“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

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2020.11.17

”餌性”を高める刺激

カテゴリ：経営者のための連続コラム

”餌性”を高める刺激

　この餌性を高めて、満腹中枢を強烈に刺激するために重要な役割を果たすのが甘くてしょっぱいタレです。このようなタレがあり、胃袋の充足も急速にできる商品が開発できれば、“餌”として申し分ありません。
　牛丼は、さらに紅生姜の食感がポイントで満腹中枢を刺激します。牛丼は安いうえに、牛丼を食べたときに感じる強烈な満腹中への刺激をときたま感じたくなるのです。
逆に、時間をかけて、よく噛んで食べる人は豊かな生活環境で育った人と言えるでしょう。そういう人は、１～４の満腹中枢の刺激より、会話をしながら、じっくり咀嚼してゆっくりとした食事をしているでしょう。咀嚼は満腹中枢を刺激する胃袋の充足度や塩分、糖分の刺激がなくても満腹感を演出してくれます。したがって、咀嚼は餌を売る外食産業には“敵”と言えるでしょう。
　一方、咀嚼しなくても咀嚼した誤認させるのが食感と言えるでしょう。さきほどお話ししました牛丼の紅生姜や鮨のガリはその役割で、おやつのあられやポテトチップは塩分の刺激だけなく食感も満腹中枢を刺激して満たしくれていると言えるでしょう。
食べ歩き自慢の“グルメ”はエゲツない餌むき出しの濃い味は好まず、わかりやすい食感を好みます。つまり、食感をうまく活用すれば、味のわからない（食の既知や経験による多様性の評価ができない）食べログのレビュアからも高評価を得ることができるのです。
　餌性において求めるレベルは個人差があります。“餌性”をおいしさとして習慣化している人は多いわけですから、まず、食感や塩分、糖分、胃袋へのボリューム的なアプローチをしっかりして、その上で、本当のおいしさを教育しないといけないのです。

～『四方よし通信』より

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