを含むオンライン書店が急成長しています。売上額がこの4年間で6倍になるという急成長ぶりです。実際に自分がネットを始めたころにはまだAmazonはアメリカのサービスとして名前を聞くぐらいで紀伊国屋書店がBOOKWEBというサービスを始めていてそこでたまに手に入れにくい本を買うぐらいでした。それが今では必要な本があるとまずAmazonの検索からはじめる世界になっています。ライバルとしては巨大ショッピングモールの一角楽天広場。コンビニで本が受け取れるセブンアンドワイ。宅配会社の機動力を生かしたブックサービス。それぞれの特色を生かしているのでそれぞれ覗いてみてください。ちなみに自分はもっぱらAmazonです。地方の小さな本屋さんに本当に影響が出ているのかどうか…そこが問題ですね。実感などあるかた、感想ください。人気ブログランキングに登録しました。3日目で50位以内に入れるかな-----読売新聞記事全文----オンライン書店急成長ベストセラーを左右~売り上げ速報が告知効果 インターネットで本の注文を受け宅配するオンライン書店が急成長している。ベストセラーの動向にも影響を与え始め、出版界の台風の目になりつつある。(佐藤憲一記者) 都内在住の時代小説作家、松井今朝子さんはこの数年、書店に足を運ばなくなったという。仕事柄、何十冊も新刊や古書を買う月もあるが、仕事場のパソコンからもっぱらオンライン書店を利用、「送料を払っても繁華街に出る電車賃より安いし、広い書店の中を探し回ることもなく楽」と話す。 出版科学研究所の推計によると、オンライン書店市場は2000年の70億円から04年は420億円と6倍に急増。佐々木利春主任研究員は、「日本の書籍とマンガ単行本を合わせた年間売り上げ1兆2千億円の3%以上を占め、既存の書店に影響するまでになった」と指摘する。1500円以上の注文は送料無料とするところが増えるなど利便性の向上が背景にあるという。 多くのオンライン書店が競い合う中で米資本のアマゾンが突出しているが、コンビニで本が受け取れるセブンアンドワイ、宅配会社の機動力を生かしたブックサービス、巨大ネットモールの一角を占める楽天ブックスなど各社とも多彩な特色を打ち出している。大手書店チェーンも、店舗を倉庫代わりにオンライン書店を展開しており、紀伊国屋書店は「各店の在庫がネツト上で分かることで、お客さんを店に引き寄せる効果もある」する。 注目されるのが、各サイトがリアルタイムで売り上げ上位本のリストを公表、ベストセラーの先駆的指標となっていることだ。1時間ごとにトップ100のリストを更新するアマゾンでは、昨年9月、絵本『うずらちゃんのかくれんぼ』(福音館書店)が、皇太子さまが愛子さまにこの本を読む映像が放映された直後、トップに立った。アマゾンを運営するアマゾンジャパンでは「オンライン書店では、メディアに刺激された欲しいという衝動がすぐ購買に結びつく。アマゾンのリストを参考にして、出版社に本を注文する書店もある」という。 リストの告知効果は大きく、ベストセラー化を後押しする事例も起きている。4月中句、絶版となっていた岩波版絵本『ちびくろ・さんぽ』を復刊した瑞雲舎では、楽天ブックスで3月の売り上げトップとなるなど発売前から予約が殺到、当初3千部だった初版部数を4万部に増やした。うち1万部がオンライン書店の予約分。社員2人の小出版社としては異例の数字だが、同社では、「3月初めの新聞報道が検索サイトに転載されて情報が広がり、当社のホームページからリンクを張ったオンライン書店で予約が相次いだ」としている。 58万5千部のベストセラー「電車男」(新潮社)も、メディアの情報をネットが増幅する形で反響が広がり、昨年10月の発売前にアマゾンで2位に浮上、出足の速さに結びついた。 近い将来、書籍の売り上げの1~3割を占めるとの見方もあるなど、各社は強気だ。楽天プックスの杉原章郎社長は「書店の減少や出版社が初版部数を抑えるなど地方で本が手に入りにくくなり、オンライン書店の二ーズが高まっている」とする。アマゾンジャパン・メディアプロダクトディレクターのローレン川崎さんは「日本は物流網が整備され、迅速に届けられる利点がある」と指摘している。 ただ出版物が定価制の日本では、商品そのものの差別化が難しく、送料の無料化競争やコストのかかる自社在庫の充実で勝負せざるを得ないのも確か。「書店は薄利の商売。売り上げは増えても、どこまで利益が出せるか」と見る関係者もいる。 従来の書籍のほか、雑誌を扱うところも出てきており、大型書店の出店ラッシュに押され毎年1千店以上閉店する中小書店にとっては脅威となっている。街の書店が淘汰され大型店とオンライン書店だけが残る時代が望ましい姿かどうか、議論する余地はありそうだ。 読売新聞 2005年4月27日
2005.04.27
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眩暈堂開業まであと308日!4月20日の結論をひっくり返すことになりました。ついこの間会社を退社して一人独立の準備を始めることを決意したばかりなのですが異動の話もなしになりさらに自分に都合の良い話になって会社に残ることになりました。びっくりな展開なのですが今いる店舗の事務所でAmazonマーケットプレイスの仕事をすることになりました。これで家でも会社でもマーケットの仕事をすることとなり限りなくマーケットプレイスづけになることになりました。一日中マーケットのことを考えながらどうすれば売れるか考える生活をすることで確実な売上を上げていけるような経験を積む期間としてとらえ会社にもう少し勤めることにします。自分のやりたいことと会社の仕事が一致してるっていいですね。人気ブログランキングに登録しました。応援クリックお願いします
2005.04.26
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眩暈堂開業まであと309日!人気ブログランキングに登録しました。人気blogランキング↑クリックするとランキングが上がっていくそうです。人気ブログランキング(http://blog.with2.net/)に登録しました。このランキングはこちらから人気ブログランキングへのリンク(自分のIDが入ったもの)をクリックすると自分のポイントが増えランキングが上がるというのが基本の仕組みになります。(向こうからリンクで飛んできた場合にもOUTポイントというのがもらえます)今回登録したのはせどりをしている人たちが多数登録している「オークション」のカテゴリーです。ランキングアップも少しずつ考えてやってみたいと思います。今週一週間ほど新着ランキングに登録されるそうなのでぜひクリックしてみてください。
2005.04.25
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開業まであと310日!今日はF1サンマリノGPでした。F1サンマリノGPの予選、決勝が今日おこなわれました。そのレースの中でシューマッハは予選でミスを犯し13番手スタートと絶望的に思われたところを、決勝のスーパーラップで2位まで追い上げました。結果は以下の通り順位 ドライバー チーム トータルタイム1 F.アロンソ ルノー 1:27'41.9212 M.シューマッハ フェラーリ 1:27'42.1363 J.バトン B・A・R Honda 1:27'52.4024 A.ブルツ マクラーレン・メルセデス 1:28'09.4755 佐藤琢磨 B・A・R Honda 1:28'16.7046 J.ビルヌーブ ザウバー 1:28'46.3637 J.トゥルーリ トヨタ 1:28'52.1798 R.シューマッハ トヨタ 1:28'52.7629 N.ハイドフェルト ウィリアムズBMW 1:28'53.20310 M.ウェーバー ウィリアムズBMW 1:29'05.21811 V.リウッツィ レッドブル 1:29'05.68512 F.マッサ ザウバー 1:27'43.56513 D.クルサード レッドブル 1:28'07.74214 N.カーティケヤン ジョーダン 1:28'24.80715 T.モンテイロ ジョーダン 1:29'02.239 C.アルバース ミナルディ DNF R.バリチェッロ フェラーリ DNF K.ライッコネン マクラーレン・メルセデス DNF P.フリ-ザッハー ミナルディ DNF G.フィジケラ ルノー DNFコース上で一番速かったミハエルを抑えきったアロンソもすごかったですね。2位まで追い上げるシューマッハの姿は感動を誘うものがあり、バトンをコース上でオーバーテイクした瞬間は涙が出そうになりました。3週間でここまでのマシンを作り上げ、タイヤを仕上げてきたフェラーリとブリヂストンの努力と成果に乾杯です。さあ、残りのシーズンが楽しくなりそうです。良かった。 売上今日の売上 1点 5,500円福祉国家の住宅政策 5,500円品切れ中の商品なので定価より若干高く販売させてもらいました。
2005.04.24
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開業まであと311日!今日は新聞であんまりにも面白い記事を見つけたので仮面ライダーについて書きます。売上今日の売上 2点 2,350円身体の飢餓と魂の飢餓 1,500円だれでもできる楽しいミミズの飼い方 850円ちょっと面白い本が売れていますね。仮面ライダー響鬼 劇場版は戦国時代眩暈堂店主のまことは仮面ライダーに憧れて30歳を前にいまだにバイクに乗るほどライダー好きです。そんな自分が毎週楽しみにしているのが今放映中の「仮面ライダー響鬼」なのですがどこが仮面ライダーなのっていうぐらいバイクが出てきません・・・というか主人公の響鬼さんはバイクに乗れません(正確にはちゃんと止まれません)そんな「仮面ライダー響鬼」の劇場版が決定しました。なんとタイトルは、「仮面ライダーヒビキ 戦国大決戦(仮題)」平成ライダーはアギト以降、劇場版をつくってその中では少しずつ違う世界観を展開してきたのですが今回はなんと舞台が戦国時代!ライダーが馬に乗ったりするようです。楽しみなような怖いような・・・----読売新聞の記事全文---- 「仮面ライダー」今年の劇場版舞台は戦国時代 人気シリーズ「仮面ライダー」の今年の劇場版が、「仮面ライダーヒビキ 戦国大決戦(仮題)」に決まった・戦国時代を舞台に、鬼と呼ばれる異形の者(仮面ライダー)が、妖怪らに支配された国を救うという物語だ。 現在、テレビ朝日系で放送中のテレビシリーズは、太鼓やばちなどの楽器を武器に戦う異色のライダーとして話題になっている。 劇場版は、「テレビでは生かし切れなかった"和"のテイストを、大きなスケールで描きたい」(東映・白倉伸一郎プロデューサー)と、舞台を現代から戦国時代へ。仮面ライダーの衣装に、よろいやかぶとなどのデザインを採り入れたり、オートバイの代わりに馬に騎乗させたりする構想も持ち上がっている。 "時代劇ライダー"の製作の狙いについて、白倉プロデューサーは「最近、『あずみ』『阿修羅城の瞳』など、時代劇を一つの記号とした娯楽作が相次いでおり、今度のライダーもその流れにある。子供たちは、『ロード・オブ・サ・リング』などのファンタジーの一つとして、見てくれるのでは」と予想している。 5月下旬に撮影開始。京都の東映太秦映画村などでのロケも予定されている。公開は9月3日。 2005年4月23日
2005.04.23
