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2021年06月04日

フォルトルナリガも終了1(五月卅一日)





 とまれ、優勝したのはスラビア・プラハ。無敗での優勝である。昨シーズンからの通算だと、国内の公式戦での無敗記録は50試合に近づきつつある。去年のほとんど最後まで終了したシーズンを含めばこれで三連覇で、チェコリーグになってからでは7回目の優勝となる。今シーズンの様子を見ているとしばらくはスラビアの時代が続きそうである。
 最近のスラビアは移籍期間のたびに国外のチームに中心選手を引き抜かれているが、トロピショフスキー監督の育成手段が優れているのか、代役の選手が成長して穴を埋めている。ここ2年ほどでも、クラール、ソウチェク、ツォウファル、ヌガデウ、デリなど数人の中心選手が移籍して行ったが、プロボット、ジマ、シマなどの若手選手が次々に登場してきた。ジマなんて、去年の冬に移籍したときには、オロモウツでリーグデビューしたばかりだったのに、今やA代表でヨーロッパ選手権に呼ばれるまでになっている。


 スパルタは、最近、フロジェクを初めとして自前で育てた十代の選手をリーグ戦に起用して経験を積ませている。以前は自前の選手が台頭しかけても、次々に同じポジションの選手を取ってきて、出場できないまま他所のチームに移籍して行くということが多かった。今や代表のエースとなったシクもスパルタではほとんど試合に出られず、レンタルで出たボヘミアンズで活躍したことがイタリア移籍につながったのだった。プルゼニュではベテランに頼ることが多かったブルバ監督がどこまで若手に機会を与えるかにも注目である。

 三位は教育相のスポーツ関係の助成金にまつわる汚職疑惑で逮捕されて協会長を引退することになったペルタ氏がオーナーのヤブロネツである。代表では全く結果を出せなかったラダ監督だが、クラブチームの監督になると安定して上位の成績を残すのだから不思議である。向き不向きというのがあるのだろうなあ。うちのブリュックネル爺さまは代表でもクラブでも結果を出しているけどさ。
 ヤブロネツは三位に入ったことでヨーロッパリーグの予選の出場権を獲得したのだが、このチームヨーロッパリーグの予選で勝てないのである。以前一度だけ予選なしてヨーロッパリーグの本戦に出場したことが一度あるだけで、大抵は予選の初戦で敗退するので、ペルタ氏がヨーロッパリーグに出ることを目標に補強して十分に戦力を揃えてもなぜか勝てないと愚痴っていたことがある。今年も駄目だろうなあ。せめて初戦ぐらいは勝ちぬけてほしいとは思うけど。

 四位は過去最高の順位となるスロバーツコ。かつて前身のシノット時代に一度五位に入ったことがあるが、その後審判買収のスキャンダルで、オーナ企業のシノットが撤退して二部に落ちるなどぱっとしなかったのだが、今シーズンは強かった。中心になるのは元スパルタのカドレツや元プルゼニュのペトルジェラなど全盛期を過ぎたベテラン選手だが、若手でもクリメントなど一度国外に出てチェコに戻ってきた選手たちが活躍していた。新しく始まるヨーロッパのカップ戦の予選から出場できるようだけど、どうかな。そういえば、今年は勝てなかったけど、昨シーズン最後にスラビアに勝ったのもこのチームじゃなかったかな。

 五位に入ってなんとかヨーロッパのカップ戦の予選出場権を獲得したのがプルゼニュである。2010/11のシーズンに初優勝して以来、最悪の結果となった。一時はスパルタの監督に招聘されるという噂もあったスロバキア人のグリャ監督も、監督が連れてきたスロバキア人の選手たちも、期待はずれと言うほどひどくはなかったけれども、期待に応えたとも言いづらい。結局監督交代と言うことになって後任にはチェコ代表の監督を務めたこともあるビーレク監督が選ばれた。カザフスタンの代表監督を務めていたはずだけど、やめたのかな。監督交代後も劇的に状態がよくなったわけではないが、リベレツがお付き合いで失速してくれたおかげで五位に入れたという印象である。
 予定よりも長くなったので、この辺で一度切ることにする。
2021年5月1日24時30分。









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