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2013.09.18

世界文化遺産推薦での文化庁と内閣官房の争い

テーマ：ニュース(100145)

カテゴリ： Opinion

世界文化遺産に推薦する候補は、これまでは文化庁の委員会が決めて来ましたし、古い神社や遺跡など文化的な要素の強いものが殆どで、文化財保護法などで保全する準備が整ったものを推薦してきました。

今回の推薦候補は、文化庁の委員会が「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」を決める一方、政府の有識者会議は「明治日本の産業革命遺産」を決めました。
政府は、「明治維新から続く日本固有のものづくり文化を世界にアピールする意義がある」として、「明治日本の産業革命遺産」を世界文化遺産に推薦する方針を固めました。
しかし、「明治日本の産業革命遺産」には、現在も稼働中の工場などが含まれ、要求される保存方法では企業活動に影響が出ると懸念する声がありましたが、政府主導の内閣官房が強引に決定したのです。
極めて政治色の濃い決着となり、「富国強兵」を国是とする歴史観が回帰している様で不安となりますし、文化庁の存在意義も影が薄くなったと慨嘆せざるを得ません。

政府は、ユネスコの世界文化遺産への登録を目指して、福岡県の八幡製鐵所や長崎県の長崎造船所など、九州や山口県を中心とした8県の28資産で構成される「明治日本の産業革命遺産」を推薦する方針を固めました。
世界文化遺産として各国が推薦できるのは、年１件に限られていることから、菅官房長官の下で、それぞれの推薦理由を聞くなど、一本化に向けた調整を進めた結果、ユネスコの世界文化遺産への登録を目指して、「明治日本の産業革命遺産」を推薦する方針を固めました。

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