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眩暈堂開業まであと312日!生誕100年 エラリー・クイーン昨日の新聞に北村薫がエラリー・クイーンについて語っていました。エラリー・クイーンといえば『Xの悲劇』『Yの悲劇』『Zの悲劇』の3部作や国名シリーズなどで有名な作家ですね。Yの悲劇といえば有栖川有栖の『月光ゲーム―Yの悲劇’88』で今は知られているかもしれませんし、彼の探偵・火村英生の『ロシア紅茶の謎』にはじまり最新作『モロッコ水晶の謎』まで続いている国名シリーズなどもあるのですっかり有栖川有栖の専売特許みたいになっているかもしれませんね。クイーンにこだわっている作家といえば、クイーンと同じように自分と同姓同名の探偵役を用意している法月綸太郎(最新作は『生首に聞いてみろ』)もクイーンと同じ悩みを作品中に抱えて書き続けています。今回読売新聞に記事を書いていた北村薫は『ミステリーズ!Vol.10』という雑誌の中でエラリー・クイーンが主人公の連載『ニッポン硬貨の謎』を掲載していました。これほど日本の作家に愛されて影響を与えている作家はちょっと他にはいないのではないでしょうか?後半の作品も含めてこの機会に読み返してみようかな。お奨め作品リストXの悲劇Yの悲劇Zの悲劇オランダ靴の謎エジプト十字架の謎ギリシャ棺の秘密災厄の町十日間の不思議最後まで読んでくださってありがとうございます。ご意見などあればコメントしていってください。-----ここから読売新聞記事全文です-----生誕100年 エラリー・クイーン挑んだミステリーの限界 小説の題名に、「アルファベット一字」の「悲劇」という形のものを見ることがある。最近のテレビ番組にもあった。エラリー・クイーンの『Xの悲劇』に始まるシリーズが、感覚的には、これらのネーミングの下敷きになっている。仮にミステリーに縁がなくとも、書店の棚で「悲劇シリーズ」を目にし、記憶の片隅に残した人は多いだろう。 「悲劇」の上に冠されるのは「アルファベット一字」だけとは限らない。日本ミステリーでいえば、古くは大御所の一人、木々高太郎が『美の悲劇』『真の悲劇』『善の悲劇』という未完の三部作を構想している。また現代ミステリーの旗手の一人、法月綸太郎は『一の悲劇』『二の悲劇』と続く作品を書いている。これらのことからも、クイーンが日本でいかに広く知られ、また作家達に敬愛されて来たかが分かる。 クイーンを指しては、「彼」ではなく[彼ら」と呼ばねばならない。いとこ同士のフレデリック・ダネイとマンフレッド・B・リーという二人の合作によって、作品が生まれているからだ。両人ともに、一九〇五年の生まれ。---というわけで、本年は、作家クイーン生誕百年の記念すべき年となる。作家と、わざわざ記したわけは、彼らの生んだ作中の名探偵もまた、エラリー・クイーンというからだ。 さて、作家エラリー・クイーンとは、どのような存在なのか。ミステリーを徳川家にたとえるなら、さしずめエドガー・アラン・ボーは、祖と称される清和天皇にあたるだろう。コナン・ドイルが家康か。そして、黄金時代を築いた家光にあたるのが、クリスティ、カーそして、クイーンだろう。 中でも、クイーンはわたしにとっては特別な一人である。最近、名探偵クイーンが日本で活躍する長編を書いてしまったぐらいだ。同じ気持ちを抱いているミステリーファンは、少なくないと思う。子供から少年になりかける頃、本好きならまず文庫に手をのばし、自分の蔵書を形作って行く。金銭的に、どうしてもそうなる。小学校高学年の頃、そうやって買った一冊が新潮文庫の『Yの悲劇』だった。そこから、『エジプト十字架の謎』などの、いわゆる「国名シリーズ」へと進んだ。クイーンの初期作品群である。それらの、夾雑物を排した論理と仕掛けの世界が、わたしには、いかにも清潔なものに思え、好ましかった。 そういった、いわゆる本格ミステリーの典型のような作品から、時を径るに従って、彼らの書くものは変貌して行く。純朴な読者であったわたしは、初めて後期の作品に触れた時には、「これが同じ人の書いたものか?」と、とまどい、極端な場合には裏切られたような気にさえなった。 実は、作家エラリー・クイーンの偉大さは、まさにその変貌の経過にある。 クイーンは、最初、作品を「読者への挑戦」を間に挟む、論理の物語として書き始めた。つまり、「犯人は誰か」という話になる。そこで犯人の設定に、何らかの工夫をこらすことになる。そういった工夫には限界がある。エラリー・クイーンは、自らのうちに必然的に「行き詰まり」を内包する形でスタートを切った作家なのだ。これこそまさに、「ある意味では、すでにポーが全てのパターンを書き尽くしている」とさえいわれる本格ミステリーの抱える、ひとつの重要問題なのだ。 クイーンは、解決を「小説を書く」といった方向に逃げず、正面から受け止め、苦悩した。本格ミステリーを愛する者は、無限の敬意と愛情を彼らに捧げるのを惜しまない。そのわけは、実にこの一点にある。クイーを指す、「アメリカのミステリーそのもの」という有名な言葉がある。これをいいかえれば、彼らの軌跡こそ、まさに「本格ミステリーの姿そのもの」なのである。北村薫 1949年、埼玉県生まれ。高校教諭経て作家に。「夜の蝉」で日本推理作家協会賞。著書に,「スキップ」、「ターン」など。読売新聞 2005年4月21日
2005.04.22
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開業まであと313日!今日は休日なのでGWに向けてせどりの旅に出発です。その際に群馬古書センターの閉店を知りました。売上今日の売上2点 3,300円追補 精神科診断面接のコツ 2,500円図集・果樹栽培の基礎知識 800円群馬古書センター今日は群馬から埼玉までのブックオフなどを回るつもりでしたがいきなり群馬古書センターで大きく時間を割くことになりました。〒373-0033 群馬県太田市西本町6-6TEL/FAX 0276-26-0005年中無休 AM 11:00-PM 8:00なのですがこの4/30で閉店されるということで現在閉店セールをおこなっていました。ネット販売でも50%OFFなのですが実際にお店で買うと70%OFFというものすごい値引率となっていました。30日まで日がないですが近隣で古書好きの人は絶対いってみるべきだと思います。コミックなんかでも古手のマニアックなものがありましたよ。店主さんに協力するためにもお出かけしましょう。感想などあればコメントに書き込んでいってくださいね。最後まで読んでくださってありがとうございます。
2005.04.21
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開業まであと314日!自分の中で決断もあり、その上でショックなこともあった一日でした。売上今日の売上3点 8,350円摂食障害 ¥2,800アイデンティティの社会理論 \1,050株式公開・最短実現マニュアル \4,500今日は高額商品が良く動きました。退職を決意ついに退職を決意しました。もう一度異動の話が出てきてしまったからなのですが今回の異動は明らかに勉強にならない店舗への異動であり、これ以上今の会社にいても得られるものが少ないと判断したため退職を決意しました。いつが最終勤務になるかはまだ分かりませんがあと1月か2月がんばりましょう。貧血今日病院に改めて出かけ血液検査の結果を聞いてきたのですが残念ながら炎症反応も貧血も出ているということで体調的にはあまりよくありませんでした。クローン病という腸の炎症になる病気なので仕方がないですね。今日はクローン病の薬と鉄剤をもらってきました。特に貧血は数値が8.3ということで通常14~15、最低でも10欲しいところなので激しい運動はしてはいけないといわれました。心肺機能に負担がかかるっていわれました。できれば仕事を休んだほうが良いとまで・・・早めに病院に行って現状把握してよかったな~体壊したら開業どころじゃないものね。今日も最後まで読んでいただいてありがとうございます。コメントあればお書きください
2005.04.20
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眩暈堂開業まであと315日!今日は大学時代の自分に影響を与えた一冊を紹介御手洗潔のダンスさて今日は自分の好きな本の紹介。御手洗潔のダンスですが「山高帽のイカロス」「ある騎士の物語」「舞踏病」「近況報告」の4編が入った短編集で、どの話も読み応えばっちりで楽しめます。「山高帽のイカロス」では空を飛べると言い張っていた男がある朝電線に引っかかって死んでいた。彼は空を飛んでその間に電線に引っかかり死んでしまったのか、という素敵な謎だし、「ある騎士の物語」の誰もたどり着けるはずの無い場所で男は撃ち殺されていた、撃ち殺したのは神なのか?そんな昔の謎を見たりが解決します。「舞踏病」踊りだしてしまう老人の背後にある謎を御手洗がその名推理でズバッと解決します。これらの話は当然謎解きの面白さを味あわせてくれますが、最後の「近況報告」は少し毛色が違い、御手洗潔という名探偵の趣味や考え方を書いていて面白い。どんな紅茶の銘柄がすきかなんて紹介されている名探偵も少ないのではないだろうか。最後まで読んでいただきありがとうございます。ご意見ご感想ありましたらぜひコメントを残していってください
2005.04.19
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眩暈堂古書店開業まであと317日!今日は去年発売された日本が戦争している世界というちょっとつらい本の感想です。裸者と裸者〈上〉孤児部隊の世界永久戦争裸者と裸者〈下〉邪悪な許しがたい異端の上下巻からなるこの「裸者と裸者」は上巻は戦争中の日本で兄、妹、弟からなる3人の兄弟の長男・海人を中心に物語は進む。父は誤爆で失い、母は行方不明という状況で孤児として生きていく。海人がどう妹や弟を守り生き抜いていくかが描かれている。その中でさまざまな人たちとの出会いがあり、また戦争という状況はありとあらゆる悲惨なことを海人に運んでくる。生きていく中で失ってしまうものも多くそれとどう折り合いをつけていくか悩む海人。兄の変化に戸惑い、不安になりときには怒りさえ感じる妹。幼いながらも純真無垢なだけではいられず恨み憎しみを育てていくことになる。海人の成長していく姿にはドキッとさせられるものもあり悲しく思うこともある。戦争さえなければと一言で片付けられる話ではない。そして、この物語でなにかの救いあるのかといえばそういうこともないのである。・・・いろいろなことを考えさせられる作品だ。少なくとも日本が戦争状態にならないようにできることだけでもしていきたいと思う。中国・・・気になります。今日も最後まで読んでくださってありがとうございます。コメントよろしくおねがいします。
2005.04.18
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ずっとご無沙汰しておりました。「古本屋さんの店長日記」を作成していたまことです。心配してくださっていた方もおられたみたいで本当に申し訳ありませんでした。過去の仕事の内容の中で毎日一冊の本を紹介していくペースでホームページを作成していくことは難しく、なおかつ過去の楽天の仕組みは複雑だったため、更新しきらなくなり作成を放棄してしまいました。これからは現在ライブドアブログにて作成中のhttp://blog.livedoor.jp/gen_undo/眩暈堂書店のブログとあわせてこちらも更新していきたいと思います。起業日記として読んでいただくことも書籍の紹介、Amazonの活用法、さまざまな内容を盛り込むことになりますのでぜひお付き合いください。それではよろしくお願いします。
2005.04.17
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開業まであと319日!今日は病院にいってきました。開業するにも仕事を続けるにも体が資本ということで病院に行ってきました。この2年近く忙しかったり通院しづらかったりで結局きちんとした通院をサボっていたので久しぶりに病院にいきました。今日は初診ということでクローン病であることの説明と検尿、血液検査だけでした。来週また病院に行き大腸専門の先生に相談することになりました。しかし群馬のI市民病院にいったのですが大きな病院でシステマティックでびっくりしました。地元の病院もどんどんシステム化されていましたがそろそろ病院はベルトコンベアがつくかもしれません。今日も最後まで読んでくださってありがとうございます。こめんとあればよろしく。
2005.04.15
