筋に合わねえことなら一歩も引かねえ
に組に入った見習い火消の仕事は、まずは、雑巾がけ、洗濯、薪割り・・と毎日長次は目覚ましい働きぶりでした。
(
長次の見習い仕事の雑用で、私の好きなところ 2
ヵ所です。とても可愛いいの )
お夏に頼まれお医者を呼びに行こうとした時、半鐘がなり響きます。に組の若い衆たちが揃います。長次も行こうとすると、お夏が止めますが、政五郎が、火消は親が死んでも火事場へ行くんだ・・長次に「ついてきな」と。 長次は嬉しそうです
。に組の勢揃いです。火事場に出陣です。
大名屋敷の連中がここから先は、この先は町火消しの出るところではないと、火消し連中を追い返そうとしています。
この先も町方火消の縄張りだ、とに組の清三がいきり立ちますが、この先をやがて御家老様が通られる、「貴様たちの出る幕ではない」。喜助が「そっちの都合だけでに組が黙って引っ込むか」と言うと「下種の分際で」と言われ、双方入り乱れますが押し返されてしまっているところへ、仲間をかき分け、忠言達も振りきり長次が出てきます。
長次「 ええい、まかしとくんな
」
といい、前に出ておとなしく言います。
長次「 利を尽くして頼んでるんだ、通してくんな
」
しかし、黙れと言って追い返そうとしたので、長次もムカッとし黙ってはいられません。止める藩の者達をちょっと痛め、一人の忠言を蹴飛ばしその上に腰を下ろし、もろ肌抜きます。
(
)
長次「 おおう、見損なってもらうめえ
。こっちとらあな、てめえ達みてえな、ケチ
な料簡でやっちゃいねえんだ。おう、耳の穴かっぼじって、よーく聞きやが
れ。千代田のお城を横目で睨み、神田水道の水で産湯を使い、おがみづきの
米を食って、日本橋のど真ん中で育った江戸っ子だ。筋に合わねえことなら
一歩も引かねえ。 殿さんでも家老でも、束になって呼んで来いっ
」
火消したちも勢いづいてさけびだしたので、それを見て、「どうしてもいかんと言うのではない。通ってもよい、通ってもよいが、あまり大声で騒ぐな」と折れてきます。
長次「へっ、そう来なくちゃいけねえ。話が分かれば何でもねえことだ。・・
さあ、清兄い、纒をふった・・ に組のお通りだ
」
火消したちは気勢を上げて走り出します。火消しとなって入りたての長次は、この件ですっかり男をあげたのです。に組の若い衆は長次を担いで隣の飲み屋水月に繰込み賑やかにしています。
月が綺麗に出ている物干し台に出て酔いを覚ましている長次がいます。そこへそっとやってきたお夏が長次に声をかけます。
(
いい雰囲気のバックミュージックが流れ、長次は少しお酒が入っているし、長次を好いているお夏が来たのですから、普通はここで二人の間に恋が芽生える会話になるはずなのですが・・・まるっきり、長次はお夏にはつれない素振りで、はぐらかす状態を取っていきます。長次はに組に入って目的にだけまっしぐらなのです )
お夏「あら、こんな所にいらしたの」
長次「酔いを醒まそうと思いましてね」
お夏が夜空を見て「いい三日月様だこと」と、長次の気を誘いますが、
長次「いい月悪い月って、 別に区別はねえけれどね
」
お夏「うん、意地悪」
そして、お夏は、その内長次さんは何処かへ行ってしまうのではないか、とお父つぁんが言っていたが本当、と聞きます。
長次「さあ、 当分は御厄介になるつもりでさあ
」
お夏は「その方がいいわ」と、安心したようにうれしそうに言います。お夏は積極的です。だんだん長次の傍に近づいて行きます。
お夏「こうしていると、お江戸の夜が夢みたい・・ ねえ、長次さん
」
長次「 とんでもねえ、こう見えたってこの下には
、悪いことをする奴やそのお蔭で
泣いている人が大勢いるんだ」
お夏が拗ねたような顔をしていましたが、気を取り直して、明日浅草にお参りに一緒に行ってほしいといいますが、 はぐらかす長次です
。
長次「それよりむ、お夏さん、早えとこお休みなせい。 夜風は毒ですぜ
」
お夏は「知らない」と行ってしまいます。
その様子を見て大笑いします
。 (
ちょっとお夏の身になれば可哀想ですね )
続きます。
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