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2024年02月05日

iPadで『方丈記』を読む





 やはり、「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」から、「よどみに浮かぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたるためしなし」と続いていく冒頭部分は、日本文学を代表する名文である。無常観、もしくは仏教的無常観と呼ばれるもののすべてがこの部分に凝縮されているような印象さえ受ける。日本の無常観なんて、誰にでも理解できるものではなく、大げさに言うとこの部分を読んでも理解できない人は、よほどの特別なことでもない限り永遠に理解できないのではないだろうか。自分も本当に理解しているかと聞かれると、無条件に肯定するのはためらわれるが、少なくとも感覚的にはつかめていると思いたい。

 冒頭の名文を何度か繰り返し味わった後に、次の部分に進むのだけど、そこでちょっと首をひねることになる。火災や、遷都など当時の人々の生活に大きな影響を与えた災害(福原遷都も都人にとっては災害みたいなものだろう)について記され、記録的な価値も評価されている部分をへて、最後に自分の境涯を振り返るような章段に続いていくのだけど、読み進めるにつれて冒頭部分の感動は次第に消えていくのである。冒頭のあのレベルを、短いとはいえ、最後まで維持するのは難しいということなのだろう。
 作品の後に収録された解説だったと思うが、長明編とされる説話集『発心集』について、冒頭の話は素晴らしいけれども、それ以外は投げやりな印象を与え、それは『方丈記』でも同様だなんてことが書かれていたのも納得してしまう。その解説自体が、どこか投げやりな印象を与えるもので、長明風にあえてそんな書き方をしているのかなんてことまで考えてしまった。誰が書いたんだろ。

 だからと、かつてのことを振り返って思う。当時から冒頭部分は気に入っていて、平家の冒頭と合わせて覚えてしまっていたほどなのだから(今はどちらも最初の二文ぐらいしか思い出せないけど)、続きを読もうとしたに違いない。そして、あまり面白いと思えなくて途中で投げ出してしまったのだろう。中世文学の研究なんかしていなかったのだから、今にして、それでよかったのだと思う。
 教科書や、古典文法の参考書なんかに、本文として取られているのが、『方丈記』の場合にはほぼ冒頭部分に限られるのも当然なのである。『方丈記』に関しては、冒頭の部分だけ読めば十分というのが、今回最後まで読んでの結論になる。頑張ってもう一回覚え直そうかなあ。最近、衰え気味の記憶力を鍛え直すのも悪くない。





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