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現実の世界と小説の中の世界の時間が同時に進行していく場合現実の時間が過ぎると登場人物たちが年をとっていったりします。伊集院大介や御手洗潔などが現役で活躍する名探偵でだんだん年をとっていく姿を見るとなんだか寂しくもありその一方でなんとなく本当に存在しているように感じられて嬉しかったりもします。今回紹介する本はそんな伊集院大介の最新事件簿「真夜中のユニコーン 伊集院大介の休日」(栗本薫・講談社)です。主人公は女子大生の藤巻聡子で彼女は春休みを日頃の自分の日常から離れて失恋の傷を癒すために「ユニコーン・パーク」というつぶれかけのテーマパークで住み込みのアルバイトをはじめます。その生活の中で行方不明になった子供の騒動の中、失踪していた他のアルバイトの女の子の死体がアトラクションの中から発見されて事件は急展開をみせます。という事件を中心にみた考え方をするより聡子が川田諒と惹かれあっていく恋愛パートを中心に読むのがいいのかもしれません。ちょっと今回の事件は切れ味が悪かったかなって気もします。伊集院大介の助手のアトムくんこと滝沢稔君はずっと出てきますが伊集院大介は謎解きをしに出てくるだけなのがちょっと残念です。ほんとに伊集院大介の休日らしい事件を書いてほしかったです。(ちなみに「伊集院大介の私生活」という短編集の中にある「伊集院大介の一日」という短編がほんとの意味で伊集院大介の休日って感じがします)アトム君のファンなら彼の成長が感じられていい感じだと思います。今回も最後まで読んでくださってありがとうございます。返事が遅くなってますけど皆さんからの書き込み楽しく読んでいますのでぜひ書き込んでやってください。ではまた。
2003.09.29
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しばらく日記を更新できないどころかほとんどアクセスすることも出来ませんでした。少しでも楽しい日記にしたいと思っているのに書き込めないっていうのはちょっとどうしようもなかったですね。仕切りなおして再出発しますのでよろしくお願いします。では今日の本の紹介です。電車での移動中とかって読書がものすごくはかどったりしませんか。窓の外の景色を見るのも良いけど自分の目の前に開いた一冊の文庫本に正面から気合を入れて読んでいく見たいな感じが結構好きです。日頃の読書ではどうしても読みやすいものが中心になっている部分もあって古典の名作などをじっくり腰を据えて読むのも難しいですけどじっくり読むのも楽しいものです。今回読んで紹介する本は「ブラウン神父の童心」(G.K.チェスタトン・創元推理文庫)です。この本をちょっと前にブックオフで100円(!)で手に入れていたのですが今回やっと読めました。読んだ理由の一つは貫井徳郎さんの「天使の屍」のなかでこの本がお勧めとして出てきたからって部分も大きいんですけどね。実際読んでみると非常に面白くあっという間に読めました。短編集なのですがブラウン神父は日頃はなんだか頼りなさげなのに誰もが行き詰まる謎を前にするととたんに生き生きとしだてあっというまに誰も思いつかなかった解決にたどり着きます。正直言ってそれほど類似トリックが今あるミステリーで使われているわけでもなく、エラリークイーンやクリスティのようにトリックを引用されている率も低いので初めて読みましたが充分に楽しめました。最初はフランボウという名の名犯人との対決が何回かあるのですがその後フランボウが改心して探偵になるにあたり二人で一緒に事件を解決したりします。最初の雰囲気が明智小五郎にたいする怪人二十面相みたいな感じで面白かったのですがまあ毎回同じ犯人というのもやっぱりつらいところでしょうね。まだまだ読んでない古典の名作はいっぱいあるのでそういったものも読めたときに紹介していきます。今回の感想も掲示板にお願いしますね。ではまた。
2003.09.28
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こんばんは、飛び石連休の後、電波のつながらない場所にいたために確認も更新も出来ませんでした。インターネットが常時接続環境になったといっても電波が届かないという条件では全く役に立たなかったりします。(現在NTTドコモの@Freedをつかってます)根本的なインフラ格差による情報の差を感じました。今回紹介する本は「エンジェル」(石田依良・集英社文庫)です。この本の主人公掛井純一は最初から死んでいます。死んでしまったところから話が始まり死後の世界での生を経て彼が自分の死んでしまった理由を追求していくという話です。エンジェルというのは死後の世界に幽霊として現れた掛井自身のことと掛井の好きになった女優の卵と「ベンチャー企業に投資する個人投資家」の通称の三つの意味があると思います。最後の個人投資家はベンチャーキャピタルとも呼ばれるもので掛井純一は若くして父親から縁を切るために10億の資産を手に入れていたのでそれを元手にゲーム会社などに投資していたのでした。石田依良って結構経済小説というか経済を題材にとった小説を書くのが好きだなって思います。掛井が死んですぐに人生を走馬灯のように見ていく場面があるのですがなんだかすごく懐かしかったです。ああ、そうだったそうだったみたいな感じで実際に読んでいて昔を思い出してしまいました。死後の生をいきる純一の前向きさがいい感じなのですがなぜ死後の世界が前向きなのかがちょっとずれていてそんなところがかえって切なくラストの純一の決断がとても悲しく思えます。今回の小説も面白かったです。読むときはほんとに一気に読めるんですけどね。書き込みは電波無しではつらかったです。今日の感想も掲示板にお願いしますね。ではまた。
2003.09.22
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世の中にはいい話というのがあります。お金が儲かる話というのではなく心が温かくなるようなお話です。こころが暖まると他人にやさしく出来るし、優しくされた人はさらに次の人に優しくしてくれるかもしれない…そんな風に世界が回るといいですね。さて、今回紹介する本は「こころのチキンスープ」(ジャック・キャンフィールド、マーク・V・ハンセン・ダイヤモンド社)です。この本はアメリカでは非常に人気のあるシリーズで日本でもすでに18集まで発売されています。今回紹介するのはその第一巻です。僕はダイヤモンド社の単行本で読みましたが現在小学館文庫より手軽に読める文庫版が発売されています。「こころのチキンスープベストセレクション」などはきれいなイラストが入っているので贈り物にもいいかもしれません。知的生き方文庫からは女性向けの特別編集版が出版されています。といったように非常に人気のあるシリーズなのですがもともとこの本は全国を講演してまわっていたキャンフィールド達がその講演者たちの講演を集めて一冊の本にまとめたものです。1巻は全部で8章から成り立っていて章のタイトルを挙げていくと愛の力、自分を見つける、子供から教えられること、生きることは学ぶこと、夢を生きる、前向きに考える、障害を乗り越えて、生きる知恵というようにタイトルだけ聞いても良い話が集まっていることが想像できます。個人的には「ニューヨークに愛を」という短い話が気に入っています。これはニューヨークに愛を取り戻したいという話なのですが最初に書いた人に優しくしてその人が次の人に親切にしてという連鎖でニューヨークをよりよい街にしようという話です。実際にそんなことが可能かどうかはおいておいて人に親切にすると自分自身の心の健康にいいことを考えれば人はもっと御互いを認めあってほめあっても良いのではないかと思います。この本を読みながらそんなことを考えました。今回も最後まで読んでくださってありがとうございます。こころがあったまるこんな本があるよっていう話がありましたらぜひ掲示板に書き込んでいってくださいね。ではまた。
2003.09.21
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今日は(これを実際に書いている時間からすると昨日)は長崎駅前のアミュプラザにあるメトロ書店で貫井徳郎さんのサイン会がありました。手持ちのチケットに15時から16時半って書いてあったので16時を過ぎていったら一応時間的には終了していて危うくサインをもらい損ねる所でした。まあ、そういったトラブルがあったものの何とかサインをいただきました。やったね。この前紹介した「プリズム」にサインを書いていただき、「2003年9月20日 仲村真哉様へ」て書いていただいたのでもう僕のものって感じですね。プリズム面白かったですって感想を伝えたらちょっと笑ってくれました。答え合わせをしてくればよかったですね。作品がプリズムだけにどんな答えが返ってくるかを聞いてみたかったな。というわけで紹介する作品は「天使の屍」(貫井徳郎・角川文庫)です。この本の主人公は中学生を息子に持つ青木という名のイラストレーターで彼の息子が自殺することにより彼は事件に巻き込まれていく。彼の息子が自殺し、警察から息子がLSDを常用していたことを聞かされた青木はなぜ自分の息子が自殺したのか、なにが息子を死に追いやったのかを知るために息子の友人達に聞き込みをはじめる。友人達の口から語られる青木には理解しがたい中学生達の心情。…この部分で感じたのはここまで極端ではなかったが自分も中学生の頃同じように考えて同じように世の中を見ていた時期があったのではないかということだった。中学生であるが故のやりきれなさややっていられなさの論理がこの話の中にありそのために青木は謎に近づいていくことができない。そうこうしているうちに息子といつも一緒にいた3人の友人達のうち二人が死に、1人が飛び降り自殺をしようとして辛くも生き長らえるということになってしまう。そんな中で青木はなんとか真相に到達するが…なんとも救いがないです。救いがあるとすれば息子の優馬の好きだった女の子が自分の夢を追いかけて生きていくこと…夢を追い生きていくこの女の子がいなければ作品の読後感もまた変わっていたかなって思います。今回の本はサイン会にいったときに少しでも話題が分かるようにとおもって読んだのですが時間がぎりぎりだったので話題がわかるどころの話ではありませんでした。やっぱり最初からいかないとだめですね。次からは気をつけよう。ってな感じでドタバタしたわけですがやっぱりサインをしてもらうのはうれしいですね。今日も最後まで読んでくださってありがとうございます。感想などあれば掲示板にお願いしますね。自分はこの人のサイン会にいったなんて話題も大歓迎です。ではまた。
2003.09.20
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毎日があっという間に過ぎていきます…あっという間に日曜日の夜になってしまって泣きそうな気分です。ちょっとばたばたとした日が続くと更新がしきらなくなりますね。更新するネタを読む時間を減らせばまた違った結果が出せるのでしょうか?それはそれでジリ貧な気が…そんな中で今回紹介する本は「ミタカくんと私」(銀色夏生・新潮文庫)です。銀色さんの本は角川文庫などから詩集の形でたくさん発売されています。この作品はそんな銀色さんがはじめて書いた「少し長い文章」です。作品自体はほんとに短くてページ数にして160ページしかありません。あっという間に読み終わってしまう作品といったところでしょうか。しかもその作品中には事件といった事件もなく山といった山場もなくただ淡々と私とミタカくんのまわりを日々が過ぎていきます。私もミタカくんもわたしの弟もみんな恋をして生きていきますが淡々というかリアルというかゆっくりと時間が流れていく感じです。ふっと隣を見ると結局いつでも隣にいるのってコイツじゃん…みたいな雰囲気があってすごく居心地のよい淡々っぷりです。ああ、平和な生活もいいなって人の生活をのんびり眺めて自分の生活を見直す良いチャンスかも。何気ない日常の何気ない優しさがいいですね。今回紹介した本はとても安いので(特に古本屋さんの場合)ちょっと手にとってのんびりした時間をすごすには良いかもしれません。自分も人に紹介されて読みましたけどちょっとこころにゆとりが出来ました。それでは今回も最後まで読んでいただいてありがとうございます。感想などあれば掲示板に書いてくださいね。銀色さんの詩集をまだ読んだことがないので今度読んでみます。ではまた。
2003.09.19
