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Nov 17, 2010
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カテゴリ: カテゴリ未分類
もうすぐ12月だ。

そう,12月7日はミラノのスカラ座の幕開けなのだ。ドゥオーモ駅からヴィットリオ・エマニュエレ二世のガレッリアを抜け,右手にレオナルド・ダ・ヴィンチ像を見ながらスカラ広場をまっすぐ進むと,道路のあちら側に見えてくるのがスカラ座だ。オペラなどやっているときでないと入場できないが,隣のスカラ座博物館はいつも開いているので,ヴィヴァルディーなどの音楽家の胸像など見たいのならオススメである。

さて,どうして12月7日なのか。
それはこの日がミラノの守護聖人,アンブロージョの祝祭日だからである。
ミラノではこれほどまでに重視されているアンブロージョ。彼を祀る教会,つまりサンタンブロージョ聖堂を訪れないのでは,何のためにミラノを訪れたのか,と言われても仕方あるまい。聖堂の半地下には彼の遺骸も安置されているのだ。

では,アンブロージョとは何ものなのか? そして一神教を標榜するキリスト教にあまたの守護聖人がいるのはどうしてなのか?

サンタンブロージョ教会.JPG


彼は今で言う警視庁長官である父の長男として生まれた。ローマでは最高の権威と権力のある地位である。当然彼にはエリート教育がなされ,やがてミラノを含む州知事の立場に。要するに彼は高級官僚だったのである。

こんなとき,キリスト教内では宗派争いが起こる。

一神教とは難しいですね。多神教なら何を信じようが構わない。結婚の神や平和の神がいると思いきや,離婚の神あり,戦争の神あり。しかし一神教は,だからこそ教義の解釈でいくつもの派閥ができてしまう。宗派間の争いはとても激しい。支配はつまり金と直接結びつくから,是が非でも争いに勝つ必要があるのです。

私のような素人には理解しがたいのだが,三位一体派とは,神とその子であるイエスが同格。しかもこれに聖霊が加わる。これも同格。神でありイエスであり聖霊であり・・・これが「ニケーヤの公会議」という宗教のお偉いさんたちが集まって,力づくで決めた結論。325年のことだった。しかし,分かりずらいですね。神とイエスと聖霊が一体って,どんなこと? 今はカトリックと呼ばれている派閥の考え方である。

これに対して,アリウス派の考えは,イエスは神に限りなく近いけど,神ではありませんね。同格と見るにはちょっと無理がありますよ,という考えである。素人にはとても分かりやすい。だから当時の皇帝たちの中にもこれを信じる者がけっこういたのです。


ところがですね,この両派閥の争いの中で,三位一体派のほうが,州知事であるアンブロージョを仲間に取り込もうと,司教になってくれと頼み込み,結局洗礼も受けていなかった彼を司教にしてしまった,というわけです。

えっ,それっていいの? 誰でも利用できる者ならいいのです。闘争に勝つためには綺麗事など言っていられない。兎に角彼は頭脳明晰,エリートなのだ。それで彼は三位一体の方が理論的に正しいという根拠からではなく,無理矢理頼まれて,いやいや受け入れたのです。

さあ,普通なら司祭になるにはいろいろな,長い段階を経てでないとなれない。これが教会の決まりである。でも今はそんなこと言っている場合じゃない。そこで洗礼,助祭・・・などなどの各段階を何と一週間でこなし,そして即席で司教就任。おやおやですね。この司教就任式が12月7日だったのです。


さて,話が長くなりましたね。ここからが本番なのですが,官僚出身である彼は,あほな皇帝など怖くない。やがて皇帝は神のお告げでなるものとしてしまう。といっても神の声が聞こえるわけではないので,司祭である彼がこれを仲介する。ということは,彼は神として振る舞うこともできるというわでけあるのだ。こうしてキリスト教,いやカトリックは皇帝よりも上位にあるものとしてローマ帝国を支配することになるのです。もう皇帝が一番ではなくなったのです。

しかし彼は実に頭が良い。誰もが一神教の神にばかり祈っていられない。むしろ多神教のような身近な神が身近にいる方が現実的であり,便利である。金に困ったなどと俗なことを,まさか神の子イエスに頼むわけにはいかない。それで守護聖人という都合の良いものを思いついた。これになら取るに足らない雑事をお願いできますね。ますますキリスト教の人気が高まる。

この辺りは,もっと詳しく説明すべきなのですが,今日はこの辺でやめにしておきましょう。アンブロージョがいなかったら,キリスト教がローマを支配するようにはならなかったかも知れない,ということ,ほんの少しの理由がわかっていただけたでしょうか。











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最終更新日  Nov 18, 2010 07:46:46 AM
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