海外旅行紀行・戯言日記

海外旅行紀行・戯言日記

2022.04.14
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カテゴリ: Overseas Europe
先日、会社の上司先輩からゲーテのイタリア紀行を再読した時の感想文をメールで頂戴しました。

Goetheのイタリア紀行は、1786年9月に Karlsbadを抜け出して、駅馬車を乗りついで Brenner峠を越えてイタリアに入り、1787年6月に戻るまでの観察記録で、岩波文庫:相良守峯訳「ゲーテ著:イタリア紀行 上・中・下」に詳しく記載されています。
現在ではインターネットで検索すれば、どんなことでもかなり詳細に知識を得ることが出来ますが、18世紀のGoetheの博学はどのようにして得られたのであろうか。勿論ドイツに限らず、欧州では昔から学術文献が揃っていたであるので、それを入手したり、或いは関係する所蔵庫で調べたりしたに違いない。紀行文には南下するにしたがって、気候がどのように変化し、そこに生息する植物がどのように変わっていくか、山や谷や河が地形にどのような変化を及ぼすのか、その他いろいろな事象を、持ち前の知識に照らして観察し、あるいは今まで全く知識の外にあった事象を咀嚼していく態度に敬服する次第です。


ブレンナー峠はアルプスを越える峠の中で最も標高が低く(1,374m)、古くから南北を結ぶ交通のポイントにあり往来に使われたこの峠はインスブルックから南に伸びる谷に沿っています。
古代ローマ軍団はここを通って北へ向かい、逆に外敵がローマに攻め込む場合にも要衝であった様で、古代カルタゴのハンニバル将軍によるアルプス越えも此処を通った可能性が大きいらしい。
10世紀からは、神聖ローマ帝国の皇帝がローマへの道として使い、16世紀にはドイツ最大画家とされるAlbrecht Durerが、ブレンナー峠の絵を残していますし、18世紀にはモーツアルト、ゲーテ、19世紀にはハイネがやはり此処を通って南のイタリアへ旅しています。

現代のブレンナー峠には、古くからの旧道と、鉄道、高速道路でアクセス出来る様ですが、私の場合はドロミテ山塊を見に出掛ける途中に高速道路で通過しただけで、2000年5月のことでした。







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Last updated  2022.04.14 08:59:16
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ミリオン@ Re:ヘルマン・プライ-バリトン歌手(01/05) New! こんばんは。 嬉しいです。頑張って下さい…
ミリオン@ Re:金木犀の香り(10/15) おはようございます。 葉っぱは綺麗ですね…
ミリオン@ Re:トルコ石色の湖(01/04) こんばんは。 ニュージーランドは素敵です…
ミリオン@ Re:レッド・ドラゴン-トマス・ハリス(12/31) こんばんは。 ロードショーは面白いですね…
ミリオン@ Re:秋の野草セイタカアワダチソウ(10/14) おはようございます。 北海道は素敵ですね…

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