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台風がきて島に閉じ込められたことがあります。冗談や物語上の話で無しに小学生のときのことです。家族旅行で船で2時間ほどの孤島に渡り一泊したところものの見事に台風の直撃に会い、一泊二日のはずの家族旅行が5日間近くに延びたことがあります。台風で島に閉じ込められて外部との行き来が出来ない。今なら絶対ミステリーと結びつけて考えますが小学生にはそんなこと思いつきもしませんでした(今の子供ならコナンとか見てるから思いつきそうだけど)今回紹介する「黒祠の島」(小野不由美・祥伝社)は帯に「1949年,『獄門島』,1987年『十角館の殺人』,そして…」と書かれているように孤島でおこる連続殺人事件を描いています。物語の舞台である夜叉島は馬頭夜叉という神を祭る黒祠の島である。「黒祠」とは明治時代の国家神道に組み込まれなかった神社のことで迷信の扱いをうける宗教ということになる。そんな黒祠の島で事件は起こる。友人の葛木志保が失踪したことからその島を訪ねることになった式部剛は非協力的な島民達の抵抗にあいながらも島で嵐の夜に殺人事件のあったことを突き止める。嵐の夜に女が全裸で惨殺されたのだ。村人は事件の痕跡自体を隠しただの事故であるかのように見せかける。しつこく食い下がり真相を追究していく式部が最後に行き着く結論は…、そしてこの島で馬頭の名をかたり殺人を犯していくものの正体は…という感じでサスペンス感たっぷりの小説に仕上がっています。一方で事件が起こってからその痕跡を追う形で話が進んでいくため急がなくては誰か新しい犠牲者が出てしまうといったような雰囲気はなく捜査自体はのんびりした感じを受けます。島自体の不気味さがサスペンス感の源になっていると思います。作者の文章力の巧みさであっという間に読まされてしまいました。誰がなぜ犯行を犯したのかを一番事件に関する情報を得ることが難しい島外の式部が推理していくため推理の組み立てはものすごく時間がかかります。島の雰囲気を楽しみながら読めるならば面白く読めると思います。因習とか島の排他性とかそういったことを描くことに関しては作者の力量はしっかりと発揮されています。今回の感想はなんとなく尻切れトンボですが、何かを書こうとするとかなりの率でネタバレになりそうだったのでちょっと苦心しました。今回も最後まで読んでくださってありがとうございます。良ければ感想も書いていってくださいね。小野不由美さんの本を読むのは実は2冊目です。文章の上手い作家さんなのでもっと読んでみたいですね。ではまた
2003.09.18
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小説を原作にしたときのテレビドラマや映画などで満足したという記憶はあまりないです。それでも好きな役者さんが自分の好きな役をしてくれるときなんかはすっごく期待してまた裏切られるって事が続くのですが…今回紹介する「顔 FACE」(横山秀夫・徳間書店)は主人公を仲間由紀恵さんがその相棒のよく暴走する若い刑事役をオダギリジョーが演じてドラマがありました。仲間さんは「トリック」での演技でオダギリさんは「仮面ライダークウガ」での演技でそれぞれの実力を認めていらい応援してる役者さんの共演だったので楽しみにしてみました。ドラマを見ての内容の感想はオダギリジョーの存在意義が?って感じだったのですが原作を読んで理由がすごくよく分かりました。原作にはオダギリジョーいないじゃん…つまり無理やり後から作られた役ってことって感じで相変わらずのテレビ局のドラマのつくり方にあきれました。女性の主人公にはかならず相手役として男性が必要とでもおもっているのでしょうか。物語の中での瑞穂(仲間由紀恵が演じていた)はとても生き生きとしていてその一方で仕事のことで悩んでつらそうでそんな人物を生かせば十分にドラマは描けたと思えたのですけどね。では小説自体の感想です。この本は短編集で5本の話が入っており主人公の平野瑞穂が警察内で婦警として、婦警としての困難につきあたりつつも自分なりの解決を見つけていくという話でそのトリックや一つ一つの話自体はドラマでかなりそのまま使われていたために新鮮味はありませんでした。さきにドラマを見たときの欠点はここですね。瑞穂自身はかなり大きなミスを犯したり部署をたらいまわしにされたり非常にそんな役回りを演じています。だだそんな中で一つだけ救いがあることは彼女のまっすぐな気持ちは少しずつですがまわりの人たちの気持ちを動かし救っていくことです。読みながらヴィジュアル的には仲間由紀恵さんがうかんでいました。これはちょっと珍しいかも知れないです。あんまりドラマのイメージに引っ張られることがないので…池袋ウエストゲートパークなどはまったくドラマのイメージ無しで読めましたし。ほんの少し前進して終る彼女のイメージが救いでしょうか。今日も最後まで読んでくださってありがとうございます。やっと日記が現実の時間に追いつきました。読むのは一日一冊いけるのですがパソコンに向かう時間を作るのが難しいのかも。では、感想はいつものように掲示板にお願いします。ではまた。
2003.09.17
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とうとう阪神の優勝も決まりさっそくテレビでは阪神優勝による経済効果の話ばかりになりましたね。最近はそのチームが優勝するということそのものよりもそのことによる経済効果の話ばかりが着目されるようになった気がします。不況の影響なのか、ダイエーの高塚さんのような経営者がいて地元の経済への貢献を考えて仕事をしてくれている結果かも知れませんが…さて、今回紹介する本は「MBA 定量分析と意思決定」(嶋田毅・ダイヤモンド社)です。この本はグロービス・マネージメント・インスティテュートが刊行しているMBAシリーズの第11弾です。これまでの本の中で扱われていた数値的な分析な部分を抜き出して、さらに詳しく紹介し、様々な経済用語を定義と活用法を含めて解説している非常に分かりやすい本でした。内容は三部構成で第一部が基礎編、第二部が指標編、第三部がケーススタディになっています。第一部では数字を扱う上での注意点やどのような考え方にしたがって分析していくかといった基礎を、第二部では辞書的に網羅された様々な分析上の概念を載せています。第二部には市場シェア、離職率といった身近な仕事の中で使われる数字から日頃よく聞くのに数字の出し方などをよく把握できていない公定歩合、GDP、消費者物価指数などの解説もありこれをよめば分析に使うことも日頃の疑問も解消できます。一度完全な辞書のような本を出してもらえると嬉しいかもしれないと思いました。三部は社内ベンチャー制度で新しく事業を立ち上げようとしているときにどのような数字を利用して物事を分析してビジネスに役立てていけばいいかを書いています。ビジネスの数字などが何の意味を持っているかを知ることにより新聞なども読みやすくなると思うので第二部の部分だけでも読んでみるといいかもしれません。今日はビジネス書の紹介でした。しかし、あっという間に優勝の感動が経済の話と道頓堀の話になっていまうのはなぜなのでしょうね。すでに皆の頭の中にそういう回路が出来上がっているとしか思えません。今日も最後まで読んでくださってありがとうございます。感想は掲示板によろしくお願いします。実はビジネス書について書いた日はアクセス数が減るという現象が…(笑)しょうがないですけどね。ではまた。
2003.09.16
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本を読んでいると日頃なんとなく胸の奥に眠っている感情にふと相対することがあります。自分が日頃どのように考えて行動しているのかを教えられる気分になりますね。それは哲学書などでなくとも小説などでも同じことではなのだと思います。さて、今回紹介する本はそんな風に自分の死生観と見つめあう機会をつくってくれました。「世界の中心で、愛をさけぶ」(片山恭一・小学館)です。2001年4月に出た本なのですが話題になったのは最近な気がしますね。主人公の松本朔太郎はアキという少女に引き寄せられていく。アキは幼馴染であり、物語の中で高校生の時に死んでしまう。朔太郎の思いは過去へ現在へ飛びながらアキの思い出をつづっていく。恋愛小説として充分に楽しめると思います。物語の中で描かれるアキと朔太郎の純愛、そして朔太郎の祖父の昔の恋愛はそれだけで一気に時間を忘れてよまさせてくれました。しかし、今回読みながらそれ以上に感じたのは人の死ということについてでした。大切な人がなくなったときその人の魂はどうなるのか、天国はあるのか…そういったことが物語りの中で語られます。それに付随して自分自身の死生観を考える機会になりました。僕はどちらかというとがちがちの唯物論者ということになると思います。生き物が生きているということの定義は機能が止まらずに動きつづけていることだと思っており残念ながら霊的な存在に関しては実感を持つことが出来ません。その一方でこれだけの思考や感情を持ちつつ体全体が調和して機能しつづける…このこと自体が一つの奇跡だと思っています。そんな僕が大切な人がなくなったときに火葬場で思っていたことはこうして焼かれることによってその人をつくっていたものが拡散していき世界に還元されて回りつづけていくんだということでした。死んだ人は火葬にふされることにより煙として空へと消えていきます。そうして空へ消えたその人の一部は二酸化炭素として木々の成長を助け、その木々からまた他の生き物にうつりそうやって僕をとり囲んでいる世界の一部をつくっていくのだということを感じます。この本を読みながらそんなことを思い出しました。この本はどこから話題になったのでしょうね。いつの間にやら本屋さんで普通に並んでたんですけどね。気になっていたので読んでみたけど面白かったです。それでは今回も感想などあれば掲示板に書き込んでいってくださいね。ではまた。
2003.09.15
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三連休の余波で日記を更新することが出来ませんでした。せっかく足を運んでくれたのに更新されてなかった方ごめんなさい。世間の人たちが休みのあいだはサービス業は忙しくなってしまうっていうのはどうしようもないですね。そのかわりといってはなんですが、休みを平日にとることができるので観光地がすいているというのはいいところなんですけどね。さて、今回紹介する本は「暗いところで待ち合わせ」(乙一・幻冬舎文庫)です。この本は「夏と花火と私の死体」を書いた乙一さんが書いた本で内容は視覚障害者の女性ミチルの家に殺人犯として警察に追われているアキヒロが潜むという非常に嫌な感じのする内容です。ところがこの内容を乙一という作家は気持ち悪くもなくいやらしくもなく絶妙のバランス感覚で描いていきます。視覚障害者で天涯孤独のミチルの視点から描かれたパートと警察から逃れ部屋に住むミチルに見つからないように息を潜めるアキヒロのパートと二つのパートから物語は語られていきます。最近読んだ本でも「コッペリア」「プリズム」「冷静と情熱のあいだ」など結構いろいろな作品がこのような視点の切り替えを行って話をすすめていました。結構この形式は恋愛を描くのに上手く昨日するような気がします。二人の視点から物事を見ていくことが出来るので二人の関係がどの段階で変化してきたかを後から読み返したときもよく分かります。自分の住み慣れた我が家に違和感を感じて何者かが潜んでいると感じるミチルサイドの緊迫感と警察に追われミチルに気づかれないように潜みつづけるアキヒロの緊張が交互に語られその二人が徐々におたがいを認め合っていく姿がなかなかいい感じです。このテーマで成長とこころのふれあいを描きつつミステリーとしての謎解きの部分までを持つという欲張った作品でした。このテーマで書いていやらしさや気持ちの悪さがないのはすごいと思います。今回は更新が遅くなって申し訳ありませんでした。掲示板への対応ぐらいは早目に出来ていればよかったと思います。それではこれからも一日に一冊紹介は続けていきますのでよろしくおねがいいたします。今日の感想も掲示板にお願いしますね。ではまた。
2003.09.14
