入り口の正面の芝生が植えられたところの奥の方にある潅木の茂みに、赤と白のテープが張り巡らされていて立ち入り禁止になっているようだった。その近くに制服の警察官が二人立っていたが、この二人も、何もすることがないのか、どこか手持無沙汰にしていた。別にクリップボードを手にした私服の人もいたが、特に何か書いているという様子はなかった。警察関係者だったのか、報道関係者だったのか。
潅木の茂みが横から見えるところまで足を進めて振り返ると、茂みの下の空間に、人間らしいものが横たわっているのが見えた。ちらっと見た限りでは、全く動いていなかったし、救急車の人も何もしていなかったから、誰かがそこで亡くなったのかなと考えて足を速めた。野次馬も集まっておらず、大騒ぎになっていないところを見ると、事件性は少なそうである。
というような話を、うちのにしたら、「 olomouc.cz 」ニュースが上がっていることを教えてくれた。それによると、発見されたのは11時半ごろだというから、その少しあとにそばを通ったことになる。発見されたときにはすでに亡くなっていて、警察ではよく知っている人物だったらしい。ということは公園をねぐらにしていたホームレスのうちの一人ということになるのかな。
冬の寒さが厳しい時期には、ニュースでもホームレスの窮状や、支援団体が様々な支援をしてる様子が報道されるが、その厳しい寒さを乗り越えて、暖かくなり始めてから亡くなったというのは、本人にとっては残念なことだろう。殺されたわけではないようなので、寒さで亡くなったのかもしれない。最初一瞬、何かの事件かと思ったときには、職場への行き帰りにここを通るのはやめようかと思ったのだけど、亡くなった方には悪いけど一安心である。
安心していたら、「olomouc.cz」の次のニュースは、二月初めに同じ公園で、17歳の少年が男女の二人組に襲われてナイフで刺されたという事件が起こったことに関してだった。この事件については知らなかったのだが、警察では犯人を見つけられていないので、犯人が写った防犯カメラの映像を公開して、一般の人々の協力を求めることにしたということのようである。こういうのを公開捜査というんだったっけ?
事件が起こったのは二月二日の午後十時半過ぎらしい。土曜日だから一日うちに引きこもっていたなあ。ということで証人にはなれそうもない。もしオロモウツに住んでいる方で、しかもこの記事を読んでいて、この時間帯に「スメタノビ・サディ」を通ったという人がいたら、こちらをご覧いただきたい。
https://www.olomouc.cz/zpravy/clanek/Mladika-v-parku-na-zacatku-unora-pobodali-cizinci-Policiste-prosi-o-pomoc-svedky-29731?utm_source=otvirak
警察への情報提供は個人の信条に任せるということで。
とりあえずは、刺された17歳の少年が怪我だけで済んだとおもわれることを喜んでおこう。問題は、こんな事件のあった公園を、通るべきか通らざるべきかである。春が来ると、モルモン教を布教に来た人たちや、神様について大声で演説をする人が現れるようになるから、避けることが多いんだけどね。まあ街灯もあるし、夜中じゃなければいいか。
2019年2月20日20時30分。
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