まず最初は、移動の方向を表す「k」である。これは特に人を表す名詞、代名詞について、その人のところに行くことを表すのに使われる。人以外だと、川や海などの水辺に向かっていくときに使われることが多い。一緒に使われる動詞は「行く」などの移動を意味する動詞が多い。
・Jdu k vám.
そちらに行きます。
・Pojedeme na dovolenou k mo?i.
休暇で海に行きます。
・Táhn?te k sob?.
自分のほうに引っ張ってください。
また、名詞「sm?r」と組み合わせて、「〜のほうに」という意味でも使える。このとき「sm?r」は七格にするのがポイントである。
・Tento vlak jede sm?rem ku Praze.
この電車はプラハのほうに行きます。
・P?jdeme sm?rem k nádra?í.
駅のほうに行きましょう。
発音の関係で、子音が二つ以上で始まる名詞の場合には「ke」、子音Pで始まる名詞の場合には「ku」になることがある。発音上の要請なので必ずというわけではないのが、外国人にはつらいところである。また、この「k + 三格」は、「na + 四格」に置き換えられ、特に行先を「do」で表せる地名の場合には、「sm?r」を略して「na + 四格」だけで「〜のほう」を表すことができる。つまり「jet sm?rem ku Praze」でも、「jet sm?rem na Prahu」でも、「jet na Prahu」でも意味はあまり変わらないのである。
それから、以下のような予想外の名詞につくこともある。
・ku podivu
・zkušenost k nezaplacení
・k smíchu
この辺を何も考えずに使えるようになると、チェコ語もぺらぺらと言えるのだろうけど、そこまでいくのはなかなか大変である。上の三つを使って文を作ると、例えば、「私のチェコ語はまだまだ笑うべきレベルなんですが、不思議なことに最後の試験に合格できました。サマースクールではお金では買えない体験をさせてもらいました」なんてのは、
Moje ?eština je stále k smíchu, ale ku podivu se mi poda?ilo ud?lat záv?re?nou zkoušku. Na letní škole jsem m?l zkušenosti k nezaplacení.
なんて訳が出来上がるのだけど、このチェコ語が正しいかどうかは保証しない、というよりは、保証できない。難しいんだよこれ。
特殊な使い方というよりは、読み方なのだが、比率を表す「3:2」とか、スポーツで点差を表す「1:1」を読むときに数字の間に入れるのが「k」なのである。だから「t?i k dv?ma」とか、「jedna k jedné」なんて読むわけである。点差の場合には、簡単に「t?i dva」「jedna jedna」と読んでしまうことも多いけど。これは特に知らなくてもチェコ語を使うのには全く問題のない「k」の使い方である。
そう言えば、日曜日のスラビアとプルゼニュの試合の後、こんな文を見かけた。
・Výhrou se p?iblí?ila Slavia k titulu.
勝利によってスラビアは優勝に近づいた。
ということで、「Tento ?lánek se chýlí ke konci」という文で今日の分を終わらせることにしよう。「k」は、とにかく移動する方向を表す用法が一番重要である。
2019年5月14日9時35分。
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