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先日に引き続き「冷静と情熱のあいだ」の紹介を続けます。今回紹介するのはRossoにあたる「冷静と情熱のあいだ」(江國香織・角川文庫)です。昨日紹介した辻さんのバージョンは主人公を阿形順正にして描かれていましたが、今回の江國香織さんのバージョンはその恋の相手であるあおいの視点から描かれています。結果として同じ時間の流れを二つの視点から眺めることができるわけですがこれにより一人称の小説にもかかわらず順正がどのような気持ちで手紙を書いたのか、その手紙をどのような気持ちであおいが読んだのかが分かるようになっています。この仕組み自体は面白いですね。2冊読んで初めて作品として全体像がつかめる、それでいて一冊ずつでも作品として成立しているということですからね。人が生きていればその人間にかかわる人間がいるし、それぞれの人間から見たそれぞれの視点や見方で他人を認識し、理解や誤解が積み重なっていくことがなんとなく実感される小説でした。あるバックグラウンドを持っていてもそれを言葉で表現しそれが相手に理解されない限り相手と自分のあいだで情報が均一になることがない。そのために順正とあおいは最後まですれ違いつづけたように感じます。一人称の視点を切り替えていく小説としては9月4日に紹介した「プリズム」が形式だけなら似ているかもしれません。あれも誤解が積み重なっていき皆が別々の犯人を指摘していきますけど、恋人同士なら誤解の積み重なりは別れという選択になってしまうのではないかとおもいます。今回も最後まで読んでくださってありがとうございます。日頃読み慣れない恋愛小説だと読むのに少し苦労するのがわかったのが自分の中での発見でした。自分はこの本をこんな風に読んだという感想などあれば掲示板に書き込んでいってくださいね。ではまた。
2003.09.13
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すっごく有名な本でその本をそのブームになっているとき誰でも読んでいてその本の愛蔵版まであるような本ってかえって手にとりづらかったりします。ましてや紹介なんかはもっとしにくい気がします。けど今回の本は結構前からどんなことをやっているのだろうって気になっていた本なので読んでみました。今回紹介する本は「冷静と情熱のあいだ」(辻仁成・角川文庫)です。この本はBluということで男性の視点から見た物語が描かれています。男性の名前は順正、女性の名前はあおいです。順正とあおいは昔付き合っていて2000年の5月25日のあおいの誕生日にフィレンツェでの再開を約束しています。正確には約束は再会の約束ではなく一緒に誕生日を祝う約束なのですが二人は結局あおいが妊娠し堕胎したことから別れてしまっていて約束が果たされるならば再会の約束ということになります。順正は美術画の修復士の仕事をしておりその仕事のイメージが様々な場所で他のものにも使われてできます。ただ絵画のイメージについて言葉を費やされている場面が少なかったのであまり実感が湧かなかったのは事実です。ただし、現在、過去、未来に関しての順正のこだわりはよくうかがうことができました。一冊の小説として読めばこの本はこれで終わりのはずなのですがさらにこの後同一タイトルで江国香織さんの書いた「冷静と情熱のあいだ」でどのような冷静と情熱が語られるのかが楽しみです。というわけで次の日記は冷静と情熱のあいだの続きになります。今日も最後まで読んでくださいましてありがとうございます。楽天日記のシステム上、最後まで読むのは読もうという意思が必要になるので最後まで読んでいただけるとほんとにうれしいです。今日の日記の中には順正の作品時間の間での恋人の話などが全く入りませんでしたがその部分に関してはこの男はどうなんだろうと思ったのは事実ですね。今日の感想も掲示板にお願いします。ではまた。
2003.09.12
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最近の作品には基本戦略としてメディアミックスを導入している作品が多く、それぞれの作品が少しずつ設定が違ったり結果が違ったりしていてある作品について知りたかったらかなりいろいろなメディアにあたらなくてはならなかったりします。角川書店がとくによくこういった作品の作り方をしていますね。リング、アナザーヘブンなども基本設定が一緒なだけでまったく別の展開を見せていましたね。さて、今回紹介するのはそんな角川書店が発売中の少年エースに連載されている「多重人格探偵サイコ(田島昭宇×大塚英志・角川コミックス・エース)です。現在コミックスとして9巻まで発売されているこの作品はこの作品のほかに小説版(角川スニーカー文庫と講談社ノベルスより発売)、WOWOWでの映像化など作品自体がメディアミックス展開中でそれぞれの設定が違ったりすることによりまさに多重人格のようにそれぞれの世界の中で位相を変えながら作品が展開されていきます。もともとこのコンビは「魍魎戦記マダラ」というコミックを書いていたコンビでそちらの作品でもメディアごとに内容が違い、そもそも作品自体の中にパラレルワールドが展開されていたという非常に複雑な状態になっていました。あくまでコミックの設定を中心にストーリーを説明すると主人公の雨宮一彦は多重人格者でありながらプロファイリングの天才…ただし彼のプロファイリングは本来眼球にバーコードがあるバーコード殺人者たちの犯罪に限定されている。その雨宮一彦の人格が世紀の犯罪者ルーシー・モノストーンの人格を再生するために作られたプログラム人格でその人格を求めていくつもの組織や人間達が争いを繰り広げるというのが骨格となるストーリー。実はストーリーの中では現時点では雨宮一彦は現在死んでおり(!)登場してきません。彼の人格は人格転移(他の人間の脳の中に移動する)して西園テトラという少年の中に移動しています。人格移動や塩基配列による映像記録など現在の科学ではありえない現象が出来る団体が出てくるのでこれかの展開も予断を許しませんがなかなか面白い作品だと思います。そもそも自然のものであるはずの人間の目に人工の製品を管理するためのバーコードが刻印されているところがこの作品の気持ちの悪い部分でしたがそういったことには人間慣れていってしまい作品を読んでいても全然平気になってしまうというのは怖いですね。小説版など他のシリーズでは事件の始まる前を扱ったりしながら少しずつ作品世界が語られていきます。どの世界も少しずつづれていてまさに多重人格的なのですがそこがこの作品らしくてよいのではないかと思います。今回も最後まで読んでくださいましてありがとうございます。このコミックは最初は推理モノ(金田一少年とか名探偵コナンなど)のような作品化と思って手をのばして見事に裏切られた記憶があります。まあ、いまでも読んでるのですから好きな作品であることには間違いないですけどね。感想などあれば掲示板への書き込みお願いします。それではまた。
2003.09.11
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最近特にバランス感覚ということをよく考えます。作品を紹介していく上で新しい作品、古い作品を織り交ぜていくのか出来る限り新刊を読みまくるのがよいのか難しいところです。今のところノンジャンル、新旧問わずが一番自分の趣味にあっているのかなって思うので当面は今の形式で進みたいと思います。そのうち、ミステリ限定新刊紹介日記になったりするのもチャレンジしがいがあるかも…経済的にはきつそうですが。そこで今日紹介するのは「月の砂漠をさばさばと」(北村薫・絵・おーなり由子・新潮社)です。この作品がどのような作品かというと9歳のさきちゃんと作家をしているおかあさんの二人のどこにでもありそうな普通の日々と会話を描いた作品ということでこの間紹介した「盤上の敵」との方向性がまさしく180度違う作品ということになります。同じ作家がここまで雰囲気の違う作品を書くのかという驚きと推理小説家が推理小説家としてそのジャンルに閉じこもるわけではない幅の広さを感じさせてくれます。他には森博嗣もその趣味の広さや考えから非常に広い作品を読ませてくれますね。他のジャンルの小説も書いてバランスのとれた仕事が出来ることも一つの作家としての才能だと思います。北村薫という人は言葉遊びがとても好きな人なのだと思います。この作品の中に出てくる聞き間違いの話や新井さんの子供になったために「あらいぐま」になって選択をするようになった暴れん坊の熊さんの話やそういったものが一つ一つおかあさんからさきちゃんへの愛情を持ってしめされます。対象に対する暖かな視線を持つことが出来る作家さんなのだと思います。そういう人が「空飛ぶ馬」のような日常の謎を扱うのはともかく「盤上の敵」を書くのがバランス感覚かなって思います。自分のバランス感覚のために紹介させてもらいました。両極端を両方持つのがバランスがよいということではないのですけどね。他に作風的に両極端な印象を受けるのは我孫子武丸さんがいますね。「殺戮にいたる病」と「人形はこたつで推理する」だと同じ作者がほんとに書いてるのかなって思ったりします。その作者にしては珍しい作品を選んで取り上げていくのも面白いかも知れませんね。今日も最後まで読んでくださってありがとうございます。感想や意外な作品にこんなものがあるといった本があればぜひご紹介ください。それではまた。
2003.09.10
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毎日こうやって日記を更新していると自分でよく毎日更新が続くよなとか、一回書き損なったら次からどんどん書き損なう日が増えるのかなとかって考えたりします。一日一冊本の紹介っていう目標があるので毎日の紹介が出来ていますがやっぱり日刊で何かするって大変です。そこで今日紹介するのは「『メルマガ』成功のルール」(高橋浩子・明日香出版社)です。メールマガジン(略してメルマガ)はメールの形で情報を受け取りたい人のところへ直接情報を届けることが出来るという点においてHPより優れている面があります。HPって結局訪問しなくてはならないですものね。ブックマークから登録しておくにせよ、ネットにつないだらいったん自分から行動しなくてはならない。ここの部分がクリアされて受動的に情報が得られるのがメルマガということになります。この本はそんなメルマガをはじめるにあたって成功組とでもいうべきベストセラーメルマガ作家?の8人にインタビューするという形式をとってかかれており非常にわかりやすいです。実際に僕も購読しているメルマガが何通かありましたがやっぱりそれぞれ読ませる工夫、書きつづけていくための工夫があるのだということがよく分かります。継続は力なりってことで毎日続けていくことで人が興味を持ってくれている部分が今の自分の日記にもあるのでこれからも日刊を目指して頑張りますね。メルマガデビューは今のところ考えていないです。今日も最後まで読んでいただいてありがとうございます。ご意見ご感想などありましたら、ぜひ掲示板にご記入ください。ではまた。
2003.09.09
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とても眠たいときって2種類あると思いませんか。寝不足で毎日睡眠時間を削るようにして何かをしていて眠たいときと毎日ひまでひまで寝まくっていてそれでもなお眠いとき。僕はどちらも経験があるのですけど、どちらかというと後者の惰眠をむさぼっているときのほうがいろいろな夢を見ては起き見ては起きで現実との境界線が曖昧になっていくように感じます。今日紹介する本は「白河夜船」(吉本ばなな・福武書店)です。「白河夜船」「夜と夜の旅人」「ある体験?の三つの話が入っているのですがそれぞれが眠りにまつわる物語になっています。「白河夜船?では植物人間の妻を持つ男の愛人をしている女性が主人公で彼女は働いていないため彼からの電話を待つことだけが一日にするべきことになっていて、それ以外の時間はものすごく寝ています。彼からの電話でだけは起きられていた彼女がその電話でさえ起きられなくなったとき彼女は自分に驚きます…一体自分はどうしてしまったのだろうと。いろいろなことで疲れて睡眠障害になってしまうような現代という時代の一つの切り取り方かなともおもいました。あと、吉本ばななさんの小説に出てくる登場人物の中で「育ちがいい」と形容される人たちが結構出てきます。この表現がまだ2冊しか読んでいない作品の中で非常に高い割合で登場するなって感じました。育ちのよさが感じられる話かた、行動、表情が確かにあると思います。そしてこの物語はそういった人たちの中で成立していっているのだなってなんとなく感じました。今日も最後まで読んでくださってありがとうございます。眠たいときって本を読むのも出来なくてつらいですよね。今回は主人公達の眠気に引っ張り込まれそうになって読み終わるまで大変でした。それでは感想やご意見などあれば掲示板にお願いします。ではまた。
2003.09.08
