大変読みやすく、すんなり頭に入ってくる内容ですが、 「小学生はまず読まないでしょう」
というのが私の感想です。むしろ親世代の大人に読んでもらいたい本です。図書館では児童書コーナーにあります。
四方を海に囲まれた日本と違い、海がなく中央アジアの真ん中に位置し、シルクロードの拠点でもあり、多くの民族が行き来し、日本へも影響を及ぼした国、アフガニスタン。バーミヤンの巨大な仏教遺跡がタリバンによって破壊されたニュースは覚えていましたが、偶像崇拝が禁止されているイスラム教徒のアフガニスタン人は宗教に関係なくバーミヤンの仏像を国の誇りだと思っていたそうです。
9.11後、アメリカ軍の空爆によってタリバン政権から解放され、学校も再開され、女性も一人で歩けるようになりましたが、失われた6年間に教育が行われなかったせいで、読み書きのできない大人がたくさんいて警察官や教員などの育成が進まないそうです。
作者あとがきに、 「よその国に対して自分は関係ないと知らん顔をするのは、空に向かって唾を吐くようなものです」
とあります。しかし、日本人はよその国どころか、自分の国に対しても無関心だと思います。
1996年9月27日、アフガン政権崩壊。
タリバンが首都カブールを制圧-生まれたときから戦争が日常の風景だった少女ビビは、初めてタリバンの厳しい監視下に置かれた生活を送ることに。
ビビは何を決意し、生きる支えを持ち続けたのか。
若い人へ向け、遺言の意を込めて放つ、渾身の一冊。
『花散る里の病棟』帚木 蓬生 2022.11.28
『守教 』上下 帚木 蓬生 2018.05.04
『三たびの海峡』帚木蓬生 2011.03.17
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