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金融漫画の巨匠・青木雄二さんが御亡くなりになられましたね。今までナニワ金融道などの作品を読んだことがなかったので自分がよむまえになくなってしまわれたことにショックを受けました。ビジネス漫画といえば石ノ森正太郎の「日本経済入門」などは読んでいたのですが、そのうち青木さんの本も読んで見たいと思います。今日の本は「波の上の魔術師」(石田依良・文春文庫)です。ジャンルとしてはちょうど金融小説とでもするべきところでしょうか。9月に文庫になったばかりなので文庫本としては新刊なのですが2001年の8月に単行本で出版されておりドラマ「ビッグマネー」の原作という位置付けになります。余談ですが僕は植木等が大好きで「ビッグマネー」は最初のあたりはみていました。植木の演技のうまさに感動したりしていたものです。(ちなみになぜか石田依良のドラマ化の際によく出てくる長瀬君には興味はありませんでした)なのでこの本を読みながら波の上の魔術師こと小塚老人に関してはずっとイメージ的に植木等のままでした。ストーリーは就職浪人して中途半端なパチプロをしていた白戸則道に小塚老人が声をかけるところから始まる。それは魅力的な株式売買というマーケットへのいざないであり、そしてこの物語の開幕となった。実際この本を読んでいるとこのご時世にもかかわらず株式市場に手を染めたい気分になってきます。小塚老人の言葉に共感するわけではないですが見事にやる気にさせられました。石田依良もウエストゲートパークから波の上の魔術師まで幅の広い芸風を見せてくれて楽しいです。しかし、主人公の人物造詣や物事に向かったときの対応がゲートパークでもこっちでもちょっと似てるのが逆に残念な気がします。居心地のいい読みやすいキャラクターなので好きですし、現代の若者っぽくていい感じなのですけどね。今回はとにかく小塚老人に高ポイントです。今日も最後まで読んでくださってありがとうございます。作品の魅了は相変わらず全開でしたね。株に対する知識がなくても充分に楽しめると思うので内容を気にして手にとってない人もぜひ読んでみてほしいです。ではまた。
2003.09.07
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う~ん、いつもと違ってしょっぱなから本の感想です。正直ショックを受けました。16歳が書いた本がこれですよ。今までそのことを知らなかった自分も情けないですがまさか16歳デビューでこれほどの本を書く人間がいるとは思いませんでした。16歳っていったら高校生のときか~、自分は理数科の文藝部部長という特殊な設定でもっぱら本を読んですごしていましたが当時自分の書いた文章など恥ずかしくてみることもできないですね。さて、今日紹介する本は「夏と花火と私の死体」(乙一・集英社文庫)です。この本の凄さは巻末にある小野不由美さんの解説を読まれるのが一番早いように感じます。っていうかさすが小野不由美さん、本の紹介させても絶品って感じでしょうか。この本の主人公の「私」は物語の冒頭で死んでしまいます。にもかかわらず一人称の視点は変わらない…なんて不思議でつかみ所のない文章なのだろうって思いました。1996年の頃は読書をよくしていた時期だったと思ったのですが完全に見逃していました。気づいていたら…どうしたでしょうね。悔しかったには違いないですね。今の年齢でも悔しいのですから当時は年齢が今より近い分だけさらに悔しかったでしょうね。物語をつむぎだすことにあこがれながらも全くそういったことをやりきらなかった自分が悔しいと思うのでしょうね。しかし、悔しいと思わされる作品を読めたのは久しぶりなので嬉しかったです。殺された自分の死体を隠そうとする友人兄妹の二人の行動をなんとも不思議な一人称で描き、その上臨場感たっぷりのサスペンスでドキドキを演出しなるほどっていう結末をつける。面白かったです。他の作品も読みたいな。今日も最後まで読んでいただいてありがとうございます。今回は作品の紹介になっていないような気がしますが…いつものようにご意見などがあれば掲示板への書き込みお願いします。ではまた
2003.09.06
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長崎では11月3日に薪能があるようで今から楽しみにしています。なかなか日頃の生活の中でそういったものを見に行くチャンスってないんですよね。能や狂言とか見に行きたくても近場では行われないって現実もあったりしますので…大学生の頃にそういったことに気づいていればもう少し見に行けたのになって思います。今日紹介する本は今年の江戸川乱歩賞の受賞作の一冊(今年は二作同時受賞)で「マッチメイク」(不知火京介・講談社)です。日常生活の中に入ってこないものというてんにおいてはプロレスも能や狂言と同じような世界かもしれませんね(ただし、こちらは身の回りにも多少ファンがおり話自体は聞くことがあるが)この作品はプロレスが舞台になったミステリで登場人物はほとんどがプロレスラーであり試合の最中に第一の事件が起こり、第二の事件はトレーニングセンターにて起こります。正直言って犯人や動機、事件の手口などがすばらしく面白いといったミステリーではなく小説の題材がプロレスであったという部分にこの作品の評価された理由の大部分があるのではないかと思います。といってけなしているわけではなく乱歩賞自体がどちらかというとミステリーとしての評価より題材の面白さを中心にした作品が選ばれる事が多いわけで(真保裕一の「連鎖」なんかもそうですよね)テーマの取り方などの面白さは確かにあると思います。舞台は新大阪プロレスという大手プロレス団体で最初の犠牲者はダリウス佐々木という団体のトップですでに国会議員なども勤めているスター選手(アントニオ猪木みたいな人だと思います)。彼がリング上で倒れそれが蛇の毒による毒殺だったというミステリーが謎の中心になります。その謎を追求していくうちに主人公の山田聡はプロレスの裏と表をしり、レスラーとして成長していくといった話です。脇役の本庄、丹下といったメンバーが好感度が高くすんなりと気持ちよく読めました。先にも書いたとおりミステリーとして期待して読むと肩透かしをくらいますが、プロレス小説として読むと面白いと思います。ただ、僕はプロレスのことが全く分かっていないのでこの「マッチメイク」という作品の中で描かれるマッチメイクがどれだけ現実に行われているのかとか、ほんとに丹下のような人物がプロレス団体の中にいるのかとかそういったことは全く分かりませんでした。まあ、そんなことを抜きにしても充分に楽しめました。今日も最後まで日記を読んでくださってありがとうございます。乱歩賞って結構こういう傾向がありますね。ミステリーとしての評価と小説としての評価を感じますね。新本格の作家で受賞している人なんてほんとにいないですものね。(例外が岡島二人や東野圭吾かな)それでは乱歩賞自体に関する感想もお待ちしていますね。ではまた。
2003.09.05
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小学校の頃の理科の教材はわくわくするするものがほんとに多かったと記憶しています。今考えるとどうして今自分の手元に何も残っていないのか残念でなりません。そのなかでも光を七色に分解するプリズムは一際面白い教材でした。太陽の光を一筋のスリットから通してプリズムの切り込みの入った面に当てるとそこから出てくる光は虹色の7色に分かれて出てくる。今となっては屈折率が光の波長により変わるために波長の短い紫色と波長の長い赤色の間で光が七色に分かれるというのも知識により納得出来るようになりましたが当時は非常に不思議な現象でした。そもそも太陽光線がすべての色を混ぜ合わせて作った色だなんて考えられないじゃないですか(ナトリウムのD線がないとか微妙な話は除く)虹も実際には太陽光線が空気中の水蒸気で屈折して起こる現象で太陽を中心にまん丸に光が分けられているわけです(ただし、地平線があるために上半分しか見えませんけどね)※注意今回は小説の性質上ネタはばれませんがあらすじを紹介しています。未読の方はご注意ください。今回はそんなプリズムがタイトルになった小説を紹介します。「プリズム」(貫井徳郎・創元推理文庫)は慣れ親しんだ推理小説とは違い、探偵役が犯人の犯行方法を推論するとその犯人扱いされた人物が次の探偵役として語り始めるといった形式の非常に変わった小説になっています。最初の主人公の小学5年生の小宮山真司の担任の先生・山浦美津子が自室で殺されます。死因は部屋にあった置時計で頭を殴打されたこと。部屋にはガラス切りで窓ガラスに穴をあけ侵入したあとがあり、山浦先生はなんと睡眠薬入りのチョコレートを食べていたことが判明します。その条件から真司たちは先生の同僚で南条という男性教師を間にはさんだ桜井先生を疑う。次の主人公は第一の容疑者のはずの桜井先生。彼女は自分の感情の割り切れなさから山浦先生を殺した犯人を探そうとする。そして、元恋人の井筒を犯人と指摘する。犯人と指摘された井筒は次の探偵役として自分なりの調査を行うその中で小宮山真司の父が山浦先生を殺した犯人だと想像する。そして小宮山の父は最後に真司たちが先生を殺したのではないかと想像し小説は幕を閉じる。といった感じで一体誰が犯人なのか、真実は真相はなんなのか、すべてが闇の中で幕を閉じます。真相はそれぞれが想像するしかありません。こういった遊び心が楽しいと思える人向きの小説です。しかし、様々な視点から語られることによりきらきらと輝きを変えていくプリズムのようにいろいろな色を楽しむことが出来ます。現実には不可能である1人の人間を様々な視点から眺めることでその人の人となりにぐいぐいと肉薄していくという体験も面白かったです。すでに読んでいる人は掲示板に誰が犯人だと思うか書いてくださると面白いかもしませんね。ご意見お待ちしております。今回の紹介はいつもと少し形がちがいますが、小説の特性上このように紹介してみました。いかがだったでしょうか。最後まで御付き合いいただきありがとうございます。それではまた。
2003.09.04
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将棋やチェスは形をかえつつ世界中にあるゲームです。ゲームの基本は正方形の盤の上を等区画に区切り、そこに様々な動きをする駒を配置することによりゲームが始まります。さて、このチェス型のゲームで最強のこまは何でしょうか?そう、チェスのクイーンなのですね。クイーンは縦横斜めの好きな方向に好きな数だけ動けます。将棋の飛車や角が成ってもここまで強くはなりません。まさに最強の駒のひとつですね。(記憶ではインドネシアかどこかのゲームでは一回の手番で2回分将棋の王将と同じ動きができる駒があった気がします。あの駒も最強の駒のひとつですね)さて、今回紹介する本は「盤上の敵」(北村薫・講談社ノベルス)です。すでに講談社文庫で出ている本ですがノベルス版で読んでいます。タイトルを見たときにエラリー・クイーンの「盤面の敵」に関係がありそうなのはわかったのですが残念ながらいまだに「盤面の敵」を読んでいないために話がどこまで影響を受けているかはわかりません。北村薫の「盤上の敵」は自宅に猟銃を持った強盗犯が押し入り、主人公の末永純一は人質になっている妻を救うために一つ一つ手を打っていくという話で、その末永を白のキング、強盗犯を黒のキング、妻の友貴子を白のクイーンに見立てて話が進んでいきます。北村薫の日常の謎を描いたシリーズと違い明確な人間の悪意が作中に描かれるのでノベルス版の前書きに断り書きがしてあるほどでした。確かにいつもの北村薫を期待して読むととんでもなく裏切られるかもしれないですね。作品の出来自体は期待を裏切ることはありません。犯人側と主人公側がそれぞれにチェスのように一手一手打ち合う形になっていないのがちょっと残念です。どちらかというと末永サイドだけがこれがチェスのような対戦だと認識していて犯人は気づいていないような…まあ、そんなことは関係なく見事な背負い投げを食らわせてくれる小説でした。今回も最後まで読んでいただいてありがとうございます。北村薫の場合はやっぱりいつものような作品が好きという方とこういった作品も書けるのがすばらしいって人と分かれるのではないかと思います。感想はいつものように掲示板にお願いしますね。ではまた。
2003.09.03
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高校野球をあまり見なくなってからずいぶんと時間がたってしまいました。そもそも高校野球そのものが夏休みにあるものだったわけで夏休みが関係なくなる社会人になってからは特にその傾向が強いですね。高校野球で思い出に残っているのは山口県代表の宇部商業が桑田・清原のいたPL学園と決勝戦で相対したあの1985年の夏の大会でしょうか…今日紹介する本は「クライマーズ・ハイ」(横山秀夫・文藝春秋)です。ジャンルはなんになるのでしょうね?ミステリーではないです。仕事に正面から立ち向かう男達を描いた人間劇なのですが…まあ、そんなジャンルわけなど考えることを必要としないほど読ませる作品でした。主人公は北関東新聞の記者であの御巣鷹山の日航機墜落事故を全権デスクとして扱っていくことになる悠木和雄という40歳の男性です。翌日に谷川岳の衝立岩という山に挑戦するつもりだった悠木はその夜入ってきた日航機の行方不明…その後の群馬県への墜落により予定の変更を余儀なくされる。一緒に山に登る予定であった同僚の安西はなぜか街中で倒れて病院に運び込まれる。刻一刻と変化していく環境の中で記者としての、新聞としてのプライドを持ちつつ事件を扱おうとする悠木はことごとく上司達と対立することになる。といった感じで悠木さんが熱いです。作品をけなすつもりではないですがこの熱さを持った人物はこの会社の中でこれまでどうやって仕事をしてきたのかと不思議に思うくらいです。(大事件に対しているからこそここまで熱いのだと思いますが)実際保身と社内の権力争いによって現場の仕事が混乱するのは悠木達にとってはたまらなかったと思います。会社内の人間関係、親子の関係、事故の遺族との関係、他の事件関係者との関係様々な人間模様が描かれているにもかかわらずすんなりと筋を追っていける筆力はすばらしいと思いました。この年の高校野球の群馬の代表が農大二高なのですがそこの野球部の選手の1人の父親が日航機に乗っていて事故に巻き込まれていたそうです。その年、農大二高を甲子園で下したのが宇部商業なのでした。宇部商業がPLと決勝を争ったまさにその年の出来事でした。あの事故から18年という長い月日が過ぎていることに少し驚きつつも風化していく事件をこういった感じでとどめておける作家がいることを心強く感じました。本日も最後まで読んでくださいましてありがとうございます。この本はさらに書こうと思えばいくらでも感想のかけそうな本です。家族のこと、登山のこと、遺族のこと、実に様々に思いを巡らされました。感想やこの人の本ではこれがお勧めなどという本があればぜひご紹介下さいね。掲示板でお待ちしています。ではまた。
2003.09.02
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9月の1日にやっと1000アクセス到達いたしました。いつもきてくださっている方々ありがとうございます。皆さんのおかげで日記も続けられていますし本の感想も順調に書き込めています。はじめてきてくださる方も感謝です。残念ながら今回の1000人目が誰かは不明なのですが(***.bbtec.netさんもしこれで自分のことと分かる方おられれば書き込みください)とにかくうれしいです。さて、今日読んだ本ですが「デッドエンドの思い出」(よしもとばなな・文芸春秋社)です。実はお恥ずかしい話ですがよしもとばななさんを読むのは生まれて初めてだったので今回の紹介は誰でも知っている基準を用意することができません。逆によしもとばななだからとかいうレベルでの先入観のない紹介ができると思うのでご了承ください。しかし、この日記自分が今までによんだことのない本がなんなのかをさらけ出すために書いているような気がします。この本は書き下ろし短編集で作者自身があとがきで「どうして自分は今、自分の一番苦手でつらいことを書いているのだろう?」と思ったというぐらい切ないラブストーリーばかりが五編並んでいます。しかし、つらく切ないそれでいてどこかに救いのある物語であり読んでいてつらくなるばかりではありません。確かに胸が締め付けられるような現実の中でのどうしようもなかった出会いや別れを想像させられる部分もあり恋愛経験値のあまり高くない僕でも自分に置き換えて考えさせられる部分が多くありました。これがきっとよしもとばななの魅力なのだろうなっとこれまで読んだことのない僕は想像するわけですがそれについてはまた今度他の作品を読んでみることにします。話としては「幽霊の家」という最初の話が好きです。なんとなくそのまま出てきてしまっているおじいちゃんとおばあちゃんの幽霊に自然に優しく接してしまうそんな生き方ができればいいのにねって思いました。う~ん、自分の読書が偏っているのがこういう本を読むとよく分かりますね。そしてこういう本がよい意味で世の中で売れているのだということもしっかり認識して自分の仕事も考えていきたいと思います。今日も最後まで読んでくださってありがとうございます。感想やばななさんの作品でこれがお薦めって作品があれば掲示板に書き込んでいってくださいね。それから読みますから。それではまた。
2003.09.01
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このところ天気がとても不安定で朝は晴れているのに昼には雨が降ったり今日は朝降って昼から晴れたりでなのに夜は曇っているっていう感じでなかなか星が見える夜がやってきません。さて、今日紹介する一冊ですが「アレイスター・クロウリーの魔術日記」(アレイスター・クロウリー・国書刊行会)なのですが、この本はアレイスター・クロウリーの著作集別冊2巻として刊行された本です。アレイスター・クロウリーという魔術師の本をなぜ僕が読むことになったかというと単純に友人が貸してくれたからなのですが、ミステリーやホラーなんかでもちょくちょく名前を聞いている名前ではあったので興味はありました。さあ、その内容なのですが僕のような唯物主義者(?)には少し読みにくい内容でした。彼の信じている「カバラ」という魔術では文字の一つ一つが数字としての意味を持ち、それぞれの文字の意味や関連性を数字に直して捕らえなおしているのですがそれに何の意味があるのっていう捉えなおしが非常に多くあり正直意味が不明でした。たとえば7を使って10の倍数の割り算をおこなう際に一つの法則性が得られるという話に何ページも割かれているのですがそれを使ってできることといえば10の50乗の計算をすばやくできるとかそういうことでしかないように思いました。他にもヘロインやエーテル、コカインを乱用する薬物中毒者としての言動が多々あるのですが「やめようと思えば驚くほど簡単にやめられる」などと書き結局やめていない姿などかなり重症患者であることをうかがわせます。カバラとはなにかという文章では「カバラを疑問視するのならば化学の専門用語も疑問視したほうがよい」などと比較しようのない分野の比較をはじめたりもしています。その上何か行動をしようとする際には中国の易経で占いを行いその卦にしたがって行動しようとする一方で自分の気に入らない卦が出た場合は集中力が足りなかったので正しい卦がでなかったと再度やり直したりとほんとにはちゃめちゃです。ただ、フォローしておくならば彼自身がこの日記を自分の覚書として作っていたということで公開するために記述していたわけではないからこのような文章になっていると考えることは必要だと思います。しかし、他人の日記を読むのは悪趣味ですが面白いかもしれませんね。僕達も毎日楽天日記という場所で人の日記を見てまわって楽しんでいるわけですしね。小説という読み物が他人の人生を追体験できる装置だとすれば日記は他人の一日の追体験ができる装置になりうるって思いました。少なくともこれからの人生で魔術を信じ麻薬に耽溺する生活を送れるとは思えないのでそんな人生を垣間見せてくれた本でした。しかし、この本は魔術を信じているタイプの人が読むとどんな気分になるのだろう。ちょっと気になります。今日も最後まで読んでくださってありがとうございます。今日読んだ本は日頃の自分の読書傾向の中からは決して出てこないタイプの本なので珍しかったと思います。感想などあれば掲示板に書き込んでいってくださいね。それではまた。
2003.08.31
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自分の持っている本のはずなのに今手元にない本が結構あります。引越しした際に実家に置いてきてしまった本がそうなっているわけですが(他に人に貸した本も手元にない本ですね)今日紹介したいなってなんとなく思っていた本がそんな感じで手元にありませんでした。「シュレーディンガーの猫」のシュレーディンガーさんが書いた「生命とは何か」(岩波新書)を紹介したい気分だったのですが…気を取り直して今日の一冊は「とらんぷ譚」(中井英夫・創元ライブラリ)にしました。掲示板で竹本健治さんの「トランプ殺人事件」の話題が出ていたので引き寄せられた紹介ということになります。中井英夫のことを一応説明しておきますと日本ミステリーの黒い水脈とでもいうべき小説があるのですがその「ドグラマグラ」「黒死館殺人事件」という二冊の偉大な奇書に対して並び賞される本が中井英夫の書いた「虚無への供物」ということになります。この影響を受けた作家は数多く先ほど出てきた竹本健治さんや笠井潔さんらが代表になります。さて、そんな中井英夫さんが遺したもう一冊の本がこの「とらんぷ譚」ということになります。「とらんぷ譚」は実際にトランプにかかわる話が出てくるわけではなく幻想的な話が一組13話、4組、合計52組語られ、最後にジョーカーとでもよぶべき2編が加えられてつくられた短編集になります。実は連載していた雑誌は「太陽」で季節をあらわす短編集を書いていたのだとか…たしかに季節感のある話が多いような…。短編の内容は少し気味の悪い幻想的なものが多くそれぞれにぐいぐいと引き込む力を持っているあたりはさすがは中井英夫といった感じなのだがやはり「虚無への供物」の超現実的な凄さと比べると一段階下がるような感じを受けますね。「幻想博物館」「悪夢の骨牌」「人外境通信」「真珠母の匣」のそれぞれに気に入った話がありますが自分としては「幻想博物館」が一番気に入っています。今日も最後まで読んでくださってありがとうございます。この本に関しての思い出やこの話が好きっていった感想があればぜひ掲示板に書き込んでいってくださいね。それではまた。
2003.08.30
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今思えば自分の読書の遍歴の中で名探偵にはまっていったターニングポイントがいくつかあるなって感じることがあります。一つ目が宮崎駿の犬の名探偵ホームズを見たこと。知っておられる方も多いとは思うのですが昔テレビでやっていたドタバタコメディになっている犬の名探偵ホームズが大好きでした。そして中学時代に江戸川乱歩の少年探偵団シリーズとホームズの子供向けになっている本を読み、だんだんと名探偵への憧れを強くしていきました(小学校のときに西村京太郎の十津川警部のシリーズをかなり読んでいますがこちらはあまり影響がなかったような…)そして高校生のときに今から紹介する「伊集院大介の私生活」(栗本薫・講談社文庫)に登場する伊集院大介にはまり、その後大学時代は御手洗潔の影響を受けまくったということになります。さて、その伊集院大介ですが「絃の聖域」でデビューし最新作の「水曜日のジゴロ」まで途中あまり活躍しなかった時期もありましたがずっと現役の名探偵を続けているという点でも自分への影響力の大きな名探偵の一人だと思います。この「伊集院大介の私生活」は短編集で6つの短編が収録されており「伊集院大介の追憶」「初恋」「青春」「一日」「私生活」「失敗」というタイトルを見てもわかる通り名探偵伊集院大介の人間としての部分をクローズアップしたつくりになっています。人間の魂の色や形がつむぎだす縦糸と横糸が編み上げた事件を読み解き「そんな気がするんです」といいながら事件を解決していく名探偵の姿はとてもかっこいいですよ。犯人や被害者の人生に対する暖かい視線なんかも伊集院大介の好きな部分ですね。この短編集の中ではなぜ高利貸しのおばあさんは殺されなくてはならなかったのかの謎を解く「伊集院大介の追憶」と学際的な人間学として名探偵の仕事を捉える「伊集院大介の青春」が特に好きですね。後者は高校時代に読んで影響をうけ実に様々なジャンルの本をよむきっかけになってくれました。自分のことばかり長々と書いた気がしますがこの本もお薦めです。伊集院大介のシリーズをまだ読んだことがない方はぜひ読んでみてください。短編集かパソコン通信を舞台にした殺人事件「仮面舞踏会」が最初の一冊としてはお薦めです。それでは今日も最後まで読んで下さってありがとうございます。他にはこんな名探偵が好きですって意見などあればどんどん掲示板に書き込みしていってくださいね。それではまた
2003.08.29
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今日は一日曇っています。火星が離れていく前に火星が見たいな~。晴れている地域の人がうらやましいです。さて、今日の本の紹介は「砂の海の航海」(島田荘司・新潮文庫)です。この本はミステリーではなくドキュメントです。実際に島田荘司が自動車好きであのパリ・ダカールラリーにまで随行していたときの話が書いてある本です。島田さんの自動車関係の本は数多くあり、「ポルシェ911の誘惑」「自動車社会学のすすめ」「エンゼルハイ」「島田荘司の名車交遊録」「アメリカからのEV報告」などがあり、その中でもパリダカを中心に描いているのがこの「砂の海の航海」と「パリダカ漂流」の2編です。どちらかといえばパリダカ漂流のほうがファンの目には嬉しい展開が多いですね。島田さんの場合海外や旅先で見たものが結構そのまま作品に反映されるので「パリダカ漂流」の時のピラミッド見学なんかはそのまま「水晶のピラミッド」のピラミッドのシーンにつながります。「砂の海の航海」は写真を見ながらアフリカという環境の持つ生命力をたっぷり感じることができます。ルール的な悲惨さも含めて、ラリーの過酷さも充分に伝わってきて臨場感もたっぷりです。ところで「パリダカ漂流」の時はピラミッドの謎を無邪気に楽しんでいた島田さんがどうして「水晶」の時には偶然の一言で片付けるようになってしまったのかを知ってる人いませんか?吉村作治先生にでも説得されたのかな。それでは今日も最後まで読んでいただいてありがとうございます。ご意見ご感想などありましたら掲示板に書き込んでいってください。それではまた。
2003.08.28
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今日は火星大接近…でも、曇っていて火星が一瞬でも見えそうな気配はありません。こうやって観測できないでも火星はそんなことにお構いなしに大接近しまた離れていく。ちょっと不思議な宇宙の仕組みですね。ああ、みたいな~さすがに次の6万年は待てません。さて、今日読んだ本は「池袋ウエストゲートパーク」と「池袋ウエストゲートパークⅡ 少年計数機」(石田依良・文春文庫)の二冊です。この作品ちょっと評価が難しいですね。ミステリーかと聞かれるとミステリーでないし、かといってミステリーではないといわれると納得いかないし…現代のハードボイルドなのでしょうか。固ゆで卵の味も時代にあわせて変わるのでしょうね。ドラマにもなったのでご存知の方も多いでしょうけど主人公のマコトは池袋で実家の果物屋をしながらトラブル・シューターのようなことをしていて、その友人たちが力を合わせながら池袋に起こる様々な事件を解決していくというのがメインのストーリー。取り上げられる事件も、援交、いじめ、ドラッグ、抗争と様々な題材が取り上げられていてあきさせない。事件自体は暗いのに決して暗くならない軽めな文章が現代のハードボイルドって感じでしょうか?事件自体は深い謎があるわけでもなく無駄に怪しい人物が出てくるわけでもなく非常に素直な感じ。どちらかというと読みどころは結構手詰まりの状況の中で主人公のマコトが打ち出してくる大逆転の打開策を楽しむところかも知れません。手詰まりの打開って観点から見ると京極夏彦の「百器徒然袋―雨」の中の探偵・榎木津礼二郎の活躍っぷりに通じるものがあるかも。こんな友人がいれば楽しいこと請け合いですね。う~ん、今日はなんとなく感想が書きにくかった気が…充分に面白い小説を読んだと思えるのですがなぜ書きにくいのでしょうね。ちょっと考えてみたいと思います。今日も最後まで読んでくださってありがとうございます。ご意見・感想などありましたら掲示板にお願いします。ではまた。
2003.08.27
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今日は朝からのんびりしてます(うつらうつら)そろそろ本屋さんに立ち読みにでも行こうかな?立ち読みしてから日記を書こうかなとか思っていたら紹介したい本があったことを思い出したので日記を書いてから外出します。今日紹介したい一冊は「迷路館の殺人」(綾辻行人・講談社ノベルス)です。すでに講談社文庫にて発表済みの作品を何故講談社ノベルスにて紹介するのか…それが今回の紹介の謎です。この作品は綾辻行人の「館シリーズ」と呼ばれるシリーズの三作目でこのシリーズ自体が傑作だと思っています(個人的には「人形館」が一番好きですね、京都の雰囲気とか…)「迷路館」は建築家中村青司が推理小説家の宮垣葉太郎のために立てた建築物でモチーフはギリシア神話のミノタウロス…結果として館の中は半地下で迷路になっている。その館で開催された宮垣葉太郎の還暦祝いの中、集まった推理小説家達の中で殺人事件が起こるっていう話が表向きのミステリーでこの本がほんとに面白いのはそこから先なのです。(著者の言葉・引用)今回は、いわゆる“作中作”をモチーフにしてみました。綾辻行人著『迷路館の殺人』の中に、鹿谷門実なる人物の書いた『迷路館の殺人』が丸ごと挟み込まれている、といった構成です。一体どうしてそんな構成にしたのか?それは……とにかく是非、読んでみて下さい。ということでこの作品で一番すごい部分はこの作中作の部分なのです。ところが、ノベルス版で読む場合は綾辻行人のノベルス版「迷路館の殺人」が始まり、プロローグがあって稀譚社ノベルス、鹿谷門実の「迷路館の殺人」をはさみ、稀譚社ノベルスの奥付があって、エピローグ、綾辻行人のあとがき、講談社奥付という形で形式として完成されているのですが、文庫版では文庫版の綾辻行人の「迷路館の殺人」が始まり、鹿谷門実のノベルス版をはさみ、文庫版の奥付で終るという不完全さで残念ながら本としての美しさがものすごく減少してしまっています。文庫版でしか「迷路館の殺人」を見たことのない人はぜひ一度ノベルス版を手にとってほしいと思います。古本屋さんでの出回り度もそこそこあるのでぜひ一度…ノベルス版の表紙の写真が鹿谷門実版の「迷路間の殺人」の写真なのですがこの写真の鹿谷門実の名前が鹿谷門「美」になっているというのも要チェックですね。本が出たときの形態によって中身が変わってくる可能性のほかに中身がかわらなったゆえに完全性が失われた例って感じですね。講談社の方には文庫版を出しなおしてほしいな~新装版とか…僕は買うな、きっと。それでは、今回も最後まで読んでくださってありがとうございます。そういう話ならこんな作品もあるよってエピソードなどあればどんどん教えていただけるとうれしいです。自分ひとりで見つけられる発見よりみんなで探したほうが面白い情報はいっぱい集まると思います。それではまた。
2003.08.26
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今日は久しぶりに長崎では雨が降りまさに干天の慈雨っていった感じだったのですが、あっという間に降り止んでしまいました。草木にはいいおしめりになったかなって感じですね。店には影響がない程度でよかったです。さて、今日読んだ一冊は「スローカーブを、もう一球」(山際淳司、角川文庫)です。角川の夏の百冊などでは必ずエントリーされる本なので名前はずっと知っていたのですが実際に読んだのは今回が初めてです。なかなかこういった有名な本って読む機会がないんですよね。昨日の夜気になったので思わず衝動がいしてしまいました。さて内容なのですが作品の初出をみると雑誌のNamberがあったりするスポーツノンフィクションものになるのでしょうか?作品としては非常に粒ぞろいで日本シリーズ最終戦の江夏のピッチングを描いた「江夏の21球」(これはもう伝説ですね)や高校野球でファールフライをとりそこなったために試合に負けてしまう一塁手を描いた「八月のカクテル光線」、棒高跳び選手の限界に挑む姿を描いた「ポール・ヴォルター」など8編の短編が入っており非常に充実していた。野球がらみの話が多かったので高校野球やプロ野球が好きな人なら読みやすいだろうし、棒高跳びやシングル・スカルといったマイナーなスポーツに関してなんとなくイメージを描くことができる読みやすい本だった。この読みやすいというのは本にたいしてはとてもよいほめ言葉だと思う。読みにくい本を必死で読む面白さもまた格別だけど…。アメリカなどでも書評にReadableがほめ言葉として使用されているように読める本だということはすばらしいことだと思う。古本屋さんなどにはかなりあるので安くなっている本だと思います。さらっと読めるけど面白かったですよ。今日も最後までお付き合いいただきましてありがとうございます。感想やスポーツの本ならこの人って人がいればぜひ紹介してくださいね。ではまた。
2003.08.25
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日にちがずれてから日記の書き込みをする日が二日間続いたのでミスしてしまいわけがわからなくなるところでした。こちらが正しい8/24の日記です。ご迷惑をおかけしております。せっかくmuzin君さんから初のリクエストをもらったのでさっそくはじめの一歩を紹介させていただきます。ほかの方もキリ番(777,800,813など)を踏まれた方はどんどんリクエストしてくださいね。よっぽど高価な本や手に入らない本でない限り紹介させていただきます。さて、今日紹介する本は「はじめの一歩」(森川ジョージ・講談社コミックス)です。かなり有名なコミックですから皆さんご存知の通りすでに65巻まで発売されておりこれから先もまだまだ終る気配さえ見えないという非常に長期連載になっています。主人公の幕之内一歩が高校生だったところからストーリーが始まり現在日本チャンピオンそして最終的な目標としてすでに最強の世界チャンピオンまで設定されているわけですからこれから先どこまで続くのだろうかって感じです。この漫画の特徴的な部分をあげるとまずひとつはその非常に特殊な人体描写があります。主人公の体が悲鳴をあげていることを表現するために筋肉の繊維を描いたり、酸欠で酸素が欲しい状態を表現するために心臓と赤血球を描くボクシングマンガなんて見たことがありませんでした。しかし、こういったものがはじめの一歩のスピード感のあふれる試合の中で絶妙のタイミングで主人公たちの体の状態を示しているわけでその表現だけでもすごいマンガだと思います。二つ目はそれぞれのキャラクターにストーリーがあり、しっかりとエピソードが描きこまれていくこと。一歩は鴨川ジムというボクシングジムの所属なのですがそのジムの中にいる仲間たちの試合がきっちり丁寧に描かれていきます。とくに現在世界チャンピオンとして2階級を制覇した鷹村守の試合はいつも壮絶である意味では主人公はこの男ではないかと思わせます。そして最後の理由が何よりはじめの一歩を傑作にしていると思うのですが、喜怒哀楽がすべてしっかりと作中で描かれていること。そのバランス感覚も含めてこれほどのエンターテインメントを描ける作者はすごいと思います。ばかばかしい話があったかと思うとすごく真剣な話が入り、会長の過去の悲しい話があったかと思えば恋愛の話がある、ライバルとの対抗心がある、って感じで非常に上手くできていると思います。人間って現実でも楽しい一方、悲しい一方ではないでものね。そういった点では存在感のあるキャラクターたちだと思いますよ。長いですけど、最初から読むことをお薦めです。というか実家に帰ったときなど読み始めるととまらないマンガNo.1ですね。今回も最後まで読んでくださってありがとうございます。感想や、ご意見などありましたら掲示板に書き込んでいってくださいね。ではまた。
2003.08.24
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